JP2004503524A - ヒドロキシベンゾニトリル型化合物の分離方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、アミノ化/脱水方法の手段により得られたヒドロキシベンゾニトリル型化合物の分離方法に関する。特に、本発明は、2−シアノフェノールとしても呼ばれている、2−ヒドロキシベンゾニトリルに関する。ヒドロキシベンゾニトリル化合物を、それを全体的に又は部分的にアンモニウム塩の形で含有する反応気体流から分離するための本発明の方法は、その製造から若しくは反応気体流から予め回収された固体から誘導される反応気体流に対して実施される物理的処理により又は液化後に反応気体流に対して実施される化学的処理に従って、アンモニウムイオンを置き換えることからなることを特徴とする。
Description
【0001】
本発明は、アミノ化/脱水方法の手段により得られたヒドロキシベンゾニトリル型化合物の分離方法に関する。特に、本発明は、2−シアノフェノールとしても知られている、2−ヒドロキシベンゾニトリルに関する。
【0002】
本発明は、また、気体状反応流に含有されているヒドロキシベンゾニトリル型化合物の分離及び精製方法に関する。
【0003】
ヒドロキシベンゾニトリルは、それらが、着色剤として並びに除草剤、殺菌剤及び殺虫剤のような活性成分の製造に於ける中間体として、主な工業的関心のある生成物である。
【0004】
ヒドロキシベンゾニトリルを得るための一つの経路は、ヒドロキシ安息香酸アルキルをアミノ化し、続いて脱水することからなる。
【0005】
特に、ドイツ特許DE−A−第2,020,866号には、アンモニアと4−ヒドロキシ安息香酸のメチルエステルとを、脱水触媒、即ち、シリカゲルのような担体上に析出させたリン酸の存在下で反応させることによる、気相での4−ヒドロキシベンゾニトリルの製造方法が記載されている。
【0006】
同じ型の方法は、それぞれ、触媒が、リン酸ホウ素又はBulletin de la Societe Chimique de France、第1号(1966年)に公表された周期表の第Va族、第VIa族、第IIb族、第IIIb族からの遷移金属でドープされたリン酸ホウ素である以外は、フランス特許FR−A−第2,332,261号及びカナダ特許CA−A−第2,177,939号に記載されている。
【0007】
2−ヒドロキシ安息香酸メチルとアンモニアとを、気相で、触媒の存在下で反応させることからなる、この型の方法を使用して得られたヒドロキシベンゾニトリル型化合物を分離する時の問題点は、得られた生成物が、それが凝縮して直ぐに固化して、単離を困難にするために、困難が生じることである。
【0008】
他の困難は、二つの型の二次反応に起因する副生物の生成にある。
【0009】
反応媒体の温度が高くなるほど、得られた生成物が速く、S−トリアジンに三量化する。140℃から、三量化は即座であり、自己触媒性質を示すことが見出された。
【0010】
生じる二次反応の別の型は、2−ヒドロキシベンゾニトリルの製造の間に遊離する水に起因する、得られた2−ヒドロキシベンゾニトリルの2−ヒドロキシベンズアミドへの加水分解であり、この反応はアンモニアの存在によって激しくなる。
【0011】
従って、2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する気体状反応流から、それを得る際の真の工業的問題が存在する。
【0012】
本発明者等は、ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を完全に又は部分的にアンモニウム塩の形で含有する気体状反応流から、2−ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を分離する方法であって、それが、ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を得る目的で、アンモニウムイオンを、
その製造から得られた気体状反応流に行われる物理的処理の手段により又は液化後の気体状反応流から既に回収された固体若しくは溶液中の前記同じ固体の物理的処理の手段により、
又は液化後に気体状反応流に行われる化学的処理の手段により
除去することからなることを特徴とする方法を見出し、これは、本発明の主題を構成する。
【0013】
本発明の記載を通して使用される時、用語「ヒドロキシベンゾニトリル型化合物」は、少なくとも1個のヒドロキシル基及びニトリル基を有する芳香族化合物並びに/又は前記化合物の加水分解形(即ち、ニトリル基は、完全に又は部分的にアミド基によって置き換わっている)を意味する。
【0014】
本発明の第一実施に従って、アンモニウムイオンは、物理的処理、更に正確には熱処理を使用して置き換えられる。
【0015】
本発明の第二実施に従って、アンモニウムイオンは、化学的処理、更に正確には酸処理を使用して置き換えられる。
【0016】
ヒドロキシベンゾニトリル型化合物は、気体状反応流中に、OH基が塩の形である、即ち、これがアンモニウム塩の形である形で存在すること及び遊離のOH含有量が10モル%未満、好ましくは5モル%未満を表すことが見出された。
【0017】
ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を分離するために、アンモニウムイオンを除去しなくてはならないことが見出された。
【0018】
ヒドロキシ安息香酸アルキル型化合物のアミノ化/脱水の手段によりヒドロキシベンゾニトリル型化合物を製造するための蒸気相反応の終わりに、気体状反応流は、一般的に200℃以上、好ましくは200℃から600℃の範囲内、更に好ましくは350℃から450℃の範囲内の高温度である。
【0019】
本発明の方法に従って、塩の形である化合物を熱処理することによって、三量化及びニトリル基を加水分解することのような二次反応を促進することなく、遊離のOH基を有するベンゾニトリル型化合物を得ることが可能であることが見出された。
【0020】
本発明の方法の第一変形において、気体流が熱処理される。
【0021】
第二変形において、本発明の方法は、気体状反応流を液化させ、次いで、その塩の形であるヒドロキシベンゾニトリル型化合物を、前記流体から固体として回収し、そして得られた固体生成物を直接又は溶解後に熱処理することからなる。
【0022】
別の変形において、本発明の方法は、気体状反応流を液化させ、次いで、それを2−ヒドロキシベンゾニトリル型化合物の製造で得られた酸によって処理し、次いで、それを有機相中で回収し、これを分離することからなる。
【0023】
本発明の方法は、少なくとも1個の、6個の炭素原子を含有する芳香族環を含有し、そして少なくとも1個のニトリル基及び完全に又は部分的にその塩形であるOH基を有する、全ての芳香族化合物に適用可能である。
【0024】
本発明は、ベンゼン環、ナフタレン環又は共有結合、1から4個の炭素原子を含有するアルキル若しくはアルキリデン基若しくは原子(例えば、酸素又はCOのような官能基)によって分離されているベンゼン環の連結を包含する。
【0025】
特に、本発明は、下記:
【0026】
【化4】
(式中、式Rは、1個又は2個以上の置換基を表す)
のように表すことができる化合物に関する。
【0027】
式(I)を有するヒドロキシベンゾニトリルは、それらが本発明の方法を妨害しない限り、1個又は2個以上の置換基を有していてよい。
【0028】
環に存在する置換基の数は、環の炭素縮合に及び環内の不飽和結合の存在又は不存在に依存する。
【0029】
環が有することができる置換基の最大数は、当業者によって容易に決定することができる。
【0030】
本明細書において、用語「複数」は、一般的に、芳香族核上の4個未満の置換基を意味する。
【0031】
置換基の例を下記に示す。このリストは全く限定されない。下記のものを挙げることができる。
【0032】
好ましくは1から6個の炭素原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、
好ましくは2から6個の炭素原子、更に好ましくは2から4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルケニル基、
好ましくは1から6個の炭素原子及び1から13個のハロゲン原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子及び1から9個のハロゲン原子を含有する直鎖又は分枝鎖ハロゲノアルキル基、
ヒドロキシル基、
NO2基、
R1−O−アルコキシ若しくはR1−S−チオエーテル基(式中、R1は、好ましくは1から6個の炭素原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基又はフェニル基を表す)又はアルケニルオキシ基、好ましくはアリルオキシ基、
R1−CO−O−アシルオキシ又はアロイルオキシ基(式中、R1は上記の意味を有する)、
R1−CO−アシル又はアロイル基(式中、R1は上記の意味を有する)、
ハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子、
CF3基。
【0033】
本発明は、4−ヒドロキシベンゾニトリル及び2−ヒドロキシベンゾニトリルを分離し、精製することに特に適用されるものである。
【0034】
本発明の下記の説明において、簡略化のために、本発明の方法を、2−ヒドロキシベンゾニトリルの製造へのその適用において記載するが、これは上記の化合物の全てに適用可能である。
【0035】
本発明の方法に従って、本発明者等は、完全に又は部分的にその塩の形で、2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する気体状反応流(F1)から始める。これは、使用される2−ヒドロキシ安息香酸アルキルに対してモル%として表される2−ヒドロキシベンゾニトリルの量が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、なお更に好ましくは80%から95%の範囲内であることを意味する。
【0036】
気体流(F1)には、また、200から600モル%の量でアンモニア、5から200モル%の量で窒素、50から100モル%の量で出発エステルから単離されたアルコール、通常メタノール及び約50から100%の反応中に生成された水が含まれている。
【0037】
気体状反応流(F1)には、場合によっては、0から5モル%のフェノール性化合物、例えばフェノール、0から5モル%の出発ヒドロキシ安息香酸エステル並びに加水分解又は三量化のような二次反応から得られた生成物、特に0から10モル%の、単離されたアルコールによって任意にN−アルキル化された2−ヒドロキシベンズアミド、例えば、N−メチル−(2−ヒドロキシベンズアミド)及び3モル%未満のS−トリアジンが含まれていてよい。
【0038】
この流体の成分の異なった濃度は、実例として示されるものであり、実際には決して限定するものではない。
【0039】
この反応流は本質的に気体状であるが、本発明は、また、エーロゾルの場合、即ち、気体状流の一部が凝縮して、液体粒子が、好ましくは10体積%未満の量で存在する場合も包含することが注目されるべきである。
【0040】
この気体状反応流は、ヒドロキシ安息香酸アルキルのアミノ化/脱水反応から誘導することができる。
【0041】
これは、下記の式;
【0042】
【化5】
(式中、Rは式(I)で前記した意味を有し、R1は、一般的に、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基を表す)
によって表すことができる。
【0043】
挙げることができる、使用することができる好ましいヒドロキシ安息香酸エステルは、2−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−ヒドロキシ安息香酸エチル及び4−ヒドロキシ安息香酸エチルである。好ましくは、2−ヒドロキシ安息香酸メチル又はエチルが使用される。
【0044】
従って、式(II)を有する化合物は、蒸気相中で不均一触媒の存在下で、アンモニアと反応される。
【0045】
挙げることができる触媒の例は、場合によってはCA−A−第2,177,939号に述べられているようにドープされたリン酸ホウ素又はシリカ及び/又はアルミナ及び/又は酸化チタンであってよい担体上に析出されたリン酸である。好ましくは、シリカゲル又は珪藻土型担体が使用され、リン酸は、触媒の50重量%から75重量%を表す。
【0046】
加えられるアンモニアの量は、反応の化学量論によって決定される理論的量(即ち、ヒドロキシ安息香酸エステル1モル当たりアンモニア1モル)に等しいけれども、アミノ化は、好ましくは、過剰のアンモニアを使用して実施される。一般的に、ヒドロキシ安息香酸エステル1モル当たり、少なくとも2モル、特に2から5モルのアンモニアを使用することが好ましい。アミノ化反応から得られた気体流中に存在する過剰のアンモニアは、再循環させることができる。
【0047】
1単位体積の気体混合物(標準温度及び圧力下で測定する)が、1見掛け単位体積の触媒と接触状態にある間の、秒での時間として定義される、触媒との気体流についての見掛け滞留時間は、0.001秒から10分の範囲内、好ましくは0.01秒から2分の範囲内であってよい。
【0048】
この反応は、一般的に、大気圧下で、200℃から600℃の範囲内で実施され、好ましくは、温度は350℃から450℃の範囲内である。
【0049】
反応の終わりに、軽い気体、アンモニア、水及び出発ヒドロキシ安息香酸アルキルから誘導されるアルコール(好ましくはメタノール)並びに重い気体、即ち完全に又は部分的にその塩形である本質的に2−ヒドロキシベンゾニトリル及び前記の副生物を含有する気体状反応流(F1)が得られた。
【0050】
完全に又は部分的にアンモニウム塩の形になっているベンゾニトリル型化合物から、遊離のOH基を有するヒドロキシベンゾニトリル型化合物を製造することができる本発明の方法は、完全に又は部分的にアンモニウム塩の形になっている、水和された形になっているベンゾニトリル型化合物、即ち、CN基がCONH2基によって置き換わっている式(I)を有するヒドロキシベンズアミド型化合物に適用することができる。
【0051】
本発明の範囲には、また、本発明の方法をその水和された形になっているヒドロキシベンゾニトリル型化合物に適用することが包含される。
【0052】
前記化合物は、一般的な触媒、即ちガラスビーズ、シリカ又はシリカ−アルミナの存在下でアンモニアとの反応による、ヒドロキシ安息香酸アルキル型化合物のアミノ化の手段により、既知の方法で得られた。
【0053】
その塩形になっている2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
本発明の方法に従って、気体状反応流から2−ヒドロキシベンゾニトリルを分離するために、アンモニウム塩を除去しなくてはならないことが見出された。
【0054】
この目的のために、熱い反応流を、その塩形になっている2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する液相が凝縮し、アンモニアの単離に至るアンモニウム塩の分解を可能にする温度まで低下させる。
【0055】
本発明の第一変形において、この操作は、気体状反応流を溶媒(有機溶媒及び/又は水)と接触状態にし、次いで全体を200℃以下、好ましくは、200℃から100℃の範囲内の温度まで冷却して、2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する液相を得ることによって達成される。
【0056】
気体流は、溶媒(S1)の存在の中に持ち込まれる。
【0057】
幾つかの規準が、溶媒の選択を支配する。
【0058】
第一に、溶媒は反応条件下で安定でなくてはならない。
【0059】
第二に、溶媒は、選択された温度帯域内で蒸発しなくてはならない。即ち、その沸点は250℃より低くなくてはならない。
【0060】
有利には、溶媒は、100℃から250℃の範囲内、好ましくは100℃から200℃の範囲内の沸点を有する。
【0061】
好ましい変形において、得られた2−ヒドロキシベンゾニトリルを結晶化により精製することもできる溶媒が選択される。従って、これは、熱い時には良溶媒であるが、通常、環境温度、好ましくは15℃から25℃の範囲内で冷たい時には貧溶媒である。
【0062】
極性又は非極性溶媒が使用される。
【0063】
挙げることができる適切な溶媒の例は、水、水/アルコール混合物、例えば、メタノール又はエタノール、ハロゲン化又は非ハロゲン化芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン及びエーテル、例えば、アニソール又は2−エチルヘキサノールである。
【0064】
水/アルコール混合物を使用する時、これらには、一般的に、50%より少ないアルコール、好ましくは1%から50%、更に好ましくは1%から25%のアルコール及び50%から99%、好ましくは75%から99%の水が含有される。
【0065】
使用される溶媒の量は、気体状反応流の重量の30%から500%を表す。
【0066】
実際には、熱い気体流を、蒸発した反応溶媒の並流と接触状態にする。
【0067】
アンモニア、アルコール(通常メタノール)、水及び或る場合には共沸水/有機溶媒混合物を含有する軽い気体(F2)を、2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒(有機溶媒及び/又は水)並びにフェノール性化合物、例えばフェノール、出発ヒドロキシ安息香酸エステル、2−ヒドロキシベンズアミド及び多分N−メチル−(2−ヒドロキシベンズアミド)及びS−トリアジンのような少量生成物を本質的に含有する重い化合物(F3)と共に回収する。
【0068】
本発明は、また、2−ヒドロキシベンゾニトリルの分離及び精製方法に関する。
【0069】
第一工程は上記のように実施され、2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒を本質的に含有する重い画分(F3)が処理される。
【0070】
次いで、精製が、より低い沸点を有する生成物を蒸留し、次いで2−ヒドロキシベンゾニトリルを蒸留することによって実施される。
【0071】
0.4ミリバールの圧力で20℃から40℃で回収された第一画分は、溶媒に相当する。
【0072】
0.4ミリバールの圧力で40℃から110℃で得られた第二画分は、フェノール及び出発ヒドロキシ安息香酸エステルに相当する。
【0073】
0.4ミリバールの圧力下で110℃で得られた第三画分は、2−ヒドロキシベンゾニトリルによって構成されている。
【0074】
サリチルアミド、N−メチルサリチルアミド及びS−トリアジンは、底から回収される。
【0075】
留出した2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度は、少なくとも95%、好ましくは98%である。
【0076】
別の精製技術は、2−ヒドロキシベンゾニトリルを結晶化させ、次いで結晶化した生成物の固/液分離を実施することからなる。
【0077】
本発明者等は、分離工程からの画分(F3)で出発する。
【0078】
次いで100℃から−10℃の範囲内、好ましくは10℃から0℃の範囲の温度までの冷却によって、2−ヒドロキシベンゾニトリルを結晶化させる。
【0079】
次いで、一般的な固/液分離技術を使用し、好ましくは濾過により、結晶性生成物を分離する。
【0080】
本質的に2−ヒドロキシベンゾニトリルである固体が回収され、液相(F6)は、溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する。
【0081】
この固体は、30℃から80℃の範囲内、好ましくは40℃から50℃の範囲内の温度で乾燥させることができる。
【0082】
この2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度は非常に高く、90%を越え、好ましくは95%より高い。
【0083】
使用することができる別の精製技術は、リファイニングによる精製である。
【0084】
本発明者等は、分離工程から誘導される画分(F3)から出発する。
【0085】
最初に、これを100℃から30℃の範囲内の温度まで冷却する。
【0086】
水相(F7)及び有機相を得、これをデカンテーション後に分離する。
【0087】
有機相は、2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒(S1)によって本質的に構成されている。
【0088】
水及び/又は溶媒は、90℃から100℃の温度及び1ミリバールから1バールの範囲内の減圧下で蒸留することによって分離される。
【0089】
2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する粗製反応塊が得られる。
【0090】
次いで、リファイニング精製操作を実施する。
【0091】
リファイニングは、液/固分離(脱水、帯域溶融)を実施することができ、処理すべき体積及び使用する装置の数に依存するサイズのものである装置を使用して、不連続式に実施される。更に、装置の形式の選択は重要ではない。例として、一般的な脱水シーブス又は他のリファイニング装置、例えば、商品名PROAPT(登録商標)で販売されているものを使用することができる。例えば、垂直円筒管交換器脱水シーブスを使用することができる。
【0092】
画分(F9)が、下記の4段階の手段により、本質的に装置の1個又は2個以上の部分内で処理される。
【0093】
段階1は、装入した混合物の遅い結晶化に相当する。
【0094】
段階2は、共晶(2−ヒドロキシベンゾニトリル+出発ヒドロキシ安息香酸エステル、フェノール、サリチルアミド及びN−メチルサリチルアミドのような不純物の混合物)の冷脱水に相当する。
【0095】
段階3は、所望の純度が得られるまで再加熱段階の間に回収された熱脱水に相当する。
【0096】
段階4は、所望の純度を有する生成物の融解回収に相当する。
【0097】
実質的に一定の組成を有する画分の製造によって、このリファイニング工程の自動化が容易になる。
【0098】
2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する画分(F9)は、リファイニング装置の1個又は2個以上の部分に送られる。
【0099】
段階1の前に、この装置は、2−ヒドロキシベンゾニトリルの融点(98℃)より上に、例えば、100℃から120℃に加熱される。
【0100】
段階1の間に、塊は、10℃から50℃の範囲内の温度に、数時間、例えば5から15時間かけて冷却され、これにより装入された混合物の遅い結晶化が誘導される。
【0101】
段階1の後で、生成物は液体のままであり、段階3にまで通過する前に、装置から取り出される(段階2)。
【0102】
段階3は、おそらく段階2の間に開始される、リファイニング装置を、例えば、94℃から98℃の範囲内の温度まで、数時間、例えば8から15時間かけてゆっくり再加熱することからなる。
【0103】
生成物の純度を決定する段階3の終点は、結晶化点を測定することにより又は全ての他の物理化学的分析技術により決定することができる。
【0104】
段階4は、装置を95℃を越える温度にまで加熱して、2−ヒドロキシベンゾニトリルを溶融させ、これを溶融状態(F11)で抽出することを必要とする。
【0105】
リファイニングの間に回収された共晶画分(F10)を、熱脱水との混合物として又はこれとは別に、好ましくは前の段階に再循環させることができる。
【0106】
2−ヒドロキシベンゾニトリルが、少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の純度で得られた。
【0107】
アンモニウムシアノフェナートの物理的処理
本発明の別の実施において、2−ヒドロキシベンゾニトリルは、塩形でこれを含有する気体状反応流(F1)から、気体状反応流の液化、以下、「アンモニウムシアノフェナート」と命名される、アンモニウム塩としての2−ヒドロキシベンゾニトリルの結晶化、結晶化生成物の固/液分離、続くアンモニア、水及びアルコール(好ましくはメタノール)を単離し、2−ヒドロキシベンゾニトリルを回収するための分離した固体の熱処理の工程を含む方法の変形において分離される。
【0108】
別の変形において、本発明は、アンモニウムシアノフェナートを固体形で熱処理するのではなくて、有機溶媒(S1)中の溶液中のアンモニウムシアノフェナートを熱処理することからなる。
【0109】
次いで、気体状反応流を液化させ、アンモニウムシアノフェナートを結晶化させ、固/液分離を実施し、次いで得られた固体生成物を有機溶媒、好ましくは、極性溶媒中に溶解させ、最後に、得られた有機溶液を熱処理する。
【0110】
更に正確には、気体状反応流(F1)を、最初に、90℃−100℃から40℃−30℃の温度にまで冷却することによって液化させ、それを水と接触状態にし、これによって、軽い生成物(アンモニア及び水)を除去し、アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する水相を回収することができる。
【0111】
使用する水の量は、(F1)の50重量%から100重量%を表す。
【0112】
次の工程において、最初の工程で、アンモニウムシアノフェナートが結晶化する。
【0113】
液化した流体(F12)を0℃から30℃の範囲内の温度にまで冷却することによって、アンモニウムシアノフェナートが結晶化を起こす。
【0114】
次いで、結晶性生成物を、一般的な固/液分離技術を使用して、好ましくは濾過により分離する。
【0115】
分離は、0℃から20℃の範囲内の温度で実施される。
【0116】
本質的にアンモニウムシアノフェナートである固体が回収され、液相(F13)には、溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する。
【0117】
回収された生成物は、式(III):
【0118】
【化6】
(式中、Rは前記の意味を有する)
によって表される。
【0119】
次いで、熱処理を、80℃から20℃の範囲内の温度で、1ミリバールから1バール、好ましくは1ミリバールから500ミリバールの範囲内の圧力で実施する。
【0120】
アンモニア及び溶媒(S1)を含有する軽い画分(F14)を除去し、2−ヒドロキシベンゾニトリルを固体として回収する。
【0121】
本発明の別の変形において、熱処理を、有機溶媒(S2)中に溶解させたアンモニウムシアノフェナートに対して実施する。
【0122】
最初に、上記のようにして得られた固体アンモニウムシアノフェナートを、気体状流を液化させることによって溶解させ、結晶化及び分離によって、固体形のアンモニウムシアノフェナート及び液相(F15)になる。
【0123】
極性非プロトン性溶媒を添加することによって、アンモニウムシアノフェナートを溶解させる。
【0124】
挙げることができる適切な溶媒の例は、ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドンである。
【0125】
好ましくは、ジメチルホルムアミドが使用される。
【0126】
使用される溶媒の量は、アンモニウムシアノフェナートの30%から500%を表す。
【0127】
アンモニウムシアノフェナートの有機溶液が得られ、次いでこれを、80℃から20℃の範囲内の温度で、1ミリバールから1バール、好ましくは1ミリバールから500ミリバールの範囲内の圧力で熱処理する。
【0128】
アンモニア及び溶媒を含有する軽い画分(F16)を除去し、溶媒(S2)中の溶液中の2−ヒドロキシベンゾニトリルである画分(F17)を回収し、これを従来通り蒸留又はフレーカー(flaker)内で冷却することによって単離することが可能である。
【0129】
塩形で2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する流体の化学的処理
本発明の別の実施において、2−ヒドロキシベンゾニトリルを、アンモニウムイオンを化学的に除去することによって、それを塩形で含有する気体状反応流(F1)から分離する。
【0130】
方法のこの変形は、気体状反応流を液化させ、それを酸で処理して2−ヒドロキシベンゾニトリルを得、液/液分離を実施して、有機相中の2−ヒドロキシベンゾニトリルを回収する。
【0131】
更に好ましくは、最初に、気体状反応流(F1)を、90℃−100℃から40℃−30℃の温度まで冷却することによって液化させ、それを水と接触状態にして、軽い化合物(アンモニア及び水)を除去し、アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する水相を回収する。
【0132】
使用される水の量は、(F1)の重量の50%から700%を表す。
【0133】
次いで、アンモニウムイオンを、酸を使用して中和する。
【0134】
6より低い、好ましくは−1から4の範囲内の、水中で測定したpKaを有するブレンステッド酸が使用される。
【0135】
挙げることができる更に特別の例は、硫酸、塩酸、リン酸及び酢酸である。
【0136】
酸溶液の濃度は重要ではない。これは30%から100%であってよい。
【0137】
使用される酸の量は、得られたpHが、6から1、好ましくは4から3であるようなものである。
【0138】
この中和操作は、90℃から30℃の範囲内が有利である温度で実施される。
【0139】
次いで、得られた反応混合物をデカンテーションして、過剰の酸及びアンモニウム塩を含有する水相(F19)を、2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する有機相(F20)から分離する。
【0140】
この後者は、前記のように蒸留、結晶化及びリファイニングのような精製技術を使用して精製することができる。
【0141】
本発明は、また、本発明の方法の異なった変形を実施するための設備に関する。
【0142】
塩形で2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
本発明は、また、2−ヒドロキシベンゾニトリルを気体状反応流から分離するための少なくとも1個の装置及び場合によっては2−ヒドロキシベンゾニトリル精製装置を含む、本発明の方法を実施するための設備に関する。
【0143】
この分離装置には、
気体状反応流と溶媒(水及び/又は有機溶媒)とを接触状態にすることを意図する第一塔(1)、
それへの入口が、塔(1)の底に連結されている第二塔(2)、前記塔(2)は、塔頭からアンモニア、水及びアルコール(好ましくは、メタノール)を含有する軽い画分を生成し、塔底から2−ヒドロキシベンゾニトリル、溶媒(水及び/又は有機溶媒)、微量のアンモニア及び少量の二次生成物を本質的に含有する重い画分を生成することを意図している、
が含まれる。
【0144】
図1は、本発明に従った分離装置の線図を示す。
【0145】
分離のための設備には、良好な気/液接触を確実にするための第一塔(1)、例えば、洗浄塔が含まれている。これには、塔頭で処理すべき気体状反応流(F1)を入れるための手段及び溶媒(S1)を入れるための手段、例えば、ポンプ及び後者を蒸発させるための装置(ノズル)が含まれている。その下部分内で、塔には、第二塔(2)に連結された、中間の高さで供給される重い相(液体及び/又は気体)を抜き出すための手段が含まれている。
【0146】
気/液分離のための塔(2)は、冷却手段(凝縮器)を含む塔である。その上部分には、軽い化合物(F2)を含有する気相を取り出すための手段及び液相(F3)を取り出すための手段が設けられている。
【0147】
本発明の好ましい実施において、設備には、分離装置及び精製装置が含まれている。
【0148】
分離装置は、分離装置から出口で回収された重い画分(F3)中に含有されている2−ヒドロキシベンゾニトリルの精製を確実にするための手段によって完結される。
【0149】
図2から4は、これ(精製)を実施するための異なった手段を示す。
【0150】
蒸留によって精製を実施することからなる第一の好ましい態様(図2)において、設備には、また、先行する塔(2)から誘導された重い画分(F3)が供給され、
塔頭で、0.4ミリバールの圧力で、異なった画分、
大気圧で40℃より低い沸点を有する軽い画分、
フェノール及びサリチル酸メチルに対応する40℃から110℃の画分、
2−ヒドロキシベンゾニトリルに対応する110℃の画分(F4)、
及び塔底で、110℃より高い沸点を有する異なった不純物(F5)、即ち、サリチルアミド、N−メチルサリチルアミド及びS−トリアジン
を得るように設計された、蒸留塔(3)が含まれている。
【0151】
この情報から、当業者は、出発混合物の関数として使用すべき手段を選択することができるであろう。下記のことは単に概略である。蒸留塔のサイズ(特に直径)は、循環流及び内圧に依存する。これらは、基本的に処理すべき混合物の流速に従って寸法を合わせられる。理論段の数である内部パラメーターは、特に、入る混合物の組成(比)並びに蒸留塔の頭及び底で得るべき混合物の純度及び組成によって決定される。この塔には、当業者に既知であるような、指定された充填物を充填することができる。設備が決定されると、当業者は塔の運転パラメーターを調節するであろう。
【0152】
蒸留塔(3)は、有利には、限定された様式ではないが、下記の仕様を有する塔であってよい。
【0153】
理論段の数:5から40、好ましくは10から30、
1から10の範囲内の還流比R、
短い滞留時間、好ましくは30分以内。
【0154】
第二の態様において、精製は結晶化によって実施される(図3)。この設備には、その運転のために必要なような、画分(F3)を入れるための手段及び取り出し装置が設けられた結晶化反応器(4)が含まれる。この反応器には、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられており、ジャケット内に冷水を循環させることにより又は内部充填物(コイル)の手段により、冷却を確実にすることができる。
【0155】
これは、吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス又は多管式フィルターのような固/液分離装置(5)に連結されている。
【0156】
これによって、2−ヒドロキシベンゾニトリルによって本質的に構成された固体並びに溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F6)を回収することができる。
【0157】
分離装置(5)には、場合によっては、回転乾燥機又は攪拌乾燥機のような乾燥手段(6)を付属させることができ、2−ヒドロキシベンゾニトリルを粉末(P)の形で回収することが可能になる。
【0158】
リファイニングによる精製を実施することからなる第三の態様(図4)において、設備には、その運転のために必要なような、画分(F3)を入れるための手段及び取り出し装置が設けられた冷却塔(7)が含まれる。
【0159】
これは、沈降器のような液/液分離装置(8)に連結されている。
【0160】
これによって、水相(7)を、2−ヒドロキシベンゾニトリルによって本質的に構成された有機相(F8)から分離することができる。
【0161】
この有機相を、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられた反応器(9)に向ける。これには、蒸留塔が載せられ、減圧システムが設けられており、蒸留により有機溶媒を分離し及び/又は水を残すことができる(F9)。
【0162】
有機相(F8)は、リファイニング(脱水、帯域溶融)のための、処理すべき体積及びその数の関数として寸法を合わせられた装置(10)に送られる。装置形式の選択は、また、重要ではない。これは、例えば、一般的な脱水シーブ又は他のリファイニング装置、例えば、商品名PROAPT(登録商標)で販売されているものであってよい。例として、垂直円筒管交換器型の脱水シーブスを使用することが可能である。
【0163】
不純物(F10)及び2−ヒドロキシベンゾニトリル画分(F11)を含有する異なった画分を回収することができる。
【0164】
アンモニウムシアノフェナートの物理的処理
本発明の別の変形に従って、2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する気体状反応流ではなくてアンモニウムシアノフェナートを熱処理し、この方法を、図5又は図6に示される分離装置を含む設備で実施することができる。
【0165】
図5に示される設備には、気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられ、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F12)(この混合物は、反応器(12)に移送される)を回収することができる洗浄塔(11)が含まれている。
【0166】
反応器(12)において、アンモニウムシアノフェナートは結晶化される。反応器(12)には、画分(F12)を入れるための手段が設けられており、前記反応器には、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられている。
【0167】
その下部分において、該反応器は、吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス又は多管式フィルターのような固/液分離装置(13)に連結することができる取り出し装置を有する。
【0168】
これによって、アンモニウムシアノフェナートによって本質的に構成された固体並びに溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F13)を回収することができる。
【0169】
分離装置には、攪拌乾燥機のような乾燥手段(14)を付属させることができ、乾燥手段は、温度及び圧力サイクルを受けて、固体のアンモニウムシアノフェナートを2−ヒドロキシベンゾニトリルに分解し、溶媒及び残留するアンモニア(F14)を除去しながら、2−ヒドロキシベンゾニトリルを粉末(P)の形で回収されるようにする。
【0170】
図6に示される別の変形において、設備は、図5に於けるように、洗浄塔(11)及び反応器(12)(この中で、アンモニウムシアノフェナートが結晶化され、これには画分(F12)を入れるための手段が設けられている)が含まれ、前記反応器には、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられている。
【0171】
その下部分には、それを吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス又は多管式フィルターのような固/液分離装置(15)に連結することができ、アンモニウムシアノフェナートを溶解するための溶媒(S2)を入れるための手段が設けられている取り出し装置が含まれる。
【0172】
これによって、有機溶液中のアンモニウムシアノフェナート並びに溶媒(S1)、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F18)を回収することができる。
【0173】
この混合物は、攪拌手段、有機溶媒及び/又は残留する水(F16)を分離するために、蒸留塔が載せられ、減圧システムが設けられた温度調節装置(熱/冷)が設けられた反応器(16)に送られ、温度及び圧力の結合適用により、2−ヒドロキシベンゾニトリルへのアンモニウムシアノフェナートの熱分解が実施される。
【0174】
(F17)、即ち、溶媒(S2)中の溶液中の2−ヒドロキシベンゾニトリルが回収され、これを従来通り蒸留又はフレーカーで冷却することによって単離することが可能である。
【0175】
塩形で2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する流体の化学的処理
図7に示される分離装置には、
気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられており、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F18)(これは、反応器(18)に移送される)を回収することができる洗浄塔(17)、
攪拌手段、温度調節装置(熱/冷)、反応剤導入装置(酸)及びpH調節装置(電極)が設けられた中和反応器(18)、前記反応器には、その下部に、それを装置(19)に連結するための取り出し装置が含まれる、
過剰の酸及びアンモニウム塩を含有する水相(F19)と2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する有機相(F20)とを分離することができる沈降タンクのような液/液分離装置
が含まれている。
【0176】
この後者は、図2から4に示される、蒸留、結晶化及びリファイニングのような精製技術を使用して精製することができる。
【0177】
本発明の方法は、非常に純粋な2−ヒドロキシベンゾニトリルを製造することができる。
【0178】
本発明を、非限定実施例と解される、本発明の実施により、更に詳細に説明する。
【0179】
実施例1
図7に記載のアンモニウム塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する流体の化学的処理
0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(17)内で60℃で72gの水に溶解させた。
【0180】
次いで、流体(F18)を、攪拌した反応器(18)に移送し、60℃の温度を維持して、35.1gの98%硫酸を添加した。
【0181】
硫酸の添加が完結した時、最終pHは3から4の範囲内であった。
【0182】
沈降器(19)内で60℃でデカンテーションした後、上相(F20)である粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを回収した。
【0183】
粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルの力価は、61重量%であった。
【0184】
回収率は96%(0.506モル)であった。
【0185】
実施例2
図3に示される装置において、実施例1で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、溶媒としてのトルエン中で0℃の温度で、結晶化により精製した。
【0186】
下記の結果が得られた。
【0187】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=95%、
単離収率=74%。
【0188】
実施例3
図3に示される装置において、実施例1で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、溶媒としてのクロロベンゼン中で0℃の温度で、結晶化により精製した。
【0189】
下記の結果が得られた。
【0190】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=99%、
単離収率=55%。
【0191】
実施例4
図6に記載のアンモニウムシアノフェナートの物理的処理
0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(11)内で60℃で216gの水に溶解させた。
【0192】
この流体を反応器(12)の中に装入し、これを15℃まで冷却させた。
【0193】
沈殿したアンモニウム2−シアノフェナートを、フィルター(15)内で濾過することによって回収し、これを50gの5重量%アンモニアで洗浄した。
【0194】
この沈殿を脱水し、次いで、フィルター内で70gのジメチルホルムアミド中に再溶解させた。
【0195】
ジメチルホルムアミド中のアンモニウム2−シアノフェナート溶液を、反応器(16)に移送し、そこで水次いでアンモニアを、100から50ミリバールで60℃に加熱することによって除去した。
【0196】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの単離収率は72%であり、2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度(ex DMF)は99.5%であった。
【0197】
実施例5
図1に記載のアンモニウム塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
420℃の、0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(1)内で200gのキシレンと接触状態にした。
【0198】
次いで、この流体を塔(2)に移送し、この混合物を熱交換器によって110℃まで冷却させた。
【0199】
アンモニウム2−シアノフェナートはアンモニアに分解し、これを塔頭から除去した。
【0200】
キシレン中に溶解した粗製2−ヒドロキシベンゾニトリル(F3)を、塔底から回収した。
【0201】
粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルの力価は、89重量%であった(ex 溶媒)。
【0202】
回収率は94%(0.49モル)であった。
【0203】
実施例6
図3に示される装置において、実施例5で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、溶媒としてのキシレン中での結晶化により精製した。
【0204】
下記の結果が得られた。
【0205】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=92%、
単離収率=68%。
【0206】
実施例7
図1に記載のアンモニウム塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
420℃の、0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(1)内で200gのキシレンと接触状態にした。
【0207】
次いで、この流体を塔(2)に移送し、この混合物を熱交換器によって110℃まで冷却した。
【0208】
アンモニウム2−シアノフェナートはアンモニアに分解し、これを塔頭から除去した。
【0209】
キシレン中に溶解した粗製2−ヒドロキシベンゾニトリル(F3)を、塔底から回収した。
【0210】
粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルの力価は、89重量%であった(ex 溶媒)。
【0211】
回収率は94%(0.49モル)であった。
【0212】
実施例8
図3に示される装置において、実施例7で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、0℃で溶媒としてのキシレン中での結晶化により精製した。
【0213】
下記の結果が得られた。
【0214】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=92%、
単離収率=68%。
【0215】
実施例9
図3に示される装置において、実施例7で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、キシレン/メタノール混合物(95/5、w/w%)である溶媒中で−10℃の温度で、結晶化により精製した。
【0216】
下記の結果が得られた。
【0217】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=98%、
単離収率=85%。
実施例10
図1に記載のアンモニウム塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
420℃の、0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(1)内で180gのキシレン及び20gのDMFと接触状態にした。
【0218】
次いで、この流体を塔(2)に移送し、この混合物を熱交換器によって110℃まで冷却した。
【0219】
アンモニウム2−ヒドロキシベンゾニトリルはアンモニアに分解し、これを塔頭から除去した。
【0220】
キシレン+DMF中に溶解した粗製2−ヒドロキシベンゾニトリル(F3)を、塔底から回収した。
【0221】
粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルの力価は、88重量%であった(ex 溶媒)。
【0222】
回収率は97%(0.49モル)であった。
実施例11
図3に示される装置において、実施例7で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、キシレン/DMF混合物(90/10、w/w%)である溶媒中で−10℃の温度で、結晶化により精製した。
溶媒としてのキシレン中での結晶化により精製した。
【0223】
下記の結果が得られた。
【0224】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=99%、
単離収率=85%。
【0225】
付属する特許請求の範囲で規定された本発明は、上記説明に記載された特別の実施に限定されず、本発明の精神及び範囲から逸脱しない変形を包含することが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明に従った分離装置の線図を示す。
【図2】
これ(精製)を実施するための異なった手段を示す。
【図3】
これ(精製)を実施するための異なった手段を示す。
【図4】
これ(精製)を実施するための異なった手段を示す。
【図5】
図5に示される設備には、気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられ、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F12)(この混合物は、反応器(12)に移送される)を回収することができる洗浄塔(11)が含まれている。
【図6】
図6に示される別の変形において、設備は、図5に於けるように、洗浄塔(11)及び反応器(12)(この中で、アンモニウムシアノフェナートが結晶化され、これには画分(F12)を入れるための手段が設けられている)が含まれ、前記反応器には、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられている。
【図7】
図7に示される分離装置には、
気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられており、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F18)(これは、反応器(18)に移送される)を回収することができる洗浄塔(17)、
攪拌手段、温度調節装置(熱/冷)、反応剤導入装置(酸)及びpH調節装置(電極)が設けられた中和反応器(18)、前記反応器には、その下部に、それを装置(19)に連結するための取り出し装置が含まれる、
過剰の酸及びアンモニウム塩を含有する水相(F19)と2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する有機相(F20)とを分離することができる沈降タンクのような液/液分離装置
が含まれている。
本発明は、アミノ化/脱水方法の手段により得られたヒドロキシベンゾニトリル型化合物の分離方法に関する。特に、本発明は、2−シアノフェノールとしても知られている、2−ヒドロキシベンゾニトリルに関する。
【0002】
本発明は、また、気体状反応流に含有されているヒドロキシベンゾニトリル型化合物の分離及び精製方法に関する。
【0003】
ヒドロキシベンゾニトリルは、それらが、着色剤として並びに除草剤、殺菌剤及び殺虫剤のような活性成分の製造に於ける中間体として、主な工業的関心のある生成物である。
【0004】
ヒドロキシベンゾニトリルを得るための一つの経路は、ヒドロキシ安息香酸アルキルをアミノ化し、続いて脱水することからなる。
【0005】
特に、ドイツ特許DE−A−第2,020,866号には、アンモニアと4−ヒドロキシ安息香酸のメチルエステルとを、脱水触媒、即ち、シリカゲルのような担体上に析出させたリン酸の存在下で反応させることによる、気相での4−ヒドロキシベンゾニトリルの製造方法が記載されている。
【0006】
同じ型の方法は、それぞれ、触媒が、リン酸ホウ素又はBulletin de la Societe Chimique de France、第1号(1966年)に公表された周期表の第Va族、第VIa族、第IIb族、第IIIb族からの遷移金属でドープされたリン酸ホウ素である以外は、フランス特許FR−A−第2,332,261号及びカナダ特許CA−A−第2,177,939号に記載されている。
【0007】
2−ヒドロキシ安息香酸メチルとアンモニアとを、気相で、触媒の存在下で反応させることからなる、この型の方法を使用して得られたヒドロキシベンゾニトリル型化合物を分離する時の問題点は、得られた生成物が、それが凝縮して直ぐに固化して、単離を困難にするために、困難が生じることである。
【0008】
他の困難は、二つの型の二次反応に起因する副生物の生成にある。
【0009】
反応媒体の温度が高くなるほど、得られた生成物が速く、S−トリアジンに三量化する。140℃から、三量化は即座であり、自己触媒性質を示すことが見出された。
【0010】
生じる二次反応の別の型は、2−ヒドロキシベンゾニトリルの製造の間に遊離する水に起因する、得られた2−ヒドロキシベンゾニトリルの2−ヒドロキシベンズアミドへの加水分解であり、この反応はアンモニアの存在によって激しくなる。
【0011】
従って、2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する気体状反応流から、それを得る際の真の工業的問題が存在する。
【0012】
本発明者等は、ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を完全に又は部分的にアンモニウム塩の形で含有する気体状反応流から、2−ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を分離する方法であって、それが、ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を得る目的で、アンモニウムイオンを、
その製造から得られた気体状反応流に行われる物理的処理の手段により又は液化後の気体状反応流から既に回収された固体若しくは溶液中の前記同じ固体の物理的処理の手段により、
又は液化後に気体状反応流に行われる化学的処理の手段により
除去することからなることを特徴とする方法を見出し、これは、本発明の主題を構成する。
【0013】
本発明の記載を通して使用される時、用語「ヒドロキシベンゾニトリル型化合物」は、少なくとも1個のヒドロキシル基及びニトリル基を有する芳香族化合物並びに/又は前記化合物の加水分解形(即ち、ニトリル基は、完全に又は部分的にアミド基によって置き換わっている)を意味する。
【0014】
本発明の第一実施に従って、アンモニウムイオンは、物理的処理、更に正確には熱処理を使用して置き換えられる。
【0015】
本発明の第二実施に従って、アンモニウムイオンは、化学的処理、更に正確には酸処理を使用して置き換えられる。
【0016】
ヒドロキシベンゾニトリル型化合物は、気体状反応流中に、OH基が塩の形である、即ち、これがアンモニウム塩の形である形で存在すること及び遊離のOH含有量が10モル%未満、好ましくは5モル%未満を表すことが見出された。
【0017】
ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を分離するために、アンモニウムイオンを除去しなくてはならないことが見出された。
【0018】
ヒドロキシ安息香酸アルキル型化合物のアミノ化/脱水の手段によりヒドロキシベンゾニトリル型化合物を製造するための蒸気相反応の終わりに、気体状反応流は、一般的に200℃以上、好ましくは200℃から600℃の範囲内、更に好ましくは350℃から450℃の範囲内の高温度である。
【0019】
本発明の方法に従って、塩の形である化合物を熱処理することによって、三量化及びニトリル基を加水分解することのような二次反応を促進することなく、遊離のOH基を有するベンゾニトリル型化合物を得ることが可能であることが見出された。
【0020】
本発明の方法の第一変形において、気体流が熱処理される。
【0021】
第二変形において、本発明の方法は、気体状反応流を液化させ、次いで、その塩の形であるヒドロキシベンゾニトリル型化合物を、前記流体から固体として回収し、そして得られた固体生成物を直接又は溶解後に熱処理することからなる。
【0022】
別の変形において、本発明の方法は、気体状反応流を液化させ、次いで、それを2−ヒドロキシベンゾニトリル型化合物の製造で得られた酸によって処理し、次いで、それを有機相中で回収し、これを分離することからなる。
【0023】
本発明の方法は、少なくとも1個の、6個の炭素原子を含有する芳香族環を含有し、そして少なくとも1個のニトリル基及び完全に又は部分的にその塩形であるOH基を有する、全ての芳香族化合物に適用可能である。
【0024】
本発明は、ベンゼン環、ナフタレン環又は共有結合、1から4個の炭素原子を含有するアルキル若しくはアルキリデン基若しくは原子(例えば、酸素又はCOのような官能基)によって分離されているベンゼン環の連結を包含する。
【0025】
特に、本発明は、下記:
【0026】
【化4】
(式中、式Rは、1個又は2個以上の置換基を表す)
のように表すことができる化合物に関する。
【0027】
式(I)を有するヒドロキシベンゾニトリルは、それらが本発明の方法を妨害しない限り、1個又は2個以上の置換基を有していてよい。
【0028】
環に存在する置換基の数は、環の炭素縮合に及び環内の不飽和結合の存在又は不存在に依存する。
【0029】
環が有することができる置換基の最大数は、当業者によって容易に決定することができる。
【0030】
本明細書において、用語「複数」は、一般的に、芳香族核上の4個未満の置換基を意味する。
【0031】
置換基の例を下記に示す。このリストは全く限定されない。下記のものを挙げることができる。
【0032】
好ましくは1から6個の炭素原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、
好ましくは2から6個の炭素原子、更に好ましくは2から4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルケニル基、
好ましくは1から6個の炭素原子及び1から13個のハロゲン原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子及び1から9個のハロゲン原子を含有する直鎖又は分枝鎖ハロゲノアルキル基、
ヒドロキシル基、
NO2基、
R1−O−アルコキシ若しくはR1−S−チオエーテル基(式中、R1は、好ましくは1から6個の炭素原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基又はフェニル基を表す)又はアルケニルオキシ基、好ましくはアリルオキシ基、
R1−CO−O−アシルオキシ又はアロイルオキシ基(式中、R1は上記の意味を有する)、
R1−CO−アシル又はアロイル基(式中、R1は上記の意味を有する)、
ハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子、
CF3基。
【0033】
本発明は、4−ヒドロキシベンゾニトリル及び2−ヒドロキシベンゾニトリルを分離し、精製することに特に適用されるものである。
【0034】
本発明の下記の説明において、簡略化のために、本発明の方法を、2−ヒドロキシベンゾニトリルの製造へのその適用において記載するが、これは上記の化合物の全てに適用可能である。
【0035】
本発明の方法に従って、本発明者等は、完全に又は部分的にその塩の形で、2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する気体状反応流(F1)から始める。これは、使用される2−ヒドロキシ安息香酸アルキルに対してモル%として表される2−ヒドロキシベンゾニトリルの量が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、なお更に好ましくは80%から95%の範囲内であることを意味する。
【0036】
気体流(F1)には、また、200から600モル%の量でアンモニア、5から200モル%の量で窒素、50から100モル%の量で出発エステルから単離されたアルコール、通常メタノール及び約50から100%の反応中に生成された水が含まれている。
【0037】
気体状反応流(F1)には、場合によっては、0から5モル%のフェノール性化合物、例えばフェノール、0から5モル%の出発ヒドロキシ安息香酸エステル並びに加水分解又は三量化のような二次反応から得られた生成物、特に0から10モル%の、単離されたアルコールによって任意にN−アルキル化された2−ヒドロキシベンズアミド、例えば、N−メチル−(2−ヒドロキシベンズアミド)及び3モル%未満のS−トリアジンが含まれていてよい。
【0038】
この流体の成分の異なった濃度は、実例として示されるものであり、実際には決して限定するものではない。
【0039】
この反応流は本質的に気体状であるが、本発明は、また、エーロゾルの場合、即ち、気体状流の一部が凝縮して、液体粒子が、好ましくは10体積%未満の量で存在する場合も包含することが注目されるべきである。
【0040】
この気体状反応流は、ヒドロキシ安息香酸アルキルのアミノ化/脱水反応から誘導することができる。
【0041】
これは、下記の式;
【0042】
【化5】
(式中、Rは式(I)で前記した意味を有し、R1は、一般的に、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基を表す)
によって表すことができる。
【0043】
挙げることができる、使用することができる好ましいヒドロキシ安息香酸エステルは、2−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−ヒドロキシ安息香酸エチル及び4−ヒドロキシ安息香酸エチルである。好ましくは、2−ヒドロキシ安息香酸メチル又はエチルが使用される。
【0044】
従って、式(II)を有する化合物は、蒸気相中で不均一触媒の存在下で、アンモニアと反応される。
【0045】
挙げることができる触媒の例は、場合によってはCA−A−第2,177,939号に述べられているようにドープされたリン酸ホウ素又はシリカ及び/又はアルミナ及び/又は酸化チタンであってよい担体上に析出されたリン酸である。好ましくは、シリカゲル又は珪藻土型担体が使用され、リン酸は、触媒の50重量%から75重量%を表す。
【0046】
加えられるアンモニアの量は、反応の化学量論によって決定される理論的量(即ち、ヒドロキシ安息香酸エステル1モル当たりアンモニア1モル)に等しいけれども、アミノ化は、好ましくは、過剰のアンモニアを使用して実施される。一般的に、ヒドロキシ安息香酸エステル1モル当たり、少なくとも2モル、特に2から5モルのアンモニアを使用することが好ましい。アミノ化反応から得られた気体流中に存在する過剰のアンモニアは、再循環させることができる。
【0047】
1単位体積の気体混合物(標準温度及び圧力下で測定する)が、1見掛け単位体積の触媒と接触状態にある間の、秒での時間として定義される、触媒との気体流についての見掛け滞留時間は、0.001秒から10分の範囲内、好ましくは0.01秒から2分の範囲内であってよい。
【0048】
この反応は、一般的に、大気圧下で、200℃から600℃の範囲内で実施され、好ましくは、温度は350℃から450℃の範囲内である。
【0049】
反応の終わりに、軽い気体、アンモニア、水及び出発ヒドロキシ安息香酸アルキルから誘導されるアルコール(好ましくはメタノール)並びに重い気体、即ち完全に又は部分的にその塩形である本質的に2−ヒドロキシベンゾニトリル及び前記の副生物を含有する気体状反応流(F1)が得られた。
【0050】
完全に又は部分的にアンモニウム塩の形になっているベンゾニトリル型化合物から、遊離のOH基を有するヒドロキシベンゾニトリル型化合物を製造することができる本発明の方法は、完全に又は部分的にアンモニウム塩の形になっている、水和された形になっているベンゾニトリル型化合物、即ち、CN基がCONH2基によって置き換わっている式(I)を有するヒドロキシベンズアミド型化合物に適用することができる。
【0051】
本発明の範囲には、また、本発明の方法をその水和された形になっているヒドロキシベンゾニトリル型化合物に適用することが包含される。
【0052】
前記化合物は、一般的な触媒、即ちガラスビーズ、シリカ又はシリカ−アルミナの存在下でアンモニアとの反応による、ヒドロキシ安息香酸アルキル型化合物のアミノ化の手段により、既知の方法で得られた。
【0053】
その塩形になっている2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
本発明の方法に従って、気体状反応流から2−ヒドロキシベンゾニトリルを分離するために、アンモニウム塩を除去しなくてはならないことが見出された。
【0054】
この目的のために、熱い反応流を、その塩形になっている2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する液相が凝縮し、アンモニアの単離に至るアンモニウム塩の分解を可能にする温度まで低下させる。
【0055】
本発明の第一変形において、この操作は、気体状反応流を溶媒(有機溶媒及び/又は水)と接触状態にし、次いで全体を200℃以下、好ましくは、200℃から100℃の範囲内の温度まで冷却して、2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する液相を得ることによって達成される。
【0056】
気体流は、溶媒(S1)の存在の中に持ち込まれる。
【0057】
幾つかの規準が、溶媒の選択を支配する。
【0058】
第一に、溶媒は反応条件下で安定でなくてはならない。
【0059】
第二に、溶媒は、選択された温度帯域内で蒸発しなくてはならない。即ち、その沸点は250℃より低くなくてはならない。
【0060】
有利には、溶媒は、100℃から250℃の範囲内、好ましくは100℃から200℃の範囲内の沸点を有する。
【0061】
好ましい変形において、得られた2−ヒドロキシベンゾニトリルを結晶化により精製することもできる溶媒が選択される。従って、これは、熱い時には良溶媒であるが、通常、環境温度、好ましくは15℃から25℃の範囲内で冷たい時には貧溶媒である。
【0062】
極性又は非極性溶媒が使用される。
【0063】
挙げることができる適切な溶媒の例は、水、水/アルコール混合物、例えば、メタノール又はエタノール、ハロゲン化又は非ハロゲン化芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン及びエーテル、例えば、アニソール又は2−エチルヘキサノールである。
【0064】
水/アルコール混合物を使用する時、これらには、一般的に、50%より少ないアルコール、好ましくは1%から50%、更に好ましくは1%から25%のアルコール及び50%から99%、好ましくは75%から99%の水が含有される。
【0065】
使用される溶媒の量は、気体状反応流の重量の30%から500%を表す。
【0066】
実際には、熱い気体流を、蒸発した反応溶媒の並流と接触状態にする。
【0067】
アンモニア、アルコール(通常メタノール)、水及び或る場合には共沸水/有機溶媒混合物を含有する軽い気体(F2)を、2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒(有機溶媒及び/又は水)並びにフェノール性化合物、例えばフェノール、出発ヒドロキシ安息香酸エステル、2−ヒドロキシベンズアミド及び多分N−メチル−(2−ヒドロキシベンズアミド)及びS−トリアジンのような少量生成物を本質的に含有する重い化合物(F3)と共に回収する。
【0068】
本発明は、また、2−ヒドロキシベンゾニトリルの分離及び精製方法に関する。
【0069】
第一工程は上記のように実施され、2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒を本質的に含有する重い画分(F3)が処理される。
【0070】
次いで、精製が、より低い沸点を有する生成物を蒸留し、次いで2−ヒドロキシベンゾニトリルを蒸留することによって実施される。
【0071】
0.4ミリバールの圧力で20℃から40℃で回収された第一画分は、溶媒に相当する。
【0072】
0.4ミリバールの圧力で40℃から110℃で得られた第二画分は、フェノール及び出発ヒドロキシ安息香酸エステルに相当する。
【0073】
0.4ミリバールの圧力下で110℃で得られた第三画分は、2−ヒドロキシベンゾニトリルによって構成されている。
【0074】
サリチルアミド、N−メチルサリチルアミド及びS−トリアジンは、底から回収される。
【0075】
留出した2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度は、少なくとも95%、好ましくは98%である。
【0076】
別の精製技術は、2−ヒドロキシベンゾニトリルを結晶化させ、次いで結晶化した生成物の固/液分離を実施することからなる。
【0077】
本発明者等は、分離工程からの画分(F3)で出発する。
【0078】
次いで100℃から−10℃の範囲内、好ましくは10℃から0℃の範囲の温度までの冷却によって、2−ヒドロキシベンゾニトリルを結晶化させる。
【0079】
次いで、一般的な固/液分離技術を使用し、好ましくは濾過により、結晶性生成物を分離する。
【0080】
本質的に2−ヒドロキシベンゾニトリルである固体が回収され、液相(F6)は、溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する。
【0081】
この固体は、30℃から80℃の範囲内、好ましくは40℃から50℃の範囲内の温度で乾燥させることができる。
【0082】
この2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度は非常に高く、90%を越え、好ましくは95%より高い。
【0083】
使用することができる別の精製技術は、リファイニングによる精製である。
【0084】
本発明者等は、分離工程から誘導される画分(F3)から出発する。
【0085】
最初に、これを100℃から30℃の範囲内の温度まで冷却する。
【0086】
水相(F7)及び有機相を得、これをデカンテーション後に分離する。
【0087】
有機相は、2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒(S1)によって本質的に構成されている。
【0088】
水及び/又は溶媒は、90℃から100℃の温度及び1ミリバールから1バールの範囲内の減圧下で蒸留することによって分離される。
【0089】
2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する粗製反応塊が得られる。
【0090】
次いで、リファイニング精製操作を実施する。
【0091】
リファイニングは、液/固分離(脱水、帯域溶融)を実施することができ、処理すべき体積及び使用する装置の数に依存するサイズのものである装置を使用して、不連続式に実施される。更に、装置の形式の選択は重要ではない。例として、一般的な脱水シーブス又は他のリファイニング装置、例えば、商品名PROAPT(登録商標)で販売されているものを使用することができる。例えば、垂直円筒管交換器脱水シーブスを使用することができる。
【0092】
画分(F9)が、下記の4段階の手段により、本質的に装置の1個又は2個以上の部分内で処理される。
【0093】
段階1は、装入した混合物の遅い結晶化に相当する。
【0094】
段階2は、共晶(2−ヒドロキシベンゾニトリル+出発ヒドロキシ安息香酸エステル、フェノール、サリチルアミド及びN−メチルサリチルアミドのような不純物の混合物)の冷脱水に相当する。
【0095】
段階3は、所望の純度が得られるまで再加熱段階の間に回収された熱脱水に相当する。
【0096】
段階4は、所望の純度を有する生成物の融解回収に相当する。
【0097】
実質的に一定の組成を有する画分の製造によって、このリファイニング工程の自動化が容易になる。
【0098】
2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する画分(F9)は、リファイニング装置の1個又は2個以上の部分に送られる。
【0099】
段階1の前に、この装置は、2−ヒドロキシベンゾニトリルの融点(98℃)より上に、例えば、100℃から120℃に加熱される。
【0100】
段階1の間に、塊は、10℃から50℃の範囲内の温度に、数時間、例えば5から15時間かけて冷却され、これにより装入された混合物の遅い結晶化が誘導される。
【0101】
段階1の後で、生成物は液体のままであり、段階3にまで通過する前に、装置から取り出される(段階2)。
【0102】
段階3は、おそらく段階2の間に開始される、リファイニング装置を、例えば、94℃から98℃の範囲内の温度まで、数時間、例えば8から15時間かけてゆっくり再加熱することからなる。
【0103】
生成物の純度を決定する段階3の終点は、結晶化点を測定することにより又は全ての他の物理化学的分析技術により決定することができる。
【0104】
段階4は、装置を95℃を越える温度にまで加熱して、2−ヒドロキシベンゾニトリルを溶融させ、これを溶融状態(F11)で抽出することを必要とする。
【0105】
リファイニングの間に回収された共晶画分(F10)を、熱脱水との混合物として又はこれとは別に、好ましくは前の段階に再循環させることができる。
【0106】
2−ヒドロキシベンゾニトリルが、少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の純度で得られた。
【0107】
アンモニウムシアノフェナートの物理的処理
本発明の別の実施において、2−ヒドロキシベンゾニトリルは、塩形でこれを含有する気体状反応流(F1)から、気体状反応流の液化、以下、「アンモニウムシアノフェナート」と命名される、アンモニウム塩としての2−ヒドロキシベンゾニトリルの結晶化、結晶化生成物の固/液分離、続くアンモニア、水及びアルコール(好ましくはメタノール)を単離し、2−ヒドロキシベンゾニトリルを回収するための分離した固体の熱処理の工程を含む方法の変形において分離される。
【0108】
別の変形において、本発明は、アンモニウムシアノフェナートを固体形で熱処理するのではなくて、有機溶媒(S1)中の溶液中のアンモニウムシアノフェナートを熱処理することからなる。
【0109】
次いで、気体状反応流を液化させ、アンモニウムシアノフェナートを結晶化させ、固/液分離を実施し、次いで得られた固体生成物を有機溶媒、好ましくは、極性溶媒中に溶解させ、最後に、得られた有機溶液を熱処理する。
【0110】
更に正確には、気体状反応流(F1)を、最初に、90℃−100℃から40℃−30℃の温度にまで冷却することによって液化させ、それを水と接触状態にし、これによって、軽い生成物(アンモニア及び水)を除去し、アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する水相を回収することができる。
【0111】
使用する水の量は、(F1)の50重量%から100重量%を表す。
【0112】
次の工程において、最初の工程で、アンモニウムシアノフェナートが結晶化する。
【0113】
液化した流体(F12)を0℃から30℃の範囲内の温度にまで冷却することによって、アンモニウムシアノフェナートが結晶化を起こす。
【0114】
次いで、結晶性生成物を、一般的な固/液分離技術を使用して、好ましくは濾過により分離する。
【0115】
分離は、0℃から20℃の範囲内の温度で実施される。
【0116】
本質的にアンモニウムシアノフェナートである固体が回収され、液相(F13)には、溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する。
【0117】
回収された生成物は、式(III):
【0118】
【化6】
(式中、Rは前記の意味を有する)
によって表される。
【0119】
次いで、熱処理を、80℃から20℃の範囲内の温度で、1ミリバールから1バール、好ましくは1ミリバールから500ミリバールの範囲内の圧力で実施する。
【0120】
アンモニア及び溶媒(S1)を含有する軽い画分(F14)を除去し、2−ヒドロキシベンゾニトリルを固体として回収する。
【0121】
本発明の別の変形において、熱処理を、有機溶媒(S2)中に溶解させたアンモニウムシアノフェナートに対して実施する。
【0122】
最初に、上記のようにして得られた固体アンモニウムシアノフェナートを、気体状流を液化させることによって溶解させ、結晶化及び分離によって、固体形のアンモニウムシアノフェナート及び液相(F15)になる。
【0123】
極性非プロトン性溶媒を添加することによって、アンモニウムシアノフェナートを溶解させる。
【0124】
挙げることができる適切な溶媒の例は、ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドンである。
【0125】
好ましくは、ジメチルホルムアミドが使用される。
【0126】
使用される溶媒の量は、アンモニウムシアノフェナートの30%から500%を表す。
【0127】
アンモニウムシアノフェナートの有機溶液が得られ、次いでこれを、80℃から20℃の範囲内の温度で、1ミリバールから1バール、好ましくは1ミリバールから500ミリバールの範囲内の圧力で熱処理する。
【0128】
アンモニア及び溶媒を含有する軽い画分(F16)を除去し、溶媒(S2)中の溶液中の2−ヒドロキシベンゾニトリルである画分(F17)を回収し、これを従来通り蒸留又はフレーカー(flaker)内で冷却することによって単離することが可能である。
【0129】
塩形で2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する流体の化学的処理
本発明の別の実施において、2−ヒドロキシベンゾニトリルを、アンモニウムイオンを化学的に除去することによって、それを塩形で含有する気体状反応流(F1)から分離する。
【0130】
方法のこの変形は、気体状反応流を液化させ、それを酸で処理して2−ヒドロキシベンゾニトリルを得、液/液分離を実施して、有機相中の2−ヒドロキシベンゾニトリルを回収する。
【0131】
更に好ましくは、最初に、気体状反応流(F1)を、90℃−100℃から40℃−30℃の温度まで冷却することによって液化させ、それを水と接触状態にして、軽い化合物(アンモニア及び水)を除去し、アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する水相を回収する。
【0132】
使用される水の量は、(F1)の重量の50%から700%を表す。
【0133】
次いで、アンモニウムイオンを、酸を使用して中和する。
【0134】
6より低い、好ましくは−1から4の範囲内の、水中で測定したpKaを有するブレンステッド酸が使用される。
【0135】
挙げることができる更に特別の例は、硫酸、塩酸、リン酸及び酢酸である。
【0136】
酸溶液の濃度は重要ではない。これは30%から100%であってよい。
【0137】
使用される酸の量は、得られたpHが、6から1、好ましくは4から3であるようなものである。
【0138】
この中和操作は、90℃から30℃の範囲内が有利である温度で実施される。
【0139】
次いで、得られた反応混合物をデカンテーションして、過剰の酸及びアンモニウム塩を含有する水相(F19)を、2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する有機相(F20)から分離する。
【0140】
この後者は、前記のように蒸留、結晶化及びリファイニングのような精製技術を使用して精製することができる。
【0141】
本発明は、また、本発明の方法の異なった変形を実施するための設備に関する。
【0142】
塩形で2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
本発明は、また、2−ヒドロキシベンゾニトリルを気体状反応流から分離するための少なくとも1個の装置及び場合によっては2−ヒドロキシベンゾニトリル精製装置を含む、本発明の方法を実施するための設備に関する。
【0143】
この分離装置には、
気体状反応流と溶媒(水及び/又は有機溶媒)とを接触状態にすることを意図する第一塔(1)、
それへの入口が、塔(1)の底に連結されている第二塔(2)、前記塔(2)は、塔頭からアンモニア、水及びアルコール(好ましくは、メタノール)を含有する軽い画分を生成し、塔底から2−ヒドロキシベンゾニトリル、溶媒(水及び/又は有機溶媒)、微量のアンモニア及び少量の二次生成物を本質的に含有する重い画分を生成することを意図している、
が含まれる。
【0144】
図1は、本発明に従った分離装置の線図を示す。
【0145】
分離のための設備には、良好な気/液接触を確実にするための第一塔(1)、例えば、洗浄塔が含まれている。これには、塔頭で処理すべき気体状反応流(F1)を入れるための手段及び溶媒(S1)を入れるための手段、例えば、ポンプ及び後者を蒸発させるための装置(ノズル)が含まれている。その下部分内で、塔には、第二塔(2)に連結された、中間の高さで供給される重い相(液体及び/又は気体)を抜き出すための手段が含まれている。
【0146】
気/液分離のための塔(2)は、冷却手段(凝縮器)を含む塔である。その上部分には、軽い化合物(F2)を含有する気相を取り出すための手段及び液相(F3)を取り出すための手段が設けられている。
【0147】
本発明の好ましい実施において、設備には、分離装置及び精製装置が含まれている。
【0148】
分離装置は、分離装置から出口で回収された重い画分(F3)中に含有されている2−ヒドロキシベンゾニトリルの精製を確実にするための手段によって完結される。
【0149】
図2から4は、これ(精製)を実施するための異なった手段を示す。
【0150】
蒸留によって精製を実施することからなる第一の好ましい態様(図2)において、設備には、また、先行する塔(2)から誘導された重い画分(F3)が供給され、
塔頭で、0.4ミリバールの圧力で、異なった画分、
大気圧で40℃より低い沸点を有する軽い画分、
フェノール及びサリチル酸メチルに対応する40℃から110℃の画分、
2−ヒドロキシベンゾニトリルに対応する110℃の画分(F4)、
及び塔底で、110℃より高い沸点を有する異なった不純物(F5)、即ち、サリチルアミド、N−メチルサリチルアミド及びS−トリアジン
を得るように設計された、蒸留塔(3)が含まれている。
【0151】
この情報から、当業者は、出発混合物の関数として使用すべき手段を選択することができるであろう。下記のことは単に概略である。蒸留塔のサイズ(特に直径)は、循環流及び内圧に依存する。これらは、基本的に処理すべき混合物の流速に従って寸法を合わせられる。理論段の数である内部パラメーターは、特に、入る混合物の組成(比)並びに蒸留塔の頭及び底で得るべき混合物の純度及び組成によって決定される。この塔には、当業者に既知であるような、指定された充填物を充填することができる。設備が決定されると、当業者は塔の運転パラメーターを調節するであろう。
【0152】
蒸留塔(3)は、有利には、限定された様式ではないが、下記の仕様を有する塔であってよい。
【0153】
理論段の数:5から40、好ましくは10から30、
1から10の範囲内の還流比R、
短い滞留時間、好ましくは30分以内。
【0154】
第二の態様において、精製は結晶化によって実施される(図3)。この設備には、その運転のために必要なような、画分(F3)を入れるための手段及び取り出し装置が設けられた結晶化反応器(4)が含まれる。この反応器には、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられており、ジャケット内に冷水を循環させることにより又は内部充填物(コイル)の手段により、冷却を確実にすることができる。
【0155】
これは、吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス又は多管式フィルターのような固/液分離装置(5)に連結されている。
【0156】
これによって、2−ヒドロキシベンゾニトリルによって本質的に構成された固体並びに溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F6)を回収することができる。
【0157】
分離装置(5)には、場合によっては、回転乾燥機又は攪拌乾燥機のような乾燥手段(6)を付属させることができ、2−ヒドロキシベンゾニトリルを粉末(P)の形で回収することが可能になる。
【0158】
リファイニングによる精製を実施することからなる第三の態様(図4)において、設備には、その運転のために必要なような、画分(F3)を入れるための手段及び取り出し装置が設けられた冷却塔(7)が含まれる。
【0159】
これは、沈降器のような液/液分離装置(8)に連結されている。
【0160】
これによって、水相(7)を、2−ヒドロキシベンゾニトリルによって本質的に構成された有機相(F8)から分離することができる。
【0161】
この有機相を、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられた反応器(9)に向ける。これには、蒸留塔が載せられ、減圧システムが設けられており、蒸留により有機溶媒を分離し及び/又は水を残すことができる(F9)。
【0162】
有機相(F8)は、リファイニング(脱水、帯域溶融)のための、処理すべき体積及びその数の関数として寸法を合わせられた装置(10)に送られる。装置形式の選択は、また、重要ではない。これは、例えば、一般的な脱水シーブ又は他のリファイニング装置、例えば、商品名PROAPT(登録商標)で販売されているものであってよい。例として、垂直円筒管交換器型の脱水シーブスを使用することが可能である。
【0163】
不純物(F10)及び2−ヒドロキシベンゾニトリル画分(F11)を含有する異なった画分を回収することができる。
【0164】
アンモニウムシアノフェナートの物理的処理
本発明の別の変形に従って、2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する気体状反応流ではなくてアンモニウムシアノフェナートを熱処理し、この方法を、図5又は図6に示される分離装置を含む設備で実施することができる。
【0165】
図5に示される設備には、気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられ、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F12)(この混合物は、反応器(12)に移送される)を回収することができる洗浄塔(11)が含まれている。
【0166】
反応器(12)において、アンモニウムシアノフェナートは結晶化される。反応器(12)には、画分(F12)を入れるための手段が設けられており、前記反応器には、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられている。
【0167】
その下部分において、該反応器は、吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス又は多管式フィルターのような固/液分離装置(13)に連結することができる取り出し装置を有する。
【0168】
これによって、アンモニウムシアノフェナートによって本質的に構成された固体並びに溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F13)を回収することができる。
【0169】
分離装置には、攪拌乾燥機のような乾燥手段(14)を付属させることができ、乾燥手段は、温度及び圧力サイクルを受けて、固体のアンモニウムシアノフェナートを2−ヒドロキシベンゾニトリルに分解し、溶媒及び残留するアンモニア(F14)を除去しながら、2−ヒドロキシベンゾニトリルを粉末(P)の形で回収されるようにする。
【0170】
図6に示される別の変形において、設備は、図5に於けるように、洗浄塔(11)及び反応器(12)(この中で、アンモニウムシアノフェナートが結晶化され、これには画分(F12)を入れるための手段が設けられている)が含まれ、前記反応器には、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられている。
【0171】
その下部分には、それを吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス又は多管式フィルターのような固/液分離装置(15)に連結することができ、アンモニウムシアノフェナートを溶解するための溶媒(S2)を入れるための手段が設けられている取り出し装置が含まれる。
【0172】
これによって、有機溶液中のアンモニウムシアノフェナート並びに溶媒(S1)、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F18)を回収することができる。
【0173】
この混合物は、攪拌手段、有機溶媒及び/又は残留する水(F16)を分離するために、蒸留塔が載せられ、減圧システムが設けられた温度調節装置(熱/冷)が設けられた反応器(16)に送られ、温度及び圧力の結合適用により、2−ヒドロキシベンゾニトリルへのアンモニウムシアノフェナートの熱分解が実施される。
【0174】
(F17)、即ち、溶媒(S2)中の溶液中の2−ヒドロキシベンゾニトリルが回収され、これを従来通り蒸留又はフレーカーで冷却することによって単離することが可能である。
【0175】
塩形で2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する流体の化学的処理
図7に示される分離装置には、
気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられており、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F18)(これは、反応器(18)に移送される)を回収することができる洗浄塔(17)、
攪拌手段、温度調節装置(熱/冷)、反応剤導入装置(酸)及びpH調節装置(電極)が設けられた中和反応器(18)、前記反応器には、その下部に、それを装置(19)に連結するための取り出し装置が含まれる、
過剰の酸及びアンモニウム塩を含有する水相(F19)と2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する有機相(F20)とを分離することができる沈降タンクのような液/液分離装置
が含まれている。
【0176】
この後者は、図2から4に示される、蒸留、結晶化及びリファイニングのような精製技術を使用して精製することができる。
【0177】
本発明の方法は、非常に純粋な2−ヒドロキシベンゾニトリルを製造することができる。
【0178】
本発明を、非限定実施例と解される、本発明の実施により、更に詳細に説明する。
【0179】
実施例1
図7に記載のアンモニウム塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する流体の化学的処理
0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(17)内で60℃で72gの水に溶解させた。
【0180】
次いで、流体(F18)を、攪拌した反応器(18)に移送し、60℃の温度を維持して、35.1gの98%硫酸を添加した。
【0181】
硫酸の添加が完結した時、最終pHは3から4の範囲内であった。
【0182】
沈降器(19)内で60℃でデカンテーションした後、上相(F20)である粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを回収した。
【0183】
粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルの力価は、61重量%であった。
【0184】
回収率は96%(0.506モル)であった。
【0185】
実施例2
図3に示される装置において、実施例1で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、溶媒としてのトルエン中で0℃の温度で、結晶化により精製した。
【0186】
下記の結果が得られた。
【0187】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=95%、
単離収率=74%。
【0188】
実施例3
図3に示される装置において、実施例1で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、溶媒としてのクロロベンゼン中で0℃の温度で、結晶化により精製した。
【0189】
下記の結果が得られた。
【0190】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=99%、
単離収率=55%。
【0191】
実施例4
図6に記載のアンモニウムシアノフェナートの物理的処理
0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(11)内で60℃で216gの水に溶解させた。
【0192】
この流体を反応器(12)の中に装入し、これを15℃まで冷却させた。
【0193】
沈殿したアンモニウム2−シアノフェナートを、フィルター(15)内で濾過することによって回収し、これを50gの5重量%アンモニアで洗浄した。
【0194】
この沈殿を脱水し、次いで、フィルター内で70gのジメチルホルムアミド中に再溶解させた。
【0195】
ジメチルホルムアミド中のアンモニウム2−シアノフェナート溶液を、反応器(16)に移送し、そこで水次いでアンモニアを、100から50ミリバールで60℃に加熱することによって除去した。
【0196】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの単離収率は72%であり、2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度(ex DMF)は99.5%であった。
【0197】
実施例5
図1に記載のアンモニウム塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
420℃の、0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(1)内で200gのキシレンと接触状態にした。
【0198】
次いで、この流体を塔(2)に移送し、この混合物を熱交換器によって110℃まで冷却させた。
【0199】
アンモニウム2−シアノフェナートはアンモニアに分解し、これを塔頭から除去した。
【0200】
キシレン中に溶解した粗製2−ヒドロキシベンゾニトリル(F3)を、塔底から回収した。
【0201】
粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルの力価は、89重量%であった(ex 溶媒)。
【0202】
回収率は94%(0.49モル)であった。
【0203】
実施例6
図3に示される装置において、実施例5で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、溶媒としてのキシレン中での結晶化により精製した。
【0204】
下記の結果が得られた。
【0205】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=92%、
単離収率=68%。
【0206】
実施例7
図1に記載のアンモニウム塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
420℃の、0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(1)内で200gのキシレンと接触状態にした。
【0207】
次いで、この流体を塔(2)に移送し、この混合物を熱交換器によって110℃まで冷却した。
【0208】
アンモニウム2−シアノフェナートはアンモニアに分解し、これを塔頭から除去した。
【0209】
キシレン中に溶解した粗製2−ヒドロキシベンゾニトリル(F3)を、塔底から回収した。
【0210】
粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルの力価は、89重量%であった(ex 溶媒)。
【0211】
回収率は94%(0.49モル)であった。
【0212】
実施例8
図3に示される装置において、実施例7で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、0℃で溶媒としてのキシレン中での結晶化により精製した。
【0213】
下記の結果が得られた。
【0214】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=92%、
単離収率=68%。
【0215】
実施例9
図3に示される装置において、実施例7で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、キシレン/メタノール混合物(95/5、w/w%)である溶媒中で−10℃の温度で、結晶化により精製した。
【0216】
下記の結果が得られた。
【0217】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=98%、
単離収率=85%。
実施例10
図1に記載のアンモニウム塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する反応流の物理的処理
420℃の、0.52モルの塩形での2−ヒドロキシベンゾニトリル(2−HBN)及び1.7モルのアンモニアを含有する、反応器からの粗製反応流(F1)を、洗浄塔(1)内で180gのキシレン及び20gのDMFと接触状態にした。
【0218】
次いで、この流体を塔(2)に移送し、この混合物を熱交換器によって110℃まで冷却した。
【0219】
アンモニウム2−ヒドロキシベンゾニトリルはアンモニアに分解し、これを塔頭から除去した。
【0220】
キシレン+DMF中に溶解した粗製2−ヒドロキシベンゾニトリル(F3)を、塔底から回収した。
【0221】
粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルの力価は、88重量%であった(ex 溶媒)。
【0222】
回収率は97%(0.49モル)であった。
実施例11
図3に示される装置において、実施例7で得られた粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを、キシレン/DMF混合物(90/10、w/w%)である溶媒中で−10℃の温度で、結晶化により精製した。
溶媒としてのキシレン中での結晶化により精製した。
【0223】
下記の結果が得られた。
【0224】
2−ヒドロキシベンゾニトリルの純度=99%、
単離収率=85%。
【0225】
付属する特許請求の範囲で規定された本発明は、上記説明に記載された特別の実施に限定されず、本発明の精神及び範囲から逸脱しない変形を包含することが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明に従った分離装置の線図を示す。
【図2】
これ(精製)を実施するための異なった手段を示す。
【図3】
これ(精製)を実施するための異なった手段を示す。
【図4】
これ(精製)を実施するための異なった手段を示す。
【図5】
図5に示される設備には、気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられ、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F12)(この混合物は、反応器(12)に移送される)を回収することができる洗浄塔(11)が含まれている。
【図6】
図6に示される別の変形において、設備は、図5に於けるように、洗浄塔(11)及び反応器(12)(この中で、アンモニウムシアノフェナートが結晶化され、これには画分(F12)を入れるための手段が設けられている)が含まれ、前記反応器には、攪拌手段及び温度調節装置(熱/冷)が設けられている。
【図7】
図7に示される分離装置には、
気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられており、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F18)(これは、反応器(18)に移送される)を回収することができる洗浄塔(17)、
攪拌手段、温度調節装置(熱/冷)、反応剤導入装置(酸)及びpH調節装置(電極)が設けられた中和反応器(18)、前記反応器には、その下部に、それを装置(19)に連結するための取り出し装置が含まれる、
過剰の酸及びアンモニウム塩を含有する水相(F19)と2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する有機相(F20)とを分離することができる沈降タンクのような液/液分離装置
が含まれている。
Claims (46)
- ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を完全に又は部分的にアンモニウム塩の形で含有する気体状反応流から、2−ヒドロキシベンゾニトリル
型化合物を分離する方法であって、前記方法が、ヒドロキシベンゾニトリル型化合物を得る目的で、アンモニウムイオンを、
その製造から得られた気体状反応流に対して行われる物理的処理の手段により又は液化後の気体状反応流から既に回収された固体若しくは溶液中の前記同じ固体の物理的処理の手段により、
又は液化後に気体状反応流に対して行われる化学的処理の手段により
除去することからなることを特徴とする方法。 - ヒドロキシベンゾニトリル型化合物が、式(I)(式中、Rは、
好ましくは1から6個の炭素原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、
好ましくは2から6個の炭素原子、更に好ましくは2から4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルケニル基、
好ましくは1から6個の炭素原子及び1から13個のハロゲン原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子及び1から9個のハロゲン原子を含有する直鎖又は分枝鎖ハロゲノアルキル基、
ヒドロキシル基、
NO2基、
R1−O−アルコキシ若しくはR1−S−チオエーテル基(式中、R1は、好ましくは1から6個の炭素原子、更に好ましくは1から4個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基又はフェニル基を表す)又はアルケニルオキシ基、好ましくはアリルオキシ基、
R1−CO−O−アシルオキシ又はアロイルオキシ基(式中、R1は上記の意味を有する)、
R1−CO−アシル又はアロイル基(式中、R1は上記の意味を有する)、
ハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子、
CF3基
から選択される)を有することを特徴とする、請求項2記載の方法。 - ヒドロキシベンゾニトリル型化合物が、4−ヒドロキシベンゾニトリル又は2−ヒドロキシベンゾニトリルであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- ヒドロキシベンゾニトリル型化合物が、全体的に又は部分的にその水和された形であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 気体状反応流(F1)が、完全に又は部分的にその塩の形で、2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含み、好ましくは、使用される2−ヒドロキシ安息香酸アルキルに対するモル%として表される2−ヒドロキシベンゾニトリルの量が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、なお更に好ましくは80%から95%の範囲内であることを特徴とする、請求項1から5の何れか1項記載の方法。
- 気体流(F1)に、また、200から600モル%の量でアンモニウム、5から200モル%の量で窒素、50から100モル%の量で出発エステルから遊離したアルコール、好ましくはメタノール、約50から100%の反応中に生成された水、場合によっては、0から5モル%のフェノール性化合物、好ましくはフェノール、0から5モル%の出発ヒドロキシ安息香酸エステル並びに加水分解又は三量化のような二次反応から得られた生成物、特に0から10モル%の、遊離したアルコールによって任意にN−アルキル化された2−ヒドロキシベンズアミド、例えば、N−メチル−(2−ヒドロキシベンズアミド)、及び3モル%未満のS−トリアジンが含有されていることを特徴とする、請求項6記載の方法。
- 反応流が、気相中で、不均一触媒、好ましくは、シリカゲル又は珪藻土型担体の上に析出されたリン酸の存在下で、ヒドロキシ安息香酸アルキルをアンモニアと反応させることからなる、ヒドロキシ安息香酸アルキルのアミノ化/脱水方法から誘導されることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項記載の方法。
- 気体状反応流が、200℃から600℃、好ましくは350℃から450℃の範囲内の温度であることを特徴とする、請求項1から8の何れか1項記載の方法。
- 前記方法が、2−ヒドロキシベンゾニトリルを完全に又は部分的にその塩形で含有する気体流を熱処理することからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 気体状反応流を溶媒(有機溶媒及び/又は水)と接触状態にし、次いで全体を200℃未満、好ましくは、200℃から100℃の範囲内の温度まで冷却して、2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する液相を得ることを特徴とする、請求項10記載の方法。
- 溶媒(S1)が、極性又は非極性溶媒であり、好ましくは、水、水/アルコール混合物、好ましくは、メタノール又はエタノール;ハロゲン化又は非ハロゲン化芳香族炭化水素、好ましくは、トルエン、キシレン、エチルベンゼン又はモノクロロベンゼン及びエーテル、好ましくは、アニソール又は2−エチルヘキサノールから選択されることを特徴とする、請求項10又は請求項11記載の方法。
- 熱い気体流を、一般的に並流としての蒸発した反応溶媒と接触状態にすること並びにアンモニア、アルコール(通常メタノール)、水及び或る場合には共沸水/有機溶媒混合物を含有する軽い気体(F2)を、重い化合物(F3)、即ち本質的に2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒(有機溶媒及び/又は水)と共に回収することを特徴とする、請求項10から12の何れか1項記載の方法。
- 2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒を本質的に含有する重い画分(F3)を蒸留によって精製することを特徴とする、請求項10から13の何れか1項記載の方法。
- 2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する重い画分(F3)を蒸留によって精製することを特徴とする、請求項10から13の何れか1項記載の方法。
- 重い画分(F3)を、100℃から−10℃の範囲内、好ましくは10℃から0℃の範囲内の温度にまで冷却し、2−ヒドロキシベンゾニトリルを結晶化させ、次いで結晶性生成物を、一般的な固/液分離技術を使用して、好ましくは濾過により分離し、本質的に2−ヒドロキシベンゾニトリル及び液相(F6)である固体を回収し、そしてこの固体を30℃から80℃の範囲内、好ましくは40℃から50℃の範囲内の温度で乾燥することを特徴とする、請求項15記載の方法。
- 2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する重い画分(F3)を、リファイニングによって精製することを特徴とする、請求項10から13の何れか1項記載の方法。
- 重い画分3)を、100℃から30℃の範囲内の温度にまで冷却し、水相(F7)と本質的に2−ヒドロキシベンゾニトリル及び溶媒(S1)である有機相(F7)3)とを分離し、有機相を、減圧下での蒸留により水及び/又は有機溶媒を分離するように処理し、そして2−ヒドロキシベンゾニトリルを本質的に含有する粗製反応塊を回収し、リファイニングによる精製操作に付すことを特徴とする、請求項17記載の方法。
- 反応塊を10℃から50℃の範囲内の温度にまで冷却し、温度を94℃から98℃まで上昇させて、不純物を含有する共晶画分を分離し、そしてこれを98℃よりも高い温度にまで加熱して2−ヒドロキシベンゾニトリルを溶融させ、これを溶融状態(F11)で取り出すことを特徴とする、請求項18記載の方法。
- 前記方法が、気体状反応流を液化させ、次いでアンモニウムシアノフェナートを結晶化させ、次いで固/液分離を実施し、そして得られた固体生成物を熱処理することからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 最初に、気体状反応流(F1)を、90℃−100℃から40℃−30℃の温度にまで冷却することによって液化させ、水と接触させて、軽い化合物を除去し、そしてアンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する水相を回収することを特徴とする、請求項20記載の方法。
- 液化した流体(F12)を0℃から30℃の範囲内の温度にまで冷却して、アンモニウムシアノフェナートの結晶化を起こさせ、結晶化した生成物を、一般的な固/液分離技術を使用して、好ましくは濾過により分離して、本質的にアンモニウムシアノフェナートを含有する固体を回収することを特徴とする、請求項20記載の方法。
- 次いで、熱処理を、80℃から20℃の範囲内の温度で、1ミリバールから1バールの範囲内、好ましくは1ミリバールから500ミリバールの範囲内の圧力で実施して、2−ヒドロキシベンゾニトリルを固体形で回収することを特徴とする、請求項20から22の何れか1項記載の方法。
- 前記方法が、気体状反応流を液化させ、次いでアンモニウムシアノフェナートを結晶化させ、次いで固/液分離を実施して、得られた固体生成物を有機溶媒、好ましくは極性溶媒中に溶解させ、次いで得られた有機溶液を熱処理することからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記方法が、気体状反応流を液化させ、次いでアンモニウムシアノフェナートを結晶化させ、次いで請求項21から23の何れか1項記載のように固/液分離を実施することを特徴とする、請求項24記載の方法。
- 得られた固体生成物を、有機溶媒、好ましくは極性非プロトン性溶媒、更に好ましくはジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリドン中に溶解させることを特徴とする、請求項24記載の方法。
- 有機アンモニウムシアノフェナート溶液を、80℃から20℃の範囲内の温度で、1ミリバールから1バールの範囲内、好ましくは1ミリバールから500ミリバールの範囲内の圧力での熱処理に付して、軽い画分(F16)を除去し、そして溶媒(S2)中の溶液中の2−ヒドロキシベンゾニトリルである(F17)を回収することを特徴とする、請求項26記載の方法。
- 前記方法が、気体状反応流を液化させ、それを酸で処理して2−ヒドロキシベンゾニトリルを得、そして液/液分離を実施して、2−ヒドロキシベンゾニトリルを有機相中に回収することからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 気体状反応流(F1)を、90℃−100℃から40℃−30℃の温度にまで冷却することによって液化させ、それを水と接触状態にして、軽い化合物を除去し、そしてアンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する水相を回収することを特徴とする、請求項28記載の方法。
- アンモニウムイオンを、6より低い、好ましくは−1から4の範囲内の、水中で測定したpKaを有するブレンステッド酸を使用して中和することを特徴とする、請求項28記載の方法。
- 酸が硫酸であることを特徴とする、請求項30記載の方法。
- 使用する酸の量が、得られるpHが6から1の範囲内、好ましくは4から3の範囲内であるような量であることを特徴とする、請求項30又は請求項31記載の方法。
- 得られた反応混合物をデカンテーションして、過剰の酸及びアンモニウム塩を含有する水相(F19)と、2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する有機相(F20)とを分離することを特徴とする、請求項28記載の方法。
- 2−ヒドロキシベンゾニトリルを、請求項14から19の何れか1項記載の精製技術を使用して精製することを特徴とする、請求項20から33の何れか1項記載の方法。
- 2−ヒドロキシベンゾニトリルを塩形で含有する気体状反応流から、2−ヒドロキシベンゾニトリルを分離するための設備であって、該設備に、
気体状反応流と溶媒(水及び/又は有機溶媒)とを接触状態にすることを意図する第一塔(1)、
それへの入口が、塔(1)の底に連結されている第二塔(2)、前記塔(2)は、塔頭からアンモニア、水及びアルコール(好ましくは、メタノール)を含有する軽い画分を生成し、塔底から2−ヒドロキシベンゾニトリル、溶媒(水及び/又は有機溶媒)、微量のアンモニア及び少量の二次生成物を本質的に含有する重い画分を生成することを意図している、
が含まれることを特徴とする設備。 - 第一塔(1)が、処理すべき気体状反応流(F1)を入れるための手段及び溶媒(S1)を入れるための手段、蒸発装置(ノズル)並びに、冷却手段(凝縮器)を含み、その上部分には、軽い化合物(F2)を含有する気相を取り出すための手段が設けられ、そしてその下部分には、液相(F3)を取り出すための手段が設けられている第二塔(2)に連結された、中間の高さで供給される重い相(液体及び/又は気体)を抜き出すための手段が含まれている洗浄塔であることを特徴とする、請求項35記載の設備。
- 分離装置が、先行する塔(2)から誘導された重い画分(F3)が供給され、
塔頭で、0.4ミリバールの圧力で、異なった画分、
大気圧で40℃より低い沸点を有する軽い画分、
フェノール及びサリチル酸メチルに対応する40℃から110℃の画分、
2−ヒドロキシベンゾニトリルに対応する110℃の画分(F4)、
及び塔底で、110℃より高い沸点を有する異なった不純物(F5)、即ち、サリチルアミド、N−メチルサリチルアミド及びS−トリアジン
を得るように設計された、蒸留塔(3)を含む蒸留装置である精製装置によって完結されることを特徴とする、請求項36記載の設備。 - 蒸留塔(3)が、下記の仕様、即ち、
理論段の数:5から40、好ましくは10から30、
1から10の範囲内の還流比R、
短い滞留時間、好ましくは30分以内
を有することを特徴とする、請求項37記載の設備。 - 分離装置が、
画分(F3)を入れるための手段及び分離装置(5)に連結された取り出し装置が設けられ、そして攪拌手段及び温度調節装置が設けられた結晶化反応器(4)
2−ヒドロキシベンゾニトリルによって本質的に構成される固体並びに溶媒、少量(5重量%未満)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F6)を回収するための、固/液分離装置(6)、好ましくは、吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス又は多管式フィルター、
場合によっては、2−ヒドロキシベンゾニトリルを粉末(P)の形で回収するための、乾燥手段(6)、好ましくは、回転乾燥機又は攪拌乾燥機
を含む結晶化装置である精製装置によって完結されることを特徴とする、請求項35記載の設備。 - 分離装置が、
画分(F3)を入れるための手段及び分離装置(8)に連結された取り出し装置が設けられた冷却塔(7)、
水相(F7)を、2−ヒドロキシベンゾニトリル(F8)によって本質的に構成される有機相から分離するための、液/液分離装置(8)、好ましくは、沈降器、
有機相を入れるための手段が設けられ、攪拌手段、温度調節手段(熱/冷)、蒸留塔が設けられ、そして蒸留(F9)によって、有機溶媒及び/又は残留する水を分離し、粗製2−ヒドロキシベンゾニトリルを回収するための減圧システムが設けられた反応器(9)
不純物(F10)を除去し、2−ヒドロキシベンゾニトリルの液体画分(F11)を回収するための、好ましくは、脱水シーブ型の1個又は2個以上のリファイニング装置
を含むリファイニング装置である精製装置によって完結されることを特徴とする、請求項35記載の設備。 - 気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられ、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F12)(この混合物は、反応器(12)に移送される)を回収することができる洗浄塔(11)、
画分(F12)を入れるための手段及びそれを分離装置(13)に連結するための取り出し装置が設けられている、アンモニウムシアノフェナートのための結晶化反応器(12)、前記反応器には、攪拌手段及び温度調節手段が設けられている、
アンモニウムシアノフェナートによって本質的に構成された固体並びに溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F13)を回収するための、固/液分離装置(13)、好ましくは、吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス、多管式フィルター、
それが、温度及び圧力サイクルを受けて、固体のアンモニウムシアノフェナートを2−ヒドロキシベンゾニトリルに分解し、溶媒及び残留するアンモニア(F14)を除去しながら、2−ヒドロキシベンゾニトリルを粉末(P)の形で回収する、乾燥手段(14)、好ましくは、攪拌乾燥機
を含む、アンモニウムシアノフェナートの物理的処理により2−ヒドロキシベンゾニトリルを分離するための設備。 - 気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられ、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F12)(この混合物は、反応器(12)に移送される)を回収することができる洗浄塔(11)、
画分(F12)を入れるための手段及びそれを分離装置(13)に連結するための取り出し装置が設けられている、アンモニウムシアノフェナートのための結晶化反応器(12)、前記反応器には、攪拌手段及び温度調節手段が設けられている、
アンモニウムシアノフェナートによって本質的に構成された固体並びに溶媒、少量(5重量%より少ない)の2−ヒドロキシベンゾニトリル及び副生物を含有する水相(F13)を回収するための、アンモニウムシアノフェナートを溶解するために溶媒(S2)を入れるための手段が設けられている、固/液分離装置(13)、好ましくは、吸引器、攪拌フィルター、フィルタープレス、多管式フィルター、
攪拌手段が設けられたアンモニウムシアノフェナートの有機溶液を入れるための装置、蒸留塔が載せられ、蒸留により、有機溶媒及び/又は残留する水(F16)を分離し、2−ヒドロキシベンゾニトリルへのアンモニウムシアノフェナートの熱分解を実施するための、減圧システムが設けられた温度調節装置が設けられた反応器(16)
を含む、アンモニウムシアノフェナートの物理的処理により2−ヒドロキシベンゾニトリルを分離するための設備。 - 2−ヒドロキシベンゾニトリルを塩形で含有する気体状反応流の化学的処理により、2−ヒドロキシベンゾニトリルを分離するための設備であって、それに
気体(F1)を入れるためのシステム及びポンプを経て水を導入するための装置が設けられ、底から、水、粗製アンモニウムシアノフェナート及びアンモニアを含有する液相(F18)(これは、反応器(18)に移送される)を回収することができる洗浄塔(17)、
攪拌手段、温度調節装置、反応剤(酸)を導入するための装置及びpH調節装置(電極)が設けられた中和反応器(18)、前記反応器の下部には、それを装置(19)に連結することができる取り出し装置が含まれる、
過剰の酸及びアンモニウム塩を含有する水相(F19)と2−ヒドロキシベンゾニトリルを含有する有機相(F20)とを分離するための、液/液分離装置(13)、好ましくは、沈降タンク
が含まれることを特徴とする設備。 - それが、請求項37から40の何れか1項記載の精製装置によって完結されることを特徴とする、請求項41から43の何れか1項記載の設備。
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