JP2004359707A - 防曇フィルム用ポリエステル支持体及び該支持体を用いた防曇フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二軸延伸ポリエステルフィルムであって、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとのポリエステルを共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品の包装、窓や鏡への貼附、農業用として用いられた際の防曇効果が、初期の段階から有し経時的に低下せず、機械強度、透明性にも優れた防曇フィルム用ポリエステル支持体とその支持体を用いた防曇フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、様々な熱可塑性樹脂が成形品、シート、フィルムなどの成形材料として使用されてきている。特にポリエステルは、その機械的強度、透明性、ガス透過性の小ささ、さらにリサイクル適性からガラス飛散防止フィルム、写真用フィルム、包装用フィルム、成形用材料として広範囲に使用されている。しかしこれらの成形材料は一般的にその表面が疎水性であるため、多湿な状況下での使用では表面に曇りや水滴が生じ、その結果様々な不具合を生じることがある。例えば、ゴーグル、安全眼鏡等で、合成樹脂製レンズを使用しているものは曇りのため視界がきかなくなったり、自動車用ランプ等に使用した場合は、曇りの発生によって外観が大きく損なわれたり、視認性が低下する。また、ビニールハウスに用いられる農業用フィルムでは、曇りの発生により太陽光線の透過率が低下し、結果として植物の生育を遅くしたり、曇りによって生じた水滴が栽培植物に落下して、外観を大きく損ねたり、腐敗を促進するなどといった不具合が生じる。
【0003】
このような不具合を解消するために、熱可塑性樹脂成形品の表面に、防曇性を付与することが一般的に知られている。その簡便な手法としては、成形品の表面に界面活性剤のような親水性物質或いは水溶性ポリマー物質を塗布する方法、もしくは熱可塑性樹脂に界面活性剤のような親水性物質を練り込んで成形品とする方法などが一般に知られている。しかしこれらの手法では、付着した微小水滴粒によって表面に塗布した物質が溶解してしまうため、防曇性の持続性に欠けるといった問題点を有している。そこで特に防曇性の持続性を向上させるため、様々な防曇塗料が開発されてきた。
【0004】
たとえば特開平11−193375号公報では、より簡便に持続性を持たせる方法として、重合反応性官能基を有するシランカップリング剤を利用する方法、特開平6−107967号公報にはアクリル酸エステル−メチロールアミド−アクリルアミド系共重合体を使用した加熱架橋型ポリマーを使用する方法、また水系で、かつ防曇性と持続性を兼ね備えた防曇塗料として、たとえば特開平10−130450号公報、特開平8−231887号公報、特開2003−49124号公報等水系エマルジョンタイプの塗料が開示されている。しかし、これらは、プラスチックフィルム表面に極薄い厚さで塗布する防曇層の技術であり、過酷な条件下では防曇性能の持続性に問題があり、また、防曇層の強度が落ちやすく、傷、膜剥がれ等の問題が発生することがあった。
【0005】
防曇層として吸水−脱水バランスに優れた塗料を、アンカーコート層を介して塗布することにより、防曇性と膜剥がれ、寸法変化を改善する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)が、過酷な条件下では防曇層が水を放出しきれず、水滴状になったり、曇りが出る事があった。
【0006】
一方、基材に変性PVAを用いる技術が開示されている(例えば特許文献2参照)が、農業用として用いるには問題ないが、窓貼りや防曇レンズに用いるには、基材自体の透明性に問題があり用いることはできない。また、直射日光の当たる窓などに貼附した場合、基材自体の寸法が変化することで角が剥がれてしまったりする。
【0007】
また、防曇フィルムを窓や鏡等への貼附の場合、粘着層離型紙を剥がす際の静電気の帯電による取扱性の悪化や放電での不快感、埃等の汚れ付着が問題としてあげられ、更に水拭き、乾拭きなどでの清掃は必ず行われるものであり、冬場の低温低湿な環境から夏場の高温高湿な環境まで、様々な湿度環境下での帯電防止性能、耐傷性が求められている。
【0008】
また、昨今の環境問題からハロゲンを含む材料である塩ビなどの材料を代替しようとの動きが盛んになっているが、使い終わったシートもゴミとして問題になるため、この様なシート、フィルムにもリサイクル性が求められている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−129013号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2003−61487号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題、すなわち防曇効果が持続し、かつ機械的強度、透明性、寸法安定性にも優れ、防曇性を必要とする広範囲な用途で使用でき、帯電防止性能、耐傷性にも優れ、かつPET系材料を使用することでリサイクル性に優れたポリエステル支持体とそれを用いた防曇フィルムを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。本発明は以下の手段により達成される。
【0013】
(1) 二軸延伸ポリエステルフィルムであって、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとのポリエステルを共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
【0014】
(2) 二軸延伸ポリエステルフィルムであって、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとシクロヘキサンジメタノールとのポリエステルを共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
【0015】
(3) 2層以上積層された多層二軸延伸ポリエステルフィルムであって、少なくとも1層が金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとをポリエステルの共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
【0016】
(4) 2層以上積層された多層二軸延伸ポリエステルフィルムであって、少なくとも1層が金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとシクロヘキサンジメタノールとのポリエステルを共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
【0017】
(5) ヘーズが5%以下であることを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項に記載の防曇フィルム用ポリエステル支持体。
【0018】
(6) ポリエステルの主成分がポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、及びポリエチレン−2,6−ナフタレートのうち少なくとも1種から選ばれることを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載の防曇フィルム用ポリエステル支持体。
【0019】
(7) ポリエステル支持体中に紫外線吸収剤を含むことを特徴とする(1)〜(6)の何れか1項に記載の防曇フィルム用ポリエステル支持体。
【0020】
(8) 前記(1)〜(7)の何れか1項に記載の防曇フィルム用ポリエステル支持体の上に親水性防曇機能層を設けてなることを特徴とする防曇フィルム。
【0021】
(9) 親水性防曇機能層の上に表面保護層を設けてなることを特徴とする(8)に記載の防曇フィルム。
【0022】
(10) 表面保護層にPVA成分を含むことを特徴とする(9)に記載の防曇フィルム。
【0023】
(11) 支持体の親水性防曇機能層が有る側と反対側の面又は親水性防曇機能層と支持体との間に透明導電性層を有する事を特徴とする(8)〜(10)の何れか1項に記載の防曇フィルム。
【0024】
(12) 親水性防曇機能層、表面保護層、透明導電性層の少なくとも1層に紫外線吸収剤を含有することを特徴とする(8)〜(11)の何れか1項に記載の防曇フィルム。
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防曇フィルム用ポリエステル支持体は、少なくとも金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとのポリエステルを共重合成分として含有する支持体である。例えば特開平5−210199号記載の共重合ポリエステルを用いることが出来る。支持体を構成する層は本発明の目的とする特性を損なわなければ何層積層してもかまわないが製造設備が複雑化する等の点から一般的には2層〜3層構成が好ましく、各層に次の性質を分担して付与する。
【0026】
第1層に金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとのポリエステルを共重合成分として含有し、吸水性を目的とした共重合成分層を配置し、第2層にスティフネス、機械強度、寸法変化抑制を目的とした層を設ける。特に第2層のポリエステルと同様の基本骨格をもつポリエステル樹脂を第1層に用いることにより、相互の樹脂間の相溶性、接着性が上がり、デラミネーションや層間剥離が発生しにくくなり好ましい。また、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとともにシクロヘキサンジメタノール成分を共重合成分とすることが好ましい。シクロヘキサンジメタノールを共重合成分に入れることで、面配向を抑制し、透明性を維持したままフィルムの質感をしなやかにする効果がある。また、裁断加工時にヒゲやバリが出にくく加工適性に優れたフィルムとなる。また、それぞれの層を更に細かく分けて2層以上の積層構造としても良い。
【0027】
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステルについて説明する。本発明に用いられるポリエステルはジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするポリエステルである。
【0028】
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ポリアルキレンオキシジカルボン酸などを挙げることができる。
【0029】
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4,4′−ジ−β−ヒドロキシエチル)フルオレン、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
【0030】
スルホン酸基またはその塩を有するジカルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(5−SIP)、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)で置換した化合物が用いられる。
【0031】
こうした金属スルホネート基を有するジカルボン酸成分の共重合割合は、全エステル結合単位に対して1〜15モル%であり、1モル%未満では十分な巻ぐせ解消性が得られず、15モル%を越えると延伸性に劣ったり、機械的強度に劣ったものとなり好ましくない。
【0032】
ポリアルキレンオキシジカルボン酸としては、ポリエチレングリコールジカルボン酸、ポリプロピレングリコールジカルボン酸、ポリトリメチレンオキシジカルボン酸、ポリテトラメチレンオキシジカルボン酸などが用いられるが、このうちポリエチレングリコールジカルボン酸が好ましく、分子量は特に限定されないが300〜20000が好ましく、更に好ましくは600〜10000、特に1000〜5000のものが好ましく用いられる。ポリアルキレングリコールおよび/またはポリアルキレンオキシジカルボン酸の共重合割合は、該共重合ポリエステル反応生成物の1〜10質量%であることが好ましい。
【0033】
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが用いられるが、このうちポリエチレングリコールが好ましく、分子量としては特に限定されないが300〜20000が好ましく、さらに好ましくは600〜10000、特に800〜5000のものが好ましく用いられる。ポリエチレングリコールの分子量が、5000以下であると、製膜後のポリエステルフィルムの中に、ポリエチレングリコールのユニットが均一に分布するので、透明性が良好であり、ポリエステルフィルムが吸水後に再乾燥されても平面性が良好に維持される。また、ポリエチレングリコールの分子量が800以下であると、重合時の共重合ポリエステルの分子量や組成を均一にするのが、やや困難である。
【0034】
ポリアルキレングリコールは反応生成物のポリエステルの全質量に対して1〜10質量%含有され、好ましくは2〜8質量%である。ポリアルキレングリコールが1質量%未満では十分な巻ぐせ解消性が得られない。また、10質量%を越えると水中浸漬直後の弾性率が低下し、機械的強度に劣ったものとなる。
【0035】
本発明の防曇フィルム用に用いられる共重合ポリエステルには、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに他の成分が共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンドされていても良い。
【0036】
上記以外の二塩基酸で本発明に使用できるジカルボン酸またはその誘導体としては、シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸及びヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体);及びアジピン酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、セバシン酸及びダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステルなどのエステル形成可能な誘導体)を全二塩基酸の10モル%以下の量で使用しても良い。
【0037】
これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートユニット、ポリエチレンナフタレートユニット、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートユニットを含有するポリエステルが好ましい。ポリエステルに対してエチレンテレフタレートユニット又はポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートが70質量%以上含有されていると、透明性、機械的強度、寸法安定性などに高度に優れたフィルムが得られる。
【0038】
また、本発明のポリエステル支持体のヘーズは5%以下であることが好ましい。ヘーズが5%を越えると防曇フィルムとして、窓やゴーグル等のレンズに用いた場合に視界、視認性確保の観点で好ましくない。上記ヘーズは、ASTM−D1003−52に従って測定したものである。
【0039】
本発明のポリエステル支持体全体の平均厚みは、用途により適宜選択できるが、厚くなりすぎると裁断性、接合性、貼合性に劣り取扱性が低下する。また、薄すぎると機械的強度が低下するため20〜250μmが好ましい。また、支持体全厚みに対する親水性層の厚みは10%以上が好ましく、20%以上が更に好ましい。
【0040】
本発明の防曇フィルムは、好ましくは少なくとも2層の多層ポリエステル支持体の親水性を目的とした層の上に、公知の吸水性の防曇層を塗設することによって、初期の防曇効果を長時間持続できる防曇フィルムを得ることができる。これは防曇層が吸収した水分が防曇層内を拡散したときに、防曇層の下に更に親水性層が存在することとなり、支持体自身も吸水することで防曇層が吸水する効果を持続させるためと考えている。防曇層には、例えば、特開平11−193375号公報等に記載の重合反応性官能基を有するシランカップリング剤を含有するもの、特開平6−107967号公報等に記載のアクリル酸エステル−メチロールアミド−アクリルアミド系共重合体を使用した加熱架橋型ポリマーを使用するもの、特開平10−130450号公報等に記載の、N−アルキルアクリルアミド−アクリルエステル−ダイアセトンアクリルアミド共重合エマルジョンを使用するもの、特開2003−049124号公報等に記載の酸性エマルジョンと塩基性エマルジョンを混合して用いる等公知の防曇性塗料を用いることができる。また、写真用乳剤とプラスチックベースを接着する際に用いるいわゆる下引き層の材料、例えばリサーチ・ディスクロージャ(RDNo.17643,26頁、及び同No.18716,651頁に記載されている水溶性ポリマー、セルロースエーテル、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステル)に挙げられている樹脂を水系ラテックス、水系コロイドとして用い、防曇層として塗設しても良い。また、各種粘土系鉱物も用いることができる。各種粘土系鉱物としては、シリカの4面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした8面体層を有する2層構造よりなるタイプと、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした8面体層を両側から挟んだ3層構造よりなるタイプに分類される。前者としてはカオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者としては層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。これら各種粘土系鉱物の中では、後述する分散媒中で層状に膨潤しチキソトロピー性を発揮する無機層状化合物類が好ましく、特にその水分散液がチキソトロピックな粘性をもつことを特徴とするスメクタイト族、バーミキュライト族が好ましい。尚、粘土系鉱物は天然ものも知られているが、不純物の存在により着色しているので、本発明の目的を達成するためには合成したものを使用する事が好ましい。また、防曇層を形成するために粘土系鉱物を高分子バインダーと共に用いても良い。高分子バインダーとしては、透明性を維持するため、合成スメクタイトの屈折率と同程度の屈折率を有するものを使用することがより好ましい。したがって、本発明において高分子バインダーに好適な熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂などを使用することができる。
【0041】
防曇層において、粘土系鉱物と高分子バインダーの配合割合としては、粘土系鉱物が、防曇層を構成する固形成分の5〜90質量%となるようにすることが好ましい。粘土系鉱物が5質量%未満であると防曇効果を十分に高めることができず、反対に90質量%を超えると防曇機能層を柔軟で良好な皮膜に形成できなくなる。
【0042】
防曇層の厚みは、防曇性、透明性などの観点から質量厚みが0.01〜10g/m2であることが好ましい。防曇層の厚みが薄すぎると、隣接層との接着強度が不十分であり、厚すぎると得られる防曇性フィルムの透明性が悪化する。質量厚みは、0.02〜2g/m2がより好ましく、0.05〜0.5g/m2がさらに好ましい。
【0043】
支持体上に強固に接着させるために、支持体を薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、濃酸処理、オゾン酸化処理等の表面活性化処理をしてもよい。これら表面活性化処理をした後に防曇層を設けてもよい。
【0044】
本発明の防曇フィルムには耐傷性や滑り性を付与する目的で防曇層上に保護層を設けても良い。保護層のバインダーは本発明の効果を阻害しない範囲でいくつかの樹脂を併用してもよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂など幅広く用いることができる。又、塗膜の物性を調整したり、表面硬度、濡れ性を制御するために架橋剤を併用してもよい。中でも、重合度400以上のポリビニルアルコールが好ましい。重合度400未満では、塗布均一性に優れるが、塗膜の強度が劣化する。本発明の潤滑保護層に用いるポリビニルアルコールの好ましい重合度は900以上である。本発明でいうところのポリビニルアルコールの重合度とは、ポリビニルアルコール1分子あたりのモノマーユニットの繰返しの数の平均である。また、本発明の潤滑保護層にはケン化度90mol%以上のポリビニルアルコールを用いることが好ましい。ケン化度90mol%未満では、水、有機溶媒への溶解性、分散性に優れるが、加湿条件で粘着性が生じ、また現像処理時に処理液へ溶出する。更に好ましいケン化度は96mol%以上である。ポリビニルアルコールのケン化度とは、ポリビニルアルコール1分子中の繰返しユニット、すなわち、酢酸ビニル相当のユニットとビニルアルコール相当のユニットを合わせたユニット数に対するビニルアルコール相当のユニットの数の比率のことである。たとえば、96mol%のケン化度とは、酢酸ビニルユニットがすべてのポリ酢酸ビニルの分子のうち、平均して96%の酢酸ビニル相当のユニットを加水分解して、ビニルアルコール相当のユニットに変換したもののことである。具体的なケン化法、ケン化度の測定などは、後述の文献に詳しい。
【0045】
本発明で用いることのできるポリビニルアルコールは、おもに水不溶性もしくは、水難溶性のポリビニルアルコールで、完全ケン化型あるいは中間ケン化型とよばれていて、温水、熱水に溶かして使用することができる。部分ケン化のものも一部、含まれる。市販品は、信越化学工業(株)、(株)クラレから市販されており、品種ごとの重合度、ケン化度、溶解率の温度依存性、などの物性データは、上記2社の「PVA製品総合カタログ」(信越化学)、「クラレポバール」(クラレ)に詳しく記載されている。また、ポリビニルアルコールについての詳細は、「ポバール」長野浩一、山根三郎、豊島賢太郎(高分子刊行会)に詳しい記載がある。具体的には、重合度400以上のポリビニルアルコールの例として、信越化学の、A、C−17GP、C−20、C−25GP、MA05GP、MA−17GP、MA−23GP、PA−05GP、PA−10GP、PA−15GP、PA−18GP、PA−20GP、PA−24GP、クラレのPVA−105、PVA−117、PVA120、PVA−124、PVA−126H、PVA−135H、PVA−617、PVA−624、PVA−706などがあげられる。
【0046】
また、ケン化度90%以上のポリビニルアルコールの例としてC−05GP、C−10GP、A、MA05GP、MA−17GP(以上信越化学)、PVA−110、PVA−117、PVA120、PVA−613(以上クラレ)、などがあげられる。
【0047】
本発明の保護層の塗料を調製する際に使用する溶媒としては、水および、水と一部、あるいは任意の割合で混合し、均一溶液を形成する有機溶媒を用いることができる。アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系、テトラヒドロフランなどのエーテル系、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、i−ブチルアルコール、i−プロピルアルコール等のアルコール系、酢酸グリコール等のエステル系、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、N,N−ジメチルホルムアルデヒドなどが使用できる。本発明の保護層に使用するポリビニルアルコールは、有機溶媒に溶解しにくいので、均一溶液を形成するには溶媒のうち35質量%以上、水が含まれていることが望ましい。
【0048】
本発明の保護層には潤滑剤を添加しても良い。添加する場合は、ポリシロキサンなどのシリコンオイル、ポリエチレン、ポリテトラフロロエチレンなどのプラスチック微粉末、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル、ポリエチレングリコールと脂肪族アルコールのエーテル、パラフィンワックス、フロロカーボン類があげられる。これらは、単独あるいは混合して用いることができる。これらの添加量は、潤滑層の乾燥塗膜に対し、5質量%から、95質量%の範囲でもちいることができる。少なすぎると潤滑性が劣化し、多すぎると塗膜の耐摩耗性が劣化したり、塗膜の透明性が劣化する。融点は50℃以上が好ましい。
【0049】
具体的には、CnH2n+2(n=24以上)のパラフィン、
また、
C11H23COOC30H61
C13H27COOC30H61
C15H31COOC30H61
C17H35COOC30H61
C21H43COOC30H61
C27H55COOC30H61
C11H23COOC40H81
C15H31COOC40H81
C17H35COOC40H81
C27H55COOC40H81
C11H23COOC50H101
C13H27COOC50H101
C15H31COOC50H101
C17H35COOC50H101
C27H55COOC28H57
等があげられる。
【0050】
また、ワックス状ノニオン界面活性剤も潤滑成分として使用できる。
具体的には、
n−C30H61O(CH2CH2O)10H
n−C40H81O(CH2CH2O)15H
n−C50H101O(CH2CH2O)16H
n−C40H101O(CH2CH2O)30H
n−C40H81O(CH2CH2O)10H
n−C50H101O(CH2CH2O)16H
n−C50H101O−(CH(CH3)CH2O)3(CH2CH2O)16H
n−C50H101O−(CH2CH(OH)CH2O)3(CH(CH3)CH2O)3(CH2CH2O)15H
n−C40H81OCOCH2CH2COO(CH2CH2O)16H
n−C50H101OCOCH=CHCOO(CH2CH2O)16H
n−C50H101OCOCH2CH2COO(CH2CH(OH)CH2O)3(CH2CH2O)15H
等があげられる。
【0051】
また、従来公知の界面活性剤などを添加することもできる。特に好ましいのは、カルナバワックスでポリビニルアルコールと併用することにより、潤滑性、接着性に優れる。潤滑剤のうち融点の高いものを細かい粒径に分散し、安定化させ、塗膜の透明性を改善する上で、著しい効果がある。
【0052】
本発明の防曇フィルムには透明導電性層を塗設しても良い。導電性層をプラスチックフィルムに設ける場合、殆どが帯電防止効果を狙っており、主にゴミ付着防止や、写真感光材料ではスタチックの防止に効果がある。防曇フィルムの場合は、曇りの生じそうな場所で用いるため、一般的には静電気の帯電はそれ程気にしなくても良いが、例えば乾燥した状況の中、窓に貼るために接着層を保護する離型紙(剥離フィルム等)を剥がす際に放電し使用者に不快感を与えたり、フィルム同士が貼り付く原因になったり、もしくはロール等の形態で保管中に、特に薄膜のフィルムにおいては、くっついてしまい、取扱性を低下する事等が考えられる。これらの状況を考えた場合、防曇フィルムに置いても導電性層を設けることが好ましい。帯電防止層に含有される帯電防止剤としては、金属酸化物の微粒子が好ましい。金属酸化物の具体例としてはNb2O5+xのような酸素過剰な酸化物、RhO2−x,Ir2O3−x等の酸素欠損酸化物、あるいはNi(OH)xのような不定比水素化物、HfO2,ThO2,ZrO2,CeO2,ZnO,TiO2,SnO2,Al2O3,In2O3,SiO2,MgO,BaO,MoO2,V2O5等、あるいはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZnO,TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してAl,In等の添加、TiO2に対してはNb,Ta等の添加、又、SnO2に対してはSb,Nb,ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
【0053】
又、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体積抵抗率は107Ωcm以下、特に105Ωcm以下であることが好ましい。又、前記金属酸化物の微粒子が水溶液中に混合されたゾルを用いてもよい。
【0054】
この他に、カーボンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等の導電性微粉末、アルキレンオキサイド系、グリセリン系及びグリシドール系等のノニオン系界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤;カルボキシル基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン系界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0055】
本発明の防曇フィルムは紫外線吸収剤を添加することができる。かかる紫外線吸収剤は、有機化合物では、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等があげられ、無機化合物では酸化セリウムや酸化チタンなどの金属酸化物を用いたもの(商品名セリガード、日本無機化学工業製)などの市販の紫外線吸収剤が挙げられる。また、これらの紫外線吸収剤は単独で用いても2種類以上を併用してもよい。紫外線吸収剤を使用する場合、その添加量は、耐候性改良効果とブルーミング抑制の観点から、積層防曇フィルム全体中に通常、0.01〜3質量部、好ましくは0.05〜1質量部の範囲である。
【0056】
本発明の防曇フィルムには防曇フィルムは赤外線吸収剤を含有してもよい。ここで赤外線吸収剤とはA層および他の樹脂層に用いられるオレフィン系樹脂よりも赤外線吸収能に優れているものであれば特に制限はないが、例えば、無機化合物としては、リチウムアルミニウム複合水酸化物、ハイドロタルサイト類化合物などの複合水酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンなどの金属の酸化物、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸アルミニウムなどの水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩類、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩類、燐酸リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸カルシウム、燐酸ジルコニウムなどの燐酸塩類、硅酸マグネシウム、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、硅酸チタンなどの硅酸塩類、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩類、アルミノ硅酸ナトリウム、アルミノ硅酸カリウム、アルミノ硅酸カルシウムなどのアルミノ硅酸塩類、カオリン、クレー、タルクなどの粘土鉱物、その他複合酸化物などが挙げられ、また有機化合物としては、ポリアセタール、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられ、これらを単独で用いても2種類以上を併用してもかまわない。
【0057】
本発明の防曇フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の機能層を、用途に応じて付加することができる。例えば、窓貼り用に防曇機能層とは反対の面に粘着層とそれを貼附するときまで保護し、貼付の時に剥離する剥離層を付加したり、紫外線吸収層、赤外線吸収層を独立に設けても良い。また、樹脂そのものの特性に着目し、本発明の支持体にさらに異なる樹脂を積層しても良い。
【0058】
本発明に用いられる共重合ポリエステルの重合は、通常の公知の方法で行うことができる。すなわちジカルボン酸成分とグリコール成分をエステル交換後、高温、減圧下にて重縮合せしめて共重合ポリエステルを得ることができ、この際、共重合成分である金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸類やポリエチレングリコールをエステル交換反応後に添加し、重縮合を行う。エステル交換反応の触媒組成は特開平10−13041号記載のものを用いることが出来る。
【0059】
本発明に用いられるポリエステルには、酸化防止剤を含有させることができる。特にポリエステル樹脂が、ポリオキシアルキレン基を有する化合物を含む場合に有効である。含有させる酸化防止剤はその種類につき特に限定はなく、各種の酸化防止剤を使用することができるが、例えばヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物などの酸化防止剤を挙げることができる。中でも透明性の点でヒンダードフェノール系化合物の酸化防止剤が好ましい。なお、これらの酸化防止剤は1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組合せて使用しても良い。例えば、特開平5−323496号に記載されている酸化防止剤を用いることが出来る。
【0060】
本発明に用いられるポリエステルには、用途、好みに応じて、染料を含有させることができる。このような目的で配合される染料としては、その種類に特に限定があるわけではないが、フィルムベースの製造上、耐熱性に優れていることが必要であり、アンスラキノン系やペリノン系の染料が挙げられる。これらの染料としては、Bayer社製のMACROLEXシリーズ、住友化学〔株〕製のSUMIPLASTシリーズ、三菱化成〔株〕製のDiaresinシリーズなどが挙げられ、これらを1種単独で、もしくは2種以上の染料を必要な色調となるように混合して用いることができる。
【0061】
着色剤の添加方法としては特に限定がある訳ではなく、ポリエステルの重合から溶融押出までのいずれかの段階で必要量の着色剤を添加し、着色すればよく、又、あらかじめ高濃度のいわゆるマスターペレットを用意しておき、適宜希釈して溶融押出する方法は濃度をコントロールしやすいことから好ましく用いられる。回収ポリエステルを含有させる場合などで濃度の微調整が必要な場合はこの方法が有効である。マスターペレットにおける染料の濃度は100〜10000ppmが好ましい。特公平7−51635号、特公平8−15734号に記載の方法を用いることが出来る。
【0062】
本発明に用いられるポリエステルフィルムには、必要に応じて易滑性を付与することもできる。特に、1000m以上の長尺を1本のロールに巻き取る場合には、表面に適度な凹凸を形成して、仕上がり元巻きの巻締まりによるシワや変形を防ぐ手段が必要となる。易滑性の手段としては特に限定はないが、ポリエステルに不活性無機粒子を添加する外部粒子添加方法、ポリエステルの合成時に添加する触媒を析出させる内部粒子析出方法、あるいは界面活性剤などをフィルム表面に塗布する方法などが一般的である。フィルム中に含まれる不活性粒径のサイズについては横延伸時の破断を防ぐために1.2μm以下が好ましい。また0.05μmより小さいと易滑性の効果がなくなる。存在量は、フィルムのヘーズから上限が存在し、0.4質量%以下が好ましい。これらの中でも、析出する粒子を比較的小さくコントロールできる内部粒子析出方法が、フィルムの透明性を損なうことなく易滑性を付与できるので好ましい。触媒としては、公知の各種触媒が使用できるが、特にCa、Mnを使用すると高い透明性が得られるので好ましい。これらの触媒は1種でも良いし、2種を併用しても良い。少量の不活性粒子で、易滑性効果を発揮するために不活性粒子の含有量の異なる同種の樹脂を積層して、表層に不活性粒子を偏在させてもよい。本発明で使用される不活性無機粒子としては、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルク、カオリン等が例示される。
【0063】
透明性が重要な要件となる場合、ポリエステルフィルムと比較的近い屈折率をもつSiO2を用いた外部粒子系による易滑性付与は良く知られている。添加量を表面側部分の層に多めに、芯側部分に少なめに配分することにより、添加量を抑えられることから透明性を劣化せず易滑性を付与できる。また、本発明のポリエステルフィルムに平均粒径が0.005〜1.2μmのシリカ粒子が、0.01〜0.4質量%存在することが好ましい。尚、本発明において、平均粒径とは、粉体そのまま、あるいは液中、固体中に分散された粉粒体を一粒ずつの直径を同種の全粒子について平均した値のことである。実際の計測にあたっては、一粒の粒子の形状が真球でない場合には粒子に外接する仮想球の直径と内接する仮想球の直径の平均値とする。電子顕微鏡下で一定の倍率で多数の写真撮影撮影を行い500個以上の異なる場所にある粒子の直径の平均値を求め、これを平均粒径とする。上記のデータを統計処理してヒストグラムを作ると通常は単一の山の分布が得られるが、同一種の粒子を数えて、複数の山を持つヒストグラムが得られた場合には、複数の平均粒径の異なる粒子が混合していると見なし、おのおのの山の最頻値の粒径をそれぞれの平均粒径とする。有機粒子を用いる場合には、本発明のポリエステル樹脂組成の溶融押し出し温度である280〜310℃で溶融したり、分解しないものが望ましい。窒素気流中で常温から300℃まで、10℃/minで昇温したときの300℃での質量減少率が、10%以下のものが好ましく用いられる。有機粒子は、製膜後のポリエステルフィルム中で、有機粒子表面とポリエステル樹脂との結着が良好なものが、フィルムの透明性の点から好ましい。3次元架橋させたポリメタクリル酸メチル(PMMA)、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子、メラミンホルムアルデヒド粒子、などが好ましく、粒径分布は平均粒径の15%上下限の幅に質量分率で90%の粒子が含まれる単分散粒子であれば、なお好ましい。
【0064】
このほかに、内部粒子系による易滑性付与ではCa、Mn、Mgなどの金属とPの添加量を調整することにより易滑性をコントロールすることが可能であり併用すると好ましい。
【0065】
〈回収ポリエステル〉
さらに、本発明のポリエステルは回収ポリエステルを含有させることができる。回収ポリエステルとは、写真用ポリエステル支持体の製膜工程において、エッジ屑や不良巻などとして発生するフィルム屑を回収して粉砕した物、あるいは、ポリエステル支持体を用いて作られた製品屑やユーザーで不要となったフィルムを回収して支持体以外の層を剥離し、粉砕した物である。混合する割合は40質量%以下であることが好ましい。40質量%以上では強度、透明性等が問題となる。特公平7−332号、特公平7−333号に記載される方法を用いることもできる。
【0066】
〈ポリエステルの積層法〉
ポリエステルを積層する方法としては、従来公知の方法で行うことができる。例えば、複数の押出機およびフィードブロック式ダイあるいはマルチマニフォールド式ダイによる共押出し法、積層体を構成する単層フィルムまたは積層フィルム上に積層体を構成するその他の樹脂を押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化させる押出しラミネート法、積層体を構成する単層フィルムまたは積層フィルムを必要に応じてアンカー剤や接着剤を介して積層するドライラミネート法などが挙げられる。中でも製造工程が少なくてすみ、各層間の接着性が良好な共押出し法が好ましい。
【0067】
〈キャスト〉
未延伸シートを得る方法および縦方向に一軸延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱風乾燥あるいは熱をかけながら真空乾燥する。乾燥温度は熱で酸化分解しない範囲で高い方が好ましく、通常100〜200℃、好ましくは140〜180℃である。真空乾燥は酸素、水分を減らし酸化を防止できることから好ましく用いられる。乾燥は含水率が100ppm、好ましくは30ppm以下とするのがよい。その後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法などにより冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。
【0068】
〈縦延伸〉
次いで得られた未延伸シートを複数のロール群および/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介してポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸する方法である。延伸倍率は、通常2.5倍〜6倍の範囲で、続く横延伸が可能な範囲とする必要がある。延伸温度の設定は各構成層のポリエステルのTgのなかで最も高いTgを基準にすることが好ましい。
【0069】
〈横延伸〉
本発明では上記の様にして得られた縦方向に一軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm(融点)−20℃の温度範囲内で、2つ以上に分割された延伸領域で昇温しながら横延伸し、次いで熱固定することが好ましい。横延伸倍率は通常3〜6倍であり、また縦、横延伸倍率の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整する。延伸温度の分割領域は少なくとも2段階、さらに3段階であることが好ましい。それ以上でもかまわないが、設備が大きくなるなどの問題が生じる。各領域の温度は順次高くなるように設定し、かつ温度差は1〜50℃の範囲とすることが好ましい。なお、同時二軸延伸等の無接触延伸も、傷等の故障が発生しにくいことから好ましく用いることができる。
【0070】
〈熱固定〉
次いで熱固定を行うのであるが、この前に二軸延伸フィルムを、その最終横延伸温度以下で、Tg−40℃以上の範囲に0.01〜5分間保持することが好ましい。縦、横方向に二軸延伸したフィルムを、熱固定するに際しては、その最終横延伸温度より高温で、Tm−30℃〜Tm−5℃の温度範囲内で、2つ以上に分割された領域で昇温しながら熱固定することが好ましい。積層構成の場合は、先にも述べた様にコア層のポリエステル成分のTmを基準にすることが重要である。固定時間は通常0.5〜300秒間である。熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、横方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。また、冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことが、フィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。なお、冷却速度の算出は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとしたとき、(T1−Tg)/tで算出した値である。これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルにより異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
【0071】
〈積層比〉
積層比率は目的に応じて設定することができるが、効果を発現するためには防曇機能層側の吸水性層が、フィルム全体膜厚の10%以上好ましくは20%以上であることが好ましい。
【0072】
〈インライン塗布〉
また、上記フィルム製造に際し、延伸の前および/または後で帯電防止層、易滑性層、接着層、バリアー層などの機能性層を塗設してもよい。この際、コロナ放電処理、薬液処理などの各種表面処理を必要に応じて施すことができる。例えば、登録特許2649457号、特開平5−169592号に記載の方法が使用できる。さらに、強度を向上させる目的で、多段縦延伸、再縦延伸、再縦横延伸、横・縦延伸など公知の延伸フィルムに用いられる延伸を行うこともできる。以上の様にして得られたポリエステルフィルムは、厚みムラが小さく、平面性に優れ、品質むらが非常に少ないので本発明の効果を最大限に発揮させることができる。
【0073】
【実施例】
以下に実施例を上げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0074】
次のようにして、防曇フィルム用ポリエステル支持体を作製した。
《ポリエステルの重合》
〈ポリエステルA〉
撹拌機、添加剤導入口、窒素ガス導入口、真空流出系を備えた反応器にテレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール64質量部に酢酸カルシウムの水和物と酢酸マンガンの水和物とをそれぞれテレフタル酸ジメチルに対するモル比で2×10−4の量だけ添加し、常法によりエステル交換反応を行った。得られた生成物に5−ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレングリコール溶液(濃度35質量%)32質量部(5.8モル%/全酸成分)、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)8.4質量部(6.7質量%/ポリマー)、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.13質量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(登録商標、CIBA−GEIGY社製)0.4質量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、60Paで攪拌トルクをモニターしながら重合を行い、共重合ポリエステルAを得た。
【0075】
〈ポリエステルB〉
市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を用いて、ポリエステルBとした。
【0076】
〈ポリエステルC〉
撹拌機、添加剤導入口、窒素ガス導入口、真空流出系を備えた反応器にテレフタル酸ジメチル100質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール52質量部、エチレングリコール16質量部に酢酸カルシウムの水和物と酢酸マンガンの水和物とをそれぞれテレフタル酸ジメチルに対するモル比で2×10−4の量だけ添加し、200℃、窒素雰囲気下でエステル交換反応を行った。その後、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.13質量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(登録商標、CIBA−GEIGY社製)0.4質量部および酢酸ナトリウム0.04質量部を添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、60Paの圧力下で重合を行い、共重合ポリエステルCを得た。
【0077】
《支持体の作製》
〈製膜〉
〈支持体A〉
得られたポリエステルA樹脂を、各々160℃で10時間真空乾燥した後、1台の押出機を用いて280℃で溶融して押出し、それぞれ40メッシュのフィルターを通過させてから、Tダイで押出し、45℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させて冷却固化し、未延伸シートを得た。この未延伸シートを、ロール式縦延伸機を用いて90℃で縦方向に3.5倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、第1延伸ゾーン100℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第2延伸ゾーン120℃で総横延伸倍率3.6倍となるように延伸した。次いで100℃で2秒間熱処理し、さらに第1熱固定ゾーン170℃で5秒間熱固定し、第2熱固定ゾーン210℃で15秒間熱固定した。次いで横方向に5%弛緩処理しながら室温まで30秒かけて徐冷して厚さ100μmの二軸延伸ポリエステル支持体を得た。両端部をトリミングして、両端に高さ25μm、幅9mmのナーリング加工を施して、500mを直径220mmのコアに巻き取った。これを支持体Aとした。
【0078】
〈支持体B〉
ポリエステルAとポリエステルCを95:5で混合した樹脂を、支持体Aと全く同様にして二軸延伸ポリエステル支持体を得た。この支持体を支持体Bとした。
【0079】
〈支持体C〉
得られたポリエステルAと、ポリエステルAとポリエステルBを35:65混合した樹脂を、各々160℃で10時間真空乾燥した後、2台の押出機を用いて280℃で溶融押出し、それぞれ40メッシュのフィルターを通過させてから、Tダイ内で層状に接合し、45℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させて冷却固化し、2層構成の積層未延伸シートを得た。このときポリエステルAがドラムに密着する面、ポリエステルAとBの混合樹脂がエアー面であり、各層の厚さの比が30:70となるように各押出機の押出し量を調整した。この未延伸シートを、ロール式縦延伸機を用いて90℃で縦方向に3.5倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、第1延伸ゾーン100℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第2延伸ゾーン120℃で総横延伸倍率3.6倍となるように延伸した。次いで100℃で2秒間熱処理し、さらに第1熱固定ゾーン170℃で5秒間熱固定し、第2熱固定ゾーン210℃で15秒間熱固定した。次いで横方向に5%弛緩処理しながら室温まで30秒かけて徐冷して厚さ100μm(各層の膜厚30μm/70μm)の二軸延伸積層ポリエステル支持体を得た。両端部をトリミングして、両端に高さ25μm、幅9mmのナーリング加工を施して、500mを直径220mmのコアに巻き取った。これを支持体Cとした。
【0080】
〈支持体D〉
支持体CにおいてポリエステルAの変わりにポリエステルAとポリエステルCを95:5で混合した樹脂をドラム面側樹脂に、ポリエステルAとB混合樹脂の変わりに、ポリエステルAとBとCを65:20:15で混合した樹脂に変更した以外は、支持体Cと全く同様にして支持体Dを得た。
【0081】
〈支持体E〉
ポリエステルBを用いて、製膜条件は支持体Aと全く同様に単層のポリエチレンテレフタレートフィルムを作製し支持体Eとした。膜厚は100μmであった。
【0082】
〈防曇層塗料の作製〉
〈防曇層A塗料〉
防曇層下引き塗布液(U−1)
ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート共重合体ラテックス液 270部
(質量構成比=30:20:25:25,固形分30%)
界面活性剤(A−1)(下記) 0.5部
硬膜剤(H−1)(下記) 1部
純水 730部
防曇層塗布液(U−2)
スチレン/マレイン酸共重合体ラテックス液(固形分5%) 100部
界面活性剤(A−1) 0.5部
硬膜剤(H−2)(下記) 0.1部
マット剤(平均粒径0.6μmのシリカ粒子) 0.5部
純水 900部
防曇層Aの場合は、U−1を塗布乾燥後U−2を塗布乾燥する。
【0083】
【化1】
【0084】
〈防曇層B塗料〉
合成ヘクトライト(商品名:ラポナイト) 1部
ポリウレタン(分子量4万,1分子中スルホン酸基1.5個含有) 1部
メチルエチルケトン 10部
シクロヘキサノン 10部
〈保護層塗布液の調製〉
(PVAワックス)
ポリビニルアルコール(ポバールA、信越化学) 50部
カルナバワックス 50部
水 500部
上記を攪拌しながら、100℃で撹拌混合して、黄色懸濁液を作製し、ポリビニルアルコールの溶融を確認したのち、液温を90℃に保ちながら、サンドミルで充分分散して半透明になってから液温を徐々に下げて原液1とし、これを水/メタノールの質量比1/1の溶媒で、塗布液の固形分の12mg/m2になるように稀釈して、濾過後、保護層塗布液とした。
【0085】
〈導電層塗布液の調製〉
(結晶性酸化錫帯防層)
酸化錫微粉末(平均粒径0.1μm) 60部
(石原産業(株)製:SN100P)
スルホ基含有ポリエステルラテックス(固形分30%) 120部
ヒドロキシル基含有アクリル酸エステルラテックス(固形分30%)
12部
界面活性剤(A−1) 1部
純水 1200部
〈防曇フィルムの作製〉
表1に記載の組み合わせになるように、各々の支持体の片面に20W/m2・minのコロナ放電処理を施し、各塗布液を塗布した。尚、導電層を有する場合は支持体と防曇層の間に導電層を形成した。
【0086】
【表1】
【0087】
得られた試料を下記の評価方法に従い評価した。結果を表2に示す。
〈評価方法〉
〈防曇性試験〉
500mlのマヨネーズ瓶に250mlの水(室温)を入れ、防曇面をマヨネーズ瓶の内側に向けて蓋の部分にフィルムを輪ゴムで固定する。この瓶を50℃の恒温槽に放置し、一日経過後と3ヶ月後の水滴のつき具合を下記のように評価した。
【0088】
◎:表面が均一に濡れ、水滴全く無し
○:表面は均一に濡れているが若干の水滴がある
△:瓶の中は見ることができる程度の細かい水滴がある
×:瓶の中が見えないくらい細かな水滴がついている。
【0089】
〈耐傷性試験〉
5cmの距離を水平に往復走行する平板の上に、各試料の測定面を上にして固定し、上方より水を染み込ませたフェルト(5mm角)を100gの荷重で押し当てた。試料を載せた平板を10cm/secの速度で走行させ、30回の往復を繰り返した。その後、表面を目視観察し下記のように評価した。
【0090】
◎:塗膜表面に全く変化のないもの
○:若干数の細かい傷が付いているが問題は無いレベル
△:大きめの傷1〜2本がついている
×:擦った部分全体に大きめの傷が付いている。
【0091】
〈埃付着性:帯電防止性〉
サンプルを23℃15%RHで24時間調湿する。調湿後、同様に調湿したフェルトで防曇面を、表面の埃を拭き取るように30回軽くこする。その後、タバコの灰が入ったシャーレに、防曇面をシャーレ側にして灰まで3cmの距離まで近付ける。その時、フィルム面に付着するタバコの灰の様子を以下の様に評価した。
【0092】
○:タバコの灰が殆ど付着しない
△:極細かい灰だけ付着する
×:大きな灰も含めて、容易に灰が付着する
〈取扱性〉
得られた防曇フィルムの乾燥時(23℃15%RHで24時間調湿後)及び膨潤時(40℃90%RHに24時間調湿後)の取扱性と感触を以下の基準で評価した。
【0093】
○:しなやかで適度な腰があり、高級感があり取り扱いやすい
△:しなやかさとフィルムのバランスが悪く高級感が無く、やや取り扱いづらい
×:しなやかさに欠け、ゴワ付く、若しくは、フィルムの腰が無く取り扱いにくい。
【0094】
【表2】
【0095】
表2から明らかなように、本発明の試料は防曇効果が持続し、かつ帯電防止性能、耐傷性にも優れた防曇フィルム用ポリエステル支持体およびそれを用いた防曇フィルムが得られた。
【0096】
【発明の効果】
本発明により、防曇効果が持続し、かつ機械的強度、透明性、寸法安定性にも優れ、防曇性を必要とする広範囲な用途で使用でき、帯電防止性能、耐傷性にも優れ、かつPET系材料を使用することでリサイクル性に優れた防曇フィルム用ポリエステル支持体とそれを用いた防曇フィルムを提供することができる。
Claims (12)
- 二軸延伸ポリエステルフィルムであって、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとのポリエステルを共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
- 二軸延伸ポリエステルフィルムであって、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとシクロヘキサンジメタノールとのポリエステルを共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
- 2層以上積層された多層二軸延伸ポリエステルフィルムであって、少なくとも1層が金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとをポリエステルの共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
- 2層以上積層された多層二軸延伸ポリエステルフィルムであって、少なくとも1層が金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとシクロヘキサンジメタノールとのポリエステルを共重合成分として含む事を特徴とする防曇フィルム用ポリエステル支持体。
- ヘーズが5%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の防曇フィルム用ポリエステル支持体。
- ポリエステルの主成分がポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、及びポリエチレン−2,6−ナフタレートのうち少なくとも1種から選ばれることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の防曇フィルム用ポリエステル支持体。
- ポリエステル支持体中に紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の防曇フィルム用ポリエステル支持体。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の防曇フィルム用ポリエステル支持体の上に親水性防曇機能層を設けてなることを特徴とする防曇フィルム。
- 親水性防曇機能層の上に表面保護層を設けてなることを特徴とする請求項8に記載の防曇フィルム。
- 表面保護層にPVA成分を含むことを特徴とする請求項9に記載の防曇フィルム。
- 支持体の親水性防曇機能層が有る側と反対側の面又は親水性防曇機能層と支持体との間に透明導電性層を有する事を特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の防曇フィルム。
- 親水性防曇機能層、表面保護層、透明導電性層の少なくとも1層に紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の防曇フィルム。
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