JP2004360565A - 空燃比センサの異常検出装置 - Google Patents

空燃比センサの異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より正確に異常を検出することができる新規な空燃比センサの異常検出装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気通路に設置される空燃比センサ10であって、大気と排気との酸素濃度差によって生ずる起電力に基づいて空燃比を検出する空燃比センサ10と、該空燃比センサ10を活性化する空燃比センサ活性化手段26と、を有する空燃比センサの異常検出装置において、内燃機関の停止後においても上記空燃比センサ10の活性を維持し(ステップ101)、内燃機関の停止後、第1の所定時間t1経過以降における上記空燃比センサの出力I(t)に基づいて該空燃比センサ10の異常を検出することを特徴とする、空燃比センサの異常検出装置を提供する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空燃比センサの異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気系に設けられた空燃比センサからの出力信号に基づいて燃料噴射量を決定して空燃比を制御するようにした内燃機関が知られている。このような内燃機関において、空燃比センサに異常が発生すると、空燃比制御を適切に実施することが困難になり、例えばエミッションの悪化等の様々な不都合が生じる。そのため、空燃比センサの異常については、何らかの方法によって正確に検出する必要がある。
【0003】
これに関し、例えば特許文献1には、所定の活性化温度以上である場合に空燃比がリーンの時には低出力状態となり、リッチの時には高出力状態となる空燃比センサについて、同空燃比センサが活性化温度未満であることが検出されたにも拘わらず高出力状態であることが確認された場合に空燃比センサに故障が発生したと判断する故障診断装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の装置では、異常を検出することができるのが空燃比センサの温度が上記活性化温度未満である場合に制限される上、空燃比センサの出力がリーン側(すなわち、この場合には低出力側)になってしまう異常については検出することができない等の問題がある。また、従来提案されている他の空燃比センサの異常検出装置によっても充分正確な異常検出を実施することは困難であり、新規な空燃比センサの異常検出装置に対するニーズが存在する。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−4580号公報
【特許文献2】
特公平6−3158号公報
【特許文献3】
特開平11−153569号公報
【特許文献4】
特開昭64−69943号公報
【特許文献5】
特開平5−231216号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のようなニーズに鑑みてなされたもので、その目的は、より正確に異常を検出することができる新規な空燃比センサの異常検出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された空燃比センサの異常検出装置を提供する。
【0008】
1番目の発明は、内燃機関の排気通路に設置される空燃比センサであって、大気と排気との酸素濃度差によって生ずる起電力に基づいて空燃比を検出する空燃比センサと、該空燃比センサを活性化する空燃比センサ活性化手段と、を有する空燃比センサの異常検出装置において、内燃機関の停止後においても上記空燃比センサの活性を維持し、内燃機関の停止後、第1の所定時間経過以降における上記空燃比センサの出力に基づいて該空燃比センサの異常を検出することを特徴とする、空燃比センサの異常検出装置を提供する。
【0009】
一般に内燃機関の排気通路内の排気ガスの空燃比は、内燃機関を停止してからしばらくすると安定する。そして、上記のような空燃比センサが設置されその活性が維持されている場合には、その後、上記空燃比センサでの反応によって上記空燃比は徐々に理論空燃比へと変化していくことになる。1番目の発明よれば、内燃機関の停止から第1の所定時間経過以降における上記空燃比センサの出力に基づいて同空燃比センサの異常を検出するので、上記第1の所定時間を適切に設定することで、安定した空燃比センサ出力を利用して空燃比センサの異常を検出することができる。これにより、例えば空燃比制御中等、空燃比が変動している時に行う異常検出と比べてより正確に空燃比センサの異常を検出することができる。また、上記空燃比センサの出力に基づいて異常原因を判定することも可能である。
【0010】
2番目の発明では1番目の発明において、上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の大きさが所定の大きさよりも大きい場合には、上記空燃比センサの出力異常と判定する。
空燃比センサが正常に作動している場合には、空燃比センサの出力は所定の範囲内(例えば、−1.0 mA から 1.0 mA等)で変動する。したがって、2番目の発明によれば、上記所定の大きさを適切に設定することで、空燃比センサの異常を検出することができる。また、同時に空燃比センサの異常原因を空燃比センサの出力異常であると特定することができる。
【0011】
3番目の発明では1番目または2番目の発明において、上記第1の所定時間経過後における上記空燃比センサの出力の振幅が所定振幅よりも大きい場合には、上記空燃比センサに割れが発生していると判定する。
上記空燃比センサに割れが発生すると、空燃比センサの出力が変動してその振幅が比較的大きくなることがわかっている。したがって、3番目の発明によれば、上記所定振幅を適切に設定することで、空燃比センサの異常を検出すると共にその異常原因が空燃比センサの割れであると特定することができる。
【0012】
4番目の発明では3番目の発明において、上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の表す空燃比が所定空燃比よりもリーンである場合には、上記の空燃比センサの割れ判定を実施しないようにする。
上記排気ガスの空燃比のリーンの度合が高い場合には、空燃比センサの割れによる検出空燃比(空燃比センサ出力)への影響が小さくなるため、上記の空燃比センサの割れ判定の精度が低下する恐れがある。4番目の発明によれば、上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の表す空燃比が所定空燃比よりもリーンである場合には、上記の空燃比センサの割れ判定を実施しないようにするので、上記所定空燃比を適切に設定することで、上記の空燃比センサの割れに関する誤判定を未然に防止することができる。
【0013】
5番目の発明では1番目から4番目の何れかの発明において、内燃機関の停止から上記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間経過した時の上記空燃比センサの出力が上記第1の所定時間経過時の上記空燃比センサの出力から所定変化量よりも多くリーン側に変化している場合には、上記排気通路を構成する排気管に漏れがあると判定する。
【0014】
上記排気通路を構成する排気管に漏れがあると、排気通路へ空気が侵入するため空燃比センサの出力がリーン側に変化することになる。したがって、5番目の発明によれば、上記所定変化量を適切に設定することで、空燃比センサの異常を検出すると共にその異常原因が排気管の漏れであると特定することができる。
【0015】
6番目の発明では5番目の発明において、上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の表す空燃比が所定空燃比よりもリーンである場合には、上記の排気管の漏れ判定を実施しないようにする。
上記排気ガスの空燃比のリーンの度合が高い場合には、排気管の漏れによる検出空燃比(空燃比センサ出力)への影響が小さくなるため、上記の排気管の漏れ判定の精度が低下する恐れがある。6番目の発明によれば、上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の表す空燃比が所定空燃比よりもリーンである場合には、上記の排気管の漏れ判定を実施しないようにするので、上記所定空燃比を適切に設定することで、上記の排気管の漏れに関する誤判定を未然に防止することができる。
【0016】
7番目の発明では4番目または6番目の発明において、上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の表す空燃比が上記所定空燃比よりもリーンである場合には、内燃機関の停止から上記第1の所定時間よりも長い第3の所定時間経過以降における上記空燃比センサの出力に基づいて該空燃比センサの異常を検出する。
【0017】
上述したように上記排気ガスの空燃比のリーンの度合が高い場合には、上記の空燃比センサの割れ判定や排気管の漏れ判定等の異常判定の精度が低下する恐れがある。このため、より正確に空燃比センサの異常を検出するためには、上記排気ガスの空燃比のリーンの度合がある程度低い状態で異常検出するようにすることが望ましい。また、上記空燃比センサが正常に作動していれば、上述したように内燃機関の停止後、上記排気ガスの空燃比は上記空燃比センサでの反応によって徐々に理論空燃比へと変化していくはずである。このようなことから、7番目の発明のようにして、排気ガスの空燃比のリーンの度合がある程度低い状態になってから異常検出することによって、もしくは、比較的長い時間をかけて空燃比センサでの反応によって排気ガス空燃比を変化させ、その変化量に基づいて空燃比センサの異常を検出することによって、より正確に空燃比センサの異常を検出することが可能となる。
【0018】
8番目の発明は、内燃機関の排気通路に設置される空燃比センサであって、大気と排気との酸素濃度差によって生ずる起電力に基づいて空燃比を検出する空燃比センサと、該空燃比センサを活性化する空燃比センサ活性化手段と、を有する空燃比センサの異常検出装置において、内燃機関の停止後においても上記空燃比センサの活性を維持し、内燃機関の停止後、第1の所定時間経過以降における上記空燃比センサの出力の変化速度に基づいて該空燃比センサの異常を検出することを特徴とする、空燃比センサの異常検出装置を提供する。
【0019】
先にも述べたように、上記のような空燃比センサが設置されその活性が内燃機関の停止後も維持される場合には、内燃機関の排気通路内の排気ガスの空燃比は、内燃機関を停止してからしばらくすると安定し、その後、上記空燃比センサでの反応によって徐々に理論空燃比へと変化していくことになる。この空燃比の変化は上記空燃比センサでの反応によって生じるため、空燃比センサに異常が生じていれば空燃比センサの出力の変化速度に影響が現れる。例えば、空燃比センサの劣化によって反応速度が低下している場合には空燃比センサの出力の変化速度が小さくなる。更に、排気管の漏れの程度等も空燃比センサの出力の変化速度に影響を与える。したがって、8番目の発明によっても空燃比センサの異常を正確に検出することができ、また、空燃比センサの劣化の程度や排気管の漏れの程度等を推定することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面において、同一または類似の構成要素には共通の参照番号を付す。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態の空燃比センサの異常検出装置を適用した内燃機関の全体構成を示す説明図である。図1において、2は機関(エンジン)本体、4は吸気通路を構成する吸気管、6は排気通路を構成する排気管をそれぞれ示す。図1に示されているように、排気管6によって構成される排気通路には、排気ガスを浄化するための排気ガス浄化装置12が設けられている。そして、同排気ガス浄化装置12の上流には排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ10が設けられている。この空燃比センサ10については、後により詳細に説明する。なお、この例では空燃比センサ10が排気ガス浄化装置12の上流に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、空燃比センサ10が排気ガス浄化装置12の下流に設けられていてもよい。
【0022】
電子制御ユニット(ECU)8は、CPU(中央演算装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、入出力ポートを双方向バスで接続した公知の形式のディジタルコンピュータからなり、内燃機関の制御のために設けられている各種センサや作動装置と信号をやり取りして内燃機関を制御するようになっている。特に、本実施形態においては、上記空燃比センサ10がECU8に接続されており、空燃比センサ10からの出力信号(すなわち、検出される空燃比)に基づいて燃料噴射量等を決定し、空燃比を制御するようになっている。
【0023】
次に図2を参照して、空燃比センサ10についてより詳細に説明する。図2は、空燃比センサ10の構成を断面で示した説明図である。図2に示されているように、本空燃比センサ10は、焼結体(例えばジルコニア等の焼結体)14と、その両側に溶射により付着された電極(例えば白金電極)16a、16bと、拡散抵抗層18と、支持体22と、同支持体22内に設けられたヒータ26とを有して構成されている。ヒータ26は、空燃比の検出が可能となる所定の活性化温度以上に空燃比センサ10を昇温するためのものであり、空燃比センサ活性化手段を構成する。
【0024】
また、図2に示されているように、上記支持体22と焼結体14とによって内部空間24が画成されており、この内部空間24は大気と連通するようにされている。そしてこれによって、焼結体14に付着された電極のうちの一方16aが大気と接触するようにされている(以下、電極16aを大気側電極16aと言う)。一方、周囲にある排気ガスはもう一方の電極16bを覆うように配設されている拡散抵抗層18を通過して電極16bまで達することが可能である。すなわち、電極16bは排気ガスと接触するようにされている(以下、電極16bを排気側電極16bと言う)。そして、本空燃比センサ10においては、電源27を有する回路28が構成され、両電極16a、16bに大気側電極16aがプラス電極となり、排気側電極16bがマイナス電極となるように電圧が印加されている。
【0025】
以上のような構成の空燃比センサ10においては、以下で述べるような原理により、大気と排気との酸素濃度差によって生じる起電力、より詳細には上記回路28を流れる電流(出力電流)に基づいて排気ガスの空燃比を検出することができる。
【0026】
すなわち、排気ガスの空燃比がリーンである場合には、排気ガス中の余剰酸素(O)が排気側電極16b上で電子を受け取ってイオン化し、上記焼結体14中を大気側電極16aへと移動していく。そして大気側電極16aに到達すると、そこで電子が脱離されて酸素に戻るので、内部空間24へ酸素が放出される。つまり、排気ガスの空燃比がリーンである場合には、排気側から大気側(内部空間24)へと酸素が吸い出されることになる(図2)。そしてこれに伴って、上述したような電子の移動が生じ、その結果、図2に示した向きの出力電流Iが発生する。そしてこの向きの出力電流Iの大きさは、排気ガスの空燃比のリーンの度合が高い程大きくなる。
【0027】
一方、排気ガスの空燃比がリッチである場合には、逆に大気側(内部空間24)の酸素が排気側へ吸い込まれて、余剰となっている炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応することになる(図3)。この際、電子の移動は上述した排気ガスの空燃比がリーンである場合(図2)とは逆になるので、発生する出力電流Iの向きは図2の場合とは逆になる。そしてこの向きの出力電流Iの大きさは、排気ガスの空燃比のリッチの度合が高い程大きくなる。
【0028】
以上のように、上記出力電流Iの値は排気ガスの空燃比に応じて変化するので、予め出力電流Iの値と排気ガス空燃比との関係を求めておけば、出力電流Iの値を求めることで排気ガスの空燃比を求めることができる。また、上述の説明から、空燃比センサ10が正常に作動している場合には、内燃機関停止時の排気ガスの空燃比がリッチであるかリーンであるかに拘わらず、その空燃比は空燃比センサ10での反応によって徐々に理論空燃比へと変化していくことがわかる。そして、その空燃比が理論空燃比となった場合には出力電流Iがゼロになると考えられる。
【0029】
なお、以下の説明では、排気ガスの空燃比がリーンである場合に生じる出力電流Iの向きをプラス、排気ガスの空燃比がリッチである場合に生じる出力電流Iの向きをマイナスとする。すなわち、図4は横軸が印加電圧V、縦軸が出力電流Iで示された空燃比センサ10の特性を示す図であるが、この図のように排気ガス空燃比(A/F)が大きい程、出力電流Iの値が大きくなることになる。また、この図から、排気ガスの空燃比(A/F)がほぼ理論空燃比の場合に、出力電流Iの値がほぼゼロになることが確認できる。
【0030】
ところで、図1に示した内燃機関では、上述したようにECU8によって空燃比センサ10からの出力信号(出力電流)に基づいた空燃比制御が実施されている。したがって、空燃比センサ10に異常が発生すると、空燃比制御を適切に実施することが困難になり、例えばエミッションの悪化等の様々な不都合が生じる。そこで、図1に示した内燃機関では、以下で述べるような制御を行うことで空燃比センサ10の異常について正確に検出することができるようになっている。
【0031】
図5及び図6は、図1に示した内燃機関において空燃比センサ10等の異常について検出するために実施される制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。また、図7及び図8はこの異常検出制御について説明するための図であって、内燃機関停止後における空燃比センサ10の出力電流Iの経時変化等について示した図である。
【0032】
図5(及び図6)に示された制御ルーチンは、内燃機関が停止すること(すなわち、例えばイグニッションスイッチがOFFにされること、またはクランクシャフトの回転が停止すること等)によりスタートされる。本制御ルーチンがスタートすると、まずステップ101においてヒータ26への通電制御が実施される。この通電制御は内燃機関の停止後においても空燃比センサ10の温度を所定の活性化温度以上に維持し、空燃比センサ10の活性を維持するために行うものである。普通、内燃機関停止前にはヒータ26は通電されているので、ここでは通常、ヒータ26に通電を継続する制御が実施されるが、内燃機関停止前にヒータ26が通電されていなかった場合には、通電を開始する制御が実施される。
【0033】
ステップ101に続いてステップ103においては、空燃比センサ10が活性化しているか否かについての判定が行われる。ここでは、例えば空燃比センサ10の温度が所定の活性化温度以上であれば活性化していると判定し、所定の活性化温度未満であれば活性化していないと判定する。ステップ103において空燃比センサ10が活性化していると判定された場合にはステップ105に進む。ステップ103において空燃比センサ10が未だ活性化していないと判定された場合には、ステップ103における判定が繰り返され、空燃比センサ10が活性化していると判定された時点(例えば、空燃比センサ10の温度が所定の活性化温度以上になった時点)でステップ105へ進む。
【0034】
ステップ105に進むと空燃比センサ10の出力電流I(t)のモニタが開始される(ここで、tは内燃機関停止後の経過時間を表す)。そして続くステップ107では、内燃機関停止後の経過時間tが第1の所定時間t1に達したか否かが判定され、経過時間tが第1の所定時間t1に達した時点でステップ109へ進むようにされる。
【0035】
ここで、上記第1の所定時間t1は、内燃機関停止後に排気通路内の排気ガスの空燃比が安定するまでの待ち時間であり、ステップ109以降で実施される異常検出が正確に実施されるようにするための待ち時間である。すなわち、内燃機関の排気通路内の排気ガスの空燃比は、内燃機関を停止してからしばらくすると安定することがわかっている。また、空燃比センサ10の出力電流から異常を検出することを考えた場合、排気通路内の排気ガスの空燃比が安定している状態で異常検出を行った方が正確に異常を検出することができる。このようなことから、機関停止後、適切に設定された上記第1の所定時間t1経過後にステップ109以降の異常検出を行うようにすることで、より正確な異常検出を実施することが可能になるのである。なお、上記第1の所定時間t1は上述したような趣旨に基づいて事前に実験等によって求められる。
【0036】
続くステップ109においては、機関停止後の経過時間がt1である時の出力電流I(t1)が求められ、その値が所定値Kd以下であるか否かが判定される。ここで所定値Kdは、センサ出力の異常を判定するための基準値である。すなわち、空燃比センサ10が正常に作動している場合には、空燃比センサ10の出力電流Iは所定の範囲内で変動する。したがって、この範囲を求め、それに応じた基準値を予め決定しておけば、それに基づいてセンサ出力の異常を検出することができる。上記所定値Kdはセンサ出力が異常であると判定する高電流側(プラス側)の基準値であり、本実施形態では、空燃比センサ10で大気を測定した時の出力電流Iに相当する値Kxよりも僅かに大きな値とされている。なお、上記所定値Kdと共にセンサ出力が異常であると判定する低電流側(マイナス側)の基準値Kd´も設けて、低電流側(マイナス側)のセンサ出力異常も検出するようにしてもよい。また、ステップ109において第1の所定時間t1経過時の出力電流I(t1)の大きさと、大きさで定義した基準値|Kd|とを比較するようにすれば、高電流側(プラス側)と低電流側(マイナス側)の両方におけるセンサ出力異常を検出することが可能となる。
【0037】
ステップ109において、上記出力電流I(t1)が上記所定値Kd以下であると判定された場合にはステップ111に進む。一方、上記出力電流I(t1)が上記所定値Kdより大きいと判定された場合にはステップ110に進み、異常判定(すなわち、センサ出力異常判定)がなされる。そしてこの場合、ステップ110に続いてステップ122へ進み、ヒータ26への通電が停止されて本制御ルーチンが終了する。このステップ110へ進む場合(センサ出力異常の場合)の出力電流Iの経時変化は、例えば、図7の曲線Aで示される。
【0038】
ステップ111においては、機関停止後の経過時間がt1である時の出力電流I(t1)が所定値Ka以下であるか否かが判定される。ここで所定値Kaは、ステップ113以降で行われる異常判定(すなわち、排気管漏れ判定及びセンサ割れ判定)の実施可否を判定するための基準値である。すなわち、後述の排気管漏れ判定及びセンサ割れ判定においては、排気管6の漏れもしくはセンサ10の割れの出力電流I(すなわち、検出される空燃比)に対する影響を検出して判定を行うが、このような漏れもしくは割れによる影響は排気ガス空燃比のリーンの度合が高い場合には小さくなってしまう。したがって、誤判定を防ぐためには、排気ガス空燃比のリーンの度合が高い場合(すなわち、基準とする所定空燃比よりもリーンの場合)には、排気管漏れ判定やセンサ割れ判定は実施しないようにすることが好ましい。ステップ110における判定は、このような趣旨で行われるものであり、上記所定値Kaはそのための基準として予め決定された所定空燃比に対応する出力電流Iの値である。
【0039】
したがって、ステップ110において、上記出力電流I(t1)が上記所定値Ka以下であると判定された場合には、排気管漏れ判定やセンサ割れ判定が実施可能であるとしてステップ113に進む。一方、上記出力電流I(t1)が上記所定値Kaより大きいと判定された場合には、その空燃比からは排気管漏れ判定やセンサ割れ判定を実施すべきではないとして図6のステップ123へと進み、別の異常判定プロセス(後述)が実施される。なお、このステップ123へ進む場合の出力電流Iの経時変化は、例えば、図7の曲線Bで示される。
【0040】
ステップ113では、内燃機関停止後の経過時間tが第2の所定時間t2に達したか否かが判定され、経過時間tが第2の所定時間t2に達した時点でステップ115へ進むようにされる。ここで、上記第2の所定時間t2は当然のことながら上記第1の所定時間t1よりも長い時間である。そして続くステップ115においては、機関停止から第2の所定時間t2経過した時の出力電流I(t2)と機関停止から第1の所定時間t1経過した時の出力電流I(t1)との差(I(t2)−I(t1))が求められ、その値が所定変化量Kb以下であるか否かが判定される。
【0041】
このステップ115における判定は、排気通路を構成する排気管6に漏れがあるか否かを判定するものである。すなわち、上述したように空燃比センサ10が正常に作動している場合には、排気通路内の排気ガスの空燃比は空燃比センサ10での反応によって徐々に理論空燃比へと変化していく。しかし、排気管6に割れがある等して漏れがあると、大気中の空気が排気管6内に侵入するため上記排気ガスの空燃比はリーン側へ変化することになる。したがって、予め基準となる空燃比変化量を適切に設定し、それに対応する出力電流Iの変化量Kbを求めておけば、上記出力電流I(t2)が上記出力電流I(t1)から所定変化量Kbよりも多くリーン側に変化している場合には、排気管6に漏れがあると判定することができる。
【0042】
なお、第1の所定時間経過時の排気ガスの空燃比がリッチであった場合には、空燃比センサ10での反応によっても排気ガス空燃比はリーン側へ変化するので、上記所定変化量Kbを決定する際にはこの点を考慮する必要がある。すなわち、例えば、第1の所定時間経過時の排気ガスの空燃比がリッチである場合とリーンである場合とで、異なる所定変化量Kb1、Kb2を設定するようにしてもよい。
【0043】
ステップ115において上記出力電流I(t2)と上記出力電流I(t1)との差が所定変化量Kbより大きいと判定された場合には、ステップ116に進み、異常判定(すなわち、排気管漏れ判定)がなされる。そしてこの場合、ステップ116に続いてステップ122へ進み、ヒータ26への通電が停止されて本制御ルーチンが終了する。このステップ116へ進む場合(排気管漏れの場合)の出力電流Iの経時変化は、例えば、図7の曲線Cで示される。一方、ステップ115において上記出力電流I(t2)と上記出力電流I(t1)との差が所定変化量Kb以下であると判定された場合には、排気管漏れはないとしてステップ117へ進む。
【0044】
ステップ117においては、上記所定時間t1からt2までの間の出力電流Iの上昇部分積算値L(t1〜t2)と下降部分積算値R(t1〜t2)が求められる。この上昇部分積算値L(t1〜t2)とは、上記所定時間t1からt2までの間における出力電流Iの経時変化のうち上昇した部分の変化量を積算したものである。したがって、L(t1〜t2)はゼロ以上の値となる。一方、下降部分積算値R(t1〜t2)とは、上記所定時間t1からt2までの間における出力電流Iの経時変化のうち下降した部分の変化量を積算したものであり、ゼロ以下の値となる。
【0045】
そして続くステップ119においては、ステップ117で求めた積算値L(t1〜t2)、積算値R(t1〜t2)がそれぞれに対応する所定値Kc、Keと比較される。より詳細には、L(t1〜t2)≦Kc、且つR(t1〜t2)≧Keであるか否かが判定される。そして、このステップ119における判定は、空燃比センサ10に割れがあるか否かを判定するものである。
【0046】
すなわち、空燃比センサ10に割れがあると出力電流Iが比較的大きく脈動することがわかっている。また、出力電流Iの脈動の程度、すなわち振幅の大きさが大きくなる程、上記積算値L(t1〜t2)はその値が大きくなり、上記積算値R(t1〜t2)はその値が小さくなる。つまり、上記積算値L(t1〜t2)、積算値R(t1〜t2)は出力電流Iの脈動の程度、すなわち振幅の大きさを表していると言える。このようなことから、基準となる上記所定値Kc、Keを適切に設定しておけば、上述したステップ119での判定を行うことによって空燃比センサ10の割れを判定することができる。
【0047】
なお、以上の説明から明らかなように、上記所定値Kcは正の値であり、上記所定値Keは負の値であって、これらについては上記趣旨に沿って実験等によって事前に設定しておく。また、空燃比センサ10に割れがあると出力電流Iが脈動することについては、排気ガスの空燃比がリーンである場合を例にとると、空燃比センサ10による排気側から大気側(内部空間24)への酸素の吸い出し作用と空燃比センサ10の割れ29からの酸素の漏れ出しとの関係によって生ずるものと考えられる(図9)。
【0048】
ステップ119において、L(t1〜t2)≦Kc、且つR(t1〜t2)≧Keではないと判定された場合には、ステップ120に進み、異常判定(すなわち、センサ割れ判定)がなされる。そしてこの場合、ステップ120に続いてステップ122へ進み、ヒータ26への通電が停止されて本制御ルーチンが終了する。このステップ120へ進む場合(センサ割れの場合)の出力電流Iの経時変化は、例えば、図7の曲線Dで示される。そしてこの場合の上記積算値L(t1〜t2)及びR(t1〜t2)と上記所定値Kc及びKeとの関係が図7の下段の図に示されている。
【0049】
一方、ステップ119において、L(t1〜t2)≦Kc、且つR(t1〜t2)≧Keであると判定された場合には、ステップ121に進み、正常判定がなされる。そしてこの場合も、次いでステップ122へ進み、ヒータ26への通電が停止されて制御ルーチンが終了する。このステップ121へ進む場合(正常判定の場合)の出力電流Iの経時変化は、例えば、図7の曲線Eで示される。
【0050】
次にステップ111において、上記出力電流I(t1)が上記所定値Kaより大きいと判定された場合について説明する。上述したようにこの場合には、その空燃比からは排気管漏れ判定やセンサ割れ判定を実施すべきではないとして図6のステップ123へと進み、別の異常判定プロセスが実施される。
【0051】
まずステップ123では、内燃機関停止後の経過時間tが第3の所定時間t3に達したか否かが判定され、経過時間tが第3の所定時間t3に達した時点でステップ125へ進むようにされる。ここで、上記第3の所定時間t3は上記第1の所定時間t1よりも相当に長い時間であり、例えば2、3時間程度であり得る。
そして続くステップ125においては、機関停止から第1の所定時間t1経過した時の出力電流I(t1)と機関停止から第3の所定時間t3経過した時の出力電流I(t3)との差(I(t1)−I(t3))が求められ、その値が所定変化量Kf以上であるか否かが判定される。
【0052】
このステップ125における判定は、排気管6の漏れや空燃比センサ10の割れを含めた異常の有無を判定するものである。すなわち、上述したように空燃比センサ10が正常に作動している場合には、排気通路内の排気ガスの空燃比は空燃比センサ10での反応によって徐々に理論空燃比へと変化していく。しかし、排気管6の割れ等の異常があると、上記排気ガスの空燃比の理論空燃比へ向かう変化速度は鈍ることになる。したがって、予め基準となる空燃比変化量を適切に設定し、それに対応する出力電流Iの変化量Kfを求めておけば、上記第1の所定時間t1経過時の出力電流I(t1)と上記第3の所定時間t3経過時の出力電流I(t3)との差を上記所定変化量Kfと比較することで異常の有無を判定することができる。
【0053】
ステップ125において上記出力電流I(t1)と上記出力電流I(t3)との差が所定変化量Kfより小さいと判定された場合には、ステップ126に進み、異常判定がなされる(この場合には、排気管漏れかセンサ割れかの判定まではなされない)。そしてこの場合、ステップ126に続いてステップ122へ進み、ヒータ26への通電が停止されて本制御ルーチンが終了する。このステップ126へ進む場合(異常判定の場合)の出力電流Iの経時変化は、例えば、図8の曲線B1で示される。一方、ステップ125において上記出力電流I(t1)と上記出力電流I(t3)との差が所定変化量Kfより大きいと判定された場合には、ステップ127に進み、正常判定がなされる。そしてこの場合も、次いでステップ122へ進み、ヒータ26への通電が停止されて制御ルーチンが終了する。このステップ127へ進む場合(正常判定の場合)の出力電流Iの経時変化は、例えば、図8の曲線B2で示される。
【0054】
以上、説明したように、上述した実施形態の空燃比センサの異常検出装置によれば、空燃比センサ10の異常をより正確に検出することができる。また、その異常原因の判定も行うことができる。
なお、上述の制御ルーチンにおいてステップ115で実施される排気管漏れ判定は、上述した方法の代わりに、例えば上述の上昇部分積算値L(t1〜t2)を求め、その値を予め設定した基準値と比較することによって行うようにしてもよい。また、ステップ117及びステップ119で実施されるセンサ割れ判定に関しても、これらのステップで実際に行われているのは、出力電流Iの脈動の程度、すなわち振幅の大きさを判定することであるので、他の方法で出力電流Iの脈動の程度、すなわち振幅の大きさを判定してもセンサ割れ判定を実施することが可能であり、そのような他の方法を用いてセンサ割れ判定を実施するようにしてもよい。
【0055】
また、上述の制御ルーチンの図6に示した制御ルーチン部分による異常判定プロセスにおいては、上述したように発生した異常の原因が排気管漏れかセンサ割れかの判定まではなされないが、別の実施形態においては、図6に示した制御ルーチン部分を図10に示したものに置き換えて、更に異常原因の判定を試みるようにしてもよい。
【0056】
この図10に示された制御ルーチン部分による異常判定プロセスは、基本的には上記第3の所定時間t3経過後に上述したステップ111からステップ121までの制御を実施しようとするものであり、これによって上述したステップ111からステップ121と同様の異常原因判定を行おうとするものである。より詳細には、図5におけるステップ111からステップ121の各ステップが図10におけるステップ211からステップ221の各ステップに対応している。各ステップでの制御の趣旨及び内容は先のステップ111からステップ121の説明から明らかであると思われるので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、図10に示された制御ルーチン部分におけるt4は、第4の所定時間であって上記第3の所定時間t3よりも長い内燃機関停止後の経過時間である。また、図10から明らかなように、この異常判定プロセスにおいても、異常原因を判定せずに制御が終了する場合がある。すなわち、ステップ211において第3の所定時間t3経過時においても排気ガスの空燃比のリーンの度合が依然として高く、出力電流I(t3)が所定値Kaより大きいと判定された場合には、ステップ223に進み、異常判定のみがなされる。
【0057】
ところで、上述の実施形態においては、主として、内燃機関の停止後、第1の所定時間t1経過以降における上記空燃比センサ10の出力に基づいて空燃比センサ10の異常を検出したが、同様に、上記空燃比センサ10の出力の変化速度に基づいても空燃比センサ10の異常を検出することが可能である。すなわち、先にも述べたように、上記空燃比センサ10が設置されその活性が内燃機関の停止後も維持される場合には、内燃機関の排気通路内の排気ガスの空燃比は、内燃機関を停止してからしばらくすると安定し、その後、上記空燃比センサ10での反応によって徐々に理論空燃比へと変化していくことになる。この空燃比の変化は上記空燃比センサ10での反応によって生じるため、上記空燃比センサ10に異常が生じていれば空燃比センサ10の出力(すなわち、出力電流I)の変化速度に影響が現れる。例えば、空燃比センサ10の劣化によって反応速度が低下している場合には空燃比センサ10の出力の変化速度が小さくなる。更に、排気管6の漏れの程度等も空燃比センサ10の出力の変化速度に影響を与える。
【0058】
このようなことから、空燃比センサ10の出力の変化速度を検出すれば、それに基づいて空燃比センサ10の異常を正確に検出することができ、また、空燃比センサ10の劣化の程度や排気管6の漏れの程度等を推定することもできる。なお、空燃比センサ10の出力の変化速度の検出は、空燃比センサ10の出力電流Iをモニタすることにより実施可能である。
【0059】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、より正確に異常を検出することができる新規な空燃比センサの異常検出装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態の空燃比センサの異常検出装置を適用した内燃機関の全体構成を示す説明図である。
【図2】図2は、空燃比センサの構成を断面で示した説明図であり、排気ガスの空燃比がリーンである場合を示している。
【図3】図3は、図2と同様の図であって排気ガスの空燃比がリッチである場合を示している。
【図4】図4は空燃比センサの特性を示す図である。
【図5】図5は、図1に示した内燃機関において空燃比センサの異常について検出するために実施される制御の制御ルーチン(一部)を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図1に示した内燃機関において空燃比センサの異常について検出するために実施される制御の制御ルーチン(一部)を示すフローチャートである。
【図7】図7は、主に図5に示された制御ルーチン部分による異常検出制御について説明するための図であって、内燃機関停止後における空燃比センサの出力電流の経時変化等について示した図である。
【図8】図8は、主に図6に示された制御ルーチン部分による異常検出制御について説明するための図であって、内燃機関停止後、第1の所定時間t1経過以降における空燃比センサの出力電流の経時変化について示した図である。
【図9】図9は、図2と同様の図であって空燃比センサに割れが発生している場合を示している。
【図10】図10は、図6に示された制御ルーチン部分と置換し得る、他の制御ルーチン部分である。
【符号の説明】
2…機関(エンジン)本体
4…吸気管
6…排気管
8…電子制御ユニット(ECU)
10…空燃比センサ
12…排気ガス浄化装置
26…ヒータ

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に設置される空燃比センサであって、大気と排気との酸素濃度差によって生ずる起電力に基づいて空燃比を検出する空燃比センサと、
    該空燃比センサを活性化する空燃比センサ活性化手段と、を有する空燃比センサの異常検出装置において、
    内燃機関の停止後においても上記空燃比センサの活性を維持し、内燃機関の停止後、第1の所定時間経過以降における上記空燃比センサの出力に基づいて該空燃比センサの異常を検出することを特徴とする、空燃比センサの異常検出装置。
  2. 上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の大きさが所定の大きさよりも大きい場合には、上記空燃比センサの出力異常と判定する、請求項1に記載の空燃比センサの異常検出装置。
  3. 上記第1の所定時間経過後における上記空燃比センサの出力の振幅が所定振幅よりも大きい場合には、上記空燃比センサに割れが発生していると判定する、請求項1または2に記載の空燃比センサの異常検出装置。
  4. 上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の表す空燃比が所定空燃比よりもリーンである場合には、上記の空燃比センサの割れ判定を実施しないようにする、請求項3に記載の空燃比センサの異常検出装置。
  5. 内燃機関の停止から上記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間経過した時の上記空燃比センサの出力が上記第1の所定時間経過時の上記空燃比センサの出力から所定変化量よりも多くリーン側に変化している場合には、上記排気通路を構成する排気管に漏れがあると判定する、請求項1から4の何れか一項に記載の空燃比センサの異常検出装置。
  6. 上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の表す空燃比が所定空燃比よりもリーンである場合には、上記の排気管の漏れ判定を実施しないようにする、請求項5に記載の空燃比センサの異常検出装置。
  7. 上記第1の所定時間経過時における上記空燃比センサの出力の表す空燃比が上記所定空燃比よりもリーンである場合には、内燃機関の停止から上記第1の所定時間よりも長い第3の所定時間経過以降における上記空燃比センサの出力に基づいて該空燃比センサの異常を検出する、請求項4または6に記載の空燃比センサの異常検出装置。
  8. 内燃機関の排気通路に設置される空燃比センサであって、大気と排気との酸素濃度差によって生ずる起電力に基づいて空燃比を検出する空燃比センサと、
    該空燃比センサを活性化する空燃比センサ活性化手段と、を有する空燃比センサの異常検出装置において、
    内燃機関の停止後においても上記空燃比センサの活性を維持し、内燃機関の停止後、第1の所定時間経過以降における上記空燃比センサの出力の変化速度に基づいて該空燃比センサの異常を検出することを特徴とする、空燃比センサの異常検出装置。
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