JP2004503791A - 放射性及び有害廃棄物の処理方法 - Google Patents

放射性及び有害廃棄物の処理方法 Download PDF

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Abstract

本発明は廃棄物中に存在する放射性核種、有害元素及び有害化合物及び/又は他の化合物の1種以上を含有する廃棄物を固定化する方法1種以上を利用する。工程の各々は廃棄物の浸出及び拡散に対抗する障壁を形成する。第1の障壁は固定化用鉱物質(100)と廃棄物を一体化することにより形成される。第2の障壁は第1の障壁を被覆する非放射性又は非有害の材料(200)の層である。第2の障壁は過成長操作又は焼結を用いることにより形成してよい。第3の障壁は第1及び/又は第2の障壁を包囲する岩石材又はガラス材のマトリックス(300)により形成される。第四の障壁は岩石材又はガラス材が廃棄場所における天然の岩石材(400)と同じか類似の組成を有するようにすることで形成される。得られた岩石剤又はガラス材のマトリックスは廃棄場所の天然の岩石材の成分で飽和された地下水又は地域の熱水溶液と平衡状態となる。
【選択図】図1

Description

【0001】
本出願は2000年6月12日出願のイスラエル国特許出願IL136,685号、及び2001年3月19日出願の米国特許出願09/810,557号の利益を主張する。
【0002】
【発明の技術分野】
本発明は一般的に放射性及び有害廃棄物の処理に関し、より詳細には、廃棄物中の放射性核種、有害元素、有害化合物及び他の化合物の1種以上を含有する廃棄物を固定化するための方法に関する。
【0003】
【発明の背景】
世界における放射性及び有害な物質の使用は放射性及び有害廃棄物の多大な量の蓄積に繋がっている。地質学的に深部の埋蔵領域中において地中に前記廃棄物を埋め込ませることによりこれらの廃棄を計画的に行なうことについて国際的な同意が有る。現時点では高レベルの放射性廃棄物は恒久的廃棄を予定されている長期保存個所に置かれている。埋め込み後は時間の経過と共に地下水及び水熱溶液が廃棄物中に含有される放射性核種、有害元素又は有害化合物と接触する可能性がある。その結果、地下水及び水熱溶液は植物及び動物の生息する生物圏に向けた廃棄物の放射性核種、有害元素及び有害化合物の浸出を加速させる可能性がある。更にまた、地下水及び水熱溶液による緩衝が無い場合においても、放射性核種、有害元素又は有害化合物が廃棄物から拡散して生物圏の汚染をもたらす可能性がある。従って、廃棄物の不適切な汚染が多大な問題となっている。
【0004】
放射性及び有害廃棄物の浸出及び/又は拡散を潜在的に低減することのできる既存の方法は多く存在する。しかしながら既存の方法は種々の難点を有している。例えば、低レベル及び中レベルの放射性廃棄物の固定化にはセメント処理が一般的に用いられている。このような方法は、少量の廃棄物を固定化するために大量のセメントを必要とするため、望ましくないものである。更にまた、セメントは浸出及び拡散ともに起こしやすい。
【0005】
高レベル放射性廃棄物を取り扱う最も一般的な方法はホウ珪酸ガラスによるガラス化である。しかしながらこの方法は少なくとも以下の限界を有している。第1に、ガラス化により放射性核種とガラス成分との間に比較的弱い結合が生じる。第2に、ガラス化の工程はより濃縮された状態で放射性核種を含有するというよりはむしろガラスマトリックスの全容量に渡って放射性核種を分散させる。ガラス化は米国、フランス、韓国、イタリア、ドイツ、英国、日本、ベルギー、中国及びロシアを含む多くの国で採用されている。
【0006】
【発明の概要】
本発明は廃棄物中に存在する放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は廃棄物の酸化物のような他の化合物を含有する廃棄物を固定化する廃棄物処理段階1種以上を有する。廃棄物処理段階の各々は廃棄物を固定化する障壁を形成する。本発明の好ましい実施態様は多くの物理化学的障壁を有する安定な熱力学的系を形成する。これらの障壁の各々は環境への放射性及び有害な物質の浸出及び拡散を低減する。
【0007】
第1の障壁は固定化用鉱物質に廃棄物中の放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物と一体化させることにより形成される。廃棄物と固定化用鉱物質との一体化は活性化−吸収−変換、合成及び固体反応を含む幾つかの方法の1つを用いて行なうことができる。前記方法の各々の生成物は本明細書においては廃棄物一体化鉱物質又は第1の障壁と呼称する。この第1の障壁を形成する方法は、2重量%より多い廃棄物中に存在する放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物の担持をもたらす。後述する実施例1に示すとおり、固定化用鉱物質は酸化トリウムの75重量%担持より多く配合される。実施例5に示すとおり、廃棄物の酸化物の担持量は100重量%もの高値となりうる。
【0008】
本発明は好ましくは、第1の障壁を被覆する非放射性及び非有害性の物質の層を含む有効被覆である第2の障壁を含む。第2の障壁は第1の障壁の固定化用鉱物質と同じか類似の鉱物質組成を有する。第2の障壁は少なくとも2通りの方法で形成できる。第1に、第1の障壁の表面上に結晶性物質を与える過成長操作により第2の障壁を得ることができる。過成長部の厚みは少なくとも2ミクロン、好ましくは少なくとも50ミクロンである。第2に、第1の障壁上に多結晶被覆を与える焼結により第2の障壁を得ることができる。焼結による第2の障壁は少なくとも数ミリメートルの厚みを有する。(i)固定化用鉱物質への放射性物質の取りこみ、及び、(ii)地熱勾配により生じる高温のため、第2の障壁は廃棄場所への埋め込み後も(ゆっくりではあるが)持続的に成長し、第2の障壁の安全性を向上させる。
【0009】
本発明は好ましくは第3の障壁も包含し、これは第2の障壁を封入する岩石材又はガラス材の何れかを含む包囲マトリックスである。廃棄物中の放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物を含有する別の廃棄物を岩石材又はガラス材と混合して固定化する廃棄物の総量を増大させることができる。第2の障壁が存在しない実施態様においては、第3の障壁は第1の障壁を包囲する。第3の障壁を走性するのに利用される岩石材又はガラス材は好ましくは固定化用鉱物質と同じ成分の幾つかを有し、これにより固定化用鉱物質は岩石剤又はガラス材と平衡になることができる。固定化用鉱物質の成分は包囲マトリックスに容易に拡散しないため、平衡状態は第3の障壁の強度を向上させる。
【0010】
浸出に対抗するための障壁に加え、前記3種の障壁は放射性核種及び有害元素又は化合物の拡散を無視できる濃度にまで効果的に低減することができる。
【0011】
放射性及び有害廃棄物は更に岩石材及びガラス材の1つを有する包囲マトリックスが廃棄場所の天然の岩石材の組成と同じか類似の組成を有することにより固定化することもできる。岩石材又はガラス材は天然の岩石材の成分と共通である成分少なくとも1種を有することが好ましい。このような場合、天然の岩石材の成分で地下水又は局所的水熱溶液が飽和した場合に、包囲マトリックスは廃棄場所の地下水又は局所的水熱溶液と平衡となる。包囲マトリックスからの放射性核種及び有害元素又は化合物の浸出又は拡散の速度は平衡状態では無視できるものとなる。事実上、平衡状態は浸出及び拡散に対抗する第4の障壁と考えることができる。
【0012】
本特許出願は彩色された図面少なくとも1点を含んでいる。彩色された図面を伴う本特許のコピーは要請に応じ、必要な料金の支払いにより特許商標局により提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
「廃棄物」という用語は廃棄物中に存在する放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物を含有する核分裂産物のような廃棄物質を含む。廃棄物混合物は例えば以下の元素及びその化合物、即ち、Fe、Na、P、Cr、Al、Mn、Ni、Na、Zr、K、Cs、Ru、Sr、Ba、Tc、Rh、Mg、I、ランタニド、アクチニド及びこれらの化合物(例えばTh、U、Pu、Np、Am、Cm及びCe)及び放射性及び有害廃棄物の他の成分を含む。分離された場合は、これらの元素及びその化合物の全てが有害なわけではない。
【0014】
廃棄物混合物の化合物の大部分は酸化物であるため、混合物は一般的に「廃棄酸化物」と称される。「廃棄酸化物担持量」又は「廃棄酸化物の担持量」とは、廃棄物固定化法の最終産物中の廃棄物混合物(これは酸化物が主であるがこれに限らず、また非有害成分も含む)の重量%を指す。
【0015】
「放射性核種」という用語は、アルファ、ベータ及びガンマ線の1種以上を含む放射線を出す何れかの核種を含む。「核種」という用語は全ての原子が同じ原子番号及び質量数を有する原子種を含む。しかしながら、異なる放射性核種の混合物を固定化する方法が特に本発明の範囲に包含される。放射性核種の例はSr及びCs、及びアクチニド及びランタニド、例えばトリウム及びウラニウムである。
【0016】
「有害元素」という表現において使用する「元素」という用語は、周期表の元素を含むものとする。「有害化合物」という表現において使用する「化合物」という用語は2種以上の元素よりなる物質を含む。
【0017】
以下に分類されるとおり放射性廃棄物には3つのレベルがある。
1. 低レベル放射性廃棄物は病院、研究所及び産業部門より主に発生する。低レベル放射性廃棄物は世界の全放射性廃棄物に対して、90容量%を占めるが、放射能としては僅か1%である。
2. 中レベル放射性廃棄物は樹脂、化学スラッジ及び各反応成分を含む。中レベル放射性廃棄物は世界の全放射性廃棄物に対して、7容量%、及び、放射能として4%である。
3. 高レベル放射性廃棄物は使用済核反応器燃料(使用済燃料)及び使用済燃料の再処理により主に生じる他の高レベル放射性廃棄物を含む。高レベル放射性廃棄物は世界の全放射性廃棄物の僅か3容量%であるが、放射能としては95%を占める。
【0018】
有害廃棄物(EPA(米国環境保護局)による環境用語集の定義による)とは、自然界で非分解性であるか残留するため、あるいは、生物学的に増強され得るため、又は、致命的であるため、又はその他の理由において望ましくない累積作用を示すかその傾向があるため人間又は生物に対して多大な顕在的又は潜在的な害をもたらす廃棄物又は廃棄物の組合せである。
【0019】
「固定化用鉱物質」とは、廃棄物中に存在する放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物が一体化する相手となる鉱物質を含む。該固定化用鉱物質は例えばリン酸塩、珪酸塩、酸化物及び粘土の1種以上又はその混合物であってよい。該固定化用鉱物質は天然又は合成のものであることができる。「固定化用鉱物質」という用語は本明細書においては固定化用鉱物質の成分も含むものとする。
【0020】
以下に示す表1は、全てではないが、記載した放射性又は有害元素の特定の種類のものと一体化するために用いてよい固定化用鉱物質の例を示す。多くの異なる固定化用鉱物質を選択して廃棄物の特定の種類を固定化してよい。適切な固定化用鉱物質は廃棄物の元素と同形交換できるものである。
【0021】
【表1】
Figure 2004503791
【0022】
表1に記載下各元素は元素の同位体1種以上を含む。例えば元素CsはCs134及びCs137を含む。
【0023】
【概要構成】
図1は本発明の好ましい実施態様による放射性及び有害廃棄物を処理する際に関与する種々の段階の概要を示すフローチャートである。好ましい実施態様は四つの段階、すなわち、段階100、200、300及び400を含む。図に示した種々の工程の順序は本発明では必ずしも重要ではない。例えば加熱及び混合工程が示されている場合は、混合は加熱の前、その間及び/又はその後に行なうことができる。
【0024】
段階100においては放射性核種、有害元素及び有害化合物1種以上を含む廃棄物を固定化用鉱物質と一体化して第1の障壁(又は廃棄物一体化鉱物質)を形成する。一体化は種々の方法を用いて行なうことができる。例えば、一体化を活性化−吸収−変換、合成又は固体反応を用いて行なうことにより第1の障壁を形成することができる。別の一体化方法を図2に示す。
【0025】
段階200においては、段階100の産物(又は放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上となんらかの別法により一体化された固定化用鉱物質)を固定化用鉱物質の組成と同じか類似の組成を有する別の鉱物質で被覆することにより第2の障壁を形成する。ここでいう「同じか類似の」という表現は近似した化学的組成及び同じか類似の結晶構造を意味する。少なくとも2種の互換の段階が段階200には存在する。例えば、図3に示す段階210において、過成長操作により別の鉱物質で第1の障壁を被覆することにより第2の障壁を形成してよい。「過成長操作」という用語は固定化用鉱物質の表面上の結晶性物質の過成長を指す。
【0026】
或いは、第2の障壁は同じ固定化用鉱物質を更に用いて第1の障壁を焼結することにより、図4に示す段階220において形成してよい。「焼結」という用語は粒子の相互結合により強度を増大させる目的で主成分の融点より低い温度で粉末又は緻密凝集物を熱処理することを指す。第2の障壁を形成するための別法は同じ固定化用鉱物質を更に用いて第1の障壁を燒結すること、及び、同じ鉱物質を更に用いて焼結物を更に燒結することにより行なってよい。
【0027】
好ましい実施態様においては、段階100及び200の操作をあわせて単一の段階において第1及び第2の障壁を形成できる。例えば、図5に示す段階500は単一の段階において廃棄物一体化鉱物質(第1の障壁)の上に過成長(第2の障壁)をどのようにして形成するかを示している。
【0028】
段階300においては、第2の障壁を包囲マトリックス(第3の障壁)で被覆する。第3の障壁は岩石材のマトリックス又はガラス材のマトリックスであってよい。第2の障壁が存在しない実施態様においては、第1の障壁が直接第3の障壁により被覆される。ガラス材又は岩石材に更に廃棄物を混合して固定化する廃棄物の総量を増大さてよい。第3の障壁中の岩石材又はガラス材は好ましくは第1及び/又は第2の障壁中に存在する固定化用鉱物質の成分を含有する。「固定化用鉱物質の成分」という表現において使用する「成分」という用語は固定化用鉱物質と会合する1種以上の異なる酸化物、ハロゲン化物、水酸化物及び水を含む。例えば、岩石材又はガラス材は固定化用鉱物質を含有する同じ酸化物の一部を含有することができる。例えば、本発明で使用する1種の固定化用鉱物質はモナザイトである。モナザイトの成分はCe2O3及びP2O5を含む。
【0029】
岩石材は例えばシエナイト、グラニトイド、ダケート、安山岩、玄武岩、超塩基性岩石材、カルボナタイト、アンフィボライト及び粘土の1種以上であってよい。ガラス材は例えばホウ珪酸塩、リン珪酸塩、アルミノリン酸塩、アルミノ珪酸塩及び天然のガラス、例えばオブシジアンの1種以上であることができる。
【0030】
岩石材及びそれらの主要構成鉱物質の特定の例を以下の表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 2004503791
【0032】
以下に示す表3はホスト岩石材及び使用してよい岩石材の例を固定化用鉱物質の特定の種類と共に示す。
【0033】
【表3】
Figure 2004503791
【0034】
段階300は図6に示すものを含む多くの方法を用いて行なってよい。段階200及び300の操作を組合せて単一の段階において第2及び第3の障壁を形成してよい。例えば、図7に示す段階600はどのようにして過成長部(第2の障壁)を単一の段階において包囲マトリックス(第3の障壁)に埋め込まれるかを説明している。
【0035】
段階400においては段階300の産物を廃棄場所の天然の岩石材(又はホスト岩石材)内部に埋め込ませる。天然の岩石材は好ましくは第3の障壁内に含まれる鉱物質と共通の鉱物質少なくとも1種を有する。
【0036】
【本発明の固定化廃棄品】
図8は本発明の好ましい実施態様の2種の固定化廃棄品の断面図を示す模式図である。
【0037】
本発明の1つの好ましくは実施態様において、産物40は廃棄物一体化鉱物質10(第1の障壁)、有効被覆20(第2の障壁)及び包囲マトリックス(第3の障壁)を有し、これもまた廃棄物を一体化することができる。産物40を廃棄場所60の天然の岩石材50内に埋め込ませる。
【0038】
本発明の別の好ましい実施態様においては、産物42は廃棄物一体化鉱物質10及び包囲マトリックス30を有する。本実施態様においては、有効被覆20は存在しない。産物42は廃棄場所60の天然の岩石材50に埋め込ませる。
【0039】
廃棄物一体化鉱物質10は放射性核種14、有害元素16及び有害化合物18の1種以上と一体化された固定化用鉱物質12を有する。固定化用鉱物質12はリン酸塩、珪酸塩、酸化物及び粘土の1種以上であることができる。固定化用鉱物質12の具体例は表1に示すとおりである。
【0040】
放射性核種14、有害元素16及び有害化合物18の廃棄物一体化鉱物質への担持量(即ち、廃棄物一体化鉱物質10の総重量に対する放射性核種14、有害元素16及び有害化合物18の総重量の比)は少なくとも約2重量%、好ましくは約10重量%、そしてより好ましくは少なくとも約75重量%である。以下に述べる実施例1においては、約75重量%の廃棄酸化物担持が達成された。廃棄酸化物担持量は固定化用鉱物質それ自体に関しては正確であることが強調される。これらを包囲マトリックス内に入れた場合、廃棄酸化物担持量は減少する。しかしながら、包囲マトリックス30はまたそれ意外の廃棄物粒子32も含んでおり、これは廃棄物中に存在する放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物を含有する場合がある。酸化物を固定化用鉱物質と包囲する岩石材又はガラス材のマトリックスの双方に担持させる場合、好ましい廃棄酸化物の担持量は約60重量%である。以下に述べる実施例8においては、約60重量%の廃棄酸化物担持量が達成された。
【0041】
高レベル固体廃棄物の場合(例えば5〜7のような場合)は、好ましい廃棄酸化物担持量は約90重量%〜100重量%である。本担持量には、放射性核種14のほかに、廃棄物中に存在する有害元素16、有害化合物18及び/又は他の化合物も含まれる。
【0042】
担持量及び過成長部の厚みはマイクロプローブ分析により測定する。マイクロプローブ分析は走査電子顕微鏡(SEM)を用いたX線分析である。該マイクロプローブ分析は分析される材料から電子を抽出する電子線を用いることにより種々の材料の組成を決定することができる。抽出された電子は分析された元素の濃度を測定できるようにキャリブレーションされたSEMの検出器に到達する。
【0043】
廃棄物一体化鉱物質10は有効被覆20により被覆される。有効被覆20は非放射性及び非有害性の物質である。有効被覆20は過成長操作及び焼結法の一方を用いて形成することができる。過成長操作により形成された有効被覆20は2ミクロンより厚い。過成長操作により形成された有効被覆20は約2ミクロン〜約30ミクロンであるのが好ましい。より好ましくは、有効被覆20は約50ミクロンである。焼結により形成された有効被覆20は少なくとも数ミリメートルの厚みを有し、1回以上焼結を行なうことにより所望の厚みとすることができる。
【0044】
有効被覆20は包囲マトリックス30内に封入される。包囲マトリックス30は岩石材マトリックス及びガラス材マトリックスの一方である。岩石材マトリックスを形成するために使用する岩石材は、シエナイト、グラニトイド、ダケート、安山岩、玄武岩、超塩基性岩石材、カルボナタイト、アンフィボライト及び粘土の1種以上である。適切な岩石材の特定の例を表2に示す。ガラス材マトリックスを形成するために使用する該ガラス材は、ホウ珪酸塩、リン珪酸塩、アルミノリン酸塩、アルミノ珪酸塩及び天然のガラス材の1種以上である。
【0045】
包囲マトリックス30は産物40の約10重量%〜約90重量%に相当することができる。好ましくは、包囲マトリックス30は産物40の約20重量%〜約80重量%、より好ましくは約30重量%〜約60重量%の割合である。従って、廃棄物一体化鉱物質10(有効被覆がある場合は合わせる)は産物40の約10重量%〜約90重量%、好ましくは産物40の約20重量%〜約80重量%、最も好ましくは産物40の約40重量%〜約70重量%の割合である。
【0046】
産物40及び産物42を廃棄場所60の天然の岩石材50内部に埋め込まれる。包囲マトリックス30が岩石材又はガラス材の場合は、天然の岩石材50の組成と同じか類似の組成を有するのが好ましい。包囲マトリックス30が岩石材である場合は、これは天然の岩石材50の鉱物質と共通の鉱物質少なくとも1種を有する。天然の岩石材50の適切な例を表3に示す。
【0047】
【段階100:一体化】
図2は廃棄物一体化鉱物質(第1の障壁)を形成するための固定化用鉱物質への廃棄物の一体化に関与する別法を示すフローチャートである。第1の一体化方法は、本明細書においては活性化−吸収−変換法と称し、以下に示す通り工程110、112及び114の一つ以上の工程を含んでいる。
【0048】
【活性化】
工程110は放射性又は有害廃棄物と一体化するための固定化用鉱物質の活性化の工程を含んでいる。「活性化すること」又は「活性化」という用語は固定化用鉱物質に関する場合は廃棄物中の放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上と一体化する固定化用鉱物質の能力を増強することのできる何れかの方法を意味する。
【0049】
固定化用鉱物質を活性化する方法は酸、塩基又は熱による処理を含むことができる。廃棄物及び固定化用鉱物質の特定の状態に応じて、適切な酸には塩酸、硝酸、硫酸及び他の酸が包含される。酸の濃度は約1M〜約6Mの範囲である。同様に、廃棄物及び固定化用鉱物質の特定の状態に応じて、適切な塩基には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び他の塩基が包含される。塩基の濃度は約1M〜約3Mである。アルカリを除去する必要がある場合は、酸を用いる。大型のアニオンを除去しなければならない場合は、塩基を使用する。水又は他の揮発性物質を除去しなければならない場合は、熱処理を用いてよい。
【0050】
活性化には約200℃〜約1200℃、好ましくは約400℃〜約1000℃、最も好ましくは約500℃〜約600℃の温度にまで固定化用鉱物質を加熱することによる高温処理が含まれる。熱処理の持続時間は、約1時間〜約48時間、好ましくは約1時間〜約24時間、最も好ましくは約1時間〜約12時間である。高温による処理の1例は、実施例1及び4に示すとおりであり、その各々は粉砕された天然のカルシウム−ゼオライトを約400℃にまで約12時間加熱することにより揮発性化合物を除去することを包含している。工程110における酸、塩基又は熱による処理は必ずしも必要ではない。
【0051】
【吸収】
次に廃棄物と会合している放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を工程112の溶液を用いることにより固定化用鉱物質に吸収させる。放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含む溶液を活性な固定化用鉱物質と接触させる。この文脈における「活性」という用語は固定化用鉱物質が放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を一体化できること意味するが、必ずしも固定化用鉱物質を活性化するために他の工程を用いることを意味しない。該溶媒は廃棄物の状態に応じて、水、酸又は塩基であることができる。
【0052】
放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上の吸収は多くの手法を用いて行なってよい。例えば、一体化はある温度で固定化用鉱物質と共に放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含む溶液を攪拌することにより工程112において促進してよい。該温度は約25℃〜約300℃、好ましくは約25℃〜約200℃、最も好ましくは約25℃〜90℃である。該方法は常圧で行ってよい。吸収工程の例は実施例1及び4に示す。
【0053】
或いは、該吸収はある温度で固定化用鉱物質を通して放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含有する溶液又は気体を濾過することにより工程112において促進できる。該温度は約25℃〜約300℃、好ましくは約25℃〜約200℃、最も好ましくは約25℃〜90℃である。過剰な溶液を再循環して再濾過することができる。該固定化用鉱物質は遠心分離又はポンプ操作により溶液から分離できる。
【0054】
【変換】
一部の固定化用鉱物質は、溶媒との接触により放射性核種、有害元素又は有害化合物が固定化用鉱物質から除去されてしてしまうため、通常の条件で放射性核種、有害元素又は有害化合物を保持しない場合がある。このような場合は、固定化用鉱物質は放射性核種、有害元素及び有害化合物を保持することができる鉱物質に変換しなければならない。
【0055】
該変換は工程114において行うことができる。工程114においては、工程112の産物をある時間に渡りある温度で加熱する。該温度は、安定性の低い鉱物質をより安定なものに変換するためには、約200℃〜約1200℃、好ましくは約400℃〜約1000℃、最も好ましくは約600℃〜約800℃である。かける時間は約1時間〜約48時間、好ましくは約四時間〜約24時間、最も好ましくは約6時間〜約12時間である。例えば、ゼオライトは加熱炉を用いて常圧で約6時間〜約12時間、約600℃〜約800℃の温度で加熱することにより長石又は斜長石に変換してよい。該変換工程の例を実施例1に示す。
【0056】
工程114は必ずしも段階100における分離工程ではない。工程114は例えば実施例3に説明する通り段階200及び段階300の他の工程と組合せてよい。
【0057】
活性化工程110を酸又は塩基又は何らかの活性溶液による処理により行う場合は、工程112を実施する前に水中で工程110の産物を洗浄する必要がある。工程112の産物を乾燥した後に工程114を行なうのが好ましい。
【0058】
【固体廃棄物を用いた固定化用鉱物質の合成】
合成として本明細書において呼称する第2の方法又は実施態様を用いて、固体廃棄物又は液体廃棄物を固定化用鉱物質に一体化させることができる。
【0059】
固体廃棄物を用いた固定化用鉱物質の合成は工程120において実施することができる。固定化用鉱物質の成分を約200℃〜約1600℃、より好ましくは約400℃〜約1400℃、最も好ましくは約900℃〜約1200℃の温度で、放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含有する固体廃棄物と混合する。混合は約1時間〜約72時間、好ましくは約1時間〜約48時間、最も好ましくは約1時間〜約24時間行なうことができる。合成方法の例を実施例2及び3に示す。
【0060】
【液体廃棄物を用いた固定化用鉱物質の合成】
固定化用鉱物質との液体廃棄物中の放射性核種、有害元素及び/又は有害化合物の一体化はある時間に渡りある温度で放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含有する液体廃棄物又は溶媒と固定化用鉱物質の成分を混合することにより工程120において行ってよい。溶媒は廃棄物の組成に応じて水、酸又は塩基である。温度は200℃〜約1600℃、好ましくは約400℃〜約1400℃、最も好ましくは約900℃〜約1200℃である。異なる鉱物質及び異なる放射性核種及び有害元素又は化合物で異なる温度が必要になる。かける時間は約1時間〜約72時間、好ましくは約1時間〜約48時間、最も好ましくは約1時間〜約24時間である。該方法は常圧にて行なうことができる。該方法は間接加熱炉又はパイロット炉を用いて行なうことができる。
【0061】
【成分と廃棄物の固体反応】
廃棄物と固定化用鉱物質の固体反応により固定化を工程130において行うことができる。「固体反応」とは鉱物質の成分である固体化学物質間の反応を指す。本反応は前記成分から鉱物質を生成する。工程130において、放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含有し、固定化用鉱物質の成分も含有できる固体廃棄物をある時間に渡りある温度で加熱する。温度は約200℃〜約1800℃、好ましくは約600℃〜約1400℃、最も好ましくは約1000℃〜約1200℃である。かける時間は約1時間〜約12時間、好ましくは約2時間約6時間、最も好ましくは約2時間〜約4時間である。本工程の例を実施例6及び7に示す。
【0062】
場合によっては、加熱前又は加熱中に固定化用鉱物質の成分を添加して固体廃棄物と混合してもよい。固定化用鉱物質の成分の例はSiO2及びNaPO3である。本工程の例を実施例5に示す。
【0063】
【段階100の結果】
前記の一体化方法又は別の一体化方法を用いて、廃棄物の放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上で固定化用鉱物質の結晶格子中の元素1種以上の全て又は一部を置き換える。例えば、実施例2及び3に示すとおり、モナザイト(希土類元素のリン鉱物)中の元素ランタン(La)及びセリウム(Ce)は廃棄物中に存在する放射性元素ウラン(U)及び/又はトリウム(Th)又は他のアクチニド又はランタニドにより置き換えられることができる。廃棄物一体化鉱物質(第1の障壁)に対する放射性核種、有害元素及び有害化合物の比率(即ち担持量)は固定化用鉱物質の性質により異なる。方法の一体化段階により2重量%より大きい放射性核種の担持が達成される。一体化段階により少なくとも約10重量%の担持が達成されるのが好ましい。少なくとも約50重量%の担持が達成されるのがより好ましい。前記の通り、該廃棄酸化物担持量は実施例5の場合は100重量%もの高値であることができる。一体化方法により得られる該廃棄物一体化鉱物質は方法で用いる固定化用鉱物質の粒径に応じて約10ミクロン〜1cmの範囲の粒径を有する。該固定化用鉱物質については、より大きい表面積及び高い吸収性の理由から、より小さい粒径が好ましい。得られる廃棄物一体化鉱物質の粒径は約300〜500ミクロンが好ましい。
【0064】
【段階210:過成長】
図3は過成長法を用いて段階210の第2の障壁を形成するための同じ固定化用鉱物質又は固定化用鉱物質の組成と同じか類似の組成を有する他の鉱物質を用いて廃棄物一体化鉱物質(第1の障壁)を被覆又は包囲するための代替法を示す。ここで、放射性核種、有害元素又は有害化合物が既に固定化用鉱物質に取りこまれている場合は、段階210はそれ自体、即ち、先ず段階100を行なうことなく行なうことができる。
【0065】
段階210は融剤を用いる。「融剤」という用語は溶媒として、そして工程温度を下げるために用いられる何れかの化学物質を指す。融剤の2種の特定の例はNa2B4O7・10H2O及びCaF2である。1つの実施態様によれば、過成長法による第1の障壁の被覆は以下の通り行ってよい。
【0066】
工程212においては、段階100の廃棄物一体化鉱物質(又は放射性核種及び有害元素又は化合物と何ら別の態様で一体化された固定化用鉱物質)を融剤又は融剤と粉砕岩石材の混合物と混合する。混合物をある時間に渡りある温度まで加熱する。温度や約600℃〜約1400℃、好ましくは約800℃〜約1300℃、最も好ましくは約1000℃〜約1200℃である。時間は約4時間〜約72時間、好ましくは約6時間〜約48時間、最も好ましくは約6時間〜約24時間である。方法は炉を用いて常圧にて行なってよい。融剤及び粉砕岩石材は共に固定化用鉱物質の成分を含有する。マトリックスが固定化用鉱物質の成分を十分含有していない場合あり、追加してより厚い過成長部を形成してよい。
【0067】
工程214において、有効被覆又は過成長部(第2の障壁)を廃棄物一体化鉱物質(第1の障壁)上に形成することができる。「有効被覆」という用語は、放射性核種、有害元素及び/又は有害化合物を含む廃棄物を単離することにより廃棄物と生物圏との間の化学的相互作用の発生を最小限にするのに十分な被覆を意味する。該有効被覆又は第2の障壁は、固定化用鉱物質の組成と同じか類似の組成を有する非放射性及び非有害性の結晶性被覆である。
【0068】
工程214は約1時間〜約72時間、好ましくは約1時間〜約48時間、最も好ましくは約1時間〜約24時間、約600℃の温度まで一定又は非一定の速度で工程212の産物を冷却することにより行ってよい。
【0069】
或いは工程214は約600℃の温度まで工程212の産物を冷却し、そして、温度を約24時間(1日間)〜約168時間(7日間)、好ましくは約36時間(3日間)〜約120時間(5日間)、最も好ましくは約72時間(3日間)〜約48時間(4日間)維持することにより行なってよい。
【0070】
工程212で使用される融剤はその後、溶液中に工程214の産物を溶解することにより工程216において回収することができる。該溶液は沸騰水又は他の溶媒、例えば酸又は塩基であってよい。例えば、Na2B4O7・10H2Oを融剤として使用する場合は、これを沸騰水に溶解する。CaF2を融剤として使用する場合は、塩酸に溶解する。次に有効被覆を有する廃棄物一体化鉱物質を風乾、濾過、遠心による抽出、又は他の方法により溶液から分離することができる。融剤を用いる過成長法の例を実施例2に示す。
【0071】
【段階220:焼結】
有効被覆を形成するための別の実施態様によれば、段階100の産物(又は放射性核種及び有害元素又は化合物と何らか別の態様で一体化された固定化用鉱物質)を段階220における焼結を用いて第2の障壁とともに与えることができる。工程222において、段階100の廃棄物一体化鉱物質を、段階100において固定化用鉱物質として使用したものと同じ鉱物質と混合し、ある時間で、ある温度にまで加熱する。温度は約200℃〜約1400℃、好ましくは約500℃〜約1300℃、最も好ましくは約1000℃〜約1200℃である。かける時間は約1時間〜約72時間、好ましくは約1時間〜約48時間、最も好ましくは約1時間〜約24時間である。該方法は炉を用いて常圧にて行なうことができる。本方法で得られる産物は多結晶の集塊である。追加の鉱物質に対する第1の障壁の比率は約40〜約70重量%である。
【0072】
該工程224において、該固定化用鉱物質上に被覆を形成する。工程224は工程222の産物を約25℃に冷却し、放射性核種、有害元素及び有害化合物1種以上を含有する固定化用鉱物質の結晶が放射性核種、有害元素又は有害化合物を全く又は僅かしか含有しない固定化用鉱物質の結晶で囲まれている高密度のセラミックを形成することにより行なってよい。
【0073】
焼結は1回以上行なってよい。工程224における1回目の焼結操作の後、セラミック表面上には一部放射性又は有害な結晶がなお残存している場合がある。2回目の焼結は固定化用鉱物質として用いたものと同じ鉱物質を工程224の産物を混合し、そして約1時間〜約72時間約200℃〜約1400℃の温度に加熱することにより、工程226において行ってよい。次に工程226の産物を室温まで冷却してセラミックの表面上に放射性核種又は有害元素又は化合物を含有する結晶が本質的に存在しない高密度セラミックを形成することにより工程228を行なう。焼結法の例は実施例3に示す。
【0074】
【段階500:単一の段階における一体化及び過成長】
図5は単一の段階において第1及び第2の障壁を形成する際に関与する工程を示すフローチャートである。段階500は工程506における決定事項に応じて、工程502、504及び場合により508を有する。工程502は工程130における前記した操作法に従って実施してよい。
【0075】
工程502の産物は幾つかの様式の1つを用いて工程504において冷却することができる。例えば工程502の産物の冷却は約600℃にまで一定又は非一定の速度で行なうことができ、約1時間〜72時間、該温度を維持する。
【0076】
或いは、工程502の産物の冷却は約600℃に下げて行い、該温度を約24時間〜約168時間(7日間)、好ましくは約36時間〜約120時間(5日間)、最も好ましくは約48時間〜約72時間(3日間)維持することにより行なう。
【0077】
工程504における冷却過程により工程502の産物を結晶化し、該結晶中に一体化された放射性核種、有害元素又は化合物の全てを有する反応鉱物質の特定の結晶は1種以上できる。例えば、SiO2を工程502においてCaO及びZrO2を含有する廃棄物に添加した場合、この過程の終了時(工程504の末尾)において、CaZrO3又はまたZrSiO4が反応鉱物質として生成する。場合により、固定化用鉱物質の有効被覆が第1の障壁上に形成される。固定化用鉱物質内の放射性核種の分布は結晶化の速度論的特性に依存しているため、場合により非放射性の層により包囲された中心部内に放射性核種を有する結晶が得られる場合がある。
【0078】
工程506において工程504の産物が段階300のマトリックス(第3の障壁)により包囲されていないことが判明した場合、工程504の産物の温度を工程508において更に約25℃まで下げる。あるいは、該方法は段階300に至る。
【0079】
【段階300:包囲マトリックス】
図6は段階100、210、220又は500の第1の障壁及び第2の障壁の1つを包囲マトリックス(第3の障壁)中に包埋するための代替法を示すフローチャートである。第1の障壁は第3の障壁に直接包囲されることができることに留意しなければならない。第3の障壁は、岩石材マトリックスであるか、又は、ガラス材マトリックスでもよい。第3の障壁を形成するために使用する岩石材又はガラス材は好ましくは固定化用鉱物質の成分を含有する。固定化用鉱物質の成分は段階300において固定化用鉱物質と会合している酸化物、ハロゲン化物、水酸化物又は水であることができる。
【0080】
工程310においては、段階100、210、220及び500の1つの産物(即ち、第1及び第2の障壁の一方又は両方)を粉末化された、又は溶融した岩石材又はガラス材と混合する。場合により、廃棄物中に存在する放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物を含有していてよい別の廃棄物、工程309においてを添加し、岩石材又はガラス材と混合する。本混合物を岩石材又はガラス材の融点より高温であるが固定化用鉱物質の融点より低い(通常は約800℃〜約1300℃)の温度にまで加熱し、該温度で約30分〜約2時間維持する。加熱は炉を用いて常圧にて行なうことができる。次に岩石材又はガラス材のマトリックスを工程312の廃棄物を含有する固定化用鉱物質の周囲に形成される。該岩石材又はガラス材は(有効被覆を伴うか伴わない)廃棄物一体化鉱物質を包囲し、そしてまた(工程309で添加された場合は廃棄物中に存在する放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物を含有していてよい)更に別の廃棄物を包囲するマトリックスを形成する。工程312は工程310の産物を一定速度で約25℃の低温に冷却することで行える。本工程の例は実施例2及び3に示す。
【0081】
【段階600:単一の段階における過成長及び包囲マトリックス】
段階200及び300は、岩石材又はガラス材のマトリックスが過成長を行なうのに十分な量の固定化用鉱物質成分を有する場合には、単一の段階として組合せられる。図7は単一の段階において第2及び第3の障壁を形成するための代替法を示すフローチャートである。工程602において、段階100の産物又は何らかの方法で放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上と一体化された固定化用鉱物質を固定化用鉱物質の成分、及び、好ましくは廃棄場所の天然の岩石材と同じか類似の組成を有する粉砕された岩石材又はガラス材と混合する。場合により、廃棄物中の放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物を含有してよい別の廃棄物を工程601において添加し岩石材又はガラス材と混合する。粉砕した岩石材又はガラス材が十分な量の固定化用鉱物質の成分を有していない場合は、更に添加してより厚い過成長層を形成できる。
【0082】
工程604においては、工程602の混合物を岩石材又はガラス材の融点より高温であるが固定化用鉱物質の融点より低い(通常は約800℃〜約1300℃)の温度にまで加熱し、約30分〜約2時間維持する。
【0083】
工程606においては、工程604の産物を冷却することにより過成長部及び有効被覆を有する廃棄物一体化鉱物質及び工程601において添加された別の廃棄物の双方を包囲する岩石材又はガラス材のマトリックスが形成される。1つの実施態様においては、工程606は、約1時間〜約72時間、好ましくは約1時間〜約48時間、最も好ましくは約1時間〜約24時間、約600℃まで一定又は非一定の速度で工程604の産物を冷却することで行える。別の実施態様においては、工程606は、工程604の産物を約600℃まで冷却し、そして、約24時間〜約168時間(7日間)、好ましくは約36時間〜約120時間(5日間)、最も好ましくは約48時間〜約72時間(3日間)、温度を維持することで行える。
【0084】
工程608においては、工程606の産物を約25℃まで更に冷却する。段階600の例を実施例1に示す。
【0085】
【固定化液体廃棄物のためのシステムの好ましい実施態様】
図9は本発明の実施態様による高レベル放射性液体廃棄物の固化又は固定化のための施設を示す模式図である。施設900は高レベル放射性液体廃棄物(HLLW)供給セル910、ブレンド用セル920、溶融用セル930、移送セル950、溶接検査用セル960、汚染除去試料採取用セル970及び保存セル980を有する。
【0086】
HLLW供給用セル910は液体廃棄物供給タンク912を1つ以上を有する。ブレンド用セル920はブレンダー922、鉱物質ホッパー924、岩石材/ガラス材ホッパー926及び溶融器供給ホッパー928を有する。溶融用セル930は溶融器932、過成長ピット934少なくとも1つ、及び冷却用ピット936少なくとも1つを有する。
【0087】
液体廃棄物供給タンク912には放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を有する液体廃棄物が入っている。鉱物質ホッパー924は液体廃棄物の放射性及び有害な成分と一体化するために使用される固定化用鉱物質を有する。岩石材/ガラス材ホッパー926は包囲マトリックス用の岩石材又はガラス材1種を有する。
【0088】
該液体廃棄物及び固定化用鉱物質はブレンダー922内で攪拌することにより放射性核種と固定化用鉱物質を一体化させ、廃棄物一体化鉱物質を形成することができる。次に得られる廃棄鉱物質を溶融器供給ホッパー928に移送する。岩石材/ガラス材ホッパー926由来の岩石材又はガラス材を廃棄物一体化鉱物質と共に、そして、廃棄酸化物ホッパー914から出てきた廃棄物中の放射性核種、有害元素、有害化合物及び/又は他の化合物を含有する別の固体廃棄物と共に、溶融器供給ホッパー928に導入される。これらの3系統の供給物の組合せを、次に溶融器932に移送する。
【0089】
溶融器932において、岩石材及びガラス材の一方、廃棄物一体化鉱物質及び別の固体廃棄物を加熱する。溶融器932内の温度は岩石材又はガラス材は溶融するが、廃棄物一体化鉱物質は固体形態で残存するように調節する。次に溶融器932由来の産物(固体廃棄物と廃棄物一体化鉱物質含有する溶融した岩石材又はガラス材を含む)をキャニスター940に注ぎ込む。該産物の入ったキャニスター940はその後過成長ピット934内に入れられ、そこで冷却されることにより過成長を形成し、岩石材又はガラス材のマトリックスを形成する。次にこれを冷却ピット936に移送し、そこで更に周囲温度まで冷却される。典型的なキャニスターはステンレス鋼又は不活性の合金から構築される。典型的なキャニスターの大きさは直系0.61メートルであり高さは2.5〜4.5メートルである。
【0090】
次に本発明の産物が入っているキャニスター940を知られた従来の処理に従って処理する。例えば、キャニスター940は更に処理する準備ができるまで移送セル950内に入れることができる。溶接検査用セル960中ではキャニスター940に蓋材を溶接する。溶接の一体性は溶接検査用セル960内部の検査ステーションにおいて検査することができる。
【0091】
溶接された蓋材を有するキャニスター940は汚染除去試料採取用セル970に移送される。残留表面汚染の汚染除去及びキャニスター940の表面汚染の残留濃度を測定するための表面の強打試料採取は汚染除去試料採取用セル970内において実施することができる。最後に、キャニスター940は廃棄するか、保存セル980内で保存し、そこに永久的廃棄で除去されるまで留まる。
【0092】
【液体廃棄物の固定化のための方法の好ましい実施態様】
図10は本発明の実施態様による図9に示す施設を用いた放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含有する液体廃棄物の固定化の1つの方法に関与する典型的な工程を示すフローチャートである。
【0093】
工程1002において、固定化用鉱物質を破砕又は粉砕して適切な粒径にする。その後、工程1004において、該固定化用鉱物質を前記の方法により活性化し、鉱物質ホッパー924に入れる。工程1006においては、活性化された固定化用鉱物質をブレンダー922に移送する。
【0094】
工程1008においては、液体廃棄物供給タンク912から出た液体廃棄物をブレンダー922に導入する。工程1010において、活性化された鉱物質及び液体廃棄物を、活性化鉱物質が液体廃棄物中の放射性核種、有害元素及び/又は有害成分で飽和するまで、ブレンダー922内で攪拌する。
【0095】
工程1012においては、該廃棄物一体化鉱物質、岩石材/ガラス材ホッパー926由来の粉砕岩石材、及び、固体廃棄物ホッパー914由来の別の固体廃棄物をホッパー928を通して溶融器932に添加する。
【0096】
工程1014においては、粉砕された岩石材/ガラス材、廃棄物一体化鉱物質及び別の固体廃棄物の入った溶融器932内の該内容物を溶融させ、溶融物が適切な均質性を有するのに十分な時間、溶融温度を維持する。この時点で、廃棄物一体化鉱物質は変換(第1の障壁)され、固体廃棄物は岩石材/ガラス材マトリックス内に一体化される。
【0097】
工程1016においては、溶融器932より出た溶融した内容物をキャニスター940に注ぎ込む。工程1018においては、キャニスター940を過成長ピット934に移動させ、ここでキャニスター940及び該内容物を特定の様式に従って冷却して過成長法により有効被覆(第2の障壁)を形成し、そして包囲岩石材マトリックスを廃棄物一体化鉱物質及び/又は有効被覆上に形成し(第3の障壁)、そして、別の固体廃棄物を岩石材/ガラス材マトリックス内に固定化する。工程1020においては、本発明の産物を廃棄場所の天然の岩石材内に埋め込ませる。
【0098】
【従来の方法よりも有利な点】
前記の通り、本発明は従来の方法よりも更に効果的で効率的に放射性及び有害廃棄物を固定化することができる。従来の技術のガラス化法を超えた本発明の具体的な利点を以下に要約する。
【0099】
【経費の利点】
本発明の方法は従来技術のガラス化法よりも実質的に高度な廃棄酸化物担持を可能にする。廃棄酸化物の担持量は最終産物の重量に対する廃棄酸化物の重量の比である。本発明を用いて得ることのできる廃棄物担持酸化物は少なくとも60重量%であり(実施例8参照)、これは従来技術のガラス化法で達成される廃棄酸化物担持量よりも有意に高値である。ガラス化法における廃棄酸化物の担持には、廃棄酸化物の溶解度により、そして、ガラスの特性を弱める硫酸基のような廃棄物中の一部のアニオンの存在により、限界があった。本発明はこれらの限界を克服した。本発明に廃棄酸化物の溶解度による限界がないのは、酸化物が固定化用鉱物質内部に固定化されているためである。包囲する岩石材又はガラス材のマトリックス内に一体化されているこれら酸化物は、本発明では溶解しない。本発明の実施態様においては、硫酸基もまた固定化用鉱物質内部に一体化され、これによりガラス材の弱点が回避されるのである。
【0100】
本発明の方法は既存のガラス化法と同等以下の時間で実施することができる。前記の通り、本発明の方法は既存のガラス化法よりも高い廃棄酸化物担持量を達成することができる。これは本発明が従来のガラス化法を用いた場合に係るよりも実質的に短い時間で同じ量の廃棄物を固定化できることを意味している。更にまた、所定に量の廃棄物に対し、本発明の最終産物は従来のガラス化法の最終産物よりも実質的に少ない体積を占めることを意味しており、このことは更に、本発明の最終産物が最終的廃棄に関して有意に経費節減できることを意味している。
【0101】
【安全上の利点】
本発明は放射性又は有害廃棄物を固定化するために鉱物質を用いている。鉱物質は従来技術のガラス化法において用いられていたガラス材よりも環境条件に耐えるために、より安定した熱力学的な系を与える。
【0102】
本発明は浸出及び拡散に対抗する四種もの物理化学的障壁を与える。第1の障壁は固定化用鉱物質の別の元素に放射性核種、有害元素及び/又は有害化合物が強力に結合している廃棄物一体化鉱物質を形成するための固定化用鉱物質により放射性核種の一体化により提供される。本発明の産物のマイクロプローブ分析によれば放射性核種が固定化用鉱物質と一体化されている。
【0103】
第2の障壁は固定化用鉱物質からの放射性核種の浸出と拡散の双方を効果的に抑制する非放射性で非有害性の鉱物質層により固定化用鉱物質を被覆する物理化学的方法により形成される。第2の障壁は焼結による過成長法により形成することができる。過成長法により形成された20ミクロンの被覆は約200,000年の間、保護される。本発明により得られる50ミクロンの被覆は約100万年の間、保護される。焼結の場合、形成された被覆は最低で数ミリメートルである。従って、得られる保護の水準は少なくとも50ミクロンの過成長で得られるものと同等である。
【0104】
浸出及び拡散に対抗する第3の障壁は第1及び/又は第2の障壁を包囲する岩石材及びガラス材の1つを含む包囲マトリックスにより形成される。本岩石材又はガラス材のマトリックスはまた包囲マトリックスを形成する岩石材又はガラス材に追加される別の固体廃棄物に含有される放射性核種、有害元素及び/又は有害化合物に対する第1の障壁でもある。
【0105】
第四の障壁は岩石材マトリックスが廃棄場所の天然の岩石材に相当すると保障されることで形成される。地下水及び水熱溶液を廃棄地区の天然の岩石材の成分で飽和させる。即ち、それらが合成された固定化用鉱物質を被覆する岩石材マトリックスと接触した場合、岩石材マトリックスは地下水及び水熱溶液の双方と平衡状態となるため、浸出過程は無視できるものとなる。
【0106】
従来技術のガラス化法は前記四種の物理化学的障壁のうち第3のものを与えるのみであった。更にまた、従来のガラス化法により形成される廃棄物と固定化用鉱物質との間の結合は本発明を用いて得られるものよりも弱い。更に、従来のガラス化法において固定化される廃棄物はガラス材マトリックスの全体積に均一に分布しており、これにより、生物圏の浸出と汚染がもたらされる可能性がある。本発明を用いることにより、同じ量の廃棄物(又はそれ以上)を固定化用鉱物質内部に濃縮される。本発明によれば、廃棄物は岩石材マトリックスの約50〜70体積%を構成し、残りの30〜50体積%は非放射性又は非有害性である。
【0107】
従来技術のガラス化法と比較した場合の本発明の別の利点は、国際原子力機関により要求される誘導結合プラズマ(ICP)浸出試験において示されるとおり極めて低い浸出速度を本発明が示すことができる点である。ICPはプラズマの影響により分析対象となる全試料元素が励起/エネルギー付与される1種のスペクトル分析である。これはICPスペクトル分析器のうちのキャリブレーションされた検出器により検出されるシグナルを発する。本方法は高レベルの検出が(10億分の1(ppb))可能である。ICPにより分析された試料は30日間90℃の温度の蒸留水中におかれる。
【0108】
以下の浸出速度の成績が本発明で得られている。
【0109】
本発明の実施態様に従って固定化された液体廃棄物の場合、約10‐g/m×日の浸出速度が得られており、これは従来技術のガラス化法により達成される浸出速度より二桁低値(即ち100倍遅い)である。本浸出速度は、自身や他の岩石材又はガラス材マトリックスの破壊の状況をシミュレーションした岩石材マトリックス障壁破壊による切開試料を用いて得られる。未損傷の岩石材マトリックスの試料の浸出速度がより低いことは明らかである。本発明の実施態様に従って固定化した固体廃棄物の場合は、岩石材又はガラス材マトリックスを有さない(即ち第3の障壁を有さない)試料で約10‐g/m×日の浸出速度が得られる。
【0110】
本発明においては、浸出に対抗する第3の障壁もまた、放射性核種、有害元素及び/又は有害化合物の拡散速度を、無視できる水準まで、例えば約10‐20cm/sec〜約10−14cm/secまで効果的に低下させる。拡散速度は例えば参照により本明細書に組み込まれるDynamic Phenomena of Fluid Magnetic System, Chekhmir等、(Nauka Edition), Moscow, 1991に記載の方法等、何れか既知の方法により測定することができる。アクチニド及びランタニド(高レベル廃棄物放射性核種)は大型のカチオンである。廃棄物一体化鉱物質及び岩石材マトリックスからの大型のカチオンの拡散は極めて低い(10‐20〜10−18cm/sec)。これはホウ珪酸塩ガラスにおける同じカチオンの拡散速度より1又は2桁低値であることによる。
【0111】
本発明は水熱条件を必要としない。本発明では既存のガラス化溶融器の能力の範囲内である1200℃未満の温度で実施する方法が好ましい。
【0112】
本発明により与えられる浸出及び拡散の障壁は、従来技術のガラス化法で必要とされるよりも低価格の人工的障壁で高レベル放射性廃棄物の廃棄を可能とする。例えば、本発明を用いることにより、従来技術の多障壁廃棄系の腐食耐性の容器(1つの障壁)及び容器周囲のバックフィル(別の障壁)が省略できる。これらの2つの層の省略により多大な経費節減が可能である。例えば、各腐食耐性容器(容器当たり500,000ドルもの価格となる場合がある)はガラス化廃棄物のキャニスター5個を収容できるのみである。
【0113】
以下に記載する実施例は全て、安定な同位体及び類縁体を有する非放射性物質を用いた実験において行われた。しかし、放射性物質も同様に処理できる。
【0114】
図11における画像1100は走査電子顕微鏡(SEM)により作成し、本発明の廃棄物一体化鉱物質の結晶の典型的な拡大図を示す。画像1100に示される結晶は斜長石に変換させたゼオライトに一体化されたThを含有するTh一体化斜長石結晶である。Th一体化斜長石結晶を約30ミクロンの厚みの過成長部で被覆する。過成長部の厚みは廃棄物一体化鉱物質の断面の中心をほぼ通過する線に沿った5ミクロンおきの各点におけるマイクロプローブ分析を実施することにより切除研磨試料を用いて測定される。過成長層の内部及び外部の境界線の位置は、組成が変化する場所を記録することにより測定される。
【0115】
Thは画像1100において白点として示す。目視検査により、Thは結晶の中心領域内に濃縮されていることが観察できる。結晶の中間部においてThの濃度が高いことは、結晶の中央領域のマイクロプローブ分析により更に確認され、その結果は下部スペクトル1200に示されている。該過成長層のマイクロプローブ分析結果を示す上部スペクトル1300に示されるとおり、過成長層はThを殆ど又は全く含んでいない。
【0116】
【実施例】
以下の実施例は本発明の特定の実施態様を説明することを意図しており、従って実施例は請求項の範囲を限定するために用いるべきでない。
【0117】
【実施例1】
天然の鉱物質中に液体形態の廃棄物を固定化するための方法
【0118】
1.活性化
天然のカルシウム−ゼオライトを粉砕し、約400℃に約12時間加熱して揮発性成分を除去した。
【0119】
2.吸収
硝酸トリウム結晶水和物を水に溶解し、トリウムを含有する水溶液を調製した。次に溶液をカルシウム−ゼオライト結晶(結晶の粒径は300ミクロン未満)と共に室温で攪拌し、次に約2時間110℃の炉内で乾燥した。
【0120】
3.変換
得られた結晶を約800℃で約12時間加熱し、得られたカルシウム−ゼオライトをトリウム含有長石に変換した。該加熱は炉内で常圧にて行なった。
【0121】
4.過成長+ガラス材マトリックス
得られた物質を粉砕黒曜石と混合し、数時間約1200℃で加熱し、次に徐々に温度を下げて冷却し、48時間かけて600℃とした。これを次に25℃まで冷却した。これにより長石層で被覆されたトリウムを含有する長石の結晶を含有する黒曜石マトリックスを得た。これはマイクロプローブ分析により確認された。
【0122】
5.マイクロプローブ分析
以下に示す表4A〜4C(マイクロプローブ分析1)は内部にThが一体化された斜長石へのゼオライト結晶の変換のマイクロプローブ分析の結果を示す。マイクロプローブ分析1においては同じ鉱物質結晶内部の10ヶ所を分析してThの統計学的担持量を測定した。表の最も左のコラムに記載された各元素に関する廃棄酸化物の担持量を右から2番目のコラムである「化合物の重量%」のコラム内に示す。本廃棄物一体化鉱物質のThの平均担持量は約75重量%である(77.19+76.94+74.68+65.59+73.48+86.39+74.36+77.01+73.56+75.67)/10=75.48)。
【0123】
【表4A】
Figure 2004503791
【0124】
【表4B】
Figure 2004503791
【0125】
【表4C】
Figure 2004503791
【0126】
【実施例2】
合成の鉱物質中に固体形態の廃棄物を固定化するための方法
【0127】
1.合成
Ce2O3及びNaPO3及びLa2O3(モナザイトの成分)を取り、セリウム及びランタンの約10重量%〜15重量%をウラン及びトリウムと置き換えた。これは炉を用いて常圧で約2日間1200℃でこれらの成分全てを加熱することにより行った。得られた合成モナザイトはセリウム及びランタンの一部がウラン及びトリウムとおきかえられたものであった。合成モナザイトはその後炉の外部でクエンチングした。
【0128】
2.融剤添加による過成長
次に合成モナザイトをCe2O3+P2O5を含有するNa2B4O7.10H2Oと混合した。これを次に炉内で常圧下約2日間900℃で加熱した。次に炉を停止することにより8時間かけて室温まで冷却した。これにより固定化用鉱物質の過成長部が得られた。次にNa2B4O7.10H2Oを沸騰水に溶解し、ウラン及びトリウムを含有しないモナザイトの層で被覆された内部にウラン及びトリウムを有するモナザイトの結晶を得た。
【0129】
3.ガラス材マトリックス
次にこれらの結晶を粉砕した黒曜石と混合し、数時間1000℃で溶融させ、次に8時間かけて400℃まで温度を徐々に下げて冷却した。これにより内部に封入されたモナザイト結晶を有する黒曜石のブロックが得られた。これをマイクロプローブ分析により測定した。
【0130】
【実施例3】
合成の鉱物質中に固体形態の廃棄物を固定化するための方法
【0131】
1.合成
実施例2の合成方法を用いた。
【0132】
2.焼結
ウラン及びトリウムを含有する合成モナザイトをウラン及びトリウムは含有しないが同じ組成の天然のモナザイトと混合した。合成モナザイトの約25重量%を天然のモナザイト75重量%と手作業により乳鉢で混合した。本混合物を約1日炉内で常圧下約900℃〜1000℃で加熱し、8時間室温まで温度を徐々に下げて冷却した。これによりウラン及びトリウムを含有しないモナザイトの結晶で包囲されたウラン及びトリウムを含有するモナザイト結晶を有する集塊が得られた。
【0133】
3.2回目の焼結
ウラン及びトリウムの結晶の一部が表面上に残留していた。粉砕したモナザイトの約10体積%を結晶集塊に添加し、1.5時間900℃〜1000℃に加熱することにより、合成モナザイトを被覆する厚さ約2mmのモナザイト層が付加された。これはマイクロプローブ分析により確認された。次にこれを8時間かけて温度を徐々に室温まで下げて冷却した。
【0134】
4.ガラス材マトリックス
得られた産物を粉砕黒曜石と混合し、約2時間、約1100℃で溶融した。次に徐々に温度を下げて8時間かけて室温まで冷却した。
【0135】
【実施例4】
天然の鉱物質中に液体形態の廃棄物を固定化するための方法
【0136】
1.活性化
天然のカルシウム−ゼオライトを粉砕し約12時間約400℃に加熱して揮発性成分を除去した。
【0137】
2.吸収
塩化セリウム及び硝酸トリウムの両方を水に溶解し、セリウムとトリウムを含有する水溶液を得た。次に本溶液をカルシウム−ゼオライトと共に室温で攪拌した。次にカルシウム−ゼオライトを室温でアルコール中で洗浄し、次に約2時間、110℃で乾燥した。
【0138】
3.変換+過生成+岩石材マトリックス(オールインワン工程)
次にこれを凝灰岩と混合した。凝灰岩は酸性の岩石材であり、SiO2、Al2O3、CaO及びNa2Oのような酸化物1種以上を含有し、石英、曹長石及び斜長石のような鉱物質1種以上を含有する。これを1200℃で約2時間溶融するまで過熱し、徐々に温度を下げて冷却し、48時間で600℃とした。次にこれを25℃まで冷却した。得られた産物は前記の化合物を全て含む緻密なガラス材であった。これによりカルシウム−ゼオライトは(a)凝灰岩が斜長石の成分を含むことからセシウムとトリウムを含有する斜長石に変換されており、(b)斜長石の非放射性の層で被覆されており、そして、(c)その全体が凝灰岩のマトリックスで被覆されている。
【0139】
4.マイクロプローブ分析
以下に示す表5A〜5D(マイクロプローブ分析2)は内部にThが一体化された斜長石に変換されたゼオライトの結晶のマイクロプローブ分析の結果を示す。マイクロプローブ分析2で、結晶中心部のThの濃度は表5Aに示すとおり62.44重量%である。結晶端部に近いThの濃度は表5Bに示すとおり30.06重量%である。マイクロプローブビームが半分は結晶中に、半分は過成長部に焦点を合わせたため、担持量は30.06重量%であった。結晶の端部より外側数ミクロンの部分ではThの濃度は表5Cに示すとおり3.02重量%であった。マイクロプローブビームが僅かに結晶内部に焦点を合わせたため、担持量は3.02重量%であった。結晶を包囲している岩石材マトリックス内のThの濃度は表5Dに示すとおり0.44重量%であった。担持量0.44重量%はThの検出限界未満である。表5A〜5Dに示されるとおり、Thの濃度は結晶の中心から岩石材マトリックスに向かって減少している。マイクロプローブ分析2によれば、廃棄酸化物は固定化用鉱物質により効果的に固定化されていることがわかる。
【0140】
【表5A】
Figure 2004503791
【0141】
【表5B】
Figure 2004503791
【0142】
【表5C】
Figure 2004503791
【0143】
【表5D】
Figure 2004503791
【0144】
【実施例5】
天然の鉱物質中に液体形態の廃棄物を固定化するための方法(固定化用鉱物質との廃棄物の一体化)
【0145】
1.放射性核種(廃棄物中に存在)のシミュレーションによる廃棄物組成の混合シミュレーション
Al2O3、CaCO3、H3BO3、ZrO2及びCaF2を混合して廃棄物の組成をシミュレーションした。Sr、Cs、Ce、La、U及びThの酸化物(各々1重量%)を添加してこの廃棄物中の放射性核種をシミュレーションした。
【0146】
2.固定化用鉱物質との廃棄物の一体化
本混合物を1250℃に加熱し、この温度で約2時間維持した。次に温度を48時間かけて一定速度で600℃まで下げた。これにより混合物から幾つかの合成鉱物質への完全な結晶化が起こった。これらの鉱物質は主にカルシウムのジルコン酸塩、フッ化物及びジルコンを含んでいた。放射性核種をシミュレーションした全ての酸化物が結晶中に一体化されていた。次に炉を停止することにより約4時間かけて25℃まで温度を低下させた。
【0147】
3.マイクロプローブ分析
以下に示す表6A〜6C(マイクロプローブ分析3)は固体反応により内部に一体化された固体廃棄物を有する固定化用鉱物質の結晶のマイクロプローブ分析の結果を示す。表6A〜6Cに示す結果によれば、固体反応によりカルシウム−ジルコネート、アルミナカルシウムジルコネート及びジルコンを含む幾つかの固定化用鉱物質が形成された。本実施例においては、1重量%のThが廃棄物シミュレーションに用いられた。ジルコン鉱物質のマイクロプローブ分析の結果が記載されている表6Cに示すとおり、極めて高濃度のTh(約83重量%)がこの鉱物質に取りこまれていた。本結果は、ジルコン鉱物質が、カルシウム−ジルコネート、アルミナ−カルシウムジルコネート及びジルコンのうち、ウラン転移元素に対してもっとも固定化する鉱物質であることを示している。
【0148】
【表6A】
Figure 2004503791
【0149】
【表6B】
Figure 2004503791
【0150】
【表6C】
Figure 2004503791
【0151】
【実施例6】
添加物を添加しながら鉱物質中に固体廃棄物を固定化するための方法(固定化用鉱物質との廃棄物の一体化)
【0152】
1.放射性核種(廃棄物中に存在)のシミュレーションによる廃棄物組成の混合シミュレーション
実施例5の混合方法を用いた。
【0153】
2.添加物の添加
SiO2を10重量%添加した。
【0154】
3.固定化用鉱物質による廃棄物の一体化
実施例5と同様に行なった。これにより幾つかの合成鉱物質への混合物の完全な結晶化が起こった。これらの鉱物質には主にカルシウムのジルコネート、フッ化物及びジルコンが含まれていた(添加物無添加の実施例5を参照)。更に、一部のシミュレーションされた放射性核種を一体化した斜長石も形成された。
【0155】
4.マイクロプローブ分析
以下に示す表7(マイクロプローブ分析4)は固体反応により内部に一体化された固体廃棄物を有する固定化用鉱物質の結晶の別のマイクロプローブ分析の結果を示す。本分析によれば、該反応で形成された幾つかの固定化用鉱物質の1つである斜長石がSrに対する良好な固定化用鉱物質であることがわかる。
【0156】
【表7】
Figure 2004503791
【0157】
【実施例7】
添加物を添加しながら鉱物質中に固体廃棄物を固定化するための方法(固定化用鉱物質との廃棄物の一体化)
【0158】
1.放射性核種(廃棄物中に存在)のシミュレーションによる廃棄物組成の混合シミュレーション
ThO2、UO2、CeO3及びLa2O3各々を1重量%添加して米国アイダホ州のIdaho Falls地区の典型的な廃棄物組成をシミュレーションした以外は、実施例5と同様に行なった。
【0159】
2.添加物の添加
NaPO3約15重量%を添加した(P2O5の10重量%をシミュレーション)。
【0160】
3.固定化用鉱物質による廃棄物の一体化
実施例5と同様に行なった。これにより幾つかの合成鉱物質への混合物の完全な結晶化が起こった。これらの鉱物質には主にカルシウムのジルコネート、フッ化物及びジルコンが含まれていた(添加物無添加の実施例5を参照)。更に、シミュレーションされた放射性核種の一部も一体化したリン灰石も形成された(マイクロプローブ分析4参照)。
【0161】
4.マイクロプローブ分析
以下に示す表8A〜8B(マイクロプローブ分析5)は固体反応により内部に一体化された固体廃棄物を有する固定化用鉱物質の結晶の別のマイクロプローブ分析の結果を示す。本分析では、この反応で形成された幾つかの固定化用鉱物質の1つとしてリン灰石を用いている。表8Aに示す第1の分析はその中心部の鉱物質の組成を示している。La2O3及びCe2O3の濃度は比較的高いが、ThO2及びUO2の濃度は比較的低い。前者2種の酸化物に対して、リン灰石は良好な固定化用鉱物質であり、この固体反応で形成された他の鉱物質は後者2種の酸化物に対してより良好な固定化用鉱物質である。
【0162】
【表8A】
Figure 2004503791
【0163】
【表8B】
Figure 2004503791
【0164】
【実施例8】
岩石材中の固体形態の廃棄物と共に天然の鉱物質中に液体形態の廃棄物を固定化するための方法
【0165】
1.活性化
天然のカルシウム−ゼオライトを粉砕し約12時間約400℃に加熱して揮発性成分を除去した。
【0166】
2.吸収
塩化セリウム及び硝酸トリウムの両方を水に溶解し、セリウムとトリウムを含有する水溶液を得た。次に本溶液をカルシウム−ゼオライトと共に室温で攪拌した。次にカルシウム−ゼオライトを室温でアルコール中洗浄し、次に約2時間、110℃で乾燥した。
【0167】
3.変換+過生成+岩石材マトリックス(オールインワン工程)
カルシウム−ゼオライト30重量%をSiO210重量%、ZrO210重量%、Mn(NO3)210重量%及びSnSO410重量%を含む種々の化合物(典型的な廃棄物組成をシミュレーションしたもの)40重量%と混合した。これらの4種の化合物の粒径は200〜300ミクロンであった。これに凝灰岩30重量%を添加した。得られたものを1200℃で約2時間溶融するまで過熱し、徐々に温度を下げて冷却し、48時間かけて600℃とした。次にこれを25℃まで冷却した。得られた産物は前記化合物全てを取りこんだ緻密なガラス材であった。これによりカルシウム−ゼオライトは(a)凝灰岩が斜長石の成分を含むことからセシウムとトリウムを含有する斜長石に変換されており、(b)斜長石の非放射性の層で被覆されており、そして、(c)その全体が凝灰岩のマトリックスで被覆されている。我々が達成した廃棄酸化物担持量は約60重量%であった。これは以下の通り計算した。
【0168】
1)廃棄化合物40重量%。
【0169】
2)放射性核種約70重量%を含むゼオライト30重量%(30%×0.7=約20重量%)。
【0170】
前記のマイクロプローブ分析1〜5の結果によれば、液体廃棄物試験において本発明は最終産物の結晶構造中に液体廃棄物から廃棄酸化物95〜100%を一体化させることができる。固体廃棄物試験においては、本発明は最終産物の結晶構造中に固体廃棄物から廃棄酸化物100%を一体化させることができる。
【0171】
本発明は多くの実施態様及び応用を有している。各実施態様は前記の工程を1つ以上含んでいる。更にまた、実施態様の各々は種々の実施態様を実施するための当該分野で既知の他の工程も含むことができる。該工程は如何なる論理的順序において実施しても良く、即ち、前記の工程、或いは以下の請求項に記載した順序に限定されない。
【0172】
本発明の実施態様の以上の開示は例示と説明を目的としている。開示した厳密な形態が本発明の全てではなく、またこれらに限定されるものではない。本明細書に記載した実施態様の多くの変更及び修正は前記開示を参照することにより当業者には自明なものである。本発明の範囲は記載する請求項及びそれと同等のものによってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明の好ましい実施態様により放射性及び有害廃棄物を処理する際に関与する種々の段階の概要を示すフローチャートの図である。
【図2】
図2は第1の障壁を形成するために固定化用鉱物質に廃棄物を一体化させる際に関与する別の方法を示すフローチャートの図である。
【図3】
図3は過成長を用いた第2の障壁の形成のための別の方法を示すフローチャートの図である。
【図4】
図4は焼結による第2の障壁の形成のための別の方法を示すフローチャートの図である。
【図5】
図5は単一の段階において第1及び第2の障壁を形成する際に関与する肯定を示すフローチャートの図である。
【図6】
図6は岩石材及びガラス材の1つを含む包囲マトリックスで第1及び第2の障壁の1つを被覆するための別の方法を示すフローチャートの図である。
【図7】
図7は単一の段階において第2及び第3の障壁を形成するための別の方法を示すフローチャートの図である。
【図8】
図8は本発明の好ましい実施態様の廃棄品2種の断面図を示す模式図である。
【図9】
図9は本発明の実施態様による高レベル放射性液体廃棄物の固化又は固定化のための施設を示す模式図である。
【図10】
図10は本発明の実施態様による高レベル放射性液体廃棄物の固化又は固定化に関与する典型的な工程を示すフローチャートの図である。
【図11】
図11は本発明の廃棄物一体化鉱物質の結晶の典型的な拡大図である。

Claims (20)

  1. 放射性核種、有害元素及び有害化合物を1種以上含有する廃棄物を固定化するための方法であって、
    前記廃棄物を固定化用鉱物質と一体化して廃棄物一体化鉱物質を生成し、その際に前記放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上が廃棄物一体化鉱物質の少なくとも約2重量%に相当するようにし、
    岩石材及びガラス材の一方を含有する包囲マトリックス中に廃棄物一体化鉱物質を封入して廃棄品を形成する、各ステップを含む廃棄物の固定化方法。
  2. 前記封入ステップの前に過成長操作及び焼結法の一方を用いて前記廃棄物一体化鉱物質の有効被覆を生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 天然の岩石材内に前記廃棄品を埋没させるステップをさらに含んでおり、その際に前記天然の岩石材及び前記包囲マトリックスが少なくとも1種の共通の成分を有するようにする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記一体化ステップでは、前記廃棄物を含有する溶液に前記固定化鉱物質を接触させる、請求項1記載の方法。
  5. 前記一体化ステップでは、高温で前記固定化用鉱物質の成分と前記廃棄物とを混合し、前記成分は廃棄物中に含有されるか、又は廃棄物に添加されるものである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記一体化工程では、
    前記放射性核種、有害元素及び有害化合物と合成鉱物質又は天然鉱物質の1種以上の成分との混合物を形成し、その際に、前記鉱物質の成分は、酸化物、ハロゲン化物、水酸化物及び水和化合物よりなる群から選択されるとともに、前記廃棄物に含有されるか又は前記廃棄物に添加されることにより前記混合物を形成し、前記放射性核種、有害元素及び有害化合物はアクチニド及びランタニドよりなる群から選択される元素1種以上を含有しており、
    前記混合物を反応させてロパライト、リン灰石、スフェン、長石、斜長石、ソーダライト、ネフェリン、ソライト、ジルコン、モナザイト及びカルシウム−ゼオライトよりなる群から選択される鉱物質1種以上を形成させ、前記放射性核種、有害元素及び有害化合物は前記鉱物質の結晶格子中に一体化される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記有効被覆は少なくとも2ミクロンの厚みである、請求項2に記載の方法。
  8. 固定化用鉱物質及び放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含有する廃棄物を含有する廃棄物一体化鉱物質と、当該廃棄物一体型鉱物質を包囲する包囲マトリックスとを含む封入廃棄品であって、
    前記放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上は廃棄物一体化鉱物質の約2重量%以上に相当しており;
    前記包囲マトリックスは岩石材及びガラス材の1種を含有するとともに、前記固定化用鉱物質の成分と共通の成分を少なくとも1種有している、封入廃棄品。
  9. 前記包囲マトリックスは封入廃棄品の総重量の30重量%未満である、請求項8に記載の廃棄品。
  10. 前記包囲マトリックスは廃棄場所の天然の岩石材と共通の鉱物質を少なくとも1種含む、請求項8に記載の廃棄品。
  11. 前記固定化用鉱物質がリン酸塩、珪酸塩、酸化物及び粘度の1種である、請求項8に記載の廃棄品。
  12. 前記廃棄物がアクチニド及びランタニドよりなる群から選択される元素1種以上であ、る請求項8に記載の廃棄品。
  13. 前記固定化用鉱物質がロパライト、リン灰石、スフェン、長石、斜長石、ソーダライト、ネフェリン、ソライト、ジルコン、モナザイト及びカルシウム−ゼオライトよりなる群から選択される、請求項8に記載の廃棄品。
  14. 前記放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上が前記固定化用鉱物質の結晶格子中の元素を置換している、請求項8に記載の廃棄品。
  15. 前記廃棄物一体化鉱物質と前記包囲マトリックスとの間に介在する有効被覆をさらに含む、請求項8に記載の廃棄品。
  16. 前記有効被覆が少なくとも2ミクロンの厚みを有する、請求項15に記載の廃棄品。
  17. 前記有効被覆が放射性核種、有害元素及び有害化合物を殆ど、又は全く含有しない、請求項15に記載の廃棄品。
  18. 前記包囲マトリックスが別の廃棄物を含む、請求項8に記載の廃棄品。
  19. 放射性核種、有害元素及び有害化合物の1種以上を含む固体廃棄物を固定化するための方法であって、
    高温で固定化用鉱物質の成分を含む固体廃棄物を加熱して廃棄物一体化鉱物質を生成し、
    有効被覆及び包囲マトリックスの一方又は両方で廃棄物一体化鉱物質を封入する、各ステップを含み、
    前記有効被覆は過成長操作及び焼結法の一方を用いて生成され、
    前記包囲マトリックスは岩石材及びガラス材の一方を含む、固定化方法。
  20. 前記加熱工程の前又はその間に前記固体廃棄物と前記固定化用鉱物質の別の成分を混合する工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
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