JP4063775B2 - 皮膚外用剤用抗菌性組成物及び抗菌性を備えた皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤用抗菌性組成物及び抗菌性を備えた皮膚外用剤 Download PDF

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本発明は皮膚外用剤用抗菌性組成物とこれを用いた皮膚外用剤に関し、さらに詳しくは植物由来の抗菌成分を配合したものでありながら、しかも抗菌活性に優れた皮膚外用剤用抗菌性組成物と抗菌性を備えた皮膚外用剤とに関するものである。
化粧水、乳液、クリーム等の化粧料、医薬部外品や軟膏等の医薬品などの、皮膚外用剤には、製造時及び使用時における微生物の混入による腐敗に伴う変質を防止するために、防腐剤や抗菌剤が使用されている。一般に、このような防腐剤等としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン類ともいう)、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、クロロブタノール、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、サリチル酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩酸アルキルアミノエチルグリシン、感光素等の、化学合成品が多用されていた。
上記の化学合成品の防腐剤や抗菌剤には、皮膚一次刺激性、感作性、光感作性を示すものが多く、皮膚外用剤による皮膚のトラブルの原因になる惧れがある。このため近年では使用する防腐剤の種類や量を減らす傾向が顕著である。
このような状況のもとで、従来、より皮膚に優しい防腐剤や抗菌剤として天然物由来の抗菌成分の開発が行なわれており、これらの成分としては、例えば、ポリリジン、キトサン、リゾチーム、ヒノキチオール、或いはセージやタイム、ローズマリー、ラベンダー等のハーブ系植物エキスなどが挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
しかし上記の従来の天然物由来の抗菌成分は、いずれも防腐抗菌力(抗菌活性)が弱く、抗菌スペクトルが狭いなどの問題があり、従来の化学合成された防腐剤と同等の抗菌活性を得るのは容易でなく、配合量を多くしても、従来の化学合成された防腐剤等の配合量を低減したり、これらの防腐剤の配合を省略したりすることが容易でなかった。このため、従来の化学合成品の防腐剤に匹敵する抗菌活性を有しながら、しかも皮膚に優しい天然物由来の抗菌成分を含有する皮膚外用剤の開発が待たれていた。
特開平9−255517号公報
本発明は、上記問題点を解消し、皮膚に優しい植物由来の抗菌成分を配合したものでありながら、しかも抗菌活性の優れた皮膚外用剤用抗菌性組成物とこれを用いた皮膚外用剤とを提供することを技術的課題とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、いわゆるドングリと呼ばれるブナ科コナラ属のうち、コナラ(Quercus serrata)等の植物の堅果に含まれる成分が、化学合成品の防腐剤に匹敵する抗菌活性を示すことを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明1は皮膚外用剤用抗菌性組成物に関し、ブナ科のコナラ属の植物のうち、コナラ(Quercus serrata)、ミズナラ(Quercus crispula)、ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)、クヌギ(Quercus acutissima)、アベマキ(Quercus variabilis)、カシワ(Quercus dentata)、ナラガシワ(Quercus aliena)、アカガシ(Quercus acuta)、ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)、ウラジロガシ(Quercus salicina)、シラカシ(Quercus myrsinaefolia)、アラカシ(Quercus glauca)、イチイガシ(Quercus gilva)、オキナワウラジロガシ(Quercus miyagii)より選択される1種又は2種以上の植物の、堅果の抽出物を含有することを特徴とする。
また、本発明2は抗菌性を備えた皮膚外用剤に関し、ブナ科のコナラ属の植物のうち、コナラ(Quercus serrata)、ミズナラ(Quercus crispula)、ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)、クヌギ(Quercus acutissima)、アベマキ(Quercus variabilis)、カシワ(Quercus dentata)、ナラガシワ(Quercus aliena)、アカガシ(Quercus acuta)、ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)、ウラジロガシ(Quercus salicina)、シラカシ(Quercus myrsinaefolia)、アラカシ(Quercus glauca)、イチイガシ(Quercus gilva)、オキナワウラジロガシ(Quercus miyagii)より選択される1種又は2種以上の植物の、堅果の抽出物を含有することを特徴とする。
上記の植物の堅果は、1種或いは複数種を用いて、抽出溶媒により有効成分の抽出を行なう。
この抽出に用いる溶媒の種類は特に限定されないが、例えば水、又はメタノール、エタノール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール等の有機溶剤や、水とこれら有機溶剤との混合溶媒を用いることができる。特に、エタノール又は1,3-ブチレングリコールや水とこれらとの混合溶媒が好ましい。
上記の堅果は全体をそのまま圧潰や分割、細断、或いは粉砕したものを用いてもよく、この場合は抽出操作の前処理を簡単に行うことができるが、果皮を切除し中身の仁のみを取り出してそのまま、或いは分割や細断、粉砕等して用いると抗菌活性を有する成分が良好に抽出されるので、より好ましい。
上記の抽出条件は特に限定されず、原料の状態や溶媒の種類、使用量などによっても異なるが、例えば、抽出温度は5℃〜100℃程度、抽出時間は抽出温度により異なるが6時間程度以上に設定するのが好ましい。
このようにして抽出された堅果由来の抽出物は、細菌類や真菌類に対して優れた抗菌活性を示し、特に細菌類に対して強い抗菌力を示しており、これを単独で皮膚外用剤に添加してもよい。また、本発明の抗菌性を備えた皮膚外用剤やその組成物は、上記の抽出物以外に、皮膚外用剤として用いられる他の成分を含有していてもよい。
例えば、上記の堅果由来の抽出物に加えて、脂肪酸モノグリセライドを含有させた場合には、さらに優れた抗菌活性を良好に発揮でき、細菌類だけでなく真菌類に対しても強い抗菌力を示すので、より好ましい。
上記の脂肪酸モノグリセライドとしては、パーム油、ヤシ油等の植物油脂由来のものが好ましく、具体的には、例えば、カプリル酸モノグリセライド、ペラルゴン酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ウンデシル酸モノグリセライド、ラウリン酸モノグリセライドなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、上記の抽出物は優れた抗菌活性を備えるので、従来に用いられている防腐剤や抗菌性を有する他の組成物の1種または2種以上と併用して用いることができ、この場合はさらに優れた抗菌活性を発揮しながら、しかもこれら従来の防腐剤等の配合量を少なく抑え、皮膚に対する刺激性などを低減することができる。これらの防腐剤や抗菌性を有する他の組成物としては、例えばフェノキシエタノールやパラベン類などの防腐剤や、1,2-ペンタンジオールや1,2-ヘキサンジオールなどの多価アルコール等を挙げることができるが、抗菌活性があり且つ皮膚に対する刺激性等が少なければよく、特定の成分に限定されないことは言うまでもない。
皮膚外用剤において充分な抗菌活性を発揮するための配合量は、上記の堅果の抽出物のみを添加する場合は、例えば後述の実施例による抽出物(乾燥時の固形残分が約3重量%のもの)による場合、0.1〜10重量%が好ましい。また、上記の堅果の抽出物と脂肪酸モノグリセライドを同時に添加する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、脂肪酸モノグリセライドが0.01〜1.0重量%が好ましい。
また、フェノキシエタノールと併用する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、フェノキシエタノールが0.01〜0.4重量%が好ましい。パラベン類と併用する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、パラベン類が0.01〜0.2重量%が好ましい。1,2-ペンタンジオールと併用する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、1,2-ペンタンジオールが0.01〜3.5重量%が好ましい。1,2-ヘキサンジオールと併用する場合は、堅果の抽出物が0.1〜5重量%、1,2-ヘキサンジオールが0.01〜1.5重量%が好ましい。
本発明では、ブナ科コナラ属のうちの、上記の植物の堅果の抽出物を配合することにより、前記従来の天然物由来の抗菌成分に較べて十分に優れた抗菌活性を発揮することが出来た。この結果、従来の化学合成された防腐剤などの配合量を少なくし、或いはこれらの防腐剤などの配合を省略することができるので、植物由来の抗菌成分を配合した皮膚に優しく、且つ、優れた抗菌活性を有する皮膚外用剤用抗菌性組成物と、抗菌性を備えた皮膚外用剤を得ることができた。
特に、上記の堅果の抽出物に加えて脂肪酸モノグリセライドを配合した場合には、一層優れた抗菌活性を有する皮膚外用剤用抗菌性組成物と、抗菌性を備えた皮膚外用剤を得ることができた。
以下、本発明を実施例の記載に基づいてさらに具体的に説明する。ただし本発明の技術的範囲が本実施例によって限定されるものではない。
(製造例1)
コナラ(Quercus serrata)の堅果の果皮を切除した仁の部分45g及びアラカシ(Quercus glauca)の堅果の果皮を切除した仁の部分45gを混合して粉砕し、これに50%エタノール水溶液600gを加えて撹拌しながら60℃で20時間抽出し、遠心分離(4,000rpm)により上清を得、さらに減圧濾過することにより堅果抽出物500gを得た。なお、この堅果抽出物を乾燥したところ、固形残分は約3重量%であった。
(実施例1〜3、比較例1)
表1に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.5重量%配合したものを実施例1とし、1.0重量%配合したものを実施例2とし、1.5重量%配合したものを実施例3としてそれぞれローションを調製した。また上記の堅果抽出物を配合しないローションを比較例1として調製し、これらの実施例1〜3と比較例1の抗菌活性の評価を次の試験法により行なった。
(抗菌活性試験法)
細菌として、大腸菌(Escherichia coli)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の3種、真菌としてカンジダ酵母(Candida albicans)、黒コウジカビ(Aspergillus niger)の2種の試験菌を用いた。上記の3種の細菌は各10個/gを、上記の2種の真菌は各10個/gを、各試料に植菌し、細菌は30℃、真菌は25℃にてそれぞれ培養した。そして接種直後、7日目、14日目、21日目、28日目の各生菌数を測定した。
測定結果は、細菌については14日後に生菌が見られない場合を合格として○印で表示し、真菌については14日後の生菌数が植菌数の1/1000以下になっている場合を合格として○印で表示した。また両者とも、それぞれ不合格の場合は×印で表示した。
Figure 0004063775
表1の結果から明らかなように、堅果抽出物の配合量が少ない実施例1では、緑膿菌に対して抗菌活性が弱いものの、他の細菌類に対しては十分な抗菌活性が認められ、堅果抽出物を1.0重量%以上配合した実施例2や実施例3については緑膿菌を含めた細菌に対し十分な抗菌活性が認められた。また、真菌類に対しては、堅果抽出物を1.5重量%配合した実施例3で十分な抗菌活性が認められた。これに対し、堅果抽出物を配合しない比較例1では、細菌類、真菌類のいずれに対しても抗菌活性が認められなかった。
(実施例4〜6)
次に、上記の堅果抽出物に加えて、脂肪酸モノグリセライドを配合した場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表2に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.5重量%と脂肪酸モノグリセライドとしてカプリル酸モノグリセライドを0.05重量%配合したものを実施例4とし、堅果抽出物を1.0重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.10重量%配合したものを実施例5とし、堅果抽出物を1.5重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.15重量%配合したものを実施例6としてそれぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例4〜6についても、前記の各実施例と同様、上記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。
Figure 0004063775
表2の結果から明らかなように、堅果抽出物を0.5重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.05重量%配合した実施例4の場合は、緑膿菌に対しても十分な抗菌活性があり、堅果抽出物のみを0.5重量%配合した前記の実施例1よりも強い抗菌活性が認められた。また、堅果抽出物を1.0重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.1重量%配合した実施例5の場合には、真菌に対しても十分な抗菌活性が認められ、堅果抽出物のみを1.0重量%配合した前記の実施例2よりも強い抗菌活性が認められた。
次に、上記の抽出物と従来の防腐剤等とを併用する場合について、抗菌活性を調べた。この測定に用いた抽出物は次の手順により得た。
(製造例2)
アラカシ(Quercus glauca)の堅果180gを圧潰して果皮に割れ目を形成し、これに40%エタノール水溶液600gを加え撹拌しながら40℃で120時間抽出し、遠心分離(4,000rpm)により上清を得、さらに減圧濾過することにより堅果抽出物560gを得た。この堅果抽出物を乾燥したところ、固形残分は約5.5重量%であった。
(実施例7、比較例2〜5)
最初に、上記の堅果抽出物とメチルパラベンとを併用する場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表3に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.6重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.12重量%とメチルパラベンを0.05重量%配合したものを実施例7とし、堅果抽出物およびカプリル酸モノグリセライドの配合を省略してメチルパラベンを0.05〜0.3重量%配合したものを比較例2〜5として、それぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例7と比較例2〜5について、前記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。その測定結果を表3に示す。
Figure 0004063775
表3の結果から明らかなように、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合した場合には、メチルパラベンの配合量が0.05重量%であっても十分な抗菌活性を示したが、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合を省略した場合には、メチルパラベンの配合量を0.3重量%以上にしないと十分な抗菌活性を得ることができなかった。即ち、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合により、これらを配合しない場合に比べてメチルパラベンの配合量を6分の1以下にすることができた。
(実施例8〜9、比較例6〜9)
次に、上記の堅果抽出物とフェノキシエタノールとを併用する場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表4に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.8重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.16重量%とフェノキシエタノールを0.1重量%配合したものを実施例8とし、上記の堅果抽出物を0.6重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.12重量%とフェノキシエタノールを0.2重量%配合したものを実施例9とし、堅果抽出物およびカプリル酸モノグリセライドの配合を省略してフェノキシエタノールを0.2〜0.5重量%配合したものを比較例6〜9として、それぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例8、9と比較例6〜9について、前記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。その結果を表4に示す。
Figure 0004063775
表4の結果から明らかなように、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合した場合には、フェノキシエタノールの配合量が0.2重量%以下であっても十分な抗菌活性を示したが、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合しない場合には、フェノキシエタノールを0.5重量%配合した場合であっても十分な抗菌活性を得ることができなかった。
即ち、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合により、これらを配合しない場合に比べてフェノキシエタノールの配合量を3分の1以下にすることができた。
(実施例10、比較例10〜13)
次に、上記の堅果抽出物と1,2-ペンタンジオールとを併用する場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表5に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.6重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.12重量%と1,2-ペンタンジオールを1.5重量%配合したものを実施例10とし、上記の堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合を省略して1,2-ペンタンジオールを1.5〜4.0重量%配合したものを比較例10〜13として、それぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例10と比較例10〜13について、前記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。その測定結果を表5に示す。
Figure 0004063775
表5の結果から明らかなように、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合した場合には、1,2-ペンタンジオールの配合量が1.5重量%であっても十分な抗菌活性を示したが、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合しない場合には、1,2-ペンタンジオールの配合量を4.0重量%以上にしないと十分な抗菌活性を得ることができなかった。即ち、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合により、これらを配合しない場合に比べて1,2-ペンタンジオールの配合量を大幅に少なくすることができた。
(実施例11〜12、比較例14〜17)
次に、上記の堅果抽出物と1,2-ヘキサンジオールとを併用する場合の抗菌活性を確認した。
即ち、表6に示す配合比率のように、上記の堅果抽出物を0.8重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.16重量%と1,2-ヘキサンジオールを0.5重量%配合したものを実施例11とし、上記の堅果抽出物を0.6重量%とカプリル酸モノグリセライドを0.12重量%と1,2-ヘキサンジオールを0.75重量%配合したものを実施例12とし、上記の堅果抽出物およびカプリル酸モノグリセライドの配合を省略して1,2-ヘキサンジオールを0.75〜2.0重量%配合したものを比較例14〜17として、それぞれローションを調製した。そしてこれらの実施例10、11及び比較例14〜17について、前記の抗菌活性試験法により抗菌活性の評価を行なった。その測定結果を表6に示す。
Figure 0004063775
表6の結果から明らかなように、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合した場合には、1,2-ヘキサンジオールの配合量が0.75重量%以下であっても十分な抗菌活性を示した。これに対し、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドとを配合しない場合には、1,2-ヘキサンジオールの配合量を2.0重量%以上にしないと十分な抗菌活性を得ることができなかった。即ち、堅果抽出物とカプリル酸モノグリセライドの配合により、これらを配合しない場合に比べて1,2-ヘキサンジオールの配合量を大幅に少なくすることができた。
本発明に係わる皮膚外用剤用抗菌性組成物やこれを用いた皮膚外用剤は、皮膚に優しい植物由来の抗菌成分を配合したものでありながら、十分に優れた抗菌活性を有するので、化粧水、乳液、クリーム、軟膏等の、化粧料や医薬部外品、医薬品などの形態に調製されるが、皮膚に塗布される製剤等であればよく、特定の用途に限定されない。

Claims (10)

  1. ブナ科のコナラ属の植物のうち、コナラ(Quercus serrata)、ミズナラ(Quercus crispula)、ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)、クヌギ(Quercus acutissima)、アベマキ(Quercus variabilis)、カシワ(Quercus dentata)、ナラガシワ(Quercus aliena)、アカガシ(Quercus acuta)、ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)、ウラジロガシ(Quercus salicina)、シラカシ(Quercus myrsinaefolia)、アラカシ(Quercus glauca)、イチイガシ(Quercus gilva)、オキナワウラジロガシ(Quercus miyagii)より選択される1種又は2種以上の植物の、堅果の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤用抗菌性組成物。
  2. 上記の抽出物は、上記の堅果のうちの果皮を切除した仁を由来とする、請求項1に記載の皮膚外用剤用抗菌性組成物。
  3. 上記の抽出物に加えて、脂肪酸モノグリセライドを含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の皮膚外用剤用抗菌性組成物。
  4. 上記の脂肪酸モノグリセライドが、カプリル酸モノグリセライド、ペラルゴン酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ウンデシル酸モノグリセライドおよびラウリン酸モノグリセライドからなる群から選ばれた1種または2種以上である、請求項3に記載の皮膚外用剤用抗菌性組成物。
  5. ブナ科のコナラ属の植物のうち、コナラ(Quercus serrata)、ミズナラ(Quercus crispula)、ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)、クヌギ(Quercus acutissima)、アベマキ(Quercus variabilis)、カシワ(Quercus dentata)、ナラガシワ(Quercus aliena)、アカガシ(Quercus acuta)、ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)、ウラジロガシ(Quercus salicina)、シラカシ(Quercus myrsinaefolia)、アラカシ(Quercus glauca)、イチイガシ(Quercus gilva)、オキナワウラジロガシ(Quercus miyagii)より選択される1種又は2種以上の植物の、堅果の抽出物を含有することを特徴とする抗菌性を備えた皮膚外用剤。
  6. 上記の抽出物に加えて、脂肪酸モノグリセライドを含有することを特徴とする、請求項5に記載の抗菌性を備えた皮膚外用剤。
  7. 上記の抽出物に加えて、他の防腐剤を含有する、請求項5または請求項6に記載の抗菌性を備えた皮膚外用剤。
  8. 上記の他の防腐剤が、少なくともフェノキシエタノールとパラオキシ安息香酸エステルとのいずれか一方を含む、請求項7に記載の抗菌性を備えた皮膚外用剤。
  9. 上記の抽出物に加えて、抗菌性を有する他の組成物を含有する、請求項5から8のいずれか1項に記載の抗菌性を備えた皮膚外用剤。
  10. 上記の抗菌性を有する他の組成物が、少なくとも1,2-ペンタンジオールと1,2-ヘキサンジオールとのいずれか一方を含む、請求項9に記載の抗菌性を備えた皮膚外用剤。
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