JP2004364460A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ12の回転角θに応じた信号を出力するレゾルバ44と、レゾルバ44の出力信号をA/D変換するA/D変換部54と、A/D変換部54でA/D変換された結果得られるディジタル値に基づいて回転角θを演算する演算部56と、を設け、演算部56で演算・検出される回転角θに従ってインバータ回路26を所定のスイッチング周期でスイッチングし、モータ12を駆動する。この際、A/D変換部54においてレゾルバ出力をA/Dサンプリングするサンプリング周期T2と、インバータ回路26におけるスイッチングのスイッチング周期T1とを同調させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ制御装置に係り、特に、レゾルバを用いて回転角を検出し、その回転角に従ってインバータ回路によりモータをスイッチング駆動するモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レゾルバを用いてモータの回転角を検出し、その回転角に従ってインバータ回路によりモータをスイッチング駆動するモータ制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。レゾルバは、モータの回転角に応じたアナログ信号を出力する。上記従来のモータ制御装置においては、レゾルバの出力信号がアナログからディジタルにA/D変換され、そのA/D変換された値に基づいてモータの回転角が検出される。そして、検出された回転角に基づいて最適な電流がモータに供給されるようにインバータがスイッチング駆動され、モータの駆動が行われる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−8482号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インバータは一般にスイッチングノイズを発生するため、レゾルバの出力信号にインバータのスイッチングノイズが重畳することがある。かかるノイズの重畳が生ずる状況において、レゾルバ出力のA/D変換を行うサンプリングがインバータのスイッチング周期と無関係に行われるものとすると、そのサンプリング値に対してノイズの影響が現れ易くなる。このため、かかる構成では、モータの検出回転角と実際の回転角との間に誤差が生じ、モータ回転角を正確に検出することができず、その結果として、モータ制御の精度が低下する不都合が生ずる。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、レゾルバ出力にインバータ回路のスイッチングによるノイズが重畳する場合にも、そのレゾルバの出力信号に基づくモータ回転角の検出を精度よく行うことが可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、モータの回転角に応じたアナログ信号を出力するレゾルバと、該レゾルバの出力信号をA/D変換するA/D変換部と、該A/D変換部でA/D変換された値に基づいて前記回転角を検出する回転角検出手段と、該回転角検出手段で検出された前記回転角に基づいて前記モータを駆動すべくスイッチングされるインバータ回路と、を備えるモータ制御装置であって、
前記A/D変換部におけるA/D変換のサンプリング周期と前記インバータ回路におけるスイッチングのスイッチング周期とを同調させたモータ制御装置により達成される。
【0007】
本発明において、A/D変換部におけるレゾルバ出力のA/D変換のサンプリング周期とインバータ回路におけるスイッチングのスイッチング周期とは同調される。インバータ回路は、そのスイッチング周期でノイズを発生する。従って、A/D変換のサンプリング周期をインバータ回路のスイッチング周期に一致或いはその整数倍にすることとすれば、レゾルバ出力にインバータ回路のスイッチングによるノイズが重畳する状況において、そのレゾルバ出力のA/Dサンプリングがそのノイズ重畳部分について行われた場合にも、次回のA/Dサンプリングもノイズ重畳部分について行われ、その状態が継続することとなる。インバータ回路によるスイッチングノイズの大きさは各タイミングでほぼ一致する。このため、モータの回転角を検出するうえで、レゾルバ出力に重畳するインバータ回路によるスイッチングノイズの影響は除去される。従って、本発明によれば、レゾルバ出力にインバータ回路のスイッチングノイズが重畳する場合にも、そのレゾルバの出力信号に基づいてモータの回転角を正確に検出することができる。
【0008】
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載のモータ制御装置において、前記サンプリング周期が前記スイッチング周期の整数倍であることとすればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例であるモータ制御装置10のシステム構成図である。本実施例のモータ制御装置10は、車両を運転する運転者のステアリング操作負担を軽減すべく、モータを用いて電気的に操舵に必要な操舵トルクをアシストする電動パワーステアリング装置に採用される装置である。
【0010】
モータ制御装置10は、モータ12を備えている。モータ12は、三相交流のブラシレスモータである。モータ12は、ステアリング装置のラック14を覆う車体側のハウジングに固定されたステータ16と、ラック14に係合しハウジングにベアリングを介して回転可能に支持されたロータ18と、を有している。ステータ16は、コイルとコアとにより構成されている。また、ロータ18には、マグネットが取り付けられている。ステアリング装置のラック14は、運転者のステアリング操作によるステアリングシャフト19の回転以外に、ステータ16の励磁によるロータ18の回転により車幅方向に沿って長手方向に変位する。すなわち、モータ12は、その回転駆動によりラック14を車幅方向に沿って変位させるアシストトルクを発生し、車輪を転舵させるうえでの運転者のステアリング操作をアシストする。
【0011】
モータ制御装置10は、また、モータ12の駆動を制御する電子制御ユニット(以下、ECUと称す)20を備えている。ステアリングシャフト19には、トルクセンサ22が配設されている。トルクセンサ22は、運転者によるステアリング操作によりステアリングホイールに加わる操舵トルクに応じた信号を出力する。トルクセンサ22の出力信号は、ECU20に供給されている。ECU20は、トルクセンサ22の出力信号に基づいてステアリングホイールに加わる操舵トルクを検出する。
【0012】
図2は、本実施例においてモータ12を駆動する駆動回路の構成図を示す。ECU20は、バッテリ24を電源としてモータ12のU相,V相,W相の各相に電力を供給するインバータ回路26を有している。インバータ回路26は、モータ12の各相にそれぞれ対応して、電源側に接続されるパワースイッチング素子30と接地側に接続されるパワースイッチング素子32とを直列接続した構成を有している。インバータ回路26の合計6個のスイッチング素子は、それぞれ例えばMOS型のトランジスタであり、三相ブリッジの構成により接続されている。
【0013】
インバータ回路26の各パワースイッチング素子はそれぞれ、ECU20の有する後述のPWM指令部の指令に従って所定のスイッチング周期T1でPWM駆動され、モータ12に電圧を印加する。一対の電源側パワースイッチング素子30と接地側パワースイッチング素子32とは、所定のスイッチング周期T1で交互にオンされる。モータ各相において、電源側のパワースイッチング素子30がオンされかつ接地側のパワースイッチング素子32がオフされると、インバータ回路26の電源側からモータ12へ向けて電流が流れる。また、電源側のパワースイッチング素子30がオンされかつ接地側のパワースイッチング素子32がオフされると、モータ12からインバータ回路26の接地側へ向けて電流が流れる。インバータ回路26は、モータ12に流れる電流がモータ12の回転角(電気角)θに対して正弦波状となるようにオン・オフ(スイッチング)される。尚、パワースイッチング素子30,32は、各相間において互いに120°ずつ位相がずれてオン・オフされる。
【0014】
図1に示す如く、ECU20は、また、電流検出回路38〜42を有している。電流検出回路38〜42は、モータ12の各相に対応してインバータ回路26とモータ12のU相,V相,W相との間の電流経路に設けられている。電流検出回路38〜42はそれぞれ、自己の相に実際に流れる電流量、すなわち、インバータ回路26とモータ12との間に流れる電流量iu,iv,iwに応じた信号を出力する。
【0015】
図3は、本実施例においてモータ12の回転角θを検出するために設けられたレゾルバの原理構成図を示す。モータ12には、モータ12の回転角を検出するための回転角センサとして機能するレゾルバ44が配設されている。レゾルバ44は、モータ12のステータ16に設けられた一次巻線46と、ロータ18に設けられた2個の二次巻線48,50と、を有している。二次巻線48と50とは、互いに90°だけ位相がずれて配置されている。一次巻線46には、sinωtの励磁信号が入力される。また、二次巻線48,50からは、互いに90°だけ位相のずれた、モータ12の回転角θに応じて振幅変調されたA0・sinωt・sinθの信号およびA0・sinωt・cosθの信号が出力される。すなわち、レゾルバ44は、モータ12におけるステータ16に対するロータ18の回転角θに応じた正弦波状のアナログ信号を出力する。
【0016】
レゾルバ44には、ECU20の有する回転角検出部52が接続されている。回転角検出部52には、レゾルバ44の出力信号A0・sinωt・sinθ及びA0・sinωt・cosθがそれぞれ供給される。回転角検出部52は、レゾルバ44の出力信号をそれぞれアナログからディジタルへ変換するA/D変換部54と、A/D変換部54でA/D変換された結果得られたディジタル値に基づいてモータ12の回転角θを演算する演算部56と、を有している。
【0017】
A/D変換部54は、レゾルバ44の出力信号を所定のサンプリング周期T2でサンプリングする。このA/D変換のサンプリング周期T2は、インバータ回路26のスイッチング周期T1に同調している(T2=B・T1;但し、Bは“1”以上の整数値)。演算部56は、A/D変換部54でA/D変換されたディジタル値から振幅A0・sinθ及び振幅A0・cosθを求めて、振幅A0・sinθの大きさと振幅A0・cosθの大きさとの関係からモータ12の回転角θを演算する。
【0018】
図1に示す如く、電流検出回路38〜42及び回転角検出部52には、三相−二相変換回路58が接続されている。三相−二相変換回路58には、電流検出回路38〜42の各出力信号及び回転角検出部52の演算部56の出力信号が供給される。三相−二相変換回路58は、三相モータ12の制御方式の簡素化を図るべく、供給されるモータ12の三相の電流iu,iv,iwを、そのモータ12の回転角θに応じた互いに直交する二相のd軸電流(磁化電流)id及びq軸電流(トルク電流)iqに座標変換(dq変換)する処理を実行する。
【0019】
ECU20は、アシスト電流演算部59を有している。アシスト電流演算部59には、トルクセンサ22から運転者のステアリング操作による操舵トルクの情報が供給される。アシスト電流演算部59は、トルクセンサ22を用いて検出される操舵トルクに基づいて、その操舵トルクに応じたラック14に付与すべきアシストトルクを演算し、そのアシスト力をラック14に付与するのに必要なモータ12に供給すべき目標のq軸電流iq*及び目標のd軸電流id*を演算する。
【0020】
アシスト電流演算部59及び三相−二相変換回路58には、電流フィードバック演算部60が接続されている。アシスト電流演算部59の出力信号及び三相−二相変換回路59の出力信号は共に、電流フィードバック演算部60に供給される。電流フィードバック演算部60は、q軸電流の目標値と実値との偏差(iq*−iq)およびd軸電流の目標値と実値との偏差(id*−id)に基づいて、モータ12の各相に流れる電流量を目標アシスト電流量に一致させるために必要なモータ12に印加すべき二相の電圧指令値Vq*及びVd*を演算する。
【0021】
電流フィードバック演算部60及び回転角検出部52には、二相−三相変換回路62が接続されている。電流フィードバック演算部60によるq軸電圧指令値Vq*の情報及びd軸電圧指令値Vd*の情報並びに回転角検出部52の演算部56によるモータ回転角θの情報は、二相−三相変換回路62に供給される。二相−三相変換回路62は、供給されたモータ12に印加すべき電圧指令値Vq*及びVd*を、そのモータ12の回転角θに応じた三相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に座標変換(dq逆変換)する処理を実行する。
【0022】
二相−三相変換回路62には、PWM指令部64が接続されている。二相−三相変換回路52の変換した結果得られた三相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*は、PWM指令部64に供給される。PWM指令部64は、供給された二相−三相変換回路62による三相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*がモータ12に実際に印加されるようにインバータ回路26の各パワースイッチング素子30,32を所定のスイッチング周期T1でPWM駆動する。かかるPWM駆動が行われると、モータ12に所定の電圧が印加され、モータ12の各相に所望のアシスト電流が流れる。
【0023】
かかるモータ制御装置10において、運転者によりステアリングホイールが操作されると、その操舵トルクに応じたアシストトルクがラック14に付与されるようにモータ12が駆動される。この際、モータ12の駆動は、操舵トルクが大きいほど大きなアシストトルクが発生するように行われる。従って、本実施例のステアリング装置によれば、モータ12を用いて運転者によるステアリング操作の負担を軽減することができる。
【0024】
ところで、インバータ回路26からはそのスイッチング周期T1でスイッチングノイズが発生する。このスイッチングノイズは、レゾルバ44の出力信号に重畳することがある。
【0025】
図4は、スイッチング周期T1とサンプリング周期T2とが同調していない構成においてインバータ回路26によるスイッチングノイズがレゾルバ44の出力信号に重畳する様子を表した図を示す。尚、図4(A)にはインバータ回路26に印加される電圧波形を、また、図4(B)にはレゾルバ44の出力波形を、それぞれ示す。
【0026】
ECU20の有するA/D変換部54におけるレゾルバ44の出力信号のサンプリング周期T2とインバータ回路26におけるスイッチング周期T1とが同調しておらず、レゾルバ出力のサンプリングがインバータ回路26のスイッチングと全く無関係に行われる構成では、レゾルバ出力のサンプリング値に対してスイッチングノイズの影響が現れ易くなる。すなわち、かかる構成においても、モータ12の回転角θを検出するうえではレゾルバ44による正弦波信号の振幅H0を算出することが必要であるが、この構成では、サンプリング周期T2とスイッチング周期T1とがずれているために、図4に示す如く、レゾルバ出力のA/Dサンプリングがインバータ回路26によるスイッチングノイズの重畳している部分について行われた直後や直前に、そのスイッチングノイズの重畳していない部分について行われる事態が生じ、その結果として、レゾルバ44による正弦波信号の振幅として算出される振幅H1が正規の振幅H0にスイッチングノイズによる誤差分を重畳したものとなり、誤った振幅が算出されるおそれがある。
【0027】
このようにレゾルバ44による振幅が誤って算出されると、回転角検出部52の演算部56で演算されるモータ12の検出回転角が実際の回転角との間で誤差を含むものとなり、モータ12の回転角θを正確に検出することができなくなる。この点、上記の如くサンプリング周期T2とスイッチング周期T1とが同調していない構成では、モータ12を制御する精度が低下し、モータ12の回転角θに対して適正な電流をモータ12に供給することができなくなり、モータ12のトルクリップルや軸振動が生じ、運転者のステアリング操作に対する操舵フィーリングが悪化する不都合が生ずる。
【0028】
そこで、本実施例のモータ制御装置10は、レゾルバ44の出力信号にインバータ回路26のスイッチングによるノイズが重畳する場合にも、そのスイッチングノイズの影響を除去してレゾルバ出力の振幅を正確に算出し、モータ12の回転角θの検出を精度よく行う点に特徴を有している。以下、図5を参照して、本実施例の特徴点について説明する。
【0029】
図5は、本実施例においてインバータ回路26によるスイッチングノイズがレゾルバ44の出力信号に重畳する様子を表した図を示す。尚、図4(A)にはインバータ回路26に印加される電圧波形を、また、図4(B)にはレゾルバ44の出力波形を、それぞれ示す。
【0030】
本実施例のモータ制御装置10において、インバータ回路26は、スイッチング周期T1でスイッチングされている。このため、レゾルバ44の出力信号には、インバータ回路26のスイッチング周期T1に同期してノイズが重畳する。一方、回転角検出部52のA/D変換部54は、レゾルバ44の出力信号をサンプリング周期T2でA/Dサンプリングする。このサンプリング周期T2は、上記したインバータ回路26のスイッチング周期T1に同調し、そのスイッチング周期T1の整数倍である(T2=B・T1)。尚、図5には、サンプリング周期T2がスイッチング周期T1に一致している場合を示している。
【0031】
例えば、仮にレゾルバ44の出力する正弦波の波形が周波数100Hz(周期10msec)であるものとすると、その正弦波を数学的に復元するためには、サンプリング定理に従って、回転角検出部52のA/D変換部54におけるA/Dサンプリングの周波数を200Hz以上、好ましくは、400Hzに設定すること、すなわち、そのサンプリング周期T2を5ms以下、好ましくは、2.5msに設定することが必要であるが、サンプリング周波数が400Hzに設定される場合には、インバータ回路25におけるスイッチングのスイッチング周波数が400Hz若しくは800Hz,1200Hzに、すなわち、そのスイッチング周期T1を2.5ms若しくは1.25ms,0.833msに設定される。
【0032】
かかる構成においては、図5に示す如く、A/D変換部54におけるレゾルバ出力のサンプリングが、レゾルバ出力の、インバータ回路26のスイッチングによるノイズが重畳されている部分について行われる際は、その前後におけるサンプリングもレゾルバ出力のスイッチングノイズ重畳部分について行われることとなり、かかるノイズ重畳部分におけるサンプリングが繰り返し実行される。また、レゾルバ44の出力信号に重畳されるスイッチングノイズの大きさは各タイミングで互いにほぼ一致する。
【0033】
このため、本実施例において、レゾルバ出力のサンプリングがインバータ回路26によるスイッチングノイズが重畳した部分について行われる際は、そのサンプリング値がすべてスイッチングノイズの重畳したものとなり、レゾルバ44の出力波形の振幅として算出される振幅H1が正規の振幅H0にほぼ一致することとなる。この場合には、モータ12の検出回転角と実際の回転角との間に生ずる誤差はほとんどなく、回転角検出部52の演算部56においてモータ12の回転角θを検出するうえで、レゾルバ出力に重畳するインバータ回路26によるスイッチングノイズの影響は除去される。すなわち、レゾルバ44の出力信号にインバータ回路26によるスイッチングノイズが重畳する場合にも、そのレゾルバ出力に基づいてモータ12の回転角θを正確にかつ精度よく検出することが可能となる。
【0034】
このため、本実施例のモータ制御装置10においては、レゾルバ出力のA/D変換に係るサンプリング周期T2とインバータ回路26のスイッチングに係るスイッチング周期T1とを同調させることによって、モータ12の回転角θに応じたモータ制御の精度を向上させることができる。すなわち、モータ12の回転角θに対して適正な電流をモータ12に供給することができ、モータ12のトルクリップルや軸振動を抑制することができ、その結果として、運転者のステアリング操作に対する操舵フィーリングを良好なものとすることができる。
【0035】
尚、上記の実施例においては、回転角検出部52の演算部56が特許請求の範囲に記載した「回転角検出手段」に相当している。
【0036】
ところで、上記の実施例においては、電流検出を行うモータ12を三相のブラシレスモータとしているが、三相に限らず、二相および四相以上の多相のモータに適用することも可能であり、また、ブラシレスに限らず、ブラシ付きのモータに適用することも可能である。
【0037】
また、上記の実施例においては、車両の搭載する電動パワーステアリング装置10に用いるモータ12の回転角θの検出を行うこととしているが、電動パワーステアリング装置10に限定されるものではなく、他の用途のモータに適用することも可能である。
【0038】
更に、上記の実施例においては、モータ12の回転角θを検出するうえで、一相励磁・二相出力のレゾルバ44を用いることとしているが、二相励磁・一相出力のレゾルバを用いることとしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1及び2記載の発明によれば、レゾルバの出力信号にインバータ回路のスイッチングノイズが重畳する場合にも、レゾルバ出力に基づいてモータ回転角を正確に検出することができる。このため、本発明によれば、モータ制御の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるモータ制御装置のシステム構成図である。
【図2】本実施例においてモータを駆動する駆動回路の構成図である。
【図3】レゾルバの原理構成図である。
【図4】インバータ回路におけるスイッチング周期とレゾルバ出力のサンプリング周期とが同調していない構成においてインバータ回路によるスイッチングノイズがレゾルバの出力信号に重畳する様子を表した図である。
【図5】本実施例のモータ制御装置においてインバータ回路によるスイッチングノイズがレゾルバの出力信号に重畳する様子を表した図である。
【符号の説明】
10 モータ制御装置
12 三相交流ブラシレスモータ(モータ)
20 電子制御ユニット(ECU)
26 インバータ回路
44 レゾルバ
52 回転角検出部
54 A/D変換部
56 演算部
Claims (2)
- モータの回転角に応じたアナログ信号を出力するレゾルバと、該レゾルバの出力信号をA/D変換するA/D変換部と、該A/D変換部でA/D変換された値に基づいて前記回転角を検出する回転角検出手段と、該回転角検出手段で検出された前記回転角に基づいて前記モータを駆動すべくスイッチングされるインバータ回路と、を備えるモータ制御装置であって、
前記A/D変換部におけるA/D変換のサンプリング周期と前記インバータ回路におけるスイッチングのスイッチング周期とを同調させたことを特徴とするモータ制御装置。 - 前記サンプリング周期が前記スイッチング周期の整数倍であることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
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