JP2004360638A - 水中ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】岸壁等の固定系から水中ポンプ本体を容易に取り外すことができ、水中ポンプ本体が異物を巻き込むのを防止でき、水移送管の破損を防ぐことのできる水中ポンプを提供する。
【解決手段】岸壁等の固定系2に、筒体3を少なくとも下端が水面21下に位置するように起立して設け、筒体3内に、水中ポンプ本体5と水中ポンプ本体5に接続された水移送管7とを有するポンプユニット4を上方から挿抜自在に挿入して設けたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】岸壁等の固定系2に、筒体3を少なくとも下端が水面21下に位置するように起立して設け、筒体3内に、水中ポンプ本体5と水中ポンプ本体5に接続された水移送管7とを有するポンプユニット4を上方から挿抜自在に挿入して設けたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、岸壁等に設置する水中ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に岸壁等の固定系に設置する水中ポンプは、図5に示すように岸壁2にアンカーボルト(図示せず)と支持部材30とを介して水中ポンプ本体5を設置するタイプのものや、図6に示すように海中に沈めたコンクリート成型物31等にアンカーボルト(図示せず)と支持部材32とを介して水中ポンプ本体5を設置するタイプのものや、図7に示すように岸壁2に沖へ向かって延びるアーム33を設け、このアーム33に支持部材34を介して水中ポンプ本体5を設置するタイプのものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭54−132196号公報
【特許文献2】
特開2000−288575号公報
【特許文献3】
特許第3292547号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水中ポンプ本体5は常に水に接しているため、腐食が陸上設置の場合よりも促進されやすく、頻繁にポンプ本体5をメンテナンスしたり、交換する必要がある。しかしながら、上述した従来の水中ポンプは、ポンプ本体5をメンテナンス等する度に潜水してポンプ本体5を岸壁2等から取り外さなくてはならず、大きな労力と、コストと、時間とを要するという課題があった。
【0005】
そして、水中で運転するポンプ本体5は、その回転機構に異物が噛み込まれると致命的なダメージを受ける可能性があるが、設置場所を水底(海底)近くにすれば水底から巻き上がる小石や砂を巻き込み易く、水面近くに設置すれば水面付近の浮遊物(ごみや海草類)を巻き込み易いという課題があった。
【0006】
そしてさらに、ポンプ本体5に接続される揚水用の水移送管を海中に露出させておくため、水移送管が波の力などを受けて破損する場合があるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、岸壁等の固定系から水中ポンプ本体を容易に取り外すことができ、水中ポンプ本体が異物を巻き込むのを防止でき、水移送管の破損を防ぐことのできる水中ポンプを提供することにある。
【0008】
なお、図8に示すように、特許文献1には海洋浮遊構造物35に上下に貫通する通路36を形成すると共に、筒体37内に水中ポンプ本体38や水移送管39等を固定し、通路36内に筒体37を挿入して設置する水中ポンプ40が記載されているが、この水中ポンプ40は海洋浮遊構造物35に設置する水中ポンプの個数を減らすために水中ポンプ本体38を筒体37ごと他の通路36に移動して使い回すものであり、上述した本願発明の課題を解決しようとするものではない。また、筒体37内に水中ポンプ本体38や水移送管39等を固定する点で後述する本願発明と相違する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、岸壁等の固定系に、筒体を少なくとも下端が水面下に位置するように起立して設け、該筒体内に、水中ポンプ本体と該水中ポンプ本体に接続された水移送管とを有するポンプユニットを上方から挿抜自在に挿入して設けたものである。
【0010】
そして、上記筒体に、上記水中ポンプ本体への水の流れを円滑にすると共に筒体内への異物の侵入を防ぐための通水孔を形成するとよい。
【0011】
また、上記筒体を、水面上まで延ばすように上記固定系に設けるとよい。
【0012】
そして、上記ポンプユニットは、上記筒体の上端に係合してポンプユニットの降下を規制する鍔部を有し、上記筒体に、上記ポンプユニットの径方向の移動を規制するための振れ止めを設けるとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0014】
図1に示すように、水中ポンプ1は、固定系たる岸壁2に起立して設けられた筒体3と、筒体3内に上方から挿抜自在に挿入して設けられたポンプユニット4とを備えて構成されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、ポンプユニット4は、回転機構(図示せず)を有し海水を吸引する水中ポンプ本体5と、水中ポンプ本体5の吐出口6に接続され揚水するための水移送管7と、水移送管7に設けられ筒体3の上端に係合してポンプユニット4の降下を規制する鍔部8とを備えて構成されている。水中ポンプ本体5は、吐出口6を上方へ向けて水移送管7に吊り下げられたときに下方へ向く取水口9を有し、取水口9には、大きな異物を漉すための漉し部材10が設けられている。漉し部材10は、水中ポンプ本体5よりも小径の筒体状に形成されており、外周に水を取り込むための多数の孔11を有する。
【0016】
水移送管7は、一端を水中ポンプ本体5の吐出口6に接続され直線状に延びる起立部12と、起立部12の他端に接続され管の延長方向を上下から水平方向に変えるべく屈曲されたエルボ部13とを備えて構成されている。エルボ部13は、岸壁2の上に設けられる陸上送水管14と着脱可能に接続するためのフランジ15を有する。鍔部8は、板状に形成されており、起立部12の他端側(上部)に径方向外方へ延びて設けられている。
【0017】
筒体3は断面円形のパイプからなり、少なくとも上端を常に海面21上に延ばすと共に下端を常に海面21下に延ばすように長さと設置位置とを決定されている。そして、筒体3は、岸壁2に設けたアンカーボルト(図示せず)と、アンカーボルトに締結された支持部材16とを介して岸壁2の壁面に固定されている。アンカーボルトは、岸壁2の壁面に高さ方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。支持部材16は筒体3の外周に上端から下端近傍にかけてアンカーボルト同士の間隔と等しい間隔で複数設けられており、それぞれアンカーボルトに締結されるようになっている。また特に、最も上方に位置される支持部材16は、上端面を筒体3の上端に揃えるように配置されており、ポンプユニット4の鍔部8を筒体3と共に支持するようになっている。
【0018】
また、筒体3の外周には水中ポンプ本体5への水の流れを円滑にすると共に筒体3内への異物の侵入を防ぐための通水孔17が形成されている。通水孔17は水中ポンプ本体5の取水口9の近傍と、この位置から上方へ離間した複数の高さ位置とに多段に形成されている。通水孔17は、それぞれ筒体3の軸方向に延びるスリット状に形成されており、各段の位置に周方向に略等間隔に離間して複数形成されている。そして特に、水中ポンプ本体5の上方に形成される通水孔17は、筒体3内に海水を通すことで筒体3内の水位を海面21と同じ高さとする機能を有し、筒体3が水位差による上下方向の力を受けないようになっている。
【0019】
図2及び図3に示すように、筒体3の下端近傍には、ポンプユニット4の径方向の移動を規制するための振れ止め18が設けられている。振れ止め18は、ポンプユニット4の下端部(具体的には漉し部材10)を挿抜自在に収容すべく断面多角形に形成された筒状の支持枠19と、支持枠19の上端を筒体3に取り付ける接続板20とからなり、水中ポンプ本体5を筒体3内に設置したときに漉し部材10の外周を微小間隔を隔てて囲うようになっている。支持枠19は、断面正八角形に形成されており、上方から漉し部材10を挿入させるようになっている。また、接続板20は、水中ポンプ本体5を着座させるようになっており、鍔部8と共にポンプユニット4の下方への移動を規制するようになっている。
【0020】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0021】
図1に示すように岸壁2に水中ポンプ1を設置する場合、まず、岸壁2に筒体3を取り付けると共に、水中ポンプ本体5の吐出口6に、予め鍔部8を取り付けた水移送管7を接続してポンプユニット4を形成する。筒体3の取り付け作業は、岸壁2に設けたアンカーボルトに予め筒体3に取り付けた支持部材16を締結することで行う。また、水移送管7は、陸上送水管14と分離した状態で水中ポンプ本体5に接続する。
【0022】
つぎに、図4に示すように、筒体3内にポンプユニット4を上方から挿入して設置する。この作業は、水中ポンプ本体5を下端に位置させるように水移送管7の他端側(エルボ部13側)をワイヤロープ22等で吊り、水中ポンプ本体5側から筒体3内に挿入することで行う。筒体3は海面21上に延びているため、筒体3にポンプユニット4を容易に挿入することができる。水中ポンプ本体5を筒体3の下端近傍まで挿入すると、水中ポンプ本体5の下端に設けられた漉し部材10が図2及び図3に示す接続板20に当たる。このような状態となったら、ポンプユニット4の位置を適宜径方向にずらして漉し部材10を支持枠19内に挿入させるように漉し部材10の位置を調整する。支持枠19は断面多角形状に形成されているため、漉し部材10を容易に挿入することができる。そして、図2に示すように水中ポンプ本体5が接続板20に着座すると、これと同時に図1に示す鍔部8が、支持部材16と筒体3とに当たり、ポンプユニット4の挿入方向への移動が規制される。
【0023】
この後、水移送管7に陸上送水管14をフランジ接続することで水中ポンプ1の設置が完了する。
【0024】
水中ポンプ本体5は、海面21上まで延びる筒体3に外周を覆われており、筒体3には水の流れを許容しつつ異物の侵入を防ぐための通水孔17が形成されているため、浮遊物、小石及び砂等の異物を巻き込むことなく海水のみを円滑に汲み上げることができる。特に、筒体3は海面21上まで延びているため、海面21付近の浮遊物が筒体3の上端開口から筒体3内に入ることもない。また、通水孔17が海水を通すことで筒体3内の水位は海面21と同じ高さとなるため、筒体3内の水位が海面21より低くなって筒体3に浮力が生じたり、筒体3内の水位が海面21より高くなって筒体3に沈む力が生じたりすることはなく、筒体3及び支持部材16の破損を防ぐことができる。
【0025】
水中ポンプ本体5をメンテナンスや交換等すべく陸揚げする場合は、水移送管7を陸上送水管14から取り外し、水移送管7を筒体3に沿って上方へ引き上げる。このとき、ポンプユニット4は、筒体3側に鍔部8と水中ポンプ本体5とを着座させているだけであるため、図4に示すようにワイヤロープ22等で水移送管7を吊り上げることで容易に引き上げることができる。
【0026】
このように、固定系たる岸壁2に、筒体3を少なくとも下端が海面21下に位置するように起立して設け、筒体3内に、水中ポンプ本体5と水中ポンプ本体5に接続された水移送管7とを有するポンプユニット4を上方から挿抜自在に挿入して設けたため、潜水作業など多大な労力とコストと時間とを要する作業を行わなくとも陸上送水管14からポンプユニット4を取り外して引き上げるだけで容易に水中ポンプ本体5を陸揚げすることができる。
【0027】
また、筒体3で水移送管7を囲うため、水移送管7が波の力などを受けて破損するのを防ぐことができる。
【0028】
また、筒体3に、水中ポンプ本体5への水の流れを円滑にすると共に筒体3内への異物の侵入を防ぐための通水孔17を形成したため、水中ポンプ本体5への水の供給を十分確保しながら水中ポンプ本体5が異物を巻き込むのを防止できる。
【0029】
そして、岸壁2に筒体3を海面21上まで延ばすように設けたため、筒体3へのポンプユニット4の挿抜を容易なものにできると共に、海面21付近の浮遊物が筒体3内に入るのを防ぐことができる。
【0030】
また、ポンプユニット4は、筒体3の上端に係合してポンプユニット4の降下を規制する鍔部8を有するものとし、筒体3に、ポンプユニット4の径方向の移動を規制するための振れ止め18を設けたため、ポンプユニット4の下方への移動と水平方向への移動とを容易かつ確実に規制することができる。
【0031】
なお、筒体3は断面円形としたが、これに限るものではなく、例えば矩形や多角形等他の断面形状であってもよい。
【0032】
また、支持枠19は断面正八角形としたが、これに限るものではない。例えば角の数が極めて多いほぼ円であってもよい。
【0033】
そして、支持部材16は筒体3の上端から下端近傍にかけて設けるものとしたが、これに限るものではない。筒体3の長さが比較的短い場合など強度に十分余裕がある場合は筒体3の上部のみに支持部材16を設けるものとしてもよい。
【0034】
また、鍔部8を筒体3の上端開口より広い板状に形成し、鍔部8で筒体3の上端開口を塞ぐようにしてもよい。異物が上空から筒体3内に落下するのを防ぐことができる。
【0035】
そして、筒体3は常に海面21上まで延びるように岸壁2に設けるものとしたが、ポンプユニット4の挿抜に支障がない程度であれば海面21下にあってもよい。この場合、上述のように鍔部8を筒体3の上端開口より広い板状に形成し、浮遊物等が筒体3の上端開口から入らないようにするとよい。
【0036】
また、ポンプユニット4の水中ポンプ本体5は接続板20上に着座するものとしたが、接続板20の上方に離間させておくものとしてもよい。
【0037】
そして、ポンプユニット4は、ワイヤロープ22等で吊り上げるものとしたが、手で直接引き上げてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、岸壁等の固定系から水中ポンプ本体を容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す水中ポンプの側面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】図2のIII−III線矢視断面図である。
【図4】筒体にポンプユニットを挿入している状態の側面図である。
【図5】従来の水中ポンプの側面図である。
【図6】従来の水中ポンプの側面図である。
【図7】従来の水中ポンプの側面図である。
【図8】従来の水中ポンプの側断面図である。
【符号の説明】
1 水中ポンプ
2 岸壁(固定系)
3 筒体
4 ポンプユニット
5 水中ポンプ本体
7 水移送管
8 鍔部
17 通水孔
18 振れ止め
21 水面
【発明の属する技術分野】
本発明は、岸壁等に設置する水中ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に岸壁等の固定系に設置する水中ポンプは、図5に示すように岸壁2にアンカーボルト(図示せず)と支持部材30とを介して水中ポンプ本体5を設置するタイプのものや、図6に示すように海中に沈めたコンクリート成型物31等にアンカーボルト(図示せず)と支持部材32とを介して水中ポンプ本体5を設置するタイプのものや、図7に示すように岸壁2に沖へ向かって延びるアーム33を設け、このアーム33に支持部材34を介して水中ポンプ本体5を設置するタイプのものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭54−132196号公報
【特許文献2】
特開2000−288575号公報
【特許文献3】
特許第3292547号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水中ポンプ本体5は常に水に接しているため、腐食が陸上設置の場合よりも促進されやすく、頻繁にポンプ本体5をメンテナンスしたり、交換する必要がある。しかしながら、上述した従来の水中ポンプは、ポンプ本体5をメンテナンス等する度に潜水してポンプ本体5を岸壁2等から取り外さなくてはならず、大きな労力と、コストと、時間とを要するという課題があった。
【0005】
そして、水中で運転するポンプ本体5は、その回転機構に異物が噛み込まれると致命的なダメージを受ける可能性があるが、設置場所を水底(海底)近くにすれば水底から巻き上がる小石や砂を巻き込み易く、水面近くに設置すれば水面付近の浮遊物(ごみや海草類)を巻き込み易いという課題があった。
【0006】
そしてさらに、ポンプ本体5に接続される揚水用の水移送管を海中に露出させておくため、水移送管が波の力などを受けて破損する場合があるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、岸壁等の固定系から水中ポンプ本体を容易に取り外すことができ、水中ポンプ本体が異物を巻き込むのを防止でき、水移送管の破損を防ぐことのできる水中ポンプを提供することにある。
【0008】
なお、図8に示すように、特許文献1には海洋浮遊構造物35に上下に貫通する通路36を形成すると共に、筒体37内に水中ポンプ本体38や水移送管39等を固定し、通路36内に筒体37を挿入して設置する水中ポンプ40が記載されているが、この水中ポンプ40は海洋浮遊構造物35に設置する水中ポンプの個数を減らすために水中ポンプ本体38を筒体37ごと他の通路36に移動して使い回すものであり、上述した本願発明の課題を解決しようとするものではない。また、筒体37内に水中ポンプ本体38や水移送管39等を固定する点で後述する本願発明と相違する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、岸壁等の固定系に、筒体を少なくとも下端が水面下に位置するように起立して設け、該筒体内に、水中ポンプ本体と該水中ポンプ本体に接続された水移送管とを有するポンプユニットを上方から挿抜自在に挿入して設けたものである。
【0010】
そして、上記筒体に、上記水中ポンプ本体への水の流れを円滑にすると共に筒体内への異物の侵入を防ぐための通水孔を形成するとよい。
【0011】
また、上記筒体を、水面上まで延ばすように上記固定系に設けるとよい。
【0012】
そして、上記ポンプユニットは、上記筒体の上端に係合してポンプユニットの降下を規制する鍔部を有し、上記筒体に、上記ポンプユニットの径方向の移動を規制するための振れ止めを設けるとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0014】
図1に示すように、水中ポンプ1は、固定系たる岸壁2に起立して設けられた筒体3と、筒体3内に上方から挿抜自在に挿入して設けられたポンプユニット4とを備えて構成されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、ポンプユニット4は、回転機構(図示せず)を有し海水を吸引する水中ポンプ本体5と、水中ポンプ本体5の吐出口6に接続され揚水するための水移送管7と、水移送管7に設けられ筒体3の上端に係合してポンプユニット4の降下を規制する鍔部8とを備えて構成されている。水中ポンプ本体5は、吐出口6を上方へ向けて水移送管7に吊り下げられたときに下方へ向く取水口9を有し、取水口9には、大きな異物を漉すための漉し部材10が設けられている。漉し部材10は、水中ポンプ本体5よりも小径の筒体状に形成されており、外周に水を取り込むための多数の孔11を有する。
【0016】
水移送管7は、一端を水中ポンプ本体5の吐出口6に接続され直線状に延びる起立部12と、起立部12の他端に接続され管の延長方向を上下から水平方向に変えるべく屈曲されたエルボ部13とを備えて構成されている。エルボ部13は、岸壁2の上に設けられる陸上送水管14と着脱可能に接続するためのフランジ15を有する。鍔部8は、板状に形成されており、起立部12の他端側(上部)に径方向外方へ延びて設けられている。
【0017】
筒体3は断面円形のパイプからなり、少なくとも上端を常に海面21上に延ばすと共に下端を常に海面21下に延ばすように長さと設置位置とを決定されている。そして、筒体3は、岸壁2に設けたアンカーボルト(図示せず)と、アンカーボルトに締結された支持部材16とを介して岸壁2の壁面に固定されている。アンカーボルトは、岸壁2の壁面に高さ方向に所定の間隔を隔てて複数設けられている。支持部材16は筒体3の外周に上端から下端近傍にかけてアンカーボルト同士の間隔と等しい間隔で複数設けられており、それぞれアンカーボルトに締結されるようになっている。また特に、最も上方に位置される支持部材16は、上端面を筒体3の上端に揃えるように配置されており、ポンプユニット4の鍔部8を筒体3と共に支持するようになっている。
【0018】
また、筒体3の外周には水中ポンプ本体5への水の流れを円滑にすると共に筒体3内への異物の侵入を防ぐための通水孔17が形成されている。通水孔17は水中ポンプ本体5の取水口9の近傍と、この位置から上方へ離間した複数の高さ位置とに多段に形成されている。通水孔17は、それぞれ筒体3の軸方向に延びるスリット状に形成されており、各段の位置に周方向に略等間隔に離間して複数形成されている。そして特に、水中ポンプ本体5の上方に形成される通水孔17は、筒体3内に海水を通すことで筒体3内の水位を海面21と同じ高さとする機能を有し、筒体3が水位差による上下方向の力を受けないようになっている。
【0019】
図2及び図3に示すように、筒体3の下端近傍には、ポンプユニット4の径方向の移動を規制するための振れ止め18が設けられている。振れ止め18は、ポンプユニット4の下端部(具体的には漉し部材10)を挿抜自在に収容すべく断面多角形に形成された筒状の支持枠19と、支持枠19の上端を筒体3に取り付ける接続板20とからなり、水中ポンプ本体5を筒体3内に設置したときに漉し部材10の外周を微小間隔を隔てて囲うようになっている。支持枠19は、断面正八角形に形成されており、上方から漉し部材10を挿入させるようになっている。また、接続板20は、水中ポンプ本体5を着座させるようになっており、鍔部8と共にポンプユニット4の下方への移動を規制するようになっている。
【0020】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0021】
図1に示すように岸壁2に水中ポンプ1を設置する場合、まず、岸壁2に筒体3を取り付けると共に、水中ポンプ本体5の吐出口6に、予め鍔部8を取り付けた水移送管7を接続してポンプユニット4を形成する。筒体3の取り付け作業は、岸壁2に設けたアンカーボルトに予め筒体3に取り付けた支持部材16を締結することで行う。また、水移送管7は、陸上送水管14と分離した状態で水中ポンプ本体5に接続する。
【0022】
つぎに、図4に示すように、筒体3内にポンプユニット4を上方から挿入して設置する。この作業は、水中ポンプ本体5を下端に位置させるように水移送管7の他端側(エルボ部13側)をワイヤロープ22等で吊り、水中ポンプ本体5側から筒体3内に挿入することで行う。筒体3は海面21上に延びているため、筒体3にポンプユニット4を容易に挿入することができる。水中ポンプ本体5を筒体3の下端近傍まで挿入すると、水中ポンプ本体5の下端に設けられた漉し部材10が図2及び図3に示す接続板20に当たる。このような状態となったら、ポンプユニット4の位置を適宜径方向にずらして漉し部材10を支持枠19内に挿入させるように漉し部材10の位置を調整する。支持枠19は断面多角形状に形成されているため、漉し部材10を容易に挿入することができる。そして、図2に示すように水中ポンプ本体5が接続板20に着座すると、これと同時に図1に示す鍔部8が、支持部材16と筒体3とに当たり、ポンプユニット4の挿入方向への移動が規制される。
【0023】
この後、水移送管7に陸上送水管14をフランジ接続することで水中ポンプ1の設置が完了する。
【0024】
水中ポンプ本体5は、海面21上まで延びる筒体3に外周を覆われており、筒体3には水の流れを許容しつつ異物の侵入を防ぐための通水孔17が形成されているため、浮遊物、小石及び砂等の異物を巻き込むことなく海水のみを円滑に汲み上げることができる。特に、筒体3は海面21上まで延びているため、海面21付近の浮遊物が筒体3の上端開口から筒体3内に入ることもない。また、通水孔17が海水を通すことで筒体3内の水位は海面21と同じ高さとなるため、筒体3内の水位が海面21より低くなって筒体3に浮力が生じたり、筒体3内の水位が海面21より高くなって筒体3に沈む力が生じたりすることはなく、筒体3及び支持部材16の破損を防ぐことができる。
【0025】
水中ポンプ本体5をメンテナンスや交換等すべく陸揚げする場合は、水移送管7を陸上送水管14から取り外し、水移送管7を筒体3に沿って上方へ引き上げる。このとき、ポンプユニット4は、筒体3側に鍔部8と水中ポンプ本体5とを着座させているだけであるため、図4に示すようにワイヤロープ22等で水移送管7を吊り上げることで容易に引き上げることができる。
【0026】
このように、固定系たる岸壁2に、筒体3を少なくとも下端が海面21下に位置するように起立して設け、筒体3内に、水中ポンプ本体5と水中ポンプ本体5に接続された水移送管7とを有するポンプユニット4を上方から挿抜自在に挿入して設けたため、潜水作業など多大な労力とコストと時間とを要する作業を行わなくとも陸上送水管14からポンプユニット4を取り外して引き上げるだけで容易に水中ポンプ本体5を陸揚げすることができる。
【0027】
また、筒体3で水移送管7を囲うため、水移送管7が波の力などを受けて破損するのを防ぐことができる。
【0028】
また、筒体3に、水中ポンプ本体5への水の流れを円滑にすると共に筒体3内への異物の侵入を防ぐための通水孔17を形成したため、水中ポンプ本体5への水の供給を十分確保しながら水中ポンプ本体5が異物を巻き込むのを防止できる。
【0029】
そして、岸壁2に筒体3を海面21上まで延ばすように設けたため、筒体3へのポンプユニット4の挿抜を容易なものにできると共に、海面21付近の浮遊物が筒体3内に入るのを防ぐことができる。
【0030】
また、ポンプユニット4は、筒体3の上端に係合してポンプユニット4の降下を規制する鍔部8を有するものとし、筒体3に、ポンプユニット4の径方向の移動を規制するための振れ止め18を設けたため、ポンプユニット4の下方への移動と水平方向への移動とを容易かつ確実に規制することができる。
【0031】
なお、筒体3は断面円形としたが、これに限るものではなく、例えば矩形や多角形等他の断面形状であってもよい。
【0032】
また、支持枠19は断面正八角形としたが、これに限るものではない。例えば角の数が極めて多いほぼ円であってもよい。
【0033】
そして、支持部材16は筒体3の上端から下端近傍にかけて設けるものとしたが、これに限るものではない。筒体3の長さが比較的短い場合など強度に十分余裕がある場合は筒体3の上部のみに支持部材16を設けるものとしてもよい。
【0034】
また、鍔部8を筒体3の上端開口より広い板状に形成し、鍔部8で筒体3の上端開口を塞ぐようにしてもよい。異物が上空から筒体3内に落下するのを防ぐことができる。
【0035】
そして、筒体3は常に海面21上まで延びるように岸壁2に設けるものとしたが、ポンプユニット4の挿抜に支障がない程度であれば海面21下にあってもよい。この場合、上述のように鍔部8を筒体3の上端開口より広い板状に形成し、浮遊物等が筒体3の上端開口から入らないようにするとよい。
【0036】
また、ポンプユニット4の水中ポンプ本体5は接続板20上に着座するものとしたが、接続板20の上方に離間させておくものとしてもよい。
【0037】
そして、ポンプユニット4は、ワイヤロープ22等で吊り上げるものとしたが、手で直接引き上げてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、岸壁等の固定系から水中ポンプ本体を容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す水中ポンプの側面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】図2のIII−III線矢視断面図である。
【図4】筒体にポンプユニットを挿入している状態の側面図である。
【図5】従来の水中ポンプの側面図である。
【図6】従来の水中ポンプの側面図である。
【図7】従来の水中ポンプの側面図である。
【図8】従来の水中ポンプの側断面図である。
【符号の説明】
1 水中ポンプ
2 岸壁(固定系)
3 筒体
4 ポンプユニット
5 水中ポンプ本体
7 水移送管
8 鍔部
17 通水孔
18 振れ止め
21 水面
Claims (4)
- 岸壁等の固定系に、筒体を少なくとも下端が水面下に位置するように起立して設け、該筒体内に、水中ポンプ本体と該水中ポンプ本体に接続された水移送管とを有するポンプユニットを上方から挿抜自在に挿入して設けたことを特徴とする水中ポンプ。
- 上記筒体に、上記水中ポンプ本体への水の流れを円滑にすると共に筒体内への異物の侵入を防ぐための通水孔を形成した請求項1記載の水中ポンプ。
- 上記筒体を、水面上まで延ばすように上記固定系に設けた請求項1又は2記載の水中ポンプ。
- 上記ポンプユニットは、上記筒体の上端に係合してポンプユニットの降下を規制する鍔部を有し、上記筒体に、上記ポンプユニットの径方向の移動を規制するための振れ止めを設けた請求項1〜3いずれかに記載の水中ポンプ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003162226A JP2004360638A (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | 水中ポンプ |
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Publications (1)
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ID=34054436
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004360638A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013177856A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Kubota Corp | 立軸ポンプ、立軸ポンプの設置方法、及び、立軸ポンプの製造方法 |
KR101709106B1 (ko) * | 2016-06-27 | 2017-02-22 | 유한회사 동우기업 | 일체형 펌프장 |
KR20180001386A (ko) * | 2016-06-27 | 2018-01-04 | 유한회사 동우기업 | 일체형 펌프장 및 이의 구동 방법 |
-
2003
- 2003-06-06 JP JP2003162226A patent/JP2004360638A/ja active Pending
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