JP2004500093A - 3次元マトリックス体、細胞組織の収縮を測定する装置および方法 - Google Patents

3次元マトリックス体、細胞組織の収縮を測定する装置および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、支持物質およびその中に組み込まれた細胞培養物から3次元環状筋肉体を作製するための装置であって、細胞培養皿(1)と、前記細胞培養皿(1)内に配置された少なくとも1つのエレメント(2)とを備える装置に関する。本発明は、3次元環状筋肉体を作製するための、並列および/または直列に配置された多数の装置から構成されるマルチウェルプレートにもまた関するものである。本発明はさらに、哺乳類心筋細胞を培養するための溶液、細胞培養物を培養する方法、細胞培養物の等尺性力パラメータを測定する装置、および支持物質中に組み込まれた細胞組織の収縮を測定可能な方法で追跡する方法に関する。最後に、本発明は、人工的に作製した3次元筋肉組織、特に心臓の筋肉組織に関する。

Description

【0001】
本発明は、3次元マトリックスまたは筋肉体を作製する装置、複数の3次元マトリックスまたは筋肉体を作製するのに用いるマルチウェルプレート、哺乳類心筋細胞を培養するための溶液、細胞培養物を培養する方法、等尺性力のパラメータを測定する装置、収縮の測定可能な追跡方法、および人工的に作製した3次元筋肉組織に関する。
【0002】
心不全は、西欧では罹患率および死亡率の主な要因の一つであり、推定有病率は人口の1.5〜2%である。心不全は常に、結果として、主に心臓に対するストレスの増大、または心筋の細胞(心筋細胞)の破壊もしくは損傷のいずれかを生じ、心臓の全体的な収縮性能への体の要求が依然として同じである限り、残存する損傷を受けていない心筋細胞に対するストレスが二次的に増大する。
【0003】
これは、考慮すべき2つの結果を有する。一方では、ストレスが増大すると、残存する損傷を受けていない心筋細胞のサイズの成長、つまり肥大が生じる。他方では、遺伝子発現、つまり残存する損傷を受けていない心筋細胞の疾患特異的表現型における多くの定量的変化がある。遺伝子発現のこれらの特異的変化および心筋細胞機能に対するそれらの結果は、わずか一部のみが分かっている。現在まで、これに関して明らかな点は、欠陥のある心臓の個々の細胞(単に心臓臓器全体ではなく)は、健康な心臓とは異なるということのみである。
【0004】
現在、心不全の治療に対する治療努力は本質的に、特に疾患のある心臓に対する血行動態的負荷を軽減することと、遺伝子発現の変化および肥大(交感神経系、レニン‐アンギオテンシン‐アルドステロン系などの神経系、エンドセリン、成長因子、炎症メディエーターの活性化)を引き起こすと認識されているメカニズムを薬理学的に抑制することに向けられている。この方法で、この疾患の自然な進行を遅らせることが実際に可能である。これに関しては、一方で、上述のプロセスの活性化は確実に感覚の順応を意味し、それによって疾患のある心臓がストレスの増大に反応することを考慮に入れなければならない。しかしながら他方では、それは、最終的に心筋細胞の破壊を増大する原因となり、したがって、心不全を患う患者の悪い予後を説明する悪循環を引き起こす同一メカニズムである。
【0005】
したがって、心不全の治療に対する新規な治療的取り組みは、心臓機能の低下または心筋細胞破壊の割合の増大を排他的もしくは主に引き起こす、心臓における特定の標的を同定することと、これらのプロセスを、むしろ疾患のある心臓の感覚の順応を意味するプロセスと区別することに向けられている。この目的のため、欠陥のあるヒトの心臓および健康なヒトの心臓の遺伝子発現における違いを調べるために、過去に様々な製薬会社が、系統的遺伝子スクリーニング法を用いてきた(サブトラクティブな方法)。DNAチップ技術の導入によって、ヒトゲノムプロジェクトと共に、近い将来、未知の機能および病態生理学的有意性を有する新規な遺伝子の数が急速に増えるだろう。
【0006】
このため、迅速かつ効率的に標的を確認することを可能にする方法が非常に必要とされている。これは、その要望が、未知の遺伝子もしくは心筋細胞においてほとんど知られていない遺伝子の遺伝子発現における定量的変化の機能上の有意性についての情報を比較的速く得て、これに続いて、これらの遺伝子の産物への効果を示す物質の影響を試験することであることを意味している。
【0007】
ドイツ特許DD 299 439 A5には、in vitroで培養した哺乳類、特にマウスからの細胞群集上で薬剤を検査する方法が記載されている。この方法では、分化された脈動する心筋細胞に対するこれらの医薬品の効果を、観察によって調べる。かかる多能性の細胞系、自発的に脈動する心筋細胞に分化することが可能な胚幹細胞をこの目的に使用する。胚様体を胚幹細胞から適切な手法で培養し、次いでそれを調べるべき活性物質にさらすことが可能であり、もはやin vivoで調べる必要がなくなる。しかしながら、DD 299 439 A5に記載の手順では、検査する活性物質の心筋細胞の収縮力に対する効果について記載していない。ストップウォッチを用いて、単に、脈拍数の変化が調べられる。
【0008】
ドイツ公開特許明細書DE 195 00 498 A1には、等尺性力のパラメータおよびその影響を測定することが可能であるような方法で、どのように組織細胞を培養することができるかについて初めて記載されている。この目的のために、前述の公開特許明細書によって、並行に配置され、かつクランピング装置および測定装置中に吊るすことができる、2つのプレート状保持部品を有するマトリックスまたは筋肉体と、クランピング装置と測定装置との間に固定され、かつ凝固したコラーゲンゲルからなるマトリックスと、そのコラーゲンゲル中に包埋され、かつ培養により作製される筋肉組織とが示されており、そのマトリックスは保持部品に連結されている。その2つのプレート状保持部品は、非多孔性材料からなり、中実または中空のいずれかである。クランピングおよび測定装置中に保持部品を吊るすことを可能にするために、管状エレメントをその上に形成する。マトリックスと保持部品との間に高い抗張力を有する連結を得るために、保持部品の表面に自己フック(self−hooking)部品を設ける。さらに、その保持部品間にスペーサーを設け、これらによって、マトリックス体を作製する際に保持部品の距離が一定に保たれ、細胞組織の等尺性力パラメータを測定するために、取り外すことができる。DE 195 00 498 A1には、コラーゲンゲル中で心筋細胞を培養する方法、特に心筋細胞の収縮の測定可能な追跡方法、およびコラーゲンゲルと、それに組み込まれた細胞培養物とから構成されるマトリックスを作製する装置もまた開示されている。
【0009】
DE 195 00 498 A1に記載の装置および方法を用いて、ニワトリ心筋細胞をin vitroで復元して、人工3次元心筋組織(いわゆる、工学心臓組織「EHT」)を得ることが初めて可能となった。これによって、3次元の高度に架橋した、電気的に接続された構造が得られ、したがって、ほとんどin vivoでの生理学的条件になった。この前に、心筋細胞をプラスチック製皿中の単層で培養した(いわゆる3次元培養)。
【0010】
さらに、DE 195 00 498 A1に開示の装置および方法を用いて、血清存在下において、繊維芽細胞および成長因子により心筋細胞の過成長を抑制することが可能である。これによって、細胞増殖抑制剤を使用する必要なく、実質上生理学的な成長および分化条件が可能となる。標準2次元培養では、繊維芽細胞、平滑筋細胞および内皮細胞を能動的に分けることによって、分けることができない心筋細胞の通常広範な過成長がある。従来の2次元培養では、通常、血清を除去し、細胞増殖抑制剤を添加することによって、これを抑制する。
【0011】
DE 195 00 498 A1に開示の装置を用いて、等尺性条件下にて、心筋細胞における力、回数(frequency)、収縮動態および収縮張力を確実かつ再現可能に測定することもまた可能である。これによって、新生児もしくは新しく単離された成人心筋細胞について可能であったろう評価よりも、かなり分化され、かつ有効な心筋機能の評価が可能となった。例えば、新生児心筋細胞の2次元培養では、ごく限られた範囲で回数を測定することが可能であり、力は全く測定することができない。成人の新鮮に単離された心筋細胞の場合、比較的確実に短縮の程度を、6時間、最大で24時間以内に等張力のパラメータとして測定することが可能である。しかしながら、心筋細胞は通常、組織に組み込まれているため、収縮は全く等張性ではないが、少量の等張性成分を有して、通常は主に等尺性である。このように、無処置の標本および単離細胞と比較すると、3次元細胞集合の利点は、その状態が数日ないしは数週間安定であることであり、この利点は遺伝子操作には特に重要である。
【0012】
さらに、DE 195 00 498 A1に記載の装置および方法によって、無処置の標本とは異なり、原位置(in situ)での、かつ組織染色後の良好な微視的到達性(microscopic accessibility)が可能となる。
【0013】
最後に、引用したドイツ公開特許明細書に開示のEHTが、アデノウイルス(生細胞100%)で優れた遺伝子導入効率を示すことを証明することもまた可能である。
【0014】
2次元培養と比較した、上述の利点および進歩にもかかわらず、DE 195 00 498 A1に開示の3次元細胞集合はそれでもなお、数多くの不利な点を示している。このように現在までのところ、哺乳類心筋細胞からではなく、ニワトリ心筋細胞からのみ3次元人工心臓組織を作製することが可能である。さらに、最初に金属製ブラケットを用いてチューブを組み立て、次いでフックおよびループテープでチューブを固定し、細胞培養皿のウェル中にそれらを配置する必要があり、次いでコラーゲン/細胞混合物をウェル中にピペッティングする必要があることから、DE 195 00 498 A1に記載の装置を用いたEHTの作製は比較的面倒である。最大で5回使用した後に、その装置は廃棄しなければならない。DE 195 00 498 A1に開示されている装置の個々の部品は手作業で組み立てるため、多少ばらつきを生じやすく、測定結果がその影響を受ける。さらに、フックおよびループテープと心臓組織との間の接合部は、生理学的条件に一致しない。最後に、前述のドイツ公開特許明細書に開示されている装置は、操作が比較的複雑であり、その設計は、一定の最低値を下回るサイズが不可能であるような設計である。
【0015】
このように、本発明が基礎とする目的は、上述の不利な点を持たない装置および方法を提供することである。本発明の目的は特に、容易に組み立てることができ、容易に操作することができ、小型化可能であり、きわめてわずかしか設計のばらつきを生じず、場合によっては無期限に再利用することができ、3次元細胞組織を作製するための生理学的条件に可能な限り近くなる装置を製造することである。さらに、本発明に従って、その条件下にて、3次元細胞培養組織として哺乳類心筋細胞を培養することができる条件を示すことを意図する。最後に、等尺性条件下にて、細胞培養物中の筋肉組織の力パラメータを測定することを可能にする装置および方法を説明することもまた意図する。
【0016】
驚くべきことに、細胞培養皿に配置された少なくとも1つのエレメントを用いて、細胞培養皿中で適切な条件下にて培養される筋肉細胞が、このエレメントの周りに3次元筋肉細胞組織を形成することが現在見出されている。この筋肉細胞組織は非常に安定であるため、必要な場合には、手作業で取り出し、生理学的、薬理学的および/または生物工学的実験にかけること、あるいは移植することさえ可能である。
【0017】
したがって、本発明が基礎とする目的は、独立請求項1に記載の装置、独立請求項27に記載のマルチウェルプレート、独立請求項29に記載の培養用溶液、独立請求項35に記載の方法、独立請求項43に記載の装置、独立請求項69に記載の方法、および独立請求項89に記載の人工的に作製された3次元筋肉組織によって達成することが可能である。本発明のさらに有利な発展、態様および詳細は、独立請求項、概説から説明、実施例および図面に示す。
【0018】
支持物質およびその中に組み込まれる細胞培養物から、3次元環状筋肉体を作製するための本発明の装置は、細胞培養皿と、細胞培養皿に配置される少なくとも1つのエレメントとを有する。これによって、DE 198 00 498 A1に記載のように、連続するリングとして以外は、フックおよびループテープにより2本のチューブに取り付けられた両凹体として、細胞集合(例えばEHT)がもはや作製されないという結果となる。組織の環状形状は単に、支持物質と細胞との混合物が、少なくとも1つのエレメントが配置された細胞培養皿中に注がれるという事実に起因する。次いで、EHTは連続テープとして、またはエレメントの周りで成長する。エレメントを細胞培養皿の中央に配置する、かつ/または取り外し可能に配置することが特に好ましい。例えば、細胞培養皿の底部にねじでエレメントを取り付けるか、あるいは特に好ましい実施形態では、皿の底部に単に差し込むことがさらに可能である。
【0019】
3次元環状筋肉体または筋肉のリングを、細胞培養皿で形成することを可能にするためには、どの場合にも、エレメントが支持物質と細胞と(状況によっては、栄養分の溶液と)の混合物の充填レベルを超えるほうがよい。さらに、エレメントの長さまたは高さもまた、細胞培養皿の外周部分よりも高い場合には、皿の充填レベルに関係なく、どの場合にも、本発明の装置内で3次元環状筋肉体を確実に形成することができる。したがって、細胞培養皿中に挿入することができる、あるいは後者に一体的に連結するエレメントは、細胞培養皿中に存在する、支持物質と、細胞と、適切な場合には栄養液との混合物の充填レベルFよりも大きい長さまたは高さEを有することが好ましい。エレメントの高さEが、細胞培養皿の外周部分の高さRよりも高いこともまた特に好ましい。
【0020】
支持物質と細胞との混合物を細胞培養皿中に注ぐ際、その混合物は後者中で広がる。混合物は、少なくとも1つのエレメントが配置された箇所では広がることはできない。人工細胞組織がそのエレメントの周りに形成される。次いで、完成した人工細胞組織を細胞培養皿から取り出すことができる。エレメントを取り外すことができる場合、人工細胞組織をエレメントと共に皿から取り出すことができる。このことは、以前の操作と比較して、(DE 195 00 498 A1に記載のように)数多くの利点を有する。
【0021】
(1)含まれる全作業は、以下の段階:金属製ブラケットを用いたチューブの組み立て、フックおよびループテープを用いたチューブの固定、細胞培養皿における予め作製されたウェル中への装置の整列、およびこれらのウェル中への支持物質と細胞との混合物の厄介なピペッティングを省略しているため少なくなっている。これによって、大量の試験シリーズ(test series)を作製する複雑さが減り、したがって費用効果もまた高くなる。
【0022】
(2)本発明の装置は、時間的に無制限に使用することができるが、フックおよびループテープで固定したチューブは摩耗し、最大5回使用することが可能であり、次いで破棄して、新しいチューブと交換しなければならない。
【0023】
(3)本発明の装置は、機械によって、かつきわめて僅かな許容差で製造することができるため、環状構造物の均一性を容易に完全にすることができるが、これに対してDE 195 00 498 A1に記載の装置の部品は、手社業で組み立てなければならず、したがって、わずかならぬばらつきが生じる。前記の公開特許明細書に開示されている装置を使用すると、試験シリーズの再現性がこの影響を受ける。
【0024】
(4)フックおよびループテープを用いた細胞組織の非生理学的接合が省かれているため、本発明の装置を使用することによって得られる環状構造物は、以前の細胞組織よりも安定であり、かつ天然の心臓と生物学的に類似している。
【0025】
(5)検査のための環状構造物の操作は、以前に得られた細胞組織(フックおよびループテープ/チューブを用いて)の場合よりも、簡単かつ容易である。
【0026】
(6)環状構造物は、以前に得られた細胞組織(フックおよびループテープ/チューブを用いて)の場合よりも容易に小型化することができる。
【0027】
細胞培養皿中に配置するエレメントは、細胞培養皿とワンピース(一体形)であるように設計することもまた可能である。しかしながら、皿から構造物をさらに容易に取り出すことを可能にするためには、エレメントおよび培養皿が互いに分離できることが好ましい。
【0028】
細胞培養皿中に配置された少なくとも1つのエレメントを、円柱形に有利に設計し、その結果、細胞培養皿の形状が適切な場合には、その中心に円形の開口部を有する環状構造物(3次元環状筋肉体)が得られる。円柱形エレメントの直径は、3〜8mm、特に約5mmであることが好ましい。エレメントのさらに特に適切な形状は、円錐台または楕円錐台である。エレメントを構成するのに特に適切な材料は、一体形に設計された細胞培養皿の場合には、ラテックスもしくはシリコーンなどの永久軟質材料であることが分かっている。エレメントを皿から取り外すことができる場合、エレメントは、テフロンもしくはデルリンなどの非粘着の、加圧滅菌に耐える、固体の非弾性材料から有利に製造される。テフロンはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、DuPont社の登録商標である。デルリンも同様に登録商標であり、DuPont社から購入することができる。デルリンは、無水ホルムアルデヒドを重合することによって得られる、非常に優れた機械抵抗、耐熱性および耐薬品性を有するポリアセタールプラスチック(ポリオキシメチレン)である。
【0029】
本発明によれば、円形または楕円形(長円形)細胞培養皿が特に適している。というのは、それを用いて円形(環状)細胞組織集合を最も容易に作製するのが可能だからである。円形細胞培養皿の場合には、その直径は、10〜20mm、特に15mmであるのが有利である。楕円形(長円形)細胞培養皿の場合には、長軸は常に短軸よりも長く、長軸が10〜30mm、特に25mmであり、短軸が5〜20mm、特に15mmであるのが有利である。
【0030】
本発明の装置は、人工3次元筋肉組織、特に心臓組織(EHT)の作製に著しく適している。この目的には、支持物質としてコラーゲン、細胞として筋肉細胞、詳細には心筋細胞を使用することが好ましい。特に、以降に記載する特定の溶液を使用する場合には、哺乳類筋肉細胞集合、特に哺乳類心筋細胞集合を本発明の装置で培養することもまた可能である。適切な哺乳類の例は、ラットおよびマウスである。さらに、出発材料として、筋肉細胞、特に心筋細胞を直接使用するか、または筋肉細胞、特に心筋細胞にin vitroで分化することができる幹細胞を使用することが可能である。後者の代わりの例は、多能性のマウス胚幹細胞から懸滴法(ドイツ特許DD 299 439 A5の具体例としての実施形態に記載の方法)を用いて得られる細胞、および成体マウス幹細胞から得られる細胞であり、その各細胞は筋肉細胞または心筋細胞に分化することができる。
【0031】
本発明の装置のさらなる重要な利点は、並列かつ/または直列に複数の装置を直接並べることができる可能性である。原則的に、かなりの数の装置を並列に並べることが考えられる。しかしながら、24個の装置(4×6)またはその倍数個の装置を、いわゆるマルチウェルプレートに組み合わせるのが有利であると判明している。これらのマルチウェルプレートを用いて、多くの人工細胞組織(特にEHT)を同時に作製すること、つまりそれらを注ぎ、それらを同時に成熟させることが可能である。次いで、その他の操作を行うことなく、成熟した細胞集合をさらなる検査にかけることができる;例えば、EHTの場合には、オンラインの力測定を行うことができる。この目的に適切な装置を、以降にさらに詳細に説明する。
【0032】
EHTの作製および測定に用いるマルチウェルプレートの開発は、最も広い意味で、薬物のハイスループットを有するスクリーニング法(「ハイスループットスクリーニング」)でEHTを使用するための、極めて重要な段階を表す。古典的な化学化合物の影響に加えて、心筋細胞機能に対する、例えば組換えアデノウイルスを用いた遺伝子導入の影響、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドの影響を調べることも可能である。
【0033】
本発明はさらに、支持物質中の哺乳類心筋細胞を培養するための溶液、およびこの溶液を用いて、支持物質中の細胞培養物を培養する方法に関する。既に最初に述べたように、哺乳類心筋細胞が3次元組織を形成する培地を提供することは、以前は不可能であった。したがって、以前の実験はニワトリ心筋細胞で行われていた。哺乳類心筋細胞を培養するための本発明の溶液は、Engelbreth−Holm−Swarm腫瘍(略して、「マトリゲル」と呼ばれる)の細胞外マトリックスを一部含有する。このマトリゲルは、例えばBio−Products社,Tebu,フランクフルト(FRG)から入手可能である。その溶液は、再構成混合物(つまり、支持物質溶液(例えばコラーゲン溶液など)と、細胞懸濁液(例えば、ラット心筋細胞懸濁液など)と、栄養溶液との完全な混合物)中に存在するマトリゲルを少なくとも5容積%、特に5〜15%容積の濃度で含有する。マトリゲルが濃度約10%で再構成混合物中に存在する場合には、非常に良好な結果が得られる。これは、例えば以下の方法で達成することができる。支持物質溶液と栄養培地との混合物中での栄養培地の最終濃度が、1×DMEM、10%ウマ血清、2%ニワトリ胎仔抽出物、ストレプトマイシン100μg/mlおよびペニシリンG100U/mlとなるように、2倍に濃縮された栄養培地(2×ダルベッコ改変基本最少培地(2×DMEM)、20%ウマ血清、4%ニワトリ胎仔抽出物、ストレプトマイシン200μg/ml、およびペニシリンG200U/mlを、容積部50:50の比で支持物質溶液(例えば、コラーゲン溶液)と混合する。次いで、その混合物を少量のアルカリ(例えば、0.1N NaOH)で中和する。マトリゲル溶液約15容積%を、中和した混合物約85容積%に添加する。最後に、支持物質溶液、栄養培地、およびマトリゲルを含有する混合物を、細胞懸濁液と約70:30の容積%比で混合する。次いで、最終混合物(再構成混合物)は、マトリゲルを約10容積%含有する。
【0034】
再構成混合物における濃度が、哺乳類心筋細胞を含有する3次元人工組織の成長を生じさせるのに十分高いことが確実である限り、対応する混合物は他の濃度のマトリゲルもまた含むことが可能であることは自明である。
【0035】
上述のマトリゲル含有溶液を用いて、支持物質(コラーゲンマトリックス)中、ラット胎仔からの心筋細胞で3次元人工心臓組織を形成することが初めて可能となった。
【0036】
ニワトリEHTを超えるラットEHTの利点は、ラットEHTは哺乳類細胞に由来するという事実である。これによって、人で得られる結果の比較性が向上する。さらなる利点は、ラットEHTははっきりと、具体的には2〜3回、ニワトリEHTよりも強く拍動する。最終的に、能動的に発生した力と受動的な基本張力との比は、ニワトリよりもラットのほうが大きい(ラットでは1:2〜1:1、ニワトリでは<1:10)。
【0037】
本発明はさらに、細胞培養物の等尺性力パラメータを測定する装置に関する。この装置は、細胞培養組織、細胞培養皿に配置された少なくとも1つのエレメント、圧力記録ユニット、および圧力変化を記録するためのユニットを含む。さらに、細胞培養物は細胞培養皿中に直接培養することが可能であり、力を測定するために、もはや培養容器から測定容器中に培養物を移動する必要はない。DE 195 00 498 A1に開示の方法における主な操作段階、すなわち、皿および器官浴(organ bath)中の懸濁液からの比較的脆弱な細胞培養物(例えば、EHT)の取り出しは、冗長となる。さらに、実験の変数、すなわち器官浴中での予備伸張の程度(最初に注ぎ込まれた形状とのパーセンテージ差の意味での予備伸張)を排除する。前述のドイツ公開特許明細書に開示の装置を用いた測定は、最高でも数時間のみ可能であったが、本発明の装置を用いて、継続して力の連続測定を行うことも可能である。さらに、本発明の装置によって、栄養培地において、つまり通常の成長および成熟条件下での力の測定が可能となるが、器官浴中で測定するために、アミノ酸、タンパク質、成長因子等を含まない水溶液が従来の装置で使用される。最後に、機器の複雑性が、公知の装置よりも本発明の新規な装置ではかなり低く、相当な費用の節減もまた達成される。
【0038】
さらに、前述の構成要素の他に、測定信号を増幅する増幅器ユニットを有することが、等尺性力パラメータを測定するための本発明の装置に有利である可能性がある。適切な圧力変換器ユニットは、例えばストレインゲージまたはチップカテーテル(例えば、Millarチップカテーテル)である。
【0039】
等尺性力パラメータの測定に用いる、本発明の装置の第1実施形態において、細胞培養皿およびその中に配置されたエレメントは、ワンピースであること、つまりエレメントが細胞培養皿の一体形構成要素であることが好ましい。装置の主要な利点の一つが、測定のために異なる容器中に細胞培養物を移動する必要がもはやないことであることから、そのエレメントを培養皿から細胞培養物と共に取り出し可能である必要もない。
【0040】
3次元マトリックスまたは筋肉体を作製する装置について既に上述のように、細胞培養皿に配置されるエレメントは、中央に(中心に)配置することが好ましい。エレメントの形状に関しては、好ましくは円柱形もしくは円錐台であるか、または長円形(楕円形)の断面を有するほうがよい。円柱形デザインの場合には、エレメントは範囲3〜8mm、特に約5mmの直径を有することが好ましい。このエレメントに特に適切な材料は、例えばラテックスもしくはシリコーンなどの永久軟質材料である。
【0041】
細胞培養物の等尺性力パラメータを測定するのに使用する、本発明の装置の第2実施形態において、収縮力の測定前にEHTの予備伸張を行うことが可能となる。この場合、エレメントは細胞培養皿から取り外し可能であり、かつ例えばテフロンもしくはデルリンなどの固体の非弾性材料から製造するほうがよい。テフロンおよびデルリンに適用される材料は、非粘着性および加圧滅菌可能であることもまた好ましい。
【0042】
等尺性力パラメータを測定するのに使用する、本発明の装置の細胞培養皿は、直径10〜20mm、特に約15mmを有する円形であることが好ましい。長円形(楕円形)の細胞培養皿もまた特に適しており、この場合、その長軸は常に短軸よりも長く、楕円の長軸は10〜30mm、特に25mmが好ましく、短軸は5〜20mm、特に15mmが好ましい。
【0043】
培養するべき細胞培養物の構造を改善するために、それは、支持物質を含有することが好ましい。細胞培養物中の細胞が筋肉細胞である場合には、支持物質としてコラーゲンが特に適切である。本発明の装置において、具体的には哺乳類心筋細胞について、生きているような(life like)条件下で発生した力の長期間にわたる調査を行うことが可能である。
【0044】
さらに、本発明は、支持物質に組み入れられた細胞組織の収縮を測定可能に追跡する方法にも関するものである。これは最初に、その中に配置されるエレメントを有し、支持物質と細胞組織懸濁液との混合物が次いで導入される、細胞培養物の準備を必要とする。次いで、細胞培養皿の内容物が凝固するまで、支持体および細胞で充填した細胞培養皿をインキュベーター内でインキュベートする。このインキュベート段階前または後に、栄養溶液を細胞培養皿に添加する。次の段階では、支持物質と細胞組織との凝固混合物と共に、その細胞培養皿をさらに数日間インキュベートする。次いで、細胞組織によって発生した等尺性力を、圧力変換器ユニットを用いて決定し、データ記録ユニットによって記録することが可能である。
【0045】
調査すべき細胞が哺乳類心筋細胞である場合には、栄養溶液は、十分な量のEngelbreth−Holm−Swar腫瘍の細胞外マトリックス(マトリゲル)を含有するほうがよい。適切な栄養溶液は既に上述した。その完全な混合物は、マトリゲルを少なくとも5容積%、特に5〜15容積%、詳細には約10容積%含有することが好ましい。ダルベッコ改変基本最少培地(1×DMEM)、10%ウマ血清、2%ニワトリ胎仔抽出物、ストレプトマイシン100μg/mlおよびペニシリンG100U/mlも混合物中に存在する場合が有利であることも判明している。
【0046】
前記方法は、例えば心筋細胞などの筋肉細胞組織の力を測定するのに適している。本発明の方法を用いて、支持物質としてコラーゲンと、先に記載の溶液とを組み合わせて、人工的に作製された哺乳類の3次元心筋細胞組織で等尺性力の測定を初めて行うことが可能である。
【0047】
支持物質と細胞懸濁液との混合物の凝固を生じさせるための第1インキュベーション段階は通常、1〜2時間続く。第1インキュベーション段階の温度は約37℃であることが好ましい。第2インキュベーション段階は、使用する細胞培養物の種類に応じて、2〜15日、好ましくは5〜12日、特に哺乳類心筋細胞の場合には6〜10日続く。
【0048】
DE 195 00 498 A1に記載の技術を利用可能である前に、完全な単離心臓標本(例えば、ラット、モルモットまたはカエルの)または外植された動物の心臓についてのみ確実に、心臓の最も重要な機能、つまり収縮の力を測定することが可能であった。前記公開特許明細書における装置および方法によって、動物実験を省くことが可能となり、特に収縮力を調節する、心筋細胞中の個々のタンパク質の重要性をより良く調査することが可能である。しかしながら、以前は、哺乳類心筋細胞を培養することは不可能であった。ニワトリ心筋細胞で以前に得られた結果は、哺乳類、特にヒトに、非常に限られた範囲でしか適用できなかった。
【0049】
ここで、本発明によって、自発的かつ一貫的(coherently)な拍動関連性が得られるような方法で、組織培養において哺乳類心筋細胞を培養することが初めて可能となる。現在、このモデルを用いて、培養中の哺乳類心臓中の個々のタンパク質の機能を非常に具体的に操作し、かつこの方法で操作された細胞についての収縮力を測定することが可能である。
【0050】
さらに、本発明によって、哺乳類の心臓における様々な種類の細胞の収縮力に対する相互作用を正確に調査することもまた初めて可能となる。心臓細胞の80%は非筋肉細胞、つまり例えば結合組織細胞、血管細胞または神経細胞であることが知られている。これらの細胞が、哺乳類の心臓で発生する力に対してどのような影響を有するかはまだ分かっていない。現在、本発明により示されるシステムにおいて、様々な割合で多様な細胞集団を混合し、かつこれが、収縮力に対してどのような影響を有するかを調べることが可能である。
【0051】
さらに、本発明から得られるシステムによって、哺乳類の心臓が拡張(肥大)するメカニズムを調べることが可能である。これに関連して、細胞培養組織を異なる時間かつ異なる程度に予備伸張すること、または特定の薬物でそれをインキュベートすることを考えることが可能である。これによって、個々の心筋細胞の拡張が生じる。ここで、本発明において、実験条件下にて、哺乳類の心臓拡張の機能効果を簡単かつ直接に測定することも初めて可能である。
【0052】
このように、本発明によって、哺乳類胎仔心筋細胞、さらに一般的に述べれば、生物体から分離された、培養した哺乳類筋肉組織についての収縮の等尺性力を測定することが初めて可能となる。したがって、本発明によって、哺乳類筋肉細胞への特定の操作の影響、または収縮力への哺乳類心筋拡張の影響を調べることが特に可能となる。かかる問題は、多くの実験研究、つまり
‐根本的な心臓血管の研究
‐心筋不全症および心不整脈の治療に用いられる、心臓に作用する新規な薬物を開発することを目的とする応用研究
の中心にある。
【0053】
現時点で、循環系疾患は西欧における死亡の大分部の原因であることが再度強調されるべきである。心筋不全症は、ドイツ人口の約3%の実例を有する、すべての疾患のうちで最も一般的な疾患の一つである。治療の選択肢は改善されている。にもかかわらず、5年死亡率は現在もなお50%を超える。これは、心筋不全症を改善することが可能な薬物の開発が、健康政策の優先的目標を表し続けていることを意味する。本発明の利点は、特にこれに関して理解されるはずである。
【0054】
本発明のさらなる態様は、本発明により、例えば心筋梗塞後に、人工ラット心臓組織を組織代替物として作製することが可能となることである。本発明に従って作製した環状EHTは心臓に付着し、疾患のある心臓自体の収縮をおそらく補助することができるという有望な初期のデータがある。これは、特定の状況において、心臓疾患の治療に前例のない見通しを提供するだろう。
【0055】
このように、本発明は、支持物質と筋肉細胞を含有する、人工的に作製した3次元筋肉組織にもまた関するものである。人工的に作製した3次元筋肉組織は、支持物質と栄養溶液との混合物を調製し、その混合物を中和し、マトリゲルおよび筋肉細胞懸濁液を中和した混合物に添加し、続いて3次元筋肉組織を作製することができる条件下で、その混合物をインキュベートすることによって得ることができる。原則的に、どの種類の筋肉細胞も使用することが可能であるが、心筋細胞を使用することが特に好ましい。筋肉細胞の起源は重要ではない。特に、ヒト心臓疾患に関する情報を得ることに関しては、例えばラットまたはマウスからの哺乳類筋肉細胞を使用することが特に好ましい。これに関しては、出発材料として、特に分化した筋肉細胞、例えば心筋細胞または他には、既に上述した、自発的に拍動する心筋細胞に分化することが可能なマウスの多能性胚幹細胞(DD 299 439 A5を参照)を利用することが可能である。再度確認すると、好ましい支持物質は、特に心筋細胞または心筋細胞に分化することが可能な細胞を用いる場合、コラーゲンである。他のパラメータ(栄養および栄養溶液の濃度、支持物質の濃度、中和剤の濃度、マトリゲルの濃度および筋肉細胞懸濁液の濃度、インキュベーション段階の持続時間および温度等)は、特許請求の範囲、本明細書の導入から説明、および実施例での記載に一致することが好ましい。
【0056】
以降に、図および実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する。
図1には、中心に配置された円柱形エレメント2を備える、本発明の円形細胞培養皿1を示す。細胞培養皿1は、隆起した外周領域と、支持物質、懸濁液、栄養培地の混合物を受け入れることができる、くぼみ領域とを有する。細胞培養皿1の直径は15mmであり、中心に配置された円柱形エレメントの直径は5mmである。図1から明らかなように、
中央のエレメント2は、細胞培養皿1の隆起した外周領域3を超えて突出している。したがって、エレメントの高さもしくは長さEは、細胞培養皿1の外周部分の高さRよりも高く、その結果、どの場合にも、3次元環状または円形筋肉細胞組織を確実に、細胞培養皿中で形成することができる。
【0057】
図1に示す細胞培養皿3つは、図2に示すように、より大きな皿ユニット5中に配置される。皿ユニット5は、直径10cmの市販のプラスチック製ペトリ皿である。かかる皿ユニット5中に、細胞培養皿1を5つまで収容することができる。細胞懸濁液/コラーゲン混合物を細胞培養皿1中にピペッティングするのに使用するピペット6もまた、図2に示す。
【0058】
図3には、コラーゲンと、ラット心筋細胞懸濁液と、マトリゲルと、栄養培地との混合物で充填された細胞培養皿1中で、約8日間インキュベートした後に得られた人工3次元環状心臓組織7を示す。EHTは、2本の保持ワイヤー8、9の間で伸張しており、したがって、元の円形形状を失っている。図3に示すEHTは、比較的長い平行なセクション7aと、狭い、湾曲したセクション7bとを有し、セクション7bは保持ワイヤー8、9の周りで伸張している。
【0059】
図4には、それを用いて図3に示す環状EHTについて圧力測定を行うことが可能なマルチウェルプレートの断面図を示す(図4の参照番号18で示す)。個々のEHTは栄養培地30中に存在する。参照番号10は、マルチウェルプレートのベースプレートとしての役割を果たす、いわゆるデルリン製支持体を示し、参照番号11はテフロン製マスクを表す。ステンレス鋼製ねじ12を用いて、テフロン製マスク11をデルリン製支持体10上に取り付ける。ラテックスから製造された、永久的に軟質な円柱形エレメント13を、細胞培養皿1の中央に配置する。エレメント13は、中空体の形状を有する。支持体14はこの中空体中に存在し、かつ中空体形状を安定に保持する。さらに、圧力変換器ユニットとして換気ニードル15およびMillarチップカテーテル16を、デルリン支持体10を介して、中空エレメント13中に下から導入する。リード17は、図示されていない増幅器を介して、チップカテーテルから、同様に図示されていない記録ユニット(パーソナルコンピューター)へ渡る。
【0060】
他の実施形態に従って、本発明により作製したEHTについて、発生する圧力の測定ではなく、等尺性力の測定を直接行う。この目的のために、EHTのリング18を、図5に示す細胞培養皿19中のエレメント20の周りに注ぐ。そのエレメントは円柱形の形状を有し、細胞培養皿19の中央に配置され、かつ固体の、非弾性材料(テフロン)からなる。EHTの形成後、円柱形エレメント20は、上方に引き上げることによって細胞培養皿19から取り除くことができる。図6には、円柱形エレメント20を含まない細胞培養皿19を示す。ここで、2つの保持ワイヤー8および9によって、EHTを保持する(図3、5および6を参照のこと)。2つの保持ワイヤー8および9が存在するにもかかわらず、円柱形エレメント20の外形が滑らかな円柱形壁に一致するように、円柱形エレメント20中の2つのくぼみにEHTを注ぎ、かつ成長させる際に、保持ワイヤー8および9を配置する。
【0061】
図5には、それを用いてEHTにより発生する収縮の力を測定することができるユニットを示す。このユニットは、保持ワイヤーの中央領域8aに配置され、かつケーブル接続22および図示されていない増幅器を介して、同様に図示されていない記録ユニットに接続されたストレインゲージ21を有する。保持ワイヤー8は、軟質部分(中央領域8a)により共に連結されている、安定な(硬質の)下方および上方領域8b、8cを有する。保持ワイヤー8の軟質中央部分8aは、永久軟質材料(本ケースでは、永久的に軟質なばね鋼)と、ステンレス鋼の保持ワイヤー8の安定な(硬質の)上方および下方セクション8b、8cとからなる。ストレインゲージ21は、保持ワイヤーの軟質中央部分8aに接続され、細胞の収縮によって生じる、保持ワイヤーの軟質部分の屈曲を記録する。
【0062】
図5の参照番号23は、伸張ロッド24a上にある、保持ワイヤーのための留め具を示す。この仕組みの場合には、EHTの収縮力を直接決定することが可能である。以前は必要であったように(DE 915 00 498 A1を参照のこと)、EHTを培養皿から取り出し、測定のために器官浴中にそれを移動する必要なく、EHTが作製される。
【0063】
本発明のこの実施形態をマルチウェルプレート形状で設計することもまた可能なように、図5に示す複数の細胞培養皿を直列に、かつ/または並列に配置することができる。この場合にもまた、24(4×6)個またはその倍数個の細胞培養皿が、並列および直列に配置されることが好ましい。
【0064】
既に上述のように、図5には、細胞培養皿19中の円柱形エレメント20の周りにEHTリング18を注いだ後の状況を示す。次いで、EHTを数日間(約3〜4日間)成熟させることができる。この後、図6から明らかなように、円柱形エレメント20を取り外し、次いでEHTリングを保持ワイヤーによって内側に保持する。次いで、図3に示すように、並行に配置された2つの領域7aを有するEHTリング7が、長い楕円形として伸張するのに十分に、2つの保持ワイヤーは互いに間隔があけられている。この位置において、EHTにより生じる力を、保持ワイヤー8を屈曲することによって直接測定することが可能である(記載の実施例では、保持ワイヤー8によって、上述のように力を測定する)。この目的のために、増幅器測定ブリッジ(図示せず)を介して記録機器(パーソナルコンピューター、同様に図示せず)に連結されるストレインゲージに、保持ワイヤー8をその中央の軟質領域8aで接続する。このように、軟質領域8aによって、個々のEHTについて力の測定を行うことが可能となる。
【0065】
最適な仕事率(power yields)を得るために、その収縮力を測定する前に、EHTを予め伸張させることが必要である。対応する伸張モーターを図7に示す。近年、EHTの慢性的な伸張により、個々の心筋細胞の組織発生が著しく増大し、サイズが増大し、かつ予め伸張されていないEHTの収縮力の3〜5倍まで収縮力が増大することが明らかとなってきた。したがって、EHTを成熟させた直後には、力の測定を直接行わないことがさらに好ましい。予備伸張の有利な効果は、わずか約24時間後に現れる。7日間を超えて続く予備伸張は、収縮力のさらなる増大とは実質的に関係ないため、予備伸張は通常、約1〜約7日間の期間で行われる。予備伸張の程度は、最初の長さに対して約3〜約20%の範囲であるほうがよく、約10%の予備伸張が特に好ましい。
【0066】
電動式予備伸張が好ましい。EHTを注ぎ、電動式に予備伸張する状態では、保持ワイヤー8および9がそれに取り付けられる伸張ロッド24a、24bは、低位置にある。力を測定する状態では、軟質部分8aで保持ワイヤー8がそれに取り付けられる伸張ロッド24aは、高い状態にあり(図8)、そこに、保持ワイヤーの上部安定(硬質)部分8cが予備ロッド24aに取り付けられ、軟質(中央)部分8aは自由に移動できる。
【0067】
図7に示す状態(伸張ロッド24aが低位置にある)では、EHTを所望の期間(ラットEHTの場合には通常、1〜7日間)にわたり伸張することができる。この段階において、伸張ロッド24aは、保持ワイヤー8の軟質部分8aの下に連結するように低位置のままであり、このため、保持ワイヤーの軟質部分に力が作用しない。図8において、伸張ロッド24aは、保持ワイヤー8の軟質部分8aより上に上げられており、その結果、保持ワイヤーの軟質部分がゆるめられ、EHTにより生じた力を後者により測定することができる(ストレインゲージ21で軟質部分8aを屈曲する)。原則的に、伸張段階(ロッド24aを下へ伸張する)と測定段階(ロッド24を上で伸張する)との間で前後に、所望の回数変更することが可能である。試験物質、ウイルス、オリゴヌクレオチド等の適用を、どちらの段階でも行うことができる。
【0068】
マルチウェルプレートの場合には、十分な記録容量が利用可能である限り、個々のすべての培養皿中で(つまり、すべてのチャネルで)力の測定を同時に行うことが可能である。記憶容量が低いか、または技術の複雑性を低減することを意図する場合には、一部のチャネル(例えば4〜8)のみを同時に測定することも常に可能であり、適切なソフトウェアによって、完全なマルチウェルプレートの個々のチャネル間で切り替えることが可能である。これによって、特定のギャップで、すべてのチャネルを所望の期間にわたり連続して記録することが可能となる。
【0069】
図9には再度、保持ワイヤー8を詳細に示す。保持ワイヤー8は低い領域でピンと伸びており、すべりを防ぐために固定手段26が設けられている。保持ワイヤー8は、ストレインゲージ21が配置されている保持ワイヤー領域で軟質である。そのセクションを介して増幅器および記録ユニットへのケーブル接続22が延びる、ピンと伸びたセクションは、再度軟質セクションを超えて続く。
【0070】
実施例1
具体的には、ウェブスター(Webster)KA、ディッシェ(Discher)DJ、ビショプリック(Bishopric)NHにより、Induction and nuclear accumulation of fos and jun proto−oncogens in hypoxic cardiac myocytes, J Biol Chem 268:16852−16858,1993年に記述されている方法の修正形態によって、生後0〜3日の新生仔ラット(個体動物合計2560匹)の心臓から心筋細胞を得た。10%ウシ胎児血清中でその細胞を1〜2時間、予めプレーティングし、非付着細胞をピペッティングし、培地(ダルベッコ改変基本最少培地(DMEM)、10%ウマ血清、2%ニワトリ胎仔抽出物、ストレプトマイシン100μg/mlおよびペニシリンG100U/ml)中に懸濁した。EHTを注ぐ細胞密度は10×10細胞数/mlであった。主要な技術は既に、エシェンハーゲン(Eschenhagen)T、フィンク(Fink)C、ショルツ(Scholz)H、ワットヒョウ(Wattchow)J、ウェイル(Weil)、チンメルマン(Zimmermann)H、ドーメン(Dohmen)HH、シェーファー(Schafer)H、ビショプリック(Bishopric)N、ワカツキ(Wakatsuki)T、エルソン(Elson)EL著, Three−dimensional reconstitution of embryonic cardiomyocytes in a collagen matrix, 1997: A new heart muscle system. FASEB J 11:683−694に記述されている。
【0071】
ラットのEHTを培養するのに適切な条件を定義可能にするために、以下のパラメータを調べた:
(1)細胞単離法(トリプシン、様々なコラゲナーゼの種類、ディスパーゼ)
(2)細胞密度(0.8 〜1.3 × 10/EHT)
(3)コラーゲン濃度(0.8 〜1.3 mg/ml)
(4)Engelbreth−Holm−Swarm腫瘍からの細胞外マトリックス(Harbor Bio−Products社,Tebu,フランクフルト(FRG);これ以降マトリゲルと呼ぶ)およびニワトリ胎仔および/または哺乳類からの血清補体による、細胞/コラーゲン再構成混合物の交換
【0072】
細胞/コラーゲン混合物原液を8EHTの標準法により調製し、注ぐまで氷の上に保存した。I型コラーゲン(ラット尾部からの;0.1%酢酸中に3.6mg/ml;Upstate Biotechnology社、ニューヨーク州レークプラシッド)1.33mlを、2×濃縮培地(2×DMEM、20%ウマ血清、4%ニワトリ胎仔抽出物、ストレプトマイシン200μg/ml、およびペニシリンG200U/ml)1.33mlと混合し、0.1M NaOH182μlで中和した。マトリゲル0.48mlをこの混合物に添加し、総細胞数15×10に相当する細胞懸濁液1.48mlを混合物に添加した。
【0073】
細胞/コラーゲン混合物1mlを、直径15mmの細胞培養皿(デルリン)中で振とうした。その皿の中央に配置された円柱形エレメントは直径5mmを有し、ねじを用いることによって、細胞培養皿の底部に固定することができた。次いで、その混合物を、ゼラチン状固形物になるまで、37℃で60分間インキュベートした。次いで、培地20mlを添加した。さらに一晩インキュベートした後、その培地を交換し、次いで毎日交換した。
【0074】
さらなる調査によって、マトリゲルの添加が、自発的かつ一貫的に拍動するラットEHTの形成をもたらし、この効果は、ニワトリ胎仔抽出物を添加することによりさらに強化されたことが明らかとなっている。これに関して、図10に、再構成混合物中のマトリゲルの次第に高くなる濃度の影響を示す。次第に高くなる濃度のマトリゲルの非存在下(0%)および存在下(再構成混合物に対して5%、10%、15%)にて、ラットEHTを作製した。9日間培養した後、等尺性力伝達ユニットを用いることによって、Lmax(生じた最大力の長さ)に調節した後に収縮の振幅(収縮の力)を決定した。マトリゲルを含まないラットEHTは、一貫的に拍動せず、したがって測定可能な収縮振幅を生じなかった。したがって、一貫的に拍動するEHTを得るために、再構成混合物にマトリゲルを添加することが必要であった。図10に示すダイアグラムから明らかなように、収縮振幅は、マトリゲル濃度が高くなるに従って増大した。このダイアグラムにおいて、収縮力は縦軸にmNで示し、再構成混合物中のマトリゲルの割合%は横軸に示す。柱の上にある星印は、標準偏差P<0.05(5%近く)を示す。柱または上記の星印に示す数は、調査した、独立したEHTに相当する。
【0075】
実施例2
この実施例では、EHTにより生じた収縮力について続けて6日間伸張した影響を記述することを意図する。
【0076】
EHTを上述のように4日間培養し、次いでモーターによって、自動伸張を6日間行った。伸張の程度は、EHTの元の長さに対して1〜20%であり、EHTの他の伸張していない群は、対照群としての目的を果たすために同一条件下で維持した。伸張ユニットの回転の振動数は1.5Hzであった。完全な装置をCOインキュベーター内で37℃に維持した。培地を毎日交換した。
【0077】
図11から明らかなように、収縮力の著しい増大は、3%を超える伸張のみで見られ、5%の伸張で最大に達する。
【0078】
実施例3
図12Aには、中央に配置された円柱形エレメント102を備える、本発明の円形細胞培養皿101を示す。テフロンから製造された細胞培養皿101は、隆起した外周領域103と、支持物質、細胞懸濁液および栄養培地の混合物を受け入れることができるくぼみ領域104とを有する。培養皿に適切な他の材料は、例えばシリコーンまたは他のプラスチックである。細胞培養皿の直径は15mmであり、中央に配置された円柱形エレメントの直径は5mmである。
【0079】
円柱形エレメント102は、固形プラスチックからなり、穴105と、その外側に開いており、かつ液体で満たされる空洞106とを含む。円柱形エレメント102の下方セクションでは、液体に不浸透性であるが弾性である管状膜107をエレメント102の周りに引き寄せ、外側に対して開いている空洞106を密封する。その弾性膜はシリコーンから製造されている。弾性膜に適切な他の材料は、例えばラテックスである。円柱形エレメント102の下方領域の矢印によって、膜107の弾性を図12Aに示す。その膜は、締付け具108によって円柱形エレメント102にしっかりと連結されている。液体は、低粘度および低密度を有する。
【0080】
参照番号109は、約8日間インキュベートした後に、細胞培養皿101中の円柱形エレメント102の周りに形成された人工環状心臓組織(EHT)を示し、その細胞培養皿は、コラーゲンと、ラット心筋懸濁液と、マトリゲルと、栄養培地との混合物で満たされている。穴105および膜107により閉じられた空洞106は、穴に適合するチューブまたは非弾性管状材料110と共に水圧系を形成する。非弾性管状材料110における矢印は、液体の流れの方向を示す。そのシステムはさらに、遮断弁11と、圧力測定装置112と、圧力生成装置113とを備える。
【0081】
圧力生成装置113は、例えば図12Bに図示する水圧ポンプであることが可能である。その水素発生装置113は、モーター201と、力伝達ユニット202と、回転ローラーシステム203と、軟質管状材料204と、アバットメント205と、その端に閉鎖(closure)207が設けられている非弾性管状材料206とを有する。非弾性管状材料の代わりにチューブを使用することもまた可能である。図12Bのカーブした矢印は、ローラーシステム203の回転の方向を示す。
【0082】
そのシステム(モデル)は以下の方法で機能する。管状材料系110の流出(図12Aの左側に図示される)アームの遮断弁111が閉じており、一方右のアームの弁が開いている場合には、圧力生成装置113によって、水圧系において、圧力を生成することが可能であり、膜107の拡張が引き起こされ、その結果空洞107の液体密着閉鎖が形成される。したがって、筋肉リング109は、律動的な圧力生成によって過度に伸張することができる。
【0083】
流入(図12Aの右側に図示される)アームの遮断弁111が閉じており、流出(右)アームの弁が開いている場合には、収縮する筋肉リング(EHT)109の力を、空洞106の容積の減少によって、圧力測定装置112中で定量的に測定することが可能である。
【0084】
このように、このシステム(モデル)は、1つのかつ同一の装置で注入チャンバから、過度伸張もしくは測定用チャンバに筋肉リングを移動する必要なく、筋肉リングの作製および過度の伸張と、力の測定とを行うことができる。
【0085】
筋肉リングが2つのフック間で楕円形としてピンと伸び、かつその結果、筋肉リングの端に位置する細胞が伸張するか、または過度伸張/測定の方向に、垂直に収縮する配置とは異なり、筋肉リングの完全に環状の配置によって、各細胞を伸張し、かつリングの容積の減少をもたらすことが可能である。したがって、得られた筋肉リングはさらに均質であり、その結果、天然の筋肉を反映する傾向がある。従来の装置と比較すると、第一に、リング中のさらに多くの(理想的なケースではすべての)細胞の収縮を測定することが可能であり、第二に、測定方向に対して垂直に収縮する細胞の収縮を測定することが可能であり、このため好ましくない変動が生じるのを避けることができるため、この力の測定はより正確である。
【0086】
本発明の配置は小型化することが可能であり、複数の配置を、例えば24ウェルもしくは48ウェル細胞培養皿中で組み合わせることができる。かかる配置を平行に連結することによって、または直列に連結することによって、測定信号を平均すること、かつ/または増幅することが可能である。
【0087】
特定の実施形態において、膜107は、収縮の際、力に比例し、その結果電極を用いることによって測定することができる電圧を誘導するピエゾフィルムであることが可能である。この種類の力の測定は、水圧による測定と比較して、感度および慣性に関して利点を有する。
【0088】
他の可能性は完全に、電極によって印加し、かつ測定することが可能な、加えた電圧の関数として変化する筋肉体(body)を、空洞106の代わりに配置することによって、変化する水圧システムを交換することである。筋肉リングの過度伸張は、筋肉リングの方向に筋肉体の拡張を引き起こす電圧を律動的に印加することによって生じる。次に、容積の減少によって誘導される電圧を測定することによって、力の測定が行われる。この種類のシステムはさらに小型化することが可能であり、現在使用されているシステムよりも製造するのが簡単であり、かつ再使用するのに優れている。
【0089】
筋肉細胞を電気的に収縮させるのに使用することができる電極114をさらに取り付けることが可能である。心筋細胞の場合には、筋肉リングを成熟させるために、機械的過度伸張の代わりに、例えば電気刺激を用いることができる。心筋細胞と異なり、骨格筋細胞および平滑筋細胞は、自発的に収縮しないため、筋肉リングを成熟させるため、かつ収縮を誘導するために、電気刺激を用いることができる。次いで、上述のように、力の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】その中に配置されたエレメントを備える、本発明の細胞培養皿を示す図である。
【図2】図1に示す本発明の細胞培養皿を複数含む、さらに大きい皿ユニットを示す図である。
【図3】図1に示す細胞培養皿を用いて得られた、環状人工3次元心臓組織(EHT)を示す図である。
【図4】力を測定するための装置を有する、本発明のマルチウェルプレートの実施形態の断面図である。
【図5】EHTを注いだ瞬間に示される、収縮の力を測定する装置を備える本発明の細胞培養皿の他の実施形態の断面図である。
【図6】プレースホルダーを除去した後の、図5に示す本発明の細胞培養皿を示す図である。
【図7】EHTを伸張する電動式ユニットを備える、図5に示す本発明の細胞培養皿を示す図である。
【図8】EHTの収縮力を測定するユニットを備える、図5に示す本発明の細胞培養皿を示す図である。
【図9】図8に使用された、収縮力を測定するユニットを示す図である。
【図10】再構成混合物中のマトリゲル濃度へのラットEHT形成の依存性を明らかにする図である。
【図11】EHTの予備伸張への、EHTの収縮力の依存性を示す図である。
【図12】図12Aは、筋肉体の等尺性力パラメータを測定する装置を備える、3次元環状筋肉体を作製するのに用いる複合装置の実施形態の断面図である。図12Bは、圧力を発生させる装置の断面図である。

Claims (93)

  1. 支持物質およびその中に組み込まれた細胞培養物から3次元環状筋肉体を作製する装置であって、前記装置が以下の構成要素:
    a)細胞培養皿(1;19;101)と、
    b)前記細胞培養皿中に配置される少なくとも1つのエレメント(2;20;102)と、により特徴づけられる装置。
  2. 前記細胞培養皿(1;19;101)の中央に配置される、わずか1つのエレメント(2;20;102)が存在することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 前記エレメント(2;20;102)を、前記細胞培養皿(1;19;101)から取り出すことができることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
  4. 細胞培養皿(1;19;101)中に配置される少なくとも1つのエレメント(2;20;102)を、細胞培養皿の底部に固定することができることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
  5. 前記の少なくとも1つのエレメント(2;20;102)が、それによって、ねじを受け入れるユニットの内側および外側へ前記エレメントを取り付けることが可能なねじを有し、かつ前記細胞培養皿(1;19;101)の底部に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
  6. 前記の少なくとも1つのエレメント(2;20;102)を、細胞培養皿(1;19;101)底部のくぼみ中に差し込むことができることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
  7. 前記細胞培養皿(1;19;101)に配置されるエレメント(2;20;102)が、細胞培養皿(1;19;101)の一体形構成要素であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の装置。
  8. 前記エレメント(2;20;102)の高さEが、前記細胞培養皿(1;19;101)中の液体の高さFよりも高いことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記エレメント(2;20;102)の高さEが、前記細胞培養皿(1;19;101)の外周高さRよりも高いことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記細胞培養皿(1;19;101)中に配置される、前記の少なくとも1つのエレメント(2;20;102)が、円柱形に設計されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記の少なくとも1つのエレメント(2;20;102)が、永久軟質材料から作製されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記の永久軟質材料が、ラテックスまたはシリコーンであることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
  13. 前記の少なくとも1つのエレメント(2;20;102)が、固体の非弾性材料から構成されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記固体の非弾性材料が、テフロンまたはデルリンであることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
  15. 円柱形に設計された前記エレメント(2;20;102)の直径が、3〜8mmであることを特徴とする、請求項10から14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 円柱形に設計された前記エレメント(2;20;102)の直径が、5mmであることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  17. 前記細胞培養皿(1;19;101)が円形であることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記細胞培養皿(1;19;101)の直径が、10〜20mmであることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
  19. 前記細胞培養皿(1;19;101)の直径が、15mmであることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
  20. 前記細胞培養皿(1;19;101)が、楕円形に設計されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記楕円形細胞培養皿(1;19;101)の長軸が10〜30mmであり、かつ前記楕円形細胞培養皿(1;19;101)の短軸が5〜20mmである(但し、長軸が常に、短軸よりも長い)ことを特徴とする、請求項20に記載の装置。
  22. 前記楕円形細胞培養皿(1;19;101)の長軸が25mmであり、かつ/または前記楕円形細胞培養皿(1;19;101)の短軸が15mmであることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
  23. 前記支持物質が、コラーゲンであることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記の組み込まれた細胞培養物が、筋肉細胞またはin vitroで筋肉細胞に分化することが可能な幹細胞を含有することを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記筋肉細胞が、心筋細胞またはin vitroで心筋細胞に分化することが可能な幹細胞であることを特徴とする、請求項24に記載の装置。
  26. 前記心筋細胞が、哺乳類心筋細胞、特にラットまたはマウス心筋細胞であることを特徴とする、請求項25に記載の装置。
  27. 支持物質およびその中に組み込まれた支持培養物から、複数の3次元環状筋肉体を作製するためのマルチウェルプレートであって、並列および/または直列に配置された、請求項1から26のいずれか一項に記載の複数の装置を有することを特徴とするマルチウェルプレート。
  28. 24個またはその倍数個の装置が、並列に配置されることを特徴とする、請求項27に記載のマルチウェルプレート。
  29. Engelbreth−Holm−Swarm腫瘍からの細胞外マトリックス(マトリゲル)を含有することを特徴とする、支持物質中で哺乳類心筋細胞を培養するための溶液。
  30. 前記溶液が、マトリゲルを少なくとも5容積%含有することを特徴とする、請求項29に記載の溶液。
  31. 前記溶液が、マトリゲルを少なくとも5〜15容積%含有することを特徴とする、請求項30に記載の溶液。
  32. 前記溶液が、マトリゲルを少なくとも10容積%含有することを特徴とする、請求項31に記載の溶液。
  33. 前記溶液がさらに、ダルベッコ改変基本最小培地(1×DMEM)、10%ウマ血清、2%ニワトリ胎仔抽出物、ストレプトマイシン100μg/mlおよびペニシリンG100U/mlを含有することを特徴とする、請求項29から32のいずれか一項に記載の溶液。
  34. 前記哺乳類心筋細胞が、ラット心筋細胞であることを特徴とする、請求項29から33のいずれか一項に記載の溶液。
  35. 支持物質溶液と、細胞懸濁液と、Engelbreth−Holm−Swarm腫瘍の細胞外マトリックス(マトリゲル)を含有する栄養溶液とを、支持物質溶液と、細胞懸濁液と、栄養溶液との完全な混合物が、3次元人工細胞組織を作製するのに十分な濃度でマトリゲルを含有するような方法で、混合することを特徴とする、支持物質中で細胞培養物を培養する方法。
  36. 支持物質溶液と、細胞懸濁液と、栄養溶液との完全な混合物が、マトリゲルを少なくとも5容積%含有することを特徴とする、請求項35に記載の方法。
  37. 支持物質溶液と、細胞懸濁液と、栄養溶液との完全な混合物が、マトリゲルを少なくとも5〜15容積%含有することを特徴とする、請求項36に記載の方法。
  38. 支持物質溶液と、細胞懸濁液と、栄養溶液との完全な混合物が、マトリゲルを少なくとも10容積%含有することを特徴とする、請求項37に記載の方法。
  39. 前記支持物質が、コラーゲンであることを特徴とする、請求項35から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記細胞懸濁液が、心筋細胞を含有することを特徴とする、請求項35から39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記心筋細胞が、哺乳類心筋細胞であることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
  42. 前記哺乳類心筋細胞が、ラット心筋細胞であることを特徴とする、請求項41に記載の方法。
  43. 細胞培養物の等尺性力パラメータを測定する装置であって、以下の構成要素:
    a)細胞培養皿(19)と、
    b)前記細胞培養皿に配置される少なくとも1つのエレメント(20)と、
    c)圧力変換器ユニット(16;21)と、
    d)圧力変化を記録するユニットと、によって特徴づけられる装置。
  44. さらなる構成要素として、増幅器ユニットを有することを特徴とする、請求項43に記載の装置。
  45. さらなる構成要素として、伸張ユニット(24a、24b)を有することを特徴とする、請求項43または44のいずれかに記載の装置。
  46. 前記伸張ユニットが、伸張ロッドであることを特徴とする、請求項45に記載の装置。
  47. 前記圧力変換器ユニットが、ストレインゲージ(21)であることを特徴とする、請求項43から46のいずれか一項に記載の装置。
  48. 前記圧力変換器ユニットが、チップカテーテル(16)であることを特徴とする、請求項43から46のいずれか一項に記載の装置。
  49. 前記細胞培養皿(19)中に配置された少なくとも1つのエレメント(20)が、細胞培養皿の一体形構成要素であることを特徴とする、請求項43から48のいずれか一項に記載の装置。
  50. 前記細胞培養皿(19)中に配置された少なくとも1つのエレメント(20)が、円柱形に設計される、請求項43から49のいずれか一項に記載の装置。
  51. 前記の少なくとも1つのエレメント(20)が、永久軟質材料から作製される、請求項43から50のいずれか一項に記載の装置。
  52. 前記の永久軟質材料が、ラテックスまたはシリコーンであることを特徴とする、請求項51に記載の装置。
  53. 前記の少なくとも1つのエレメント(20)が、非弾性材料から作製される、請求項43から50のいずれか一項に記載の装置。
  54. 前記非弾性材料が、デルリンまたはテフロンであることを特徴とする、請求項53に記載の装置。
  55. 円柱形に設計された前記エレメント(20)の直径が、3〜8mmであることを特徴とする、請求項43から54のいずれか一項に記載の装置。
  56. 円柱形に設計された前記エレメント(20)の直径が、5mmであることを特徴とする、請求項55に記載の装置。
  57. 前記細胞培養皿(19)が、円形であることを特徴とする、請求項43から56のいずれか一項に記載の装置。
  58. 前記細胞培養皿(19)の直径が、10〜20mmであることを特徴とする、請求項57に記載の装置。
  59. 前記細胞培養皿(19)の直径が、15mmであることを特徴とする、請求項58に記載の装置。
  60. 前記細胞培養皿(19)が、楕円形に設計されることを特徴とする、請求項49から59のいずれか一項に記載の装置。
  61. 前記楕円形細胞培養皿(19)の長軸が10〜30mmであり、かつ/または前記楕円形細胞培養皿(19)の短軸が5〜20mmである(但し、長軸が常に、短軸よりも長い)ことを特徴とする、請求項60に記載の装置。
  62. 前記楕円形細胞培養皿(19)の長軸が25mmであり、かつ/または前記楕円形細胞培養皿(19)の短軸が15mmであることを特徴とする、請求項61に記載の装置。
  63. 前記細胞培養物が、支持物質中に包埋されることを特徴とする、請求項43から62のいずれか一項に記載の装置。
  64. 前記支持物質が、コラーゲンであることを特徴とする、請求項63に記載の装置。
  65. 前記細胞培養物が、筋肉細胞、特にラットまたはマウス筋肉細胞を含有することを特徴とする、請求項43から64のいずれか一項に記載の装置。
  66. 前記筋肉細胞が、心筋細胞であることを特徴とする、請求項65に記載の装置。
  67. 前記心筋細胞が、哺乳類心筋細胞であることを特徴とする、請求項66に記載の装置。
  68. 前記哺乳類心筋細胞が、ラット心筋細胞であることを特徴とする、請求項67に記載の装置。
  69. 以下の段階:
    a)細胞培養皿およびその細胞培養皿中に配置される少なくとも1つのエレメントを提供する段階;
    b)支持物質溶液および細胞懸濁液を、その中に配置されたエレメントを含む細胞培養皿中に導入する段階;
    c)栄養溶液を添加する段階であって、段階d)のインキュベーション前または後にその溶液を添加することが可能な段階;
    d)細胞培養皿の内容物が凝固するまで、段階b)またはc)に従ってチャージされた細胞培養皿をインキュベーター内でインキュベートする段階;
    e)その細胞培養皿を1日以上さらにインキュベートする段階;
    f)細胞培養皿中で凝固している、かつキャリアー物質と、細胞組織と、栄養溶液とを含有するマトリックス体を、伸張ユニットによって適切に予備伸張する段階;
    g)圧力変換器ユニットを用いて、細胞組織により発生した等尺性力を決定する段階;
    h)データ記録ユニットを用いて、発生した等尺性力を記録する段階;を含む、支持物質中に組み込まれた細胞組織の収縮の測定可能な追跡方法。
  70. 支持物質が、コラーゲンであることを特徴とする、請求項69に記載の方法。
  71. 一方では段階b)で添加される支持物質溶液と、他方では段階c)で添加される栄養溶液との比が、約1:1であることを特徴とする、請求項69または70のいずれかに記載の方法。
  72. 段階c)で添加される栄養溶液が、Engelbreth−Holm−Swarm腫瘍の細胞外マトリックス(マトリゲル)を含有することを特徴とする、請求項69から71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 支持物質と、細胞と、栄養溶液との完全な混合物が、マトリゲルを少なくとも5容積%含有することを特徴とする、請求項72に記載の方法。
  74. 前記の完全な混合物が、マトリゲルを5〜15容積%含有することを特徴とする、請求項73に記載の方法。
  75. 前記の完全な混合物が、マトリゲルを10容積%含有することを特徴とする、請求項74に記載の方法。
  76. 前記の完全な混合物がさらに、1×ダルベッコ改変基本最小培地(1×DMEM)、10%ウマ血清、2%ニワトリ胎仔抽出物、ストレプトマイシン100μg/mlおよびペニシリンG100U/mlを含有することを特徴とする、請求項69から75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記細胞組織が、筋肉組織であることを特徴とする、請求項69から76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記筋肉組織が、心筋組織であることを特徴とする、請求項77に記載の方法。
  79. 前記心筋組織が、哺乳類心筋組織であることを特徴とする、請求項78に記載の方法。
  80. 前記哺乳類心筋組織が、ラット心筋組織であることを特徴とする、請求項79に記載の方法。
  81. 段階d)のインキュベーションが、1〜2時間で行われることを特徴とする、請求項69から80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 段階d)のインキュベーションが、約37℃で行われることを特徴とする、請求項69から81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 段階e)のインキュベーションが、2〜15日、好ましくは5〜12日、特に8〜10日行われることを特徴とする、請求項69から82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 段階f)の予備伸張が、マトリックス体の元の長さに対して3〜20%に達することを特徴とする、請求項69から83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記予備伸張が、10%に達することを特徴とする、請求項84に記載の方法。
  86. 前記マトリックス体が、EHTであることを特徴とする、請求項84または85のいずれかに記載の方法。
  87. 前記予備伸張が、1〜7日間行われることを特徴とする、請求項項69から86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記予備伸張が、4〜6日間行われることを特徴とする、請求項87に記載の方法。
  89. 支持物質溶液と栄養溶液との混合物を調製し、その混合物を中和し、その混合物にEngelbreth−Holm−Swarm腫瘍からの細胞外マトリックス(マトリゲル)と筋肉細胞懸濁液とを添加し、続いて、人工3次元筋肉組織が生成するような条件下にて、その混合物をインキュベートすることによって得られる、支持物質および筋肉細胞を含有する、人工的に作製された3次元筋肉組織。
  90. 前記筋肉組織が、哺乳類筋肉組織であることを特徴とする、請求項89に記載の人工的に作製された3次元筋肉組織。
  91. 前記筋肉組織が、心筋組織であることを特徴とする、請求項89または90のいずれかに記載の人工的に作製された3次元筋肉組織。
  92. 疾患のある筋肉組織を補助するための、請求項89から91のいずれか一項に記載の人工的に作製された3次元筋肉組織の使用。
  93. 疾患のある筋肉組織を交換するための、請求項89から91のいずれか一項に記載の人工的に作製された3次元筋肉組織の使用。
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