JP2004519638A - 回転機構の釣り合いのための装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、回転機構(12)の釣り合いのための装置及び、該装置を用いて回転機構を自動的に釣り合わせるための方法であって、運動可能な少なくとも1つの補償体(522)のための、回転機構(12)の回転軸線を中心として配置されてた少なくとも1つの循環軌道を備えている形式のものに関する。
本発明に基づき、装置(510)が、回転機構(12)の回転軸線(18)の周りを同軸的に延びる閉じた1つの循環路(520)を備えており、該循環路内で少なくとも1つの補償体(522)が、互いに開かれた複数の循環軌道の少なくとも1つに沿って回転機構の回転軸線(18)を中心として循環するようになっている。
本発明に基づき、装置(510)が、回転機構(12)の回転軸線(18)の周りを同軸的に延びる閉じた1つの循環路(520)を備えており、該循環路内で少なくとも1つの補償体(522)が、互いに開かれた複数の循環軌道の少なくとも1つに沿って回転機構の回転軸線(18)を中心として循環するようになっている。
Description
【0001】
本発明は、回転機構の釣り合いのための方法及び装置に関する。
【0002】
回転機構は釣り合わされて、回転機構のアンバランスに起因する振動を排除若しくは減少させるようになっている。望ましくないこの種の振動は不都合な騒音を生ぜしめ、若しくは軸受の強い負荷に基づき回転機構の耐用年数を減少させる。
【0003】
静的な釣り合い(この場合には、所定の補償質量が回転機構の所定の箇所に堅く取り付けられ若しくは設けられる)のほかに、自動的な釣り合いも周知である。該方法では補償体を用いるようになっており、補償体が回転機構の周りを運動可能である。
【0004】
自動的な釣り合いに際して、回転機構の周りを運動可能な補償体が自動的に配列されて、もとのアンバランスに基づく慣性力が減少され、これによって回転機構の不都合な振動が減衰若しくは完全に排除される。
【0005】
電気的に懸架された回転機構の自動的な釣り合いのための基本原理は、文献、例えばケレンベルガー(Kellenberger)著 “ Elastisches Wuchten: modale Verfahren, EK−Technik, Sondertechniken, automatisches und thermisches Wuchten ”im Springer Verlag; Berlin, Heidelberg; 1987 (弾性的な釣り合い:最新方法、EK−技術、特殊技術、自動的及び熱的な釣り合い、スプリンガー出版、ベルリン、ハイデルベルグ、1987年)に記載してある。この種の動的な機構は、バランスすべきあらゆる回転部分に容易に組み込まれる。回転部分が運転中に連続的にあらたに釣り合わされ、その結果、運転中に変化する若しくは運転時に例えば摩耗、破損、汚れ若しくは腐食によって生じるアンバランスも常に自動的に補償される。
【0006】
米国特許第5724862号明細書により、すでに回転体のアンバランスの自動的な排除のための方法が公知である。該方法は回転機構の回転軸線の周りに補償装置を配置することによって実施され、該補償装置が回転軸線の周りに同軸的に配置された閉じた複数の軌道を有しており、該軌道内をそれぞれ少なくとも1つの補償体が循環するようになっている。
【0007】
半径の異なる同軸的な複数の循環軌道の使用によって、回転機構を大きな回転範囲にわたってかつ回転機構のアンバランスの特に大きな変動に対して釣り合わせることが可能である。
【0008】
米国特許第5724862号明細書に記載の回転体の動的な釣り合いのための方法においては欠点として、補償体の循環軌道を保持する補償装置が比較的大きく、かつ煩雑な構造であり、これによって重くなっている。
【0009】
本発明の課題は、回転機構の動的なアンバランス除去のための方法及び該方法の実施のための装置を改善して、釣り合いをアンバランス及び回転数のできるだけ大きな範囲でできるだけ簡単、軽量及び小さい構造で可能にすることである。
【0010】
前記課題が、請求項1及び10に記載の本発明に基づく手段によって解決される。
【0011】
発明の利点
回転機構の本発明に基づく方法及び該方法で作動する装置においては利点として、半径の互いに異なる同軸的な複数の循環軌道が著しく少ない費用で、唯一の循環路内に組み込み可能である。横断面形状によってのみ補償質量のための互いに異なる循環軌道を規定する1つの循環路を用いることに基づき、冒頭に述べた形式の補償装置を比較的小さい組み込みスペースで実施することが可能である。
【0012】
互いに開かれた循環軌道を用いることに基づき、個別の循環軌道の、壁による費用のかかる機械的な分離が不要である。これに伴う材料節減、重量節減及び容積節減のほかに、本発明に基づく装置のためのコストも、公知技術の装置に比べて相応に減少される。
【0013】
本発明に基づく装置の組み込み容積(組み込みスペース)及び重量の節減によって、動的な釣り合いのための本発明に基づく方法が多様な小型の回転機構に用いられ得る。
【0014】
従属請求項に記載の手段によって、請求項1に記載の装置の有利な変更及び改善が可能である。
【0015】
1つの循環路の横断面輪郭の特別な形状付与によって、簡単かつ有利な形式で補償質量のための互いに異なる循環軌道を形成することができる。閉じられた複数の循環路、ひいては互いに異なる循環軌道の形成のために用いられる分離壁が不要である。
【0016】
特に有利には、異なる循環軌道の寸法は、大きさの互いに異なる複数の補償体がそれぞれの回転機構の共通の回転軸線の周りを循環軌道に沿って循環できるように規定されている。これによって、回転機構の共通の回転軸線を中心とした互いに異なる循環半径への大きさ及び質量の異なる補償体の配置が有利な形式で実施できる。
【0017】
補償体の配置が、半径方向でも軸線方向でも循環路の横断面輪郭によってのみ規定できる。これによって、補償体を大きさ若しくは質量に応じて互いに異なる循環半径に段状に配列することが、極めて簡単かつ有利に行われる。
【0018】
共通の回転軸線を中心とした互いに異なる循環軌道に質量の異なる複数の補償体を配置することによって、回転機構のアンバランスが大きな回転範囲にわたって減少される。本発明に基づき互いに異なる軌道に沿って転動する質量の異なる補償体を備える回転機構は、微細に調整され、それというのは1つの循環軌道しか用いない場合には発生してしまう残留アンバランスが、第2の循環軌道及び該循環軌道に適合された補償質量によってさらに減少されるからである。循環軌道の数の増大によって、残留するアンバランスの量を最小にすることができる。本発明に基づく装置においては、循環軌道の数の増加に伴って増大する組み込みスペース及び相応に増大するコストを公知技術の装置に比べて減少させることができる。
【0019】
循環する補償体として球体を用いることによって、摩擦損失が減少され、かつ自動的に釣り合わせられる回転機構の運転時の騒音レベルが相応に減少される。
【0020】
補償質量として直径の異なる球体を使用することによって、釣り合い装置の閉じられた1つの循環路内での個別の循環軌道の簡単な分離が可能である。これによって、補償体の質量並びに循環軌道の半径が、回転機構における最適な釣り合い結果を得るために自由に選ばれ得る。
【0021】
補償体に加えて釣り合い装置の閉じられた循環路内に流体を設けることによって利点として、流体が補償質量の運動を減衰して騒音の減少に寄与する。
【0022】
流体を摩擦減少及び減衰のために本発明に基づく釣り合い装置の循環路内に設けることも有利である。循環路内に受容されて連続的に分配された流体が、不連続な補償体にとって付加的な釣り合い効果を生ぜしめる。
【0023】
本発明に基づく釣り合い装置を用いて釣り合わせられる回転機構においては利点として、当該部分が運転中に連続的にあらたに釣り合わされ、その結果、運転中に変化する若しくは運転時に例えば摩耗、破損、汚れ若しくは腐食によって生じるアンバランスも常に自動的に補償される。本発明に基づく釣り合い装置は、減少された組み込み容積及び重量節減によって、小さな回転構成要素及び回転機構内での継続的なかつ自動的な釣り合いを可能にする。
【0024】
回転機構の釣り合いのための本発明に基づく方法によって、多様な回転機構を極めて簡単に自動的に釣り合わせることができる。
【0025】
実施例の説明
回転機構の動的な釣り合いのための本発明に基づく装置の複数の実施例を図面に示して、以下に詳細に述べる。
【0026】
図1に示してあるように、本発明に基づく釣り合い装置は、回転機構の軸を同軸的に取り囲んでいる。図示の実施例では簡単な装置4として示された回転機構2が、軸16に取り付けられており、軸が回転機構12によって駆動される。軸16は回転軸線18を中心として回転する。別の実施例として、回転機構12を軸16によって駆動することも可能である。
【0027】
可能な実施例としてであって、本発明に基づく釣り合い装置若しくは本発明に基づく方法の使用のための限定としてではなく、電動モータ及び、該電動モータによって駆動可能なすべての回転ユニット若しくは回転機器が挙げられる。電動モータ自体が、かつ電動モータによって駆動されるユニットも、本発明に基づく釣り合い装置によって若しくは本発明に基づく方法を用いて釣り合わされ得る。図面では概略的に示唆するに過ぎない回転機構12は、送風機、ベンチレータ若しくはエンジン冷却ファン並びに電動モータであってよい。
【0028】
回転機構12の自動的な釣り合わせのための本発明に基づく装置10は、図1の実施例では軸16に堅く固定された補償構造体21を有しており、補償構造体内に、同軸的に回転軸線18の回りを延びる閉じた唯一の循環路20が形成されている。
【0029】
図示の実施例では本発明に基づく装置10の補償構造体21が、本来の回転機構12から分離して軸16に取り付けられている。別の実施例では、補償構造体が回転機構12自体内に組み込まれていてもよい。
【0030】
本発明に基づく装置10の循環路20内に自由に運動可能な補償体22を配置してあり、補償体(バランス体)が図1に示す第1の実施例では直径の異なる二種類の球体24から成っている。図1では、球体26,28,30が球体32に対して減少された半径を有している。
【0031】
循環路20は図1の実施例では方形の横断面輪郭33を有しており、横断面輪郭の寸法が球体24の直径に合わせて規定されており、即ちすべての球体が、循環路20の内壁38に形成された半径34の一定な循環軌道に沿って回転機構12の回転軸線18の回りを循環できるようになっている。図1の実施例の補償構造体21を備えた本発明に基づく装置10によっては、質量の異なる球体を1つの循環路20内の互いに異なる軌道に沿って循環させることが可能である。
【0032】
最適な釣り合いのために必要な付加的な慣性モーメントの適合が、図1の実施例では循環路20の外側の半径の大きさの規定によって、或いは個別の球体24の質量の変化によって行われ得る。
【0033】
図2には本発明の別の実施例が概略的に示してある。図2の本発明に基づく装置の、図1の実施例に対して変更されていない部分及び構成要素には、同じ符合が付けられている。本発明に基づく装置の変更された構成要素には、比較を容易にするために、200を加えた符合が付けられている。
【0034】
図2に示す本発明に基づく装置210の補償構造体221は、回転機構12の軸16と堅く結合されている。補償構造体221は、同軸的に軸16の回転軸線18の回りを延びる閉じられた1つの循環路220を有している。
【0035】
循環路220の、軸16と逆の側の壁240の半径234が装置の軸線方向で変化している。従って、回転機構12の運転中に軸線方向に並ぶ補償体222は、回転機構12の回転軸線18に対する互いに異なる距離を有している。即ち、図2に示す装置においては循環路220内の補償体222にとって異なる循環半径が得られる。図2には、補償体222のための可能な2つの循環半径234,236のみが例として書き込まれている。図2に同じく球体224の形で示してある補償体222は、回転機構12の始動に際して補償体の大きさ及び質量に応じて自動的に循環路20の内壁238に配置され、かつ互いに並んで、半径方向で異なる循環軌道に沿って、釣り合いすべき回転機構12の回転軸線18の回りを運動する。この場合、大きい方の球体232が大きな半径234に位置するのに対して、小さい方の球体226,228は軸線方向で前記球体の横に配置される。
【0036】
実施例の装置210においては、循環路220の湾曲半径234を変化させることによってかつ、補償体22の質量及び大きさの適合によって、最適なアンバランス減少が行われる。
【0037】
本発明に基づく装置10の循環路20の横断面輪郭33の特殊な形状及び寸法によって、閉じた単独の1つの通路20しか用いないにも拘わらず、回転機構12の回転軸線18を中心とした互いに分離された複数の循環軌道を規定することができ、該循環路が互いに異なる補償質量の使用によって回転機構12の最適な釣り合いを可能にする。1つの循環路20内での異なる補償質量の半径方向及び軸線方向の所望の配置並びに段階的なずれが、1つの循環路20の内壁38のそれぞれの形状(横断面輪郭)及び異なる補償体間の相互作用によって規定される。
【0038】
次に本発明に基づく装置10の有利な実施例を、それぞれの循環路の横断面の異なる形状を用いて詳細に説明する。
【0039】
図3に示す本発明に基づく装置310の第3の実施例の循環路320は、補償体322が該補償体の異なる大きさに基づき異なる半径344,336の循環軌道上に配置されることを可能にしている。循環路320の外側、即ち軸16と逆の側340の内壁38の所望の幾何学形状によって、補償体322が循環軌道横断面の湾曲半径に基づきセレクトされて、所望の循環軌道に強いられる。球体324の相互の妨げが、循環路320内の循環軌道の規定された分離によって著しく減少される。球体324が該球体の直径に応じて選別されて、互いに異なる循環軌道に沿って回転機構12の軸16を中心として回転する。これによって、回転機構のアンバランスの最適な減少のための必要な球体大きさ、球体数及び球体質量の正確な規定が可能である。補償体322間の相互作用に起因する妨害作用が、図3に示す本発明に基づく装置によって最小にされる。さらに、本発明に基づく装置のための小さい組み込みスペースの利点が得られ、循環軌道間の図3に示すウエブ342が、球体大きさに適合された寸法に減少できる。
【0040】
図4に示す実施例の本発明に基づく装置410も同様に、図3に示す原理に従って作動する。該実施例の循環路420内で、球体424の形の補償体422が循環軌道横断面の、循環路420の内壁438における湾曲半径に基づき互いに分離されて、回転機構12の回転軸線18を中心とした互いに異なる循環軌道に強いられる。図3の実施例では球体(326,328,330)が場合によって静力学的に分配されて小さい軌道に集まりかつ保持されて、ひいては付加的なアンバランスを生ぜしめてしまうような欠点は、図4に示す実施例の本発明に基づく装置410の構成ではもはや生じない。
【0041】
図4に示す本発明に基づく装置410の実施例が、閉じられた唯一の循環路420内の回転軸線を中心とする互いに分離された異なる循環軌道の形成を、構造的に極めて簡単な形式で可能にする。互いに異なる循環軌道は、互いに明確に区切られるのではなく、循環路420の横断面輪郭433の幾何学形状によって補償体の大きさ及び相互作用に関連して互いに規定される。
【0042】
循環軌道(該循環軌道上を補償体422が回転機構12の共通の回転軸線18を中心として運動する)は、本発明に基づく装置では互いに異なって形成される。図4の実施例では大きな球体432が横断面輪郭の湾曲半径に基づき2つの支持箇所で案内されるのに対して、小さい球体326,328,330はそれぞれの循環軌道に対して一点接触で回転する。図4の実施例の小さい球体426,428,430の循環軌道の走行面は実質的に平らであり、隣接の循環軌道への移行部の領域にのみ軽い湾曲部を有している。しかしながら、横断面凸状若しくは横断面凹状の循環軌道を用いることも有利である。
【0043】
それぞれの循環軌道への個別の補償体422の配分が、循環路420内への補償質量の充填の順序によって規定されてよい。このような手段及び循環路内に循環軌道の半径に対して少ない球体を充填することによって、補償体の相互の妨げが最小にされる。小さい球体426,428,430は、回転機構12の始動開始の前に最下位の軌道に集められていない場合にも、回転機構の加速に際して外側へ移動させられる。
【0044】
図4に示す本発明に基づく装置の別の変化例が図5及び図6に示してある。図5及び図6は、本発明に基づく装置の循環路520若しくは620の有利な形の横断面輪郭を示している。図5及び図6から明らかなように、補償構造体521若しくは621が同じく回転機構12の軸16に堅く取り付けられている。補償構造体521若しくは621内にそれぞれ、最適化された横断面輪郭533若しくは633を有する循環路520若しくは620を形成してあり、該循環路が回転機構12の軸16の周りを同軸的に延びている。
【0045】
図5及び図6にはそれぞれ1つの分離面544若しくは644を補償構造体521若しくは621内に示してあり、該分離面に沿って本発明に基づく装置が開かれて、所望の数の球体を容易に充填される。
【0046】
図5には、循環路520の横断面533の形状の変更によって循環路520を軸線方向で段付けして、即ち階段状にして成る分離された3つの循環軌道の構成が示してある。回転機構12の回転軸線18を中心とした3つの循環軌道に沿って、三種類の直径530,531,532の球体524が循環する。図示の実施例では、補償体522の球体直径が回転機構12の回転軸線18からの距離の増大に伴って減少している。補償体522を軸線方向に別の形式で段状に配置することも考えられ、循環路520の横断面輪郭533の適当な形成によって簡単に実施される。各循環軌道に、所望の大きさの所定の数の球体が装填される。球体材料の密度によって、予め規定された直径にも拘わらず球体質量、ひいては釣り合わせに役立つ慣性モーメントが変えられる。大きい方の球体531及び532は図5の実施例ではそれぞれの軌道に対して一点接触ではなく、二点接触で循環するようになっており、これによって極めて正確に規定された軌道案内の付加的な利点が得られる。補償体522の走行面546,548,550が、即ち循環路520の内側の壁の、運転時に循環する補償体522と接触する面部分が、装置の対称平面に向けて次のように湾曲されており、即ち、それぞれの球体が各循環軌道上で自動的にセンタリングされるようになている。同じ効果が、回転軸線18に対して傾斜されていて直線的な走行面によっても得られる。回転軸線18に対して平行に延びる走行面も考えられるものの、該走行面はそれぞれの循環軌道上での補償体522の自動センタリングをわずかにしか可能にしない。
【0047】
循環路520の個別の循環軌道間の移行領域が、図5の実施例では面取り部の形で示してあるものの、該形状に限定されるものではない。
【0048】
本発明に基づく釣り合い装置の図6に示す実施例では、個別の循環軌道が半径方向の段付けに加えて、回転機構12の回転軸線18に沿って軸線方向で互いにずらされている。循環軌道の軸線方向のずれは、球体直径と循環軌道直径の比に依存している。図6の実施例では最大の補償体638が、回転機構12の回転軸線18に対する最小の距離を有している。循環路620において軸線方向で該補償体638の横に空間スペース652を設けてあり、該空間スペースが装置610の図6に示す断面でも球体630若しくは632を軸線方向で前記球体638の横に十分に配置できるようにしている。球体638が一種の循環凹所654内を転動するようになっており、該循環凹所(循環溝)が一種の隆起部656によって別の循環軌道に対して区切られている。これによって循環凹所654が球体638のための凹状の走行面(案内面)を形成しており、従って球体が循環軌道上に安定的に保たれる。球体632の循環軌道は1つの循環凹所によって形成されるのではなく、湾曲された1つの走行面及び相対する1つの接触面660によって画成されている。
【0049】
本発明は、補償質量体のみを備える個別の環状路の図示の実施例に限定されるものではない。釣り合いユニットの機能が、減衰作用の流体、例えば粘性の一定な油の使用によって、若しくは摩擦減少作用の流体によって改善されてよい。
【0050】
本発明に基づく装置は補償体としての球体の使用に限定されるものではない。原理的には、異なる形の補償体も本発明に基づく装置に使用できる。回転機構の動的な釣り合いのための本発明に基づく装置の循環路内の実施例の循環軌道の数は、例として示されているのであって、循環軌道の別の数の使用を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に基づく装置の第1の実施例の断面図。
【図2】
本発明に基づく装置の第2の実施例の断面図。
【図3】
本発明に基づく装置の第3の実施例の断面図。
【図4】
本発明に基づく装置の第4の実施例の断面図。
【図5】
本発明に基づく装置の第5の実施例の断面図。
【図6】
本発明に基づく装置の第6の実施例の断面図。
【符号の説明】
10 釣り合い装置、 12 回転機構、 16 軸、 18 回転軸線、 20 循環路、 21 補償構造体、 22 補償体、 24 球体、 33 横断面輪郭、 38 内壁
本発明は、回転機構の釣り合いのための方法及び装置に関する。
【0002】
回転機構は釣り合わされて、回転機構のアンバランスに起因する振動を排除若しくは減少させるようになっている。望ましくないこの種の振動は不都合な騒音を生ぜしめ、若しくは軸受の強い負荷に基づき回転機構の耐用年数を減少させる。
【0003】
静的な釣り合い(この場合には、所定の補償質量が回転機構の所定の箇所に堅く取り付けられ若しくは設けられる)のほかに、自動的な釣り合いも周知である。該方法では補償体を用いるようになっており、補償体が回転機構の周りを運動可能である。
【0004】
自動的な釣り合いに際して、回転機構の周りを運動可能な補償体が自動的に配列されて、もとのアンバランスに基づく慣性力が減少され、これによって回転機構の不都合な振動が減衰若しくは完全に排除される。
【0005】
電気的に懸架された回転機構の自動的な釣り合いのための基本原理は、文献、例えばケレンベルガー(Kellenberger)著 “ Elastisches Wuchten: modale Verfahren, EK−Technik, Sondertechniken, automatisches und thermisches Wuchten ”im Springer Verlag; Berlin, Heidelberg; 1987 (弾性的な釣り合い:最新方法、EK−技術、特殊技術、自動的及び熱的な釣り合い、スプリンガー出版、ベルリン、ハイデルベルグ、1987年)に記載してある。この種の動的な機構は、バランスすべきあらゆる回転部分に容易に組み込まれる。回転部分が運転中に連続的にあらたに釣り合わされ、その結果、運転中に変化する若しくは運転時に例えば摩耗、破損、汚れ若しくは腐食によって生じるアンバランスも常に自動的に補償される。
【0006】
米国特許第5724862号明細書により、すでに回転体のアンバランスの自動的な排除のための方法が公知である。該方法は回転機構の回転軸線の周りに補償装置を配置することによって実施され、該補償装置が回転軸線の周りに同軸的に配置された閉じた複数の軌道を有しており、該軌道内をそれぞれ少なくとも1つの補償体が循環するようになっている。
【0007】
半径の異なる同軸的な複数の循環軌道の使用によって、回転機構を大きな回転範囲にわたってかつ回転機構のアンバランスの特に大きな変動に対して釣り合わせることが可能である。
【0008】
米国特許第5724862号明細書に記載の回転体の動的な釣り合いのための方法においては欠点として、補償体の循環軌道を保持する補償装置が比較的大きく、かつ煩雑な構造であり、これによって重くなっている。
【0009】
本発明の課題は、回転機構の動的なアンバランス除去のための方法及び該方法の実施のための装置を改善して、釣り合いをアンバランス及び回転数のできるだけ大きな範囲でできるだけ簡単、軽量及び小さい構造で可能にすることである。
【0010】
前記課題が、請求項1及び10に記載の本発明に基づく手段によって解決される。
【0011】
発明の利点
回転機構の本発明に基づく方法及び該方法で作動する装置においては利点として、半径の互いに異なる同軸的な複数の循環軌道が著しく少ない費用で、唯一の循環路内に組み込み可能である。横断面形状によってのみ補償質量のための互いに異なる循環軌道を規定する1つの循環路を用いることに基づき、冒頭に述べた形式の補償装置を比較的小さい組み込みスペースで実施することが可能である。
【0012】
互いに開かれた循環軌道を用いることに基づき、個別の循環軌道の、壁による費用のかかる機械的な分離が不要である。これに伴う材料節減、重量節減及び容積節減のほかに、本発明に基づく装置のためのコストも、公知技術の装置に比べて相応に減少される。
【0013】
本発明に基づく装置の組み込み容積(組み込みスペース)及び重量の節減によって、動的な釣り合いのための本発明に基づく方法が多様な小型の回転機構に用いられ得る。
【0014】
従属請求項に記載の手段によって、請求項1に記載の装置の有利な変更及び改善が可能である。
【0015】
1つの循環路の横断面輪郭の特別な形状付与によって、簡単かつ有利な形式で補償質量のための互いに異なる循環軌道を形成することができる。閉じられた複数の循環路、ひいては互いに異なる循環軌道の形成のために用いられる分離壁が不要である。
【0016】
特に有利には、異なる循環軌道の寸法は、大きさの互いに異なる複数の補償体がそれぞれの回転機構の共通の回転軸線の周りを循環軌道に沿って循環できるように規定されている。これによって、回転機構の共通の回転軸線を中心とした互いに異なる循環半径への大きさ及び質量の異なる補償体の配置が有利な形式で実施できる。
【0017】
補償体の配置が、半径方向でも軸線方向でも循環路の横断面輪郭によってのみ規定できる。これによって、補償体を大きさ若しくは質量に応じて互いに異なる循環半径に段状に配列することが、極めて簡単かつ有利に行われる。
【0018】
共通の回転軸線を中心とした互いに異なる循環軌道に質量の異なる複数の補償体を配置することによって、回転機構のアンバランスが大きな回転範囲にわたって減少される。本発明に基づき互いに異なる軌道に沿って転動する質量の異なる補償体を備える回転機構は、微細に調整され、それというのは1つの循環軌道しか用いない場合には発生してしまう残留アンバランスが、第2の循環軌道及び該循環軌道に適合された補償質量によってさらに減少されるからである。循環軌道の数の増大によって、残留するアンバランスの量を最小にすることができる。本発明に基づく装置においては、循環軌道の数の増加に伴って増大する組み込みスペース及び相応に増大するコストを公知技術の装置に比べて減少させることができる。
【0019】
循環する補償体として球体を用いることによって、摩擦損失が減少され、かつ自動的に釣り合わせられる回転機構の運転時の騒音レベルが相応に減少される。
【0020】
補償質量として直径の異なる球体を使用することによって、釣り合い装置の閉じられた1つの循環路内での個別の循環軌道の簡単な分離が可能である。これによって、補償体の質量並びに循環軌道の半径が、回転機構における最適な釣り合い結果を得るために自由に選ばれ得る。
【0021】
補償体に加えて釣り合い装置の閉じられた循環路内に流体を設けることによって利点として、流体が補償質量の運動を減衰して騒音の減少に寄与する。
【0022】
流体を摩擦減少及び減衰のために本発明に基づく釣り合い装置の循環路内に設けることも有利である。循環路内に受容されて連続的に分配された流体が、不連続な補償体にとって付加的な釣り合い効果を生ぜしめる。
【0023】
本発明に基づく釣り合い装置を用いて釣り合わせられる回転機構においては利点として、当該部分が運転中に連続的にあらたに釣り合わされ、その結果、運転中に変化する若しくは運転時に例えば摩耗、破損、汚れ若しくは腐食によって生じるアンバランスも常に自動的に補償される。本発明に基づく釣り合い装置は、減少された組み込み容積及び重量節減によって、小さな回転構成要素及び回転機構内での継続的なかつ自動的な釣り合いを可能にする。
【0024】
回転機構の釣り合いのための本発明に基づく方法によって、多様な回転機構を極めて簡単に自動的に釣り合わせることができる。
【0025】
実施例の説明
回転機構の動的な釣り合いのための本発明に基づく装置の複数の実施例を図面に示して、以下に詳細に述べる。
【0026】
図1に示してあるように、本発明に基づく釣り合い装置は、回転機構の軸を同軸的に取り囲んでいる。図示の実施例では簡単な装置4として示された回転機構2が、軸16に取り付けられており、軸が回転機構12によって駆動される。軸16は回転軸線18を中心として回転する。別の実施例として、回転機構12を軸16によって駆動することも可能である。
【0027】
可能な実施例としてであって、本発明に基づく釣り合い装置若しくは本発明に基づく方法の使用のための限定としてではなく、電動モータ及び、該電動モータによって駆動可能なすべての回転ユニット若しくは回転機器が挙げられる。電動モータ自体が、かつ電動モータによって駆動されるユニットも、本発明に基づく釣り合い装置によって若しくは本発明に基づく方法を用いて釣り合わされ得る。図面では概略的に示唆するに過ぎない回転機構12は、送風機、ベンチレータ若しくはエンジン冷却ファン並びに電動モータであってよい。
【0028】
回転機構12の自動的な釣り合わせのための本発明に基づく装置10は、図1の実施例では軸16に堅く固定された補償構造体21を有しており、補償構造体内に、同軸的に回転軸線18の回りを延びる閉じた唯一の循環路20が形成されている。
【0029】
図示の実施例では本発明に基づく装置10の補償構造体21が、本来の回転機構12から分離して軸16に取り付けられている。別の実施例では、補償構造体が回転機構12自体内に組み込まれていてもよい。
【0030】
本発明に基づく装置10の循環路20内に自由に運動可能な補償体22を配置してあり、補償体(バランス体)が図1に示す第1の実施例では直径の異なる二種類の球体24から成っている。図1では、球体26,28,30が球体32に対して減少された半径を有している。
【0031】
循環路20は図1の実施例では方形の横断面輪郭33を有しており、横断面輪郭の寸法が球体24の直径に合わせて規定されており、即ちすべての球体が、循環路20の内壁38に形成された半径34の一定な循環軌道に沿って回転機構12の回転軸線18の回りを循環できるようになっている。図1の実施例の補償構造体21を備えた本発明に基づく装置10によっては、質量の異なる球体を1つの循環路20内の互いに異なる軌道に沿って循環させることが可能である。
【0032】
最適な釣り合いのために必要な付加的な慣性モーメントの適合が、図1の実施例では循環路20の外側の半径の大きさの規定によって、或いは個別の球体24の質量の変化によって行われ得る。
【0033】
図2には本発明の別の実施例が概略的に示してある。図2の本発明に基づく装置の、図1の実施例に対して変更されていない部分及び構成要素には、同じ符合が付けられている。本発明に基づく装置の変更された構成要素には、比較を容易にするために、200を加えた符合が付けられている。
【0034】
図2に示す本発明に基づく装置210の補償構造体221は、回転機構12の軸16と堅く結合されている。補償構造体221は、同軸的に軸16の回転軸線18の回りを延びる閉じられた1つの循環路220を有している。
【0035】
循環路220の、軸16と逆の側の壁240の半径234が装置の軸線方向で変化している。従って、回転機構12の運転中に軸線方向に並ぶ補償体222は、回転機構12の回転軸線18に対する互いに異なる距離を有している。即ち、図2に示す装置においては循環路220内の補償体222にとって異なる循環半径が得られる。図2には、補償体222のための可能な2つの循環半径234,236のみが例として書き込まれている。図2に同じく球体224の形で示してある補償体222は、回転機構12の始動に際して補償体の大きさ及び質量に応じて自動的に循環路20の内壁238に配置され、かつ互いに並んで、半径方向で異なる循環軌道に沿って、釣り合いすべき回転機構12の回転軸線18の回りを運動する。この場合、大きい方の球体232が大きな半径234に位置するのに対して、小さい方の球体226,228は軸線方向で前記球体の横に配置される。
【0036】
実施例の装置210においては、循環路220の湾曲半径234を変化させることによってかつ、補償体22の質量及び大きさの適合によって、最適なアンバランス減少が行われる。
【0037】
本発明に基づく装置10の循環路20の横断面輪郭33の特殊な形状及び寸法によって、閉じた単独の1つの通路20しか用いないにも拘わらず、回転機構12の回転軸線18を中心とした互いに分離された複数の循環軌道を規定することができ、該循環路が互いに異なる補償質量の使用によって回転機構12の最適な釣り合いを可能にする。1つの循環路20内での異なる補償質量の半径方向及び軸線方向の所望の配置並びに段階的なずれが、1つの循環路20の内壁38のそれぞれの形状(横断面輪郭)及び異なる補償体間の相互作用によって規定される。
【0038】
次に本発明に基づく装置10の有利な実施例を、それぞれの循環路の横断面の異なる形状を用いて詳細に説明する。
【0039】
図3に示す本発明に基づく装置310の第3の実施例の循環路320は、補償体322が該補償体の異なる大きさに基づき異なる半径344,336の循環軌道上に配置されることを可能にしている。循環路320の外側、即ち軸16と逆の側340の内壁38の所望の幾何学形状によって、補償体322が循環軌道横断面の湾曲半径に基づきセレクトされて、所望の循環軌道に強いられる。球体324の相互の妨げが、循環路320内の循環軌道の規定された分離によって著しく減少される。球体324が該球体の直径に応じて選別されて、互いに異なる循環軌道に沿って回転機構12の軸16を中心として回転する。これによって、回転機構のアンバランスの最適な減少のための必要な球体大きさ、球体数及び球体質量の正確な規定が可能である。補償体322間の相互作用に起因する妨害作用が、図3に示す本発明に基づく装置によって最小にされる。さらに、本発明に基づく装置のための小さい組み込みスペースの利点が得られ、循環軌道間の図3に示すウエブ342が、球体大きさに適合された寸法に減少できる。
【0040】
図4に示す実施例の本発明に基づく装置410も同様に、図3に示す原理に従って作動する。該実施例の循環路420内で、球体424の形の補償体422が循環軌道横断面の、循環路420の内壁438における湾曲半径に基づき互いに分離されて、回転機構12の回転軸線18を中心とした互いに異なる循環軌道に強いられる。図3の実施例では球体(326,328,330)が場合によって静力学的に分配されて小さい軌道に集まりかつ保持されて、ひいては付加的なアンバランスを生ぜしめてしまうような欠点は、図4に示す実施例の本発明に基づく装置410の構成ではもはや生じない。
【0041】
図4に示す本発明に基づく装置410の実施例が、閉じられた唯一の循環路420内の回転軸線を中心とする互いに分離された異なる循環軌道の形成を、構造的に極めて簡単な形式で可能にする。互いに異なる循環軌道は、互いに明確に区切られるのではなく、循環路420の横断面輪郭433の幾何学形状によって補償体の大きさ及び相互作用に関連して互いに規定される。
【0042】
循環軌道(該循環軌道上を補償体422が回転機構12の共通の回転軸線18を中心として運動する)は、本発明に基づく装置では互いに異なって形成される。図4の実施例では大きな球体432が横断面輪郭の湾曲半径に基づき2つの支持箇所で案内されるのに対して、小さい球体326,328,330はそれぞれの循環軌道に対して一点接触で回転する。図4の実施例の小さい球体426,428,430の循環軌道の走行面は実質的に平らであり、隣接の循環軌道への移行部の領域にのみ軽い湾曲部を有している。しかしながら、横断面凸状若しくは横断面凹状の循環軌道を用いることも有利である。
【0043】
それぞれの循環軌道への個別の補償体422の配分が、循環路420内への補償質量の充填の順序によって規定されてよい。このような手段及び循環路内に循環軌道の半径に対して少ない球体を充填することによって、補償体の相互の妨げが最小にされる。小さい球体426,428,430は、回転機構12の始動開始の前に最下位の軌道に集められていない場合にも、回転機構の加速に際して外側へ移動させられる。
【0044】
図4に示す本発明に基づく装置の別の変化例が図5及び図6に示してある。図5及び図6は、本発明に基づく装置の循環路520若しくは620の有利な形の横断面輪郭を示している。図5及び図6から明らかなように、補償構造体521若しくは621が同じく回転機構12の軸16に堅く取り付けられている。補償構造体521若しくは621内にそれぞれ、最適化された横断面輪郭533若しくは633を有する循環路520若しくは620を形成してあり、該循環路が回転機構12の軸16の周りを同軸的に延びている。
【0045】
図5及び図6にはそれぞれ1つの分離面544若しくは644を補償構造体521若しくは621内に示してあり、該分離面に沿って本発明に基づく装置が開かれて、所望の数の球体を容易に充填される。
【0046】
図5には、循環路520の横断面533の形状の変更によって循環路520を軸線方向で段付けして、即ち階段状にして成る分離された3つの循環軌道の構成が示してある。回転機構12の回転軸線18を中心とした3つの循環軌道に沿って、三種類の直径530,531,532の球体524が循環する。図示の実施例では、補償体522の球体直径が回転機構12の回転軸線18からの距離の増大に伴って減少している。補償体522を軸線方向に別の形式で段状に配置することも考えられ、循環路520の横断面輪郭533の適当な形成によって簡単に実施される。各循環軌道に、所望の大きさの所定の数の球体が装填される。球体材料の密度によって、予め規定された直径にも拘わらず球体質量、ひいては釣り合わせに役立つ慣性モーメントが変えられる。大きい方の球体531及び532は図5の実施例ではそれぞれの軌道に対して一点接触ではなく、二点接触で循環するようになっており、これによって極めて正確に規定された軌道案内の付加的な利点が得られる。補償体522の走行面546,548,550が、即ち循環路520の内側の壁の、運転時に循環する補償体522と接触する面部分が、装置の対称平面に向けて次のように湾曲されており、即ち、それぞれの球体が各循環軌道上で自動的にセンタリングされるようになている。同じ効果が、回転軸線18に対して傾斜されていて直線的な走行面によっても得られる。回転軸線18に対して平行に延びる走行面も考えられるものの、該走行面はそれぞれの循環軌道上での補償体522の自動センタリングをわずかにしか可能にしない。
【0047】
循環路520の個別の循環軌道間の移行領域が、図5の実施例では面取り部の形で示してあるものの、該形状に限定されるものではない。
【0048】
本発明に基づく釣り合い装置の図6に示す実施例では、個別の循環軌道が半径方向の段付けに加えて、回転機構12の回転軸線18に沿って軸線方向で互いにずらされている。循環軌道の軸線方向のずれは、球体直径と循環軌道直径の比に依存している。図6の実施例では最大の補償体638が、回転機構12の回転軸線18に対する最小の距離を有している。循環路620において軸線方向で該補償体638の横に空間スペース652を設けてあり、該空間スペースが装置610の図6に示す断面でも球体630若しくは632を軸線方向で前記球体638の横に十分に配置できるようにしている。球体638が一種の循環凹所654内を転動するようになっており、該循環凹所(循環溝)が一種の隆起部656によって別の循環軌道に対して区切られている。これによって循環凹所654が球体638のための凹状の走行面(案内面)を形成しており、従って球体が循環軌道上に安定的に保たれる。球体632の循環軌道は1つの循環凹所によって形成されるのではなく、湾曲された1つの走行面及び相対する1つの接触面660によって画成されている。
【0049】
本発明は、補償質量体のみを備える個別の環状路の図示の実施例に限定されるものではない。釣り合いユニットの機能が、減衰作用の流体、例えば粘性の一定な油の使用によって、若しくは摩擦減少作用の流体によって改善されてよい。
【0050】
本発明に基づく装置は補償体としての球体の使用に限定されるものではない。原理的には、異なる形の補償体も本発明に基づく装置に使用できる。回転機構の動的な釣り合いのための本発明に基づく装置の循環路内の実施例の循環軌道の数は、例として示されているのであって、循環軌道の別の数の使用を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に基づく装置の第1の実施例の断面図。
【図2】
本発明に基づく装置の第2の実施例の断面図。
【図3】
本発明に基づく装置の第3の実施例の断面図。
【図4】
本発明に基づく装置の第4の実施例の断面図。
【図5】
本発明に基づく装置の第5の実施例の断面図。
【図6】
本発明に基づく装置の第6の実施例の断面図。
【符号の説明】
10 釣り合い装置、 12 回転機構、 16 軸、 18 回転軸線、 20 循環路、 21 補償構造体、 22 補償体、 24 球体、 33 横断面輪郭、 38 内壁
Claims (10)
- 回転軸線(18)を中心とした回転機構(12)の釣り合いのための装置(10,210,310,410,510,610)であって、
運動可能な少なくとも1つの補償体(22,222,322,422,522,622)のための、回転機構(12)の回転軸線を中心として配置されてた循環軌道を備えている形式のものにおいて、回転機構(12)の回転軸線(18)の周りを同軸的に延びる閉じた1つの循環路(20,220,320,420,520,620)が設けられており、該循環路内に互いに開かれた複数の循環軌道が、回転機構(12)の共通の回転軸線(18)を中心として形成されていることを特徴とする、回転機構の釣り合いのための装置。 - 循環軌道が循環路(20,220,320,420,520,620)の内壁(38,238,338,438,538,638)に、循環路の横断面輪郭(33,233,333,433,533,633)によって形成されている請求項1記載の装置。
- 大きさの異なる複数の補償体(22,222,322,422,522,622)が、循環路(33,233,333,433,533,633)内の互いに異なる循環軌道に沿って、回転機構(12)の共通の回転軸線(18)を中心として循環できるようになっている請求項1又は2記載の装置。
- 循環路(33,233,333,433,533,633)の横断面輪郭(33,233,333,433,533,633)が、補償体(22,222,322,422,522,622)を半径方向及び/又は軸線方向で段階的に配置するように形成されている請求項3記載の装置。
- 補償体(22,222,322,422,522,622)が互いに異なる質量を有している請求項1から4のいずれか1項記載の装置。
- 補償体(22,222,322,422,522,622)が球体(24,224,324,424,524,624)である請求項5記載の装置。
- 球体(24,224,324,424,524,624)が異なる少なくとも2つの直径で規定されている請求項6記載の装置。
- 循環路(20,220,320,420,520,620)内に補償体(22,222,322,422,522,622)のほかに付加的に流体が設けられている請求項1から6のいずれか1項記載の装置。
- 回転軸線(18)を有する回転機構(12)において、回転機構(12)の釣り合いのための、請求項1から8のいずれか1項記載の装置(10,210,310,410,510,610)を備えていることを特徴とする回転機構。
- 回転軸線(18)を有する回転機構(12)の釣り合いのための方法であって、運動可能な補償体(22,222,322,422,522,622)のための、回転機構(12)の回転軸線(18)を中心として配置されてた循環軌道を用いる形式のものにおいて、補償体(22,222,322,422,522,622)が回転機構の運転中に、回転機構(12)の回転軸線(18)の周りを同軸的に延びる閉じた1つの循環路(20,220,320,420,520,620)内で、循環路(20,220,320,420,520,620)の内壁に循環路の横断面輪郭(33,233,333,433,533,633)によって形成された循環軌道に沿って循環して、循環路(20,220,320,420,520,620)の全周にわたって分配されて、回転機構のアンバランスを減少させることを特徴とする、回転機構の釣り合いのための方法。
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