JP2004359526A - 導電性セラミックス複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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Satoshi Kitaoka
諭 北岡
Naoki Kawashima
直樹 川島
Kazufumi Aoyama
和史 青山
Yoshihiko Morita
吉彦 森田
Hideki Mori
秀樹 森
Tomoko Nomoto
智子 野本
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Abstract

【課題】シリコーンゴムなどの弾性材料を用いることなく、耐熱サイクル疲労性を確保する。
【解決手段】導電性セラミックス複合材料を、パーコレーション構造を形成する導電性粒子と、当該導電性粒子を保持し、第1の絶縁性材料と第2の絶縁性材料とを有する絶縁性セラミックスマトリックス、とを備え、前記第1の絶縁性材料は、温度上昇に伴い熱膨張率が急激に増大する温度領域を有し、その一部は前記導電性粒子の近傍に選択的に配置され、前記第2の絶縁性材料は、少なくとも前記温度領域においてほぼ一定の熱膨張率を有するようにする。第1の絶縁性材料の熱膨張率が温度上昇に伴って急激に増加する温度領域においては、導電性粒子によって形成されたパーコレーション構造による導電経路が効果的に切断され、複合材料の抵抗を増大させることができる。また、第2の絶縁性材料を備えることにより、耐熱サイクル疲労性が付与される。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電性セラミックス複合材料に関し、特に、電磁誘導等によって発熱する際、自己の到達する上限温度を制御する自己温度制御機能を有する導電性セラミックス複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、調理や汚水処理をはじめ、各種分野において電磁誘導加熱(Induction Heating、以下、単にIHと略す。)の利用が期待されている。IHとは、非接触の電磁誘導作用により金属等の導電性材料中に渦電流を流して、そのときの渦電流損により発熱させるものである。
たとえば、100℃を超える高温加熱を要する分野として調理の分野を挙げることができる。当該分野のIH適用例としては、IH調理器が典型的である。また、100℃以下の比較的低温領域においても、IHの利用が望まれている分野がある。かかる分野への適用可能性としては、調理物の保温や滅菌、さらには、汚水浄化用のバクテリアのためのヒーター等を挙げることができる。
IH調理器においては、その低熱伝導性のトッププレートの裏面に設置されたサーミスタにより、トッププレート上に載置した容器下面の温度を検知することで、調理面の温度制御が行われているため、温度制御が困難であり、過熱により調理物の焦げ付きや調理器具の変形などの問題があった。
このため、所定のキュリー温度を有する強磁性金属材料からなる発熱層を形成した電磁誘導加熱調理器用の調理器具が提案されている(特許文献1)。この調理器具は、キュリー温度以上に発熱すると常磁性となりそれ以上温度上昇しなくなる。このように発熱層自体に自己温度制御させることにより、過度の発熱を防止することができる。
【0003】
一方、IHに利用できる電磁誘導可能な材料として、導電性セラミックスを利用できる。導電性セラミックスに自己温度制御させる技術として、導電性セラミックスの実効抵抗をある温度以上において急激に増大させて渦電流そのものを流れなくする方法がある。この方法を利用するには、材料の抵抗が大きな正の温度係数(PTC:Positive Temperature Coefficient)を有すること(PTC特性ともいう。)が必要である。材料が大きなPTCを有する場合、ある温度以上において抵抗が急激に増大し、その結果として、渦電流が流れなくなり発熱が停止する。その後、材料の温度低下に伴い抵抗が急激に低下するため、渦電流が流れて再び発熱することになる。
このようなPTC特性を導電性セラミックスにおいて発現させるには、高熱膨張性の絶縁性セラミックス中に導電性粒子を連続的に接触するように分散させて形成したパーコレーション構造を形成することが有効である。
【0004】
現在までのところ、導電性セラミックスにおいては、高熱膨張性の絶縁性マトリックスとして、Si0のような相転移温度の大きな体積膨張(低温→高温)を伴うセラミックスを用いることが試みられている。この種の複合材としては、カーボン/Cristobalite系(非特許文献1)、SiC/Cristobalite系(非特許文献2)等が報告されている。しかし、マトリックスにクリストバライトを使用しているために、昇降温を繰り返すことにより、クリストバライトの相転移に伴う著しい体積変化によってマトリックス中に亀裂が発生し、PTC性能が消失するとともに、崩壊に至ることが問題となっていた。この問題を解決する方法として、カーボン/クリストバライト系に耐熱性シリコーンゴムを添加して耐熱サイクル疲労性を改善した報告がある(非特許文献3)。しかし、電磁誘導方式で材料自体を発熱させる場合、パーコレーション構造を構成する導電性粒子群とその近傍は瞬間的にかなりの高温になる。また、調理用を想定した場合シリコーン成分の一部が調理部側に溶出する可能性がある。したがって、耐熱性シリコーン(最高耐熱温度300℃)といえどもその使用を差し控えた方がよいと考えられる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−99064号公報
【非特許文献1】
「Journal of the American Ceramic Society」,第75巻,第7号,p.1772−1776(1992)、発行国:米国
【非特許文献2】
「Journal of Material Science」,第29巻,p.1097−1100(1994)
【非特許文献3】
「Journal of The Ceramic Society of Japan」,発行国:日本,第104巻,p.1133−1136(1996)、発行国:米国
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の一つの目的は、シリコーンゴムなどの弾性材料を添加しなくても耐熱サイクル疲労性を備えている自己温度制御可能な導電性セラミックス複合材料を提供することである。また、本発明の一つの目的は、クリストバライト等の相転移材料を使用しても耐熱サイクル疲労性を確保し、安定して自己温度制御機能を発揮する導電性セラミックス複合材料を提供することである。また、本発明の他の一つの目的は、自己温度制御機能を維持する電磁誘導による加熱装置を提供することである。さらに、本発明の他の一つの目的は、導電性セラミックス複合材料を構成可能な原料及び製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明者らは、少なくとも上記した目的の一部を解決するため、昇降温に伴って、効果的に導電性粒子のパーコレーション構造の切断と接続とを発現させることができ、かつ昇降温の繰り返しを許容する複合形態を見出した。また、当該複合形態によれば、優れた電磁誘導加熱装置を提供できることも見出し、本発明を完成した。また、併せて、当該複合形態を得るのに適した原料及び製造方法が提供される。
すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
第1の発明は、導電性セラミックス複合材料であって、
パーコレーション構造を形成する導電性粒子と、
当該導電性粒子を保持し、第1の絶縁性材料と第2の絶縁性材料とを有する絶縁性セラミックスマトリックス、
とを備え、
前記第1の絶縁性材料は、温度上昇に伴い熱膨張係数が増大する温度領域を有し、その一部は前記導電性粒子の近傍に選択的に配置され、
前記第2の絶縁性材料は、少なくとも前記温度領域においてほぼ一定の熱膨張係数を有する、複合材料である。
この複合材料によれば、第1の絶縁性材料の熱膨張係数が温度上昇に伴って増加する温度領域においては、導電性粒子の近傍に選択配置された第1の絶縁性材料が急に体積膨張する。このため、導電性粒子によって形成されたパーコレーション構造による導電経路が効果的に切断され、複合材料の抵抗を増大させることができる。また、第2の絶縁性材料を備えることにより、前記温度範囲における熱膨張率の変化による複合材料全体の体積変化を抑制することができる。この結果、繰り返しの温度変化に対応して前記導電性粒子のパーコレーション構造とその変化が許容される。これにより、シリコーンゴムなどの弾性材料を用いることなく、耐熱サイクル疲労性を確保することができる。また、クリストバライトなどの相転移材料を用いても耐熱サイクル疲労性を確保できる。さらに、安定して自己温度制御機能を発揮することができるようになる。
なお、本明細書において「熱膨張係数」とは、圧力一定のもとで物体が熱膨張するとき、その比率の温度変化に対する割合を示す量をいい、特にことわりない場合には、長さの変化に関する線膨張係数をいうものとする。
一方、単に「膨張率」というときは、膨張前の長さに対する膨張後の長さの比率を意味するものとする。また、「収縮率」とは、収縮前の長さに対する収縮後の長さの比率を意味するものとする。
この発明においては、前記第1の絶縁性材料は相転移により前記熱膨張率の増大を発現する材料であることが好ましい。
また、前記第2の絶縁性材料は、前記温度領域において相転移しないセラミックス材料であることが好ましい形態である。
【0008】
また、前記第1の絶縁性材料は、複合材料焼成後の冷却過程を基準とする膨張率曲線において、当該第1の絶縁性材料の膨張率(lm1)と前記導電性粒子の膨張率(l)との差(lm1−l)が当該複合材料の昇温過程のいずれかの温度において負から正へと転換することが好ましい。かかる第1の絶縁性材料を用いることにより、複合材料を再度温度上昇する過程において導電性粒子間に誘起された残留応力が、前記転換点温度において圧縮から引っ張りに変化し、導電性粒子のつながりが効果的に切断される。
【0009】
また、上記いずれかの複合材料において、前記導電性粒子はZrBであることが好ましい。本形態によれば、既存のIH手段において好ましい自己温度制御機能が発現される。
さらに、前記第1の絶縁性材料は、二酸化ケイ素であり、クリストラバイト、トリジマイト、及びクォーツからなる群から選択されるいずれかであることが好ましい。これらのマトリックス材料は、相転移により、熱膨張係数が増大する温度域を有し、効果的にパーコレーション構造における接続と切断とを切り替え可能である。
これらの複合材料においては、前記第2の絶縁性材料は、ZrSiOであることが好ましい。ZrSiOは、室温から複合材料作製時温度の範囲においてほぼ一定の熱膨張係数を示す材料であり、かつ、導電性材料のZrBの熱膨張係数よりも小さいため、前記第1の絶縁性材料とともに絶縁性マトリックスを構成することで、複合材料の体積変化を広範囲に許容する。
さらに、これらの複合材料は、前記導電性粒子と、前記第1の絶縁性材料と前記第2の絶縁性材料とを含有し、前記導電性粒子の少なくとも一部はその表面の一部を前記第1の絶縁性材料で被覆した二次粒子である組成物を、成形、焼成して得られる。
【0010】
また、本発明は、上記いずれかの複合材料で形成された発熱部位を有する電磁誘導加熱装置を提供する。本加熱装置は、自己温度制御機能を備えかつ安定的に当該機能を維持することができる。従って用途に応じた自己温度制御機能を付与することにより使い勝手のよい加熱装置を提供できる。
また、本発明は、導電性セラミックス複合材料用原料であって、導電性粒子表面の一部を温度上昇に伴い熱膨張係数が増大する温度領域を有する絶縁性材料で被覆した二次粒子を含む、原料を提供する。本原料によれば、前記した複合材料を容易に製造できる。また本発明によれば、導電性セラミックス複合材料用組成物であって、温度上昇に伴い熱膨張係数が増大する温度領域を有する第1の絶縁性材料と、少なくとも前記温度領域においてほぼ一定の熱膨張係数を有する第2の絶縁性材料と、表面の一部が前記第1の絶縁性材料で被覆された導電性粒子、とを含有する、組成物。この原料及び組成物において、前記導電性粒子は、ZrBであることが好ましく、また、前記絶縁性材料は、二酸化ケイ素であり、クリストラバイト、トリジマイト、及びクォーツからなる群から選択されるいずれかであることが好ましい。
さらに、本発明は、導電性粒子と第1の絶縁性材料と第2の絶縁性材料とを含む組成物を成形し、焼成する工程を有し、当該工程に先だって、前記導電性粒子表面の一部を第1の絶縁性材料で被覆する二次粒子化工程を備える、導電性セラミックス複合材料の製造方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一つの形態は、導電性粒子のパーコレーション構造を有する絶縁性マトリックスを備える複合材料であり、マトリックスには、温度上昇に伴い熱膨張係数が増大する温度領域を有する第1の絶縁性材料と、少なくとも前記温度領域においてほぼ一定の熱膨張係数を有する第2の絶縁性材料を含んでいる複合材料である。
本発明は、本複合材料を含む電磁誘導発熱性材料及び本複合材料を利用した電磁誘導発熱装置に関し、さらに、当該材料を得るための材料及び組成物に関する。
以下、本複合材料及び本複合材料を構成する材料について説明し、次いで、本複合材料の作製、当該複合材料を用いた電磁誘導加熱装置について順次説明する。
【0012】
(複合材料)
本複合材料は、典型的には、図1に模式的に例示される複合形態を有している。導電性粒子は絶縁性マトリックス内で粒子が連続的に接触する構造(三次元パーコレーション構造ともいう。)を形成し、絶縁性マトリックスにおいては、第1の絶縁性材料の一部が、導電性粒子近傍において選択的に存在し、換言すれば、他のマトリクス領域よりも多く(高濃度に)存在している。
【0013】
(導電性粒子)
本発明において用いられる導電性粒子は、特に限定しないで電子導電性を有していればよい。また、導電性粒子は、耐酸化性を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、カーボンよりも高い耐酸化性を有していることが好ましい。また、特に微生物処理用水槽のヒーター材料として本複合材料を使用する場合には、耐硝酸性を有していることが好ましい。
【0014】
本複合材料においては、導電性粒子のパーコレーション構造により複合材料に導電性を付与している。絶縁性マトリックス内に導電性粒子をパーコレーションさせ、絶縁性マトリックスの体積膨張を利用することにより、導電性粒子の接触状態を変化させて複合材料の抵抗を変化させることができる。結果として、複合材料の抵抗が大きなPTCを有するという特性を発現させることができる。そして、このPTC特性により、ある温度以上において実効抵抗を急激に増大させて渦電流を流れなくすることによりそれ以上に高温に発熱しないよう自己温度制御することができる。
【0015】
使用する導電性粒子は、付与しようとする抵抗の変化範囲を予め設定し、当該抵抗の変化を実現することができる自己抵抗を有するものを選択することができる。例えば、使用する周波数の大きさや電磁誘導によって加熱しようとする領域の大きさ等から複合材料に付与しようとする抵抗の変化範囲を求め、その上で、当該変化範囲を実現するのに好ましい導電性粒子を選択すればよい。具体的には、既存の電磁調理器(適用される周波数は、0.1kHz〜1000kHz、好ましくは、1kHz以上100kH以下、さらに好ましくは、25kHz〜50kHz)において、一般的大きさの調理用器具の加熱領域に渦電流を流して誘導加熱することができる抵抗と、渦電流を流れなくして発熱を停止させることのできる抵抗とを求め、これらの抵抗範囲を実現する導電性粒子を選択することができる。PTC特性を発現するのに好ましい複合材料の抵抗の変化範囲として、室温近傍では5.0×10−4Ωcm以上5.0×10−3Ωcm以下程度であり、限界温度近傍で5.0×10−3Ωcm以上5.0×10−2Ωcm以下程度という範囲を例示することができる。かかる抵抗の変化範囲は既存のIH調理器(適用周波数:50〜60kHz)を用いて調理用具(底面が直径15〜20センチ、厚さ5mm程度)を加熱しようとするのに適している範囲である。このような抵抗変化を発現するような導電性材料としては、室温でおおよそ1.0×10−6Ωcm以上1.0×10−4Ωcm以下程度の抵抗を有する導電性粒子を用いることが好ましい。
【0016】
導電性粒子は、少なくとも複合材料において自己温度制御させようとする限界温度以下の範囲において相転移しない材料であることが好ましい。換言すれば、限界温度以下の温度範囲において温度を上昇させた場合におおよそ一定の熱膨張率を有していることが好ましい。より好ましくは、室温から複合材料作製時温度の範囲においてほぼ一定の熱膨張係数を示す材料であることが好ましい。また、複合材料焼成温度から室温までの温度範囲において、複合材料焼成後の冷却に伴う導電性材料の収縮率が第1の絶縁性材料の収縮率よりも小さいことが好ましい。第1の絶縁性材料がクリストバライトの場合は、複合材焼成温度を1400℃とすると、導電性材料の熱膨張係数(室温〜1400℃)は17×10−6−1以下であることが好ましい。17×10−6−1を超える熱膨張係数を有していると、導電性粒子間に作用する残留応力が、再度温度上昇する過程において常に引っ張りになるために、導電性粒子のつながりが効果的に切断されにくくなる。また、誘導加熱の起動停止に伴う急峻な温度変化により熱衝撃破壊する。好ましくは、10×10−6−1以下であり、より好ましくは7.0×10−6−1以下である。
【0017】
このような導電性粒子は、従来公知の導電性材料から選択することができる。金属製であってもよく、セラミックス製であってもよいが、好ましくは、導電性セラミックス等の粒子とする。具体的には、ZrB、TiB及びTaB、ZrN、TiN、ZrC、TiC、TaC、WC及びWからなる群から選択される1種または2種以上を用いることができる。より好ましくは、ZrBおよび/またはTiBである。ZrBおよびTiBは、絶縁性マトリックスとのぬれ性も良好であるため、緻密な複合材料を得ることができる。ZrBは、室温でおおよそ1.0×10−6Ωcm程度の抵抗を有しており、既存のIH調理器用の複合材料原料として好適である。
【0018】
なお、導電性粒子の形態は特に限定しないで、球状、不定形状、繊維状、針状、薄片状等とすることができる。通常、球状粒子を用いることが多い。導電性粒子の径は特に限定しないが、好ましくは、平均粒径が約1μm〜約100μmであり、より好ましくは、約10μm〜約50μmである。なお、後述するが、本複合材料の作製にあたっては、導電性粒子の表面の一部には第1の絶縁性材料を有していることが好ましい。
【0019】
(絶縁性マトリックスの構成材料)
(第1の絶縁性材料)
第1の絶縁性材料は、導電性粒子と反応性がないか反応性がほとんどないセラミックス材料を用いることが好ましい。また、耐酸化性を有していることが好ましく、また、好ましくは耐硝酸性を有している第1の絶縁性材料は、その抵抗が1.0×10−1Ωcm以上であることが好ましい。より好ましくは1.0Ωcm以上である。
【0020】
第1の絶縁性材料は、複合材料焼成後の冷却過程を基準とする膨張率曲線において、当該第1の絶縁性材料の膨張率(lm1)と前記導電性粒子の膨張率(l)との差(lm1−l)が当該複合材料の昇温過程のいずれかの温度において負から正へと転換する材料を用いることが好ましい。このような材料を用いることで、当該温度領域でPTC特性を発現させ、導電経路の切断が可能となる。また、この温度領域近傍において自己温度制御させることができる。
【0021】
このような熱膨張特性を有する材料は、狭い温度範囲で膨張率が増大する材料であることが好ましい。具体的には、10℃あたり0.03%以上3%以下程度の膨張率の増大幅を有していることが好ましい。前記増大幅は好ましくは1.0%以上2.0%以下である。このような不連続な膨張率の増大幅を有していれば、相転移温度は前記転換温度におおよそ一致し、自己温度制御を相転移温度近傍で確実に行うことができる。
【0022】
上記した熱膨張特性を有する絶縁性材料は、多くの場合、温度の上昇に伴って相転移して膨張する結晶性材料である。このような材料を用いると、相転移に伴う当該熱膨張率の変化を利用して、効果的にPTC特性を発現させることができる。
【0023】
また、第1の絶縁性材料として複合材料の作製時(焼成時)において導電性粒子間に発生する残留応力が、温度上昇に伴い圧縮から引張りに転換する材料を用いることで大きな抵抗率の温度係数(1℃あたりの抵抗率増加量)を発現させることができる。このような絶縁性材料を用いることで、温度上昇に伴い導電性粒子間に作用する圧縮応力が徐々に緩和し、次いで引張り応力に変化することで、効果的に導電性粒子間のつながりが切断されるからである。
【0024】
このような残留応力変化を発現する絶縁性材料は、複合材料焼成後の冷却過程を基準とする膨張率曲線において、第1の絶縁性材料の膨脹率(lm1)と前記導電性粒子の膨張率(l)との差(lm1−l)が、昇温過程のいずれかの温度において負から正へと転換する材料である。
このような転換は、導電性粒子と第1の絶縁性材料の組み合わせの他、それらの粒子の分散状態によっても変わってくる。したがって、複合材料に所望の上限温度における自己温度制御機能を付与しようとする場合、材料のみならず、複合材料の微細組織も考慮する必要がある。
収縮率変化曲線(膨張率変化曲線)は、複合材料作製時の温度と、使用しようとする材料の文献値あるいは実測による熱膨張係数、膨張率あるいは収縮率を利用して得ることができる。なお、本明細書においては、熱膨張係数及び膨張率(収縮率)の数値は、文献値による他、日本工業規格で規定されるJIS R1618に記載される方法に準じて測定することが好ましい。また、測定条件は、昇温速度を毎分10℃以下とすることが好ましい。
【0025】
図2に、導電性粒子としてZrBを採用した場合において、ZrBと第1の絶縁性材料として好ましいSiO(クリストバライト)との膨張特性について示す。図2は、複合材料としてこれらを1350℃で焼成した場合の冷却過程を基準とする膨張率変化を示している。この変化曲線は、同時に、作製した複合材料の昇温過程における膨張率の変化曲線でもある。
図2の曲線を、複合材料の昇温過程の膨張率曲線としてみるとき、クリストバライトの相転移温度である272℃近傍でZrBとクリストバライトとの膨張率曲線が交差し、昇温過程における当該交差点においては、クリストバライトの膨張率−ZrBの膨張率が負から正へと変化している。かかる急激な膨張率の変化を有する場合には、複合材料焼成時の温度が変動しても、転換温度はそれほど変動しない。なお、膨張率の正の変化が緩やかな場合には、第1の絶縁性材料の分散状態によって転換温度の変動幅が大きくなる。
【0026】
好ましい絶縁性材料としては、上記したクリストバライトの他、同じSiOの他の結晶形態であるトリジマイト、クォーツ、AlPO、Y添加ZrO等を用いることができる。これらは単独で使用してもよいし、第1の絶縁性材料として一定の熱膨張特性を有することができる限り、2種以上を組み合わせて用いることもできる。付与しようとする上限温度に併せて適切な絶縁性材料を選択する。
なかでも、第1の絶縁性材料としては、二酸化ケイ素(SiO)を用いることが好ましい。SiOは、上記した各種の導電性粒子との反応性が低く、特にZrBとの反応性がほとんどない点において好ましい。SiOは、異なる3つの結晶形態を有し、それぞれ相転移を有し、不連続的な正の熱膨張率変化を有している。クォーツは、573℃においてα型(低温型)からβ型(高温型)に相転移し、トリジマイトは、160℃及び420℃においてにおいて3種類の相転移が連続的に進行し、クリストバライトは272℃にてα型(低温型)からβ型(高温型)へと転移する。なかでも、クリストバライトは一般のIH調理器などにおける上限温度に近い272℃で相転移すること及び相転移時における熱膨張率変化が大きい点において好ましい。
なお、図2にはクリストバライトとZrBの冷却過程における熱膨張率の変化曲線を示したが、図3及び図4には、クォーツ及びトリジマイトにおける同様の熱膨張率変化曲線を示す。この図からも明らかなように、絶縁性材料の相転移温度及び相転移による熱膨張率の変化量によって、転換温度も相違するため、この絶縁性材料を用いて得られる上限温度も相違してくる。
【0027】
(第2の絶縁性材料)
第2の絶縁性材料は、第1の絶縁性材料とともに複合材料のマトリックスを形成する。第2の絶縁性材料は、第1の絶縁性材料と同様に、導電性粒子と反応性が低いかあるいはほとんどないセラミックス材料であることが好ましい。また、耐酸化性を有することが好ましく、また、耐硝酸性を有していることが好ましい。
第2の絶縁性材料は、第1の絶縁性材料と同様、その抵抗が1.0×10−1Ωcm以上であることが好ましい。より好ましくは1.0Ωcm以上である。
【0028】
第2の絶縁性材料は、室温から複合材料作製時温度の範囲においてほぼ一定の熱膨張係数を有し、導電性材料の熱膨張係数よりも小さいことが好ましい。これにより、複合材焼成後の冷却過程において第2の絶縁性粒子と導電性粒子との界面に引っ張り力を与えることができるため、再度温度上昇する過程において第1の絶縁性材料の急激な体積膨張によって導電性粒子のつながりが効果的に切断されやすくなる。複合材焼成温度を1400℃とすると、第2の絶縁性粒子の熱膨張係数(室温〜1400℃)は導電性材料の熱膨張係数よりも小さく、かつ、17×10−6−1より小であることが好ましい。そうでない場合には、第2の絶縁性粒子と導電性粒子との界面に圧縮応力が作用するため、再度温度上昇する過程において、導電性粒子のつながりが効果的に切断されにくくなる。また、誘導加熱の起動停止に伴う急峻な温度変化により熱衝撃破壊する。好ましくは、10×10−6−1より小であり、より好ましくは7.0×10−6−1より小である。
【0029】
このような第2の絶縁性材料としては、例えば、YSiO、コーディエライト(Cordierite)、ZrSiO等を挙げることができる。導電性粒子としてZrBを用いた場合のぬれ性や反応性を考慮すると、ZrSiOを用いることが好ましい。また、ZrSiOは、クリストバライトとのぬれ性も良好であるとともに、ZrBよりも低膨張であって、第1の絶縁性材料の昇温に伴う体積膨張を抑制し、複合材料の変形量を抑制できる。
【0030】
(複合形態)
既に述べたように、本複合材料は、図1に例示されるような複合形態を備えている。すなわち、第1の絶縁性材料の一部が導電性粒子の近傍に選択的に存在している。すなわち、当該一部がマトリックスの他の領域においてより多く(高濃度に)分布している。なお、第1の絶縁性材料は、導電性粒子の接触による導電性を妨げない範囲で導電性粒子の近傍に存在している。
このように第1の絶縁性材料が導電性粒子の近傍において高濃度に分布することにより、昇温過程における第1の絶縁性材料の正の熱膨張率変化によりパーコレーション構造を効果的に切断することができる。当該形態によれば、抵抗の大幅な上昇を少量の第1の絶縁性材料で達成することができる。すなわち、マトリックス全体を大きく熱膨張させなくても効果的にパーコレーション構造を切断させることができる。第1の絶縁性材料の配合比を少なくできることにより、複合材料全体における第1の絶縁性材料の体積膨張の悪影響を抑制できる。なお、ここで、導電性粒子の近傍とは、導電性粒子の表面を含み、当該表面から100μm以下の範囲をいい、より好ましくは、50μm以下の範囲をいう。この範囲において第1の絶縁性材料が第2の絶縁性材料よりも高濃度に存在している。
第1の絶縁性材料は、導電性粒子近傍にて高濃度に分布するものの、導電性粒子近傍以外のマトリックスにも分布する。第1の絶縁性材料が導電性粒子近傍以外の部分において存在することにより、導電性粒子近傍にある第1の絶縁性材料の体積膨張を許容して良好なPTC特性の発現を確保することができる。
【0031】
一方、マトリックスに第2の絶縁性材料を含有することにより、第1の絶縁性材料の熱膨張を抑制できる。この結果、PTC特性の発現を確保しつつマトリックスの変形量及びマトリックスにおけるクラックの発生を抑制できる。
【0032】
本複合材料は上記複合形態によりPTC特性を安定して発現し、耐熱サイクル疲労性が向上し、自己温度制御機能を安定発現できる。
複合材料が有する抵抗は、室温で1×10−2Ωcm以下であることが好ましく、5.0×10−3Ωcm以下であることがより好ましい。5.0×10−3Ωcm以下であれば、誘導加熱の発熱材料として使用可能である。より好ましくは2.0×10−3Ωcm以下である。
また、複合材料の有する抵抗の変化の範囲は、たとえば、複合材料の抵抗が室温近傍では5.0×10−4Ωcm以上5.0×10−3Ωcm(より好ましくは、5.0×10−4Ωcm以上1.0×10−3Ωcm以下)程度であり、上限温度近傍で5.0×10−3Ωcm以上5.0×10−2Ωcm(より好ましくは5.0×10−3Ωcm以上1.0×10−2Ωcm以下)程度の抵抗を発現することが好ましい。このような抵抗変化を有する場合、既存の電磁調理器(一例として、0.1kHz〜1000kHzの周波数範囲、より好ましくは、1〜100kHzの周波数範囲、さらに好ましくは25〜50kHzのもの)において好ましい自己温度制御機能を発現させることができる。
【0033】
本複合材料においては、導電性粒子は、絶縁性マトリックス中においてパーコレーション構造を形成することができる範囲で含まれている。導電性粒子の種類や大きさ等によっても異なるが、おおよそ10vol%以上40vol%以下であることが好ましい。10vol%未満であるとパーコレーション構造が形成されにくく、複合材料の抵抗率のバラツキが大きくなる。また、40vol%を超えると導電性粒子同士の接触数が多くなるために、第1の絶縁性材料を添加しても導電性粒子同士のつながりを切断することができずに、大幅な抵抗率変化をもたらすことができない。
また、第1の絶縁性材料にあっては、10vol%以上50vol%以下であることが好ましい。10vol%未満では絶縁性材料の大幅な体積膨張によっても導電性粒子同士のつながり切断することができない。また、50vol%を超えては第1の絶縁性材料の大幅な体積膨張によって複合材料が崩壊するからである。なお、このうちの一部は導電性粒子近傍に存在するようにするが、導電性粒子の表面全体に第1の絶縁性材料が存在しない範囲とする。
さらに、第2の絶縁性材料にあっては、10vol%以上80vol%以下であることが好ましい。10vol%未満では多量に添加される第1の絶縁性材料の大幅な体積膨張によって複合材料が崩壊するからであり、80vol%を超えては導電性粒子のパーコレーション構造が形成されない、もしくは、形成されたとしても、第1の絶縁性材料の添加量が少なすぎるために大幅な抵抗率変化をもたらすことができないからである。
【0034】
一例として、導電性粒子としてZrBを用い、第1の絶縁性材料としてSiO(クリストバライト)を用い、第2の絶縁性材料としてZrSiOを用いる場合には、ZrBを10vol%以上40vol%以下、SiOを10vol%以上50vol%以下、ZrSiOを10vol%以上80vol%以下とすることができる。当該範囲未満では、導電性粒子のパーコレーション構造が形成されないからであり、当該範囲を超えてはSiOの大幅な体積膨張によって複合材料が崩壊するからである。
また、前記SiOのうち一部を複合材料の室温近傍の抵抗が5.0×10−4Ωcm以上5.0×10−3Ωcm以下となる範囲で導電性粒子近傍に高濃度に分布させるようにする。
【0035】
なお、本複合材料にあっては、導電性粒子、第1の絶縁性材料及び第2の絶縁性材料の他、本発明の自己温度制御機能を妨げない限り、他の構成材料を含めることができる。このような構成材料としては、Y添加ZrO、YSiO等を挙げることができる。
また、本複合材料の表面には複合材料のマトリックス材料の少なくとも一部の材料や異種の材料による被覆層を設けることもできる。この被覆層は、本複合材料の用途や使用環境等に応じて適宜選択して形成することができる。このような被覆層を形成する方法は、当業者において周知である。例えば、ZrSiOは、耐酸化性及び耐硝酸性に優れるため、このコーティング層を複合材料表面に設けることにより、耐酸化性及び耐硝酸性に優れた複合材料を得ることができる。また、本複合材料は、異なる組成のセラミックス材料や異なる材料(金属など)からなる構造体の一部分として備えられていてもよい。
【0036】
(複合材料の作製)
本複合材料は、上記した導電性粒子、第1の絶縁性材料及び第3の絶縁性材料を含む組成物を上記複合形態が得られるように成形し、焼成することによって得ることができる。
本複合材料を得るのに好ましい方法としては、前記組成物を得るのに先だって、導電性粒子表面の一部を第1の絶縁性材料で被覆する二次粒子化工程を実施し、その後得られた所定の配合比となるように、他の材料を混合し、成形し、焼成する方法を挙げることができる。あらかじめ、導電性粒子に第1の絶縁性材料が複合化された二次粒子を用いることにより、導電性粒子近傍(特に、表面)において、他の領域よりも高濃度に第1の絶縁性材料を分布させることができる。なお、二次粒子化に際しては、複合材料を構成する全ての導電性粒子を二次粒子化してもよいがその必要はなく、導電性粒子の一部を二次粒子化するに留めても差し支えない。
【0037】
本二次粒子化を行うにあたっては、導電性粒子の平均粒子径に対する第1の絶縁性粒子の平均粒子径は10%以下であることが好ましく、より好ましくは、5%以下、さらに好ましくは2%以下である。第1の絶縁性材料の粒子径が導電性粒子よりも小さいほど、第1の絶縁性材料によるPTC特性を効果的に発現させることができる。
第1の絶縁性材料は、導電性粒子の表面全体を被覆しない程度とする。全体を被覆すると、複合材料における抵抗が10−1Ωcm以上となり、誘導加熱による発熱が困難となるからである。
【0038】
本二次粒子材料を得るには、従来公知の各種方法を採用することができる。例えば、噴霧熱分解法、ゾルゲル法、機械的処理等を用いることができるが、好ましくは、機械的処理により複合化する。
機械的処理法としては、例えば、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所)、コスモス(川崎重工業)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン)、メカノミル(岡田精工)、シータ・コンポーザー(徳寿製作所)などの粒子複合化装置を用いた複合方法を採用することができる。被覆型複合化粒子の作成技術を含む機械的粒子複合化技術については、内藤牧男、機械的粒子複合化技術の現状と展望(粉体と工業(VOL.25,No.5(1994)、第31頁〜42頁)に詳細に記載されている。
【0039】
ここで、機械的な混合処理とは、摩擦力、圧縮力、及び剪断力のうちいずれか一種以上の機械的力を一次粒子である導電性粒子と第1の絶縁性材料の混合物に作用させる処理をいう。
また、かかる機械的処理は、一次粒子粉末が流動する状態で行うことが好ましい。また、上記機械的力は、断続的に、間欠的に作用させることが好ましい。さらに、上記機械的力のうち、剪断力と圧縮力とを同時に付与するように行うことが好ましく、さらに好ましくは、これらの力を断続的に作用させることが好ましい。このような機械的処理によれば、一次粒子の混合と複合化とを、核となる導電性粒子の形状を維持しつつ達成することができる。
具体的には、これらの一次粒子粉末が実質的に流動している状態で、瞬間的に剪断力と圧縮力とを作用させることを繰り返すように混合することが好ましい。なお、本処理法によれば、導電性粒子に対して、少ない量の第1の絶縁性材料を被覆させることができる。また、被覆量を容易に調整できるという利点がある。
【0040】
なお、この方法により二次粒子化を行うにあたり、混合する導電性粒子の量が一次粒子混合物全体の
25vol%を超えると、導電性粒子材料の表面の多くが第1の絶縁性材料で被覆されてしまい、適切な抵抗が得られなくなる。したがって、本法により二次粒子化を行う場合、導電性粒子と第1の絶縁性材料との混合比(体積)は、90:10〜80:20の範囲であることが好ましい。第1の絶縁性材料が10vol%未満の場合には、有効な複合化を行うことができないからである。より好ましくは、90:10〜85:15である。
【0041】
このようにして調製した二次粒子含有粉末(各一次粒子(導電性粒子、絶縁性材料)を含む場合もある)を残部の材料と混合し、複合材料用の組成物を調製する。この複合化処理後の二次粒子含有粉末は、本複合材料を得る材料として有用である。
二次粒子含有粉末に、第2の絶縁性材料と、残部がある場合には第1の絶縁性材料及び/又は導電性粒子を配合し、混合して均一な最終的な複合材料用組成物を得る。
次いで、この組成物を成形し、焼成することによって、本複合材料を得ることができる。組成物の調製方法及び成形方法は、セラミックス粉末の混合及び成形に一般に用いられる各種方法をそれぞれ採用することができる。焼成温度、焼成温度や雰囲気は、用いる原料の種類に応じて選択される。また、適宜、複合材料に自己温度制御させようとする上限温度及び焼成後に得られる複合材料の有する残留応力の昇温に伴う変化特性等を考慮して決定することができる。
【0042】
このようにして得られる本複合材料は、既に述べたようにPTC特性を有する導電性材料であり、電磁誘導により発熱し、発熱時において自己温度制御機能を発現することができる。したがって、本複合材料は、電磁誘導発熱材料として有用である。
自己温度制御機能における上限温度は、用途に応じて相違する。例えば、IHヒーター用の加熱装置の場合、保温を目的とする場合は70〜120℃程度であり、調理を目的とする場合には180℃〜200℃程度である。また、IHヒーター用であって、汚水の微生物浄化用加熱装置や鑑賞魚用加熱装置の場合、20℃〜40℃程度である。
【0043】
また、本複合材料は、導電性を有することに基づいて放電加工等の各種加工が可能であり、高精度でかつ形状自由度の高い加工が可能となるため、導電性構造用部材に好ましく利用できる。
さらに、本複合材料は、加熱により抵抗が大きく変化するというPTC特性を有している。したがって、過熱時に導電性を遮断できることから、過昇温防止システム等の用途に用いることができる。
なお、本複合材料は、既に述べたように耐熱サイクル疲労性に優れている。したがって、電磁誘導発熱材料として、また、PTC特性による過昇温防止用材料として、長期安定的に使用可能な材料となっている。
【0044】
また、本複合材料は、自己温度制御機能を有するため、家庭用の電磁誘導加熱用の加熱装置あるいはその材料として有用である。例えば、鍋、フライパン、プレート等の各種調理用具の全体あるいは一部とする他、保温プレートなどの保温用具、調理や保温に用いられる食器の全体あるいは一部として利用した電磁誘導加熱装置とすることができる。特に、複合材料の抵抗が室温近傍では5.0×10−4Ωcm以上5.0×10−3Ωcm(より好ましくは、5.0×10−4Ωcm以上1.0×10−3Ωcm以下)程度であり、上限温度近傍で5.0×10−3Ωcm以上5.0×10−2Ωcm(より好ましくは5.0×10−3Ωcm以上1.0×10−2Ωcm以下)程度の抵抗を発現する場合には、既存の電磁誘導手段に適合した電磁誘導加熱装置を提供できる。
特に、本加熱装置によれば、自己温度制御可能であるために、温度の過度の上昇により調理用具における調理物の調理面へのこびりつきを有効に防止できる。このため、従来、こびりつき防止のために調理面にしなければならなかった非粘着層や耐熱塗装やディンプル加工を排除することができる。また、非粘着層や耐熱塗装を排除できることにより、過熱時においてこれらが剥離するという問題も解決することができる。
【0045】
さらに、本複合材料は、少なくともマトリックスをセラミックスとするセラミックス系材料であるため、耐水性及び耐酸性に優れている。したがって、水などの液体中で使用する電磁誘導ヒーター用の加熱装置あるいはその材料として有用である。例えば、汚水などを微生物で浄化処理するのに用いるヒーターとしては、金属製ヒーターは、微生物の代謝により産生される硝酸による腐食の問題があり、耐硝酸性を備えるヒーターが要望されている。本複合材料によれば、耐硝酸性に優れた材料を用いることにより、容易に耐硝酸性に優れた加熱装置を構成することができる。
また、本複合材料を用いることによりプレート状、容器形状等、処理槽の形状に適合した所望の形状の加熱装置を容易に作製することができる。
特に、本複合材料においては、導電性粒子近傍に絶縁性材料が高濃度に分布している。このような複合形態にあっては、導電性粒子が耐硝酸性に劣っていても耐硝酸性を有する絶縁性材料が近傍に配置することにより、耐硝酸性の優れた加熱装置を容易に構築することができる。さらに、耐硝酸性に優れたセラミックスからなる被覆層を備えることで、さらに高い安定性を付与することができる。
なお、当該加熱装置としては、この他、鑑賞魚用水槽用ヒーター、浴槽用ヒーター等にも有用である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を具体例にて説明するが、以下の具体例は、本発明を説明するものであって、本発明を限定する意図ではない。
(実施例1)複合材料の作製と評価
1)クリストバライトの合成
クリストバライトは、SiOの結晶形態の一つであり、最も高温下で形成されるものである。クォーツからクリストバライトへの相転移は、Si−O結合が切断されなければならないため、転移速度は非常に遅く、温度変化のみによりクリストバライトを作製するのは困難であったので、TiOをSiO(クォーツ)に添加してクリストバライトを合成した。合成法としては、所定量のSiO(クォーツ)と2wt%のTiO粉末をエタノール中でボールミル混合(プラスチックボール)した後、振動流動乾燥(70℃)によってエタノールを除去し、大気中1400℃で24時間処理した。その後、この粉末をボールミル混合(ジルコニアボール)により解砕して微細化した。得られたクリストバライト粒子の平均粒子径は0.7μmであった。
【0047】
2)二次粒子の合成
次に、楕円ローター型の粉体混合複合装置(株式会社 徳寿工作所製、THC−LAB・200)を用いてZrB粒子の表面にクリストバライト粒子を部分的に付着させ、二次粒子を合成した。
この装置は、円筒容器の中央部に楕円ローターが設置されており、これらが反対方向に同時に回転する構造を有する。初めに円筒容器中に、旭ガラス株式会社製のZrB粒子(平均粒径35μm)と既に合成したクリストバライト粒子(平均粒径0.7μm)を体積比でZrB:クリストバライト=90:10となるように投入した後、ローターを2000rpm、円筒容器を50rpmで相互に反対方向に回転させた。小径粒のクリストバライト粒子の一部が大粒径のZrB粒子の表面に付着し、そのような二次粒子を含む二次粒子含有粉末を得ることができた。
【0048】
3)複合材料の作製
二次粒子含有粉末に、クリストバライトとZrSiO(ナラカイテスク株式会社製、平均粒径1.6μm)を添加して、最終の配合比(体積比)がZrB:クリストバライト:ZrSiO=30:35:35になるように調製した。その後、エタノール溶媒中にてボールミル混合(プラスチックボール使用、混合時間12時間)した後、振動流動乾燥(70℃)によってエタノール除去後、金型成形し、Ar中にて1300℃でホットプレス成形(1時間保持、プレス圧40MPa)し、実施例の複合材料を得た。
なお、上記した二次粒子化工程を実施しないで、単にZrB、クリストバライト、ZrSiOを実施例と同様の配合比で調製したものについても同様の条件で混合、成形、焼成して複合材料を作製し、比較例1とした。また、クリストバライトに替えてZrSiOを用い、ZrB以外の全量をZrSiOとして配合したものについても、同様の条件で混合、成形及び焼成して複合材料を作製し、比較例2とした。
なお、実施例及び比較例の組成を表1に示す。
【表1】
Figure 2004359526
【0049】
4)抵抗の測定
作製した実施例及び比較例の各複合材料について、その抵抗を4端子法にて測定した。
複合材料を25mm×3mm×3mmのサイズに加工して試験片を調製し、直径0.3mmのPt線にて電極を取り付け、これをAgペーストにて固定した。測定にはガルバノスタット(SOLORTRON、型式:1286Electorical Interface)を使用し、所定温度(Ar)中にて一定電流を流したときに発生する電位差を測定した。抵抗(Ωcm)は、以下の式から算出した。
ρ=S/L・ΔE/I
ただし、I:試料を流れる電流(A)、ΔE:電圧プローブ間の電位差(V)、L:電圧プローブ間の電極長さ(cm)、S:試料の断面積(cm)である。
【0050】
図5に、各複合材料の抵抗の温度依存性を示す。実施例の複合材料は、200℃付近でクリストバライトの低温型から高温型への相転移に伴う急激な抵抗の不連続な増加が認められた。しかも、この温度域における抵抗変化は10−3から10−1Ωcmであり、IH調理器で発熱停止させるのに十分な変化となっていた。
これに対して、比較例1は、200℃付近において、クリストバライトの相転移に伴う抵抗の不連続な増加が認められたが、その変化は小さかった。また、比較例2は、抵抗が10−4Ωcmオーダーであり、温度上昇に伴い直線的に増大した。
以上のことから、クリストバライトをZrSiOとともにマトリックスに分散させることにより、クリストバライトの熱膨張による導電性粒子間切断の効果を見出すことができるが十分ではなく、クリストバライトをZrB粒子表面に予め付着させておくことにより、クリストバライトの熱膨張により導電性粒子の接触状態を効果的に切断できることがわかった。このことから、導電性粒子近傍、特に表面に接触してクリストバライトが他の部分よりも高濃度に存在することが効果的であることがわかった。
【0051】
さらに、実施例の複合材料について、室温〜600℃の昇降温を所定数繰り返した後、抵抗の温度依存性に及ぼす熱サイクルの影響を評価した。なお、600℃での保持時間を5分間とした。結果を図6に示す。
図6に示すように、実施例1の複合材料にあっては、10,000回の昇降温にもかかわらず、抵抗の温度依存性はほとんど変化しなかった。このことから、耐熱サイクル疲労性に優れることが確認できた。
【0052】
(実施例2)自己温度制御性の評価
直径140mm×厚さ4mmの円盤とし、焼成時のプレス圧力を6MPaとする以外は、実施例1と同様にして実施例2の複合材料を作製した。また、成形及び焼成時の条件を実施例2の条件を採用する以外は、比較例1及び2と同様にして比較例3及び4の複合材料をそれぞれ作製した。
これらの複合材料につき、家庭用の100V電磁誘導加熱調理器を用いて、複合材料の発熱特性を評価した。それぞれの複合材料をトッププレート上部に載置し、誘導コイルの幅方向中央部付近に熱電対を設置し、調理器起動時から複合材料表面の温度変化を計測した。図7に、複合材料表面温度の経時変化を示す。
【0053】
図7に示すように、実施例2の複合材料にあっては、試料表面温度が約200℃で一定となり、温度変動が少ない自己温度制御が可能となった。これは、図5に示すように約200℃で大きな抵抗の増大を発現するからであり、これにより渦電流が流れなくなり速やかに発熱停止に至った。その後は、試料表面の温度降下に伴い抵抗が急激に低下するため渦電流が再び流れて発熱し、さらに再び約200℃で速やかに発熱停止に至るため、安定して約200℃を維持したということができる。
一方、比較例3にあっては、一旦、450℃まで到達後、300℃〜400℃超の範囲で大きく変動した。比較例3にあっては、約250℃でクリストバライトの相転移により10−3Ωcmから抵抗が増大するがその増加幅が小さいため、当該温度近傍で渦電流が流れなくなることはなく、さらに相転移温度を超えて抵抗が10−2Ωcmに近づく450℃あたりでやっと渦電流が流れなくなる。抵抗が徐々に変化する場合には、渦電流の通電停止と開始の間隔が長くなるために、結果として、通電停止と通電開始との間の温度変動が非常に大きくなってしまい、自己温度制御機能を発現し得なくなっていると思われる。また、このような緩やかな抵抗変化は、複合材料の微細組織の不均一性に由来するわずかの抵抗のばらつきによって、渦電流の経路も大きく変動することになり、当該観点からも高精度の自己温度制御機能を発現させることは困難と考えられた。
さらに、比較例4にあっては、調理器の過熱防止温度センサーにより過熱防止機構が作動して、強制的に電磁コイル内を流れる電流が遮断され発熱が停止した。比較例4にあっては、材料の抵抗自体が低く、かつ温度とともに徐々にしか抵抗が増加しないため、電磁誘導により急激に過熱された。
以上のことから、自己温度制御機能を発現させるには、ある温度近傍で急激な抵抗の増加を発現することが好ましく、相転移温度近傍における抵抗の増加を利用することで、容易に自己温度制御機能を確実にかつ良好な温度維持性をもて達成することができる。
【0054】
(実施例3及び4)耐食性の評価
40mm×30mm×5mmの板体とする以外は、実施例1と同様にして実施例3の複合材料を作製した。この複合材料の全面をZrSiO粒子(ナカライテスク株式会社製、平均粒径1.6μm)を大気プラズマ溶射により100μmの厚さに被覆したものを実施例4の複合材料とした。さらに、ZrB単体(100vol%)の板体をAr中、2000℃でホットプレス焼成(1時間保持、プレス圧40MPa)し、その後、30mm×20mm×4mmの寸法に切断し、比較例5とした。
【0055】
蒸留水に硝酸を適当量添加し、水溶液のpHを3に調整して硝酸水溶液を調製した。水熱腐食試験装置のガラス容器に複合材料を設置し、硝酸水溶液400mlを注入した。複合材料単位面積あたりの水溶液の量はV/A=25cm/cmであった。硝酸水溶液の影響のみを評価するために、Arガス曝気により硝酸水溶液内の溶存酸素を除去し、その後水溶液温度を95℃に昇温し、最高250時間浸漬させた。評価には、単位面積あたりの質量減量((試験前重量)−(試験後重量))/(複合材料の表面積)を用いた。単位面積当たりの質量減量と浸漬時間との関係を図8に示す。
【0056】
図8に示すように、実施例3の複合材料の質量減量は比較例5に比べて約10分の1であった。さらに、硝酸に対して安定なZrSiOの被覆を施した実施例4の複合材料にあっては、比較例5の減量の100分の1までに低下させることができた。
SiOとZrSiOとは硝酸に対して安定であるが、ZrBは不安定であることを考慮すれば、ZrSiO被覆することによる耐酸性(耐硝酸性)の向上は明らかであった。
以上のことから、本複合材料には耐酸性等の被覆を施すことにより、液中、特に微生物を用いた処理で想定される硝酸に耐性を持った電磁誘導発熱装置を提供することができることがわかった。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、安定して自己温度制御機能を維持する導電性セラミックス複合材料及び電磁誘導による加熱装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合材料の複合形態を模式的に示した図である。
【図2】ZrB(導電性粒子)とクリストバライト(第1の絶縁性材料)についての1300℃からの冷却過程における熱膨脹率の変化曲線を示す図である。
【図3】ZrB(導電性粒子)とクォーツ(第1の絶縁性材料)についての1300℃からの冷却過程における熱膨脹率の変化曲線を示す図である。
【図4】ZrB(導電性粒子)とトリジマイト(第1の絶縁性材料)についての1300℃からの冷却過程における熱膨脹率の変化曲線を示す図である。
【図5】実施例1の複合材料と比較例1及び2の複合材料の抵抗の温度依存性を示すグラフ図である。
【図6】実施例1の複合材料の抵抗の温度変化に対する熱サイクル数の影響を示す図である。
【図7】実施例2の複合材料と比較例3及び4の複合材料の各表面温度の経時変化を示す図である。
【図8】実施例3及び4の複合材料と比較例5の複合材料の水熱腐食試験における質量変化量の経時変化を示す図である。

Claims (14)

  1. 導電性セラミックス複合材料であって、
    パーコレーション構造を形成する導電性粒子と、
    当該導電性粒子を保持し、第1の絶縁性材料と第2の絶縁性材料とを有する絶縁性セラミックスマトリックス、
    とを備え、
    前記第1の絶縁性材料は、温度上昇に伴い熱膨張係数が増大する温度領域を有し、その一部は前記導電性粒子の近傍に選択的に配置され、
    前記第2の絶縁性材料は、少なくとも前記温度領域においてほぼ一定の熱膨張係数を有する、複合材料。
  2. 前記第1の絶縁性材料は、複合材料焼成後の冷却過程を基準とする膨張率曲線において、当該第1の絶縁性材料の膨張率(lm1)と前記導電性材料の膨張率(l)との差(lm1−l)が当該複合材料の昇温過程のいずれかの温度において負から正へと転換する材料である、請求項1に記載の複合材料。
  3. 前記第1の絶縁性材料は相転移する材料である、請求項1又は2に記載の複合材料。
  4. 前記第2の絶縁性材料は、前記温度領域において相転移しないセラミックス材料である、請求項1又は2に記載の複合材料。
  5. 前記導電性粒子はZrBである、請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料。
  6. 前記第1の絶縁性材料は、二酸化ケイ素であり、クリストラバイト、トリジマイト、及びクォーツからなる群から選択されるいずれかである、請求項1〜5のいずれかに記載の複合材料。
  7. 前記第2の絶縁性材料は、ZrSiOである、請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料。
  8. 前記導電性粒子と、前記第1の絶縁性材料と前記第2の絶縁性材料とを含有し、前記導電性粒子の少なくとも一部はその表面の一部を前記第1の絶縁性材料で被覆した二次粒子である組成物を、成形、焼成して得られる、請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の複合材料で形成された発熱部位を有する電磁誘導による加熱装置。
  10. 導電性セラミックス複合材料用原料であって、導電性粒子表面の一部を、温度上昇に伴い熱膨張係数が増大する温度領域を有する絶縁性材料で被覆した二次粒子を含む、原料。
  11. 導電性セラミックス複合材料用組成物であって、
    温度上昇に伴い熱膨張係数が増大する温度領域を有する第1の絶縁性材料と、少なくとも前記温度領域においてほぼ一定の熱膨張係数を有する第2の絶縁性材料と、
    表面の一部が前記第1の絶縁性材料で被覆された導電性粒子、
    とを含有する、組成物。
  12. 前記導電性粒子は、ZrBである、請求項11記載の組成物。
  13. 前記絶縁性材料は、二酸化ケイ素であり、クリストラバイト、トリジマイト、及びクォーツからなる群から選択されるいずれかである、請求項11又は12に記載の組成物。
  14. 導電性セラミックス複合材料の製造方法であって、
    導電性粒子と、温度上昇に伴い熱膨張係数が増大する温度領域を有する第1の絶縁性材料と、少なくとも前記温度領域においてほぼ一定の熱膨張係数を有する第2の絶縁性材料とを含む組成物を成形し、焼成する工程を有し、
    当該工程に先だって、前記導電性粒子表面の一部を前記第1の絶縁性材料で被覆する二次粒子化工程を備える、方法。
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