JP2004360234A - 鉄筋結合金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体1と締結ボルト2とから成り、本体1には、第一の鉄筋T1に対して横側方から嵌合可能な凹入部6と、この凹入部6の内側縁に形成された第一の鉄筋支持部8と、当該第一の鉄筋支持部8に支持された第一の鉄筋T1に対し直交する向きの第二の鉄筋T2をその長さ方向に挿入して先端部を第一の鉄筋T1の上に載せるための鉄筋挿入部9と、この鉄筋挿入部9に挿入された第二の鉄筋T2を、その先端部から離れた位置で且つ第一の鉄筋のある側で支持する第二の鉄筋支持部12とが設けられ、前記締結ボルト2は、前記第一の鉄筋支持部8と第二の鉄筋支持部12との間で第二の鉄筋T2を第一の鉄筋T1の方へ押圧できるように前記本体1のねじ孔13を螺合貫通する構成。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート構造物内に埋設される2本の鉄筋をT字状に結合するための結合金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PCケーブルなどを支持する棚筋は、その端部を当該棚筋に対して直交向きの主筋にT字状に結合される。このような場合、棚筋の端部が主筋から外側に突出しないように結合して、鉄筋に対するコンクリートの被りが浅くならないようにしなければならない。このような場合に使用される鉄筋結合金具としては、例えば特許文献1に記載のように、コ字形の本体の両側板の前縁から切込み形成した凹入部に第一の鉄筋を嵌合させ、第二の鉄筋は、本体両側板の下半分どうしをつなぐ後側板に支持させる状態で本体両側板の上半分の両側板突出部間に、先端部を第一の鉄筋の上に重ねるように嵌合させ、締結用ボルトナットで本体両側板の上半分の両側板突出部どうしを互いに締結することにより、当該締結用ボルトの頭部荷形成したカム面で第二の鉄筋を第一の鉄筋の方へ押圧固定するように構成したものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−30764号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の鉄筋結合金具では、本体とは別にボルトとナットの2部品が必要であるばかりでなく、頭部に鉄筋を横方向に押圧移動させるためのカム面を備えた特殊なボルトが必要であるから、製造コストが高くなる欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る鉄筋結合金具を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、第一の鉄筋T1と第二の鉄筋T2とをT字状に結合する結合金具であって、本体1,17と締結ボルト2とから成り、本体1,17には、第一の鉄筋T1に対して横側方から嵌合可能な凹入部6と、この凹入部6の内側縁に形成された第一の鉄筋支持部8と、当該第一の鉄筋支持部8に支持された第一の鉄筋T1に対し直交する向きの第二の鉄筋T2をその長さ方向に挿入して先端部を第一の鉄筋T1の上に載せるための鉄筋挿入部9と、この鉄筋挿入部9に挿入された第二の鉄筋T2を、その先端部から離れた位置で且つ第一の鉄筋のある側で支持する第二の鉄筋支持部12とが設けられ、前記締結ボルト2は、前記第一の鉄筋支持部8と第二の鉄筋支持部12との間で第二の鉄筋T2を第一の鉄筋T1の方へ押圧できるように前記本体1,17のねじ孔13,22を螺合貫通する構成となっている。
【0006】
上記構成の本発明を実施する場合、前記本体1を帯状鉄板の曲げ加工などで構成できる門形状のものとし、前記凹入部6は本体両側壁4,5の前側辺から切込み状に形成すると共に、前記鉄筋挿入部9は本体両側壁4,5間に形成し、前記第二の鉄筋支持部12は、本体両側壁4,5の後側辺から内側へ突設された互いに対向する左右一対の舌片10,11で構成し、本体両側壁4,5をつなぐ上壁部3に前記締結ボルト2が螺合貫通するねじ孔13を設けることができる。この場合、前記第二の鉄筋支持部12を構成する左右一対の舌片10,11に、支持する第二の鉄筋T2を本体両側壁4,5間のほぼ中央位置に位置決めするための互いに対称の傾斜上縁部10a,11aを形成することができる。
【0007】
又、前記本体17をほぼC字状のものとし、その上壁部18と下壁部19との間に前記凹入部6を形成し、前記鉄筋挿入部9は、本体上壁部18と下壁部19とをつなぐ後壁部20に設けられた貫通孔21で構成し、本体上壁部18に前記締結ボルト2が螺合貫通するねじ孔22を設けることもできる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適実施形態を添付図に基づいて説明すると、図1〜図3において、1は帯状鉄板を曲げ加工して構成した本体であり、2は締結ボルトである。本体1は、上壁部3で互いにつながれた両側壁4,5を有し、この本体両側壁4,5には、その前側辺から切込み形成された円弧状の凹入部6が形成されている。この凹入部6の内側縁からは外向きに一体に折曲連設された補強用折曲リブ7が形成され、この凹入部6の内側縁(補強用折曲リブ7の内周面)の内、上壁部3に対向する部分が第一の鉄筋T1の支持部8を構成している。
【0009】
本体両側壁4,5間の空間は、第二の鉄筋T2を第一の鉄筋T1に対して直交する向きに挿入する鉄筋挿入部9を構成している。又、本体1には、その両側壁4,5の後側辺の中間高さ位置からそれぞれ内側に折曲一体連設された左右一対の舌片10,11から成る第二の鉄筋T2の支持部12が設けられている。これら両舌片10,11には、支持する第二の鉄筋T2を本体両側壁4,5間の中央位置に位置決めするための、互いに対称形の傾斜上縁部10a,11aが形成されている。
【0010】
本体1の上壁部3には、下方内側に突出するバーリング加工孔の内側面にねじ溝加工することにより構成された上下方向の貫通ねじ孔13が設けられ、この貫通ねじ孔13に締結ボルト2が上から下方内側に向かって螺合貫通されている。而して、この締結ボルト2の位置は、側面視において第一の鉄筋支持部8と第二の鉄筋支持部12との中間ほぼ中央位置に位置し、正面視において本体両側壁部4,5間の中央位置に位置している。
【0011】
尚、本体両側壁部4,5には、後側辺と凹入部6との中間位置で上下ほぼ全域にわたって上下方向に延びる、外側へ円弧状に突出する断面形状の補強用筋状リブ14が設けられている。尚、貫通ねじ孔13は、本体上壁部3に設けた貫通孔と同心状に、当該上壁部3の下側面又は上側面に溶接又はかしめなどによって固着されたナットによって構成することもできる。
【0012】
以上のように構成された鉄筋結合金具15は、図1に仮想線で示すように、先に説明した主筋に相当する第一の鉄筋T1に対し横側方から凹入部6を嵌合し、先に説明した棚筋に相当する第二鉄筋T2を本体両側壁4,5間の鉄筋挿入部9に、本体上壁部3と第二の鉄筋支持部12との間の位置で本体1の後側辺側から挿入し、その先端部を第一の鉄筋T1の上に載置する。既に第一の鉄筋T1に対し第二の鉄筋T2が配置されているときは、第二の鉄筋T2に本体両側壁4,5を外嵌させた状態の本体1を第二の鉄筋T2に沿って第一の鉄筋T1の方にスライドさせ、第一の鉄筋T1を本体1の凹入部6内に相対的に嵌入させる。
【0013】
かかる状態で締結ボルト2を締め付け、その先端により第二の鉄筋T2を、第一の鉄筋T1との当接点と第二の鉄筋支持部12との当接点との中間位置で第一の鉄筋T1の方に押圧し、この第二の鉄筋T2の先端部で第一の鉄筋T1を本体凹入部6の第一の鉄筋支持部8に押圧することにより、第二の鉄筋T2を第一の鉄筋T1に対しT字状に結合することができる。
【0014】
上記の使用方法において、締結ボルト2の先端と第二の鉄筋T2の周面とは点接触又は線接触となって、本体両側壁4,5間における第二の鉄筋T2の位置が不安定のようであるが、この第二の鉄筋T2を支持する第二の鉄筋支持部12を構成する左右一対の舌片10,11の左右対称形の傾斜上縁部10a,11aが当該第二の鉄筋T2を本体両側壁4,5間の中央位置に位置決めするので、第二の鉄筋T2が小径で、その直径と本体両側壁4,5間の幅との差が大きくても、当該第二の鉄筋T2を確実に締結ボルト2の先端で押圧固定することができる。
【0015】
図4に示す別の実施形態を説明すると、この図4に示す鉄筋結合金具16は、例えば板厚の厚い鉄板をほぼC字形に曲げ加工して構成できる本体17を使用したもので、その平坦な上壁部18とフック状の下壁部19との間に前記凹入部6が形成され、前記鉄筋挿入部9は、本体上壁部18と下壁部19とをつなぐ後壁部20に設けられた貫通孔21で構成され、本体上壁部18に前記締結ボルト2が螺合貫通するねじ孔22が設けられている。この構成においては、フック状の下壁部19のV形内側部によって第一の鉄筋支持部8が構成されると共に、貫通孔21の内側縁で第二の鉄筋支持部12が構成される。
【0016】
この図4に示す鉄筋結合金具16も、図4に仮想線で示すように、先の実施形態に係る鉄筋結合金具15と同様に使用することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上のように実施し且つ使用することが出来るものであって、係る本発明の鉄筋結合金具によれば、2本の鉄筋をT字状に簡単に結合することができる。しかもナットが不要であるし、締結ボルトに特殊なカム面を設ける必要もなく、汎用のボルトをそのまま活用することができ、結合具全体を安価に構成できる利点がある。又、締結ボルトで直接第二の鉄筋を、第一の鉄筋との当接点と第二の鉄筋支持部との間の位置で第一の鉄筋の方へ押圧するものであり、強固な鉄筋結合作用が簡単な操作で得られる。
【0018】
尚、請求項2に記載の構成によれば、本発明の鉄筋結合金具を1枚の金属板の切断と曲げ加工(プレス加工)で簡単容易に構成することができる。この場合、請求項3に記載の構成によれば、第二の鉄筋が小径で、その直径と本体両側壁間の幅との差が大きくても、当該第二の鉄筋を確実に締結ボルトの先端で押圧固定することができる。
【0019】
又、請求項4に記載の構成においても、1枚の金属板の切断と曲げ加工(プレス加工)で簡単容易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A図は第一の実施形態を示す正面図であり、B図は同A図のA−A線断面図である。
【図2】第一の実施形態を示す側面図である。
【図3】図1AのB−B線断面図である。
【図4】第二の実施形態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1,17 本体
2 締結ボルト
3,18 本体上壁部
4,5 本体両側壁部
6 凹入部
7 補強用折曲リブ
8 第一の鉄筋支持部
9 鉄筋挿入部
10,11 舌片
10a,11a 舌片の傾斜上縁部
12 第二の鉄筋支持部
13,22 貫通ねじ孔
14 補強用筋状リブ
15,16 本発明の鉄筋結合金具
19 本体下壁部
20 本体後壁部
21 貫通孔(鉄筋挿入部)
Claims (4)
- 第一の鉄筋と第二の鉄筋とをT字状に結合する結合金具であって、本体と締結ボルトとから成り、本体には、第一の鉄筋に対して横側方から嵌合可能な凹入部と、この凹入部の内側縁に形成された第一の鉄筋支持部と、当該第一の鉄筋支持部に支持された第一の鉄筋に対し直交する向きの第二の鉄筋をその長さ方向に挿入して先端部を第一の鉄筋の上に載せるための鉄筋挿入部と、この鉄筋挿入部に挿入された第二の鉄筋を、その先端部から離れた位置で且つ第一の鉄筋のある側で支持する第二の鉄筋支持部とが設けられ、前記締結ボルトは、前記第一の鉄筋支持部と第二の鉄筋支持部との間で第二の鉄筋を第一の鉄筋の方へ押圧できるように前記本体のねじ孔を螺合貫通する、鉄筋結合金具。
- 前記本体が門形状のもので、前記凹入部は本体両側壁の前側辺から切込み状に形成されると共に、前記鉄筋挿入部は本体両側壁間に形成され、前記第二の鉄筋支持部は、本体両側壁の後側辺から内側へ突設された互いに対向する左右一対の舌片で構成され、本体両側壁をつなぐ上壁部に前記締結ボルトが螺合貫通するねじ孔が設けられている、請求項1に記載の鉄筋結合金具。
- 前記第二の鉄筋支持部を構成する左右一対の舌片が、支持する第二の鉄筋を本体両側壁間のほぼ中央位置に位置決めする互いに対称の傾斜上縁部を備えている、請求項2に記載の鉄筋結合金具。
- 前記本体がほぼC字状のもので、その上壁部と下壁部との間に前記凹入部が形成され、前記鉄筋挿入部は、本体上壁部と下壁部とをつなぐ後壁部に設けられた貫通孔で構成され、本体上壁部に前記締結ボルトが螺合貫通するねじ孔が設けられている、請求項1に記載の鉄筋結合金具。
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