JP2004361663A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、トナー容器、プロセスカートリッジ、それらを装着した画像形成装置、並びに該トナーを用いる画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法、トナー容器、プロセスカートリッジ、それらを装着した画像形成装置、並びに該トナーを用いる画像形成方法 Download PDF

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裕二 名取
Hachiro Tosaka
八郎 登坂
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富昭 伊藤
Takahito Kiyohara
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Abstract

【課題】人体や環境に無害な無機黒色顔料を用い、帯電立ち上がり性能が良好で、連続使用においても帯電安定性に優れ、環境負荷コスト、トナーコストの削減が可能であり、しかも地汚れがなく、高画質の画像を形成することができる、カーボンブラック使用トナーと同様の優れた黒色の静電荷像現像用トナー、該トナーの製造方法、該トナーが充填されたトナー容器、該トナーが保持されたプロセスカートリッジ、該トナー容器または該プロセスカートリッジが装着された画像形成装置、及び該トナーを用いる画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、結着樹脂、黒色金属酸化物を着色剤として含有し、溶融混練時に炭酸カルシウムを含有させて得られた混練物を粉砕・分級した粉体からなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、又は静電印刷などにおける、静電荷像現像用の黒色のトナーに関し、詳しくは、非磁性黒色トナーに使用される通常の顔料であるカーボンブラックの量を極力少なくした代替顔料を使用した静電荷像現像用トナー、該トナーの製造方法、該トナーが充填された容器、該トナーが保持されたプロセスカートリッジ、該容器又は該プロセスカートリッジが搭載された画像形成装置、及び該トナーを用いる画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスによって形成する黒色画像形成用トナーには、従来から、着色剤として黒色有機顔料であるカーボンブラックを含有させているのが一般的である。しかしながら、カーボンブラックは発癌性の面で問題があり、最近安全上問題のない黒色画像形成用トナーの出現が望まれている。カーボンブラック以外の黒色顔料としては、磁性トナーに使われている無機質の磁性材料があるが、磁性があるために通常の非磁性トナーに用いることは不可能であると考えられている。
【0003】
非磁性の有機黒色顔料の中には、カーボンブラック以外としては、活性炭、ニグロシン顔料、アニリンブラック顔料などがあるが、着色力が弱く、また、それ自身の抵抗が低いため、トナーに含有させても抵抗の低いトナーとなって、実用的でないものであった。そこで、非磁性の黒色金属酸化物が注目され、その顔料自体あるいはそれを用いたトナーに関する提案がなされている。
【0004】
例えば、非磁性で、安全、無害であり、かつ、作業性と耐熱性に優れる黒色無機顔料として、Fe、Ti、Oからなる黒色顔料が提案されている。これは、安全性の面でも問題が無く有用な顔料ではあるが、平均粒径が0.1〜0.5μmと大きく、着色力の面からはカーボンブラックに劣り、着色度をカーボンブラック同等にするためには、顔料を40〜60重量%含有する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、非磁性黒色顔料の着色力を高める手段として、Co、MnおよびFeの酸化物からなる微粒子複合酸化物ブラック顔料の比表面積を50〜100m/gとし、顔料の一次粒子を極めて小さくすることによって着色力を高める方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
一方、本出願人は、無機顔料である黒色金属酸化物について、個数平均粒径が20〜100nmでかつ含有量を10〜40重量%に特定することによって、着色力を向上させ、さらにトナーの誘電体損を3×10−3〜15×10−3に特定することによって、画像濃度、トナー消費量等の諸特性を充足し、カーボンブラックを含有する従来のトナーと遜色のない電子写真画像形成用黒色トナーを提案した(特願2002−056315号)。
【0007】
また、トナーに流動性を付加するために、シリカのような添加剤の添加をカーボンブラックを含有する従来のトナーと同様にして試み、トナー母体粒子に対する疎水性金属酸化物微粉末の添加量が0.2〜5.0重量%であり、かつ下記の条件を満足することを特徴とする電子写真画像形成用トナーに特定することによって、画像濃度、トナー消費量等の諸特性を充足し、カーボンブラックを含有する従来のトナーと遜色のない電子写真画像形成用黒色トナーを提案した(特願2002−210813号)。
遊離疎水性金属酸化物微粉末量(%)A<0.15
[ここで、Aはトナー分散液中で超音波振動(出力120W、周波数38kHz)を10分間加えたときトナー粒子から脱離する遊離疎水性金属酸化物微粉末のトナー粒子に対する割合(重量%)を表わす]
【0008】
更にまた、少なくとも結着樹脂と着色剤として黒色金属酸化物を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、着色剤として使用する黒色金属酸化物の個数平均粒径が0.02×10−6≦d≦0.100×10−6(m)であり、かつVTdの値が下記の条件を満足することにより、トナー中の分散状態、作業性、耐熱性、着色力に優れ、トナー飛散などの不具合がなく、画像品質に優れた静電荷像現像用トナー、該トナーの製造方法、該トナーが充填された容器、該容器を搭載した画像形成装置、及び該トナーを用いる画像形成方法を得ることも提案した(特願2003−068813号)。
VTd ≦5 × 10−13
[ここで、VTd は下記式にて計算される値である]
VTd=(C×d)/(V×T)
C ヘンシェルミキサーのブレード先端と内壁とのクリアランス(m)
d 黒色金属酸化物個数平均粒径(m)
V ヘンシェルミキサー攪拌時における先端の周速(m/sec)
T 混合時間(sec)
【0009】
【特許文献1】
特許第2736680号公報
【特許文献2】
特許第2997206号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術により顔料自体の着色力を高めることが可能となり、カーボン同等の着色力を10〜30重量%の含有率で確保可能となる。しかしながら、小粒径化されたことにより、顔料自身の二次凝集が強く、トナー中の顔料分散状態が悪いため、トナーの低抵抗化、それに伴う帯電量の低下が発生し、トナー用顔料として利用が難しいという問題がある。
【0011】
さらに、これら黒色金属酸化物を含有する静電荷像現像用トナーにおいては、単に荷電を付与するという機能だけでは不充分であり、トナーの帯電量を一定に制御することが求められている。トナーは高速機、または低速機等のいかなる使用状態下でも、また長期間の使用中にでも、常に一定の帯電量に摩擦帯電されるような性能を持ち、その結果として安定した高画質を得ることが必要とされている。
【0012】
従来の黒色金属酸化物を用いたトナーではこのように上記の要件を満たすことは非常に困難であり、黒色金属酸化物を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、トナーの帯電性の改善が求められていた。
【0013】
以上のように相反する項目に対して各々条件があり、黒色金属酸化物を用いたトナーを用いる場合、トナーの帯電性のコントロールは非常に困難を極めている。
また、トナー生産コストをカーボン含有トナーと同様な生産コストとすることが従来のトナーに置き換えていくために重要である。
さらに、近年市町村等の各地方自治体においては、プラスチック類を燃さない方針でいるため、プラスチック類の混入率が少ない「炭酸カルシウム入り」の製品の使用を推奨している。そのため、トナー中の樹脂成分はできるだけ少なくすることが望まれているという問題もある。
【0014】
そこで本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、電子写真等の非磁性黒色トナーに使用する顔料として、人体や環境に無害な無機黒色顔料であり、トナー中の分散状態、作業性、耐熱性、着色力に優れ、通常顔料であるカーボンブラックの代替顔料を使用した静電荷像現像用トナーにあって、カーボンブラック使用トナーと同等のトナー帯電特性を確保することにより、安定した画像品質を得ることを容易にする静電荷像現像用トナー、及びその製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、上記トナーが充填されたトナー容器、上記トナーが保持されたプロセスカートリッジ、該トナー容器又はプロセスカートリッジが搭載された画像形成装置、及び上記トナーを用いる画像形成方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記(1)〜(6)が提供される。
(1)少なくとも、結着樹脂、黒色金属酸化物を着色剤として含有し、溶融混練時に炭酸カルシウムを含有させて得られた混練物を粉砕・分級した粉体からなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2)前記炭酸カルシウムを、前記結着樹脂に対して、0.01〜10wt%含有させて得られた混練物を粉砕・分級した粉体からなることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷像現像用トナー。
(3)前記黒色金属酸化物の含有が、トナー母体粒子に対して10〜50wt%であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の静電荷像現像用トナー。
(4)前記黒色金属酸化物の飽和磁化が10Am/Kg以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(5)前記黒色金属酸化物の個数平均粒径が0.02〜0.3μmであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(6)前記トナーの誘電体損が3×10−3〜15×10−3であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
【0016】
また本発明によれば、下記(7)〜(14)が提供される。
(7)少なくとも、結着樹脂に黒色金属酸化物を着色剤として含有させ、溶融混練時に炭酸カルシウムを含有させて溶融混練し、次いで得られた混練物を粉砕・分級することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(8)前記結着樹脂に、該樹脂成分に対して炭酸カルシウムを0.01〜10wt%含有させることを特徴とする前記(7)に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
(9)前記黒色金属酸化物を、トナー母体粒子に対して10〜50wt%含有させることを特徴とする前記(7)又は(8)に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
(10)前記黒色金属酸化物として、その飽和磁化が10Am/Kg以下の黒色金属酸化物を含有させることを特徴とする前記(7)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
(11)前記黒色金属酸化物として個数平均粒径が0.02〜0.3μmの該金属酸化物を使用することを特徴とする前記(7)〜(10)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
(12)誘電体損が3×10−3〜15×10−3になるように黒色金属酸化物、樹脂、添加物を配合、処理することを特徴とする前記(7)〜(11)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
(13)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーが充填されたことを特徴とするトナー容器。
(14)感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも現像手段を含む手段と一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを保持し、該トナーは、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(15)前記(13)に記載のトナー容器又は前記(14)に記載のプロセスカートリッジが装着されたことを特徴とする画像形成装置。
(16)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも炭酸カルシウム、結着樹脂、黒色金属酸化物を着色剤として含有し、溶融混練時に該炭酸カルシウムを混合させて得られた混練物を粉砕・分級したことを特徴とする静電荷像現像用トナーに関するものである。
【0018】
トナー中に炭酸カルシウムを含有量させることにより(樹脂成分に対して、好ましくは0.01〜10wt%含有)、トナーの帯電性能が安定する。また、トナーに占める樹脂の成分の比率を減らすことによりトナーの生産コストを大幅に低減することができ、トナー生産コストをカーボン含有トナーと同様な生産コストとすることができる。
【0019】
また、近年市町村等の各地方自治体においては、プラスチック類を燃さない方針でいるため、プラスチック類の混入率が少ない「炭酸カルシウム入り」の製品の使用を推奨している。そのため、トナー中の樹脂成分はできるだけ少なくすることが望まれている。
【0020】
更に、環境負荷コストを考える上で、設計段階で環境負荷の発生しない設計に取り組むことは、環境経営の観点からも非常に重要であり、トナー成分の樹脂をある割合で炭酸カルシウムに置き換えることは環境負荷コストの削減に結びついている。通常コピー紙などに使用される中性紙には充填剤(填料)として炭酸カルシウムなどの充填剤が使用されており、コピー紙(トナーを含有した)を処分する場合、トナー中の炭酸カルシウム成分は、コピー紙(中性紙)の充填剤(填料)と同じ成分となり、コピー紙(中性紙)を処分した場合と同様の環境負荷削減効果となる。
【0021】
トナー中に含まれる樹脂のコストは約40〜70%近くを占めるのが一般的である。したがって生産コストを下げるうえでその一部を炭酸カルシウムに置き換えることは、トナー製品自体の原材料コストを安価にするうえで重要である。炭酸カルシウムは、一般的にトナー樹脂に使用される樹脂と比較した場合その単価は、安価ある。
【0022】
また本発明のように、炭酸カルシウムを使用し、樹脂と炭酸カルシウムの割合をある特定の範囲に調整することにより、特に二成分系の現像プロセスを用いた高速機において初期段階から安定した帯電性が得られるようになり、且つ、環境負荷コスト及びトナー単体コストの削減が可能となる。
【0023】
また、長期間の連続使用においても常に安定した画像を得ることができる。二成分系の現像プロセスを用いた高速機の場合、トナーに十分な電荷が得られる状態での画像形成が行なわれるようにするために、樹脂成分に対して炭酸カルシウムの添加量を、0.01〜10wt%の添加量にすることが好ましい。
【0024】
二成分系の現像プロセスを用いた高速機の場合、炭酸カルシウムの添加量が10wt%より多くなると、トナーの帯電量の高温高湿時の変動率が大きくなり好ましくない。添加量が10wt%より多い場合、トナーの帯電量の高温高湿時においての値が低下する。
【0025】
二成分系の現像プロセスを用いた高速機の場合、炭酸カルシウムの添加量が0.01wt%より少ない場合、トナー中の帯電制御剤は結着樹脂中に均一に混練されず、トナーの帯電の立ち上がり性能が劣化する。したがって、初期画像において地汚れが発生し良好な画像が得られない。
【0026】
帯電性能の改善ためには、トナー中の帯電制御剤は結着樹脂中に均一に混練され、且つすべての粒子に均一に確実に存在する均一帯電性が重要である。しかし、一般的に帯電制御剤は結着樹脂への混合性が良くない。特に帯電に大きく関与しているトナー表面の帯電制御剤は脱離しやすく不均一帯電となる。
【0027】
このような場合、例えば帯電制御剤の含まれていない場合、トナー粒子は所望の帯電量が得られず、トナーの帯電の立ち上がり性能は劣化し、初期画像において地汚れが発生するという不具合が発生する。
【0028】
本発明では、炭酸カルシウムと結着樹脂と帯電制御剤とを混練することにより、炭酸カルシウムは、炭酸カルシウムは含水性をもつ為、結着樹脂との混合性が良く、また、比較的帯電制御剤との混合性も良いので、結着樹脂と帯電制御剤との混合性を改善することができる。
このため、トナー表面の帯電制御剤の脱離が発生せず、粉砕分級後のトナー粒子中には、帯電制御剤が、確実に存在しその帯電性能は均一となり、帯電性能の悪いトナーの存在確率が少なくなる。
【0029】
本発明のトナーは、黒色金属酸化物を10〜50wt%含有することが好ましい。黒色金属酸化物を着色剤として使用する場合、10wt%未満では、黒色度が不足し、50wt%を超えると、空孔体積%を30%以上にする必要があり、トナーが脆くなり、キャリア汚染による寿命低下、現像スリーブへのトナー付着などが発生しやすくなる。
【0030】
本発明のトナーは、黒色金属酸化物の飽和磁化が10Am/Kg以下であることが好ましい。飽和磁化が大きいと、二成分現像剤での現像特性が変化し、画像濃度の低下が発生する。
飽和磁化は、東英工業社製多試料回転式磁化測定装置(MODEL REM−1−10型)により測定し、測定磁場796m/Kg値とする。
【0031】
本発明のトナーは、黒色金属酸化物の個数平均粒径が0.02〜0.3μmであることが好ましい。個数平均粒径が0.02μm未満であると分散が困難で、画像カブリ等の問題が発生し、0.3μmを超えると、黒色度が不足のため、黒色金属酸化物を多量に使用しなければならない。
個数平均粒径は、動的光散乱による粒度分布測定装置により測定可能であるが、粒子の二次凝集を解離することが難しいため、透過型電子顕微鏡により得られる写真より求める。
【0032】
本発明のトナーは、誘電体損が3×10−3〜15×10−3であることが好ましい。誘電体損が3×10−3未満では、電荷の減衰が遅くなり、帯電量が上昇するため画像濃度の低下が発生し、誘電体損が15×10−3を超えた場合には、逆に電荷の減衰が早くなるため、帯電量が低下して、画像カブリ、トナー消費量の増大、トナー飛散などの不具合が発生する。
【0033】
本発明のトナーにおいて使用される黒色金属酸化物は、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Cu、Nb、Mo及びSnより選ばれる金属酸化物を1種以上含む黒色金属酸化物が好ましいが、より好ましくは、例えばマグネタイト、ヘマタイト構造を有するMn含有酸化鉄顔料、Fe−Mn、酸化チタン焼結体、MnFeフェライト、TiFeフェライト、FeTiOとFe−FeTiO固溶体との混合組成を有する多結晶粒子からなる黒色顔料粒子粉末、コバルト・鉄・クロムからなる複合酸化物黒色顔料等があげられる。
【0034】
本発明のトナーにおいて使用される結着樹脂は、従来からトナー用結着樹脂として使用されてきたものが使用できる。具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和ポリエテル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、クマロン酸樹脂、塩素化パラフィン、キシレン樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。これら結着樹脂の二種以上が適宜混合されて用いられてもよい。なお、これらのうちでもポリスチレン、スチレン系樹脂及びエポキシ系樹脂の使用が好ましい。
【0035】
本発明のトナーにおいて使用される炭酸カルシウムは、一般的に使用されている炭酸カルシウムが使用できるが、平均粒径0.1〜3.0μmであることがトナー中への均一な分散を行なう上で好ましい。より好ましくは0.2〜0.7μmが好ましい。
また、必要に応じて表面処理、または分級を行なったもの等を使用できる。これら炭酸カルシウムは、夫々単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0036】
さらに、本発明のトナーにおいては、離型性をもたせるために、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成ワックス類の他、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油などの植物系ワックス類;みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物系ワックス類;硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系ワックス類を含有することができる。
【0037】
なお、本発明のトナーにおいては、帯電を付与させるために帯電制御剤を配合することが効果的である。この場合の帯電制御剤としては、トナーに正極性を付与するものとして、ニグロシ系染料、第四アンモニウム塩、塩基性染料、アミノ基含有のポリマーなどがあり、また負極性を付与するものとして、含クロムモノアゾ染料、含クロル有機染料、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられるが、本発明の組み合わせにおいて帯電性能を満たすものであれば、これらのみに限定されるものではない。
【0038】
本発明のトナーは、必要に応じて添加物を混合してもよい。添加物としては、例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛のような滑剤あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素等の研磨剤、あるいは例えば疎水性コロイダルシリカ、疎水性酸化チタン、酸化アルミニウムなどの流動性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例えば、酸化スズ等の導電性付与剤、あるいは低分子量ポリオレフィンなどの定着助剤等がある。
【0039】
本発明は、前記トナーを充填したトナー容器とすることもでき、また前記トナーを保持したプロセスカートリッジとすることもできる。これらトナー容器、及びプロセスカートリッジは、画像形成装置に装着可能に構成されている。
図1に本発明の、前記トナーを保持するプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。
図1において、1はプロセスカートリッジ全体を示し、2は感光体、3は帯電手段、4は現像手段、5はクリーニング手段を示す。
本発明においては、感光体2、帯電装置手段3、現像手段4及びクリーニング手段5等の構成要素のうち、少なくとも現像手段4を含む複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
【0040】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下において示す部は重量部を意昧する。
【0041】
[評価]
本発明におけるトナーの物性、得られた画像評価の測定方法は以下のとおりである。
(1)画像濃度は、転写紙上トナーの付着量を1.0mg/cmに合わせ、定着したものをX−Rite938の表色系DEN、レスポンスAで計測した。
(2)色再現性は、定着後の画像濃度が0.8での色相であり、X−Rite938で、表色系:L*a*b*、光源種類:D50、視野角:2°で計測した。
(3)トナー粒径は、コールターカウンター社製マルチサイザーIIeを使用し、100μmアパーチャーチューブを使用して計測した。
(4)トナーの帯電性は、トナー濃度が3.0wt%になるようにトナーとキャリアを混合し、一定時間撹拌後、トナーを取り出し、ブロー装置によりトナーをブローして電荷量を測定した。
(5)飽和磁化は、東英工業社製 多試料回転式磁化測定装置(MODEL REM−1−10型)による測定磁場796Am/Kgで測定した。
(6)誘電体損は、トナーサンプルを480Kg/cmの圧力で成形し、SE−70形固体用電極(安藤電気社製)にセットした後、TR−10C型誘電体損測定器(安藤電気社製)にて周波数1KHzでトナーのキャパシタンス、コンダクタンスを測定し、誘電体損tanδは、下記の式により求めた。
tanδ=G/(2π×f×C)
(G:キャパシタンス、f:周波数、C:コンダクタンス)
(7)地汚れは、目視により、発生しない場合を○、発生した場合を×とした。(8)高温高湿時の帯電量の低下は、ほとんど低下しない場合を○、かなり低下した場合を×とした。
【0042】
実施例1
ポリエステル樹脂 48部
ポリエチレンワックス 5部
MnFeフェライト 40部
(個数平均粒径:0.2μm、飽和磁化:0.2Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
炭酸カルシウム(平均粒径1.1μm) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次にこの混練物を粉砕、分級して体積平均粒径7.0μmで誘電体損δが10×10−3の母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.5部を添加混合して電子写真用トナーを得た。
この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、画像濃度1.38で、色再現性a*=−0.1、b*=−0.5となり、カーボンブラックを着色剤として含む電子写真用トナーと比較して遜色の無い品質であった。
また、連続5万枚複写を行なった結果、初期画像と同様に鮮明な画像であり複写品質の低下はみられなかった。
また、ランニングによるトナー消費量、キャリア寿命についても、カーボンブラック使用のトナーと同等の品質が得られ、現像剤の帯電量の変化もゆるやかであった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0043】
実施例2
ポリエステル樹脂 45部
カルナウバワックス 3部
TiFe複合酸化物 48部
(個数平均粒径:0.12μm、飽和磁化:0.5Am/Kg)
サリチル酸系金属塩 3部
炭酸カルシウム(平均粒径1.3μm) 3部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次にこの混練物を、粉砕、分級して重量平均粒径9.0μmで誘電体損δが3×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.55部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、画像濃度1.40で、色再現性a*=0.0、b*=−0.2となり、カーボンブラックを着色剤として含むトナーと比較して遜色の無い品質であった。
また、連続5万枚複写を行なった結果、初期画像と同様に鮮明な画像であり複写品質の低下はみられなかった。
また、ランニングによるトナー消費量、キャリア寿命についても、カーボンブラック使用のトナーと同等の品質が得られ、現像剤の帯電量の変化もゆるやかであった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0044】
実施例3
ポリエステル樹脂 73部
ポリエチレンワックス 5部
Fe−Mn 11部
(個数平均粒径:0.23μm、飽和磁化:1.9Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
炭酸カルシウム(平均粒径1.3μm) 3部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径11.5μmで誘電体損δが5×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.5部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、画像濃度1.36で、色再現性a*=−0.1、b*=−0.3となり、カーボンブラックを着色剤として含むトナーと比較して遜色の無い品質であった。
また、連続5万枚複写を行なった結果、初期画像と同様に鮮明な画像であり複写品質の低下はみられなかった。
また、ランニングによるトナー消費量、キャリア寿命についても、カーボンブラック使用のトナーと同等の品質が得られ、現像剤の帯電量の変化もゆるやかであった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0045】
実施例4
スチレン−アクリル樹脂 77.0部
低分子量ポリプロピレン 5部
TiFe複合酸化物 10部
(個数平均粒径:0.3μm、飽和磁化:3.0Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
炭酸カルシウム(平均粒径1.3μm) 3部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径9.0μmで誘電体損δが3×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.8部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、画像濃度1.41で、色再現性a*=−0.2、b*=−0.3となり、カーボンブラックを着色剤として含むトナーと比較して遜色の無い品質であった。
また、連続5万枚複写を行なった結果、初期画像と同様に鮮明な画像であり複写品質の低下はみられなかった。
また、ランニングによるトナー消費量、キャリア寿命についても、カーボンブラック使用のトナーと同等の品質が得られ、現像剤の帯電量の変化もゆるやかであった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0046】
実施例5
ポリエステル樹脂 55.5部
カルナウバワックス 5部
TiFeフェライト 29部
(個数平均粒径:0.15μm、飽和磁化:0.5Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
炭酸カルシウム(平均粒径1.1μm) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径5.5μmで誘電体損δが12×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.5部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、画像濃度1.40で、色再現性a*=0.1、b*=0.0となり、カーボンブラックを着色剤として含むトナーと比較して遜色の無い品質であった。
また、連続5万枚複写を行なった結果、初期画像と同様に鮮明な画像であり複写品質の低下はみられなかった。
また、ランニングによるトナー消費量、キャリア寿命についても、カーボンブラック使用のトナーと同等の品質が得られ、現像剤の帯電量の変化もゆるやかであった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0047】
実施例6
ポリエステル樹脂 42部
カルナウバワックス 5部
酸化チタン焼結体 40部
(個数平均粒径:0.05μm、飽和磁化:0.5Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
炭酸カルシウム(平均粒径1.3μm) 7部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径7.0μmで誘電体損δが、10×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.5部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、画像濃度1.42で、色再現性a*=0.1、b*=0.0となり、カーボンブラックを着色剤として含むトナーと比較して遜色の無い品質であった。
また、連続5万枚複写を行なった結果、初期画像と同様に鮮明な画像であり複写品質の低下はみられなかった。
また、ランニングによるトナー消費量、キャリア寿命についても、カーボンブラック使用のトナーと同等の品質が得られ、現像剤の帯電量の変化もゆるやかであった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0048】
比較例1
ポリエステル樹脂 40部
ポリエチレンワックス 5部
MnFeフェライト 30部
(個数平均粒径:0.2μm、飽和磁化:0.2Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径7.0μmで誘電体損δが、12×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.55部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、初期画像において地汚れが発生した。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0049】
比較例2
ポリエステル樹脂 46部
ポリエチレンワックス 3部
MnFeフェライト 49部
(個数平均粒径:0.2μm、飽和磁化:0.2Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径7.0μmで誘電体損δが6×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.55部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、初期画像において地汚れが発生した。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0050】
比較例3
ポリエステル樹脂 92部
ポリエチレンワックス 5部
TiFeフェライト 10部
(個数平均粒径:0.3μm、飽和磁化:0.5Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径7.0μmで誘電体損δが2×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.5部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、画像濃度1.15と濃度の低いものであった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0051】
比較例4
ポリエステル樹脂 71部
ポリエチレンワックス 5部
TiFeフェライト 29部
(個数平均粒径:0.05μm、飽和磁化:0.5Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径7.0μmで誘電体損δが、30×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.5部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、色再現性はa*=−0.1、b*=−0.4であり、画像濃度1.44と濃い画像であったが、消費量がカーボンブラック含有トナーの2.1倍であった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0052】
比較例5
ポリエステル樹脂 71部
ポリエチレンワックス 5部
TiFeフェライト 30部
(個数平均粒径:0.12μm、飽和磁化:12Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径7.0μmで誘電体損δが、8×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.55部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、色再現性a*=−0.1、b*=−0.5、画像濃度1.22となり、やや画像濃度が低かった。またカーボンブラック使用トナーに比較し、ランニングによるトナー消費量が若干少なかった。トナー電荷量等を表1に示す。
【0053】
比較例6
ポリエステル樹脂 73.5部
ポリエチレンワックス 5部
TiFeフェライト 30部
(個数平均粒径:0.01μm、飽和磁化:0.5Am/Kg)
負荷電制御剤(含クロムアゾ染料) 1部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次にこの混練物を粉砕、分級して重量平均粒径7.0μmで誘電体損δが20×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.5部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、色再現性a*=−0.1、b*=−0.5、画像濃度1.43となり、問題の無い画像であったが、消費量がカーボンブラック含有トナーの2.1倍であった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0054】
比較例7
ポリエステル樹脂 43部
ポリエチレンワックス 5部
TiFeフェライト 50部
(個数平均粒径:0.4μm、飽和磁化:0.5Am/Kg)
負荷電制御剤 1部
上記材料をヘンシェルミキサーにてプレ混合後、2軸混練機にて溶融混練し冷却圧延した。
次に、この混練物を粉砕、分級して重量平均粒径7.0μmで誘電体損δが、10×10−3である母体トナーを得た。
次に、この母体トナー100部に対し、疎水性シリカ0.55部を添加混合して電子写真用トナーを得た。この電子写真用トナーをリコーimagioMF2230に搭載し、画像出しを行ったところ、色再現性a*=−0.1、b*=−0.5、画像濃度1.29となり、濃度の薄い画像であった。トナー電荷量(μC/g)等を表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 2004361663
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、以下の優れた作用効果を有する。
請求項1によれば、少なくとも、結着樹脂、黒色金属酸化物を着色剤として含有し、溶融混練時に炭酸カルシウムを含有させて得られた混練物を粉砕・分級した粉体であることを特徴とする静電荷像現像用トナーにより、帯電安定性が良好で、耐久性に優れ、長期間の連続使用においても常に帯電性の安定したトナーを得ることができ、且つ、環境負荷コスト及びトナー単体のコストの削減が可能となり、また帯電立ち上がり性能が良好であるので、初期から地汚れのない安定した画像を得ることができる
請求項2によれば、前記炭酸カルシウムを、前記結着樹脂に対して、0.01〜10wt%含有させて得られた混練物を粉砕・分級した粉体からなることを特徴とする上記の静電荷像現像用トナーにより、体質顔料として炭酸カルシウムを使用し、炭酸カルシウムの割合をある特定の範囲にすることにより、帯電安定性が良好で、耐久性に優れ、長期間の連続使用においても常に帯電性の安定したトナーを得ることが可能となる。
請求項3によれば、前記黒色金属酸化物の添加量が、トナー母体粒子に対して10〜50wt%であることを特徴とする上記いずれかに記載の静電荷像現像用トナーにより、黒色度が十分で、トナーが脆くなることがなくなるので、キャリア汚染による寿命低下、現像スリーブへのトナー付着などが発生することを無くすことが可能となる。
請求項4によれば、前記黒色金属酸化物の飽和磁化が10Am/Kg以下であることを特徴とする上記いずれかに記載の静電荷像現像用トナーにより、飽和磁化が大きく、二成分現像剤での現像特性が変化し、画像濃度の低下が発生する現象を防ぐことが可能となる。
請求項5によれば、前記黒色金属酸化物の個数平均粒径が0.02〜0.3μmであることを特徴とする上記いずれかに記載の静電荷像現像用トナーにより、個数平均粒径が0.02μm未満であると分散が困難となり、画像カブリ等の問題が発生すること、0.3μmを超えると、黒色度が不足するため、黒色金属酸化物を多量に使用しなければならないという問題が起ることを防止することが可能となる。
請求項6によれば、前記電子写真トナーの誘電体損が3×10−3〜15×10−3であることを特徴とする上記いずれかに記載の静電荷像現像用トナーにより、誘電体損が3×10−3未満では、電荷の減衰が遅くなり、帯電量が上昇するため画像濃度の低下が発生し、誘電体損が15×10−3を超える場合には、逆に電荷の減衰が早くなるため、帯電量が低下して、画像カブリ、トナー消費量の増大、トナー飛散などの不具合が発生するという現象が起ることを防止することが可能となる。
【0057】
請求項7によれば、少なくとも、結着樹脂に黒色金属酸化物を着色剤として含有させ、溶融混練時に炭酸カルシウムを含有させて溶融混練し、次いで得られた混練物を粉砕・分級することを特徴とする静電荷像現像用トナー製造方法により、長期間の連続使用においても常に帯電性の安定したトナーを得ることができ、環境負荷コスト及びトナー単体のコストの削減が可能で、初期から地汚れのない画像を得るトナーを製造することが可能となる。
請求項8によれば、前記結着樹脂に、該樹脂成分に対して炭酸カルシウムを0.01〜10wt%含有させることを特徴とする上記静電荷像現像用トナー製造方法により、体質顔料としての炭酸カルシウムの割合を特定の範囲にすることにより、帯電安定性が良好で、耐久性に優れ、長期間の連続使用においても常に帯電性の安定したトナーを製造することが可能となる。
請求項9によれば、前記黒色金属酸化物を、トナー母体粒子に対して10〜50wt%含有させることを特徴とする上記いずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法により、黒色度が十分で、キャリア汚染による寿命低下、現像スリーブへのトナー付着などが発生することを無くすトナーを製造することが可能となる。
請求項10によれば、前記黒色金属酸化物として、その飽和磁化が10Am/Kg以下の黒色金属酸化物を含有させることを特徴とする上記いずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法により、二成分現像剤での画像濃度の低下が発生する現象を防ぐことができるトナーを製造することが可能となる。
請求項11によれば、前記黒色金属酸化物として個数平均粒径が0.02〜0.3μmの該金属酸化物を使用することを特徴とする上記いずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法により、画像カブリ等の問題が発生せず、また、黒色度が不足のために黒色金属酸化物を多量使用するということも起らないトナーを製造することが可能となる。
請求項12によれば、誘電体損が3×10−3〜15×10−3になるように黒色金属酸化物、樹脂、添加物を配合、処理することを特徴とする上記いずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法により、電荷の減衰が遅くなり、画像濃度の低下が発生したり、逆に電荷の減衰が早くなるため、画像カブリ、トナー消費量の増大、トナー飛散などの不具合が発生するという現象が起ることを防止するトナーを製造することが可能となる。
【0058】
請求項13〜15によれば、前記いずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いた、トナー容器、プロセスカートリッジ、これらを装着した画像形成装置、画像形成方法により、上記した同様の優れた作用効果を発揮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略図である。

Claims (16)

  1. 少なくとも、結着樹脂、黒色金属酸化物を着色剤として含有し、溶融混練時に炭酸カルシウムを含有させて得られた混練物を粉砕・分級した粉体からなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記炭酸カルシウムを、前記結着樹脂に対して、0.01〜10wt%含有させて得られた混練物を粉砕・分級した粉体からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記黒色金属酸化物の含有が、トナー母体粒子に対して10〜50wt%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記黒色金属酸化物の飽和磁化が10Am/Kg以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記黒色金属酸化物の個数平均粒径が0.02〜0.3μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記トナーの誘電体損が3×10−3〜15×10−3であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 少なくとも、結着樹脂に黒色金属酸化物を着色剤として含有させ、溶融混練時に炭酸カルシウムを含有させて溶融混練し、次いで得られた混練物を粉砕・分級することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. 前記結着樹脂に、該樹脂成分に対して炭酸カルシウムを0.01〜10wt%含有させることを特徴とする請求項7に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
  9. 前記黒色金属酸化物を、トナー母体粒子に対して10〜50wt%含有させることを特徴とする請求項7又は8に記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
  10. 前記黒色金属酸化物として、その飽和磁化が10Am/Kg以下の黒色金属酸化物を含有させることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
  11. 前記黒色金属酸化物として個数平均粒径が0.02〜0.3μmの該金属酸化物を使用することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
  12. 誘電体損が3×10−3〜15×10−3になるように黒色金属酸化物、樹脂、添加物を配合、処理することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー製造方法。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーが充填されたことを特徴とするトナー容器。
  14. 感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも現像手段を含む手段と一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナーを保持し、該トナーは、請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 請求項13に記載のトナー容器又は請求項14に記載のプロセスカートリッジが装着されたことを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
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