JP2004360384A - 除雪機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】除雪機10は、左右のオーガ35,35で雪を掻き集め、掻き集めた雪をオーガハウジング27内からブロアハウジン25内に導き、ブロアハウジング25内に導いた雪をブロア30で跳ね上げ、跳ね上げた雪をシュータ36で案内して外方へ投雪する。ブロア30は、ブロア30を回転する駆動軸21に円筒状の嵌合筒体38を圧入し、嵌合筒体38の内周38aと、この内周38aに接触する駆動軸21の外周接触面21bとの双方に浸硫処理を施すことで、跳上げブレード43・・・にしきい値を超えた力がかかったときに嵌合筒体38に対して駆動軸21が空転し得るように構成したものである。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーガで掻き集めた雪をブロアで跳ね上げ、跳ね上げた雪をシュータで所定位置まで投雪する除雪機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば路面や駐車場の雪を除雪するものとしてオーガとブロアとを備えた除雪機がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ブロアに所定値を超えた力がかかった場合を考慮して、ブロア用のシャーボルトを備えた除雪機がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平3―137311号公報(第3−4頁、第9図)
【特許文献2】
特開平8―13439号公報(第4頁、図2)
【0004】
図6は特許文献1の第9図の正面図である。なお、符号を振り直した。
オーガ装置100によれば、駆動軸101でオーガ(図示せず)を回転するとともに、ブロア102を矢印aの如く回転させる。オーガを回転することで車幅方向中央に雪を掻き集め、オーガ装置を前進させることで、掻き集めた雪をブロアハウジング103内に導く。
【0005】
ブロアハウジング103内に導いた雪を、ブロア102の跳上げブレード104・・・で矢印bの如く跳ね上げる。
跳ね上げた雪をブロアハウジング103の上部に設けたシュータ105で案内して所望の位置に投雪する。
ここで、雪中には石などの異物が埋没しており、この異物106がブロア102とブロアハウジング103との間の隙間107に侵入することが考えられる。
【0006】
異物106が隙間107に侵入した場合に、ブロア102で異物106をブロアハウジング103に強く押し付けることになり、隙間107に異物106を噛み込む頻度を高めている。
隙間107に異物106を噛み込んだ場合には、噛み込んだ異物106を隙間107から取り除く必要があり作業者に負担がかかる。
【0007】
加えて、噛み込んだ異物106を隙間107から取り除く間は、オーガ装置100を停止させる必要がある。よって、オーガ装置100の休止時間が長くなり、そのことが作業性を高める妨げになっていた。
また、隙間107に異物106を噛み込んだ場合には、ブロア102やブロアハウジング103に所定値を超えた力がかかることになり、ブロア102やブロアハウジング103が変形する。
【0008】
一方、前記特許文献2には、ブロアを駆動する駆動軸にシャーボルトを備え、ブロアに所定値を超えた力がかかった場合に、シャーボルトを破断させる技術が提案されている。
図7は特許文献2の図2の断面図である。なお、符号を振り直した。
オーガ装置110は、ブロア111を駆動する駆動軸112にシャーボルト113を備える。
【0009】
このオーガ装置110によれば、例えば、雪中に埋没した石などの異物(図示せず)をブロア111とブロアハウジング114との間の隙間115に噛み込んだ場合に、シャーボルト113を破断させる。
これにより、ブロア111やブロアハウジング114に過大な力がかからないようにすることができ、ブロア111やブロアハウジング114が変形することを防ぐことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献2の技術は、万が一ブロア111とブロアハウジング114との間の隙間115に異物が侵入した場合に、ブロア111やブロアハウジング114の変形を防ぐために、シャーボルト113を破断させる必要がある。
【0011】
シャーボルト113が破断した場合には、破断したシャーボルト113を新たなシャーボルトに交換する必要があり、作業者に大きな負担がかかる。
さらに、シャーボルト113の交換に時間がかかるので、休止時間が長くなり、そのことが除雪機の稼働率を上げる妨げになっていた。
【0012】
そこで、本発明の目的は、シャーボルトを使用せずに、ブロアとブロアハウジングとの間に異物を噛み込まないようにすることができる除雪機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、オーガで雪を掻き集め、掻き集めた雪をブロアハウジング内のブロアで跳ね上げ、跳ね上げた雪をシュータで案内して所望位置に投雪する除雪機において、前記ブロアは、このブロアを回転する駆動軸に円筒状の嵌合筒体を圧入し、この嵌合筒体に支持部を介して前記雪を跳ね上げる跳上げブレードを固定し、前記嵌合筒体の内周と、この内周に接触する前記駆動軸の外周接触面との一方又は双方に浸硫処理を施すことで、前記跳上げブレードにしきい値を超えた力が作用したときに嵌合筒体に対して駆動軸が空転し得るようにしたことを特徴とする。
【0014】
嵌合筒体の内周と、この内周に接触する駆動軸の外周接触面との一方又は双方に浸硫処理を施すことで、跳上げブレードにしきい値を超えた力が作用したときに嵌合筒体に対して駆動軸が空転する。
【0015】
よって、雪中に埋没した石などの異物をブロアとブロアハウジングとの間の隙間に噛み込んだ場合に、駆動軸を空転させてブロアやブロアハウジングに過大な力がかかることを防ぐことができる。
これにより、ブロアやブロアハウジングが変形、破損することを防ぐことができる。
【0016】
また、ブロアなどの変形や破損を防止するために、従来必要とされていたシャーボルトを不要にして、シャーボルトを交換する手間を省くことができる。
さらに、シャーボルトを交換する必要がないので、休止時間を短くして、除雪機の稼働率を上げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。ここで、「前」、「後」、「左」、「右」は作業者から見た方向に従う。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る除雪機を示す側面図である。
除雪機10は、機体としてのフレーム11の左右側に左右の走行部12,12を設けるとともに、フレーム11にエンジン13を搭載し、エンジン13の前部にトランスミッション14を設け、トランスミッション14の前方にオーガ装置20を設け、オーガ装置20の駆動軸21の後端部21aに駆動ピン45を連結し、この駆動ピン45に第1プーリ23を設け、トランスミッション14の出力軸15に第2プーリ16を設け、この第2プーリ16と第1プーリ23とにベルト24を掛け、フレーム11の後端側から斜め後方にハンドルポスト17を延ばし、ハンドルポスト17の上端部にハンドル18を設けたものである。
【0018】
オーガ装置20は、フレーム11の前部に筒状のブロアハウジング25を取り付け、ブロアハウジング25の前端部にオーガハウジング27を取り付け、ブロアハウジング25の後壁26に駆動ピン45を回転自在に取り付け、この駆動ピン45に駆動軸21の後端部21aを連結し、駆動軸21の後端部21aを回転自在に取り付けるとともに、駆動軸21の前端部21cをブロアハウジング25を経てオーガハウジング27まで延ばし、駆動軸21の後端部21a近傍にブロア30を取り付ける。
【0019】
さらに、オーガ装置20は、駆動軸21の前端部21cにウォームを形成し、このウォームをウォームホイール31に噛み合わせることによりウォーム減速機構(以下、「オーガミッション」という)32を構成し、このオーガミッション32をオーガミッションケース33内に収納し、ウォームホイール31に左右のオーガ軸34,34(右側は図示せず)を取り付け、左右のオーガ軸34,34をオーガミッションケース33の左右側から延ばし、左右のオーガ軸34,34にそれぞれ左右のオーガ35,35を取り付けたものである。
【0020】
この除雪機10によれば、エンジン13でオーガ装置20を駆動するとともにに、左右の走行部12,12を駆動することにより除雪機10を走行する。
オーガ装置20は、エンジン13を駆動することにより、ベルト24で第1プーリ23を回転し、第1プーリ23で駆動軸21を回転することにより、ブロア30を回転するとともに、オーガミッション32および左右のオーガ軸34,34を介して左右のオーガ35,35を回転するものである。
【0021】
これにより、左右のオーガ35,35で雪を掻き集め、掻き集めた雪をオーガハウジング27内からブロアハウジン25内に導き、ブロアハウジング25内に導いた雪をブロア30で跳ね上げ、跳ね上げた雪をシュータ36で案内して外方へ投雪する。
【0022】
図2は本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成するブロアを示す断面図である。
ブロア30は、ブロア30を回転する駆動軸21に円筒状の嵌合筒体38を圧入し、嵌合筒体38に支持部42を取り付け、この支持部42に3個の跳上げブレード43・・・(図4参照)を固定し、ブロアハウジング25の後壁26にベアリング46を介して駆動軸21の後端21aを回転自在に取り付けたものである。
【0023】
駆動ピン48をベアリング46を介してブロアハウジング25の後壁26に回転自在に取り付け、駆動ピン48に駆動軸21の後端部21aを嵌め込み、駆動軸21や、駆動ピン48の先端部48aの各貫通孔に連結ピン41を差し込み、駆動軸21から突出した連結ピン41の下端部41aに、抜止め用のコッタピン49を差し込んで駆動ピン48の先端部48aに駆動軸21を連結する。
【0024】
駆動ピン48の後端部48bには第1プーリ23を設け、第1プーリ23および第2プーリ16(図1参照)にベルト24を掛け、第2プーリ16はトランスミッション14の出力軸15(図1参照)に連結する。
【0025】
駆動軸21の後端部21aにストッパリング51を取り付け、このストッパリング51に嵌合筒体38の前端を接触させ、駆動軸21の後端部21aカラー52を嵌め込むことにより、カラー52に嵌合筒体38の後端を接触させる。これにより、嵌合筒体38を所定位置に位置決めする。
駆動軸21に嵌合筒体38を圧入することで、駆動軸21の回転を嵌合筒体38に伝える。
駆動軸21の回転を嵌合筒体38に伝えることで、支持部42と一体に跳上げブレード43・・・(・・・は複数個を示す)を回転する
このブロア30をブロアハウジング25内に回転可能に配置する。
【0026】
加えて、ブロア30は、嵌合筒体38の内周38aと、この内周38aに接触する駆動軸21の外周接触面21bとの双方に浸硫処理(図2も参照)を施すことで、跳上げブレード43・・・にしきい値を超えた力がかかったときに嵌合筒体38に対して駆動軸21が空転し得るように構成したものである。
【0027】
支持部42は、嵌合筒体38の後端部38bに取り付けた円板状の部材で、前方から後方に向けて傾斜した壁部44と、壁部44の外周に形成した周部45とからなる。
なお、支持部42の形状は、これに限るものではなく、要は跳上げブレード43・・・を嵌合筒体38に取り付けることができるものであればよい。
【0028】
跳上げブレード43は、基端部43aを支持部に取り付け、基端部43aから外側に向けて放射状に延ばし(図4参照)、先端部に雪を跳ね上げる跳上げ部43bを備える。
なお、浸硫処理およびしきい値については後述する。
【0029】
図3は本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成するブロアを示す分解図である。
嵌合筒体38の内周38a、および駆動軸21の外周接触面21bに浸硫処理を施す。
この浸硫処理は、鉄系材料(炭素鋼、鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼など)の表面層に遊離硫黄を拡散させる金属表面処理の一法である。
遊離硫黄は潤滑性に富むので相対する接触面にスリップによる滑りが発生したときに、摩耗の発生を抑えることができ、結果的に耐摩耗性を高めることができるというものである。
【0030】
嵌合筒体38の内周38aと、この内周38aに接触する駆動軸21の外周接触面21bとの双方に浸硫処理を施すことで、嵌合筒体38の内周38aと駆動軸21の外周接触面21bとの耐摩耗性を高めることができる。
したがって、万が一跳上げブレード43・・・にしきい値を超えた力がかかって、嵌合筒体38に対して駆動軸21にスリップが発生しても摩耗の発生を抑えることができるので、嵌合筒体38の内周38aや駆動軸21の外周接触面21bの寿命を十分に延ばすことができる。
そして、嵌合筒体38がスリップした後は、嵌合筒体38を駆動軸21に圧入した初期の状態、すなわち駆動軸21の回転を嵌合筒体38に伝える状態に復帰する。
【0031】
浸硫処理の具体例は、温度190℃程度の硫黄を含むアルカリ金属塩の溶融ソルトバス中にワークを浸漬しつつ陽極酸化処理を施し、ワークの表面に数μmの硫化鉄の拡散層を形成するものである。
例えば、嵌合筒体38の内周38aにのみ硫化鉄の拡散層を形成するには、嵌合筒体38の内周38aを除く嵌合筒体38をマスキング(非絶縁材でカバー)すればよい。
また、駆動軸21の外周接触面21bにのみ硫化鉄の拡散層を形成するには、嵌合筒体38の場合と同様に、外周接触面21bを除く駆動軸21をマスキング(非絶縁材でカバー)すればよい。
【0032】
図2に戻って、ブロアハウジング25の後壁26中央に、ベアリング46を介して駆動ピン48を回転自在に取り付け、駆動ピン48の後端部48bに第1プーリ23を取り付け、第1プーリ23および第2プーリ16(図1参照)にベルト24を掛ける。
この第2プーリ16をトランスミッション14の出力軸15(図1参照)に取り付ける。
【0033】
駆動軸21の外周接触面21bに嵌合筒体38を圧入した後、駆動軸21の後端部21aを駆動ピン48に嵌め込み、前述したように駆動軸21および駆動ピン48の先端部48aを連結ピン41で連結する。
よって、図1に示すエンジン13でトランスミッション14を駆動することにより、トランスミッション14の出力軸15が回転し、この出力軸15で第2プーリ16を回転することにより、ベルト24を介して第1プーリ23を矢印の如く回転する。
【0034】
第1プーリ23が回転することにより、第1プーリ23と一体に駆動ピン48が回転し、駆動ピン48の回転が連結ピン41を介して駆動軸21に伝わる。
また、駆動軸21の外周接触面21bには嵌合筒体38が圧入されているので、駆動軸21の回転が嵌合筒体38に伝わり、嵌合筒体38が矢印の如く回転する。
嵌合筒体38が矢印の如く回転することにより、嵌合筒体38と一体に支持部42が回転し、支持部42とともに跳上げブレード43・・・が回転する。
【0035】
図4は本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成するブロアを示す正面図である。
ブロアハウジング25は、後壁26を円形に形成し、後壁26の外周に円弧状の周壁28を形成し、周壁28の左上部に筒部29を備える。
この筒部29にシュータ36(図1参照)を取り付ける。
このブロアハウジング25内にブロア30を回転自在に取り付ける。ブロア30を矢印の如く回転することにより、蹴上げブレード43の蹴上げ部43bで雪を位置P1から位置P2まで持ち上げる。
【0036】
ここで、ブロア30の跳上げブレード43と、ブロアハウジング25の周壁28との間の間隔39を間を小さな隙間Sとすることで、間隔39から雪が逃げることを防ぐ。
よって、位置P1から位置P2までの間において、蹴上げブレード43の蹴上げ部43bで雪を効率よく持ち上げることが可能になる。
そして、位置P2まで持ち上げた雪を蹴上げブレード43の蹴上げ部43bでシュータ36(図1参照)に向けて跳ね上げる。
【0037】
ここで、前述したしきい値について説明する。しきい値は、F1<しきい値<F2の関係が成立する。
但し、F1は、ブロア30で雪を正常に跳ね上げる際に、跳上げブレード43にかかる力である。
また、F2は、一例としてブロア30とブロアハウジング25との間に、石などの異物を噛み込んだ際に発生する大きな力である。
【0038】
よって、オーガ装置20を駆動することにより、ブロア30で雪を正常に跳ね上げることができる。
そして、万が一ブロア30とブロアハウジング25との間に、石などの異物を噛み込んで大きな力F2が発生した場合には、駆動軸21に対して嵌合筒体38をスリップさせて、ブロア30やブロアハウジング25が変形することや、破損することを防ぐことができる。
【0039】
次に、除雪機10の作用を図1〜図2および図5に基づいて説明する。
図1に戻って、エンジン13でトランスミッション14を駆動することにより、トランスミッション14の出力軸15が回転する。
この出力軸15で第2プーリ16を回転することにより、ベルト24を介して第1プーリ23を回転する。
【0040】
図2に戻って、第1プーリ23が回転することにより、第1プーリ23と一体に駆動ピン48が回転し、駆動ピン48の回転が連結ピン41を介して駆動軸21に伝わる。
駆動軸21の外周接触面21bに嵌合筒体38を圧入したので、駆動軸21の回転が嵌合筒体38に伝わり、嵌合筒体38が矢印の如く回転する。
嵌合筒体38が矢印の如く回転することにより、嵌合筒体38と一体に支持部42が回転し、支持部42とともに跳上げブレード43・・・が回転する。
これにより、ブロア30は回転状態になる。
【0041】
加えて、駆動ピン48の回転が連結ピン41を介して駆動軸21に伝わり、駆動軸21が回転する。駆動軸21が回転することにより、図1に示すオーガミッション32および左右のオーガ軸34,34を介して左右のオーガ35,35を回転する。
【0042】
図5(a),(b)は本発明に係る除雪機の作用を示す説明図である。
(a)において、左右のオーガ35,35(図1参照)が回転するとともに、ブロア30が嵌合筒体38を中心として矢印▲1▼の如く回転する。
一方、左右のオーガ35,35で雪56を掻き集め、掻き集めた雪56をオーガハウジング27(図1参照)内からブロアハウジン25内に導く。
【0043】
ブロアハウジング25内に導いた雪56を、ブロア30の跳上げブレード43の跳上げ部43bで掻き集め、掻き集めた雪56を跳上げブレード43の跳上げ部43bに載せる。
その後、跳上げ部43bに雪56を載せた跳上げブレード43がブロアハウジング25の開口57の下方に移動する。
【0044】
(b)において、跳上げ部43bに雪56を載せた跳上げブレード43がブロアハウジング25の開口57の下方から、開口57を通過する際に、跳上げ部43bに載った雪56を遠心力で開口57に跳ね上げ、筒部29を経て矢印▲2▼の如くシュータ36(図1参照)に導く。この雪56をシュータ36で案内して所望の位置に投雪する。
【0045】
ここで、雪56中には石などの異物58が埋没されており、異物58がブロア30とブロアハウジング25の周壁28との間の間隔54、特に開口57の周縁57a近傍の間隔54に侵入することが考えられる。
侵入した異物58が間隔54の隙間Sより大きいと、蹴上げブレード43の上端部に、しきい値を超えた力Fが矢印の如くかかる。
【0046】
跳上げブレード43にしきい値を超えた力Fがかかることにより、嵌合筒体38に対して駆動軸21にスリップが発生して、駆動軸21が空転する。これにより、ブロア30やブロアハウジング25に過大な力がかかることを防ぐことができる。
よって、ブロア30やブロアハウジング25が変形することや、破損することを防ぐことができる。
【0047】
ところで、ブロア30は、嵌合筒体38の内周38aと、駆動軸21の外周接触面21bとの双方に浸硫処理を施している。よって、嵌合筒体38に対して駆動軸21がスリップしても、嵌合筒体38の内周38aおよび駆動軸21の外周接触面21bに変形や破損が発生する虞はない。
【0048】
したがって、ブロア30とブロアハウジング25の周壁28との間の間隔54から異物58を除去した後、ブロア30を再度回転することができる。
このため、シャーボルトを交換する手間を省いて、作業者にかかる負担を軽減することができる。
加えて、シャーボルトを交換する必要がないので、休止時間を短くして、除雪機の稼働率を上げることができる。
【0049】
加えて、嵌合筒体38の内周38aと、この内周38aに接触する駆動軸21の外周接触面21bとの双方に浸硫処理を施すだけで、跳上げブレード43にしきい値を超えた力が作用したときに、嵌合筒体38に対して駆動軸21が空転するというトルクリミッタ機構を得ることができる。これにより、トルクリミッタ機構を小さな空間に採用することが可能になる。
【0050】
なお、前記実施形態において、嵌合筒体38に対する駆動軸21のスリップを検知する検知手段を備え、この検知手段の検知信号に基づいてエンジン13を停止させる構成を採用することも可能である。
これにより、異物58の噛み込む前に、エンジン13を停止することが可能になり、異物58を簡単に除去することができる。
あるいは、駆動軸21を逆転させる機構を備えることで、異物58が侵入した際に、駆動軸21を逆転させて異物58を簡単に除
去することも可能である。
【0051】
また、前記実施形態では、嵌合筒体38の内周38aと、駆動軸21の外周接触面21bとの双方に浸硫処理を施した例について説明したが、これに限らないで、嵌合筒体38の内周38aと、駆動軸21の外周接触面21bとのいずれか一方に浸硫処理を施すことも可能である。
【0052】
さらに、前記実施形態では、跳上げブレード43で、ブロアハウジング25の開口57から筒部29に雪56を跳ね上げた直後に、開口57の周縁57a近傍において、ブロア30とブロアハウジング25との隙間Sに異物58が侵入する例について説明したが、これに限らないで、ブロア30とブロアハウジング25との間の任意の位置の隙間Sに異物58が侵入した場合にも同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、ブロア30とオーガ35との隙間に異物58が侵入して、ブロア30にしきい値を超えた力がかかった場合にも、前記実施形態と同様に、嵌合筒体38に対して駆動軸21をスリップさせて、ブロア30やオーガ35の変形又は破損などを防ぐことも可能である。
【0054】
さらに、前記実施形態の支持部42や跳上げブレード43の形状は、一例であり、これに限定するものではない。
また、前記実施形態では、跳上げブレード43を3個設けた例について、説明したが、跳上げブレード43の個数は3個に限らないで、任意に選択することができる。
【0055】
さらに、前記実施形態では、嵌合筒体38をストッパリング51およびカラー52で位置決めする例について説明したが、ピンやナットなどの部材で位置決めすることも可能である。
【0056】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、嵌合筒体の内周と、この内周に接触する駆動軸の外周接触面との一方又は双方に浸硫処理を施すことで、跳上げブレードにしきい値を超えた力が作用したときに嵌合筒体に対して駆動軸が空転する。
【0057】
よって、雪中に埋没した石などの異物をブロアとブロアハウジングとの間の隙間に噛み込んだ場合に、駆動軸を空転させてブロアやブロアハウジングに過大な力がかかることを防ぐことができる。
これにより、ブロアやブロアハウジングが変形、破損することを抑えて、ブロアやブロアハウジングの耐久性を高めることができる。
【0058】
また、ブロアなどの変形や破損を防止するために、従来必要とされていたシャーボルトを不要にすることができる。これにより、シャーボルトを交換する手間を省いて、作業者にかかる負担を軽減することができる。
さらに、シャーボルトを交換する必要がないので、休止時間を短くして、除雪機の稼働率を上げることができる。
【0059】
加えて、嵌合筒体の内周と、この内周に接触する駆動軸の外周接触面との一方又は双方に浸硫処理を施すだけで、跳上げブレードにしきい値を超えた力が作用したときに、嵌合筒体に対して駆動軸が空転するというトルクリミッタ機構を得ることができる。
これにより、トルクリミッタ機構を、小さな空間に採用することができるので、設計の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除雪機を示す側面図
【図2】本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成するブロアを示す断面図
【図3】本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成するブロアを示す分解図
【図4】本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成するブロアを示す正面図
【図5】本発明に係る除雪機の作用を示す説明図
【図6】特許文献1の第9図の正面図
【図7】特許文献2の図2の断面図
【符号の説明】
10…除雪機、20…オーガ装置、35…左右のオーガ(オーガ)、21…駆動軸、21b…外周接触面(駆動軸の外周接触面)、25…ブロアハウジング、30…ブロア、36…シュータ、38…嵌合筒体、38a…嵌合筒体の内周、42…支持部、43…跳上げブレード、56…雪。
Claims (1)
- オーガで雪を掻き集め、掻き集めた雪をブロアハウジング内のブロアで跳ね上げ、跳ね上げた雪をシュータで案内して所望位置に投雪する除雪機において、
前記ブロアは、
このブロアを回転する駆動軸に円筒状の嵌合筒体を圧入し、
この嵌合筒体に支持部を介して前記雪を跳ね上げる跳上げブレードを固定するように構成し、
前記嵌合筒体の内周と、この内周に接触する前記駆動軸の外周接触面との一方又は双方に浸硫処理を施すことで、前記跳上げブレードにしきい値を超えた力が作用したときに嵌合筒体に対して駆動軸が空転し得るようにしたことを特徴とする除雪機。
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CN103306232A (zh) * | 2013-06-06 | 2013-09-18 | 长安大学 | 一种基于压力反馈的除雪车冷吹风自动控制装置及方法 |
WO2024065298A1 (zh) * | 2022-09-28 | 2024-04-04 | 深圳汉阳科技有限公司 | 抛雪机构和除雪装置 |
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- 2003-06-06 JP JP2003162717A patent/JP4271996B2/ja not_active Expired - Fee Related
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