JP2004363627A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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史朗 中西
Tsutomu Yamada
努 山田
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Abstract

【課題】 薄膜トランジスタの半導体層の結晶欠陥を水素イオンで埋めるように
する。
【解決手段】 ゲート電極22が配置された透明基板21上に、ゲート絶縁膜と
なる窒化シリコン膜23及び酸化シリコン膜24が積層され、さらに、活性領域
となる半導体膜としての多結晶シリコン膜25が積層される。ゲート電極22に
対応する多結晶シリコン膜25上に、ストッパ26が配置され、このストッパ2
6を被うように、層間絶縁膜となる酸化シリコン膜27及び窒化シリコン膜28
が積層される。ストッパ26と酸化シリコン膜27とを重ねた膜厚T1は、窒化
シリコン膜28の膜厚T2と4000Åとの積の平方根より薄く形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アクティブマトリクス方式の表示パネルの画素表示用スイッチング素子に適した薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
図9は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの構造を示す断面図である。
絶縁性の透明基板1の表面に、タングステンやクロム等の高融点金属からなるゲート電極2が配置される。このゲート電極2は、両端部が透明基板1側で広くなるテーパー形状を成す。ゲート電極2が配置された透明基板1上には、窒化シリコン膜3を介して酸化シリコン膜4が積層される。窒化シリコン膜3は、透明基板1に含まれる不純物が後述する活性領域に浸入するのを阻止し、酸化シリコン膜4は、ゲート絶縁膜として働く。酸化シリコン膜4上には、ゲート電極2を横断して多結晶シリコン膜5が積層される。この多結晶シリコン膜5が、薄膜トランジスタの活性領域となる。
多結晶シリコン膜5上には、酸化シリコン等の絶縁材料からなるストッパ6が配置される。このストッパ6に被われた多結晶シリコン膜5がチャネル領域5cとなり、その他の多結晶シリコン膜5がソース領域5s及びドレイン領域5dとなる。ストッパ6が形成された多結晶シリコン膜5上には、酸化シリコン膜7及び窒化シリコン膜8が積層される。この酸化シリコン膜7及び窒化シリコン膜8は、ソース領域5s及びドレイン領域5dを含む多結晶シリコン膜5を保護する層間絶縁膜となる。
ソース領域5s及びドレイン領域5d上の酸化シリコン膜7及び窒化シリコン膜8の所定箇所には、コンタクトホール9が形成される。このコンタクトホール9部分に、ソース領域5s及びドレイン領域5dに接続されるソース電極10s及びドレイン電極10dが配置される。ソース電極10s及びドレイン電極10dが配置された窒化シリコン膜8上には、可視光に対して透明なアクリル樹脂層11が積層される。このアクリル樹脂層11は、ゲート電極2やストッパ6により生じる凹凸を埋めて表面を平坦化する。
ソース電極10s上のアクリル樹脂層11には、コンタクトホール12が形成される。そして、このコンタクトホール12を通してソース電極10sに接続されるITO(酸化インジウムすず)等からなる透明電極13が、アクリル樹脂層11上に広がるように配置される。この透明電極13が、液晶表示パネルの表示電極を構成する。
以上の薄膜トランジスタは、表示電極と共に透明基板1上に複数個が行列配置され、ゲート電極2に印加される走査制御信号に応答して、ドレイン電極10dに供給される映像情報を表示電極にそれぞれ印加する。
ところで、多結晶シリコン膜5は、薄膜トランジスタの活性領域として機能するように、結晶粒径が十分な大きさに形成される。多結晶シリコン膜5の結晶粒径を大きく形成する方法としては、エキシマレーザーを用いたレーザーアニール法が知られている。このレーザーアニール法は、ゲート絶縁膜となる酸化シリコン膜4上に非晶質状態のシリコンを積層し、先ず、低温の熱処理によって非晶質シリコン膜に含まれる水素を膜外へ排出した後、そのシリコンにエキシマレーザーを照射してシリコンを一旦融解させることにより、シリコンを結晶化させるものである。このようなレーザーアニール法を用いれば、透明基板1上で高温となる部分が局所的であるため、透明基板1として融点の低いガラス基板を採用できるようになる。
レーザーアニール法によって結晶化された多結晶シリコン膜5は、結晶欠陥が多いため、膜内を移動する電子が捕捉され易く、トランジスタの活性領域とするには好ましくない。そこで、一旦形成した多結晶シリコン層5上に、水素イオンを多量に含む絶縁膜を形成し、その絶縁膜と共に窒素雰囲気でアニールすることによって結晶欠陥を水素イオンで埋めるようにしている。
水素イオンを多量に含む絶縁膜としては、窒化シリコン膜が知られている。プラズマCVD法により成膜された窒化シリコン膜の水素イオン濃度は、通常10^22/cm^3(^はべき乗を表す)程度であり、同じプラズマCVD法により形成された酸化シリコン膜の水素イオン濃度(10^20/cm^3)と比較して2桁程度多くなっている。従って、水素イオンの供給源としては、窒化シリコン膜が用いられる。
一般に、活性領域上に窒化シリコン膜を直接形成すると、トランジスタ特性が劣化するため、活性領域と窒化シリコン膜との間には、図9に示すように、酸化シリコン膜が形成される。しかしながら、多結晶シリコン膜5と窒化シリコン膜8との間に酸化シリコン膜7が介在する場合、酸化シリコン膜7の膜厚によっては、多結晶シリコン膜5に十分な水素イオンが供給されなくなるおそれがある。また、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との界面に不純物が付着するとそれが反動田膜への水素供給の妨げとなってしまう恐れもある。
このため、製造工程において、アニール処理の温度を高くしたり、時間を長くする必要が生じ、生産性を低下させる。
そこで、本発明は、半導体膜に生じる結晶欠陥を水素イオンで効率よく埋めることができるように、それぞれの膜厚を最適化することを目的とする。
本発明の薄膜トランジスタは、基板と、前記基板の一主面上に積層される半導体膜と、前記半導体膜上に積層されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に前記半導体膜と交差して配置されるゲート電極と、前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を被って積層される層間絶縁膜と、を有し、前記半導体膜上には該半導体膜に接する酸化シリコン膜及び該酸化シリコン膜の上方に窒化シリコン膜が形成されており、前記酸化シリコン膜の膜厚が、該酸化シリコン膜の上方に形成された前記窒化シリコン膜の膜厚に8000Åを乗じた値の平方根以下に設定されるものである。
また、本発明は、前記半導体膜は、非晶質シリコンを融解して結晶化した多結晶シリコンからなる薄膜トランジスタである。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板の一主面上に半導体膜を形成する第1工程と、前記半導体膜上にゲート絶縁膜を積層し、このゲート絶縁膜上に前記半導体膜と交差してゲート電極を形成する第2工程と、前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を被って層間絶縁膜を積層する第3工程と、所定温度に加熱して前記層間絶縁膜に含まれる水素イオンを前記半導体膜内に導入する第4工程と、を有し、前記第2工程は、ゲート絶縁膜が、前記半導体膜に接してプラズマCVD法により第1の酸化シリコン膜を積層され、連続して、プラズマCVD法により該第1の酸化シリコン膜に接して窒化シリコン膜を積層される工程を含み、前記酸化シリコン膜の膜厚を該酸化シリコン膜上方に形成された窒化シリコン膜の膜厚に8000Åを乗じた値の平方根以下とするものである。
また、本発明は、前記第1工程は、前記基板上に非晶質シリコンを積層した後、その非晶質シリコンを融解して結晶化して多結晶シリコン層とする工程を含む薄膜トランジスタの製造方法である。
更に、本発明は、前記第4工程は、350℃乃至450℃の範囲で加熱処理する薄膜トランジスタの製造方法である。
本発明によれば、活性領域となる半導体膜上に、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜が積層される。窒化シリコン膜は、半導体膜に導入される水素イオンの供給源となり、酸化シリコン膜は、窒化シリコン膜が半導体膜に接するのを防止する。酸化シリコン膜は、窒化シリコン膜の膜厚に応じて薄く積層されるため、窒化シリコン膜から半導体膜への水素イオンの導入の妨げとはならない。
また、本発明によれば、第3工程で、半導体膜上方に酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜を積層した後、第4工程で加熱処理することにより、窒化シリコン膜に含まれる水素イオンが酸化シリコン膜を通して半導体膜内に導入される。このとき、酸化シリコン膜の膜厚を窒化シリコン膜の膜厚に応じて薄くすることにより、窒化シリコン膜に含まれる水素イオンが酸化シリコン膜に阻止されることなく、半導体膜へ十分な量だけ導入される。
更に、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との界面に不純物が付着することが防止でき、半導体膜への水素供給の妨げとなってしまうという恐れも排除でき、十分な量だけ半導体膜に水素を供給することができる。
本発明によれば、活性領域を形成する多結晶シリコン膜上に、酸化シリコン膜を介して窒化シリコン膜を形成した場合でも、多結晶シリコン膜の結晶欠陥が窒化シリコン膜から供給される水素イオンによって確実に埋められる。従って、窒化シリコン膜から多結晶シリコン膜へ水素イオンを導入するためのアニール処理の条件を緩和することができ、製造工程を簡略化して、結果的に製造歩留まりの向上が望める。
図1は、本発明の薄膜トランジスタの第1の実施形態を示す断面図であり、図2は、その要部の拡大図である。この図において、透明基板21、ゲート電極22、窒化シリコン膜23、酸化シリコン膜24及び多結晶シリコン膜25は、図9に示す薄膜トランジスタの透明基板1、ゲート電極2、窒化シリコン膜3、酸化シリコン膜4及び多結晶シリコン膜5と同一である。
透明基板21の表面にゲート電極22が配置され、このゲート電極22を被って、ゲート絶縁膜としての窒化シリコン膜23及び酸化シリコン膜24が積層される。そして、酸化シリコン膜24上に、活性領域となる半導体膜としての多結晶シリコン膜25が積層される。
多結晶シリコン膜25上には、酸化シリコンからなるストッパ26が配置される。このストッパ26に被われた多結晶シリコン膜25がチャネル領域25cとなり、その他の多結晶シリコン膜25がソース領域25s及びドレイン領域25dとなる。ストッパ26が形成された多結晶シリコン膜25上には、多結晶シリコン膜25に悪影響を与えることなく接することが可能な酸化シリコン膜27が積層される。そして、その酸化シリコン膜27上に、酸化シリコン膜27よりも多量の水素イオンを含み、水素イオンの主な供給源となる窒化シリコン膜28が積層される。この酸化シリコン膜27及び窒化シリコン膜28により、多結晶シリコン膜25を保護する層間絶縁膜が形成される。
ここで、チャネル領域25c上でストッパ26と酸化シリコン膜27とを重ねた膜厚T1は、ストッパ26上の窒化シリコン膜28の膜厚T2に対して、式1を満たすように設定される。
Figure 2004363627
即ち、水素イオンの供給量は、窒化シリコン膜28の膜厚に依存しており、その供給量に応じて酸化シリコン膜27の膜厚を薄く設定すれば、多結晶シリコン膜25に対して十分な量の水素イオンを供給することができる。式1に従えば、例えば、窒化シリコン膜28の膜厚(=T2)を2000Åとした場合、ストッパ26と酸化シリコン膜27との膜厚の合計(=T1)は、約4000Å以下に設定しなければならない。換言すれば、ストッパ26の膜厚を2000Åとし、酸化シリコン膜27の膜厚を2000Åとした場合、窒化シリコン膜28の膜厚は、2000Å以上とする必要がある。
所定の膜厚に形成された酸化シリコン膜27及び窒化シリコン膜28には、多結晶シリコン膜25に達するコンタクトホール29が設けられる。そして、このコンタクトホール29部分に、ソース領域25s及びドレイン領域25dに接続されるソース電極30s及びドレイン電極30dが配置される。また、窒化シリコン膜28上には、ソース電極30s及びドレイン電極30dを被って表面を平坦にするアクリル樹脂層31が積層される。さらに、アクリル樹脂層31にソース電極30sに達するコンタクトホール32が設けられ、ソース電極30sに接続される透明電極33が、アクリル樹脂層31上に広がるように配置される。このソース電極30s、ドレイン電極30d及び透明電極33は、図9に示す薄膜トランジスタのソース電極10s、ドレイン電極10d及び透明電極13と同一
である。
以上の薄膜トランジスタにおいては、多結晶シリコン膜25上の(ストッパ26を含む)酸化シリコン膜27の膜厚が窒化シリコン膜28の膜厚に応じて薄く形成されるため、窒化シリコン膜28中に多く含まれる水素イオンが十分に多結晶シリコン膜25内へ導入される。
図3は、活性領域の結晶欠陥がどの程度埋められたかを知るための尺度となる薄膜トランジスタのしきい値電圧Vtが、窒化シリコン膜28の膜厚T2と酸化シリコン膜27の膜厚T1の2乗との比(T1^2/T2)に応じてどの程度変化するかを示す図である。この図は、層間絶縁膜の膜の構成比(T1^2/T2)を約2000Åから約10000Åまで段階的に変化させ、各段階での薄膜トランジスタのしきい値電圧Vtを測定した実測値である。この測定結果によれば、T1^2/T2が4000Å以下のときに、しきい値電圧Vtがほぼ一定となって安定していることが判る。また、T1^2/T2が6000Å以下においても、しきい値電圧Vtの変動は少なく、T1^2/T2が8000Åから10000Åの間でしきい値電圧Vtが急激に変化することが確認された。これらの結果から、T1^2/T2は、8000Å以下とすることが最低限の条件であり、好ましくは、4000Å以下とすることが最適な条件であると判断できる。
図4は、本発明の薄膜トランジスタの第2の実施形態を示す断面図であり、図5は、その要部の拡大図である。この図においては、トップゲート型を示している。
絶縁性の透明基板41の表面に、窒化シリコン膜42及び酸化シリコン膜43が積層される。窒化シリコン膜42は、透明基板41に含まれるナトリウム等の不純物イオンの析出を防止し、酸化シリコン膜43は、活性領域となる多結晶シリコン膜44の積層を可能にする。酸化シリコン膜43上の所定の領域に、薄膜トランジスタの活性領域となる半導体膜としての多結晶シリコン膜44が積層される。
多結晶シリコン膜44が積層された酸化シリコン膜43上に、ゲート絶縁膜となる酸化シリコン膜45が積層される。そして、酸化シリコン膜45上に、タングステンやクロム等の高融点金属からなるゲート電極46が配置される。このゲート電極46は、多結晶シリコン膜44の延在する方向に交差して配置される。このゲート電極46に被われた多結晶シリコン膜44がチャネル領域44cとなり、その他の多結晶シリコン膜44がソース領域44s及びドレイン領域44dとなる。ゲート電極46が配置された酸化シリコン膜45上に、酸化シリコン膜47及び窒化シリコン膜47が積層される。この酸化シリコン膜47及び窒化シリコン膜48により、多結晶シリコン膜44を保護する層間絶縁膜が形成される。
ここで、多結晶シリコン膜44上で、ゲート絶縁膜としての酸化シリコン膜45と層間絶縁膜としての酸化シリコン膜47を重ねた膜厚T1は、窒化シリコン膜48の膜厚T2に対して、上述の式1を満たすように設定される。多結晶シリコン膜44に対する水素イオンの供給は、ボトムゲート型とトップゲート型とで同じ条件となる。このため、図2に示すボトムゲート型の場合と同様に、上述の式1で設定される膜厚を満たせば、多結晶シリコン膜44に対して十分な量の水素イオンを供給することができる。
所定の膜厚に形成された酸化シリコン膜45、47及び窒化シリコン膜48には、多結晶シリコン膜45に達するコンタクトホール49が設けられ、ソース領域45s及びドレイン領域45dに接続されるソース電極50s及びドレイン電極50dが配置される。そして、窒化シリコン膜48上に、ソース電極50s及びドレイン電極50dを被って表面を平坦にするアクリル樹脂層51が積層される。さらに、アクリル樹脂層51にソース電極50sに達するコンタクトホール52が設けられ、ソース電極50sに接続される透明電極53が、アクリル樹脂層51上に広がるように配置される。このソース電極50s、ドレイン電極50d及び透明電極53は、ボトムゲート型の場合と同一である。
以上の薄膜トランジスタにおいても、ボトムゲート型の場合と同様に、多結晶シリコン膜44上の酸化シリコン膜45、46の膜厚が窒化シリコン膜48の膜厚に応じて薄く形成されるため、窒化シリコン膜48中に多く含まれる水素イオンが十分な量だけ多結晶シリコン膜44内へ導入される。
図6(a)〜(c)及び図7(d)〜(f)は、第1の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を説明する工程別の断面図である。これらの図においては、図1と同一部分を示している。
(a)第1工程
絶縁性の透明基板21上に、クロムやモリブデン等の高融点金属をスパッタ法により1000Åの膜厚に積層し、高融点金属膜34を形成する。この高融点金属膜34を所定の形状にパターニングし、ゲート電極22を形成する。このパターニング処理では、テーパーエッチングによって、ゲート電極22の両端部が透明基板21側で広くなるようなテーパー形状に形成される。
(b)第2工程
透明基板21上に、プラズマCVD法により窒化シリコンを500Å以上の膜厚に積層し、連続して、酸化シリコンを1300Å以上の膜厚に積層する。これにより、透明基板21からの不純物イオンの析出を阻止する窒化シリコン膜23及びゲート絶縁膜となる酸化シリコン膜24が形成される。そして、酸化シリコン膜23上に、同じくプラズマCVD法によりシリコンを400Åの膜厚に積層し、非晶質のシリコン膜25'を形成する。そして、430℃程度で1時間以上熱処理してシリコン膜25'中の水素を膜外へ排出し、水素濃度を1%以下にした後、エキシマレーザーをシリコン膜25'に照射し、非晶質状態のシリコンが融解するまで加熱する。これにより、シリコンが結晶化し、多結晶シリコン膜25となる。
(c)第3工程
多結晶シリコン膜25上に酸化シリコンを1000Åの膜厚に積層し、酸化シリコン膜35を形成する。そして、この酸化シリコン膜35をゲート電極22の形状に合わせてパターニングし、ゲート電極22に重なるストッパ26を形成する。このストッパ26の形成においては、酸化シリコン膜35を被ってレジスト層を形成し、そのレジスト層を透明基板側からゲート電極22をマスクとして露光することにより、マスクずれをなくすことができる。
(d)第4工程
ストッパ26が形成された多結晶シリコン膜25に対し、形成すべきトランジスタのタイプに対応するP型あるいはN型のイオンを注入する。即ち、Pチャネル型のトランジスタを形成する場合には、ボロン等のP型イオンを注入し、Nチャネル型のトランジスタを形成する場合には、リン等のN型イオンを注入する。この注入により、ストッパ26で被われた領域を除いて多結晶シリコン膜25にP型あるいはN型の導電性を示す領域が形成される。これらの領域が、ストッパ26の両側でソース領域25s及びドレイン領域25dとなる。
(e)第5工程
ソース領域25s及びドレイン領域25dが形成された多結晶シリコン膜25にエキシマレーザーを照射し、シリコンが融解しない程度に加熱する。これにより、ソース領域25s及びドレイン領域25d内の不純物イオンが活性化される。そして、ストッパ26(ゲート電極22)の両側に所定の幅を残して多結晶シリコン膜25を島状にパターニングし、トランジスタを分離独立させる。
(f)第6工程
多結晶シリコン膜25上にプラズマCVD法により酸化シリコンを1000Åの膜厚に積層し、連続して、窒化シリコンを3000Åの膜厚に積層する。これにより、酸化シリコン膜27及び窒化シリコン膜28の2層からなる層間絶縁膜が形成される。ここで、ストッパ26と酸化シリコン膜27とを重ねた膜厚T1は、2000Åであるのに対して、窒化シリコン膜28の膜厚T2は、3000Åであり、上述の式1が満たされている。
酸化シリコン膜27及び窒化シリコン膜28を形成した後、窒素雰囲気中で加熱し、窒化シリコン膜28内に含まれる水素イオンを多結晶シリコン膜25へ導入する。この加熱処理の温度は、水素イオンの移動が十分であり、透明基板21が損傷を受けない範囲とする必要があり、350〜450℃の範囲が適当である。窒化シリコン膜28内に含まれる水素イオンは、窒化シリコン膜28の膜厚に応じて薄く形成された酸化シリコン膜27を通して多結晶シリコン層25へ導入されるため、多結晶シリコン層25で必要な量が確実に供給される。これにより、多結晶シリコン層25内の結晶欠陥が水素イオンで埋められる。
水素イオンによる多結晶シリコン層25内の結晶欠陥の補充が完了した後には、ソース領域25s及びドレイン領域25dに対応して、酸化シリコン膜27及び窒化シリコン膜28を貫通するコンタクトホール29を形成し、このコンタクトホール29部分に、アルミニウム等の金属からなるソース電極30s及びドレイン電極30dを形成する。このソース電極30s及びドレイン電極30dの形成は、例えば、コンタクトホール29が形成された窒化シリコン膜28上にスパッタリングしたアルミニウムをパターニングすることで形成される。
続いて、ソース電極30s及びドレイン電極30dが形成された窒化シリコン膜28上にアクリル樹脂溶液を塗布し、焼成してアクリル樹脂層31を形成する。このアクリル樹脂層31は、ストッパ26やソース電極30s、ドレイン電極30dによる凹凸を埋めて表面を平坦化する。さらに、ソース電極30s上にアクリル樹脂層31を貫通するコンタクトホール32を形成し、このコンタクトホール32部分に、ソース電極30sに接続されるITO等からなる透明電極33を形成する。この透明電極33の形成は、例えば、コンタクトホール32が形成されたアクリル樹脂層31上にスパッタリングしたITOをパターニングすることで形成される。
以上の第1乃至第6工程により、図1に示す構造を有するボトムゲート型の薄膜トランジスタが形成される。
図8(a)〜(d)は、第2の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を説明する工程別の断面図である。これらの図においては、図4と同一部分を示している。
(a)第1工程
絶縁性の透明基板41上に、プラズマCVD法により窒化シリコンを500Å以上の膜厚に積層し、連続して、酸化シリコンを500Åの膜厚に積層する。これにより、透明基板41からの不純物イオンの析出を阻止する窒化シリコン膜42及び多結晶シリコン膜44の積層を可能にする酸化シリコン膜43が形成される。さらに、同じくプラズマCVD法によりシリコンを400Åの膜厚に積層し、非晶質のシリコン膜44'を形成する。そして、430℃程度で1時間以上熱処理してシリコン膜44'中の水素を膜外へ排出し、水素濃度を1%以下にした後、エキシマレーザーをシリコン膜44'に照射し、非晶質状態のシリコンが融解するまで加熱する。これにより、シリコンが結晶化し、多結晶シリコン膜44となる。
(b)第2工程
トランジスタの形成位置に対応して多結晶シリコン膜44を所定の形状にパターニングし、トランジスタ毎に分離する。多結晶シリコン層44を分離した後、プラズマCVD法により酸化シリコンを1000Åの膜厚に積層し、ゲート絶縁膜となる酸化シリコン膜45を形成する。そして、スパッタ法によりクロムやモリブデン等の高融点金属を1000Åの膜厚に積層して、高融点金属膜54を形成する。この高融点金属膜54を、多結晶シリコン膜45を横切る所定の形状にパターニングし、ゲート電極46を形成する。
(c)第3工程
ゲート電極46をマスクとし、形成すべきトランジスタのタイプに対応するP型あるいはN型のイオンを多結晶シリコン膜44へ注入する。この注入においては、ゲート電極46で被われた領域を除いて多結晶シリコン膜44にP型あるいはN型の導電性を示す領域が形成される。これらの領域が、ソース領域44s及びドレイン領域44dとなる。そして、所定の導電型の不純物イオンが注入された多結晶シリコン膜44にエキシマレーザーを照射し、シリコンが融解しない程度に加熱する。これにより、ソース領域44s及びドレイン領域44d内の不純物イオンが活性化される。
(d)第4工程
ゲート電極46が形成された酸化シリコン膜45上にプラズマCVD法により酸化シリコンを1000Åの膜厚に積層し、連続して、窒化シリコンを3000Åの膜厚に積層する。これにより、酸化シリコン膜47及び窒化シリコン膜48の2層からなる層間絶縁膜が形成される。ここで、酸化シリコン膜45と酸化シリコン膜47とを重ねた膜厚T1は、2000Åであるのに対して、窒化シリコン膜48の膜厚T2は、3000Åであり、上述の式1が満たされている。
酸化シリコン膜47及び窒化シリコン膜48を形成した後、窒素雰囲気中で加熱し、窒化シリコン膜48内に含まれる水素イオンを多結晶シリコン膜44へ導入する。この加熱処理自体は、図7(f)に示すボトムゲート型薄膜トランジスタの製造方法の第6工程における加熱処理と同一である。ところで、多結晶シリコン膜44とゲート電極46との間では、それぞれの界面において水素イオンがきわめて拡散し易いため、多結晶シリコン膜44のゲート電極46に被われた部分では、ゲート電極46側面から水素イオンが回り込んで浸入する。従って、高融点金属で形成されるゲート電極46が、水素イオンを通さないとしても、問題はない。これにより、多結晶シリコン膜44内の結晶欠陥が水素イオンで埋められる。
多結晶シリコン膜4内に水素イオンを導入した後には、ソース領域44s及びドレイン領域44dに対応して、酸化シリコン膜45、47及び窒化シリコン膜48を貫通するコンタクトホール49を形成する。そして、コンタクトホール49部分に、アルミニウム等の金属からなるソース電極50s及びドレイン電極50dを形成する。続いて、ソース電極50s及びドレイン電極50dが形成された窒化シリコン膜48上にアクリル樹脂溶液を塗布し、焼成してアクリル樹脂層51を形成する。このアクリル樹脂層51は、ゲート電極46やソース電極50s、ドレイン電極50dによる凹凸を埋めて表面を平坦化する。さらに、ソース電極50s上にアクリル樹脂層51を貫通するコンタクトホール52を形成し、このコンタクトホール52部分に、ソース電極50sに接続されるITO等からなる透明電極53を形成する。
以上の第1乃至第4工程により、図4に示す構造を有するトップゲート型の薄膜トランジスタが形成される。
尚、上述の各実施形態において例示した各部の膜厚については、特定の条件における最適値であり、必ずしもこれらの値に限られるものではない。活性領域となる半導体膜(多結晶シリコン膜)に重なる酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の膜厚が、上述の式1を満たすような値であれば、本願発明の目的を達成し得る。
本発明の薄膜トランジスタの第1の実施形態を示す断面図である。 図1の要部の拡大図である。 薄膜トランジスタのしきい値と層間絶縁膜の膜厚比との関係を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの第2の実施形態を示す断面図である。 図4の要部の拡大図である。 第1の実施形態に係る製造方法の前半の工程を示す工程別の断面図である。 第1の実施形態に係る製造方法の後半の工程を示す工程別の断面図である。 第2の実施形態に係る製造方法を示す工程別の断面図である。 従来の薄膜トランジスタの構造を示す断面図である。
符号の説明
1、21、41 透明基板
2、22、46 ゲート電極
3、8、23、28、42、48 窒化シリコン膜
4、7、24、27、43、47 酸化シリコン膜
5、25、44 多結晶シリコン膜
5c、25c、44c チャネル領域
5s、25s、44s ソース領域
5d、25d、44d ドレイン領域
6、26 ストッパ
9、12、29、32、49、52 コンタクトホール
10s、30s、50s ソース電極
10d、30d、50d ドレイン電極
11、31、51 アクリル樹脂層
12、33、35 透明電極

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板の一主面上に積層される半導体膜と、前記半導体膜上に積層されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に前記半導体膜と交差して配置されるゲート電極と、前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を被って積層される層間絶縁膜と、を有し、前記半導体膜上には該半導体膜に接する酸化シリコン膜及び該酸化シリコン膜の上方に窒化シリコン膜が形成されており、前記酸化シリコン膜の膜厚が、該酸化シリコン膜の上方に形成された前記窒化シリコン膜の膜厚に8000Åを乗じた値の平方根以下に設定されることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記半導体膜は、非晶質シリコンを融解して結晶化した多結晶シリコンからなることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 基板の一主面上に半導体膜を形成する第1工程と、前記半導体膜上にゲート絶縁膜を積層し、このゲート絶縁膜上に前記半導体膜と交差してゲート電極を形成する第2工程と、前記ゲート絶縁膜上に前記ゲート電極を被って層間絶縁膜を積層する第3工程と、所定温度に加熱して前記層間絶縁膜に含まれる水素イオンを前記半導体膜内に導入する第4工程と、を有し、前記第2工程は、ゲート絶縁膜が、前記半導体膜に接してプラズマCVD法により第1の酸化シリコン膜を積層され、連続して、プラズマCVD法により該第1の酸化シリコン膜に接して窒化シリコン膜を積層される工程を含み、前記酸化シリコン膜の膜厚を該酸化シリコン膜上方に形成された窒化シリコン膜の膜厚に8000Åを乗じた値の平方根以下とすることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 前記第1工程は、前記基板上に非晶質シリコンを積層した後、その非晶質シリコンを融解して結晶化して多結晶シリコン層とする工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記第4工程は、350℃乃至450℃の範囲で加熱処理することを特徴とする請求項3又は4に記載の薄膜トランジスタの製造方法。

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