JP2004504572A - 高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサは、不つり合い状態になる回転工具及びその他の装置の衝撃を減少させる。自動バランサは、内部にレースが規定されているハウジングを提供する。レースは、レースの一方の側を取り外し自在に被覆し、その空洞への出入りを可能にする蓋を介して進入自在である。レースの湾曲した部分は、球形の補正質量の半径より幾分大きい半径を有する。補正質量とレースの湾曲部分が出会う接触領域は、接触面の面積がレースの過度の摩耗を十分に防止するが、補正質量とレースとの過剰な摩擦接触を生じさせるほど広くはならないように慎重に大きさを定められている。レースの少なくとも一部を満たす潤滑流体は、補正質量の相対的な大きさ、レースの横断面面積及び接触の広さの関係上、容易に補正質量を通過する。
Description
【0001】
[ 発明の背景 ]
<1.発明の属する技術分野>
本発明は、補正おもりとレース(race)との間の摩耗を減少させることができる高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサに関する。
【0002】
<2.関連技術の説明>
アングル研削盤及びその他の手工具、遠心分離機、光ディスクドライブなどの高速回転機械のつり合いを保つ必要があることは良く知られている。一般に、高速回転機械のつり合いを保つ必要性は振動を減少させることにより得られる利点と関連している。振動は操作者と機械自体の双方にストレスと損傷を与えることから望ましくない。これらの高速回転機械の動的つり合わせは、回転軸の周囲の位置に整定する補正おもりを有する自動バランサを使用して実現されており、この場合、回転をつり合わせるために追加重量が必要とされる。カラー(collar)が軸を包囲しており、補正おもりを保持するレースを含む。高速回転は補正おもりに大きな遠心力を加える。そこで、補正おもりはこの力をレースへ伝達する。遠心力が十分に大きいとき、レースの表面は変形して、補正おもりがレースの中で自由に運動するのを阻止する。
【0003】
回転機械における未知の又は変化する不つり合い状態に対処するためにいくつかの技法が提案されている。それらの技法は、自動つり合わせの概念に基づいている。この概念を実現する構造は、回転部材に装着される装置を含む。装置は複数の運動自在の質量と、制動流体とを収容する環状の空洞を規定する。典型的な用途においては、運動自在の質量は鋼の球又はそれに類する装置であり、制動流体は潤滑剤である。回転速度が十分であるとき、運動自在の質量は回転部材の不つり合い状態に対抗するように自らを位置決めする。
【0004】
そのような装置の1つがGoodrich他の米国特許第3,733,923号に開示されている。Goodrichの’923号特許は、湾曲した金属管から形成される環状レースを有する自動バランサを開示する。管の内部には複数の自在に運動する球形つり合いおもりと、潤滑流体が配置されている。
【0005】
Baynet他に発行された米国特許第4,905,776号は、回転部材の外周にその回転軸に沿って規定された複数の環状レース又は溝を有するアセンブリを開示する。装置は、各々の環状溝に配置された自在に運動可能である複数のボール又はローラを更に含む。回転中、ボール又はローラは不つり合い状態を補正するために自らを位置決めする。
【0006】
Kilgoreに発行された米国特許第4,674,356号は、複数の運動自在のおもり及び制動流体を収容する環状溝を含む、クランク軸のつり合いを保つための装置を開示する。装置は、軸に装着される中心孔及びキー溝を含む。不つり合い力に対抗するために、軸の第1及び第2の端部に第1及び第2のつり合わせ装置を装着できる。
【0007】
Hannah他に発行された米国特許第5,768,951号は、回転部材における不つり合い力に対抗する多様な装置を開示する。この引例は、軸方向及び長手方向に配置される複数の環状溝が内部に規定されている装置を開示する。複数の大きさの異なる、自在に運動可能であるおもりと、複数の粘度の異なる制動流体とが開示されている。
【0008】
残念ながら、これら周知の引例は高速用途には十分に適していない。回転部材の速度が増すにつれて、運動自在の質量が環状溝又はレースの外面に加える遠心力の径方向外側に向いた成分は増加することが良く知られている。この力はレースの永久的な損傷を招く場合がある。「ブリネリング(brinelling)」として知られる故障モードは、レースの面と運動自在の質量との間の大きな接触応力が原因となって起こる。この力とそれに関連する摩擦は補正質量の自在な運動を妨げ、装置が適正に機能することを妨げるであろう。
【0009】
このような問題を解決する1つの方法は、補正質量とレース面との間の力に耐えることができるように硬化させたレースを提供すること、あるいは硬化材料から製造された挿入部材を提供することであろう。
【0010】
硬化レースの利用は知られており、自動つり合わせへの適用を開示する欧州特許第0857266号又は、Taylor他に発行された米国特許第5,613,408号などの引例により言及されている。残念ながら、このような装置は高価であり且つ製造するのが難しい。通常、硬化レース又は硬化挿入部材を適正に動作させるためには精密な機械加工と研磨が必要になるであろう。従って、このような装置の製造にはいくつかのコストのかかる製造工程が追加されることになると考えられる。そのコストはバランサ全体の費用に対して著しく高くなるであろう。
【0011】
Goodrich他に発行された米国特許第3,969,688号は、高速用途において硬化レースに代わる部材を提供しようとする構造を開示する。レースの周囲壁に形成された環状溝を規定する装置が開示される。周囲壁の横断面は半円形である。壁の曲率は、装置内部に収容され、レース内部を走行する球形の補正質量の半径とごく密接に整合している。ボールとレースの壁との面接触の面積が拡大したため、レース上の所定の場所に加わる応力のレベルは低下する。しかし、総体的には、ボールとレースとの摩擦接触が増す結果となり、質量の自在な運動は妨げられがちである。この傾向は、潤滑流体があるために表面張力と毛管作用の影響が大きくなることによって更に促進される。従って、レースはより適切に保護されるが、ボールが要求される場所まで自在に移動することはできにくくなるので、回転不つり合い状態の修正は阻止されてしまう。
【0012】
典型的な手工具への適用の場合、工具の回転部分の振動はハンドルを振動させ、その結果、操作者の手や腕を振動させる。動力手工具の振動に継続的にさらされていると、操作者の健康には不快な症状や、悪影響が出るおそれがある。また、そのように振動にさらされることは、休憩時間並びに病欠時間の延長や、医療費などの点で経済的にも影響を及ぼす。手持ち研削盤などのいくつかの高速回転機械においては、使用中、不つり合い状態は時間の経過に伴って大きくなる。研削作業を実施するのに伴って、研削盤は摩耗する。この摩耗は通常は不均一であるため、領域によっては研削盤からの研摩材料の損失が大きくなり、それにより振動が増加する。摩耗率が不均一であることによって、研削盤の不つり合いの問題全体が加速され、コストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサの必要性は一層増す。
【0013】
以上のような理由により、自動バランサが装着される回転部材の不つり合い状態を修正するときのバランサの応答性を向上させるようにボールとレースとの摩擦接触を減少させつつ、レースに対する応力及びそれに関連する摩耗を減少させることができる高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサが必要とされている。
【0014】
[ 発明の目的及び概要 ]
補正質量と、それらが運動するレースとの間の摩耗を減少させる高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規な自動バランサを開示する。バランサはコストのかかる硬化技法を必要とせず、容易に機械加工できる材料から製造される。また、バランサは摩擦接触の減少によって補正質量による応答性を向上させ、従って、バランサが装着される回転部材に存在する不つり合いをより適切に修正する。
【0015】
本発明の自動バランサは、動力手工具の振動を減少させるのに特に有用である。
【0016】
従って、本発明の目的は、回転部材の不つり合い状態を取り除くのに効果がある高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規な自動バランサを提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、耐久性が高く、寿命の長い高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規な自動バランサを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、補正質量とレースの双方が従来のバランサと比較して容易に製造され、且つ多様な材料から構成でき、特に適正な動作を得るために材料を硬化させることを必要としない高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規な自動バランサを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、補正質量とレースとの接触面の面積を拡大することである。補正質量とレースとの接触面の面積を拡大することにより、高速自動バランサの補性質量及びレースに硬化させない材料を使用することができる。硬化されていない材料は機械加工が容易になるため、本発明の自動バランサを製造する費用が低減される。
【0020】
本発明の別の目的は、補正質量の半径をレースの軌道の半径と接触させることにより、レース内における補正質量の相対的に自在な運動を可能にすることである。これにより、レース内部の潤滑流体は補正質量の周囲で相対的に自在に流動できるようになる。補正質量の自在な運動により、補正質量は高速用途におけるつり合い回転に要求される位置へ移動することができる。
【0021】
本発明の別の目的は、ここで説明する特徴を利用することにより、従来は低速であると考えられていた用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規なバランサを提供することである。
【0022】
不つり合い状態が小さく、従って、必要とされる不つり合い補正の量がごく少ないある種の高速用途においては、潤滑制動流体が補正質量の適正な(再)位置決めを妨げるおそれがあるため、そのような流体の存在はバランサの適正な動作には不利になる。従って、本発明の別の目的は、潤滑制動流体を必要としない高速自動バランサを提供することである。
【0023】
例示される第1の実施例によれば、軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサは、その軸に関して回転自在である円筒形のカラーを有する。少なくとも2つの補正質量が設けられ、それら少なくとも2つの補正質量はほぼ球形である。レースが含まれ、このレースは、前記円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同軸であり、前記少なくとも2つの補正質量を受け入れるように構成され且つ配置されており、更に、前記軸とほぼ平行であるレースの周縁部に配置された走行軌道が含まれ、その走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量の半径と接触する曲率を有し、且つ前記少なくとも2つの補正質量の半径を前記走行軌道の曲率半径で除算した比は0より大きいが、1より小さい。
【0024】
前記自動バランサの走行軌道は、前記補正質量の半径の2倍より小さい幅を有するのが好ましい。前記走行軌道の幅は、通常、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍の10%から50%である。前記少なくとも2つの補正質量の半径を走行軌道の曲率半径で除算した比は、0より大きいが、1より大きく、通常は0.3から0.9である。自動バランサは、少なくとも1つの補正質量をレース内部に封入する封入部材を更に含むのが好ましい。自動バランサは、レースの少なくとも一部の中に潤滑流体を更に含む。自動バランサのカラーは、プラスチック、金属鋳造物及び鋼合金のうちの1つから製造され、少なくとも1つの補正質量はプラスチック、セラミック、炭化タングステン、焼入鋼及び鋼のうちの1つから製造されている。
【0025】
例示される第2の実施例によれば、軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサは、その軸に関して回転自在である円筒形のカラーを有する。少なくとも2つの補正質量が設けられ、補正質量はそれぞれほぼ球形である。レースが含まれ、そのレースは円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、前記少なくとも2つの補正質量を受け入れるように構成され且つ配置されている。封入部材は、前記レース及び少なくとも2つの補正質量を封入するように構成され且つ配置されている。封入されたレースの少なくとも一部に潤滑流体が設けられている。前記軸とほぼ平行であるレースの周縁部に走行軌道が配置され、走行軌道は少なくとも2つの補正質量の半径と接触する曲率を有し、且つ少なくとも2つの補正質量の半径を走行軌道の曲率半径で除算した比は0より大きいが、1より小さく、接触は、少なくとも2つの補正質量の周囲で潤滑流体をほぼ自由に流動させる一方で、前記少なくとも2つの補正質量と前記レースの走行軌道との間により広い面接触を生じさせる。
【0026】
自動バランサの走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍より小さい幅を有するのが好ましい。前記走行軌道の幅は、通常、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍の10%から50%である。前記少なくとも2つの補正質量の半径を前記走行軌道の曲率半径で除算した比は、0より大きいが、1より小さく、通常は0.3から0.9である。自動バランサは、前記少なくとも2つの補正質量をレース内部に封入する封入部材を更に含むのが好ましい。自動バランサは、レースの少なくとも一部の中に潤滑流体を更に含む。自動バランサのカラーはプラスチック、金属鋳造物及び鋼合金のうちの1つから製造され、少なくとも2つの補正質量はプラスチック、セラミック、炭化タングステン、焼入鋼及び鋼のうちの1つから製造されている。
【0027】
例示される第3の実施例によれば、軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサは、軸に関して位置決め自在である円筒形のカラーを有する。少なくとも2つの補正質量が含まれ、それら少なくとも2つの補正質量はほぼ球形である。前記少なくとも2つのレースが設けられ、前記円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、前記少なくとも2つのレースは、前記少なくとも2つの補正質量を受け入れるように構成され且つ配置されている。前記少なくとも2つのレースの各々の、軸とほぼ平行である周縁部に前記走行軌道が配置されており、前記走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量のうちの1つの半径と接触する曲率を有し、且つ前記少なくとも2つの補正質量のうちのその1つの補正質量の半径を走行軌道の曲率半径で除算した比は0より大きいが、1より小さい。
【0028】
自動バランサは、前記少なくとも2つのレース及び前記少なくとも2つの補正質量の各々を封入するように構成され且つ配置された少なくとも2つの封入部材を更に含むのが好ましい。自動バランサは、少なくとも2つの封入されたレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に含む。少なくとも2つの封入部材は、前記円筒形のカラーに取り外し自在に結合されている。自動バランサは、前記少なくとも2つのレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に含むのが好ましい。前記少なくとも2つのレースのうちの1つは、前記少なくとも2つのレースのうちの別のレースの周囲より大きい周囲を有する。前記少なくとも2つのレースのうちの、より大きい周囲を有する1つのレースの走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量のうちの別の補正質量の半径を少なくとも2つのレースのうちの別のレースの走行軌道の曲率半径で除算した比より大きいところの、前記少なくとも2つの補正質量のうちの前記一方の補正質量の半径を少なくとも2つのレースのうち、より大きい周囲を有する前記1つのレースの走行軌道の曲率半径で除算した比を有する。
【0029】
本発明の更に別の目的、特徴及びそれらに付随する利点は、添付の図面と関連させて、本発明に従って構成された実施例の以下の詳細な説明を読むことにより当業者には明白になるであろう。
【0030】
[ 好ましい実施例の説明 ]
図面を参照して、同じ図中符号はいくつかの図を通して同一の要素又は対応する要素を指示する。
【0031】
本発明による自動バランサは、高速回転中に不つり合い状態になる回転部材を有する工具に装着されるべきハウジングの内部に収納されている。そのような工具の一例が図1及び図2に示されており、この場合、本発明の自動バランサの一実施例が研削盤に装着されている。しかし、研削盤の代わりに、つり合い状態を保てない回転運動を行うどのような工具又は装置にも自動バランサを装着することが可能であろう。
【0032】
本発明に関しては、「高速」という用語は、当業者には容易に理解される通り、相対的な意味で使用される。従って、研削盤に関しては「高速」であるということができる7000〜16000rpmの研削盤などのいくつかの回転機械は通常は相対的に高速で運転されるが、700rpmで動作される工業用洗濯機も「高速」で運転されると考えられる。そのため、「高速」という用語の使用により示唆されるのは、回転機械の回転速度により発生される力と、少なくともそのような力により駆動される設計基準であることが当業者には理解されるであろう。
【0033】
図1から図3を参照すると、本発明の原理に従って構成された高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサが示されている。図1を参照すると、ハンドル101を有する工具100は、安全ガード102を有する研削盤103を有する回転性の工具である。バランサ104は研削盤の駆動軸と同心に装着されている。図3の好ましい実施例に見られるように、高速バランサ300はレース309が内部に規定されているハウジング又はカラー301を含む。ハウジング301に規定された中央開口部は回転軸308と同心である。動作中、中央開口部の環状面307すなわち、外面は、図1の研削盤103などの工具の回転部品の回転の軸と回転軸308を整列させるように、研削盤又はそれに類する工具のスピンドル、回転子又はその他の構造の周囲に嵌合される。
【0034】
更に図3を参照すると、ハウジングは環状レース309を規定する。レースは、レースの一方の側を永久的に又は取り外し自在に被覆し、この空洞への出入りを可能にする蓋302を介して進入自在である。あるいは、ハウジングは軸対称関係の2つの半体を含んでいても良く、その場合、各半体はレース309の一部を規定し、蓋を設ける必要がなくなるであろう。レース309は、補正質量305に関して選択された半径を有する事前に設計された曲率を有する環状の軌道又は部分303を規定する。その結果、2つの湾曲面、すなわち、補正質量305と軌道303の湾曲面が接触304を形成する。
【0035】
この曲率を有する部分又は軌道303の大きさは接触領域304、すなわち、2つの湾曲面が出会う領域を形成する。接触は(1)レースと補正質量との表面領域接触の程度、(2)レースを製造しなければならない硬度、及び(3)回転部材における不つり合い状態の修正をもたらす速度及び方向で補正質量がどの程度まで運動することが可能であるかを左右する、質量とレースとの摩擦のバランスを精密に調整する。図3に示すように、好ましい接触304は補正質量305の相当に大きな部分には広がっていない。その結果、潤滑流体306は補正運動の運動につれて補正質量の周囲を通過することができる。しかし、湾曲部分又は軌道303を従来の技術で要求されていた程度まで硬化させる必要がないように、接触304は補正質量の十分な領域にわたって形成されている。従って、ハウジングの製造コストは低減される。
【0036】
図3に示すように、補正質量305は通常は球形であり、鋼、焼入鋼、炭化タングステン、セラミック又はプラスチックなどの多様な材料から製造できる。図2に示す本発明の実施例では、補正質量203は玉軸受又はそれに非常に類似する要素であり、ハウジング201に規定されたレース溝202の内部で回転するような大きさに形成されている。補正質量はハウジング201に規定されたレース202の内部に位置決めされる。動作中、補正質量はレース内部に規定された湾曲軌道に沿って運動する。
【0037】
図3に示すように、潤滑流体306はレース309の少なくとも一部を占めている。潤滑流体は補正質量305とハウジング内部に規定されたレースとの摩擦を減少させる。接触領域304の大きさ、接触領域304内部における接触の大きさ、補正質量と軌道303の湾曲部分との接触の表面積、レースの横断面面積、及び潤滑流体の粘度は全て補正質量の運動に影響を及ぼす。図3に示す構造においては、潤滑流体はレース内部を運動するときに、回転運動の不つり合いを制動し損なうような結果をもたらす過度の摩擦を生じさせることなく、補正質量を通過して移動することが可能である。
【0038】
流体306はいくつかの重要な機能を果たす。流体は補正質量の運動に対してある量の潤滑を与えることにより、レースと補正質量との摩擦を減少させることができる。回転本体の回転が始まったときに流体は補正質量の運動を開始させ、つり合わせを可能にする回転状態が起こったときには、補正質量を不つり合いに対抗する位置に安定させる。実際、多くの用途において、つり合わせ流体の安定化効果がなければ、補正質量は安定したつり合わせ位置を決して実現できないであろう。
【0039】
しかし、用途によっては、制動流体があることがバランサの性能に悪影響を及ぼすこともあり、従って、制動流体を取り除くのがより好ましい。これは、不つり合いの量が小さく、そのために、補正質量が小型である場合に特に言えることである。そのような場合、制動流体の表面張力と粘着力の特性が補正質量を互いに接着させ、一塊にしてしまい、不つり合い状態に対抗するように補正質量が自らを位置決めするのを妨げる。具体的には、直径が3mm未満の補正質量の場合、通常利用可能な流体によって既に補正質量は悪影響を受けることがわかっている。このような場合、どのような制動流体も含まれていないことが望ましい。制動流体を含まない状態では、接触の幅を狭くすることによって、補正質量に対する安定化作用が達成される。この場合、補正質量に対して安定化作用を与えるほど十分に高いが、バランサの性能に悪影響を及ぼすほどには高くない程度の転がり抵抗を生じさせるように、接触を選択する。
【0040】
従って、制動流体又は潤滑流体を必要としないバランサも本発明の1つの面としてみなす。バランサが臨界速度を越えると、バランサ質量又はボールに安定化作用を与えるメカニズムがなければならない。これは、通常、制動流体によって実現される。用途によっては、特に、CD−ROMドライブなどの非常に小型のボールを必要とする用途においては、アルコール又は最短連鎖シリコン油などの非常に軽量の流体であっても、その表面張力と粘着力がまさり、バランサは十分な性能を実現することができない。このような用途については、バランサを乾燥状態で運転しなければならない。レースに転がり抵抗を増加させた上で接触の幅を狭くする方法も使用でき、また、それらの組み合わせも可能である。
【0041】
制動流体の例としては有機油及び鉱油がある。それらは良好な潤滑性能を有し、一般に、35から40dyn/cmの範囲の低い表面張力を有する。これに対し、水の表面張力は約72dyn/cmである。一般に、表面張力が低く且つ良好な潤滑特性であることを特徴とする制動流体を用いることが有益である。鉱油及び有機油の主な欠点は、温度によってその粘度が大きく変化することである。非常に低い温度では、これらの油の粘度は非常に高くなりがちであり、高温では粘度が極端に低すぎる。温度が相当に変化するような用途では、いわゆるシリコン油が好ましい。シリコン油は、特に、温度安定性が高いことを特徴としている。シリコン油の例としてはトリフルオロプロピルシロキシジメチルシロキサン(低摩擦及び高温);メチルトリフルオロプロピルサイクリック三量体(低粘度、通常はプライマーとして使用される);低粘度を必要とする用途に適するヘキサメチルジシロキサン;熱安定性に加えてより良い潤滑を提供する、メチルフェニルシロキサンをベースとするBaysilone Fluids P(Bayer)(Baysilone PN5から1000);潤滑特性は幾分落ちるが、より良い熱安定性を提供する、ジメチルシロキサンをベースとするBaysilone Fluids M(Baysilone M3からM1000000)などがあるが、これらには限定されない。
【0042】
通常、シリコン油は表面張力が相対的に低いことも特徴としている。これは、相対的に小型のボールを利用するシステムでは望ましく、その場合、一般の鉱油の表面張力の影響はバランサの性能を劣化させてしまうおそれがある。制動流体の表面張力が過剰であると、ボールが互いに接着して一塊になり、それにより、ボールが不つり合い状態に対抗するように適正な場所へ移動するのを妨げる。シリコン油を使用することのもう1つの利点は、表面張力が流体の粘度によって大きく左右されないことである。従って、表面張力の悪影響を受けずにボールに対して所要の安定化制動を得るために、広い範囲にわたる粘度を選択することができる。当業者には容易に明白になるであろうが、本発明においては、先に説明した、必要な特性を有する他の流体が適切である。
【0043】
限定的な意味をもたない例ではあるが、表面張力特性のいくつかの例を以下に提示する:
ジメチルシリコンは粘度に大きく左右されない低い表面張力値を有する(25°C、20から100.000cStで約21dyn/cm);
フェニル含有流体はわずかに高い表面張力値を有する(25°Cで約24から25dyn/cm);
有機流体の表面張力は、通常は35から40dyn/cmの範囲である。
水の場合は72dyn/cmである。
【0044】
図2に示すような典型的な用途においては、研削盤200は高速で不つり合い状態になる回転といし車を含む。研削盤に装着される自動つり合わせ装置は、レース202を規定するハウジング201を含む。限定的な意味をもたない一例として、5つの補正質量203がレースにより支持されている。レースの湾曲部分303(図3を参照)は、通常、球形の補正質量305より幾分大きい半径を有する。補正質量とレースの湾曲部分が接触している接触領域304は、動作条件の下で、接触の表面積がレースの過度の摩耗を防止するのに十分であるが、補正質量とレースとの過剰な摩擦節足を生じさせるほど広範囲にわたらないように慎重に大きさを定められている。レースの少なくとも一部を満たしている潤滑流体306は、補正質量の相対的な大きさ、レースの横断面面積、及び接触領域304の大きさの関係上、補正質量を容易に通過する。
【0045】
更に明確にするために、図4及び図5を参照すると、接触領域408は曲率半径Rを有する横方向レース湾曲405と、半径rを有する補正質量404の湾曲とにより規定されている。同様に、接触領域508は曲率半径Rを有する横方向レース湾曲505と、半径rを有する補正質量504の湾曲とにより規定されている。接触領域の大きさは補正質量の直径2rの百分率で表現されるのが好ましく、領域408又は508の軸方向の幅をdとするとき、d/(2r)x100%に等しい。
【0046】
すなわち、
d=X(2r)
上記式中で、Xは(無次元)百分率として表される。本発明のいくつかの面によれば、Xは約10%から約50%であり、約25%から約35%であるのがより好ましい。
【0047】
補正質量の半径rと走行軌道の曲率Rとの比r/Rを接触の大きさという。実際、接触の大きさは約0から約1までの間で選択され、0に近い値を幅広接触といい、1に近い接触を狭小接触という。本発明の他の面によれば、r/Rは約0.3から約0.9である。本発明の更に別の面によれば、レースで潤滑/制動流体を使用しない場合、r/Rは約0.95であっても良い。
【0048】
図4を参照すると、相対的に幅の広い接触の概略表現400が示されている。ハウジング401に形成されたレース402の走行軌道403の湾曲405の半径Rは補正質量404の半径rよりかなり大きい。これに対応して、湾曲405の中心407は補正質量404の中心406から相当に離れた場所に位置している。限定された場合として、走行軌道が横方向湾曲を持たず、接触の大きさが0に等しいとき、接触は開いているという。
【0049】
更に、図5を参照すると、相対的に幅の狭い接触の概略表現500が示されている。ハウジング501に形成されたレース502の走行軌道503の湾曲505の半径Rは補正質量504の半径rよりさほど大きくない。これに対応して、湾曲505の中心507は補正質量504の中心506に近接している。限定された場合として、走行軌道の湾曲がボールの半径に等しく、従って、接触の大きさが1に等しいとき、接触は閉じているという。
【0050】
接触の大きさと接触領域の広さは、バランサの幾何学的形状、動作速度及び動作条件、並びに補性質量及びレースの材料に基づいて、ボールとレースとの接触の表面積を最適にするように慎重に選択される。選択の出発点となるのは残留振動レベルに関するバランサの性能である。実際には、バランサが不つり合い状態を完全に取り除くことは決してなく、レースの変形と転がり抵抗の影響によって、残留不つり合いが生じることはありうる。バランサの性能基準はその結果としての残留振動を識別する。これから、最大許容転がり抵抗を判定する。転がり抵抗と残留振動は次の式に従った関係を有する:
ε=CμRρ
上記式中で、εは残留振動レベルであり、μRは転がり抵抗係数であり、ρはレースの大きさを表し、回転の中心からボールの中心までの距離に等しく、Cは定数である。
【0051】
Cは1.5から2(長さ単位、例えばmm)であるのが好ましいことがわかっている。転がり抵抗係数μRが定義されると、与えられた機械の回転速度及び補正質量の大きさに対して、レースの材料と大きさ、及び接触の大きさについての選択が行われる。レースの接触は、各々のレースのブリネリングが回避されるように、すなわち、最大接触応力が材料の降伏を発生させる接触応力以下になるように設計されるべきである。
【0052】
そのような選択は、例えば、ヘルツの理論などの数学的理論、並びに実験データに基づいて行われる。例えば、プラスチック又はいくつかの金属鋳造物などの柔軟な材料はより幅の狭い接触を要求し、一方、鋼合金などの硬質材料は幅広接触でより良い性能を示すことが観測されている。更に、他の点が全て等しい場合、回転速度が速く且つ遠心力が大きい場合には、一般に幅の狭い接触が必要になることが観測されている。具体的には、図1の高速研削盤への適用の場合、表面硬度が310HBの鋼レース及び焼入鋼の補正質量を有するシステムについては、0.794の接触の大きさ及び25%の接触領域の広さが選択された。この例では、30μm以下の残留振動レベルを実現することが望ましく、これは転がり抵抗係数を7000rpmで0.0007以下にすることを必要とした。通常、接触領域の広さは25%から35%の範囲であるが、本発明の更に別の面によればこの範囲を超えて広げることも可能であろう。図4及び図5は、図面を明瞭にするために接触の広さの割合をはるかに大きくして示している。すなわち、理解を容易にするために必ずしも正確な縮尺率で描かれているわけではない。
【0053】
図6を参照すると、高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高いバランサの別の実施例が示されている。バランサ600は、内部に2つのレース603及び610が規定されているハウジング601を具備する。取り外し自在の、又は永久的な蓋602及び609がレース空洞603及び610を被覆している。第1の環状レース603の内側に第1の複数の補正質量606が配置されている。第2のレース610には第2の複数の補正質量613が配置されている。第1のレース603は第1の事前設計済み湾曲605を有する部分604を規定している。第2のレース610は第2の事前設計済み湾曲612を有する部分611を規定している。第1のレース603の湾曲部分604は補正質量606と共に第1の接触領域608を形成する。第2のレース610の湾曲部分611は補正質量613と共に第2の接触領域615を形成する。
【0054】
第1のレース空洞603には第1の潤滑/制動流体607が配置されている。第2のレース空洞610には第2の潤滑/制動流体614が配置されている;第1及び第2の流体607、614は同じ流体であっても良いし、異なる流体であっても良い。バランサ600は回転軸617に沿って回転自在のスピンドル又はシャフトに中心位置を合わせて装着されるべき環状面616を更に含む。通常、最も外側の第1のレース603の湾曲605は、最も内側のレース610より大きな接触の大きさ608を生じさせるように選択される。これは、最も外側のレース603の補正質量606が最も内側のレース610の補正質量613より大きな遠心力にさらされるために、レース603に関して接触608の幅を狭くすることが好ましく、それが要求されるからである。
【0055】
更に図6を参照すると、代替実施例600は、第1の複数の補正質量606が第2の複数の補正質量613とほぼ同じ大きさであることを示している。しかし、特定の用途、動作条件及び幾何学的制約によって、第2の複数の補正質量については別の大きさを選択しても良いことを理解すべきである。また、代替実施例600は、互いに対して同軸に配置された2つの同心のレース603及び610を有する装置を示している。しかし、必要に応じて、更に多くの数の同軸レースを利用でき、そのような同軸のレースを軸方向又は長手方向、あるいはその組み合わせで配置できることに注意すべきである。更に、補正質量が配置された異なるレースに0から1の範囲の異なる接触の大きさを持たせること、及びボール直径の5%から100%を越える割合の範囲の異なる接触領域の広さをもたせることが可能であろうということも理解すべきである。また、異なるレースに異なる潤滑流体を配置することも可能である。
【0056】
多数のレースを有するシステムμ1ρ1=μ2ρ2=μ3ρ3=...,等々の場合、特に効率の良い構成は、等式により求められるような残留振動レベルが同じであるような構成である。すなわち:
この状況の下では、各レースは残留振動レベルにより測定される同じ性能を提供するからである。あるいは、関連する材料が与えられて、そのような状況を実現することが不可能である場合には、レースごとの接触は、各々のレースのブリネリングが回避されるように、すなわち、最大接触応力が材料の降伏を引き起こす接触応力以下になるように設計されるべきである。また、2つのレースの場合を図示したが、3つ以上のレースを使用できるであろうということにも注意すべきである。
【0057】
本発明を使用するために、自動バランサ300(又は104、400、500、600)を回転工具又は他の不つり合い回転運動源に装着する。自動バランサの回転軸308を工具の回転軸とほぼ一致するように又はほぼ一線上に並ぶように整列させる。軸が規定されている開口部の面307は、軸308を工具のモータの回転子軸と適正に整列させるように、スピンドル、モータ又は工具と関連するその他の構造の周囲に嵌合する大きさに形成されている。
【0058】
工具の動作中、補正質量305は軌道303と接触しながらレース309を通って移動する。補正質量が運動するにつれて、潤滑流体306は補正質量の周囲を自在に流動する。
【0059】
補正質量の運動の場所、速度及び方向、並びにその結果発生する慣性力は工具又はその他の回転不つり合い源の回転運動に固有の不つり合い力を相殺しようとする。
【0060】
動作中、補正質量がレース309に規定された軌道303と接触する接触領域304は、レースの軌道303又は他の部分の過剰な摩耗を十分に防止する表面積を形成する。しかし、接触面の面積は、潤滑流体306が補正質量の周囲を自在に流動することを不可能にして、補正質量が回転運動の不つり合い状態を相殺するように運動するのを妨げる結果をもたらすであろう過剰な摩擦を発生させるには不十分である。
【0061】
本発明のいくつかの面によれば、外側ハウジング又はカラーをプラスチック、金属鋳造物及び鋼合金のうちの1つから形成できる。他の面によれば、走行軌道を形成する材料は軌道を走行する補正質量の材料より柔軟である。
【0062】
本発明のいくつかの面は手持ち動力工具のつり合わせに関するが、本発明の他の面は他の回転機械のつり合わせに関する。限定的な意味を持たない例として、本発明を使用できる他の回転機械はポンプ、回転のこぎり、ディスクドライブ(光及び磁気を含む)、遠心分離機、洗濯機、チェーンソー、分離装置、回転燃焼機関、タービン、工業用ファンなどを含み、回転速度が速く且つ硬化レースが必要である用途で特に有用である。
【0063】
以上、円形のレースに関して本発明の1つの面を説明した;しかし、本発明はそれに限定されない。全体又は一部が円形以外の、例えば、楕円形、放物線形又はその他の円形でない幾何学的形状を有するレースを有するバランサも本発明の範囲内に含まれる。
【0064】
本発明を図面及び上記の説明で詳細に示し且つ説明したが、それらは単なる例示であり、限定的な性質を持つと考えるべきではなく、単に好ましい実施例が示され且つ説明されていただけであり、且つ本発明の趣旨の範囲内のあらゆる変更及び変形は保護されることを望まれていると理解される。先に挙げた公開済み文書はそれぞれその全体を参考として本明細書に取り入れられている。
【図面の簡単な説明】
次に、添付の図面を参照して、単なる例として挙げられている装置及び方法の好ましい実施例に関連して本出願の発明を更に詳細に説明する。図面中、
【図1】図1は、研削盤の手工具に装着されたバランサの使用状況を示すところの、本発明の高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサの一例の等角投影図である。
【図2】図2は、本発明の自動バランサの変形例の等角投影図を更に含む、図1のつり合い装置及び工具の拡大図である。
【図3】図3は、本発明の高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサの好ましい一実施例の横断面図である。
【図4】図4は、いわゆる幅広接触の概略断面図である。
【図5】図5は、いわゆる狭小接触の概略断面図である。
【図6】図6は、本発明による代替実施例の横断面図である。
[ 発明の背景 ]
<1.発明の属する技術分野>
本発明は、補正おもりとレース(race)との間の摩耗を減少させることができる高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサに関する。
【0002】
<2.関連技術の説明>
アングル研削盤及びその他の手工具、遠心分離機、光ディスクドライブなどの高速回転機械のつり合いを保つ必要があることは良く知られている。一般に、高速回転機械のつり合いを保つ必要性は振動を減少させることにより得られる利点と関連している。振動は操作者と機械自体の双方にストレスと損傷を与えることから望ましくない。これらの高速回転機械の動的つり合わせは、回転軸の周囲の位置に整定する補正おもりを有する自動バランサを使用して実現されており、この場合、回転をつり合わせるために追加重量が必要とされる。カラー(collar)が軸を包囲しており、補正おもりを保持するレースを含む。高速回転は補正おもりに大きな遠心力を加える。そこで、補正おもりはこの力をレースへ伝達する。遠心力が十分に大きいとき、レースの表面は変形して、補正おもりがレースの中で自由に運動するのを阻止する。
【0003】
回転機械における未知の又は変化する不つり合い状態に対処するためにいくつかの技法が提案されている。それらの技法は、自動つり合わせの概念に基づいている。この概念を実現する構造は、回転部材に装着される装置を含む。装置は複数の運動自在の質量と、制動流体とを収容する環状の空洞を規定する。典型的な用途においては、運動自在の質量は鋼の球又はそれに類する装置であり、制動流体は潤滑剤である。回転速度が十分であるとき、運動自在の質量は回転部材の不つり合い状態に対抗するように自らを位置決めする。
【0004】
そのような装置の1つがGoodrich他の米国特許第3,733,923号に開示されている。Goodrichの’923号特許は、湾曲した金属管から形成される環状レースを有する自動バランサを開示する。管の内部には複数の自在に運動する球形つり合いおもりと、潤滑流体が配置されている。
【0005】
Baynet他に発行された米国特許第4,905,776号は、回転部材の外周にその回転軸に沿って規定された複数の環状レース又は溝を有するアセンブリを開示する。装置は、各々の環状溝に配置された自在に運動可能である複数のボール又はローラを更に含む。回転中、ボール又はローラは不つり合い状態を補正するために自らを位置決めする。
【0006】
Kilgoreに発行された米国特許第4,674,356号は、複数の運動自在のおもり及び制動流体を収容する環状溝を含む、クランク軸のつり合いを保つための装置を開示する。装置は、軸に装着される中心孔及びキー溝を含む。不つり合い力に対抗するために、軸の第1及び第2の端部に第1及び第2のつり合わせ装置を装着できる。
【0007】
Hannah他に発行された米国特許第5,768,951号は、回転部材における不つり合い力に対抗する多様な装置を開示する。この引例は、軸方向及び長手方向に配置される複数の環状溝が内部に規定されている装置を開示する。複数の大きさの異なる、自在に運動可能であるおもりと、複数の粘度の異なる制動流体とが開示されている。
【0008】
残念ながら、これら周知の引例は高速用途には十分に適していない。回転部材の速度が増すにつれて、運動自在の質量が環状溝又はレースの外面に加える遠心力の径方向外側に向いた成分は増加することが良く知られている。この力はレースの永久的な損傷を招く場合がある。「ブリネリング(brinelling)」として知られる故障モードは、レースの面と運動自在の質量との間の大きな接触応力が原因となって起こる。この力とそれに関連する摩擦は補正質量の自在な運動を妨げ、装置が適正に機能することを妨げるであろう。
【0009】
このような問題を解決する1つの方法は、補正質量とレース面との間の力に耐えることができるように硬化させたレースを提供すること、あるいは硬化材料から製造された挿入部材を提供することであろう。
【0010】
硬化レースの利用は知られており、自動つり合わせへの適用を開示する欧州特許第0857266号又は、Taylor他に発行された米国特許第5,613,408号などの引例により言及されている。残念ながら、このような装置は高価であり且つ製造するのが難しい。通常、硬化レース又は硬化挿入部材を適正に動作させるためには精密な機械加工と研磨が必要になるであろう。従って、このような装置の製造にはいくつかのコストのかかる製造工程が追加されることになると考えられる。そのコストはバランサ全体の費用に対して著しく高くなるであろう。
【0011】
Goodrich他に発行された米国特許第3,969,688号は、高速用途において硬化レースに代わる部材を提供しようとする構造を開示する。レースの周囲壁に形成された環状溝を規定する装置が開示される。周囲壁の横断面は半円形である。壁の曲率は、装置内部に収容され、レース内部を走行する球形の補正質量の半径とごく密接に整合している。ボールとレースの壁との面接触の面積が拡大したため、レース上の所定の場所に加わる応力のレベルは低下する。しかし、総体的には、ボールとレースとの摩擦接触が増す結果となり、質量の自在な運動は妨げられがちである。この傾向は、潤滑流体があるために表面張力と毛管作用の影響が大きくなることによって更に促進される。従って、レースはより適切に保護されるが、ボールが要求される場所まで自在に移動することはできにくくなるので、回転不つり合い状態の修正は阻止されてしまう。
【0012】
典型的な手工具への適用の場合、工具の回転部分の振動はハンドルを振動させ、その結果、操作者の手や腕を振動させる。動力手工具の振動に継続的にさらされていると、操作者の健康には不快な症状や、悪影響が出るおそれがある。また、そのように振動にさらされることは、休憩時間並びに病欠時間の延長や、医療費などの点で経済的にも影響を及ぼす。手持ち研削盤などのいくつかの高速回転機械においては、使用中、不つり合い状態は時間の経過に伴って大きくなる。研削作業を実施するのに伴って、研削盤は摩耗する。この摩耗は通常は不均一であるため、領域によっては研削盤からの研摩材料の損失が大きくなり、それにより振動が増加する。摩耗率が不均一であることによって、研削盤の不つり合いの問題全体が加速され、コストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサの必要性は一層増す。
【0013】
以上のような理由により、自動バランサが装着される回転部材の不つり合い状態を修正するときのバランサの応答性を向上させるようにボールとレースとの摩擦接触を減少させつつ、レースに対する応力及びそれに関連する摩耗を減少させることができる高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサが必要とされている。
【0014】
[ 発明の目的及び概要 ]
補正質量と、それらが運動するレースとの間の摩耗を減少させる高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規な自動バランサを開示する。バランサはコストのかかる硬化技法を必要とせず、容易に機械加工できる材料から製造される。また、バランサは摩擦接触の減少によって補正質量による応答性を向上させ、従って、バランサが装着される回転部材に存在する不つり合いをより適切に修正する。
【0015】
本発明の自動バランサは、動力手工具の振動を減少させるのに特に有用である。
【0016】
従って、本発明の目的は、回転部材の不つり合い状態を取り除くのに効果がある高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規な自動バランサを提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、耐久性が高く、寿命の長い高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規な自動バランサを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、補正質量とレースの双方が従来のバランサと比較して容易に製造され、且つ多様な材料から構成でき、特に適正な動作を得るために材料を硬化させることを必要としない高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規な自動バランサを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、補正質量とレースとの接触面の面積を拡大することである。補正質量とレースとの接触面の面積を拡大することにより、高速自動バランサの補性質量及びレースに硬化させない材料を使用することができる。硬化されていない材料は機械加工が容易になるため、本発明の自動バランサを製造する費用が低減される。
【0020】
本発明の別の目的は、補正質量の半径をレースの軌道の半径と接触させることにより、レース内における補正質量の相対的に自在な運動を可能にすることである。これにより、レース内部の潤滑流体は補正質量の周囲で相対的に自在に流動できるようになる。補正質量の自在な運動により、補正質量は高速用途におけるつり合い回転に要求される位置へ移動することができる。
【0021】
本発明の別の目的は、ここで説明する特徴を利用することにより、従来は低速であると考えられていた用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い新規なバランサを提供することである。
【0022】
不つり合い状態が小さく、従って、必要とされる不つり合い補正の量がごく少ないある種の高速用途においては、潤滑制動流体が補正質量の適正な(再)位置決めを妨げるおそれがあるため、そのような流体の存在はバランサの適正な動作には不利になる。従って、本発明の別の目的は、潤滑制動流体を必要としない高速自動バランサを提供することである。
【0023】
例示される第1の実施例によれば、軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサは、その軸に関して回転自在である円筒形のカラーを有する。少なくとも2つの補正質量が設けられ、それら少なくとも2つの補正質量はほぼ球形である。レースが含まれ、このレースは、前記円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同軸であり、前記少なくとも2つの補正質量を受け入れるように構成され且つ配置されており、更に、前記軸とほぼ平行であるレースの周縁部に配置された走行軌道が含まれ、その走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量の半径と接触する曲率を有し、且つ前記少なくとも2つの補正質量の半径を前記走行軌道の曲率半径で除算した比は0より大きいが、1より小さい。
【0024】
前記自動バランサの走行軌道は、前記補正質量の半径の2倍より小さい幅を有するのが好ましい。前記走行軌道の幅は、通常、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍の10%から50%である。前記少なくとも2つの補正質量の半径を走行軌道の曲率半径で除算した比は、0より大きいが、1より大きく、通常は0.3から0.9である。自動バランサは、少なくとも1つの補正質量をレース内部に封入する封入部材を更に含むのが好ましい。自動バランサは、レースの少なくとも一部の中に潤滑流体を更に含む。自動バランサのカラーは、プラスチック、金属鋳造物及び鋼合金のうちの1つから製造され、少なくとも1つの補正質量はプラスチック、セラミック、炭化タングステン、焼入鋼及び鋼のうちの1つから製造されている。
【0025】
例示される第2の実施例によれば、軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサは、その軸に関して回転自在である円筒形のカラーを有する。少なくとも2つの補正質量が設けられ、補正質量はそれぞれほぼ球形である。レースが含まれ、そのレースは円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、前記少なくとも2つの補正質量を受け入れるように構成され且つ配置されている。封入部材は、前記レース及び少なくとも2つの補正質量を封入するように構成され且つ配置されている。封入されたレースの少なくとも一部に潤滑流体が設けられている。前記軸とほぼ平行であるレースの周縁部に走行軌道が配置され、走行軌道は少なくとも2つの補正質量の半径と接触する曲率を有し、且つ少なくとも2つの補正質量の半径を走行軌道の曲率半径で除算した比は0より大きいが、1より小さく、接触は、少なくとも2つの補正質量の周囲で潤滑流体をほぼ自由に流動させる一方で、前記少なくとも2つの補正質量と前記レースの走行軌道との間により広い面接触を生じさせる。
【0026】
自動バランサの走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍より小さい幅を有するのが好ましい。前記走行軌道の幅は、通常、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍の10%から50%である。前記少なくとも2つの補正質量の半径を前記走行軌道の曲率半径で除算した比は、0より大きいが、1より小さく、通常は0.3から0.9である。自動バランサは、前記少なくとも2つの補正質量をレース内部に封入する封入部材を更に含むのが好ましい。自動バランサは、レースの少なくとも一部の中に潤滑流体を更に含む。自動バランサのカラーはプラスチック、金属鋳造物及び鋼合金のうちの1つから製造され、少なくとも2つの補正質量はプラスチック、セラミック、炭化タングステン、焼入鋼及び鋼のうちの1つから製造されている。
【0027】
例示される第3の実施例によれば、軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサは、軸に関して位置決め自在である円筒形のカラーを有する。少なくとも2つの補正質量が含まれ、それら少なくとも2つの補正質量はほぼ球形である。前記少なくとも2つのレースが設けられ、前記円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、前記少なくとも2つのレースは、前記少なくとも2つの補正質量を受け入れるように構成され且つ配置されている。前記少なくとも2つのレースの各々の、軸とほぼ平行である周縁部に前記走行軌道が配置されており、前記走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量のうちの1つの半径と接触する曲率を有し、且つ前記少なくとも2つの補正質量のうちのその1つの補正質量の半径を走行軌道の曲率半径で除算した比は0より大きいが、1より小さい。
【0028】
自動バランサは、前記少なくとも2つのレース及び前記少なくとも2つの補正質量の各々を封入するように構成され且つ配置された少なくとも2つの封入部材を更に含むのが好ましい。自動バランサは、少なくとも2つの封入されたレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に含む。少なくとも2つの封入部材は、前記円筒形のカラーに取り外し自在に結合されている。自動バランサは、前記少なくとも2つのレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に含むのが好ましい。前記少なくとも2つのレースのうちの1つは、前記少なくとも2つのレースのうちの別のレースの周囲より大きい周囲を有する。前記少なくとも2つのレースのうちの、より大きい周囲を有する1つのレースの走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量のうちの別の補正質量の半径を少なくとも2つのレースのうちの別のレースの走行軌道の曲率半径で除算した比より大きいところの、前記少なくとも2つの補正質量のうちの前記一方の補正質量の半径を少なくとも2つのレースのうち、より大きい周囲を有する前記1つのレースの走行軌道の曲率半径で除算した比を有する。
【0029】
本発明の更に別の目的、特徴及びそれらに付随する利点は、添付の図面と関連させて、本発明に従って構成された実施例の以下の詳細な説明を読むことにより当業者には明白になるであろう。
【0030】
[ 好ましい実施例の説明 ]
図面を参照して、同じ図中符号はいくつかの図を通して同一の要素又は対応する要素を指示する。
【0031】
本発明による自動バランサは、高速回転中に不つり合い状態になる回転部材を有する工具に装着されるべきハウジングの内部に収納されている。そのような工具の一例が図1及び図2に示されており、この場合、本発明の自動バランサの一実施例が研削盤に装着されている。しかし、研削盤の代わりに、つり合い状態を保てない回転運動を行うどのような工具又は装置にも自動バランサを装着することが可能であろう。
【0032】
本発明に関しては、「高速」という用語は、当業者には容易に理解される通り、相対的な意味で使用される。従って、研削盤に関しては「高速」であるということができる7000〜16000rpmの研削盤などのいくつかの回転機械は通常は相対的に高速で運転されるが、700rpmで動作される工業用洗濯機も「高速」で運転されると考えられる。そのため、「高速」という用語の使用により示唆されるのは、回転機械の回転速度により発生される力と、少なくともそのような力により駆動される設計基準であることが当業者には理解されるであろう。
【0033】
図1から図3を参照すると、本発明の原理に従って構成された高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサが示されている。図1を参照すると、ハンドル101を有する工具100は、安全ガード102を有する研削盤103を有する回転性の工具である。バランサ104は研削盤の駆動軸と同心に装着されている。図3の好ましい実施例に見られるように、高速バランサ300はレース309が内部に規定されているハウジング又はカラー301を含む。ハウジング301に規定された中央開口部は回転軸308と同心である。動作中、中央開口部の環状面307すなわち、外面は、図1の研削盤103などの工具の回転部品の回転の軸と回転軸308を整列させるように、研削盤又はそれに類する工具のスピンドル、回転子又はその他の構造の周囲に嵌合される。
【0034】
更に図3を参照すると、ハウジングは環状レース309を規定する。レースは、レースの一方の側を永久的に又は取り外し自在に被覆し、この空洞への出入りを可能にする蓋302を介して進入自在である。あるいは、ハウジングは軸対称関係の2つの半体を含んでいても良く、その場合、各半体はレース309の一部を規定し、蓋を設ける必要がなくなるであろう。レース309は、補正質量305に関して選択された半径を有する事前に設計された曲率を有する環状の軌道又は部分303を規定する。その結果、2つの湾曲面、すなわち、補正質量305と軌道303の湾曲面が接触304を形成する。
【0035】
この曲率を有する部分又は軌道303の大きさは接触領域304、すなわち、2つの湾曲面が出会う領域を形成する。接触は(1)レースと補正質量との表面領域接触の程度、(2)レースを製造しなければならない硬度、及び(3)回転部材における不つり合い状態の修正をもたらす速度及び方向で補正質量がどの程度まで運動することが可能であるかを左右する、質量とレースとの摩擦のバランスを精密に調整する。図3に示すように、好ましい接触304は補正質量305の相当に大きな部分には広がっていない。その結果、潤滑流体306は補正運動の運動につれて補正質量の周囲を通過することができる。しかし、湾曲部分又は軌道303を従来の技術で要求されていた程度まで硬化させる必要がないように、接触304は補正質量の十分な領域にわたって形成されている。従って、ハウジングの製造コストは低減される。
【0036】
図3に示すように、補正質量305は通常は球形であり、鋼、焼入鋼、炭化タングステン、セラミック又はプラスチックなどの多様な材料から製造できる。図2に示す本発明の実施例では、補正質量203は玉軸受又はそれに非常に類似する要素であり、ハウジング201に規定されたレース溝202の内部で回転するような大きさに形成されている。補正質量はハウジング201に規定されたレース202の内部に位置決めされる。動作中、補正質量はレース内部に規定された湾曲軌道に沿って運動する。
【0037】
図3に示すように、潤滑流体306はレース309の少なくとも一部を占めている。潤滑流体は補正質量305とハウジング内部に規定されたレースとの摩擦を減少させる。接触領域304の大きさ、接触領域304内部における接触の大きさ、補正質量と軌道303の湾曲部分との接触の表面積、レースの横断面面積、及び潤滑流体の粘度は全て補正質量の運動に影響を及ぼす。図3に示す構造においては、潤滑流体はレース内部を運動するときに、回転運動の不つり合いを制動し損なうような結果をもたらす過度の摩擦を生じさせることなく、補正質量を通過して移動することが可能である。
【0038】
流体306はいくつかの重要な機能を果たす。流体は補正質量の運動に対してある量の潤滑を与えることにより、レースと補正質量との摩擦を減少させることができる。回転本体の回転が始まったときに流体は補正質量の運動を開始させ、つり合わせを可能にする回転状態が起こったときには、補正質量を不つり合いに対抗する位置に安定させる。実際、多くの用途において、つり合わせ流体の安定化効果がなければ、補正質量は安定したつり合わせ位置を決して実現できないであろう。
【0039】
しかし、用途によっては、制動流体があることがバランサの性能に悪影響を及ぼすこともあり、従って、制動流体を取り除くのがより好ましい。これは、不つり合いの量が小さく、そのために、補正質量が小型である場合に特に言えることである。そのような場合、制動流体の表面張力と粘着力の特性が補正質量を互いに接着させ、一塊にしてしまい、不つり合い状態に対抗するように補正質量が自らを位置決めするのを妨げる。具体的には、直径が3mm未満の補正質量の場合、通常利用可能な流体によって既に補正質量は悪影響を受けることがわかっている。このような場合、どのような制動流体も含まれていないことが望ましい。制動流体を含まない状態では、接触の幅を狭くすることによって、補正質量に対する安定化作用が達成される。この場合、補正質量に対して安定化作用を与えるほど十分に高いが、バランサの性能に悪影響を及ぼすほどには高くない程度の転がり抵抗を生じさせるように、接触を選択する。
【0040】
従って、制動流体又は潤滑流体を必要としないバランサも本発明の1つの面としてみなす。バランサが臨界速度を越えると、バランサ質量又はボールに安定化作用を与えるメカニズムがなければならない。これは、通常、制動流体によって実現される。用途によっては、特に、CD−ROMドライブなどの非常に小型のボールを必要とする用途においては、アルコール又は最短連鎖シリコン油などの非常に軽量の流体であっても、その表面張力と粘着力がまさり、バランサは十分な性能を実現することができない。このような用途については、バランサを乾燥状態で運転しなければならない。レースに転がり抵抗を増加させた上で接触の幅を狭くする方法も使用でき、また、それらの組み合わせも可能である。
【0041】
制動流体の例としては有機油及び鉱油がある。それらは良好な潤滑性能を有し、一般に、35から40dyn/cmの範囲の低い表面張力を有する。これに対し、水の表面張力は約72dyn/cmである。一般に、表面張力が低く且つ良好な潤滑特性であることを特徴とする制動流体を用いることが有益である。鉱油及び有機油の主な欠点は、温度によってその粘度が大きく変化することである。非常に低い温度では、これらの油の粘度は非常に高くなりがちであり、高温では粘度が極端に低すぎる。温度が相当に変化するような用途では、いわゆるシリコン油が好ましい。シリコン油は、特に、温度安定性が高いことを特徴としている。シリコン油の例としてはトリフルオロプロピルシロキシジメチルシロキサン(低摩擦及び高温);メチルトリフルオロプロピルサイクリック三量体(低粘度、通常はプライマーとして使用される);低粘度を必要とする用途に適するヘキサメチルジシロキサン;熱安定性に加えてより良い潤滑を提供する、メチルフェニルシロキサンをベースとするBaysilone Fluids P(Bayer)(Baysilone PN5から1000);潤滑特性は幾分落ちるが、より良い熱安定性を提供する、ジメチルシロキサンをベースとするBaysilone Fluids M(Baysilone M3からM1000000)などがあるが、これらには限定されない。
【0042】
通常、シリコン油は表面張力が相対的に低いことも特徴としている。これは、相対的に小型のボールを利用するシステムでは望ましく、その場合、一般の鉱油の表面張力の影響はバランサの性能を劣化させてしまうおそれがある。制動流体の表面張力が過剰であると、ボールが互いに接着して一塊になり、それにより、ボールが不つり合い状態に対抗するように適正な場所へ移動するのを妨げる。シリコン油を使用することのもう1つの利点は、表面張力が流体の粘度によって大きく左右されないことである。従って、表面張力の悪影響を受けずにボールに対して所要の安定化制動を得るために、広い範囲にわたる粘度を選択することができる。当業者には容易に明白になるであろうが、本発明においては、先に説明した、必要な特性を有する他の流体が適切である。
【0043】
限定的な意味をもたない例ではあるが、表面張力特性のいくつかの例を以下に提示する:
ジメチルシリコンは粘度に大きく左右されない低い表面張力値を有する(25°C、20から100.000cStで約21dyn/cm);
フェニル含有流体はわずかに高い表面張力値を有する(25°Cで約24から25dyn/cm);
有機流体の表面張力は、通常は35から40dyn/cmの範囲である。
水の場合は72dyn/cmである。
【0044】
図2に示すような典型的な用途においては、研削盤200は高速で不つり合い状態になる回転といし車を含む。研削盤に装着される自動つり合わせ装置は、レース202を規定するハウジング201を含む。限定的な意味をもたない一例として、5つの補正質量203がレースにより支持されている。レースの湾曲部分303(図3を参照)は、通常、球形の補正質量305より幾分大きい半径を有する。補正質量とレースの湾曲部分が接触している接触領域304は、動作条件の下で、接触の表面積がレースの過度の摩耗を防止するのに十分であるが、補正質量とレースとの過剰な摩擦節足を生じさせるほど広範囲にわたらないように慎重に大きさを定められている。レースの少なくとも一部を満たしている潤滑流体306は、補正質量の相対的な大きさ、レースの横断面面積、及び接触領域304の大きさの関係上、補正質量を容易に通過する。
【0045】
更に明確にするために、図4及び図5を参照すると、接触領域408は曲率半径Rを有する横方向レース湾曲405と、半径rを有する補正質量404の湾曲とにより規定されている。同様に、接触領域508は曲率半径Rを有する横方向レース湾曲505と、半径rを有する補正質量504の湾曲とにより規定されている。接触領域の大きさは補正質量の直径2rの百分率で表現されるのが好ましく、領域408又は508の軸方向の幅をdとするとき、d/(2r)x100%に等しい。
【0046】
すなわち、
d=X(2r)
上記式中で、Xは(無次元)百分率として表される。本発明のいくつかの面によれば、Xは約10%から約50%であり、約25%から約35%であるのがより好ましい。
【0047】
補正質量の半径rと走行軌道の曲率Rとの比r/Rを接触の大きさという。実際、接触の大きさは約0から約1までの間で選択され、0に近い値を幅広接触といい、1に近い接触を狭小接触という。本発明の他の面によれば、r/Rは約0.3から約0.9である。本発明の更に別の面によれば、レースで潤滑/制動流体を使用しない場合、r/Rは約0.95であっても良い。
【0048】
図4を参照すると、相対的に幅の広い接触の概略表現400が示されている。ハウジング401に形成されたレース402の走行軌道403の湾曲405の半径Rは補正質量404の半径rよりかなり大きい。これに対応して、湾曲405の中心407は補正質量404の中心406から相当に離れた場所に位置している。限定された場合として、走行軌道が横方向湾曲を持たず、接触の大きさが0に等しいとき、接触は開いているという。
【0049】
更に、図5を参照すると、相対的に幅の狭い接触の概略表現500が示されている。ハウジング501に形成されたレース502の走行軌道503の湾曲505の半径Rは補正質量504の半径rよりさほど大きくない。これに対応して、湾曲505の中心507は補正質量504の中心506に近接している。限定された場合として、走行軌道の湾曲がボールの半径に等しく、従って、接触の大きさが1に等しいとき、接触は閉じているという。
【0050】
接触の大きさと接触領域の広さは、バランサの幾何学的形状、動作速度及び動作条件、並びに補性質量及びレースの材料に基づいて、ボールとレースとの接触の表面積を最適にするように慎重に選択される。選択の出発点となるのは残留振動レベルに関するバランサの性能である。実際には、バランサが不つり合い状態を完全に取り除くことは決してなく、レースの変形と転がり抵抗の影響によって、残留不つり合いが生じることはありうる。バランサの性能基準はその結果としての残留振動を識別する。これから、最大許容転がり抵抗を判定する。転がり抵抗と残留振動は次の式に従った関係を有する:
ε=CμRρ
上記式中で、εは残留振動レベルであり、μRは転がり抵抗係数であり、ρはレースの大きさを表し、回転の中心からボールの中心までの距離に等しく、Cは定数である。
【0051】
Cは1.5から2(長さ単位、例えばmm)であるのが好ましいことがわかっている。転がり抵抗係数μRが定義されると、与えられた機械の回転速度及び補正質量の大きさに対して、レースの材料と大きさ、及び接触の大きさについての選択が行われる。レースの接触は、各々のレースのブリネリングが回避されるように、すなわち、最大接触応力が材料の降伏を発生させる接触応力以下になるように設計されるべきである。
【0052】
そのような選択は、例えば、ヘルツの理論などの数学的理論、並びに実験データに基づいて行われる。例えば、プラスチック又はいくつかの金属鋳造物などの柔軟な材料はより幅の狭い接触を要求し、一方、鋼合金などの硬質材料は幅広接触でより良い性能を示すことが観測されている。更に、他の点が全て等しい場合、回転速度が速く且つ遠心力が大きい場合には、一般に幅の狭い接触が必要になることが観測されている。具体的には、図1の高速研削盤への適用の場合、表面硬度が310HBの鋼レース及び焼入鋼の補正質量を有するシステムについては、0.794の接触の大きさ及び25%の接触領域の広さが選択された。この例では、30μm以下の残留振動レベルを実現することが望ましく、これは転がり抵抗係数を7000rpmで0.0007以下にすることを必要とした。通常、接触領域の広さは25%から35%の範囲であるが、本発明の更に別の面によればこの範囲を超えて広げることも可能であろう。図4及び図5は、図面を明瞭にするために接触の広さの割合をはるかに大きくして示している。すなわち、理解を容易にするために必ずしも正確な縮尺率で描かれているわけではない。
【0053】
図6を参照すると、高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高いバランサの別の実施例が示されている。バランサ600は、内部に2つのレース603及び610が規定されているハウジング601を具備する。取り外し自在の、又は永久的な蓋602及び609がレース空洞603及び610を被覆している。第1の環状レース603の内側に第1の複数の補正質量606が配置されている。第2のレース610には第2の複数の補正質量613が配置されている。第1のレース603は第1の事前設計済み湾曲605を有する部分604を規定している。第2のレース610は第2の事前設計済み湾曲612を有する部分611を規定している。第1のレース603の湾曲部分604は補正質量606と共に第1の接触領域608を形成する。第2のレース610の湾曲部分611は補正質量613と共に第2の接触領域615を形成する。
【0054】
第1のレース空洞603には第1の潤滑/制動流体607が配置されている。第2のレース空洞610には第2の潤滑/制動流体614が配置されている;第1及び第2の流体607、614は同じ流体であっても良いし、異なる流体であっても良い。バランサ600は回転軸617に沿って回転自在のスピンドル又はシャフトに中心位置を合わせて装着されるべき環状面616を更に含む。通常、最も外側の第1のレース603の湾曲605は、最も内側のレース610より大きな接触の大きさ608を生じさせるように選択される。これは、最も外側のレース603の補正質量606が最も内側のレース610の補正質量613より大きな遠心力にさらされるために、レース603に関して接触608の幅を狭くすることが好ましく、それが要求されるからである。
【0055】
更に図6を参照すると、代替実施例600は、第1の複数の補正質量606が第2の複数の補正質量613とほぼ同じ大きさであることを示している。しかし、特定の用途、動作条件及び幾何学的制約によって、第2の複数の補正質量については別の大きさを選択しても良いことを理解すべきである。また、代替実施例600は、互いに対して同軸に配置された2つの同心のレース603及び610を有する装置を示している。しかし、必要に応じて、更に多くの数の同軸レースを利用でき、そのような同軸のレースを軸方向又は長手方向、あるいはその組み合わせで配置できることに注意すべきである。更に、補正質量が配置された異なるレースに0から1の範囲の異なる接触の大きさを持たせること、及びボール直径の5%から100%を越える割合の範囲の異なる接触領域の広さをもたせることが可能であろうということも理解すべきである。また、異なるレースに異なる潤滑流体を配置することも可能である。
【0056】
多数のレースを有するシステムμ1ρ1=μ2ρ2=μ3ρ3=...,等々の場合、特に効率の良い構成は、等式により求められるような残留振動レベルが同じであるような構成である。すなわち:
この状況の下では、各レースは残留振動レベルにより測定される同じ性能を提供するからである。あるいは、関連する材料が与えられて、そのような状況を実現することが不可能である場合には、レースごとの接触は、各々のレースのブリネリングが回避されるように、すなわち、最大接触応力が材料の降伏を引き起こす接触応力以下になるように設計されるべきである。また、2つのレースの場合を図示したが、3つ以上のレースを使用できるであろうということにも注意すべきである。
【0057】
本発明を使用するために、自動バランサ300(又は104、400、500、600)を回転工具又は他の不つり合い回転運動源に装着する。自動バランサの回転軸308を工具の回転軸とほぼ一致するように又はほぼ一線上に並ぶように整列させる。軸が規定されている開口部の面307は、軸308を工具のモータの回転子軸と適正に整列させるように、スピンドル、モータ又は工具と関連するその他の構造の周囲に嵌合する大きさに形成されている。
【0058】
工具の動作中、補正質量305は軌道303と接触しながらレース309を通って移動する。補正質量が運動するにつれて、潤滑流体306は補正質量の周囲を自在に流動する。
【0059】
補正質量の運動の場所、速度及び方向、並びにその結果発生する慣性力は工具又はその他の回転不つり合い源の回転運動に固有の不つり合い力を相殺しようとする。
【0060】
動作中、補正質量がレース309に規定された軌道303と接触する接触領域304は、レースの軌道303又は他の部分の過剰な摩耗を十分に防止する表面積を形成する。しかし、接触面の面積は、潤滑流体306が補正質量の周囲を自在に流動することを不可能にして、補正質量が回転運動の不つり合い状態を相殺するように運動するのを妨げる結果をもたらすであろう過剰な摩擦を発生させるには不十分である。
【0061】
本発明のいくつかの面によれば、外側ハウジング又はカラーをプラスチック、金属鋳造物及び鋼合金のうちの1つから形成できる。他の面によれば、走行軌道を形成する材料は軌道を走行する補正質量の材料より柔軟である。
【0062】
本発明のいくつかの面は手持ち動力工具のつり合わせに関するが、本発明の他の面は他の回転機械のつり合わせに関する。限定的な意味を持たない例として、本発明を使用できる他の回転機械はポンプ、回転のこぎり、ディスクドライブ(光及び磁気を含む)、遠心分離機、洗濯機、チェーンソー、分離装置、回転燃焼機関、タービン、工業用ファンなどを含み、回転速度が速く且つ硬化レースが必要である用途で特に有用である。
【0063】
以上、円形のレースに関して本発明の1つの面を説明した;しかし、本発明はそれに限定されない。全体又は一部が円形以外の、例えば、楕円形、放物線形又はその他の円形でない幾何学的形状を有するレースを有するバランサも本発明の範囲内に含まれる。
【0064】
本発明を図面及び上記の説明で詳細に示し且つ説明したが、それらは単なる例示であり、限定的な性質を持つと考えるべきではなく、単に好ましい実施例が示され且つ説明されていただけであり、且つ本発明の趣旨の範囲内のあらゆる変更及び変形は保護されることを望まれていると理解される。先に挙げた公開済み文書はそれぞれその全体を参考として本明細書に取り入れられている。
【図面の簡単な説明】
次に、添付の図面を参照して、単なる例として挙げられている装置及び方法の好ましい実施例に関連して本出願の発明を更に詳細に説明する。図面中、
【図1】図1は、研削盤の手工具に装着されたバランサの使用状況を示すところの、本発明の高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサの一例の等角投影図である。
【図2】図2は、本発明の自動バランサの変形例の等角投影図を更に含む、図1のつり合い装置及び工具の拡大図である。
【図3】図3は、本発明の高速用途のためのコストパフォーマンス及び信頼性の高い自動バランサの好ましい一実施例の横断面図である。
【図4】図4は、いわゆる幅広接触の概略断面図である。
【図5】図5は、いわゆる狭小接触の概略断面図である。
【図6】図6は、本発明による代替実施例の横断面図である。
Claims (37)
- 軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサであって、
前記軸に関して回転自在である円筒形のカラー(collar)と、
ほぼ球形である少なくとも2つの補正質量と、
円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、前記少なくとも2つの補正質量を受け入れるように構成され且つ配置されているレース(race)と、
前記軸とほぼ平行である前記レースの周縁部に配置された走行軌道とを具備し、
前記走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量の半径と接触する曲率を有し、且つ前記少なくとも2つの補正質量の半径を前記走行軌道の曲率半径で除算した比は、0より大きいが、1より小さい
ことを特徴とする自動バランサ。 - 前記走行軌道の幅は、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍より小さいことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。
- 前記走行軌道の幅は、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍の10%から50%の範囲の割合である
ことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。 - 前記走行軌道の幅は、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍の25%から35%の範囲の割合である
ことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つの補正質量の半径を前記走行軌道の曲率半径で除算した比は、0.7から0.95の範囲にある
ことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。 - 更に、前記レース及び少なくとも2つの補正質量を封入するように構成され且つ配置された封入部材を具備する
ことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。 - 前記封入されたレースの少なくとも一部にある潤滑流体を更に具備する
ことを特徴とする請求項6記載の自動バランサ。 - 前記封入部材は、前記円筒形のカラーに取り外し自在に結合される
ことを特徴とする請求項6記載の自動バランサ。 - 前記レースの少なくとも一部にある潤滑流体を更に具備する
ことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。 - 前記円筒形のカラーは、プラスチック、金属鋳造物及び鋼合金から成る材料群から選択された材料から製造され、且つ前記補正質量は、プラスチック、炭化タングステン、焼入鋼及び鋼のうちの1つから製造されている
ことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。 - 軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサであって、
前記軸に関して回転自在である円筒形のカラーと、
ほぼ球形である少なくとも2つの補正質量と、
前記円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、前記少なくとも2つの補正質量を受け入れるように構成され且つ配置されているレースと、
前記レース及び少なくとも2つの補正質量を封入するように構成され且つ配置された封入部材と、
前記封入されたレースの少なくとも一部にある潤滑流体と、
前記軸とほぼ平行である前記レースの周縁部に配置された走行軌道とを具備し、
前記走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量の半径と接触する曲率を有し、且つ前記少なくとも2つの補正質量の半径を走行軌道の曲率半径で除算した比は、0より大きいが、1より小さく、該接触は、前記少なくとも2つの補正質量の周囲で前記潤滑流体をほぼ自由に流動させる一方で、前記少なくとも2つの補正質量と前記レースの走行軌道との間により広い面接触を生じさせる
ことを特徴とする自動バランサ。 - 前記走行軌道の幅は、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍より小さいことを特徴とする請求項11記載の自動バランサ。
- 前記走行軌道の幅は、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍の10%から50%の範囲の割合である
ことを特徴とする請求項11記載の自動バランサ。 - 前記走行軌道の幅は、前記少なくとも2つの補正質量の半径の2倍の25%から35%の範囲の割合である
ことを特徴とする請求項11記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つの補正質量の半径を前記走行軌道の曲率半径で除算した比は、0.7から0.9の範囲にある
ことを特徴とする請求項11記載の自動バランサ。 - 軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサであって、
前記軸に関して位置決め自在である円筒形のカラーと、
ほぼ球形である少なくとも2つの補正質量と、
前記円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、それぞれが前記少なくとも2つの補正質量のうちの少なくとも1つを受け入れるところの、少なくとも2つのレースと、
前記少なくとも2つのレースの各々の、前記軸とほぼ平行である周縁部に配置された走行軌道とを具備し、
前記走行軌道は、前記少なくとも2つの補正質量のうちの1つの半径と接触する曲率を有し、且つ前記少なくとも2つの補正質量のうちの前記1つの補正質量の半径を前記走行軌道の曲率半径で除算した比は、0より大きいが、1より小さい
ことを特徴とする自動バランサ。 - 前記少なくとも2つのレース及び少なくとも2つの補正質量の各々を封入するように構成され且つ配置されたところの、少なくとも2つの封入部材を更に具備する
ことを特徴とする請求項16記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つの封入されたレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に具備する
ことを特徴とする請求項17記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つの封入部材は、前記円筒形のカラーに取り外し自在に結合されている
ことを特徴とする請求項17記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つのレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に具備する
ことを特徴とする請求項16記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つのレースのうちの1つは、前記少なくとも2つのレースのうちの別のレースの周囲より大きい周囲を有する
ことを特徴とする請求項16記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つのレース及び少なくとも2つの補正質量の各々を封入するように構成され且つ配置されたところの、少なくとも2つの封入部材を更に具備する
ことを特徴とする請求項21記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つの封入されたレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に具備する
ことを特徴とする請求項22記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つの封入部材は、前記円筒形のカラーに取り外し自在に結合されている
ことを特徴とする請求項22記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つのレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に具備する
ことを特徴とする請求項21記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つのレースのうちの、より大きい周囲を有する1つのレースの走行軌道は、
前記少なくとも2つの補正質量のうちの別の補正質量の半径を前記少なくとも2つのレースのうちの別のレースの走行軌道の曲率半径で除算した比より大きいところの、前記少なくとも2つの補正質量のうちの前記一方の補正質量の半径を、前記少なくとも2つのレースのうち、より大きい周囲を有する前記1つのレースの走行軌道の曲率半径で除算した比を有する
ことを特徴とする請求項21記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つのレース及び少なくとも2つの補正質量の各々を封入するように構成され且つ配置されたところの、少なくとも2つの封入部材を更に具備する
ことを特徴とする請求項26記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つの封入されたレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に具備する
ことを特徴とする請求項27記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つの封入部材は、前記円筒形のカラーに取り外し自在に結合されている
ことを特徴とする請求項27記載の自動バランサ。 - 前記少なくとも2つのレースの各々の少なくとも一部にある潤滑流体を更に具備する
ことを特徴とする請求項26記載の自動バランサ。 - 軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサであって、
前記軸に関して位置決め自在である円筒形のカラーと、
各々がほぼ球形であり且つそれぞれ異なる質量を有する少なくとも2つの補正質量と、
前記円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、各々が前記少なくとも2つの補正質量のうちの少なくとも1つを受け入れる2つのレースと、
前記2つのレースの各々の、前記軸とほぼ平行である周縁部に配置され、各々が他方とは異なる曲率を有する走行軌道とを具備し、
前記走行軌道の曲率は、前記2つのレースに関して、
(a)前記走行軌道と前記少なくとも2つの補正質量との接触面積が同じであるか、または、
(b)前記走行軌道と前記少なくとも2つの補正質量との接触応力が同じであるという条件の少なくとも一方が満たされるように選択されている
ことを特徴とする自動バランサ。 - 軸に関して回転する質量のつり合いを保つ自動バランサであって、
前記軸に関して位置決め自在である円筒形のカラーと、
各々がほぼ球形であり且つそれぞれ異なる質量を有するところの、前記少なくとも2つの補正質量と、
前記円筒形のカラーの内部に配置され且つ前記軸と同心であり、各々が前記少なくとも2つの補正質量のうちの少なくとも1つを受け入れ且つ各補正質量との間に転がり抵抗を有する第1及び第2のレースと、
前記第1及び第2のレースの各々の、前記軸とほぼ平行である周縁部に配置され、各々が他方とは異なる曲率を有する走行軌道とを具備し、
前記走行軌道の曲率は、前記第1のレースの半径に前記第1のレースの転がり抵抗を乗算した値が、前記第2のレースの半径に前記第2のレースの転がり抵抗を乗算した値と等しくなるように選択されている
ことを特徴とする自動バランサ。 - 前記補正質量及び走行軌道の接触、前記レース半径及び材料は、前記補正質量と前記走行軌道との接触応力が、前記走行軌道の材料のブリネリング応力以下になるように相互に選択される
ことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。 - 前記接触は、前記補正質量と前記走行軌道との転がり抵抗が所定のレベル以下になるように選択されている
ことを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。 - 前記補正質量及び走行軌道の接触、前記レース半径及び材料は、前記補正質量と前記走行軌道との接触応力が、前記走行軌道の材料のブリネリング応力以下になるように相互に選択されている
ことを特徴とする請求項16記載の自動バランサ。 - 前記接触は、前記補正質量と前記走行軌道との転がり抵抗が所定のレベル以下になるように選択されている
ことを特徴とする請求項16記載の自動バランサ。 - 前記走行軌道の材料は、前記少なくとも2つの補正質量の材料より柔軟であることを特徴とする請求項1記載の自動バランサ。
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