JPH0824509B2 - 潜降浮上型海洋構造物 - Google Patents

潜降浮上型海洋構造物

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JPH0824509B2
JPH0824509B2 JP3155274A JP15527491A JPH0824509B2 JP H0824509 B2 JPH0824509 B2 JP H0824509B2 JP 3155274 A JP3155274 A JP 3155274A JP 15527491 A JP15527491 A JP 15527491A JP H0824509 B2 JPH0824509 B2 JP H0824509B2
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尚之 高津
明 吉田
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KAIYO KAGAKU GIJUTSU SENTAA
Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潜降浮上型海洋構造物
に関し、特に魚貝類の養殖施設として好適の潜降浮上型
海洋構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の潜降浮上型海洋構造物は、特に
魚貝類の養殖施設として好適のものであるので、最初に
魚貝類の養殖技術について説明すると、魚類は海面近く
の海中に設置した生け簀により養殖することが可能であ
るが、赤潮や波浪の影響を直接受けることから、海面下
の海中で養殖することが望ましい。また、アワビなどの
貝類を海面近くで養殖する場合、波浪の影響で貝類にス
トレスが溜まるため成育が阻害されること、赤潮の影響
も有り得ることなどから貝類もやはり海面下の海中で養
殖することが望まく、現在のところ洋上でのアワビの養
殖は実用化されていない。但し、陸上の水槽にアワビを
収容して清浄な海水をポンプにより常時供給する養殖技
術は、実用化されているが、運転コストが非常に高価に
なる。また、試験段階のアワビ養殖技術として、洋上の
ブイに篭を吊持し、その中にアワビを収容し、ワカメや
コンブ類を給餌して養殖する技術が試みられているが、
波浪の影響により成育が阻害されること、などの問題が
あるのであまり有望視されていない。結局、魚貝類を洋
上養殖する場合、清浄な海水が流れる海面下方のあまり
深くない海中で、波浪や赤潮や海底のヘドロの悪影響を
受けない所で養殖することが望ましい。
【0003】次に、魚貝類の洋上養殖に関連する海洋構
造物の先行技術について説明する。実開昭59−794
95号公報には、固定的に係留する形式の遊魚用洋上ス
テーションが開示され、また、特開昭63−98335
号公報には養殖生け簀と人工魚礁を有する浮沈式の海洋
構造物であって、海底に着底させ且つチェーンを介して
固定的に係留する形式の浮沈式海洋構造物が開示されて
いる。
【0004】前者の遊魚用洋上ステーションは、海面に
位置する浮体と、その下方に円筒状コラムを介して連結
され海中に潜降した海水バラストタンクと、海面より上
方で浮体に設けた釣用甲板と、バラストタンクに設けた
集魚用藻場形成棚と、コラムから延び集魚用藻場に給餌
する給餌機構などを備えたもので、藻場に給餌して魚を
集め、釣用甲板からその魚類を釣るようにしたものであ
る。後者の浮沈式海洋構造物は、型鋼部材などを用いて
多層の立体格子状に組立てた魚礁本体と、魚礁本体の全
周囲を覆う金網と、金網の内側に配置した養殖用の生け
簀と、生け簀に出入りしたりする為の魚貝類出入蓋と、
魚礁本体の上端部に設けた浮上用フロートと、係留設備
などを備えたもので、海底に着底させて固定的に係留し
た状態で魚類を養殖し、魚類を回収するときには浮上用
フロートにエアを充填して魚礁本体の上端部が海面上に
突出する浮上位置に切り換えるように構成したものであ
る。
【0005】ここで、従来、種々の海洋構造物(浮きド
ックや潜水カーゴバージなど)を昇降位置切り換えする
のに、通常海水バラストを注排水することにより行うよ
うに構成されるが、従来の海水バラスト注排水装置は、
一般に操作員が常時バラストタンク内の水位をモニター
しつつバラストポンプを起動・停止操作するように構成
してあるが、この場合専用の操作員が必要で運転コスト
が高価になるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記遊魚用洋上ステー
ションは、その用途からして潜降状態に保持して使用す
る為、チェーンを介して固定的に係留して使用するよう
に構成され、潜降・浮上が可能であるにしても、本質的
に魚貝類の養殖に適したものではない。前記浮沈式海洋
構造物は、潜降位置のとき海底に着底させるように構成
してあるので、水深の深い海域で使用することが殆ど不
可能であること、そこで浮上状態で使用する場合には生
け簀が海面近くに位置するため赤潮や波浪の影響を受け
ること、潜降状態のときには海面下に没してしまうの
で、洋上に何らかの浮体を設けてエア供給装置や操作装
置を配置する必要があるから、設備経済面で不利になる
こと、潜降位置から浮上位置に切り換えるときには海中
で係留用のチェーンを分離するという面倒な作業が発生
すること、魚礁本体が立体的な形状なので大型の生け簀
などの設置には好適であるが、小型の多数の篭を平面的
に配置する必要のある貝類の養殖には設備経済面で不利
であること、などの問題がある。
【0007】ここで、前記前者の公報(実開昭59−7
9495号)を魚貝類の養殖用の潜降浮上型の海洋構造
物に改造することが考えられる。しかし、潜降位置か
ら、バラストタンクの少なくとも上部が海面上に突出す
る浮上位置に切り換える過渡時において浮力体であるコ
ラムが海面を貫通する状態のとき、コラムの海面を貫通
する水線面積が小さいこと、また浮心がバラストタンク
側の低い位置に移動することから、波浪により傾斜した
ときに十分な復原力が発生しないため安定性に欠け、実
用に供することが出来ない。そこで、コラムを太くする
とか、複数のコラムを設けるとかの対策を講ずることが
考えられるが、その場合潜降位置と浮上位置とに亙って
位置切り換えするときに注排水する海水バラストの量が
増大するので、設備経済面でまたランニングコスト面で
不利になる。そこで、コラムの水線面積を増すことなく
復原性能を高める為に、バラストタンクの底部に固定バ
ラストを付設して重心を下げることも考えられるが、こ
の場合固定バラストを固定する為の構造部材が増加し構
造物の重量増加を招くこと、などの不利を伴うことにな
る。
【0008】本発明の目的は、魚貝類の養殖に好適な潜
降浮上型海洋構造物であって、潜降位置のときに下部浮
体を海面下所定深さの海中に保持でき、広い養殖エリア
を確保でき、波力や重量移動に対する復原性能や安定性
に優れ、設備経済性と運転経済性に優れた潜降浮上型海
洋構造物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る潜降浮上
型海洋構造物は、潜降位置と浮上位置とに亙って切換可
能な潜降浮上型海洋構造物であって、海面と略平行に配
設され潜降位置のときに海中に潜降して位置するととも
に浮上位置のときに上端部の少なくとも一部が海面より
高く位置する偏平な中空の格子構造体状の下部浮体と、
前記下部浮体の中央部の上方に配設され潜降位置のとき
に海面に位置する上部浮体と、前記下部浮体と上部浮体
とを連結する連結構造体と、前記下部浮体の中央部に設
けた1つの主海水バラストタンクと、前記潜降位置と浮
上位置とに亙って位置切り換えする為に、主海水バラス
トタンクに注排水する為の注排水手段と、前記下部浮体
の中央部の下方に配設されたバランスウェイトであっ
て、鉛直方向に対する傾斜角が波浪による海洋構造物の
最大傾斜角以上に設定された3本以上の張力部材により
下部浮体に連結されたバランスウェイトと、前記潜降位
置と浮上位置とに亙る位置切り換えを許すように緩係留
する為の係留手段とを備えたものである。
【0010】請求項2に係る潜降浮上型海洋構造物は、
請求項1の海洋構造物において、前記連結構造体が実質
的に浮力を発生させないリジッドな構造体に構成された
ものである。
【0011】請求項3にる潜降浮上型海洋構造物は、
請求項1又は請求項2の海洋構造物において、前記下部
浮体の外周部には浮上位置のときの吃水調整と姿勢調整
の為の3個以上の夫々独立の補助海水バラストタンクが
設けられたものである。
【0012】請求項4に係る潜降浮上型海洋構造物は、
請求項1又は請求項2の海洋構造物において、前記注排
水手段は、主海水バラストタンクのタンク壁の海水導入
口に接続された海水導入管と、この海水導入管に介設さ
れた注水用開閉弁と、主海水バラストタンク内に配設さ
れた水中ポンプと、この水中ポンプに接続され少なくと
も頂部が浮上位置のときの海面よりも高く位置する海水
排出管と、この海水排出管の頂部に介設された排水用逆
止弁と、海水排出管の頂部に接続され潜降位置のときの
海面より上方まで延びるエア導入管とを備えたものであ
る。
【0013】
【作用】請求項1に係る潜降浮上型海洋構造物は、潜降
位置と浮上位置とに亙って切換可能な潜降浮上型海洋構
造物であり、海面と略平行な偏平な中空の格子構造体状
の下部浮体と、この下部浮体の中央部の上方に配設され
る上部浮体と、下部浮体を上部浮体に連結する連結構造
体とを主体として構成され、潜降位置のときに上部浮体
は海面に位置しまた下部浮体は海中に潜降して位置し、
浮上位置のときに下部浮体の上端部の少なくとも一部が
海面より高く位置する。
【0014】前記下部浮体と上部浮体とは、連結構造体
により連結されており、下部浮体の中央部には、1つの
主海水バラストタンクが設けられ、注排水手段により、
主海水バラストタンクに注水すると潜降位置に切換えら
れ、また、主海水バラストタンクから排水すると、浮上
位置に切換えられる。前記下部浮体の中央部の下方に配
設されたバランスウェイトは、鉛直方向に対する傾斜角
が波浪による海洋構造物の最大傾斜角以上に設定された
3本以上の張力部材により下部浮体に連結されているた
め、波浪により海洋構造物が傾いても、海洋構造物に対
してバランスウェイトが所期の位置を保持し変動するこ
とがない。係留手段は、前記潜降位置と浮上位置とに亙
る位置切り換えを許すように緩係留するので、潜降位置
と浮上位置とに亙る位置切り換えを行っても、係留手段
に対する操作は不要であり、この係留手段により、海洋
構造物は海域の略定位置に係留される。
【0015】請求項2に係る潜降浮上型海洋構造物にお
いては、請求項1と同様の作用が得られるが、前記連結
構造体が実質的に浮力を発生させないリジッドな構造体
に構成されているので、潜降位置と浮上位置とに亙って
位置切り換えをする過渡時において波浪の影響を受けに
くく、位置切り換えする為の海水バラストの注排水量を
少なくすることができる。請求項3に係る潜降浮上型海
洋構造物においては、請求項1又は請求項2と同様の作
用が得られるが、下部浮体の外周部には浮上位置のとき
の吃水調整と姿勢調整の為の3個以上の夫々独立の補助
海水バラストタンクが設けられているため、これら補助
海水バラストタンクに注排水することで、吃水や姿勢を
容易に調整することができる。
【0016】請求項4に係る潜降浮上型海洋構造物にお
いては、請求項1又は請求項2と同様の作用が得られる
が、前記注排水手段により主海水バラストタンクに注水
する際には、海水導入口に接続された海水導入管に介設
された注水用開閉弁を開弁操作すると、海水導入口から
海水導入管を経て注水されるので、自然注水によって潜
降位置に切り換えることが出来る。但し、主海水バラス
トタンクの全体に海水を充填した状態で潜降位置になる
よう予め設定する。前記注排水手段により主海水バラス
トタンクから排水するときには、主海水バラストタンク
内に配設された水中ポンプを起動させると、海水排出管
とその頂部の排水用逆止弁を介して排水される。ここ
で、海水排出管の少なくとも頂部が浮上位置のときの海
面よりも高く位置するように構成され、その頂部には潜
降位置のときの海面より上方まで延びるエア導入管が接
続されているので、主海水バラストタンクからの排水に
より浮上位置になったときにサイフォン現象による海水
の逆流を確実に防ぐことが出来る。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。請求項1に係る潜降浮上型海洋構造物によれば、
偏平な中空の格子構造体状の下部浮体には、平面的に広
い養殖用のエリアを確保でき、魚類養殖用の多数の生け
簀や貝類養殖用の多数の籠を配設することができる。通
常は潜降位置に保持して下部浮体を海面から所定深さの
海中に潜降させておくと、波浪や赤潮の影響を受けずに
清浄な海中で養殖することができ、また魚貝類の出し入
れや給餌など必要があるときには浮上位置に切り換えて
種々の作業を行うことが出来る。
【0018】特に、浮上位置のとき偏平な格子構造体状
の下部浮体の上端部の少なくとも一部が海面を貫通し、
水線面積の慣性モーメントを大きく設定できるため、波
力や重量移動に対する復原性能と安定性に優れる。そし
て、上部浮体が下部浮体の中央部の上方にあり、潜降位
置のとき上部浮体は、海面に位置するため、潜降位置の
ときに上部浮体に作用する浮力は、この海洋構造物の中
央部に作用するから、潜降位置のときの安定性と復原性
を確保することができる。前記下部浮体の中央部に設け
た1つの主海水バラストタンクに対して、注排水手段に
よって注排水することで、潜降位置と浮上位置とに亙っ
て位置切換えすることが出来る。そして、1つの主海水
バラストタンクを設けるため、注排水手段の構造及び操
作が簡単になる。
【0019】加えて、前記下部浮体の中央部の下方にバ
ランスウェイトが配設され、このバランスウェイトは3
本以上の張力部材により下部浮体に連結されているの
で、海洋構造物の重心を下げて高い復原性能と安定性を
確保することができる。前記3本以上の張力部材が常時
緊張状態を維持するように、張力部材の鉛直方向に対す
る傾斜角が、波浪による海洋構造物の最大傾斜角以上に
設定されているので、海洋構造物が波浪からの外力によ
り傾斜しても、上部浮体と連結構造体と下部浮体とに対
してバランスウェイトは所期の位置に保持されるから、
復原性が低下することがない。しかも、潜降位置のと
き、上部浮体に作用する浮力の中心と、主海水バラスト
タンクのバラスト水を含む下部浮体の重心と、バランス
ウェイトの重心とは、上下に一前線状の位置関係になる
から、復原性に優れる。また、前記3本以上の張力部材
によってバランスウェイトを下部浮体に連結するので、
バランスウェイトを設ける為の部材の軽量化を図ること
が出来る。
【0020】潜降位置と浮上位置とにわたる位置切り換
えを許すように下部浮体は係留手段によって緩係留され
ているので、この位置切り換えに際して海中において係
留用のチェーンを着脱する必要もないし、この海洋構造
物を海域の略定位置に保持しておくことが出来る。前記
下部浮体は、偏平な格子構造体状の浮体として魚貝類の
養殖の為の必要かつ十分な構造体に構成されているの
で、設備経済的に有利である。また、上部浮体が連結構
造体と下部浮体の中央部の上方に配置されているので、
注排水手段のバルブ類やポンプなどを駆動・操作する為
の機器を連結構造体を介して上部浮体に配設する上で有
利である。更に、上部浮体は、潜降位置のときに海面に
位置するため、潜降位置のときの海洋構造物の位置や状
態の確認の為に或いは注排水手段を操作するのに有利で
ある。
【0021】請求項2に係る潜降浮上型海洋構造物によ
れば、請求項1と同様の効果が得られる。加えて、連結
構造体が実質的に浮力を発生させないリジッドな構造体
に構造物されているため、潜降位置と浮上位置とに亙っ
て位置切り換えする過渡時において波浪の影響を受けに
くいこと、位置切り換えする為の海水バラストの注排水
量が少なくなるため主海水バラストタンクを小型化出来
るつまり下部浮体を小型化することができる。
【0022】請求項3に係る潜降浮上型海洋構造物によ
れば、請求項1又は請求項2と同様の効果が得られる。
加えて、浮上位置のときに主海水バラストタンクの外周
側に配置した3個以上の夫々独立の補助海水バラストタ
ンクに対して、必要に応じて適宜注排水することによ
り、吃水や姿勢を容易に調整することが出来る。
【0024】請求項4に係る潜降浮上型海洋構造物によ
れば、請求項1又は請求項2と同様の効果が得られる。
加えて、海水導入管と、水中ポンプと、海水排出管と、
排水用逆止弁と、エア導入管とを設けたので、浮上位置
から潜降位置に切り換える際には、海水導入口に接続さ
れた海水導入管に介設された注水用開閉弁を開弁操作す
るだけで、海水導入口から海水導入管を経て注水でき、
開弁操作後は何ら操作せずに自然注水によって潜降位置
に切り換えることが出来る。潜降位置から浮上位置に切
り換える際には、主海水バラストタンク内に配設された
水中ポンプを起動させ、海水排出管とその頂部の排水用
逆止弁を介して排水できるが、海水排出管の少なくとも
頂部を浮上位置のときの海面よりも高く位置させ且つそ
の頂部に潜降位置のときの海面より上方まで延びるエア
導入管を接続したので、主海水バラストタンクからの排
水により浮上位置になったときにサイフォン現象による
海水の逆流を確実に防ぐことが出来る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。本実施例は、魚貝類を養殖するのに好
適な潜降浮上式海洋構造物に本発明を適用した場合の例
である。図1〜図3に示すように、この潜降浮上式海洋
構造物Sは、偏平な格子構造体状の下部浮体1と、その
中央部に立設された所定高さを有する骨組構造からなる
連結構造体2と、この連結構造体2の上端に固定された
上部浮体3とを主体として構成され、図2に示す潜降位
置と、図3に示す浮上位置とに亙って位置切り換え可能
に構成されている。
【0026】前記下部浮体1は、平面視の外形において
矩形状で、その中央部には主海水バラストタンク4が設
けられ、またその外周部の4隅には補助海水バラストタ
ンク5が夫々設けられ、左右の各1対の補助海水バラス
トタンク5は中空状のサイドボックス6で連結され、前
後の各1対の補助海水バラストタンク5は中空状のサイ
ドボックス7で連結され、主海水バラストタンク4は左
右1対の中空状のクロスボックス8により左右のサイド
ボックス6に夫々連結されるとともに、主海水バラスト
タンク4は前後1対の中空状のクロスボックス9により
前後のサイドボックス7に夫々連結され、こうして下部
浮体1は平面視にて「田」の字状で平面的な広がりを有
する偏平な格子構造体状に構成されている。前記主海水
バラストタンク4と4つの補助海水バラストタンク5
は、サイドボックス6.7及びクロスボックス8.9の
約2倍の高さを有し、これらの上端部は略同一平面をな
して連結され、これらの上端面には交通用の通路10が
形成され、4つの補助海水バラストタンク5の上端部に
は三角形状の突出甲板11が形成されており、浮上位置
のときに吃水面L1はサイドボックス6.7及びクロス
ボックス8・9の上端近くになるが、波浪の激しいとき
には作業者は突出甲板11上へ避難することができる。
尚、各突出甲板11には蓋部材で開閉式のマンホール1
2が設けてある。
【0027】前記連結構造体2は、主海水バラストタン
ク4の上端部に鉛直方向に向けて立設されているが、連
結構造体2は実質的に浮力を発生させない型鋼部材から
なる骨組構造体として構成されている。前記上部浮体3
は、その縦横の寸法が下部浮体1の縦横の寸法の約1/
4〜1/5の大きさの小型の中空矩形ボックス体からな
り、連結構造体2の上端部に固着され、この上部浮体3
の甲板上には機械室13が設けてあり、機械室13内に
は発電装置、主海水バラストタンク4に注排水する為の
後述の注排水装置20のデッキスタンド21、制御ボッ
クス40、操作盤41などが設けられている。機械室1
3内には、後述の可搬式の水中ポンプ42とそのケーブ
ルも収容されている。また、下部浮体1から上部浮体3
の甲板上へ延びる交通用の垂直梯子が連結構造体2に沿
って設けてある。
【0028】次に、バランスウェイト14について説明
する。この潜降浮上型海洋構造物Sの復原性能を高めて
安定性を確保する為、下部浮体1の中央部の下方であっ
て下部浮体1から下部浮体1の左右方向長さの約1/2
程度離れた下方には直方体状の固体状のバランスウェイ
ト14がその対角線方向を前後左右方向に向けて配設さ
れ、このバランスウェイト14は張力部材である4本の
チェーン15により左右のサイドボックス6の中央部と
前後のサイドボックス7の中央部とに夫々連結されてお
り、波浪により海洋構造物Sが動揺するときにもこれら
4本のチェーン15が常時緊張状態を維持して海洋構造
物Sに対するバランスウェイト14の相対位置に変動を
起こさずに所期の復原性能を発揮し得るように、各チェ
ーン15の鉛直方向に対する傾斜角αは、波浪による海
洋構造物Sの最大傾斜角θ以上に設定されている。前記
チェーン15は、クロスボックス8・9を含む鉛直面内
に配置されているので、図2・図3に示す魚類養殖用の
生け簀16と干渉することがない。
【0029】次に、係留装置17について説明する。前
記下部浮体1の各補助海水バラストタンク5の下端角部
のブラケット部材5aには十分な長さを有する係留用の
チェーン18の上端部が連結され、各チェーン18の下
端部にはアンカー19やコンクリートブロックなどのア
ンカー部材が連結され、各アンカー19は下部浮体1の
対角線延長上の所定距離離れた海底に設置され、図2に
示す潜降位置のときには海洋構造物Sの浮上位置への切
り換えを許すように4本のチェーン18はブラケット部
材5aから夫々下方へ垂れ下がって海洋構造物Sを緩係
留状態に保持し、また図3に示す浮上位置のときには4
本のチェーン18はブラケット部材5aから夫々斜め下
方へ延びて通常の係留状態に保持するように構成され、
浮上位置から潜降位置に切り換える際にも4本のチェー
ン18に対して全く操作を加える必要がない。
【0030】次に、主海水バラストタンク4に注排水す
る為の注排水装置20などについて図4に基づいて説明
する。注水系統として、主海水バラストタンク4には、
海水導入管22が設けられ、海水導入管22は主海水バ
ラストタンク4の上壁と下壁とに夫々開口する海水導入
口23・24が設けてあり、海水導入管22の他端部は
主海水バラストタンク4内に開放され、海水導入管22
の途中部には1対の注水用開閉弁25が直列状に介設さ
れ、これら注水用開閉弁25の操作ロッド26は連結構
造体2に沿って夫々上部浮体3の甲板上のデッキスタン
ド21までストレートに延び、各開閉弁25はデッキス
タンド21の操作ハンドル21aにより開閉操作される
ように構成されている。但し、海水導入管22は全体的
に浮上位置のときの吃水面L1よりも低くなるように配
置されている。従って、海洋構造物Sが浮上位置にある
ときでも、1対の開閉弁25を開くと自然注水により主
海水バラストタンク4内にフルに海水が充填される。
尚、各デッキスタンド21には開閉弁25の閉状態を検
出するリミットスイッチ27が付設され、その信号は制
御ボックス40に供給されている。前記海水導入管22
に対して海水導入口23・24から異物が流入するのを
防止する為、図5〜図7に示すように上端側の海水導入
口23には4本のボルト28により着脱可能にした格子
状のシーチェスト金物29が配設され、また下側の海水
導入口24の上方近くにおいて海水導入管22内には格
子状のシーチェスト金物30が配設され、上下のシーチ
ェスト金物29・30は取っ手部31aを有する連結ロ
ッド31により連結され、海洋構造物Sが浮上位置にあ
るときにボルト28を外して両シーチェスト金物29・
30を上方へ抜き取ってそれらに付着したゴミや海草類
を掃除し得るように構成してある。
【0031】次に、排水系統として、主海水バラストタ
ンク4内には、水中ポンプ32が配設され、水中ポンプ
32の吐出口に接続された海水排出管33は主海水バラ
ストタンク4の下壁の海水排出口34に接続されている
が、海水排出管33の頂部33aは主海水バラストタン
ク4の上壁を貫通して上壁よりも上方まで突出され、そ
の頂部33aは浮上位置のときの吃水面L1よりも高く
位置するように設定され、その頂部33aにはネジ締め
式の排水用逆止弁35が介設されている。前記水中ポン
プ32により排水して海洋構造物Sを浮上位置に切り換
えたときに、サイフォン現象により海水が逆流するのを
防止する為、排水用逆止弁35よりも下流側において海
水排出管33の頂部33aにはエア導入管36が接続さ
れ、エア導入管36は連結構造体2に沿って鉛直方向上
方へ延び、機械室13の上端よりも高い位置まで延ばさ
れている。更に、主海水バラストタンク4に注排水する
際、主海水バラストタンク4に空気が出入りすることか
ら、主海水バラストタンク4の上壁には呼吸用のエア管
37が接続され、このエア管37は連結構造体2に沿っ
て鉛直上方へ延ばされ機械室13の中段近くまで延びて
いる。また、主海水バラストタンク4内には海水の排水
が完了したときにOFFとなるフロートスイッチ38が
設けてあり、その信号は制御ボックス40へ供給され、
機械室13の上端には警報灯39が設置されて制御ボッ
クス40に電気的に接続され、水中ポンプ32は制御ボ
ックス40に電気的に接続され、その作動時制御ボック
ス40から給電される。
【0032】前記制御ボックス40は、2つのリミット
スイッチ27からの信号に基づいて開閉弁25が閉状態
のときに限り水中ポンプ32の作動を許し、また水中ポ
ンプ32の作動中は警報灯39を点灯させ、またフロー
トスイッチ38からのOFF信号により水中ポンプ32
を停止、および警報39を消灯させるように構成され、
操作盤41には作業者の操作により水中ポンプ32を起
動させる起動スイッチや水中ポンプ32を停止させる停
止スイッチも設けられている。前記4つの補助海水バラ
ストタンク5は、海洋構造物Sが浮上位置にあるとき
に、必要に応じて海洋構造物Sの吃水を調整したり姿勢
を調整したりする為のもので、補助海水バラストタンク
5から排水する場合には、マンホール12の蓋部材を開
けてタンク内に水中ポンプ42を投入し、この水中ポン
プ42により排水する。これと反対に、補助海水バラス
トタンク5に注水する場合には水中ポンプ42を海中に
投入し、この水中ポンプ42により注水する。但し、こ
れら補助海水バラストタンク5に夫々独立に注排水し得
る各専用の又は共用の注排水装置を設けておいてもよ
い。
【0033】次に、前記潜降浮上型海洋構造物Sの作用
について説明する。前記下部浮体1のサイドボックス6
・7とクロスボックス8・9間には、矩形状の4つの大
きな開口部1aが形成されているので、これらの開口部
1aから大型の生け簀16を設置して魚類の養殖に供す
ることができるし、またこれら開口部1aに図示外の補
助的な型鋼部材などを用いて多数の篭を配置してアワビ
などの貝類の養殖に供することが出来る。特に、下部浮
体1は、偏平な格子構造体状に構成してあるので、養殖
の為の広いエリアを確保でき、魚貝類の養殖に必要にし
て十分な構造体をなし、比較的安価に製作できる経済的
な構造物となっている。更に、図2に示す潜降位置のと
き、上部浮体3は海面L2に位置し、また下部浮体1は
海面下所定深さの海中に位置するので、海面の波浪や赤
潮および海底のヘドロなどの悪影響を受けずに、清浄な
海水中で魚貝類を養殖することが出来る。魚貝類に給餌
したり、魚貝類の稚魚や稚貝を配置したり、魚貝類を回
収したりする際には、海洋構造物Sを浮上位置に切り換
えると、下部浮体1の上端部が海面上に現れ、その上端
の通路10を通行できるので、能率的に作業を行うこと
ができる。しかも、浮上位置にあるとき主海水バラスト
タンク4及びサイドボックス6・7とクロスボックス8
・9は勿論のこと補助海水バラストタンク5も浮力体を
なしているため、水線面積のクロスボックス8・9の回
りの慣性モーメントが大きく、作業に伴う重量移動によ
るモーメントや波力に対して安定性に優れる。
【0034】次に、この海洋構造物Sを曳航し、設置
し、使用するときの作用について図8〜図12を参照し
ながら説明する。図8に図示のように、曳航時にはバラ
ストタンク4・5を空にし、バランスウェイト14を主
海水バラストタンク4の底部下面まで引上げた状態で曳
航する。この場合、バランスウェイト14吊持用の4本
のチェーン15の各途中部をクロスボックス8・9に仮
に固定する。次に、図9に図示のように、設置海域に到
着後、バランスウェイト14を所定の位置に吊持し、主
海水バラストタンク4に排水不可能な残水相当量の海水
を充填した状態で、4つの補助海水バラストタンク5に
海水を適量充填して吃水調整と下部浮体1を水平姿勢と
する姿勢調整を行う。但し、このとき、係留装置17の
4本のチェーン18も取付けて対角線方向延長上の四方
へ設置する。次に、図10に図示のように、主海水バラ
ストタンク4に注水することにより、浮上位置から潜降
位置に切り換えていく。この位置切り換えの過渡時、連
結構造体2が海面を貫通する際、その水線面積は極めて
小さいがバランスウェイト14を介して十分な復原性能
が得られるうえ、連結構造体2は骨組構造体で水流に対
する抵抗が極めて小さいので作用する波力も極めて小さ
くなる。次に、図11に図示のように、潜降位置に切り
換えられた状態においては、上部浮体3が海面L2に位
置して必要な浮力の一部を発生する。尚、潜降位置にお
いて、主海水バラストタンク4は海水でフルに充填され
ることから、サイドボックス6・7とクロスボックス8
・9によって主なる浮力が発生し、4つの補助海水バラ
ストタンク5によっても浮力の一部が発生するようにな
っている。ここで、復原性について説明すると、図11
に図示のように、バランスウェイト14を吊持するチェ
ーン15の鉛直方向に対する傾斜角αを海洋構造物Sの
波浪による最大傾斜角θよりも大きく設定してあるの
で、海洋構造物Sが波浪により動揺しても、4本のチェ
ーン15は常時緊張状態を維持し、海洋構造物Sに対し
て相対的にバランスウェイト14は所定の位置を維持す
る。そして、バランスウェイト14は常時主海水バラス
トタンク4の下方の低い位置にあるので、図12に図示
のように、バランスウェイト14を含めた全体の重心G
が浮心Bよりも低く位置し、潜降位置のときに波浪によ
って海洋構造物Sが傾いても、必ず復原モーメントが発
生するから、海洋構造物Sが転覆することはない。ま
た、潜降位置のとき海洋構造物Sは緩係留状態である
が、下部浮体1は偏平な形状で水流に対する抵抗が小さ
いので比較的小さな潮流力しか作用しない。
【0035】次に、注排水装置20により注排水すると
きの作用について説明する。海洋構造物Sを浮上位置か
ら潜降位置に切り換える際には、操作ハンドル21aを
介して1対の開閉弁25を開弁操作してから放置してお
くと、海水導入口23・24と海水導入管22から自然
注水により主海水バラストタンク4内に海水が充填さ
れ、海洋構造物Sは徐々に潜降していき、主海水バラス
トタンク4内に海水がフルに充填した状態で潜降位置に
なる。これに対して、海洋構造物Sを潜降位置から浮上
位置に切り換える際には、操作ハンドル21aを介して
1対の開閉弁25を閉弁した状態で、操作盤41の起動
スイッチを操作して放置しておくと、水中ポンプ32が
作動し、海水排出管33を通って海水排出口34からタ
ンク内の海水が自動的に排出され、この水中ポンプ32
作動中は警報灯39が点灯されるので、陸上など外部の
作業者は海洋構造物Sが浮上しつつあることを確認する
ことが出来る。そして、排水不可能な残水を残して殆ど
の排水が完了し海洋構造物Sが浮上位置になると、フロ
ートスイッチ38がOFFとなり、水中ポンプ32が自
動的に停止し、警報灯39が消灯する。
【0036】以上説明したように、本願の潜降浮上型海
洋構造物Sによれば、偏平な格子構造体状の下部浮体1
に、平面的に広い養殖用のエリアを確保でき、潜降位置
に保持して下部浮体1を海面から所定深さの海中に潜降
させ、波浪や赤潮や海底ヘドロの影響を受けずに清浄な
海中で魚貝類を養殖でき、また必要に応じて浮上位置に
切り換えることが出来る。前記注排水装置20によりバ
ラストタンク4に注排水して潜降位置と浮上位置とに亙
って切換えるが、この位置切り換えを許すように係留装
置17によって緩係留するので、位置切り換え時係留用
のチェーン18を着脱する必要もない。前記下部浮体1
は、偏平な格子構造体状の浮体として魚貝類の養殖の為
の必要かつ十分な構造体に構成されているので設備経済
的に有利である。前記上部浮体3は、下部浮体1の中央
部の主海水バラストタンク4の上方に連結構造体2を介
して配設され、かつ上部浮体3は浮上位置のとき海面に
あるので、注排水装置20の操作・駆動・制御用の機器
を設置するのに好適である。
【0037】加えて、前記連結構造体2は、実質的に浮
力を発生させないリジッドな骨組み構造体なので、位置
切り換えの過渡時において波浪の影響を受けにくいこ
と、海水バラストの注排水量を少なくでき主海水バラス
トタンク4を小型化出来るつまり下部浮体1を小型化で
きる。更に、前記下部浮体1の中央部の所定距離下方に
バランスウェイト14を相対位置不動に設けたので、海
洋構造物Sの重心を下げて復原性能を高め安定性を著し
く向上させることが出来、海洋構造物Sが波力で傾斜し
ても、上部浮体3と連結構造体2と下部浮体1とに対し
てバランスウェイト14は所期の位置に保持されるか
ら、復原性能が低下することがなく、バランスウェイト
14をチェーン15で吊持する構成としたのでバランス
ウェイト14を支持する為の部材の軽量化を図ることが
出来る。
【0038】前記主海水バラストタンク4の外周側に4
つの補助海水バラストタンク5を配置したので、浮上位
置のときにこれら補助海水バラストタンク5に対して適
宜注排水することにより、吃水や姿勢を容易に調整する
ことが出来る。また、浮上位置から潜降位置に切り換え
る際には、注水用開閉弁25を開弁操作するだけで、そ
の後何ら操作せずに自然注水によって潜降位置に切り換
えることが出来る。前記浮上位置に切り換える際には、
主海水バラストタンク4内に設けた水中ポンプ32を起
動させるとその後は自動的に排水して浮上させることが
できる。海水排出管33の頂部33aを浮上位置のとき
の海面よりも高く位置させ且つその頂部33aにエア導
入管36を接続したので、主海水バラストタンク4から
の排水により浮上位置になったときにサイフォン現象に
よる海水の逆流を確実に防ぐことが出来る。
【0039】次に、前記実施例の各部の構成を次のよう
に部分的に変更してもよい。 (1)前記下部浮体1の形状は、前記のように矩形状に
限らず、平面視にて三角形状、多角形状、円形状などに
形成してもよい。前記補助海水バラストタンク5の代わ
りに大型の浮力タンクを設けて各浮力タンクの一部に浮
力タンクとは仕切られた補助海水バラストタンクを設け
てもよい。また、その場合にはサイドボックス6・7と
クロスボックス8・9をトラス構造体のような非浮力体
に構成することも可能である。サイドボックス6・7と
クロスボックス8・9を太いパイプ材で構成してもよ
く、その場合それらの上端部にグレーチングなどで交通
用のフラットな通路を設けるものとする。更に、下部浮
体1や連結構造体2は、コンクリート材料からなる構造
体とすることも可能である。 (2)連結構造体2は、型鋼に限らず、細径のパイプ材
からなるトラス構造など実質的に殆ど浮力を発生させな
い骨組構造体に構成してもよい。 (3)バランスウェイト14は、上下方向に細長い形状
に形成してもよく、またチェーン15は最少限3本でよ
く、チェーン15の代わりにワイヤを用いたりまたは型
鋼やパイプ材などの張力部材を用いてもよい。 (4)前記係留装置17について、必ずしも4本のチェ
ーン18を設ける必要がなく、潮流の方向が一定の場合
には1本のチェーン18により1点係留することも可能
であり、また水深が大きい場合には陸上から略水平状に
配設された1本または複数の長いワイヤで係留するよう
に構成してももよい。 (5)前記注排水装置20について、注水系統にも水中
ポンプを設けてその水中ポンプにより注水するように構
成してもよく、或いは注水用兼排水用の1台の共通の水
中ポンプを設けてバルブの切り換えにより注排水するよ
うに構成することも可能である。 (6)本発明に係る潜降浮上型海洋構造物Sは、魚貝類
の養殖以外にも、例えば下部浮体1内に客室および客席
から海中を展望できる多数の耐圧式のガラス窓などを設
けることにより海中展望用海洋構造物としても活用した
り、その他種々の用途に活用出来ることは勿論である。
尚、載荷重量の変動が著しくなるような用途に活用する
場合には、主海水バラストタンク4と4つの補助海水バ
ラストタンク5とに能率的に注排水し得るような注排水
装置を設けることが望ましい。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る潜降浮上型海洋構造物の全体概略
斜視図である。
【図2】海洋構造物の潜降位置のときの正面図である。
【図3】海洋構造物の浮上位置のときの正面図である。
【図4】海洋構造物の注排水装置の系統図である。
【図5】海水導入管の要部拡大断面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】図5の7矢視図である。
【図8】海洋構造物の曳航状態を説明する説明図であ
る。
【図9】海洋構造物の浮上位置の状態を説明する説明図
である。
【図10】海洋構造物の浮上位置から潜降位置への過渡
時の状態を説明する説明図である。
【図11】海洋構造物の潜降位置の状態を説明する説明
図である。
【図12】海洋構造物の動揺時の復原性を説明する説明
図である。
【符号の説明】
1 下部浮体 2 連結構造体 3 上部浮体 4 主海水バラストタンク 5 補助海水バラストタンク 6、7 サイドボックス 8、9 クロスボックス 14 バランスウェイト 15 チェーン 17 係留装置 18 チェーン 19 アンカー 20 注排水装置 22 海水導入管 23、24 海水導入口 25 注水用開閉弁 32 水中ポンプ 33 海水排出管 35 排水用逆止弁 36 エア導入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高津 尚之 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 吉田 明 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 特開 平1−187038(JP,A) 実開 昭56−142567(JP,U) 特公 昭50−2917(JP,B2)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜降位置と浮上位置とに亙って切換可能
    な潜降浮上型海洋構造物であって、 海面と略平行に配設され潜降位置のときに海中に潜降し
    て位置するとともに浮上位置のときに上端部の少なくと
    も一部が海面より高く位置する偏平な中空の格子構造体
    状の下部浮体と、 前記下部浮体の中央部の上方に配設され潜降位置のとき
    に海面に位置する上部浮体と、 前記下部浮体と上部浮体とを連結する連結構造体と、 前記下部浮体の中央部に設けた1つの主海水バラストタ
    ンクと、 前記潜降位置と浮上位置とに亙って位置切り換えする為
    に、主海水バラストタンクに注排水する為の注排水手段
    と、 前記下部浮体の中央部の下方に配設されたバランスウェ
    イトであって、鉛直方向に対する傾斜角が波浪による海
    洋構造物の最大傾斜角以上に設定された3本以上の張力
    部材により下部浮体に連結されたバランスウェイトと、 前記潜降位置と浮上位置とに亙る位置切り換えを許すよ
    うに緩係留する為の係留手段と、 を備えたことを特徴とする潜降浮上型海洋構造物。
  2. 【請求項2】 前記連結構造体が実質的に浮力を発生さ
    せないリジッドな構造体に構成されたことを特徴とする
    請求項1に記載の潜降浮上型海洋構造物。
  3. 【請求項3】 前記下部浮体の外周部には浮上位置のと
    きの吃水調整と姿勢調整の為の3個以上の夫々独立の
    助海水バラストタンクが設けられたことを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の潜降浮上型海洋構造物。
  4. 【請求項4】 前記注排水手段は、主海水バラストタン
    クのタンク壁の海水導入口に接続された海水導入管と、
    この海水導入管に介設された注水用開閉弁と、主海水バ
    ラストタンク内に配設された水中ポンプと、この水中ポ
    ンプに接続され少なくとも頂部が浮上位置のときの海面
    よりも高く位置する海水排出管と、この海水排出管の頂
    部に介設された排水用逆止弁と、海水排出管の頂部に接
    続され潜降位置のときの海面より上方まで延びるエア導
    入管とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の潜降浮上型海洋構造物。
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