JP2004359664A - 皮膚外用剤用組成物及び皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤用組成物及び皮膚外用剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2004359664A
JP2004359664A JP2004023398A JP2004023398A JP2004359664A JP 2004359664 A JP2004359664 A JP 2004359664A JP 2004023398 A JP2004023398 A JP 2004023398A JP 2004023398 A JP2004023398 A JP 2004023398A JP 2004359664 A JP2004359664 A JP 2004359664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quercus
skin
external preparation
extract
acid monoglyceride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004023398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4063775B2 (ja
Inventor
Yasumichi Ito
泰通 伊東
Motoharu Tanaka
元晴 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOTOBUKI CHEMICAL KK
Original Assignee
KOTOBUKI CHEMICAL KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOTOBUKI CHEMICAL KK filed Critical KOTOBUKI CHEMICAL KK
Priority to JP2004023398A priority Critical patent/JP4063775B2/ja
Publication of JP2004359664A publication Critical patent/JP2004359664A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4063775B2 publication Critical patent/JP4063775B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】 皮膚に優しい植物由来の抗菌成分を配合したものでありながら、抗菌活性の優れた皮膚外用剤用組成物とこれを用いた皮膚外用剤を得る。
【解決手段】 ブナ科のコナラ属の植物の堅果(いわゆるドングリ)の果皮を切除し、得られた仁の部分を粉砕する。この粉砕物から得た抽出物を化粧料などの皮膚外用剤に配合する。好ましくはさらに、パーム油等の植物油脂由来の脂肪酸モノグリセライドを添加する。他に、従来の防腐剤や抗菌性多価アルコールなどを少量含有させてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は皮膚外用剤用組成物とこれを用いた皮膚外用剤に関し、さらに詳しくは植物由来の抗菌成分を配合したものでありながら、しかも抗菌活性に優れた皮膚外用剤用組成物と皮膚外用剤とに関するものである。
化粧水、乳液、クリーム等の化粧料、医薬部外品や軟膏等の医薬品などの、皮膚外用剤には、製造時及び使用時における微生物の混入による腐敗に伴う変質を防止するために、防腐剤や抗菌剤が使用されている。一般に、このような防腐剤等としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン類ともいう)、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、クロロブタノール、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、サリチル酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩酸アルキルアミノエチルグリシン、感光素等の、化学合成品が多用されていた。
上記の化学合成品の防腐剤や抗菌剤には、皮膚一次刺激性、感作性、光感作性を示すものが多く、皮膚外用剤による皮膚のトラブルの原因になる惧れがある。このため近年では使用する防腐剤の種類や量を減らす傾向が顕著である。
このような状況のもとで、従来、より皮膚に優しい防腐剤や抗菌剤として天然物由来の抗菌成分の開発が行なわれており、これらの成分としては、例えば、ポリリジン、キトサン、リゾチーム、ヒノキチオール、或いはセージやタイム、ローズマリー、ラベンダー等のハーブ系植物エキスなどが挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
しかし上記の従来の天然物由来の抗菌成分は、いずれも防腐抗菌力(抗菌活性)が弱く、抗菌スペクトルが狭いなどの問題があり、従来の化学合成された防腐剤と同等の抗菌活性を得るのは容易でなく、配合量を多くしても、従来の化学合成された防腐剤等の配合量を低減したり、これらの防腐剤の配合を省略したりすることが容易でなかった。このため、従来の化学合成品の防腐剤に匹敵する抗菌活性を有しながら、しかも皮膚に優しい天然物由来の抗菌成分を含有する皮膚外用剤の開発が待たれていた。
特開平9−255517号公報
本発明は、上記問題点を解消し、皮膚に優しい植物由来の抗菌成分を配合したものでありながら、しかも抗菌活性の優れた皮膚外用剤用組成物とこれを用いた皮膚外用剤とを提供することを技術的課題とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、いわゆるドングリと呼ばれるブナ科コナラ属等の植物の堅果に含まれる成分が、化学合成品の防腐剤に匹敵する抗菌活性を示すことを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明1は皮膚外用剤用組成物に関し、ブナ科のコナラ属とマテバシイ属とシイ属の、少なくともいずれかの植物の堅果の抽出物を含有することを特徴とする。
また、本発明2は皮膚外用剤に関し、ブナ科のコナラ属とマテバシイ属とシイ属の、少なくともいずれかの植物の堅果の抽出物を含有することを特徴とする。
本発明に用いられるドングリは、ブナ科コナラ属の植物の堅果や、マテバシイ属の植物の堅果、シイ属の植物の堅果が用いられるが、なかでも特にコナラ属の植物の堅果が好ましい。
上記のコナラ属に属する植物としては、コナラ(Quercus serrata)、ミズナラ(Quercus crispula)、ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)、クヌギ(Quercus acutissima)、アベマキ(Quercus variabilis)、カシワ(Quercus dentata)、ナラガシワ(Quercus aliena)、アカガシ(Quercus acuta)、ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)、ウラジロガシ(Quercus salicina)、シラカシ(Quercus myrsinaefolia)、アラカシ(Quercus glauca)、イチイガシ(Quercus gilva)、オキナワウラジロガシ(Quercus miyagii)等が挙げられる。
なお、マテバシイ属の植物としては、例えば、マテバシイ (Lithocarpus edulis)、シリブカガシ(Lithocarpus glabra)等が挙げられる。また、シイ属の植物としては、スダジイ(Castanopsis sieboldii)、ツブラジイ(Castanopsis cuspidata)等が挙げられる。
上記の植物の堅果は、1種或いは複数種を用いて、抽出溶媒により有効成分の抽出を行なう。
この抽出に用いる溶媒の種類は特に限定されないが、例えば水、又はメタノール、エタノール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール等の有機溶剤や、水とこれら有機溶剤との混合溶媒を用いることができる。特に、エタノール又は1,3-ブチレングリコールや水とこれらとの混合溶媒が好ましい。
上記の堅果は全体をそのまま圧潰や分割、細断、或いは粉砕したものを用いてもよく、この場合は抽出操作の前処理を簡単に行うことができるが、果皮を切除し中身の仁のみを取り出してそのまま、或いは分割や細断、粉砕等して用いると抗菌活性を有する成分が良好に抽出されるので、より好ましい。
上記の抽出条件は特に限定されず、原料の状態や溶媒の種類、使用量などによっても異なるが、例えば、抽出温度は5℃〜100℃程度、抽出時間は抽出温度により異なるが6時間程度以上に設定するのが好ましい。
このようにして抽出された堅果由来の抽出物は、細菌類や真菌類に対して優れた抗菌活性を示し、特に細菌類に対して強い抗菌力を示しており、これを単独で皮膚外用剤に添加してもよい。また、本発明の皮膚外用剤やその組成物は、上記の抽出物以外に、皮膚外用剤として用いられる他の成分を含有していてもよい。
例えば、上記の堅果由来の抽出物に加えて、脂肪酸モノグリセライドを含有させた場合には、さらに優れた抗菌活性を良好に発揮でき、細菌類だけでなく真菌類に対しても強い抗菌力を示すので、より好ましい。
上記の脂肪酸モノグリセライドとしては、パーム油、ヤシ油等の植物油脂由来のものが好ましく、具体的には、例えば、カプリル酸モノグリセライド、ペラルゴン酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ウンデシル酸モノグリセライド、ラウリン酸モノグリセライドなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、上記の抽出物は優れた抗菌活性を備えるので、従来に用いられている防腐剤や抗菌性を有する他の組成物の1種または2種以上と併用して用いることができ、この場合はさらに優れた抗菌活性を発揮しながら、しかもこれら従来の防腐剤等の配合量を少なく抑え、皮膚に対する刺激性などを低減することができる。これらの防腐剤や抗菌性を有する他の組成物としては、例えばフェノキシエタノールやパラベン類などの防腐剤や、1,2-ペンタンジオールや1,2-ヘキサンジオールなどの多価アルコール等を挙げることができるが、抗菌活性があり且つ皮膚に対する刺激性等が少なければよく、特定の成分に限定されないことは言うまでもない。
皮膚外用剤において充分な抗菌活性を発揮するための配合量は、上記の堅果の抽出物のみを添加する場合は、例えば後述の実施例による抽出物(乾燥時の固形残分が約3重量%のもの)による場合、0.1〜10重量%が好ましい。また、上記の堅果の抽出物と脂肪酸モノグリセライドを同時に添加する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、脂肪酸モノグリセライドが0.01〜1.0重量%が好ましい。
また、フェノキシエタノールと併用する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、フェノキシエタノールが0.01〜0.4重量%が好ましい。パラベン類と併用する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、パラベン類が0.01〜0.2重量%が好ましい。1,2-ペンタンジオールと併用する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、1,2-ペンタンジオールが0.01〜3.5重量%が好ましい。1,2-ヘキサンジオールと併用する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、1,2-ヘキサンジオールが0.01〜1.5重量%が好ましい。
本発明では、ブナ科コナラ属などの植物の堅果の抽出物を配合することにより、前記従来の天然物由来の抗菌成分に較べて十分に優れた抗菌活性を発揮することが出来た。この結果、従来の化学合成された防腐剤などの配合量を少なくし、或いはこれらの防腐剤などの配合を省略することができるので、植物由来の抗菌成分を配合した皮膚に優しく、且つ、優れた抗菌活性を有する皮膚外用剤用組成物と皮膚外用剤を得ることができた。
特に、上記の堅果の抽出物に加えて脂肪酸モノグリセライドを配合した場合には、一層優れた抗菌活性を有する皮膚外用剤用組成物と皮膚外用剤を得ることができた。
以下、本発明を実施例の記載に基づいてさらに具体的に説明する。ただし本発明の技術的範囲が本実施例によって限定されるものではない。
(製造例1)
コナラ(Quercus serrata)の堅果の果皮を切除した仁の部分45g及びアラカシ(Quercus glauca)の堅果の果皮を切除した仁の部分45gを混合して粉砕し、これに50%エタノール水溶液600gを加えて撹拌しながら60℃で20時間抽出し、遠心分離(4,000rpm)により上清を得、さらに減圧濾過することにより堅果抽出物500gを得た。なお、この堅果抽出物を乾燥したところ、固形残分は約3重量%であった。
(実施例1〜3、比較例1)
表1に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.5重量%配合したものを実施例1とし、1.0重量%配合したものを実施例2とし、1.5重量%配合したものを実施例3としてそれぞれローションを調製した。また上記の堅果抽出物を配合しないローションを比較例1として調製し、これらの実施例1〜3と比較例1の抗菌活性の評価を次の試験法により行なった。
(抗菌活性試験法)
細菌として、大腸菌(Escherichia coli)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の3種、真菌としてカンジダ酵母(Candida albicans)、黒コウジカビ(Aspergillus niger)の2種の試験菌を用いた。上記の3種の細菌は各10個/gを、上記の2種の真菌は各10個/gを、各試料に植菌し、細菌は30℃、真菌は25℃にてそれぞれ培養した。そして接種直後、7日目、14日目、21日目、28日目の各生菌数を測定した。
測定結果は、細菌については14日後に生菌が見られない場合を合格として○印で表示し、真菌については14日後の生菌数が植菌数の1/1000以下になっている場合を合格として○印で表示した。また両者とも、それぞれ不合格の場合は×印で表示した。
Figure 2004359664
表1の結果から明らかなように、堅果抽出物の配合量が少ない実施例1では、緑膿菌に対して抗菌活性が弱いものの、他の細菌類に対しては十分な抗菌活性が認められ、堅果抽出物を1.0重量%以上配合した実施例2や実施例3については緑膿菌を含めた細菌に対し十分な抗菌活性が認められた。また、真菌類に対しては、堅果抽出物を1.5重量%配合した実施例3で十分な抗菌活性が認められた。これに対し、堅果抽出物を配合しない比較例1では、細菌類、真菌類のいずれに対しても抗菌活性が認められなかった。
(実施例4〜6)
次に、上記の堅果抽出物に加えて、脂肪酸モノグリセライドを配合した場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表2に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.5重量%と脂肪酸モノグリセライドとしてカプリル酸モノグリセライドを0.05重量%配合したものを実施例4とし、堅果抽出物を1.0重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.10重量%配合したものを実施例5とし、堅果抽出物を1.5重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.15重量%配合したものを実施例6としてそれぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例4〜6についても、前記の各実施例と同様、上記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。
Figure 2004359664
表2の結果から明らかなように、堅果抽出物を0.5重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.05重量%配合した実施例4の場合は、緑膿菌に対しても十分な抗菌活性があり、堅果抽出物のみを0.5重量%配合した前記の実施例1よりも強い抗菌活性が認められた。また、堅果抽出物を1.0重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.1重量%配合した実施例5の場合には、真菌に対しても十分な抗菌活性が認められ、堅果抽出物のみを1.0重量%配合した前記の実施例2よりも強い抗菌活性が認められた。
次に、上記の抽出物と従来の防腐剤等とを併用する場合について、抗菌活性を調べた。この測定に用いた抽出物は次の手順により得た。
(製造例2)
アラカシ(Quercus glauca)の堅果180gを圧潰して果皮に割れ目を形成し、これに40%エタノール水溶液600gを加え撹拌しながら40℃で120時間抽出し、遠心分離(4,000rpm)により上清を得、さらに減圧濾過することにより堅果抽出物560gを得た。この堅果抽出物を乾燥したところ、固形残分は約5.5重量%であった。
(実施例7、比較例2〜5)
最初に、上記の堅果抽出物とメチルパラベンとを併用する場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表3に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.6重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.12重量%とメチルパラベンを0.05重量%配合したものを実施例7とし、堅果抽出物およびカプリル酸モノグリセライドの配合を省略してメチルパラベンを0.05〜0.3重量%配合したものを比較例2〜5として、それぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例7と比較例2〜5について、前記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。その測定結果を表3に示す。
Figure 2004359664
表3の結果から明らかなように、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合した場合には、メチルパラベンの配合量が0.05重量%であっても十分な抗菌活性を示したが、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合を省略した場合には、メチルパラベンの配合量を0.3重量%以上にしないと十分な抗菌活性を得ることができなかった。即ち、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合により、これらを配合しない場合に比べてメチルパラベンの配合量を6分の1以下にすることができた。
(実施例8〜9、比較例6〜9)
次に、上記の堅果抽出物とフェノキシエタノールとを併用する場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表4に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.8重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.16重量%とフェノキシエタノールを0.1重量%配合したものを実施例8とし、上記の堅果抽出物を0.6重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.12重量%とフェノキシエタノールを0.2重量%配合したものを実施例9とし、堅果抽出物およびカプリル酸モノグリセライドの配合を省略してフェノキシエタノールを0.2〜0.5重量%配合したものを比較例6〜9として、それぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例8、9と比較例6〜9について、前記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。その結果を表4に示す。
Figure 2004359664
表4の結果から明らかなように、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合した場合には、フェノキシエタノールの配合量が0.2重量%以下であっても十分な抗菌活性を示したが、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合しない場合には、フェノキシエタノールを0.5重量%配合した場合であっても十分な抗菌活性を得ることができなかった。
即ち、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合により、これらを配合しない場合に比べてフェノキシエタノールの配合量を3分の1以下にすることができた。
(実施例10、比較例10〜13)
次に、上記の堅果抽出物と1,2-ペンタンジオールとを併用する場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表5に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.6重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.12重量%と1,2-ペンタンジオールを1.5重量%配合したものを実施例10とし、上記の堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合を省略して1,2-ペンタンジオールを1.5〜4.0重量%配合したものを比較例10〜13として、それぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例10と比較例10〜13について、前記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。その測定結果を表5に示す。
Figure 2004359664
表5の結果から明らかなように、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合した場合には、1,2-ペンタンジオールの配合量が1.5重量%であっても十分な抗菌活性を示したが、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合しない場合には、1,2-ペンタンジオールの配合量を4.0重量%以上にしないと十分な抗菌活性を得ることができなかった。即ち、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合により、これらを配合しない場合に比べて1,2-ペンタンジオールの配合量を大幅に少なくすることができた。
(実施例11〜12、比較例14〜17)
次に、上記の堅果抽出物と1,2-ヘキサンジオールとを併用する場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表6に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.8重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.16重量%と1,2-ヘキサンジオールを0.5重量%配合したものを実施例11とし、上記の堅果抽出物を0.6重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.12重量%と1,2-ヘキサンジオールを0.75重量%配合したものを実施例12とし、上記の堅果抽出物およびカプリル酸モノグリセライドの配合を省略して1,2-ヘキサンジオールを0.75〜2.0重量%配合したものを比較例14〜17として、それぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例10、11及び比較例14〜17について、前記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。その測定結果を表6に示す。
Figure 2004359664
表6の結果から明らかなように、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合した場合には、1,2-ヘキサンジオールの配合量が0.75重量%以下であっても十分な抗菌活性を示した。これに対し、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合しない場合には、1,2-ヘキサンジオールの配合量を2.0重量%以上にしないと十分な抗菌活性を得ることができなかった。即ち、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合により、これらを配合しない場合に比べて1,2-ヘキサンジオールの配合量を大幅に少なくすることができた。
本発明に係わる皮膚外用剤やその組成物は、皮膚に優しい植物由来の抗菌成分を配合したものでありながら、十分に優れた抗菌活性を有するので、化粧水、乳液、クリーム、軟膏等の、化粧料や医薬部外品、医薬品などの形態に調製されるが、皮膚に塗布される製剤等であればよく、特定の用途に限定されない。

Claims (12)

  1. ブナ科のコナラ属とマテバシイ属とシイ属の、少なくともいずれかの植物の堅果の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤用組成物。
  2. 上記の植物の堅果が、ブナ科コナラ属の植物の堅果である、請求項1に記載の皮膚外用剤用組成物。
  3. 上記の植物の堅果が、コナラ(Quercus serrata)、ミズナラ(Quercus crispula)、ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)、クヌギ(Quercus acutissima)、アベマキ(Quercus variabilis)、カシワ(Quercus dentata)、ナラガシワ(Quercus aliena)、アカガシ(Quercus acuta)、ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)、ウラジロガシ(Quercus salicina)、シラカシ(Quercus myrsinaefolia)、アラカシ(Quercus glauca)、イチイガシ(Quercus gilva)、オキナワウラジロガシ(Quercus miyagii)より選択される1種又は2種以上の植物の堅果である、請求項2に記載の皮膚外用剤用組成物。
  4. 上記の抽出物は、上記の堅果のうちの果皮を切除した仁を由来とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤用組成物。
  5. 上記の抽出物に加えて、脂肪酸モノグリセライドを含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の皮膚外用剤用組成物。
  6. 上記の脂肪酸モノグリセライドが、カプリル酸モノグリセライド、ペラルゴン酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ウンデシル酸モノグリセライドおよびラウリン酸モノグリセライドからなる群から選ばれた1種または2種以上である、請求項5に記載の皮膚外用剤用組成物。
  7. ブナ科のコナラ属とマテバシイ属とシイ属の、少なくともいずれかの植物の堅果の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  8. 上記の抽出物に加えて、脂肪酸モノグリセライドを含有することを特徴とする、請求項7に記載の皮膚外用剤。
  9. 上記の抽出物に加えて、他の防腐剤を含有する、請求項7または請求項8に記載の皮膚外用剤。
  10. 上記の他の防腐剤が、少なくともフェノキシエタノールとパラオキシ安息香酸エステルとのいずれか一方を含む、請求項9に記載の皮膚外用剤。
  11. 上記の抽出物に加えて、抗菌性を有する他の組成物を含有する、請求項7から10のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  12. 上記の抗菌性を有する他の組成物が、少なくとも1,2-ペンタンジオールと1,2-ヘキサンジオールとのいずれか一方を含む、請求項11に記載の皮膚外用剤。

JP2004023398A 2003-05-09 2004-01-30 皮膚外用剤用抗菌性組成物及び抗菌性を備えた皮膚外用剤 Expired - Fee Related JP4063775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004023398A JP4063775B2 (ja) 2003-05-09 2004-01-30 皮膚外用剤用抗菌性組成物及び抗菌性を備えた皮膚外用剤

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003131165 2003-05-09
JP2004023398A JP4063775B2 (ja) 2003-05-09 2004-01-30 皮膚外用剤用抗菌性組成物及び抗菌性を備えた皮膚外用剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004359664A true JP2004359664A (ja) 2004-12-24
JP4063775B2 JP4063775B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=34067061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004023398A Expired - Fee Related JP4063775B2 (ja) 2003-05-09 2004-01-30 皮膚外用剤用抗菌性組成物及び抗菌性を備えた皮膚外用剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4063775B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039340A (ja) * 2005-07-05 2007-02-15 Kanebo Cosmetics Inc 防腐殺菌剤及び皮膚外用組成物
JP2008150366A (ja) * 2006-11-22 2008-07-03 Ueno Fine Chem Ind Ltd 殺菌剤組成物
JP2011121920A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Kracie Home Products Ltd エラスターゼ阻害剤並びにそれを含有する化粧品組成物及び医薬品組成物
ES2541379A1 (es) * 2014-01-17 2015-07-17 Isabel FALCÓN ROSA Cosmética natural de bellota
ES2581585A1 (es) * 2015-02-25 2016-09-06 Universidad De Extremadura Procedimiento de obtención de un extracto de pulpa de bellota, extracto obtenido y su uso
WO2017001707A1 (es) * 2015-06-30 2017-01-05 Falcón Rosa Isabel Cosmética de aceite de bellota
JP2019019114A (ja) * 2017-07-20 2019-02-07 ダイヤ製薬株式会社 含水組成物、含水組成物を構成した貼付剤、化粧品又は外皮用医薬品、並びに、これらの製造方法
CN109512735A (zh) * 2018-01-10 2019-03-26 北京东方淼森生物科技有限公司 具有美白亮肤功效的外用植物提取物、化妆品及其制备方法
CN109512756A (zh) * 2017-11-24 2019-03-26 北京东方淼森生物科技有限公司 化妆品添加用植物原料的提取方法和提取物
WO2021206227A1 (ko) * 2020-04-10 2021-10-14 재단법인 전남생물산업진흥원 붉가시나무 열매추출물을 함유하는 자외선에 의한 피부노화방지 및 개선용 화장료 조성물
JP2022040191A (ja) * 2017-07-20 2022-03-10 ダイヤ製薬株式会社 含水組成物、含水組成物を構成した貼付剤、化粧品又は外皮用医薬品、並びに、これらの製造方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039340A (ja) * 2005-07-05 2007-02-15 Kanebo Cosmetics Inc 防腐殺菌剤及び皮膚外用組成物
JP2008150366A (ja) * 2006-11-22 2008-07-03 Ueno Fine Chem Ind Ltd 殺菌剤組成物
JP2011121920A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Kracie Home Products Ltd エラスターゼ阻害剤並びにそれを含有する化粧品組成物及び医薬品組成物
ES2541379A1 (es) * 2014-01-17 2015-07-17 Isabel FALCÓN ROSA Cosmética natural de bellota
ES2581585A1 (es) * 2015-02-25 2016-09-06 Universidad De Extremadura Procedimiento de obtención de un extracto de pulpa de bellota, extracto obtenido y su uso
WO2017001707A1 (es) * 2015-06-30 2017-01-05 Falcón Rosa Isabel Cosmética de aceite de bellota
JP2019019114A (ja) * 2017-07-20 2019-02-07 ダイヤ製薬株式会社 含水組成物、含水組成物を構成した貼付剤、化粧品又は外皮用医薬品、並びに、これらの製造方法
JP7017680B2 (ja) 2017-07-20 2022-02-09 ダイヤ製薬株式会社 含水組成物、含水組成物を構成した貼付剤、化粧品又は外皮用医薬品、並びに、これらの製造方法
JP2022040191A (ja) * 2017-07-20 2022-03-10 ダイヤ製薬株式会社 含水組成物、含水組成物を構成した貼付剤、化粧品又は外皮用医薬品、並びに、これらの製造方法
JP7340140B2 (ja) 2017-07-20 2023-09-07 ダイヤ製薬株式会社 含水組成物、含水組成物を構成した貼付剤、化粧品又は外皮用医薬品、並びに、これらの製造方法
CN109512756A (zh) * 2017-11-24 2019-03-26 北京东方淼森生物科技有限公司 化妆品添加用植物原料的提取方法和提取物
CN109512756B (zh) * 2017-11-24 2021-05-04 北京东方淼森生物科技有限公司 化妆品添加用植物原料的提取方法和提取物
CN109512735A (zh) * 2018-01-10 2019-03-26 北京东方淼森生物科技有限公司 具有美白亮肤功效的外用植物提取物、化妆品及其制备方法
CN109512735B (zh) * 2018-01-10 2021-04-16 北京东方淼森生物科技有限公司 具有美白亮肤功效的外用植物提取物、化妆品及其制备方法
WO2021206227A1 (ko) * 2020-04-10 2021-10-14 재단법인 전남생물산업진흥원 붉가시나무 열매추출물을 함유하는 자외선에 의한 피부노화방지 및 개선용 화장료 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JP4063775B2 (ja) 2008-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8431170B2 (en) Antimicrobial composition with low cytotoxicity
EP2456409A1 (en) Natural preservative blend
JP4063775B2 (ja) 皮膚外用剤用抗菌性組成物及び抗菌性を備えた皮膚外用剤
JP2012077037A (ja) 洗浄剤
CN110840767A (zh) 一种防腐剂组合物及其制备方法和应用
JP2017025005A (ja) アンマロク抽出物を含む防腐剤
KR20160044071A (ko) 활성 성분으로 메칠3-아세틸-4-하이드록시벤조에이트를 함유하는 보존제 조성물
JP2010126484A (ja) 抗菌剤組成物
KR101585795B1 (ko) 활성 성분으로 디에칠렌글라이콜모노벤질에텔을 함유하는 보존제 조성물
EP2252155B1 (en) Method for minimizing the cytotoxicity of the effective agent inhibiting the growth of micro-organisms and for maximizing the effect
JP2003238310A (ja) 抗菌抗黴剤及びこれを含有する抗菌抗黴性組成物
KR101699468B1 (ko) 활성 성분으로 피이지-2 페닐에테르를 함유하는 보존제 조성물
JP5013765B2 (ja) 防腐殺菌剤、該防腐殺菌剤を配合した化粧品、医薬品又は食品
JP2013010728A (ja) ニガヨモギより得られた防腐・抗菌機能を有するエキス剤
JP5019093B2 (ja) 抗菌組成物
EP3569069B1 (en) Product comprising a mastic extract
JP4111257B2 (ja) 化粧料組成物
JP4284305B2 (ja) 防臭活性剤及び防臭用皮膚外用組成物
KR101787076B1 (ko) 식물 유래 유체를 다량 함유하는 피부외용제
CN115487113B (zh) 一种含丁香果实提取物乳液及其制备方法与应用
KR101062660B1 (ko) 방부제 대체물을 포함하는 화장료 조성물
JP3534181B2 (ja) ローズマリーエキス、ローズマリーエキス抽出方法、及びローズマリーエキスを用いた化粧料
KR20180057858A (ko) 천연 식물 추출물과 pha를 함유한 피부 보습 증진용 화장료 조성물
JP2007119411A (ja) カピリンの安定化方法
JP2014015422A (ja) 化粧料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees