JP2004360878A - 液化ガス供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液化ガスを収容する容器3と、容器3の気相部5に連通するガス管路7と、容器3の底部に取り付けられた加熱器11と、熱媒を加熱して加熱器11に供給する加熱熱媒供給手段とを備え、加熱器11は、上面が開口された槽41と、槽41の開口周縁部の上面に載置された弾性を有するシール部材と、槽3の開口周縁部と容器3の底部外表面との間にシール部材を挟んだ状態で槽を容器3の底部に固定する槽固定手段とを有し、加熱熱媒供給手段は、熱媒を加熱する熱源機17と、熱源機17と加熱器11との間で熱媒を循環させる熱媒循環流路19a、19bと、熱媒を通流させるポンプ15とを有し、熱媒循環流路19a、19bは、槽41内に熱媒を流入させる流路19aと、前記槽内の熱媒を流出させる流路19bとからなる構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液化ガス供給装置に係り、特に、液化ガスを収容した容器を加熱して液化ガスを供給する液化ガス供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液化ガス供給装置では、外気温度など液化ガスを収容した容器周囲の温度に関係なく、所定の圧力つまり気相の液化ガスを利用する設備や機器が要求する圧力を維持して気相の液化ガスを供給するため、容器を加熱または保温して容器内の圧力を所定の圧力以上に保持することが考えられている。すなわち、液化ガスを収容した容器の底部に加熱器を取り付け、この加熱器により容器やこの容器内の液化ガスの温度を上昇させ、液化ガスの気化量を増加させることで、容器内の圧力を所定の圧力以上に保持し、所定の圧力以上の圧力で気相の液化ガスを供給することが考えられている。
【0003】
ところで、圧力容器がガス蒸気危険場所に設置される場合、例えば圧力容器の内容物が液化ガスなどの爆発性ガスを発生するものなどである場合、電気機器などを伴う加熱器を用いるときには、防爆構造に対応した電気機器などを用いる必要がある。このため、加熱器の構造が複雑になる上、コストが増大してしまう。
したがって、ガス蒸気危険場所に設置される場合であっても防爆構造に対応する必要のない加熱器を用いることが望まれている。
【0004】
このような問題を解決するため、本発明者らは、ガス蒸気危険場所に設置される場合であっても防爆構造に対応する必要がない加熱器として、上面が開口された槽、この槽に内包されて加熱された熱媒が通流する熱交換用管路、上面の開口の周囲に載置される弾性を有するシール部材、槽を上方に押し上げるジャッキ機構などを備えた加熱器を設けることを提案している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に提案された加熱器は、加熱器を構成する槽を圧力容器の底部下方に配置し、ジャッキ機構で槽を上方に移動させてシール部材を介して槽の開口周縁部を容器の底部に密着させることで取り付けられる。そして、槽内に満たした熱媒を、槽内に設けられた熱交換用管路内を通流する加熱された別の熱媒で加熱し、この加熱された槽内に満たされた熱媒の熱で容器を加熱することを考えている。
【0005】
このように、槽内に熱伝達可能な熱媒などを充填しておき、熱交換用管路内に加熱された別の熱媒を通流することにより、熱交換用管路内の熱媒の熱が槽内に満たされた熱伝達可能な熱媒などを介して容器に伝熱し、容器や容器内の液化ガスを加熱できる。したがって、電気機器などで構成された加熱器を用いずに容器を加熱でき、ガス蒸気危険場所に設置される場合であっても防爆構造に対応する必要がない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−303399号公報(第17−19頁、第11−18図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成の加熱器では、熱交換管路内を通流する熱媒の熱が、槽内に満たされた別の熱媒を介して容器に伝達されて容器を加熱することになる。このため、槽内に満たされた熱媒を介することで熱の損失が生じて加熱温度が熱交換管路内を通流する熱媒の温度よりも低くなるうえ、槽内に満たされた熱媒が自然対流することから、容器への伝熱効率が悪いという問題がある。また、容器への伝熱効率が悪いことから、容器内の圧力が必要な圧力になるまで、つまり液化ガス供給装置が液化ガスを供給開始できるまでに時間がかかってしまうなどの問題も生じる。
【0008】
本発明の課題は、加熱器から容器への伝熱効率を向上することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の液化ガス供給装置は、液化ガスを収容する容器と、この容器の気相部に連通するガス管路と、容器の底部に取り付けられた加熱器と、熱媒を加熱して加熱器に供給する加熱熱媒供給手段とを備え、加熱器は、上面が開口された槽と、この槽の開口周縁部の上面に載置された弾性を有するシール部材と、槽の開口周縁部と容器の底部外表面との間にシール部材を挟んだ状態で槽を容器の底部に固定する槽固定手段とを有し、加熱熱媒供給手段は、熱媒を加熱する熱源機と、この熱源機と加熱器との間で熱媒を循環させる熱媒循環流路と、熱媒を通流させるポンプとを有し、熱媒循環流路は、槽内に熱媒を流入させる流路と、槽内の熱媒を流出させる流路とからなる構成とすることにより上記課題を解決する。
【0010】
このような構成とすれば、熱源機で加熱した熱媒が熱媒循環流路から槽内に流入し、槽内で熱交換した熱媒が熱媒循環流路に流出することで槽内を通流する熱源機で加熱された熱媒が直接容器を加熱する。さらに、槽内では熱媒が強制対流される。したがって、加熱熱媒供給手段からの熱媒により容器を直接加熱するため、容器の加熱温度を上昇できると共に、槽内の熱媒が強制対流されることにより、加熱器から容器への伝熱効率を向上できる。
【0011】
また、槽固定手段は、槽の開口周縁部に槽の開口を囲む状態で形成された複数の貫通穴と、槽の開口周縁部に形成された貫通穴に対応する容器の底部の位置に突設されたボルトと、このボルトに対応するナットとからなる構成とする。加熱熱媒供給手段からの熱媒が槽内に供給されることにより、槽内の圧力が上昇するが、従来のジャッキ機構では、槽内の圧力によっては、槽の周縁部を容器に押しつける力が足りず熱媒の漏れが生じる場合があり、シール性に対する信頼度に問題がある。しかし、このような構成とすれば、槽の周縁部を容器に十分な力で押しつけることができ、シール性に対する信頼度を向上できる。
【0012】
さらに、容器の底部の槽で覆われる部分に耐食性を有する材料で形成されたシート状部材を貼り付けるか、または、耐食性を有する材料の層を形成した構成とする。このような構成とすれば、熱媒または熱媒に混入した成分による容器の熱媒との接触部分の腐蝕を抑制できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる加熱器及び液化ガス供給装置の一実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる液化ガス供給装置の一実施形態の概略構成を示す図である。図2は、加熱器を構成する槽の概略構成を槽が容器に取り付けた状態で示す側面図である。図3は、加熱器を構成する槽の概略構成を槽が容器に取り付けた状態で示す正面図である。図4は、加熱器を構成する槽の概略構成を示す平面図である。図5は、加熱器を構成する槽の概略構成を槽が容器に取り付けられた状態を部位的に拡大して示す断面図である。なお、図1では、容器、ケース、加熱器、そして熱媒循環管路などは断面で示してあり、また、図2及び図3では、加熱器の構成を分かり易くするため、バルク容器の脚部を省略し、脚部の位置を破線で示している。
【0014】
本実施形態の液化ガス供給装置1は、図1に示すように、液化ガス、例えば液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)などを収容して貯蔵するための圧力容器である容器3、容器3内の気相部5に連通するガス管路7、容器3内の圧力を検知する圧力スイッチ9、容器3の底部に設置された加熱器11、加熱器11内の熱媒の温度を検知する温度スイッチ13、加熱熱媒供給手段となるポンプ15を内蔵する熱源機17、加熱器11と熱源機17との間で熱媒を循環させるための熱媒循環管路19a、19b、そして、液化ガス供給装置1の動作を制御する制御部21などを備えている。
【0015】
容器3は、略円筒状の容器を横向きにした状態で、図2及び図3に示すように、脚部23上に支持されている。このような容器3は、屋外に設置されており、図1に示すように、容器3の内部に収容されて液相部25となる液相の液化ガスは、容器3が外気から受けた熱により気化する。このため、容器3の上部の気相部5には、気相の液化ガスが溜まった状態になっている。ガス管路7は、容器3の気相部5に挿入された状態で設置されており、容器3からの出口部分で2本のガス管路7a、7bに分岐している。分岐したガス管路7a、7bのうち、ガス管路7aは、気相の液化ガスを利用する設備や機器類27に連結され、ガス管路7bは、熱源機17の図示していないバーナに連結されている。
【0016】
ガス管路7aの分岐部分近傍には、液化ガスの流れに対して上流側から、気相の液化ガスの設備や機器類27への供給圧力を調整する第1圧力調整器29、ガス管路7aを開閉する電磁弁からなる遮断弁31が順に設けられている。遮断弁31は、気相の液化ガスを利用する設備や機器類27の図示していない制御部などと配線32を介して電気的に接続されている。そして、液化ガスを利用する設備や機器類27が作動しているときには遮断弁31が開、液化ガスを利用する設備や機器類27が停止ているときには遮断弁31が閉するように制御されている。これにより、液化ガスを利用する設備や機器類27が停止しているときに、容器3から気相の液化ガスがガス管路7aに流入してガス管路7a内で気相の液化ガスが再液化するのを抑制し、気相の液化ガスの再液化を低減している。
【0017】
一方、ガス管路7bの分岐部分近傍には、液化ガスの流れに対して上流側から、気相の液化ガスの熱源機17への供給圧力を2段階で調整する第2圧力調整器33と第3圧力調整器35が順に設けられている。圧力スイッチ9は、予め設定された温度で信号を発信するものであり、制御部21と配線37を介して電気的に接続されている。なお、圧力スイッチ9、第2圧力調整器27、第3圧力調整器33などは、ガス管路7、7a、7bの一部分などと共に容器3上に設置されたケース39内に収容されている。ただし、ケース39を設けていない構成にすることもできる。
【0018】
加熱器11に設置されている温度スイッチ13は、予め設定された所定の温度で信号を発信するものであり、制御部21と配線37を介して電気的に接続されている。熱源機17は、ポンプ15の他、図示していないが、熱媒が通流しポンプ15が設けられらた流路、この流路に設けられた熱媒タンク、流路内の熱媒を加熱するバーナ、そしてポンプやバーナの動作を制御する制御部などを一体的に筐体に納めたものである。熱源機17の図示していない制御部は、制御部21と連携して作動するものであり、制御部21と配線37を介して電気的に接続されている。
【0019】
熱媒循環管路19aは、一端が熱源機17の図示していない熱媒が通流する流路に、他端が加熱器11に連結されており、熱媒循環管路19aには、熱源機17で加熱された熱媒が通流して、加熱器11内に熱媒を流入させる流路となる。
熱媒循環管路19bは、一端が加熱器11に、他端が熱源機17の図示していない熱媒が通流する流路に連結されており、熱媒循環管路19bには、加熱器11で熱交換した、つまり熱を放出した熱媒が通流して、加熱器11内から熱媒を流出させる流路となる。
【0020】
このように、本実施形態の液化ガス蒸発装置1では、制御部21が圧力スイッチ9や温度スイッチ13などで検知した容器3などの圧力及び加熱器11の加熱温度の少なくとも一方に応じて熱源機17で熱媒、例えば水とプロピレングリコールやエチレングリコールなどの不凍液との混合物、その他の不凍液などの加熱及び加熱の停止を指令し、また、熱源機17に内蔵されたポンプ15の発停を指令する。つまり、制御部21は、容器3内の圧力に応じて、容器3の加熱が必要なときには、熱媒循環流路19a、19bを介して加熱器11に加熱された熱媒を通流させ、容器3の加熱が必要ないときには、熱媒の加熱と加熱器11への熱媒の通流を停止する。さらに、制御部21は、加熱器11の槽41内の熱媒の温度、つまり加熱器11による容器3の加熱温度に応じて、熱源機17での熱媒のバーナの燃焼による加熱及び加熱の停止を制御する。これにより、加熱器11から容器3に与えられる熱量を調整し、容器3内の圧力を所定の圧力以上に保持している。
【0021】
ここで、加熱器11の概略構成及び容器3への取り付けについて説明する。加熱器11は、図2乃至図5に示すように、耐熱性及び耐候性を有する金属材料や合成樹脂材料などで形成した槽41を有している。槽41は、図4及び図5に示すように、上面が開口された箱体であり、開口の周囲、つまり開口周縁部には、外側に向けて張り出したフランジ部43が形成されている。フランジ部43の槽41の短辺側部分は、図3に示すように、容器3の底部の曲面に合わせて弧状に形成されている。
【0022】
槽41の一方の短辺側側壁には、槽41の外側から内側に貫通した流路を形成する2つの連結部45が設けられている。連結部45には、図2に示すように、各々、熱源機17で加熱した熱媒が通流する熱媒循環管路19a、19bが連結される。連結部45が設けられている槽41の短辺側側壁と反対側の槽41の短辺側側壁には、槽41外側から内側に挿通された状態で水密に温度スイッチ13が取り付けられており、温度スイッチ13の棒状の温度感知部47は、槽41の内側に延在している。
【0023】
槽41の開口周縁部となるフランジ部43には、図4に示すように、槽41の開口を囲む状態で並んだ複数の貫通穴49が形成されている。本実施形態では、貫通穴49は、フランジ部43の両短辺側部分の中央、フランジ部43の4つの角部分、そして、フランジ部43の両長辺側部分の中央と、この中央の貫通穴49と角部分の貫通穴49との中間とに設けられている。これらの貫通穴49のうち、フランジ部43の両短辺側部分の中央の貫通穴49は、真円状に形成されるが、フランジ部43の4つの角部分、そして、フランジ部43の両長辺側部分の貫通穴49は、容器3の円周方向に沿う方向に長い長穴となっている。また、槽41のフランジ部43上には、図5に示すように、耐熱性を有し、弾性を有する材料、例えばシリコンゴムなどで形成されたフランジ部43の形状に対応する枠状のシール部材51が載置される。このシール部材51にも、フランジ部43に形成された貫通穴49に対応する位置に貫通穴53が形成されている。
【0024】
一方、容器3の底部外表面には、加熱器11の槽41が取り付けられたときに槽41のフランジ部43がシール部材51を介して当接する部分のフランジ部43に形成された貫通穴49に対応する位置に、この貫通穴49に挿通可能なボルト55が設けられている。ボルト55は、一端部が容器3の底部外表面に溶接されることにより、容器3の半径方向に突設された状態となっている。また、加熱器11の槽41が取り付けられたときに、槽41の開口に対応する容器3の底部外表面の部分には、加熱器11の槽41の開口と同じ形状で熱伝導性及び耐食性を有する金属製、例えばアルミニウムや銅製や、合成樹脂製、例えば高熱伝導エポキシ樹脂や高密度ポリエチレン製などのシート状部材57を両面テープや接着剤などを適宜用いて貼付している。また、シート状部材57を貼付するのに代えて、熱伝導性及び耐食性を有する合成樹脂材料を塗布することなどで、この合成樹脂の層を形成することもできる。
【0025】
加熱器11の槽41を容器3へ取り付けるとき、フランジ部43上にシール部材51を載置した状態で、槽41のフランジ部43に形成された貫通穴49を、容器3の底部外表面に突設された対応するボルト55に位置合わせし、各ボルト55を槽41のフランジ部43に形成された貫通穴49に挿入する。この後、各ボルト55に、ボルト55に対応するナット59を螺合して締め込み、加熱器11の槽41のフランジ部43を容器3の底部外表面方向に押圧した状態とする。
これにより、槽41のフランジ部43と容器3の底部外表面との間にシール部材51が挟み込まれた状態で加熱器11の槽41が水密に容器3の底部に取り付けられる。
【0026】
このようにして槽41を容器3の底部に取り付けた後、図1及び図2に示すように、加熱器11の槽41に設けられた連結部45に熱媒循環管路19a、19bを連結する。この状態で、加熱器11の槽41内や熱媒循環管路19a、19bに熱媒、例えば水とプロピレングリコールやエチレングリコールなどの不凍液との混合物、その他の不凍液などを適宜充填する。
【0027】
容器3内の圧力が予め設定された圧力以下になり、圧力スイッチ9が信号を発信すると、制御部21が熱源機17に駆動指令信号を送信する。熱源機17は、制御部21から駆動指令信号を受けると、図示していないバーナの燃焼を開始すると共に、ポンプ15を駆動する。これにより、加熱された熱媒が熱媒循環管路19aから加熱器11の槽41内に流入する。また、加熱器11の槽41内の熱媒は、熱媒循環管路19bに流出して熱源機17に戻り加熱される。加熱器11の槽41内の熱媒は、容器3と熱交換を行い、容器3内に収容された液相の液化ガスを昇温する。このように熱媒が熱源機17と加熱器11との間を図1の矢印で示すように循環することにより、加熱器11の槽41内を通流する熱媒の熱が容器3に伝熱され、容器3内に収容された液相の液化ガスが蒸発して容器3内の圧力が上昇する。
【0028】
温度スイッチ13は、加熱器11の槽41内の熱媒の温度、つまり容器3の加熱温度が予め設定された加熱温度以上になると加熱停止信号を制御部21に発信し、制御部21は、熱源機17にバーナの燃焼の停止指令信号を送信する。これにより、熱源機17は、バーナの燃焼を停止し、加熱器11の槽41内の熱媒の温度上昇を抑える。さらに、温度スイッチ13は、加熱器11の槽41内の熱媒の温度が、予め設定した上限温度以上になった場合には、熱媒循環停止信号を制御部21に発信し、制御部21は、、熱源機17にポンプ15の停止指令信号を送信する。これにより、加熱器11の槽41内の熱媒の温度上昇が止まり、容器の過熱を防止する。なお、加熱温度は、例えば、法令に決められた上限温度である40℃を越えないように35℃〜38℃程度に設定している。また、このとき、上限温度は、法令に決められた上限温度である40℃に設定する。このように、加熱温度や上限温度は、法令等に基づいて適宜選択できる。
【0029】
ところで、従来の槽内に熱交換管路が設けられ、槽内に充填された熱媒を介して熱交換管路を通流する熱媒の熱が容器に伝えられる構成では、例えば、熱交換管路を通流する熱媒が35℃〜38℃であったとしても、槽内に充填された熱媒は、熱交換管路を通流する熱媒よりも低い25℃程度にしかならない。これに加え、従来の構成では、槽内に充填された熱媒は自然対流となるため、槽内に充填された熱媒の温度変化は、熱交換管路を通流する熱媒の温度変化よりも遅くなる。このため、熱交換管路を通流する熱媒から容器への伝熱効率、つまり加熱器から容器への伝熱効率が悪くなってしまう。
【0030】
また、槽内に充填された熱媒の温度変化は、熱交換管路を通流する熱媒の温度変化よりも遅いため、熱交換管路を通流する熱媒の温度の上昇を抑制したり、温度を低下させたりしても、これに追随して槽内に充填された熱媒の温度が変化しない。このため、気相の液化ガスの供給が行われていない場合などには、槽内に充填された熱媒の温度が予め設定した上限温度を越えてしまう場合がある。したがって、過熱防止のための上限温度の設定を、実際に設定したい上限温度よりも低くする必要が生じ、これに伴い、容器の加熱温度も低く設定する必要なども生じる。
【0031】
これに対して本実施形態の液化ガス供給装置1では、加熱器11を構成する槽41内に熱源機17で加熱された熱媒を直接通流させているため、熱源機17での熱媒の加熱温度が同じであれば、加熱器11による容器3の加熱温度が従来の加熱器よりも高くなる。さらに、加熱器11を構成する槽41内の熱媒は、強制対流となるため、槽41内の熱媒の温度上昇が従来の加熱器よりも早くなる。したがって、加熱器から容器への伝熱効率を向上できる。
【0032】
さらに、伝熱効率を向上できることにより、加熱器による容器3内の液相の液化ガスの蒸発能力を向上でき、また、これにより、加熱器11を小型化できる。
【0033】
さらに、槽41内の熱媒は強制対流となり、従来の加熱器よりも槽41内の熱媒の温度変化が早いため、槽41内に流入する熱媒温度を熱源機17の動作などにより変化させれば、これに追随して従来の加熱器よりも早く容器3の加熱温度も変化することになる。したがって、加熱温度が高くなることに加えて、加熱温度の上昇に要する時間が短くなることなどから、容器3内の圧力が必要な圧力になるまでの時間、つまり、気相の液化ガスを供給できるようになるまでの立ち上がり時間を短縮できる。加えて、過熱防止のための上限温度の設定を高くでき、これにより、容器の加熱温度も設定を高くできる。
【0034】
さらに、本実施形態の加熱器11では、槽41のフランジ部43に形成した貫通穴49、そして容器3の突設したボルト55とナット59を容器3の底部に槽41を固定するための槽固定手段として用いている。したがって、槽41内の圧力が熱媒の通流により上昇しても、槽41のフランジ部43が容器3方向にナット59により押圧された状態が保持され、槽41が水密に容器3に取り付けられた状態が保持される。したがって、槽41内の熱媒の外部への漏洩を抑制でき、信頼性を向上できる。
【0035】
加えて、槽41を容器3の底部に固定するための槽固定手段として、槽41のフランジ部43の貫通孔49、そしてボルト55及びナット59を用いることにより、容器3に向上での製造段階で加熱器11を構成する槽41を取り付けておくことができるため、取り付け品質の安定化や、液化ガス供給装置の設置工事の簡略化などが可能となる。
【0036】
ただし、槽固定手段は、従来の加熱器のようにジャッキ機構を用いることもできる。しかし、従来のようなジャッキ機構を用いた場合、加熱器11の槽41内に圧力がかかる本発明の構成では、槽41内の圧力上昇により、フランジ部を容器から離す方向の力が作用すると、槽と容器の間に隙間が生じ、熱媒の漏洩が発生する場合がある。また、加熱器の取り付けを液化ガス供給装置の設置工事の中で行うこととなるため、取り付け品質が安定し難く、液化ガス供給装置の設置工事が煩雑になる。したがって、本発明の場合、槽固定手段として、槽41のフランジ部43に形成した貫通穴49、そして容器3に突設したボルト55及びナット59を用いることが望ましい。
【0037】
さらに、本実施形態の加熱器11では、加熱器11の槽41の開口に対応する容器3の底部の部分に、熱伝導性及び耐食性を有するシート状部材57を貼り付けている。したがって、槽41内の熱媒に腐食性の物質が混入した場合などでも、容器3表面の塗装の剥離や腐食の発生を抑制することができる。
【0038】
また、本発明は、本実施形態の構成の液化ガス供給装置1に限らず、様々な構成の液化ガス供給装置に適用できる。例えば、熱源機とポンプを別個に設けた構成、また、加熱器による容器の加熱温度をより細かく制御するため、熱源機近傍部分で流入側の熱媒循環管路と流出側の熱媒循環管路をバイパスし、流量制御弁を有するバイパス管路などを設けた構成や、遮断弁31を備えていない構成など、様々な構成の液化ガス供給装置に適用できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、加熱器から容器への伝熱効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる液化ガス供給装置の一実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】本発明を適用してなる液化ガス供給装置の一実施形態の加熱器を構成する槽の概略構成を槽が容器に取り付けた状態で示す側面図である。
【図3】本発明を適用してなる液化ガス供給装置の一実施形態の加熱器を構成する槽の概略構成を槽が容器に取り付けた状態で示す正面図である。
【図4】本発明を適用してなる液化ガス供給装置の一実施形態の加熱器を構成する槽の概略構成を示す平面図である。
【図5】本発明を適用してなる液化ガス供給装置の一実施形態の加熱器を構成する槽の概略構成を槽が容器に取り付けられた状態を部位的に拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 液化ガス供給装置
3 容器
7、7a、7b ガス管路
9 圧力スイッチ
11 加熱器
13 温度スイッチ
15 ポンプ
17 熱源機
19a、19b 熱媒循環管路
21 制御部
41 槽
Claims (3)
- 液化ガスを収容する容器と、該容器の気相部に連通するガス管路と、前記容器の底部に取り付けられた加熱器と、熱媒を加熱して前記加熱器に供給する加熱熱媒供給手段とを備え、
前記加熱器は、上面が開口された槽と、該槽の開口周縁部の上面に載置された弾性を有するシール部材と、前記槽の開口周縁部と前記容器の底部外表面との間に前記シール部材を挟んだ状態で前記槽を前記容器の底部に固定する槽固定手段とを有し、前記加熱熱媒供給手段は、熱媒を加熱する熱源機と、該熱源機と前記加熱器との間で熱媒を循環させる熱媒循環流路と、熱媒を通流させるポンプとを有し、前記熱媒循環流路は、前記槽内に熱媒を流入させる流路と、前記槽内の熱媒を流出させる流路とからなる液化ガス供給装置。 - 前記槽固定手段は、前記槽の開口周縁部に形成された複数の貫通穴と、前記槽の開口周縁部に形成された前記貫通穴に対応する前記容器の底部の位置に突設されたボルトと、該ボルトに対応するナットとからなることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス供給装置。
- 前記容器の底部の前記槽で覆われる部分に熱伝導性及び耐食性を有する材料で形成されたシート状部材を貼り付けるか、または、熱伝導性及び耐食性を有する材料の層を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力容器用の液化ガス供給装置。
Priority Applications (1)
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JP2003163356A JP2004360878A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 液化ガス供給装置 |
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