JP2004500526A - 折畳みバンドを有するロータシール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のシールエレメントは1つの折畳みバンド(9)から折り畳まれており、ロータシールの取り付けられた状態で、シールエレメントが互いに結合されている。これによって、本発明に係わるロータシールの遮断作用は、個々の薄片の間のギャップを常に必要とする薄片シールに比べて著しく高まる。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定式のハウジングと、このハウジングに対し回転するロータとの間にあるシールギャップをシールするための、特にターボマシン用の、ロータシールであって、ロータの周方向に相前後して設けられたシールエレメントを具備するロータシールに関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなロータシールは、例えばWO 00 03 164 A1,EP 09 33 567 A2又はDE 44 03 605 C2から公知である。DE 44 03 605 C2に記載された薄片シールの場合、薄片は、折畳み縁部が今まだない薄片の始めと終りにあるように、1つのストリップ材料から折り畳まれる。折畳み後に、アコーディオン状に折り畳まれたストリップ材料は所望の形にもたらされ、ストリップ材料は折畳み縁部に沿って分けられる。それ故に、ハウジングとロータの間のシールギャップをシールする個々の薄片が生じる。
【0003】
この薄片シールの欠点は、すべての他の薄片シールの場合と同様に、薄片の十分な弾性を半径方向に保証するために、個々の薄片の間の中間空間が必然的に存在してしまうことである。この弾性が保証されていない場合、ロータが、例えば熱膨張によって、薄片シールに対する自らの中心位置から出てしまうとき、薄片シールは非常に速く摩耗する。更に、複数の薄片の間にあるギャップを通って、液体が流出することがある。このことは薄片シールの密閉作用を減少させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
薄片シールに比べて改善された密閉の働きを有しかつより高い圧縮応力に耐えるロータシールを準備するという課題が、本発明の基礎になっている。更に、本発明に係わるロータシールの押圧力、弾性及び密閉作用は、種々な要求に容易に適応可能であらねばならない。
【0005】
本発明に係わるロータシールのあり得る利用範囲は、蒸気タービン、ガスタービン、コンプレッサのようなターボマシンである。しかし、本発明に係わるロータシールの利用は前記利用分野に限定される訳ではない。
【0006】
ターボマシンの場合、非定常の熱膨張又はロータの移動にも拘わらず、非常に僅かなシールギャップが可能であるように、補償ピストン、ロータの出口及びタービンの羽根においてシールすることが重要である。本発明に係わるロータシールの使用は、ターボマシンの場合、大きな利点である。何故ならば、そこに大きな半径方向の熱膨張が生じるにも拘わらず、より僅かなシールギャップで作業がなされることができるとき、ターボマシンの効率が増加するからである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、固定式のハウジングと、ハウジングに対し回転するロータとの間にあるシールギャップをシールするための、特にターボマシン用の、ロータシールであって、ロータの周方向に相前後して設けられたシールエレメントを具備するロータシールのためには、複数のシールエレメントが1つの折畳みバンドから折り畳まれていることによって、解決される。複数の薄片が1つの折畳みバンドから折り畳まれることによって、シールエレメントの間に最早ギャップがない。それ故に、本発明に係わるロータシールの密閉作用が、知られた薄片シールに比べて著しく高まる。本発明に係わるロータシールは、非常に高い差圧の場合でも、折畳みバンドの幅、折畳み数、ピッチ角及び材料の厚さが適切に選択されるとき、使用可能である。更に、折畳みバンドを有する本発明に係わるロータシールは、従来の薄片シールよりも容易に製造されかつ容易に取り付けられる。
【0008】
本発明に係わるロータシールの場合、シールギャップは、あらゆる作動条件下でも、非常に僅かである。例えばロータの振動又は熱膨張の故の、短時間の接触の後に、本発明に係わるロータシールは、損害を受けることなく、出発位置に再度はね戻る。本発明に係わるロータシールの、半径方向での弾性は、非常に大きい。
【0009】
本発明の他の実施の形態では、ストリップ材料が互いに平行な折畳み縁部に沿って折り畳まれていること、及び折畳みが2つの隣り合った折畳み縁部に沿って反対方向になされることが、提案されている。それ故に、任意の数のシールエレメントを、折畳みバンドの折畳みによって一体製造することができる。このことによって、無端の折畳みバンドからの、大きさの異なるロータシールの製造が、相並んで折り畳まれたシールエレメントの数の変化によって容易になされる。
【0010】
本発明の変更の実施の形態では、折畳みバンドの、2つの互いに平行な長手方向縁部及び互いに平行な折畳み縁部が90°よりも少ない製造角度を形成することが提案されている。製造角度はロータシールのピッチ及び幅に拠る。本発明のこの実施の形態では、折畳み縁部は、取り付けられた状態では、ロータの回転軸に対し半径方向に延びているのではなくて、ロータの表面に対し多かれ少なかれ甚だしく傾斜している。
【0011】
本発明の好都合な変更の実施の形態では、折畳み縁部が、取り付けられた状態で、ロータの軸から出ている放射状ビームと、10°と70°の間の、特に好ましくは20°と45°の間のピッチ角γを形成することが提案されている。それ故に、本発明に係わるロータシールは、一方では、ロータとハウジングの間の、半径方向での相対移動を補償することができるために十分に弾性的であり、他方では、あらゆる作動条件下で確実にシールするために、十分な形状安定性を有する。このことによって、シールエレメントはロータの回転軸の半径方向に僅かに逸らされることができ、従って、ロータとハウジングの間の、半径方向での相対移動を容易に補償することができる。ピッチ角の選択に応じて、本発明に係わるロータシールの剛性を広い範囲で容易に変化させることができる。
【0012】
本発明に係わるロータシールのこの実施の形態では、シールエレメントとロータの間の接触線は、従来の薄片シールと違って、ロータの軸に平行にではなくて、ロータの周方向にジグザグ線として延びている。
【0013】
本発明の他の実施の形態では、折畳み縁部の領域にはスリットが設けられており、このスリットの深さは折畳みバンドの幅よりも小さい。それ故に、シールエレメントの結合の緊密さは、折畳み縁部にスリットを入れた後でも、保証されている。
【0014】
折畳みバンドのどの折畳み縁部にスリットが入っているかに応じて、本発明に係わるロータシールの作動が変化する。折畳み縁部は、取り付けられた状態では、2つの互いに平行な面に位置しており、一方の面は大気圧に比べて高い圧力を有するハウジングの内部空間により近くに位置しており、他方の面はハウジングの外面により近くに位置している。
【0015】
ハウジングの内部空間により近くに位置している面に位置している折畳み縁部にスリットが入れられるときは、ハウジングの内部での圧力上昇はスリットの閉鎖をもたらすので、密閉作用は改善される。他方の面に位置している折畳み縁部にスリットが入れられるときは、ハウジングの内部での圧力の上昇はスリットの開きをもたらすので、許容できない程に高い圧力に対する保護が与えられている。
【0016】
本発明の他の実施の形態では、ロータシールは、シールギャップから離隔した自らの端部に、サポートリングを有する。それ故に、ロータシールをハウジングと、あるいは、ロータシールがロータと共に回転するべきときは、ロータと容易に結合することができる。
【0017】
本発明の他の実施の形態では、サポートリングはシールリップを有するので、サポートリングとハウジング又はロータとの間での二次漏れが減少又は不可能にされる。このシールリップは係合エレメントとしても形成されていることができる。それ故に、本発明に係わるロータシールを、ハウジング又はロータの、ロータシールに対応して成形された片割れに嵌合させることができる。
【0018】
本発明の他の実施の形態では、ストリップ材料は金属材料からなること、及び/又はストリップ材料は折畳み縁部の領域で可塑変形可能であること及びストリップ材料はその他では弾性的であることが提案されている。それ故に、ロータシールは広い温度範囲に亘って使用可能であり、温度及び圧力に対し高い耐性を有し、更に、高い寿命を有する。
【0019】
折畳みを容易にするためには、折畳みバンドを折畳み縁部の領域で軟化焼鈍することができる。
【0020】
折畳み縁部は、折り畳まれた状態で、シールサポートに、摩擦係合で、形状係合で又は結合物による係合で結合されていることができる。シールサポートは、ハウジングと、あるいは、ロータシールが回転するべきときは、同様にロータと容易に結合可能である。従って、ロータシールへの要求に応じて、折畳みバンドとシールサポートとの間の最適な結合を達成することができる。
【0021】
本発明の特に好都合な実施の形態では、折畳み縁部の領域には開口部が設けられており、この開口部は、シールサポートの、開口部に対応して形成された環状溝と形状係合で結合可能である。それ故に、シールエレメントを環状溝へ該環状溝の長手方向に押し込めることができ、シールサポートに対するシールエレメントの半径方向移動を形状係合によって阻止する。
【0022】
シールエレメントを更に容易に取り付けるために、シールサポートは複数部分でデザインされていることができる。
【0023】
更に容易に取り付けるために、シールサポートの結合面は、この結合面の領域に設けられた折畳み縁部に対し実質的に平行に延びていることも、提案されていてよい。
【0024】
本発明の好都合な実施の形態では、シールサポートはハウジングに固定されている。それ故に、ロータシールは圧縮応力のみに晒されている。
【0025】
本発明の他の実施の形態では、シールサポートはロータに固定されている。それ故に、シールエレメントは遠心力にも晒されている。この作用は、シールエレメントとハウジングのシール面との間の間隔を回転速度に従って構成するために、用いられることができる。このことは、間隔が、臨界回転速度の達成の際に、シールエレメントの過度な摩耗を阻止するためにはまだ十分に大きくて、作動回転速度の達成の際に、間隔が、最適な密閉作用が達成される程に狭まったとき、特にそのときに、好都合である。
【0026】
本発明の、特に取付し易い変更の実施の形態は、ロータシールが複数のセグメントからなること、及び各セグメントは1つの折畳みバンドから折り畳まれていることを特徴とする。この実施の形態によって、非常に大きなロータシールも製造することができる。
【0027】
本発明の他の利点及び好都合な実施の形態は、以下の図面及び図面の説明から読み取ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、タービンハウジング1の横断面に、ロータ2に対し作用する、異なったシール3及び4を示している。「ロータ」という概念は、本発明との関連で、ハウジング又は軸受に対し回転するすべての部材を意味している。ハウジングの内部には内圧p1が支配しており、タービンハウジング1の外側には大気圧p2が支配している。差圧p1―p2はハウジングの内部と大気の間で漏れを引き起こす。
【0029】
より大きな縮尺で及び斜視図で図1の細部IIを示している図2では、タービンハウジング1に形成されており、かつ輪郭が描かれた各々の突起6を対向壁に有する環状溝が、シールサポート5として用いられる。約0.04乃至0.1mmの厚さの薄板からなる多数の個々の薄片7は、シールサポート5の環状溝に積み重ねられている。薄片7は突起6と協働するノッチ8によって、シールサポート5に形状係合で結合されている。
【0030】
薄片7は、環状溝の縦軸上で、垂線に対し約45°のピッチ角γで傾斜して挿入されている。シールサポート5の横断面の他の形状は図6(A)乃至6(D)から見て取れる。
【0031】
本発明に係わる折畳みバンド9の、タービンハウジング1への固定は、原理的に全く自由である。固定は出来る限り弾性的かつ圧密であるほうがよい。半径方向の固定は、図6(A)に示した矩形の環状溝の場合に圧縮嵌合によって、あるいは図6(B)に示した錐形の溝又は図6(C)及び図6(D)に示した、輪郭が描かれた溝の、形成によって、なされる。
【0032】
図6(E)に示した他の実施の形態では、折畳みバンド9はサポートリング23に半田付けされ、溶接され又は形状係合で結合される。サポートリング23は、非常に容易に、タービンハウジング1の環状溝24に固定される。
【0033】
図6(F)に示したサポートリング23がシールリップ25を有するシールとして形成されているとき、好都合な解決が達成される。シールリップ25は、このシールリップが、存在する圧力p1下で拡大して、従って、圧力作用が改善されるように、デザインされていることができる。高い差圧のために特に適切であるこのような変更の実施の形態では、折畳みバンド9をリブ16によって支持することができる。このことによって、サポートリング23での折畳みバンド9の固定点における応力が減少されることを、特に達成することができる。図6(G)に示した他の変更の実施の形態では、作動中にサポートリング23が変形することが阻止される。
【0034】
しかし又、サポートリング23を有する折畳みバンド9を環状溝24へ半径方向に入れて、そこで、肩部にロックすることができる。このために、シールリップ25が一体化した、特に、図6(F)に示した実施の形態が、生じる。何故ならば、シールリップ25は係合鼻部として作用することができ、サポートリング23は環状溝24とロック可能だからである。
【0035】
各々の薄片7が個々に製造される必要はなく、取付の際の取扱が容易になるように、図3に示すように、複数の薄片7aは1つの折畳みバンド9から製造されている。
【0036】
以下、図4及び5に示した実施の形態に基づいて、折畳みバンド9の構造を説明する。折畳みバンド9は2つの互いに平行な長手方向縁部13a及び13bを有する。以下に製造角度βと呼ばれる角度(図示せず)で、複数の折畳み縁部11が折畳みバンド9に亘って延びている。角度αは、製造角度β(図示せず)と、長手方向縁部13a及び13bにおける垂線との間の補角である。最適な製造角度βの選択は、取分け、折畳みバンド9のピッチに拠る。製造角度βの選択によって、ロータシール7aの作動を容易に調整することができる。
【0037】
各々の折畳み縁部11には、夫々の孔14が、折畳みバンド9の長手方向縁部13bとの予備設定可能な間隔をあけて形成されている。図示した丸い孔の代わりに、任意の輪郭を有する他の開口部も選択することができる。
【0038】
折畳みバンド9は、逆方向で、参照符号15で示されたかしめ工具を用いて、折畳み縁部11に沿って、シールサポート5(図3を参照せよ)の環状溝へと直接折り畳まれる。折畳みの後に、孔14はほぼ半円形の開口部8aを形成し、これらの開口部は、シールサポート5の、開口部に対応して形成された突起6に係合する。折畳みはシールサポート5の外側でもなされることができ、折畳みバンド9から形成されたロータシール7aが、続いて、折り畳まれた状態でシールサポート5の環状溝へ挿入されることができる。しかし、折畳みを、取付中にかしめ工具15を用いて直接行なうことは好ましい。
【0039】
ロータシール7aの取付後に、折畳み縁部11の領域で、二次漏れが生じることはない。それ故に、図6(D)に示したリブ16は不要である。
【0040】
図4に示した実施の形態では、折畳みバンド9は、折畳み縁部11の領域にスリット10を有する。スリット10及び折畳み縁部11の縦軸は平行に延びている。図4に示す如く、各折畳み縁部11の領域でスリット10が設けられているとき、本発明に係わるロータシール7a(図2を参照せよ)の作動は、従来の薄片シールの作動にかなり対応している。各折畳み縁部11にスリット10が設けられる訳ではないとき、本発明に係わるロータシールの作動は更に影響を受けることができる。
【0041】
例えば1つおきの折畳み縁部11のみにスリット10が設けられているとき、タービンハウジング1へのロータシール7aの取付によって、作動は更に影響を受けることができる。すなわち、ロータシール7aは、スリット10が高い方の圧力の方向を示すように取り付けられるとき、圧縮力は、差圧p1―p2が増大するに連れて、スリット10の幅の閉鎖を引き起こす。他の場合では、ロータシール7aは、スリット10が低い方の圧力の方向を示すように取り付けられるとき、差圧p1―p2が増大するに連れて、圧縮力は、スリット10の開きを引き起こす。それ故に、シールは過剰圧力によって破壊されることはない。
【0042】
折畳みの他の利点は、折畳みバンド9のスリット10(図4を参照せよ)の長さT及び折畳みバンドの材料の厚さに従って、構造によって剛性に影響を与えることができる。更に、折畳みによって、個々の薄板の間の所定の最小限のギャップが保証される。折畳みバンド9をシールサポート5の環状溝に取り付けるとき、半径方向の扇形が自ずから発生される。
【0043】
図5では、本発明に係わる折畳みバンド9の他の実施の形態が示されている。スリット10の深さTは、図4に示した実施の形態とは異なって孔14が不要であるように選択されている。折畳みバンド9は、この実施の形態では、スリット10の底部によって、シールサポートの環状溝の突起6に固定される。この実施の形態では、二次漏れを回避するためには、場合によっては、図6(D)に示したリブ16が必要である。図5には、熱処理によって達成された軟らかい材料ゾーン19が、折畳みバンド9の折畳みを容易化する折畳み縁部11の領域に示されている。
【0044】
折畳みバンド9を環状溝に取り付けるために、環状溝は図示しない局部的な拡大部を有する。図7に示すように、分離されたシールサポート5aに取り付ける際に、結合面17は、環状溝の縦軸への垂線に対する角度γTで傾斜している。この角度γTは、ほぼ、図2に示したピッチ角γに対応している。結合面17の領域では、折り畳まれた折畳みバンド9は、周方向に形成された張出しNを有する薄片7bによって、外れが阻止され、張出しNは結合面17に挿入されたリベット18によって取り付けられている。スポット溶接、溝領域の据込み、溝付きピン又はねじによる固定手段(図示せず)も可能である。
【0045】
図8(A)は、折畳み縁部11が、分離されたシールサポート5で、45°のピッチ角で扇形に配列されていることを示している。結合面17の角度γTは、この実施の形態では、折畳み縁部11のピッチ角γに対応している。図8(B)から分かるように、薄片の、図示しないロータに向いた端面20はロータの軸21に対し平行に延びている。
【0046】
密閉の働きの他の改善は、図9に示した僅かに傾斜した、薄片の取付によって、達成される。傾斜はロータの軸21とロータシール7aの端面20との間の傾斜角δによって描かれている。図9に示した実施の形態では、傾斜角δは約10°乃至20°である。しかし、この傾斜角δはこの角度範囲に限定されはしない。
【0047】
端面20の傾斜によって、ブラシシールの場合に知られた作用、すなわち、薄片7が、差圧p1―p2の故に及び運動量による力の故に並設されることが、達成される。このことを、薄片7に形成された横方向スリット22によっても、促進することができる。
【0048】
図10では、本発明に係わるロータシールの他の実施の形態が斜視図で示されている。この図では、折畳み縁部11aが、ロータの軸21に対し直角に延びている面に位置していることが、よく見て取れる。折畳み縁部11bは、同様に、ロータの軸21に対し直角に延びている面に位置している。2つの面は、折畳みバンド9の幅bに対応する間隔をあけて、互いに平行に延びている。
【0049】
折畳みバンド9がタービンハウジング1(図示せず)に取着されるとき、折畳みバンドは遠心力によって追加的に荷重が掛からず、変形されない。内径diでは、折畳みバンド9は半径方向に弾性的である。外径daでは、折畳みバンド9は、図示しないタービンハウジング1と密閉状態で結合される。斜視図の故に図10に描かれていないピッチ角γは、半径方向での折畳みバンド9の剛性を共に規定する。
【0050】
幅bが、内径diに沿って測定されたピッチtよりも幾らか大きいことは、好都合であり得る。折畳みバンドの自由高は、必要な半径方向の弾性によって規定される。
【0051】
最後に、折畳みバンド9は同様に軸方向シールとしても用いることができることは、なお述べなければならない。更に、折畳みバンド9をロータ2に取り付けることは、遠心力の作用が僅かな故に、幾つかの状況にとって許容される。このことは、折畳みバンド9への遠心力の作用を、最終的なギャップ幅が、回転速度が最高のときはじめて調整されるように、利用するときに、望ましくさえある。従って、ターボマシンの始動の際に及び臨界回転速度の達成の際により大きなギャップ幅を有する選択があるだろう。このことは、再度、信頼性を著しく高める。
【0052】
明細書、図面及び特許請求の範囲に開示されたすべての特徴は、単独でも、互いの任意の組合せでも、発明に本質的であり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
ターボハウジングの横断面を示している。
【図2】
図1の細部の拡大図を示している。
【図3】
本発明に係わる折畳みバンドの取付の際の折畳み工程の図を示している。
【図4】
折畳みバンドの第1の実施の形態を示している。
【図5】
折畳みバンドの第2の実施の形態を示している。
【図6】
(A)は、薄片の収容横断面を示している。
(B)は、薄片の他の収容横断面を示している。
(C)は、薄片の他の収容横断面を示している。
(D)は、薄片の他の収容横断面を示している。
(E)は、薄片の他の収容横断面を示している。
(F)は、薄片の他の収容横断面を示している。
(G)は、薄片の他の収容横断面を示している。
【図7】
分けられたシールサポートの部分領域を示している。
【図8】
(A)は、シールサポートの軸方向に見た薄片の配列を示している。
(B)は、図8(A)の線VIII−VIIIに沿った断面図を示している。
【図9】
薄片の、図8(B)と異なる配列を示している。
【図10】
本発明に係わるロータシールの他の実施の形態を示している。
Claims (21)
- 固定式のハウジング(1)と、このハウジング(1)に対し回転するロータ(2)との間にあるシールギャップをシールするための、特にターボマシン用の、ロータシールであって、前記ロータ(2)の周方向に相前後して設けられたシールエレメントを具備するロータシールにおいて、
複数のシールエレメント(7)は1つの折畳みバンド(9)から折り畳まれていること、折畳みの際に折畳み縁部(11)が生じること、及び、前記折畳み縁部(11)は、前記折畳みバンド(9)の取り付けられた状態で、ロータの軸(21)に対し直角に位置している面内で延びていることを特徴とするロータシール。 - 前記折畳みバンド(9)は、2つの互いに平行な長手方向縁部(13,13a,13b)を有することを特徴とする請求項1に記載のロータシール。
- 前記折畳みバンド(9)は、互いに平行な折畳み縁部(11)に沿って折り畳まれていること、及び折畳みは、2つの隣り合った折畳み縁部(11)に沿って反対方向になされることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータシール。
- 前記折畳みバンド(9)の、前記2つの互いに平行な長手方向縁部(13a,13b)及び前記互いに平行な折畳み縁部(11)は、90°よりも小さい製造角度(β)を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記折畳み縁部(11)は、取り付けられた状態で、前記ロータの軸(21)から出ている放射状ビームと、10°と70°の間の、特に好ましくは20°と45°の間のピッチ角(γ)を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記折畳み縁部(11)の領域には、スリット(10)が設けられていること、及びこのスリットの深さ(T)は、前記折畳みバンド(9)の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記ロータシール(7a)は、前記シールギャップから離隔した自らの端部に、サポートリング(23)を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記サポートリング(23)は、シールリップ(24)を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記ロータシール(7a)は、前記サポートリング(23)と半田付けされ、溶接され又は形状係合で結合されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1に記載のロータシール。
- 前記折畳みバンド(9)は、金属材料からなることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1に記載のロータシール。
- 前記折畳みバンド(9)は、前記折畳み縁部(11)の領域で可塑変形可能であること、及び前記折畳みバンド(9)は、その他では弾性的であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記折畳みバンド(9)は、前記折畳み縁部(11)の領域で軟化焼鈍されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記折畳みバンド(9)は、折り畳まれた状態で、シールサポート(5)に、摩擦係合で、形状係合で又は結合物による係合で結合されていることを特徴とする請求項12に記載のロータシール。
- 前記折畳み縁部(11)の領域には、開口部(14,8a)が設けられていること、及び前記開口部(14,8a)は、シールサポート(5)の、この開口部に対応して形成された環状溝と形状係合で結合可能であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記シールサポート(5)は、複数部分からなることを特徴とする請求項13又は15に記載のロータシール。
- 前記シールサポート(5)の結合面(17)は、この結合面(17)の領域に設けられた前記折畳み縁部に対し実質的に平行に延びていることを特徴とする請求項15に記載のロータシール。
- 前記シールサポート(5)は、前記ハウジング(1)に設けられていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記シールサポート(5)は、前記ロータ(2)に設けられていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記ロータシール(7a)は、半径方向シールとして形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記ロータシールは、軸方向シールとして形成されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1に記載のロータシール。
- 前記ロータシールは、複数のセグメントからなること、及び各セグメントは1つの折畳みバンドから折り畳まれていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1に記載のロータシール。
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