JP2004359525A - 食品残渣の堆肥化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】食品残渣の大量処理時における切り返しの必要性を排除する。悪臭やハエの発生を防止し、最終結果物の肥効性を高め、設備コストを抑える。
【解決手段】有用微生物を添加した上で食品残渣を強制的に発酵乾燥させる第一の処理段階と、第一の処理段階で得られる発酵乾燥資源に、発酵促進用の有用微生物および副資源を添加して攪拌する第二の処理段階と、第二の処理段階で得られる堆肥用資源を発酵熟成させる第三の処理段階とからなり、前記第二の処理段階で用いる有用微生物は、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤とから構成し、副資源は、土粒還元性のある空隙形成材によって構成する一方、第三の処理段階では、堆積させた堆肥用資源の表面に、吸水性のある粉粒材を散布する。吸水性のある粉粒材は、貝化石、サンゴ化石、活性炭、木炭、角閃石、セラミックス等を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】有用微生物を添加した上で食品残渣を強制的に発酵乾燥させる第一の処理段階と、第一の処理段階で得られる発酵乾燥資源に、発酵促進用の有用微生物および副資源を添加して攪拌する第二の処理段階と、第二の処理段階で得られる堆肥用資源を発酵熟成させる第三の処理段階とからなり、前記第二の処理段階で用いる有用微生物は、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤とから構成し、副資源は、土粒還元性のある空隙形成材によって構成する一方、第三の処理段階では、堆積させた堆肥用資源の表面に、吸水性のある粉粒材を散布する。吸水性のある粉粒材は、貝化石、サンゴ化石、活性炭、木炭、角閃石、セラミックス等を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大量の食品残渣を肥効性の高い堆肥に転換処理する技術に係り、特に堆肥化資源である食品残渣を堆肥舎にストックした後、切り返しの処理を不要とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食店から排出される調理ごみ・食べ残し、市場等から排出される水産/農業廃棄物等の食品残渣は、焼却処分などの好ましい処分に多額のコストを要するため各自治体において深刻な問題となっている。
【0003】
食品残渣の廃棄処理に関する提案は従来から各種なされている。例えば、各家庭や飲食店等の事業施設で生ずる少量の食品残渣は、比較的小型の処理装置を用いて個別に処理することが可能であるとされる。このような処理装置としては、例えばドラム内に攪拌手段を備える装置(特開2002−128585、特開2002−200471)、熱風を供給しながら攪拌する装置(特開2003−019475)などが知られている。これらの処理原理は、EM(Effectiv Microorganisms)と総称される有用微生物群を用いて攪拌する点で共通する。
【0004】
EMは、一般土壌や大気中に圧倒的な数で存在する腐敗菌(有機物を分解させる)の中にあって微生物相を蘇生方向に転換する性質があり、ブレンドする基本的な微生物の種類等技術的にはすでに確立されている。
【0005】
一方、大量の食品残渣を処理して堆肥などの有用物に転化する従来の方法は、食品残渣を破砕/分別して有用微生物を添加し、この堆肥化資源(堆肥に添加するための資源材料)を堆肥舎に積み込んで発酵熟成させる。このような方式の大量処理においては、堆肥舎に積み込んだ堆肥化資源の発酵を促進するため、ショベル装置等の機材類を用いて適当な周期で切り返しを行う。切り返しを行わないと、微生物に対する十分な酸素の供給が行えないためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の技術の問題は次の通りである。
まず、ホテル・レストランや食品工場など事業所から排出される食品残渣は、有用微生物を添加した上で強制的な発酵乾燥処理を行うため、廃棄物としての後段処理は比較的容易である。水分含有率も少ないため、そのまま廃棄処分することも可能だからである。
【0007】
しかしながら、このような発酵乾燥処理を行っただけでは、その結果物を肥効性の高い堆肥として利用することが難しい。発酵乾燥物であり、土粒性であるから堆肥類似の営みはするが、使用量と使用効果との関係では天然肥料(堆肥)として評価できるほどの効果をあげないからである。
【0008】
一方、堆肥化資源を堆肥舎に堆積させて処理する食品残渣の発酵熟成方法から得られる結果物は、堆肥として使用できる程度の肥効性を獲得する点では優れる。
【0009】
しかし、このような大量処理場における問題は、第一に、食品残渣の腐敗と酸化分解による有害ガスの発生があり、定期的な切り返し作業に伴う有害ガスの大量放出によって、処理場内に留まらず近隣まで悪臭を飛散させる点、第二に、発酵乾燥熟成過程におけるハエの発生がある。
【0010】
第三に、定期的な切り返し作業を必然とするため、堆肥化資源の発酵熟成過程で生じる内部エネルギーの放出が非常に多く、堆肥として有効に働く各種の成分を無駄に外気に放散させている。この結果として、最終結果物の肥効性は、食品残渣がもつ本来的な堆肥機能が失われる(肥効性が低くなる)という問題がある。
【0011】
さらに云えば、切り返し処理に伴って発生する装置コスト、人件費など、設備費用が高騰しやすい点がある。処理コストが高まると、結果物の販売コストに反映されるため利潤確保が難しくなる。
【0012】
そこで、本発明の目的は、堆肥化資源を堆肥舎に堆積させる食品残渣の大量処理における切り返しの必要性を排除することによって、悪臭やハエの発生を極力防止し、最終結果物の肥効性を高め、設備コストを最小限度に抑える点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る食品残渣の堆肥化方法は、有用微生物を添加した上で食品残渣を強制的に発酵乾燥させる第一の処理段階と、第一の処理段階で得られる発酵乾燥資源に、発酵促進用の有用微生物および副資源を添加して攪拌する第二の処理段階と、第二の処理段階で得られる堆肥用資源を発酵熟成させる第三の処理段階とによって構成する。また第二の処理段階で用いる有用微生物は、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤とから構成し、副資源は、土粒還元性のある空隙形成材によって構成する一方、第三の処理段階では、堆積させた堆肥用資源の表面に、吸水性のある粉粒材を散布する(請求項1)。
【0014】
吸水性のある粉粒材は、貝化石、サンゴ化石、活性炭、木炭、角閃石、セラミックスから選択された一以上の素材を用いる場合がある(請求項2)。
【0015】
【作用】
本発明に係る食品残渣の堆肥化方法は、発酵乾燥処理、副資源添加、堆肥舎への堆積、という三段階の処理方法をとる。
【0016】
第一の処理段階において発酵乾燥処理を施すため、また有用性微生物を用いるため、爾後の発酵処理(第三の処理段階)における堆肥化資源の腐敗進行はみられず、有害ガスの発生は微少である。有用微生物は、腐敗菌のような酸化作用(腐敗)を営むのではなく抗酸化、すなわち発酵作用をもつためである。従って、本発明に係る処理方法によれば、従来必要とされた発酵処理中の切り返しを行う必要はない。また切り返しの必要がないため、有効エネルギーの放散を抑えることが出来、有用微生物の抗酸化力によって悪臭の発生やハエの発生を極力抑えることが出来る。切り返しの必要がないため、設備コストや作業コストも最小限に抑えることが出来る。
【0017】
第二の処理段階において土粒還元性のある空隙形成材、例えば籾殻や土粒等の副資源を添加する理由は、主として堆肥舎に積み込んだ堆肥化資源の内部に微小な空隙を形成し、有用微生物に酸素と活動場所を提供するためである。微小空隙は、堆積物が外気を導入・排出することを助け、また同時に添加する有用微生物の住処となって彼らの活動を支援する。
【0018】
第二の処理段階において、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤を同時に加えるのは、第一の処理段階で得られた発酵乾燥資源に十分な有用微生物を提供すると同時に、有機性残渣物の発酵乾燥物である発酵促進剤を加えることによって、微生物相を好ましい蘇生方向へ転換させる有用微生物の餌(栄養源)を十分に供給するためである。また、有機性残渣物の発酵乾燥物である発酵促進剤を加えることで、大量に処理しようとする食品残渣の処理能率が格段に飛躍する利点がある。
【0019】
このようにして微生物の活動による緩やかな発酵熟成を行い、堆積物が内部に蓄えている養分エネルギーを無用に放散させることなく、そのまま堆肥化処理する。第二の処理過程によって得られる堆肥用資源は、微生物相を良好に転換させる十分な有用微生物と、微生物の活動を支援する住処(空隙;酸素供給原)と栄養源があるから、切り返しをまったく行わなくても有用微生物の活動だけで堆肥用資源を発酵熟成させることが出来る。
【0020】
但し、発酵熟成の過程で、有用微生物以外の腐敗菌の活動に伴う堆肥用資源の腐敗現象が若干ではあるが生ずることがある。このときの腐敗現象は、僅かであり激しい悪臭を発生させるほどではないが、ハエが発生することがある。そこで、ハエの発生を抑えるため、吸水性のある各種の粉粒材を用いる。例えば、貝化石、サンゴ化石、木炭、角閃石、セラミックス等である(請求項2)。
【0021】
貝化石粉末や木炭粉末のように、吸水性があり、しかも水の分子構造の鎖を寸断して浄水機能を示す素材は、腐敗に伴う汚れた水分を速やかに浄化する作用を示すため、ハエも発生しにくく、好ましい結果を得る。ハエの発生は、水分が集中しやすい部分、とくに壁面に接している関係で水分の蒸発効率が悪くなる堆肥用資源の外周部にみられる。このため浄水作用をもつ粉粒材は、少なくとも堆肥用資源の外周部に散布する。もちろん表面全体に散布しても良いが、その場合でも外周部には中央部以上に多量に散布することが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る食品残渣の堆肥化方法の一実施形態を示すものである。この実施形態に係る堆肥化方法は、自治体における大量の生ゴミの処理を想定したもので、ホテルや食品工場などの事業所10から排出される生ゴミ(食品残渣)と一般家庭12から排出される生ゴミの一次処理(発酵乾燥処理)S1を、別々に行う。
【0023】
ホテルや食品工場などの事業所10から排出される食品残渣は、基本的には、その事業所が備える発酵乾燥処理装置を用いて第一次の処理を行う。第一次処理の前には、生ゴミを適当な大きさに破砕する処理10−S1を行い、破砕した生ゴミを発酵乾燥処理装置において処理する(10−S2)。この発酵乾燥処理(10−S2)では、従来から知られているように有用微生物を生ゴミに混合して処理を行う。
【0024】
一般家庭から排出される生ゴミは、回収して本発明に係る堆肥化方法をとる処理場15に集める。処理場15における処理を例示するため、処理場15は一点波線で示した。この処理場15においても、第一次の処理(発酵乾燥処理)S1を行う。
【0025】
大量の生ゴミを発酵乾燥処理するため、集めた食品残渣は、受入装置(搬送装置)16に投入して発酵乾燥処理装置に送り込む。受入装置16は、例えばスクリューコンベアを用いたホッパー装置とし、一次処理のために必要な有用微生物は、例えばスクリューコンベアの作動に連動して開口する開閉バルブを介して投入攪拌させる。もちろん他の投入方法を用いても構わない。
【0026】
符号15−S1は、生ゴミを適当な大きさに破砕する処理である。例えば6mm以下の砕片とする。この実施形態では、受入装置16の後段で破砕処理を行うよう示したが、破砕処理の前後は限定されない。符号15−S2は、有用微生物を用いた発酵乾燥処理である。処理内容は事業所系の廃棄物の発酵乾燥処理(10−S2)と基本的に同じでよい。発酵乾燥の手段は問わないが、結果物の内部に有用微生物が活きており、水分含有率が、例えば15〜30%の範囲であればよい。
【0027】
また、発酵乾燥処理15−S2に際しては、好ましくは、発生する水蒸気を強制ファンを利用して土壌脱臭装置(図示せず)に送り込み、悪臭を土壌に吸着させる。大量処理のため、第一次の発酵乾燥処理15−S2の悪臭も可能な限り抑止することが望ましいからである。土壌脱臭装置は、土壌が悪臭を吸着するフィルターとして作用するが、この土壌にも、有用微生物を用いて発酵乾燥処理を施した発酵促進剤を混在させておくことが望ましい。好ましくは、フィルターとなる土壌中に、15〜25%程度の発酵促進剤を使用する。
【0028】
このようにして発酵乾燥処理(10−S2、15−S2)を施した資源は、処理場15において異物除去の処理(S3)を行う(異物除去は、発酵乾燥処理の前後に限定されない)。例えば、振動ふるいや磁石、送風によって金属物やビニール類を除去する。異物を除去した発酵乾燥資材は、ストックヤードに暫時保管する(S4)。発酵乾燥資材の水分含有率は、例えば15〜30%である。
【0029】
次に、主原料である発酵乾燥資材に、有用微生物と発酵促進用の副資源を混合する(S5)。これが本発明の第二の処理である。
【0030】
この処理段階で用いる有用微生物は、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤とを同時に用いる。有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤は、内部に有用微生物が活きて活動しており、その抗酸化力により混合させても発酵乾燥資源を腐敗させない。発酵促進剤の作成方法はとくに限定されないがは、好ましくは例えば特開2001−206793に開示した技術を用いる。
【0031】
この段階で用いる発酵促進剤は、例えば、食品残渣、水産物、農業廃棄物など各種の有機性残渣物に、例えば麦粉、米糠、活性炭、貝化石など適宜の発酵調整剤を混入し、有用微生物を用いて発酵乾燥させるものである。質的安定を保証するため、発酵促進剤は、発酵槽(袋状を含む)内において、温度管理、水分管理、空気量管理を施した上で生成したものである。
【0032】
次に、第二の処理段階で用いる副資源としては、第一の処理段階で得た発酵乾燥資源に空隙(適度の隙間)を形成するための天然の粒材、例えば、籾殻や山土を用いる。土壌還元性のあるもので、コストを抑えることが出来るものを使用することが望ましい。
【0033】
使用する有用微生物のうち水溶液状のものは微量でよい。例えば、0.1〜0.5重量%である。発酵促進剤は、例えば0.5〜2重量%使用する。これらはコストの許す限り増量しても構わない。
【0034】
この段階で添加する有用微生物は、資材のゆるやかな発酵熟成を支援する。籾殻や山土など、空隙形成用の天然の粒材は爾後の発酵熟成処理において、堆積物中への酸素供給を可能とし、微生物の活動を支援する。また内部で発生する有害ガスを吸着して堆肥に還元する機能を営む。ここで用いる空隙形成用の粒材(副資源)は、発酵乾燥資源に対して例えば20〜30%程度とすることが望ましい。重量比でも容積比でもほぼ同一の結果となる。
【0035】
次に、発酵乾燥資源に副資源を加えた資源(堆肥化資源)を、堆肥舎に積み込む(S6)。積み込みに際しては、堆積物の厚み(上下寸法)が3mを超えないようにすることが望ましい。堆積物の厚みが3m以上になると、堆積物内部への酸素供給に支障が出る可能性があるからである。
【0036】
堆肥舎は、雨雪を避けるため屋根付きとすることが望ましい。堆肥舎に、所定の上下高さで堆肥化資源を堆積させた後、その表面に水溶液状の有用微生物を散布する(S7)。散布量は微量でも良いが、表面全体にまんべんなく行うことが望ましい。
【0037】
また、水溶液状の有用微生物の散布と前後して、堆肥化資源の表面、例えば外周部に吸水性のある粉粒材を散布する。ここで使用する粉粒材は、例えば貝化石、サンゴ化石、角閃石、セラミックス、木炭、活性炭の粉粒材(顆粒または粉末)を用いる。これらの素材は、水分を吸収(吸着)するため、堆肥舎の壁面近傍に生じやすい湿気の吸収材として有効な働きをみせ、しかも浄水作用があるため、堆積物の表面をむらなく清浄な発酵乾燥状態に保つ。また、貝化石、サンゴ化石、活性炭、セラミックス、木炭等の素材は、結果物を田畑の土壌に戻したときに作物の生育に好ましい影響を与える。
【0038】
このような表面処理を行った堆肥化資源は、その後最終段階まで切り返しを行うことなく放置しておく(S8)。熟成発酵期間は、積み上げの状態(とくに高さ)にもよるが、平均して約3〜4ヶ月である。そして、出荷直前の最終段階で品質均一化のため切り返しを行い(S9)、最終製品を得る(S10)。
【0039】
従って、かかる堆肥化方法によれば、堆肥舎に積み込んだ後の切り返しが不要になるので、設備コスト、作業コストを確実に軽減することが出来る。また切り返しを行わないので、堆肥化資源の内部に蓄えられているエネルギー放出が非常に少なく、肥効性の高い堆肥を取得できるとともに、発酵熟成時における悪臭を格段に低減することが出来る。
【0040】
また、従来問題となったハエの発生も確実に抑えることが出来る。ハエは、水分の多い腐敗物に発生するが、本発明に係る堆肥化方法では、前処理として発酵乾燥処理を施しているため、堆肥舎に積み込む堆肥化資源の含水率を平均25〜30%程度に抑えているからである。堆肥舎の壁面近傍は、発酵熱と外気温との差によって湿気(結露)を生じやすいが、コンクリートのように湿気を生じやすい壁の場合には、本実施形態で説明したように、浄水作用をもった粉粒材を散布することによって湿気を防ぎ、ハエの発生を最小限度に抑えることが可能となる。
【0041】
本発明に係る堆肥化方法は、堆肥舎に積み込んだ後の発酵熟成を、前二段の処理過程で混合した有用微生物の働き(通性嫌気発酵)によって、ゆっくりと進行させる。堆肥舎に積み込んだ時点(S6)ではすでに水分含有率を低い状態に抑えてあるので、発酵に伴う水分の発散や酸素供給のために切り返しを行う必要がないわけである。
【0042】
また、すでに述べたように堆肥舎の壁面近傍は、発酵熱と外気温度の差によって湿気が生じやすい。これを物理的に解決するには、例えば、床面と壁面とが接するコーナー部に有孔パイプを配設し、壁面と接する堆積物の縁端部にエアを送り込み、堆積物の縁端部を好ましい発酵乾燥状態に保てば良い。堆積物の縁端部(外周部)の水分含有率が低下すればよいからである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る食品残渣の堆肥化方法によれば、堆肥舎における切り返しの必要性を排除でき、悪臭やハエの発生を防止し、最終結果物の肥効性を高め、設備コストを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る堆肥化方法の実施形態を例示するブロック図である。
【符号の説明】
10 事業所
12 一般家庭
15 処理場
16 受入装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、大量の食品残渣を肥効性の高い堆肥に転換処理する技術に係り、特に堆肥化資源である食品残渣を堆肥舎にストックした後、切り返しの処理を不要とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食店から排出される調理ごみ・食べ残し、市場等から排出される水産/農業廃棄物等の食品残渣は、焼却処分などの好ましい処分に多額のコストを要するため各自治体において深刻な問題となっている。
【0003】
食品残渣の廃棄処理に関する提案は従来から各種なされている。例えば、各家庭や飲食店等の事業施設で生ずる少量の食品残渣は、比較的小型の処理装置を用いて個別に処理することが可能であるとされる。このような処理装置としては、例えばドラム内に攪拌手段を備える装置(特開2002−128585、特開2002−200471)、熱風を供給しながら攪拌する装置(特開2003−019475)などが知られている。これらの処理原理は、EM(Effectiv Microorganisms)と総称される有用微生物群を用いて攪拌する点で共通する。
【0004】
EMは、一般土壌や大気中に圧倒的な数で存在する腐敗菌(有機物を分解させる)の中にあって微生物相を蘇生方向に転換する性質があり、ブレンドする基本的な微生物の種類等技術的にはすでに確立されている。
【0005】
一方、大量の食品残渣を処理して堆肥などの有用物に転化する従来の方法は、食品残渣を破砕/分別して有用微生物を添加し、この堆肥化資源(堆肥に添加するための資源材料)を堆肥舎に積み込んで発酵熟成させる。このような方式の大量処理においては、堆肥舎に積み込んだ堆肥化資源の発酵を促進するため、ショベル装置等の機材類を用いて適当な周期で切り返しを行う。切り返しを行わないと、微生物に対する十分な酸素の供給が行えないためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の技術の問題は次の通りである。
まず、ホテル・レストランや食品工場など事業所から排出される食品残渣は、有用微生物を添加した上で強制的な発酵乾燥処理を行うため、廃棄物としての後段処理は比較的容易である。水分含有率も少ないため、そのまま廃棄処分することも可能だからである。
【0007】
しかしながら、このような発酵乾燥処理を行っただけでは、その結果物を肥効性の高い堆肥として利用することが難しい。発酵乾燥物であり、土粒性であるから堆肥類似の営みはするが、使用量と使用効果との関係では天然肥料(堆肥)として評価できるほどの効果をあげないからである。
【0008】
一方、堆肥化資源を堆肥舎に堆積させて処理する食品残渣の発酵熟成方法から得られる結果物は、堆肥として使用できる程度の肥効性を獲得する点では優れる。
【0009】
しかし、このような大量処理場における問題は、第一に、食品残渣の腐敗と酸化分解による有害ガスの発生があり、定期的な切り返し作業に伴う有害ガスの大量放出によって、処理場内に留まらず近隣まで悪臭を飛散させる点、第二に、発酵乾燥熟成過程におけるハエの発生がある。
【0010】
第三に、定期的な切り返し作業を必然とするため、堆肥化資源の発酵熟成過程で生じる内部エネルギーの放出が非常に多く、堆肥として有効に働く各種の成分を無駄に外気に放散させている。この結果として、最終結果物の肥効性は、食品残渣がもつ本来的な堆肥機能が失われる(肥効性が低くなる)という問題がある。
【0011】
さらに云えば、切り返し処理に伴って発生する装置コスト、人件費など、設備費用が高騰しやすい点がある。処理コストが高まると、結果物の販売コストに反映されるため利潤確保が難しくなる。
【0012】
そこで、本発明の目的は、堆肥化資源を堆肥舎に堆積させる食品残渣の大量処理における切り返しの必要性を排除することによって、悪臭やハエの発生を極力防止し、最終結果物の肥効性を高め、設備コストを最小限度に抑える点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る食品残渣の堆肥化方法は、有用微生物を添加した上で食品残渣を強制的に発酵乾燥させる第一の処理段階と、第一の処理段階で得られる発酵乾燥資源に、発酵促進用の有用微生物および副資源を添加して攪拌する第二の処理段階と、第二の処理段階で得られる堆肥用資源を発酵熟成させる第三の処理段階とによって構成する。また第二の処理段階で用いる有用微生物は、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤とから構成し、副資源は、土粒還元性のある空隙形成材によって構成する一方、第三の処理段階では、堆積させた堆肥用資源の表面に、吸水性のある粉粒材を散布する(請求項1)。
【0014】
吸水性のある粉粒材は、貝化石、サンゴ化石、活性炭、木炭、角閃石、セラミックスから選択された一以上の素材を用いる場合がある(請求項2)。
【0015】
【作用】
本発明に係る食品残渣の堆肥化方法は、発酵乾燥処理、副資源添加、堆肥舎への堆積、という三段階の処理方法をとる。
【0016】
第一の処理段階において発酵乾燥処理を施すため、また有用性微生物を用いるため、爾後の発酵処理(第三の処理段階)における堆肥化資源の腐敗進行はみられず、有害ガスの発生は微少である。有用微生物は、腐敗菌のような酸化作用(腐敗)を営むのではなく抗酸化、すなわち発酵作用をもつためである。従って、本発明に係る処理方法によれば、従来必要とされた発酵処理中の切り返しを行う必要はない。また切り返しの必要がないため、有効エネルギーの放散を抑えることが出来、有用微生物の抗酸化力によって悪臭の発生やハエの発生を極力抑えることが出来る。切り返しの必要がないため、設備コストや作業コストも最小限に抑えることが出来る。
【0017】
第二の処理段階において土粒還元性のある空隙形成材、例えば籾殻や土粒等の副資源を添加する理由は、主として堆肥舎に積み込んだ堆肥化資源の内部に微小な空隙を形成し、有用微生物に酸素と活動場所を提供するためである。微小空隙は、堆積物が外気を導入・排出することを助け、また同時に添加する有用微生物の住処となって彼らの活動を支援する。
【0018】
第二の処理段階において、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤を同時に加えるのは、第一の処理段階で得られた発酵乾燥資源に十分な有用微生物を提供すると同時に、有機性残渣物の発酵乾燥物である発酵促進剤を加えることによって、微生物相を好ましい蘇生方向へ転換させる有用微生物の餌(栄養源)を十分に供給するためである。また、有機性残渣物の発酵乾燥物である発酵促進剤を加えることで、大量に処理しようとする食品残渣の処理能率が格段に飛躍する利点がある。
【0019】
このようにして微生物の活動による緩やかな発酵熟成を行い、堆積物が内部に蓄えている養分エネルギーを無用に放散させることなく、そのまま堆肥化処理する。第二の処理過程によって得られる堆肥用資源は、微生物相を良好に転換させる十分な有用微生物と、微生物の活動を支援する住処(空隙;酸素供給原)と栄養源があるから、切り返しをまったく行わなくても有用微生物の活動だけで堆肥用資源を発酵熟成させることが出来る。
【0020】
但し、発酵熟成の過程で、有用微生物以外の腐敗菌の活動に伴う堆肥用資源の腐敗現象が若干ではあるが生ずることがある。このときの腐敗現象は、僅かであり激しい悪臭を発生させるほどではないが、ハエが発生することがある。そこで、ハエの発生を抑えるため、吸水性のある各種の粉粒材を用いる。例えば、貝化石、サンゴ化石、木炭、角閃石、セラミックス等である(請求項2)。
【0021】
貝化石粉末や木炭粉末のように、吸水性があり、しかも水の分子構造の鎖を寸断して浄水機能を示す素材は、腐敗に伴う汚れた水分を速やかに浄化する作用を示すため、ハエも発生しにくく、好ましい結果を得る。ハエの発生は、水分が集中しやすい部分、とくに壁面に接している関係で水分の蒸発効率が悪くなる堆肥用資源の外周部にみられる。このため浄水作用をもつ粉粒材は、少なくとも堆肥用資源の外周部に散布する。もちろん表面全体に散布しても良いが、その場合でも外周部には中央部以上に多量に散布することが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る食品残渣の堆肥化方法の一実施形態を示すものである。この実施形態に係る堆肥化方法は、自治体における大量の生ゴミの処理を想定したもので、ホテルや食品工場などの事業所10から排出される生ゴミ(食品残渣)と一般家庭12から排出される生ゴミの一次処理(発酵乾燥処理)S1を、別々に行う。
【0023】
ホテルや食品工場などの事業所10から排出される食品残渣は、基本的には、その事業所が備える発酵乾燥処理装置を用いて第一次の処理を行う。第一次処理の前には、生ゴミを適当な大きさに破砕する処理10−S1を行い、破砕した生ゴミを発酵乾燥処理装置において処理する(10−S2)。この発酵乾燥処理(10−S2)では、従来から知られているように有用微生物を生ゴミに混合して処理を行う。
【0024】
一般家庭から排出される生ゴミは、回収して本発明に係る堆肥化方法をとる処理場15に集める。処理場15における処理を例示するため、処理場15は一点波線で示した。この処理場15においても、第一次の処理(発酵乾燥処理)S1を行う。
【0025】
大量の生ゴミを発酵乾燥処理するため、集めた食品残渣は、受入装置(搬送装置)16に投入して発酵乾燥処理装置に送り込む。受入装置16は、例えばスクリューコンベアを用いたホッパー装置とし、一次処理のために必要な有用微生物は、例えばスクリューコンベアの作動に連動して開口する開閉バルブを介して投入攪拌させる。もちろん他の投入方法を用いても構わない。
【0026】
符号15−S1は、生ゴミを適当な大きさに破砕する処理である。例えば6mm以下の砕片とする。この実施形態では、受入装置16の後段で破砕処理を行うよう示したが、破砕処理の前後は限定されない。符号15−S2は、有用微生物を用いた発酵乾燥処理である。処理内容は事業所系の廃棄物の発酵乾燥処理(10−S2)と基本的に同じでよい。発酵乾燥の手段は問わないが、結果物の内部に有用微生物が活きており、水分含有率が、例えば15〜30%の範囲であればよい。
【0027】
また、発酵乾燥処理15−S2に際しては、好ましくは、発生する水蒸気を強制ファンを利用して土壌脱臭装置(図示せず)に送り込み、悪臭を土壌に吸着させる。大量処理のため、第一次の発酵乾燥処理15−S2の悪臭も可能な限り抑止することが望ましいからである。土壌脱臭装置は、土壌が悪臭を吸着するフィルターとして作用するが、この土壌にも、有用微生物を用いて発酵乾燥処理を施した発酵促進剤を混在させておくことが望ましい。好ましくは、フィルターとなる土壌中に、15〜25%程度の発酵促進剤を使用する。
【0028】
このようにして発酵乾燥処理(10−S2、15−S2)を施した資源は、処理場15において異物除去の処理(S3)を行う(異物除去は、発酵乾燥処理の前後に限定されない)。例えば、振動ふるいや磁石、送風によって金属物やビニール類を除去する。異物を除去した発酵乾燥資材は、ストックヤードに暫時保管する(S4)。発酵乾燥資材の水分含有率は、例えば15〜30%である。
【0029】
次に、主原料である発酵乾燥資材に、有用微生物と発酵促進用の副資源を混合する(S5)。これが本発明の第二の処理である。
【0030】
この処理段階で用いる有用微生物は、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤とを同時に用いる。有用微生物を用いて食品残渣を発酵乾燥させた発酵促進剤は、内部に有用微生物が活きて活動しており、その抗酸化力により混合させても発酵乾燥資源を腐敗させない。発酵促進剤の作成方法はとくに限定されないがは、好ましくは例えば特開2001−206793に開示した技術を用いる。
【0031】
この段階で用いる発酵促進剤は、例えば、食品残渣、水産物、農業廃棄物など各種の有機性残渣物に、例えば麦粉、米糠、活性炭、貝化石など適宜の発酵調整剤を混入し、有用微生物を用いて発酵乾燥させるものである。質的安定を保証するため、発酵促進剤は、発酵槽(袋状を含む)内において、温度管理、水分管理、空気量管理を施した上で生成したものである。
【0032】
次に、第二の処理段階で用いる副資源としては、第一の処理段階で得た発酵乾燥資源に空隙(適度の隙間)を形成するための天然の粒材、例えば、籾殻や山土を用いる。土壌還元性のあるもので、コストを抑えることが出来るものを使用することが望ましい。
【0033】
使用する有用微生物のうち水溶液状のものは微量でよい。例えば、0.1〜0.5重量%である。発酵促進剤は、例えば0.5〜2重量%使用する。これらはコストの許す限り増量しても構わない。
【0034】
この段階で添加する有用微生物は、資材のゆるやかな発酵熟成を支援する。籾殻や山土など、空隙形成用の天然の粒材は爾後の発酵熟成処理において、堆積物中への酸素供給を可能とし、微生物の活動を支援する。また内部で発生する有害ガスを吸着して堆肥に還元する機能を営む。ここで用いる空隙形成用の粒材(副資源)は、発酵乾燥資源に対して例えば20〜30%程度とすることが望ましい。重量比でも容積比でもほぼ同一の結果となる。
【0035】
次に、発酵乾燥資源に副資源を加えた資源(堆肥化資源)を、堆肥舎に積み込む(S6)。積み込みに際しては、堆積物の厚み(上下寸法)が3mを超えないようにすることが望ましい。堆積物の厚みが3m以上になると、堆積物内部への酸素供給に支障が出る可能性があるからである。
【0036】
堆肥舎は、雨雪を避けるため屋根付きとすることが望ましい。堆肥舎に、所定の上下高さで堆肥化資源を堆積させた後、その表面に水溶液状の有用微生物を散布する(S7)。散布量は微量でも良いが、表面全体にまんべんなく行うことが望ましい。
【0037】
また、水溶液状の有用微生物の散布と前後して、堆肥化資源の表面、例えば外周部に吸水性のある粉粒材を散布する。ここで使用する粉粒材は、例えば貝化石、サンゴ化石、角閃石、セラミックス、木炭、活性炭の粉粒材(顆粒または粉末)を用いる。これらの素材は、水分を吸収(吸着)するため、堆肥舎の壁面近傍に生じやすい湿気の吸収材として有効な働きをみせ、しかも浄水作用があるため、堆積物の表面をむらなく清浄な発酵乾燥状態に保つ。また、貝化石、サンゴ化石、活性炭、セラミックス、木炭等の素材は、結果物を田畑の土壌に戻したときに作物の生育に好ましい影響を与える。
【0038】
このような表面処理を行った堆肥化資源は、その後最終段階まで切り返しを行うことなく放置しておく(S8)。熟成発酵期間は、積み上げの状態(とくに高さ)にもよるが、平均して約3〜4ヶ月である。そして、出荷直前の最終段階で品質均一化のため切り返しを行い(S9)、最終製品を得る(S10)。
【0039】
従って、かかる堆肥化方法によれば、堆肥舎に積み込んだ後の切り返しが不要になるので、設備コスト、作業コストを確実に軽減することが出来る。また切り返しを行わないので、堆肥化資源の内部に蓄えられているエネルギー放出が非常に少なく、肥効性の高い堆肥を取得できるとともに、発酵熟成時における悪臭を格段に低減することが出来る。
【0040】
また、従来問題となったハエの発生も確実に抑えることが出来る。ハエは、水分の多い腐敗物に発生するが、本発明に係る堆肥化方法では、前処理として発酵乾燥処理を施しているため、堆肥舎に積み込む堆肥化資源の含水率を平均25〜30%程度に抑えているからである。堆肥舎の壁面近傍は、発酵熱と外気温との差によって湿気(結露)を生じやすいが、コンクリートのように湿気を生じやすい壁の場合には、本実施形態で説明したように、浄水作用をもった粉粒材を散布することによって湿気を防ぎ、ハエの発生を最小限度に抑えることが可能となる。
【0041】
本発明に係る堆肥化方法は、堆肥舎に積み込んだ後の発酵熟成を、前二段の処理過程で混合した有用微生物の働き(通性嫌気発酵)によって、ゆっくりと進行させる。堆肥舎に積み込んだ時点(S6)ではすでに水分含有率を低い状態に抑えてあるので、発酵に伴う水分の発散や酸素供給のために切り返しを行う必要がないわけである。
【0042】
また、すでに述べたように堆肥舎の壁面近傍は、発酵熱と外気温度の差によって湿気が生じやすい。これを物理的に解決するには、例えば、床面と壁面とが接するコーナー部に有孔パイプを配設し、壁面と接する堆積物の縁端部にエアを送り込み、堆積物の縁端部を好ましい発酵乾燥状態に保てば良い。堆積物の縁端部(外周部)の水分含有率が低下すればよいからである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る食品残渣の堆肥化方法によれば、堆肥舎における切り返しの必要性を排除でき、悪臭やハエの発生を防止し、最終結果物の肥効性を高め、設備コストを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る堆肥化方法の実施形態を例示するブロック図である。
【符号の説明】
10 事業所
12 一般家庭
15 処理場
16 受入装置
Claims (2)
- 有用微生物を添加した上で食品残渣を強制的に発酵乾燥させる第一の処理段階と、
第一の処理段階で得られる発酵乾燥資源に、発酵促進用の有用微生物および副資源を添加して攪拌する第二の処理段階と、
第二の処理段階で得られる堆肥用資源を発酵熟成させる第三の処理段階とからなり、
前記第二の処理段階で用いる有用微生物は、水溶液状の有用微生物と、有用微生物を用いて有機性残渣物を発酵乾燥させた発酵促進剤とから構成し、副資源は、土粒還元性のある空隙形成材によって構成する一方、
第三の処理段階では、堆積させた堆肥用資源の表面に、吸水性のある粉粒材を散布することを特徴とする食品残渣の堆肥化方法。 - 吸水性のある粉粒材は、貝化石、サンゴ化石、活性炭、木炭、角閃石、セラミックスから選択された素材のうち一以上を用いることを特徴とする請求項1記載の食品残渣の堆肥化方法。
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