JP2004362684A - 変調装置および変調方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】積算DSVとは別に各反転間隔中の最小反転間隔の出現する回数によりDSV制御ビットを決定することで符号品質が高い変調装置を提供する。
【解決手段】異なるDSV制御ビットを挿入して第1のデータ列および第2のデータ列を生成するDSV制御ビット挿入部11と、第1のデータ列および第2のデータ列を最小反転間隔Tminが規定された変換規則を用いて符号語列に変換して変調する変調部12と、各符号語列における前回の反転からの時間を反転間隔として計算する反転間隔計算部27と、各反転間隔中の最小反転間隔の出現する回数を計算する最小反転間隔出現数計算部28とを有し、第1の積算DSV値と第2の積算DSV値が同じ場合には、第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数とから少ない方の符号語列を選択する符号語列選択部13を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】異なるDSV制御ビットを挿入して第1のデータ列および第2のデータ列を生成するDSV制御ビット挿入部11と、第1のデータ列および第2のデータ列を最小反転間隔Tminが規定された変換規則を用いて符号語列に変換して変調する変調部12と、各符号語列における前回の反転からの時間を反転間隔として計算する反転間隔計算部27と、各反転間隔中の最小反転間隔の出現する回数を計算する最小反転間隔出現数計算部28とを有し、第1の積算DSV値と第2の積算DSV値が同じ場合には、第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数とから少ない方の符号語列を選択する符号語列選択部13を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ伝送や記録媒体への記録に適するように入力するデータに対して直流成分を抑制するDSV(Digital Sum Value)制御を行ない出力する変調装置に関し、特に、符号として規定された性質(最大ラン・最小ラン)を維持した上で効率よくデータに対してDSV制御を行なう変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の変調装置は、データを記録または伝送に適するように入力するデータ列に対して直流成分を抑制するDSV制御を行う際に、変調前の第1の符号列(データビット列)に所定の間隔でDSV制御ビットを挿入し、変調後の第2の符号列(チャンネルビット列)の直流成分が少なくなるようDSV制御ビットを決定している。DSV制御ビットを決定するためには、DSV制御ビットとして”0”を挿入したチャンネルビット列(0)と、同様に”1”を挿入したチャンネルビット列(1)の双方を生成し、各々のチャンネルビット列について、次のDSV制御ビットとの境界部から最大拘束長ビットまでさかのぼった位置まで拡大した区間におけるDSVと、それまでの積算DSVとの加算値を新たな積算DSVとして求め、その値が小さい値の方のチャンネルビット列を選択することで、DSV制御を実現している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】
特開平11−177431号公報(第1−12頁、図2)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チャンネルビット列(0)のDSVの積算DSVとの加算値と、チャンネルビット列(1)のDSVの積算DSVとの加算値との大きさが等しくなる場合があり、その場合には、DSV制御ビットとして”0”と”1”どちらを選んでも正しくDSV制御が行われたことになるため、何れのチャンネルビット列が選択されて出力されてもかまわないことになる。
【0004】
しかしながら、この場合には、チャンネルビット列(0)とチャンネルビット列(1)の何れが出力されてもDSV制御としては正しいとはいえ、出力されるチャンネルビット列(0)とチャンネルビット列(1)のデータ配列は異なっているので、同じ入力データでも出力結果が異なる場合が発生することになり、符号品質が低下するという問題が発生する。
そこで、符号品質の向上を図ることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであって、DSV制御ビットを決定するための要素として積算DSVとは別の要素を評価尺度として併用し、DSVが等しくなった場合にはその別要素によってDSV制御ビットを決定することで、符号品質が高い変調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明の変調装置は、入力するデータ列に第1のDSV制御ビットを挿入することで第1のデータ列、および、第2のDSV制御ビットを挿入することで第2のデータ列を生成するDSV制御ビット挿入部と、第1のデータ列および第2のデータ列を、少なくとも最小反転間隔Tminおよび最大反転間隔Tmaxが規定された変換規則を用いて符号語列に変換することにより変調する変調部と、第1のデータ列が変調された第1の符号語列における第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、第2のデータ列が変調された第2の符号語列における第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の比較により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力する符号語列選択部とを備える変調装置であって、
符号語列選択部は、さらに、
第1の区間DSVを演算するための第1DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第1反転間隔として計算すると共に、第2の区間DSVを演算するための第2DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として計算する反転間隔計算部と、
第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算する最小反転間隔出現数計算部とを有し、
第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数とから少ない方に該当する第1の符号語列および第2の符号語列を選択することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の変調方法は、入力するデータ列に第1のDSV制御ビットを挿入することで第1のデータ列、および、第2のDSV制御ビットを挿入することで第2のデータ列を生成するステップと、第1のデータ列および第2のデータ列を、少なくとも最小反転間隔Tminおよび最大反転間隔Tmaxが規定された変換規則を用いて符号語列に変換することにより変調するステップと、第1のデータ列が変調された第1の符号語列における第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、第2のデータ列が変調された第2の符号語列における第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の比較により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力するステップを有する変調方法であって、
符号語列を選択するステップは、さらに、
第1の区間DSVを演算するための第1DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第1反転間隔として計算すると共に、第2の区間DSVを演算するための第2DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として計算するステップと、
第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算するステップを有し、
第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数とから少ない方に該当する前記第1の符号語列および前記第2の符号語列を選択することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である変調装置を示すブロック図である。
図1の変調装置において、DSV制御ビット挿入部11は、例えば、基本ビット長がmビットである入力データ列に対して、所定の間隔(例えば、47ビット等)で、DSV制御用のビットとして“1”または“0”を挿入するものである。つまり、DSV制御ビット挿入部11からは、入力するデータ列に第1のDSV制御用のビットとして“1”が挿入された第1のデータ列と、入力するデータ列に第2のDSV制御用のビットとして“0”が挿入された第2のデータ列の2種類のデータ列が出力される。
【0010】
DSV制御は、上記したように変調後のチャンネルビット列から直流成分を減らすためのものである。変調符号に直流成分が含まれると、例えば、ディスク状記録装置のサーボの制御におけるトラッキングエラー等のエラー信号に変動が発生しやすくなり、ジッタが発生しやすくなるので、変調時には直流成分を減少させることが望ましく、そのために入力データに対してDSV制御が実施される。
【0011】
DSV制御では、まず、元のチャネルビット列をNRZI化(レベル符号化)し、そのデータシンボルのビット列では、チャネルビット列の“1”をレベル符号の“+1”とし、チャネルビット列の“0”をレベル符号の“−1”とする。そして、各レベル符号を加算した総和が符号列の直流成分の目安となるので、その総和の絶対値を小さくすることで、符号列の直流成分を抑制することを可能とするものである。
【0012】
変調部12は、DSV制御ビット挿入部11から入力する2種類(“1”または“0”を挿入されたもの)の各々のデータ列を、「基本データ長m×拘束長i」ビットからなる単位のデータ語にブロック化し、このデータ語を後述するテーブルに示した符号則に従い「基本符号長n×拘束長i」ビットからなる単位の符号語列に変換するものである。拘束長iが複数個(1〜imax)から選べる場合には、変換された符号語列は可変長の符号語列となる。拘束長iの最大値imaxを最大拘束長rとし、連続する“1”の間に入る“0”の最小連続個数を最小ランdとし、連続する“1”の間に入る“0”の最大連続個数を最大ランkとした場合、可変長符号のパラメータは(d,k;m,n;r)で表される。本実施の形態の変調部12では、可変長符号に対してさらにNRZI((Non Return to zero inverted)変調を実施して出力する。
【0013】
最小ランdは、最小反転間隔Tminとしても表せ、最小ランdが大きい場合には、最小反転間隔Tminが長いことになる。同様に、最大ランkは、最大反転間隔Tmaxとしても表せ、最大ランkが小さい場合には、最大反転間隔Tmaxが短いことになる。たとえば、ディスク状記録装置の線速方向に高密度記録を実施するためには、最小反転間隔Tminは長い方が望ましく、クロック再生の点では、最大反転間隔Tmaxは短い方が望ましい。
【0014】
光ディスクや磁気ディスク等のディスク状記録装置の変調方式としては、ランの長さ(レングス)を制限するRLL(ラン・レングス・リミテッド)規則が提案されており、具体的には、例えば、可変長RLL(d−k)、固定長RLL(d−k)で、最小ランdは1または2、最大ランkは7等となる。
【0015】
つまり、変調部12は、DSV制御ビット挿入部11から入力する第1のデータ列および第2のデータ列を、最小反転間隔Tmin、最大反転間隔Tmax、および、最大拘束長r等が規定された変換規則を用いて符号語列に変換することにより変調するものである。また、本実施の形態の変調部12は、変換規則として、最小反転間隔Tminの繰り返しである最小ランd=1の連続数の最大制限値、最大反転間隔Tmaxである最大ランkを与えるために必要となる最大拘束長rという条件を満足する変換テーブルを用い、基本ビット長をmビットとして基本符号長がnビットの可変長符号(d,k;m,n;r)の符号語列に変換することにより、第1のデータ列および第2のデータ列を変調し、さらに、その変換テーブルとして、被変換側のデータ列中の”1”の個数を”2”で除算した余りと変換された側の符号列中の”1”の個数を”2”で除算した余りとが”1”あるいは”0”の何れか一方に一致するという条件を満足する変換テーブルを用いている。
【0016】
符号語列選択部13は、変調部12から出力される可変長でNRZI化された2種類(“1”または“0”を挿入されたもの)の各々の符号語列に対して、2種類の各符号語列に対するDSV制御(積算DSV値=各レベル符号の総和が小さい方を選択)を実施し、DSV制御された符号語列を出力する。つまり、符号語列選択部13は、第1のデータ列が変調された第1の符号語列における第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、第2のデータ列が変調された第2の符号語列における第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の比較により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力するものである。
【0017】
符号語列選択部13の内部では、まず、DSV計算区間抽出部23は、各符号語列からDSV制御ビットを計算するための各々の区間を第1DSV計算区間および第2DSV計算区間として抽出するものである。ここで、DSV制御用のビットについては、上記したようにDSV制御ビット挿入部11では、例えば、47ビット等の所定の間隔で挿入されていたが、変調部12で可変長の符号語列になると、例えば、最小ランの繰り替え指数を制限するコード等のように、前に配置されたデータとの組み合わせでデータ変換され得る場合があり、所定間隔の符号語列だけではDSV制御用のビットを判断できない場合がある。そこで、DSV計算区間抽出部23では、各符号語列における基本データ長mに対する基本符号長nの比率(n/m:例えば、n=3、m=2なら1.5)倍のビットよりもさかのぼった位置まで含んでDSV計算区間として抽出し、逆に、DSV計算区間の終了位置としては、次のDSV計算区間がさかのぼる分だけ早く終了させることで、1カ所のDSV制御ビットを含む符号語列が必ず得られることになる。DSV計算区間のさかのぼる位置は、可変長の各符号語列のデータの切れ目により前後するが、最小が0ビットであり、最大が最大拘束長rのビット数までさかのぼることとする。
【0018】
選択部24は、DSV計算区間抽出部23から入力するDSV計算区間毎の2種類の符号語列(“1”または“0”を挿入された第1符号語列、第2符号語列)から、後述する積算DSV計算部26から入力する決定区間DSVの値により一方を選択して出力する。
【0019】
区間DSV計算部25は、DSV計算区間抽出部23で抽出された2種類の各符号語列(“1”または“0”を挿入されたもの)の区間におけるDSV(第1および第2DSV計算区間DSV)を各々計算する。
【0020】
積算DSV計算部26は、2種類の各区間DSV(第1および第2DSV計算区間DSV)が同じ値であるか否かを判断し、同じ値でない場合には、それまでに決定された区間DSVの総和である積算DSVに対して、前記2種類の区間DSVを各々加算して新たな積算DSVを演算し、その加算結果(積算DSV)の絶対値同士を比較し、絶対値が低い方の区間DSVを決定区間DSVとして選択する。一方、2種類の各区間DSVが同じ値である場合には、(第1の積算DSV値と前記第2の積算DSV値)後述するように2種類の各符号語列における最小反転間隔の出現回数を計算した結果(第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数)を比較し、最小反転間隔の出現回数が少ない方の区間DSVを決定区間DSVとして選択する。そして、その決定区間DSVをそれまでの積算DSVに対して加算して新たな積算DSVを計算する。また、決定区間DSVの値は、2種類の符号語列の選択に利用するために選択部24に送出し、また、区間DSV計算部25に戻して次の区間DSVの計算に利用する。
【0021】
反転間隔計算部27は、第1DSV計算区間における“―1”から“1”あるいは“1”から“―1”のように各反転する符号について前回(直前)の反転からの時間を第1反転間隔として各々計算すると共に、第2DSV計算区間における各反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として各々計算する。反転間隔計算部27は、区間DSV計算部25で計算される各DSV計算区間に基づいて反転間隔を計算するが、その場合の計算対象区間は各DSV計算区間と一致しているとは限らず、各DSV計算区間の前後の符号反転の発生位置により変化する。例えば、第1反転間隔の開始位置を第1DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、第1反転間隔の終了位置を第1DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とし、第2反転間隔の開始位置を第2DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、第2反転間隔の終了位置を第2DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とする場合がある。このような範囲における反転周期カウントは、例えば、単純な反転周期カウンタを常時動作させ、DSV計算区間抽出部23の抽出区間を出力イネーブルとする等で容易に実現できる。
【0022】
反転間隔計算部27は、DSV計算区間抽出23と同様の区間について、データが”0”から”1”あるいは”1”から”0”へ反転する度に直前の反転からの時間間隔を計算し出力するが、このとき、反転間隔の区切りはデータが”0”から”1”あるいは”1”から”0”へ反転する点であり、DSV計算区間抽出部23で取り出した符号区切り(DSVビットを含む符号区切りから次のDSVビットの直前の符号区切りまで)と一致するとは限らない。そこで、反転間隔計算部27は、開始点は少しさかのぼってDSVビットを含む符号区切りの直前の反転位置とし、終了点は次のDSVビットの直前の符号区切りまでの最後の反転位置として動作する。
【0023】
最小反転間隔出現数計算部28は、第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算して積算DSV計算部26に出力する。積算DSV計算部26では、これにより、2種類の各区間DSVが等しい値である場合の処理を実施する。
【0024】
言い換えれば、最小反転間隔出現数計算部28は、DSVビットに”0”が挿入されたときのチャンネルビットレベル化列と、DSVビットに”1”が挿入されたときのチャンネルビットレベル化列の2つの系列について、反転間隔計算部27で確定した反転間隔計算区間分の反転間隔を順次入力として受け取り、各系列について最小反転間隔Tminの出現回数を計算する。そして積算DSV計算計算部26において、2つの積算DSV値が等しい場合、最小反転間隔Tminの出現回数の小さい方をDSVビットとして決定する。
【0025】
図2は、図1の変調部12で入力するデータ列の変調に用いられる変換テーブルの一例を示す図である。
図2の変換テーブルは、パラメータ(d,k;m,n;r)が(1,7;2,3;4)である。従って、“1”または“0”が挿入された各データ列を、「基本データ長2×拘束長i(=1〜4:可変長)」ビットからなる単位のデータ語にブロック化し、このデータ語を「基本符号長3×拘束長i」ビットからなる単位の符号語列に変換するものであり、最小ランd=1の可変長構造である。また、最後の2行に最小ランdの連続数、すなわち、最小反転間隔Tminの繰り返し回数を制限する置き換えコードを最後の2行に有している。図2の場合の最小反転間隔Tminの繰り返し回数は、最大で6回までに制限される。
【0026】
図2の変換テーブルでは、被変換側のデータ列中の”1”の個数を”2”で除算した余りと、変換された側の符号列中の”1”の個数を”2”で除算した余りとが、”1”あるいは”0”の何れか一方に一致するという条件を満足する変換規則を有している。また、図2の変換テーブルでは、最大ラン=7を満足するために、最大拘束長r=4となっており、このrの値は、上記した最小反転間隔Tminの繰り返し回数を制限する置き換えコードの付加によっても増加しない。
【0027】
図3は、図1の変調部12で入力するデータ列の変調に用いられる変換テーブルの他の一例を示す図である。
図3の変換テーブルは、図2の変換テーブルと同様にパラメータ(d,k;m,n;r)が(1,7;2,3;4)である。従って、“1”または“0”が挿入された各データ列を、「基本データ長2×拘束長i(=1〜4:可変長)」ビットからなる単位のデータ語にブロック化し、このデータ語を「基本符号長3×拘束長i」ビットからなる単位の符号語列に変換するものであり、最小ランd=1の可変長構造である。また、最後の2行に最小ランdの連続数、すなわち、最小反転間隔Tminの繰り返し回数を制限する置き換えコードを最後の2行に有している。図3の場合の最小反転間隔Tminの繰り返し回数も、最大で6回までに制限される。
【0028】
図3の変換テーブルも、被変換側のデータ列中の”1”の個数を”2”で除算した余りと、変換された側の符号列中の”1”の個数を”2”で除算した余りとが、”1”あるいは”0”の何れか一方に一致するという条件を満足する変換規則を有している。また、図3の変換テーブルでは、最大ラン=7を満足するために、最大拘束長r=4となっており、このrの値は、上記した最小反転間隔Tminの繰り返し回数を制限する置き換えコードの付加によっても増加しない。
【0029】
また、図3の変換テーブルでは不確定符号*が与えられており、これは、要素内の“1”の個数を2で除算した場合のあまりの値をそろえるためのものである。不確定符号*は、その不確定符号*の次に来る符号が“0”の場合、つまり、不確定符号*が“0”の前の場合には“1”になり、逆に、その不確定符号*の次に来る符号が“1”の場合、つまり、不確定符号*が“1”の前の場合には“0”になる符号である。
【0030】
図4は、図1の各部におけるデータ列および符号語列を模式的に示す図である。図4(a)は、DSV制御ビット挿入部11に入力されるデータ列を示すものであり、そのデータ列の分割単位IDS1〜IDSnは、DSV制御ビット(X)を挿入するための間隔(SP)毎に分割されている。SPは、例えば、47ビットであり、nは正の整数である。図4(b)は、DSV制御ビット挿入部11で入力される各データ列IDS1〜IDSnに、各々DSV制御ビット(X1〜Xn)が挿入された状態を示す図である。
【0031】
図4(c)は、図1のDSV計算区間抽出部23で抽出されるDSV計算区間CDS1〜CDSnを示す図であり、図4(b)のIDS(n)+X(n)の分割単位が、変調され、NRZI化されたものがカウントされ、各々rビットの最大拘束長の分だけさかのぼったデータ(符号語列)になっている。
【0032】
図4(d)は、図4(c)のDSV計算区間CDS1〜CDSnのデータから、“1”または“0”が挿入された各データ列毎に、各々の区間DSVが計算されて求められる様子を示す図である。図4(d)の一方の区間DSVが決定されると、その区間DSVがそれまでの積算DSVに加算されて新たな積算DSVとなって記憶(保存)される。
【0033】
“1”または“0”が挿入された各データ列毎に一方を選択する判断は、例えば、それまでの積算DSVがTLdsv1で、今回のDSV計算区間CDS2における区間DSVがSPdsv2とした場合、積算DSV計算部26で、絶対値|“1”TLdsv1+“1”SPdsv2|と、|“0”TLdsv1+“0”SPdsv2|との比較が実施され、小さい方が選択され、その区間DSVが選択部24に出力される。
【0034】
図5は、図1に示した本実施の形態の変調装置の動作フローチャートである。図4(a)に示したようなデータ列が、DSV制御ビット挿入部11に入力される(S1)と、DSV制御ビット挿入部11では、まず、不図示のビット挿入用カウンタで入力したデータ列のビット数を計数(カウント)する(S2)。DSV制御ビット挿入部11は、計数値が例えば47ビット等のDSV制御ビットの挿入間隔の値(所定値)に達したか否かを判断し(S3)、所定値に達しない場合(S3:NO)には、再度ステップS2の計数に戻り、所定値に達した場合(S3:YES)には、図4(b)に示したようにデータ列にDSV制御ビットを挿入する。その際には、データ列に“0”を挿入したデータ列と、“1”を挿入したデータ列の2種類を生成して変調部12に出力する(S4)。従って、ステップS4では、入力するデータ列に第1のDSV制御ビット(例えば、“1”)を挿入することで第1のデータ列(例えば、“1”のデータ列)、および、第2のDSV制御ビット(例えば、“0”)を挿入することで第2のデータ列(例えば、“0”のデータ列)を生成する
【0035】
変調部12では、DSV制御ビットが挿入された2種類のデータ列が入力されると、各データ列に対して、図2あるいは図3に示すような変換テーブルを用いて変調し、“0”を挿入した符号語列と、“1”を挿入した符号語列の2種類を生成し、さらにNRZI化して符号語列選択部13に出力する(S5)。従って、ステップS5では、第1のデータ列および第2のデータ列を、図2あるいは図3に示すように少なくとも最小反転間隔Tminおよび最大反転間隔Tmaxが規定された変換規則(変換テーブル))を用いて符号語列に変換することにより各々変調している。
【0036】
符号語列選択部13内では、まず、DSV計算区間抽出部23で、図示しない符号語列洗濯用のカウンタ手段を用いて各符号語列のビット数を計数する(S6)。DSV計算区間抽出部23は、計数値が、例えば、図4(c)のDSV計算区間に達したか否かを判断し(S7)、DSV計算区間に達しない場合(S7:NO)には、再度ステップS6の計数に戻り、DSV計算区間に達した場合(S7:YES)には、その各符号語列(DSV計算データ列CDS1〜n)を区間DSV計算部25に出力する。
【0037】
区間DSV計算部25では、図4(d)に示したような“1”および“0”の各DSV計算データ列MOD−CDS1〜nから、各々の区間毎のDSVを計算して(S8)、積算DSV計算部26に出力する。
【0038】
積算DSV計算部26では、“1”および“0”の各DSV計算区間毎のDSV(区間DSV)を、それまでの積算DSVに加算して、“1”の積算DSVと“0”の積算DSVを計算(S9)し、“1”の積算DSVと“0”の積算DSVの各絶対値が等しいか否かを判断する(S10)。
【0039】
“1”の積算DSVと“0”の積算DSVの各絶対値が等しくない場合(S10:NO)には、“1”の積算DSVの絶対値が“0”の積算DSVの絶対値よりも大きいか否かを判断し(S14)、“1”の積算DSVの絶対値が“0”の積算DSVの絶対値よりも大きい場合(S14:YES)には、“1”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S15)する。“1”の積算DSVの絶対値が“0”の積算DSVの絶対値よりも大きくない(小さい)場合(S14:NO)には、“0”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S16)する。また、決定した方の積算DSV値を保存し、決定された区間DSV値を次の区間DSV計算用として区間DSV計算部25に出力し、各カウンタ等の値をリセットする(S17)。
【0040】
従って、ステップS6〜S10では、第1のデータ列が変調された第1の符号語列における第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、第2のデータ列が変調された第2の符号語列における第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の各絶対値を比較しており、ステップS14以降では、その比較結果により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力している。
【0041】
選択部24では、決定された方の区間DSVに従い、“0”を挿入した符号語列と、“1”を挿入した符号語列から一方を選択して出力する。つまり、この場合には、第1の積算DSV値と第1の積算DSV値とから少ない方に該当する第1の符号語列および第2の符号語列を選択している。
【0042】
一方、積算DSV計算部26で“1”の積算DSVと“0”の積算DSVの各絶対値が等しい場合(S10:YES)には、反転間隔計算部27は、1”および“0”の各符号語列(“1”および“0”の各DSV計算データ列MOD−CDS1〜n)から各々の区間毎の反転間隔を計算して各反転間隔を最小反転間隔出現数計算部28に出力する(S11)。従って、ステップS11では、第1の区間DSVを演算するための第1DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第1反転間隔として計算すると共に、第2の区間DSVを演算するための第2DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として計算している。
【0043】
また、ステップS11では、第1反転間隔の開始位置を第1DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、第1反転間隔の終了位置を前記第1DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とし、第2反転間隔の開始位置を第2DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、第2反転間隔の終了位置を第2DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とすることにより、確実にDSVを計算できるようにしている。
【0044】
最小反転間隔出現数計算部28は、“1”および“0”の各反転間隔毎に、その中の最小反転間隔Tminの出現数を各々計算し、“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数を積算DSV計算部26に出力する(S12)。
【0045】
積算DSV計算部26では、“1”の各最小反転間隔Tminの出現数が“0”の各最小反転間隔Tminの出現数よりも少ないか否かを判断し(S13)、“1”の各最小反転間隔Tminの出現数が“0”の各最小反転間隔Tminの出現数よりも少ない場合(S13:YES)には、“1”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S15)し、“1”の各最小反転間隔Tminの出現数が“0”の各最小反転間隔Tminの出現数よりも少なくない(大きい)場合(S13:NO)には、“0”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S16)し、決定した方の積算DSV値を保存し、決定された区間DSV値を次の区間DSV計算用として区間DSV計算部25に出力し、各カウンタ等の値をリセットする(S17)。従って、ステップS12以降では、第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算して比較しており、その比較結果により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力している。
【0046】
選択部24では、決定された方の区間DSVに従い、“0”を挿入した符号語列と、“1”を挿入した符号語列から一方を選択して出力する。つまり、この場合には、第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数とから少ない方に該当する第1の符号語列および第2の符号語列を選択している。
【0047】
なお、上記した図5の場合には、ステップS10の各積算DSVの絶対値による判断を実施しているが、これは、図6に示したように、ステップS8とステップS9の間に、“1”と“0”の各区間DSVが等しいか否かを判断するステップS21を挿入し、図5におけるステップS10の各積算DSVの絶対値による判断を削除することにより、各積算DSVの絶対値による判断を各区間DSVによる判断にしても良い。
【0048】
このように本実施の形態によれば、DSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ための要素として、積算DSVとは別の要素である2組のデータ列の変調DSVならびに反転間隔の出現回数計算をそれぞれ行うことを評価尺度として併用し、通常はDSVによりその一方を選択するようにするとともに、2組のDSVが等しくなった場合にはその別要素である反転間隔の出現頻度によりその一方を選択することによってDSV制御ビットを決定するようにした。従って、本実施の形態では、従来の区間DSV(積算DSV)のみを用いる場合に比べて、記録符号列内の短周期の反転間隔の出現頻度を減らして平均反転間隔を増加させることができ、それにより信号レベルが小さい部分を減少させて符号品質を高めることができ、AGCやPLL等の波形処理の精度を向上させることができ、総合特性を高めることができる。
【0049】
実施の形態2.
実施の形態1では、最小反転間隔出現数計算部28で“1”と“0”の各符号語列中の各反転間隔における最小反転間隔Tminの出現回数を計算してDSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ようにしていたが、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合があり得る。そこで、本実施の形態では、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合でもDSV制御ビットを決定できる方法について説明する。
【0050】
本実施の形態では、より具体的には、各反転間隔における最小反転間隔Tminの出現回数に加えて、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数を計算する。そして、積算DSV計算計算部26において、2つの積算DSV値が等しい場合には、最小反転間隔Tminの出現回数を用い、さらに、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合には、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数の少ない方を用いてDSV制御ビットを決定する。
【0051】
本実施の形態の構成で、実施の形態1と異なる点は以下の部分であり、他の部分は実施の形態1と同様であるので重複する記載を省略する。
(1)最小反転間隔出現数計算部28は、第1反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数と共に最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数と共に最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数とを計算する。
【0052】
(2)積算DSV計算部26では、2つの積算DSV値が等しい場合には、最小反転間隔Tminの出現回数を用い、さらに、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合には、各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tを比較し、出現回数の少ない方に該当する区間DSVを選択(決定)して出力する。
【0053】
(3)選択部24は、第1の符号語列および第2の符号語列から決定(選択)された方の区間DSVに該当する方を選択して出力する。
【0054】
また、本実施の形態の動作については、図7に示した実施の形態2の変調装置の動作フローチャートを用いて説明する。
ステップS1〜S10までの動作は実施の形態1と同様である。
【0055】
本実施の形態では、積算DSV計算部26は、ステップS12の最小反転間隔出現数計算部28からの“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数を、各出現数が同じか否かを判断し(S31)、異なる場合(S31:NO)には、ステップS33に進み、“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数が同じ場合(S31:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、“1”および“0”の各反転間隔毎に、その中の最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数を各々計算し、“1”および“0”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数を積算DSV計算部26に出力する(S32)。
【0056】
積算DSV計算部26は、その各最小反転間隔Tminと最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数により、実施の形態1のステップS13と同様な判断を実施する(S33)。最小反転間隔Tminによる判断については、実施の形態1と同様であり、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tによる判断についてのみ以下に説明する。“1”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数が“0”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数よりも少ない場合(S33:YES)には、“1”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S15)し、“1”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数が“0”の各最小反転間隔Tminの出現数よりも少なくない(大きい)場合(S33:NO)には、“0”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S16)する。
【0057】
つまり、本実施の形態の符号語列を選択するステップでは、実施の形態1と同様に、ステップS10、S14等に示したように第1の積算DSV値の絶対値と第2の積算DSV値の絶対値とを比較することで選択を実施するが、第1の積算DSV値と第2の積算DSV値が等しい場合(S10:YES)には、まず、第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数により選択を実施し(S11、S12)、第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数が等しい場合(S31:YES)には、第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数に代えて最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数に代えて最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数とを比較する(S33)ことで、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択している。
【0058】
このように、本実施の形態では、最小反転間隔出現数計算部28で“1”と“0”の各符号語列中の各反転間隔における最小反転間隔Tminの出現回数だけでなく、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数を計算してDSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ようにしたので、積算DSV計算計算部26において、2つの積算DSV値が等しい場合で、さらに、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合でも、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数の少ない方を用いてDSV制御ビットを決定することができる。
【0059】
実施の形態3.
実施の形態2では、各反転間隔における最小反転間隔Tminの出現回数だけでなく、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数を計算してDSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ようにしたが、各反転間隔における最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数も等しい場合があり得る。そこで、本実施の形態では、最小反転間隔Tminおよび最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数も等しい場合でもDSV制御ビットを決定できる方法について説明する。
【0060】
本実施の形態の構成で、実施の形態2と異なる点は以下の部分であり、他の部分は実施の形態1と同様であるので重複する記載を省略する。
(4)最小反転間隔出現数計算部28は、最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させて各出現する計算する。つまり、最小反転間隔Tmin、Tmin+T、Tmin+2T、…、最大反転間隔Tmaxの出現回数を計算する。
【0061】
(5)積算DSV計算部26では、2つの積算DSV値が等しい場合には、最小反転間隔Tminの出現回数を用い、さらに、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合には、各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tを比較し、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数も等しい場合には、各最小反転間隔Tmin+n符号間隔T(nは2以上の整数)を比較し、比較結果が同じ場合には、最大反転間隔Tmaxに至るまで徐々にnの数値を増加させ、出現回数の少ない方に該当する区間DSVを選択(決定)して出力する。
【0062】
また、本実施の形態の動作については、図8に示した実施の形態3の変調装置の動作フローチャートを用いて説明する。
ステップS1〜S31までの動作は実施の形態2と同様である。
【0063】
本実施の形態では、積算DSV計算部26は、ステップS12の最小反転間隔出現数計算部28からの“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数を、各出現数が同じか否かを判断し(S31)、異なる場合(S31:NO)には、ステップS47に進み、“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数が同じ場合(S31:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、“1”および“0”の各反転間隔毎に、その中の最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数を各々計算し、“1”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数と“0”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数が等しいか否かを判断する(S42)。
【0064】
各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数が異なる場合(S42:NO)には、第1反転間隔中の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数とを比較する(S47)ことで、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択する。
【0065】
“1”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数と“0”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数とが同じ場合(S42:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、各反転間隔毎の中の最小反転間隔Tmin+n符号間隔T(nは2以上の整数)の出現数を各々計算し、各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数と各最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現数が等しいか否かを判断する(S43)。
【0066】
各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数が異なる場合(S43:NO)には、第1反転間隔中の各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現する回数とを比較する(S47)ことで、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択する。
【0067】
各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数が同じ場合(S43:YES)には、各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数と各最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現数が等しいか否かを判断し(S44)、等しくない場合(S44:NO)には、nを順次1だけ増加させて(n=n+1)(S45)、再度ステップS43の処理を実施する。
【0068】
各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数と各最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現数が等しい場合(S44:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、各最大反転間隔Tmaxの出現数が等しいか否かを判断し(S46)、等しい場合(S46:YES)には、処理を終了し、異なる場合(S46:NO)には、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数と、第2の反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数とを比較する(S47)ことで、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択する。以降の処理は、実施の形態2と同様である。
【0069】
つまり、本実施の形態では、第1反転間隔中の最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数が等しい場合(S42:YES)には、最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加(S45)させて各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの各出現する回数を比較する(S43)ことで選択を実施する。そして、最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加(S45)させる処理は、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、第2反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、該各回数の比較結果が異なる場合(S44:NO)には実施される。
【0070】
また、各出現する回数が、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、第2反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、該各回数の比較結果が等しい場合(S44:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数と、第2反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数を比較し(S46)、最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させた各出現する回数が、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、第2反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数に達し、該各回数の比較結果が等しくない場合(S46:NO)には、最大反転間隔Tmaxの出現する回数の少ない方に該当する第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択する(S47)。
【0071】
このように、本実施の形態では、最小反転間隔出現数計算部28で“1”と“0”の各符号語列中の各反転間隔における最小反転間隔Tmin、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数だけでなく、最小反転間隔Tmin+n符号間隔T(nは2以上の整数)の出現回数を計算してDSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ようにしたので、積算DSV計算計算部26において、2つの積算DSV値が等しい場合で、さらに、最小反転間隔Tmin、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数も等しい場合でも、最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現回数の少ない方を用いてDSV制御ビットを決定することができる。
【0072】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0073】
本発明によれば、DSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ための要素として、積算DSVとは別の要素である2組のデータ列の変調DSVならびに反転間隔の出現回数計算をそれぞれ行うことを評価尺度として併用し、通常はDSVによりその一方を選択するようにするとともに、2組のDSVの大きさが等しくなった場合にはその別要素である反転間隔の出現頻度によりその一方を選択することによってDSV制御ビットを決定するようにした。従って、本実施の形態では、従来の区間DSV(積算DSV)のみを用いる場合に比べて、記録符号列内の短周期の反転間隔の出現頻度を減らして平均反転間隔を増加させることができ、それにより信号レベルが小さい部分を減少させて符号品質が高めることができ、AGCやPLL等の波形処理の精度を向上させることができ、総合特性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である変調装置を示すブロック図である。
【図2】図1の変調部で入力するデータ列の変調に用いられる変換テーブルの一例を示す図である。
【図3】図1の変調部で入力するデータ列の変調に用いられる変換テーブルの他の一例を示す図である。
【図4】(a)はDSV制御ビット挿入部に入力されるデータ列を示すものであり、(b)はDSV制御ビット挿入部で入力される各データ列に各々DSV制御ビットが挿入された状態を示し、(c)は図1のDSV計算区間抽出部で抽出されるDSV計算区間を示す図であり、(d)は(c)のDSV計算区間のデータから各データ列毎に各々の区間DSVが計算されて求められる様子を示す図である。
【図5】図1に示した本実施の形態の変調装置の動作フローチャートである。
【図6】図5のステップS10の各積算DSVの絶対値による判断を各区間DSVによる判断にしたフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2の変調装置の動作フローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態3の変調装置の動作フローチャートである。
【符号の説明】
11 DSVビット挿入部、 12 変調部、 13 符号語列選択部、 23 DSV計算区間抽出部、 24 選択部、 25 区間DSV計算部、 26 積算DSV計算部、 27 反転間隔計算部、 28 最小反転間隔出現数計算部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ伝送や記録媒体への記録に適するように入力するデータに対して直流成分を抑制するDSV(Digital Sum Value)制御を行ない出力する変調装置に関し、特に、符号として規定された性質(最大ラン・最小ラン)を維持した上で効率よくデータに対してDSV制御を行なう変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の変調装置は、データを記録または伝送に適するように入力するデータ列に対して直流成分を抑制するDSV制御を行う際に、変調前の第1の符号列(データビット列)に所定の間隔でDSV制御ビットを挿入し、変調後の第2の符号列(チャンネルビット列)の直流成分が少なくなるようDSV制御ビットを決定している。DSV制御ビットを決定するためには、DSV制御ビットとして”0”を挿入したチャンネルビット列(0)と、同様に”1”を挿入したチャンネルビット列(1)の双方を生成し、各々のチャンネルビット列について、次のDSV制御ビットとの境界部から最大拘束長ビットまでさかのぼった位置まで拡大した区間におけるDSVと、それまでの積算DSVとの加算値を新たな積算DSVとして求め、その値が小さい値の方のチャンネルビット列を選択することで、DSV制御を実現している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】
特開平11−177431号公報(第1−12頁、図2)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チャンネルビット列(0)のDSVの積算DSVとの加算値と、チャンネルビット列(1)のDSVの積算DSVとの加算値との大きさが等しくなる場合があり、その場合には、DSV制御ビットとして”0”と”1”どちらを選んでも正しくDSV制御が行われたことになるため、何れのチャンネルビット列が選択されて出力されてもかまわないことになる。
【0004】
しかしながら、この場合には、チャンネルビット列(0)とチャンネルビット列(1)の何れが出力されてもDSV制御としては正しいとはいえ、出力されるチャンネルビット列(0)とチャンネルビット列(1)のデータ配列は異なっているので、同じ入力データでも出力結果が異なる場合が発生することになり、符号品質が低下するという問題が発生する。
そこで、符号品質の向上を図ることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであって、DSV制御ビットを決定するための要素として積算DSVとは別の要素を評価尺度として併用し、DSVが等しくなった場合にはその別要素によってDSV制御ビットを決定することで、符号品質が高い変調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明の変調装置は、入力するデータ列に第1のDSV制御ビットを挿入することで第1のデータ列、および、第2のDSV制御ビットを挿入することで第2のデータ列を生成するDSV制御ビット挿入部と、第1のデータ列および第2のデータ列を、少なくとも最小反転間隔Tminおよび最大反転間隔Tmaxが規定された変換規則を用いて符号語列に変換することにより変調する変調部と、第1のデータ列が変調された第1の符号語列における第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、第2のデータ列が変調された第2の符号語列における第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の比較により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力する符号語列選択部とを備える変調装置であって、
符号語列選択部は、さらに、
第1の区間DSVを演算するための第1DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第1反転間隔として計算すると共に、第2の区間DSVを演算するための第2DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として計算する反転間隔計算部と、
第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算する最小反転間隔出現数計算部とを有し、
第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数とから少ない方に該当する第1の符号語列および第2の符号語列を選択することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の変調方法は、入力するデータ列に第1のDSV制御ビットを挿入することで第1のデータ列、および、第2のDSV制御ビットを挿入することで第2のデータ列を生成するステップと、第1のデータ列および第2のデータ列を、少なくとも最小反転間隔Tminおよび最大反転間隔Tmaxが規定された変換規則を用いて符号語列に変換することにより変調するステップと、第1のデータ列が変調された第1の符号語列における第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、第2のデータ列が変調された第2の符号語列における第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の比較により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力するステップを有する変調方法であって、
符号語列を選択するステップは、さらに、
第1の区間DSVを演算するための第1DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第1反転間隔として計算すると共に、第2の区間DSVを演算するための第2DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として計算するステップと、
第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算するステップを有し、
第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数とから少ない方に該当する前記第1の符号語列および前記第2の符号語列を選択することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である変調装置を示すブロック図である。
図1の変調装置において、DSV制御ビット挿入部11は、例えば、基本ビット長がmビットである入力データ列に対して、所定の間隔(例えば、47ビット等)で、DSV制御用のビットとして“1”または“0”を挿入するものである。つまり、DSV制御ビット挿入部11からは、入力するデータ列に第1のDSV制御用のビットとして“1”が挿入された第1のデータ列と、入力するデータ列に第2のDSV制御用のビットとして“0”が挿入された第2のデータ列の2種類のデータ列が出力される。
【0010】
DSV制御は、上記したように変調後のチャンネルビット列から直流成分を減らすためのものである。変調符号に直流成分が含まれると、例えば、ディスク状記録装置のサーボの制御におけるトラッキングエラー等のエラー信号に変動が発生しやすくなり、ジッタが発生しやすくなるので、変調時には直流成分を減少させることが望ましく、そのために入力データに対してDSV制御が実施される。
【0011】
DSV制御では、まず、元のチャネルビット列をNRZI化(レベル符号化)し、そのデータシンボルのビット列では、チャネルビット列の“1”をレベル符号の“+1”とし、チャネルビット列の“0”をレベル符号の“−1”とする。そして、各レベル符号を加算した総和が符号列の直流成分の目安となるので、その総和の絶対値を小さくすることで、符号列の直流成分を抑制することを可能とするものである。
【0012】
変調部12は、DSV制御ビット挿入部11から入力する2種類(“1”または“0”を挿入されたもの)の各々のデータ列を、「基本データ長m×拘束長i」ビットからなる単位のデータ語にブロック化し、このデータ語を後述するテーブルに示した符号則に従い「基本符号長n×拘束長i」ビットからなる単位の符号語列に変換するものである。拘束長iが複数個(1〜imax)から選べる場合には、変換された符号語列は可変長の符号語列となる。拘束長iの最大値imaxを最大拘束長rとし、連続する“1”の間に入る“0”の最小連続個数を最小ランdとし、連続する“1”の間に入る“0”の最大連続個数を最大ランkとした場合、可変長符号のパラメータは(d,k;m,n;r)で表される。本実施の形態の変調部12では、可変長符号に対してさらにNRZI((Non Return to zero inverted)変調を実施して出力する。
【0013】
最小ランdは、最小反転間隔Tminとしても表せ、最小ランdが大きい場合には、最小反転間隔Tminが長いことになる。同様に、最大ランkは、最大反転間隔Tmaxとしても表せ、最大ランkが小さい場合には、最大反転間隔Tmaxが短いことになる。たとえば、ディスク状記録装置の線速方向に高密度記録を実施するためには、最小反転間隔Tminは長い方が望ましく、クロック再生の点では、最大反転間隔Tmaxは短い方が望ましい。
【0014】
光ディスクや磁気ディスク等のディスク状記録装置の変調方式としては、ランの長さ(レングス)を制限するRLL(ラン・レングス・リミテッド)規則が提案されており、具体的には、例えば、可変長RLL(d−k)、固定長RLL(d−k)で、最小ランdは1または2、最大ランkは7等となる。
【0015】
つまり、変調部12は、DSV制御ビット挿入部11から入力する第1のデータ列および第2のデータ列を、最小反転間隔Tmin、最大反転間隔Tmax、および、最大拘束長r等が規定された変換規則を用いて符号語列に変換することにより変調するものである。また、本実施の形態の変調部12は、変換規則として、最小反転間隔Tminの繰り返しである最小ランd=1の連続数の最大制限値、最大反転間隔Tmaxである最大ランkを与えるために必要となる最大拘束長rという条件を満足する変換テーブルを用い、基本ビット長をmビットとして基本符号長がnビットの可変長符号(d,k;m,n;r)の符号語列に変換することにより、第1のデータ列および第2のデータ列を変調し、さらに、その変換テーブルとして、被変換側のデータ列中の”1”の個数を”2”で除算した余りと変換された側の符号列中の”1”の個数を”2”で除算した余りとが”1”あるいは”0”の何れか一方に一致するという条件を満足する変換テーブルを用いている。
【0016】
符号語列選択部13は、変調部12から出力される可変長でNRZI化された2種類(“1”または“0”を挿入されたもの)の各々の符号語列に対して、2種類の各符号語列に対するDSV制御(積算DSV値=各レベル符号の総和が小さい方を選択)を実施し、DSV制御された符号語列を出力する。つまり、符号語列選択部13は、第1のデータ列が変調された第1の符号語列における第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、第2のデータ列が変調された第2の符号語列における第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の比較により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力するものである。
【0017】
符号語列選択部13の内部では、まず、DSV計算区間抽出部23は、各符号語列からDSV制御ビットを計算するための各々の区間を第1DSV計算区間および第2DSV計算区間として抽出するものである。ここで、DSV制御用のビットについては、上記したようにDSV制御ビット挿入部11では、例えば、47ビット等の所定の間隔で挿入されていたが、変調部12で可変長の符号語列になると、例えば、最小ランの繰り替え指数を制限するコード等のように、前に配置されたデータとの組み合わせでデータ変換され得る場合があり、所定間隔の符号語列だけではDSV制御用のビットを判断できない場合がある。そこで、DSV計算区間抽出部23では、各符号語列における基本データ長mに対する基本符号長nの比率(n/m:例えば、n=3、m=2なら1.5)倍のビットよりもさかのぼった位置まで含んでDSV計算区間として抽出し、逆に、DSV計算区間の終了位置としては、次のDSV計算区間がさかのぼる分だけ早く終了させることで、1カ所のDSV制御ビットを含む符号語列が必ず得られることになる。DSV計算区間のさかのぼる位置は、可変長の各符号語列のデータの切れ目により前後するが、最小が0ビットであり、最大が最大拘束長rのビット数までさかのぼることとする。
【0018】
選択部24は、DSV計算区間抽出部23から入力するDSV計算区間毎の2種類の符号語列(“1”または“0”を挿入された第1符号語列、第2符号語列)から、後述する積算DSV計算部26から入力する決定区間DSVの値により一方を選択して出力する。
【0019】
区間DSV計算部25は、DSV計算区間抽出部23で抽出された2種類の各符号語列(“1”または“0”を挿入されたもの)の区間におけるDSV(第1および第2DSV計算区間DSV)を各々計算する。
【0020】
積算DSV計算部26は、2種類の各区間DSV(第1および第2DSV計算区間DSV)が同じ値であるか否かを判断し、同じ値でない場合には、それまでに決定された区間DSVの総和である積算DSVに対して、前記2種類の区間DSVを各々加算して新たな積算DSVを演算し、その加算結果(積算DSV)の絶対値同士を比較し、絶対値が低い方の区間DSVを決定区間DSVとして選択する。一方、2種類の各区間DSVが同じ値である場合には、(第1の積算DSV値と前記第2の積算DSV値)後述するように2種類の各符号語列における最小反転間隔の出現回数を計算した結果(第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数)を比較し、最小反転間隔の出現回数が少ない方の区間DSVを決定区間DSVとして選択する。そして、その決定区間DSVをそれまでの積算DSVに対して加算して新たな積算DSVを計算する。また、決定区間DSVの値は、2種類の符号語列の選択に利用するために選択部24に送出し、また、区間DSV計算部25に戻して次の区間DSVの計算に利用する。
【0021】
反転間隔計算部27は、第1DSV計算区間における“―1”から“1”あるいは“1”から“―1”のように各反転する符号について前回(直前)の反転からの時間を第1反転間隔として各々計算すると共に、第2DSV計算区間における各反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として各々計算する。反転間隔計算部27は、区間DSV計算部25で計算される各DSV計算区間に基づいて反転間隔を計算するが、その場合の計算対象区間は各DSV計算区間と一致しているとは限らず、各DSV計算区間の前後の符号反転の発生位置により変化する。例えば、第1反転間隔の開始位置を第1DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、第1反転間隔の終了位置を第1DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とし、第2反転間隔の開始位置を第2DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、第2反転間隔の終了位置を第2DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とする場合がある。このような範囲における反転周期カウントは、例えば、単純な反転周期カウンタを常時動作させ、DSV計算区間抽出部23の抽出区間を出力イネーブルとする等で容易に実現できる。
【0022】
反転間隔計算部27は、DSV計算区間抽出23と同様の区間について、データが”0”から”1”あるいは”1”から”0”へ反転する度に直前の反転からの時間間隔を計算し出力するが、このとき、反転間隔の区切りはデータが”0”から”1”あるいは”1”から”0”へ反転する点であり、DSV計算区間抽出部23で取り出した符号区切り(DSVビットを含む符号区切りから次のDSVビットの直前の符号区切りまで)と一致するとは限らない。そこで、反転間隔計算部27は、開始点は少しさかのぼってDSVビットを含む符号区切りの直前の反転位置とし、終了点は次のDSVビットの直前の符号区切りまでの最後の反転位置として動作する。
【0023】
最小反転間隔出現数計算部28は、第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算して積算DSV計算部26に出力する。積算DSV計算部26では、これにより、2種類の各区間DSVが等しい値である場合の処理を実施する。
【0024】
言い換えれば、最小反転間隔出現数計算部28は、DSVビットに”0”が挿入されたときのチャンネルビットレベル化列と、DSVビットに”1”が挿入されたときのチャンネルビットレベル化列の2つの系列について、反転間隔計算部27で確定した反転間隔計算区間分の反転間隔を順次入力として受け取り、各系列について最小反転間隔Tminの出現回数を計算する。そして積算DSV計算計算部26において、2つの積算DSV値が等しい場合、最小反転間隔Tminの出現回数の小さい方をDSVビットとして決定する。
【0025】
図2は、図1の変調部12で入力するデータ列の変調に用いられる変換テーブルの一例を示す図である。
図2の変換テーブルは、パラメータ(d,k;m,n;r)が(1,7;2,3;4)である。従って、“1”または“0”が挿入された各データ列を、「基本データ長2×拘束長i(=1〜4:可変長)」ビットからなる単位のデータ語にブロック化し、このデータ語を「基本符号長3×拘束長i」ビットからなる単位の符号語列に変換するものであり、最小ランd=1の可変長構造である。また、最後の2行に最小ランdの連続数、すなわち、最小反転間隔Tminの繰り返し回数を制限する置き換えコードを最後の2行に有している。図2の場合の最小反転間隔Tminの繰り返し回数は、最大で6回までに制限される。
【0026】
図2の変換テーブルでは、被変換側のデータ列中の”1”の個数を”2”で除算した余りと、変換された側の符号列中の”1”の個数を”2”で除算した余りとが、”1”あるいは”0”の何れか一方に一致するという条件を満足する変換規則を有している。また、図2の変換テーブルでは、最大ラン=7を満足するために、最大拘束長r=4となっており、このrの値は、上記した最小反転間隔Tminの繰り返し回数を制限する置き換えコードの付加によっても増加しない。
【0027】
図3は、図1の変調部12で入力するデータ列の変調に用いられる変換テーブルの他の一例を示す図である。
図3の変換テーブルは、図2の変換テーブルと同様にパラメータ(d,k;m,n;r)が(1,7;2,3;4)である。従って、“1”または“0”が挿入された各データ列を、「基本データ長2×拘束長i(=1〜4:可変長)」ビットからなる単位のデータ語にブロック化し、このデータ語を「基本符号長3×拘束長i」ビットからなる単位の符号語列に変換するものであり、最小ランd=1の可変長構造である。また、最後の2行に最小ランdの連続数、すなわち、最小反転間隔Tminの繰り返し回数を制限する置き換えコードを最後の2行に有している。図3の場合の最小反転間隔Tminの繰り返し回数も、最大で6回までに制限される。
【0028】
図3の変換テーブルも、被変換側のデータ列中の”1”の個数を”2”で除算した余りと、変換された側の符号列中の”1”の個数を”2”で除算した余りとが、”1”あるいは”0”の何れか一方に一致するという条件を満足する変換規則を有している。また、図3の変換テーブルでは、最大ラン=7を満足するために、最大拘束長r=4となっており、このrの値は、上記した最小反転間隔Tminの繰り返し回数を制限する置き換えコードの付加によっても増加しない。
【0029】
また、図3の変換テーブルでは不確定符号*が与えられており、これは、要素内の“1”の個数を2で除算した場合のあまりの値をそろえるためのものである。不確定符号*は、その不確定符号*の次に来る符号が“0”の場合、つまり、不確定符号*が“0”の前の場合には“1”になり、逆に、その不確定符号*の次に来る符号が“1”の場合、つまり、不確定符号*が“1”の前の場合には“0”になる符号である。
【0030】
図4は、図1の各部におけるデータ列および符号語列を模式的に示す図である。図4(a)は、DSV制御ビット挿入部11に入力されるデータ列を示すものであり、そのデータ列の分割単位IDS1〜IDSnは、DSV制御ビット(X)を挿入するための間隔(SP)毎に分割されている。SPは、例えば、47ビットであり、nは正の整数である。図4(b)は、DSV制御ビット挿入部11で入力される各データ列IDS1〜IDSnに、各々DSV制御ビット(X1〜Xn)が挿入された状態を示す図である。
【0031】
図4(c)は、図1のDSV計算区間抽出部23で抽出されるDSV計算区間CDS1〜CDSnを示す図であり、図4(b)のIDS(n)+X(n)の分割単位が、変調され、NRZI化されたものがカウントされ、各々rビットの最大拘束長の分だけさかのぼったデータ(符号語列)になっている。
【0032】
図4(d)は、図4(c)のDSV計算区間CDS1〜CDSnのデータから、“1”または“0”が挿入された各データ列毎に、各々の区間DSVが計算されて求められる様子を示す図である。図4(d)の一方の区間DSVが決定されると、その区間DSVがそれまでの積算DSVに加算されて新たな積算DSVとなって記憶(保存)される。
【0033】
“1”または“0”が挿入された各データ列毎に一方を選択する判断は、例えば、それまでの積算DSVがTLdsv1で、今回のDSV計算区間CDS2における区間DSVがSPdsv2とした場合、積算DSV計算部26で、絶対値|“1”TLdsv1+“1”SPdsv2|と、|“0”TLdsv1+“0”SPdsv2|との比較が実施され、小さい方が選択され、その区間DSVが選択部24に出力される。
【0034】
図5は、図1に示した本実施の形態の変調装置の動作フローチャートである。図4(a)に示したようなデータ列が、DSV制御ビット挿入部11に入力される(S1)と、DSV制御ビット挿入部11では、まず、不図示のビット挿入用カウンタで入力したデータ列のビット数を計数(カウント)する(S2)。DSV制御ビット挿入部11は、計数値が例えば47ビット等のDSV制御ビットの挿入間隔の値(所定値)に達したか否かを判断し(S3)、所定値に達しない場合(S3:NO)には、再度ステップS2の計数に戻り、所定値に達した場合(S3:YES)には、図4(b)に示したようにデータ列にDSV制御ビットを挿入する。その際には、データ列に“0”を挿入したデータ列と、“1”を挿入したデータ列の2種類を生成して変調部12に出力する(S4)。従って、ステップS4では、入力するデータ列に第1のDSV制御ビット(例えば、“1”)を挿入することで第1のデータ列(例えば、“1”のデータ列)、および、第2のDSV制御ビット(例えば、“0”)を挿入することで第2のデータ列(例えば、“0”のデータ列)を生成する
【0035】
変調部12では、DSV制御ビットが挿入された2種類のデータ列が入力されると、各データ列に対して、図2あるいは図3に示すような変換テーブルを用いて変調し、“0”を挿入した符号語列と、“1”を挿入した符号語列の2種類を生成し、さらにNRZI化して符号語列選択部13に出力する(S5)。従って、ステップS5では、第1のデータ列および第2のデータ列を、図2あるいは図3に示すように少なくとも最小反転間隔Tminおよび最大反転間隔Tmaxが規定された変換規則(変換テーブル))を用いて符号語列に変換することにより各々変調している。
【0036】
符号語列選択部13内では、まず、DSV計算区間抽出部23で、図示しない符号語列洗濯用のカウンタ手段を用いて各符号語列のビット数を計数する(S6)。DSV計算区間抽出部23は、計数値が、例えば、図4(c)のDSV計算区間に達したか否かを判断し(S7)、DSV計算区間に達しない場合(S7:NO)には、再度ステップS6の計数に戻り、DSV計算区間に達した場合(S7:YES)には、その各符号語列(DSV計算データ列CDS1〜n)を区間DSV計算部25に出力する。
【0037】
区間DSV計算部25では、図4(d)に示したような“1”および“0”の各DSV計算データ列MOD−CDS1〜nから、各々の区間毎のDSVを計算して(S8)、積算DSV計算部26に出力する。
【0038】
積算DSV計算部26では、“1”および“0”の各DSV計算区間毎のDSV(区間DSV)を、それまでの積算DSVに加算して、“1”の積算DSVと“0”の積算DSVを計算(S9)し、“1”の積算DSVと“0”の積算DSVの各絶対値が等しいか否かを判断する(S10)。
【0039】
“1”の積算DSVと“0”の積算DSVの各絶対値が等しくない場合(S10:NO)には、“1”の積算DSVの絶対値が“0”の積算DSVの絶対値よりも大きいか否かを判断し(S14)、“1”の積算DSVの絶対値が“0”の積算DSVの絶対値よりも大きい場合(S14:YES)には、“1”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S15)する。“1”の積算DSVの絶対値が“0”の積算DSVの絶対値よりも大きくない(小さい)場合(S14:NO)には、“0”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S16)する。また、決定した方の積算DSV値を保存し、決定された区間DSV値を次の区間DSV計算用として区間DSV計算部25に出力し、各カウンタ等の値をリセットする(S17)。
【0040】
従って、ステップS6〜S10では、第1のデータ列が変調された第1の符号語列における第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、第2のデータ列が変調された第2の符号語列における第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の各絶対値を比較しており、ステップS14以降では、その比較結果により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力している。
【0041】
選択部24では、決定された方の区間DSVに従い、“0”を挿入した符号語列と、“1”を挿入した符号語列から一方を選択して出力する。つまり、この場合には、第1の積算DSV値と第1の積算DSV値とから少ない方に該当する第1の符号語列および第2の符号語列を選択している。
【0042】
一方、積算DSV計算部26で“1”の積算DSVと“0”の積算DSVの各絶対値が等しい場合(S10:YES)には、反転間隔計算部27は、1”および“0”の各符号語列(“1”および“0”の各DSV計算データ列MOD−CDS1〜n)から各々の区間毎の反転間隔を計算して各反転間隔を最小反転間隔出現数計算部28に出力する(S11)。従って、ステップS11では、第1の区間DSVを演算するための第1DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第1反転間隔として計算すると共に、第2の区間DSVを演算するための第2DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として計算している。
【0043】
また、ステップS11では、第1反転間隔の開始位置を第1DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、第1反転間隔の終了位置を前記第1DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とし、第2反転間隔の開始位置を第2DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、第2反転間隔の終了位置を第2DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とすることにより、確実にDSVを計算できるようにしている。
【0044】
最小反転間隔出現数計算部28は、“1”および“0”の各反転間隔毎に、その中の最小反転間隔Tminの出現数を各々計算し、“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数を積算DSV計算部26に出力する(S12)。
【0045】
積算DSV計算部26では、“1”の各最小反転間隔Tminの出現数が“0”の各最小反転間隔Tminの出現数よりも少ないか否かを判断し(S13)、“1”の各最小反転間隔Tminの出現数が“0”の各最小反転間隔Tminの出現数よりも少ない場合(S13:YES)には、“1”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S15)し、“1”の各最小反転間隔Tminの出現数が“0”の各最小反転間隔Tminの出現数よりも少なくない(大きい)場合(S13:NO)には、“0”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S16)し、決定した方の積算DSV値を保存し、決定された区間DSV値を次の区間DSV計算用として区間DSV計算部25に出力し、各カウンタ等の値をリセットする(S17)。従って、ステップS12以降では、第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算して比較しており、その比較結果により、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択して出力している。
【0046】
選択部24では、決定された方の区間DSVに従い、“0”を挿入した符号語列と、“1”を挿入した符号語列から一方を選択して出力する。つまり、この場合には、第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数とから少ない方に該当する第1の符号語列および第2の符号語列を選択している。
【0047】
なお、上記した図5の場合には、ステップS10の各積算DSVの絶対値による判断を実施しているが、これは、図6に示したように、ステップS8とステップS9の間に、“1”と“0”の各区間DSVが等しいか否かを判断するステップS21を挿入し、図5におけるステップS10の各積算DSVの絶対値による判断を削除することにより、各積算DSVの絶対値による判断を各区間DSVによる判断にしても良い。
【0048】
このように本実施の形態によれば、DSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ための要素として、積算DSVとは別の要素である2組のデータ列の変調DSVならびに反転間隔の出現回数計算をそれぞれ行うことを評価尺度として併用し、通常はDSVによりその一方を選択するようにするとともに、2組のDSVが等しくなった場合にはその別要素である反転間隔の出現頻度によりその一方を選択することによってDSV制御ビットを決定するようにした。従って、本実施の形態では、従来の区間DSV(積算DSV)のみを用いる場合に比べて、記録符号列内の短周期の反転間隔の出現頻度を減らして平均反転間隔を増加させることができ、それにより信号レベルが小さい部分を減少させて符号品質を高めることができ、AGCやPLL等の波形処理の精度を向上させることができ、総合特性を高めることができる。
【0049】
実施の形態2.
実施の形態1では、最小反転間隔出現数計算部28で“1”と“0”の各符号語列中の各反転間隔における最小反転間隔Tminの出現回数を計算してDSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ようにしていたが、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合があり得る。そこで、本実施の形態では、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合でもDSV制御ビットを決定できる方法について説明する。
【0050】
本実施の形態では、より具体的には、各反転間隔における最小反転間隔Tminの出現回数に加えて、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数を計算する。そして、積算DSV計算計算部26において、2つの積算DSV値が等しい場合には、最小反転間隔Tminの出現回数を用い、さらに、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合には、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数の少ない方を用いてDSV制御ビットを決定する。
【0051】
本実施の形態の構成で、実施の形態1と異なる点は以下の部分であり、他の部分は実施の形態1と同様であるので重複する記載を省略する。
(1)最小反転間隔出現数計算部28は、第1反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数と共に最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数と共に最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数とを計算する。
【0052】
(2)積算DSV計算部26では、2つの積算DSV値が等しい場合には、最小反転間隔Tminの出現回数を用い、さらに、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合には、各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tを比較し、出現回数の少ない方に該当する区間DSVを選択(決定)して出力する。
【0053】
(3)選択部24は、第1の符号語列および第2の符号語列から決定(選択)された方の区間DSVに該当する方を選択して出力する。
【0054】
また、本実施の形態の動作については、図7に示した実施の形態2の変調装置の動作フローチャートを用いて説明する。
ステップS1〜S10までの動作は実施の形態1と同様である。
【0055】
本実施の形態では、積算DSV計算部26は、ステップS12の最小反転間隔出現数計算部28からの“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数を、各出現数が同じか否かを判断し(S31)、異なる場合(S31:NO)には、ステップS33に進み、“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数が同じ場合(S31:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、“1”および“0”の各反転間隔毎に、その中の最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数を各々計算し、“1”および“0”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数を積算DSV計算部26に出力する(S32)。
【0056】
積算DSV計算部26は、その各最小反転間隔Tminと最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数により、実施の形態1のステップS13と同様な判断を実施する(S33)。最小反転間隔Tminによる判断については、実施の形態1と同様であり、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tによる判断についてのみ以下に説明する。“1”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数が“0”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数よりも少ない場合(S33:YES)には、“1”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S15)し、“1”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数が“0”の各最小反転間隔Tminの出現数よりも少なくない(大きい)場合(S33:NO)には、“0”の区間DSVを選択(決定)して選択部24に出力(S16)する。
【0057】
つまり、本実施の形態の符号語列を選択するステップでは、実施の形態1と同様に、ステップS10、S14等に示したように第1の積算DSV値の絶対値と第2の積算DSV値の絶対値とを比較することで選択を実施するが、第1の積算DSV値と第2の積算DSV値が等しい場合(S10:YES)には、まず、第1最小反転間隔出現数と第2最小反転間隔出現数により選択を実施し(S11、S12)、第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数が等しい場合(S31:YES)には、第1反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数に代えて最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tminの出現する回数に代えて最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数とを比較する(S33)ことで、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択している。
【0058】
このように、本実施の形態では、最小反転間隔出現数計算部28で“1”と“0”の各符号語列中の各反転間隔における最小反転間隔Tminの出現回数だけでなく、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数を計算してDSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ようにしたので、積算DSV計算計算部26において、2つの積算DSV値が等しい場合で、さらに、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合でも、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数の少ない方を用いてDSV制御ビットを決定することができる。
【0059】
実施の形態3.
実施の形態2では、各反転間隔における最小反転間隔Tminの出現回数だけでなく、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数を計算してDSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ようにしたが、各反転間隔における最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数も等しい場合があり得る。そこで、本実施の形態では、最小反転間隔Tminおよび最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数も等しい場合でもDSV制御ビットを決定できる方法について説明する。
【0060】
本実施の形態の構成で、実施の形態2と異なる点は以下の部分であり、他の部分は実施の形態1と同様であるので重複する記載を省略する。
(4)最小反転間隔出現数計算部28は、最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させて各出現する計算する。つまり、最小反転間隔Tmin、Tmin+T、Tmin+2T、…、最大反転間隔Tmaxの出現回数を計算する。
【0061】
(5)積算DSV計算部26では、2つの積算DSV値が等しい場合には、最小反転間隔Tminの出現回数を用い、さらに、最小反転間隔Tminの出現回数も等しい場合には、各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tを比較し、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数も等しい場合には、各最小反転間隔Tmin+n符号間隔T(nは2以上の整数)を比較し、比較結果が同じ場合には、最大反転間隔Tmaxに至るまで徐々にnの数値を増加させ、出現回数の少ない方に該当する区間DSVを選択(決定)して出力する。
【0062】
また、本実施の形態の動作については、図8に示した実施の形態3の変調装置の動作フローチャートを用いて説明する。
ステップS1〜S31までの動作は実施の形態2と同様である。
【0063】
本実施の形態では、積算DSV計算部26は、ステップS12の最小反転間隔出現数計算部28からの“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数を、各出現数が同じか否かを判断し(S31)、異なる場合(S31:NO)には、ステップS47に進み、“1”および“0”の各最小反転間隔Tminの出現数が同じ場合(S31:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、“1”および“0”の各反転間隔毎に、その中の最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数を各々計算し、“1”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数と“0”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数が等しいか否かを判断する(S42)。
【0064】
各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数が異なる場合(S42:NO)には、第1反転間隔中の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数とを比較する(S47)ことで、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択する。
【0065】
“1”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数と“0”の各最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現数とが同じ場合(S42:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、各反転間隔毎の中の最小反転間隔Tmin+n符号間隔T(nは2以上の整数)の出現数を各々計算し、各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数と各最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現数が等しいか否かを判断する(S43)。
【0066】
各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数が異なる場合(S43:NO)には、第1反転間隔中の各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現する回数とを比較する(S47)ことで、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択する。
【0067】
各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数が同じ場合(S43:YES)には、各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数と各最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現数が等しいか否かを判断し(S44)、等しくない場合(S44:NO)には、nを順次1だけ増加させて(n=n+1)(S45)、再度ステップS43の処理を実施する。
【0068】
各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現数と各最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現数が等しい場合(S44:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、各最大反転間隔Tmaxの出現数が等しいか否かを判断し(S46)、等しい場合(S46:YES)には、処理を終了し、異なる場合(S46:NO)には、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数と、第2の反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数とを比較する(S47)ことで、第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択する。以降の処理は、実施の形態2と同様である。
【0069】
つまり、本実施の形態では、第1反転間隔中の最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数が等しい場合(S42:YES)には、最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加(S45)させて各最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの各出現する回数を比較する(S43)ことで選択を実施する。そして、最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加(S45)させる処理は、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、第2反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、該各回数の比較結果が異なる場合(S44:NO)には実施される。
【0070】
また、各出現する回数が、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、第2反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、該各回数の比較結果が等しい場合(S44:YES)には、最小反転間隔出現数計算部28は、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数と、第2反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数を比較し(S46)、最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させた各出現する回数が、第1反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、第2反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数に達し、該各回数の比較結果が等しくない場合(S46:NO)には、最大反転間隔Tmaxの出現する回数の少ない方に該当する第1の符号語列および第2の符号語列の一方を選択する(S47)。
【0071】
このように、本実施の形態では、最小反転間隔出現数計算部28で“1”と“0”の各符号語列中の各反転間隔における最小反転間隔Tmin、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数だけでなく、最小反転間隔Tmin+n符号間隔T(nは2以上の整数)の出現回数を計算してDSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ようにしたので、積算DSV計算計算部26において、2つの積算DSV値が等しい場合で、さらに、最小反転間隔Tmin、最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現回数も等しい場合でも、最小反転間隔Tmin+n符号間隔Tの出現回数の少ない方を用いてDSV制御ビットを決定することができる。
【0072】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0073】
本発明によれば、DSV制御ビットを決定する(符号語列を選択する)ための要素として、積算DSVとは別の要素である2組のデータ列の変調DSVならびに反転間隔の出現回数計算をそれぞれ行うことを評価尺度として併用し、通常はDSVによりその一方を選択するようにするとともに、2組のDSVの大きさが等しくなった場合にはその別要素である反転間隔の出現頻度によりその一方を選択することによってDSV制御ビットを決定するようにした。従って、本実施の形態では、従来の区間DSV(積算DSV)のみを用いる場合に比べて、記録符号列内の短周期の反転間隔の出現頻度を減らして平均反転間隔を増加させることができ、それにより信号レベルが小さい部分を減少させて符号品質が高めることができ、AGCやPLL等の波形処理の精度を向上させることができ、総合特性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である変調装置を示すブロック図である。
【図2】図1の変調部で入力するデータ列の変調に用いられる変換テーブルの一例を示す図である。
【図3】図1の変調部で入力するデータ列の変調に用いられる変換テーブルの他の一例を示す図である。
【図4】(a)はDSV制御ビット挿入部に入力されるデータ列を示すものであり、(b)はDSV制御ビット挿入部で入力される各データ列に各々DSV制御ビットが挿入された状態を示し、(c)は図1のDSV計算区間抽出部で抽出されるDSV計算区間を示す図であり、(d)は(c)のDSV計算区間のデータから各データ列毎に各々の区間DSVが計算されて求められる様子を示す図である。
【図5】図1に示した本実施の形態の変調装置の動作フローチャートである。
【図6】図5のステップS10の各積算DSVの絶対値による判断を各区間DSVによる判断にしたフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2の変調装置の動作フローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態3の変調装置の動作フローチャートである。
【符号の説明】
11 DSVビット挿入部、 12 変調部、 13 符号語列選択部、 23 DSV計算区間抽出部、 24 選択部、 25 区間DSV計算部、 26 積算DSV計算部、 27 反転間隔計算部、 28 最小反転間隔出現数計算部。
Claims (16)
- 入力するデータ列に第1のDSV制御ビットを挿入することで第1のデータ列、および、第2のDSV制御ビットを挿入することで第2のデータ列を生成するDSV制御ビット挿入部と、
前記第1のデータ列および第2のデータ列を、少なくとも最小反転間隔Tminおよび最大反転間隔Tmaxが規定された変換規則を用いて符号語列に変換することにより変調する変調部と、
前記第1のデータ列が変調された第1の符号語列における前記第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、前記第2のデータ列が変調された第2の符号語列における前記第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の比較により、前記第1の符号語列および前記第2の符号語列の一方を選択して出力する符号語列選択部と
を備える変調装置であって、
前記符号語列選択部は、さらに、
前記第1の区間DSVを演算するための第1DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第1反転間隔として計算すると共に、前記第2の区間DSVを演算するための第2DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として計算する反転間隔計算部と、
前記第1反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算する最小反転間隔出現数計算部と
を有し、
前記第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数とから少ない方に該当する前記第1の符号語列および前記第2の符号語列を選択する
ことを特徴とする変調装置。 - 前記変調部の変換規則は、最大拘束長が規定され、
前記反転間隔計算部は、
前記第1反転間隔の開始位置を前記第1DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、前記第1反転間隔の終了位置を前記第1DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とし、
前記第2反転間隔の開始位置を前記第2DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、前記第2反転間隔の終了位置を前記第2DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とする
ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。 - 前記符号語列選択部は、
前記第1の積算DSV値の絶対値と前記第2の積算DSV値の絶対値とを比較することで前記選択を実施する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の変調装置。 - 前記符号語列選択部は、
前記第1の積算DSV値と前記第2の積算DSV値が等しい場合には、前記第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数により前記選択を実施する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の変調装置。 - 前記最小反転間隔出現数計算部は、
前記第1反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数と共に前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数と共に前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数とを比較し、
前記符号語列選択部は、
前記第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数が等しい場合には、前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数の少ない方に該当する前記第1の符号語列および前記第2の符号語列を選択する
ことを特徴とする請求項4に記載の変調装置。 - 前記最小反転間隔出現数計算部は、
前記最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させて各出現する回数を比較し、
前記符号語列選択部は、
前記第1反転間隔中の前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数が等しい場合には、前記最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させて各出現する回数の少ない方に該当する前記第1の符号語列および前記第2の符号語列を選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の変調装置。 - 前記最小反転間隔出現数計算部は、
前記第1反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数と、前記第2反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数を比較し、
前記符号語列選択部は、
前記最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させた前記各出現する回数が、前記第1反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、前記第2反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数に達し、該各回数の比較結果が等しくない場合には、前記最大反転間隔Tmaxの出現する回数の少ない方に該当する前記第1の符号語列および前記第2の符号語列を選択する
ことを特徴とする請求項6に記載の変調装置。 - 前記DSV制御ビット挿入部は、前記第1のDSV制御ビットとして”1”を入力するデータ列に挿入し、前記第2のDSV制御ビットとして”0”を入力するデータ列に挿入する
ことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の変調装置。 - 前記変調部は、
前記変換規則として、最小反転間隔Tminの繰り返しである最小ランd=1の連続数の最大制限値、最大反転間隔Tmaxである最大ランkを与えるために必要となる最大拘束長rという条件を満足する変換テーブルを用い、基本ビット長をmビットとして基本符号長がnビットの可変長符号(d,k;m,n;r)の符号語列に変換することにより、前記第1のデータ列および第2のデータ列を変調する
ことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の変調装置。 - 前記変調部は、
前記変換テーブルとして、被変換側のデータ列中の”1”の個数を”2”で除算した余りと変換された側の符号列中の”1”の個数を”2”で除算した余りとが”1”あるいは”0”の何れか一方に一致するという条件を満足する変換テーブルを用いる
ことを特徴とする請求項9に記載の変調装置。 - 入力するデータ列に第1のDSV制御ビットを挿入することで第1のデータ列、および、第2のDSV制御ビットを挿入することで第2のデータ列を生成するステップと、
前記第1のデータ列および第2のデータ列を、少なくとも最小反転間隔Tminおよび最大反転間隔Tmaxが規定された変換規則を用いて符号語列に変換することにより変調するステップと、
前記第1のデータ列が変調された第1の符号語列における前記第1の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第1の積算DSV値と、前記第2のデータ列が変調された第2の符号語列における前記第2の区間DSVを演算してそれまでの積算DSVに加算した第2の積算DSV値の比較により、前記第1の符号語列および前記第2の符号語列の一方を選択して出力するステップ
を有する変調方法であって、
前記符号語列を選択するステップは、さらに、
前記第1の区間DSVを演算するための第1DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第1反転間隔として計算すると共に、前記第2の区間DSVを演算するための第2DSV計算区間における反転符号について前回の反転からの時間を第2反転間隔として計算するステップと、
前記第1反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数である第1最小反転間隔出現数と、第2の反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数である第2最小反転間隔出現数とを計算するステップ
を有し、
前記第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数とから少ない方に該当する前記第1の符号語列および前記第2の符号語列を選択する
ことを特徴とする変調方法。 - 前記反転間隔を計算するステップでは、
前記第1反転間隔の開始位置を前記第1DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、前記第1反転間隔の終了位置を前記第1DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とし、
前記第2反転間隔の開始位置を前記第2DSV計算区間の直前の反転位置までさかのぼり、前記第2反転間隔の終了位置を前記第2DSV計算区間の最後からその直前の反転位置までさかのぼった位置とする
ことを特徴とする請求項11に記載の変調方法。 - 前記符号語列を選択するステップでは、
前記第1の積算DSV値の絶対値と前記第2の積算DSV値の絶対値とを比較することで前記選択を実施し、
前記第1の積算DSV値と前記第2の積算DSV値が等しい場合には、前記第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数により前記選択を実施し、
前記第1最小反転間隔出現数と前記第2最小反転間隔出現数が等しい場合には、前記第1反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数に代わる前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の前記最小反転間隔Tminの出現する回数に代わる前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数とを比較することで前記選択を実施し、
前記第1反転間隔中の前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数と、第2の反転間隔中の前記最小反転間隔Tmin+1符号間隔Tの出現する回数が等しい場合には、前記最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させて前記各出現する回数を比較することで前記選択を実施し、
前記最小反転間隔Tminに加算する符号間隔Tを1ずつ増加させた前記各出現する回数が、前記第1反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数と、前記第2反転間隔中の最大反転間隔Tmax−1符号間隔Tの出現する回数に達し、該各回数の比較結果が等しい場合には、前記第1反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数と、前記第2反転間隔中の最大反転間隔Tmaxの出現する回数を比較することで前記選択を実施する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の変調方法。 - 前記DSV制御ビットを挿入することでデータ列を生成するステップでは、前記第1のDSV制御ビットとして”1”を入力するデータ列に挿入し、前記第2のDSV制御ビットとして”0”を入力するデータ列に挿入する
ことを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の変調方法。 - 前記変調するステップでは、
前記変換規則として、最小反転間隔Tminの繰り返しである最小ランd=1の連続数の最大制限値、最大反転間隔Tmaxである最大ランkを与えるために必要となる最大拘束長rという条件を満足する変換テーブルを用い、基本ビット長をmビットとして基本符号長がnビットの可変長符号(d,k;m,n;r)の符号語列に変換することにより、前記第1のデータ列および第2のデータ列を変調する
ことを特徴とする請求項11〜14の何れかに記載の変調方法。 - 前記変調するステップでは、
前記変換テーブルとして、被変換側のデータ列中の”1”の個数を”2”で除算した余りと変換された側の符号列中の”1”の個数を”2”で除算した余りとが”1”あるいは”0”の何れか一方に一致するという条件を満足する変換テーブルを用いる
ことを特徴とする請求項15に記載の変調方法。
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