JP5893670B2 - 乾燥汚泥の製造方法およびその処理方法 - Google Patents
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Description
効率的に有機汚泥を乾燥させる方法として、発酵熱を使うことが考えられる。しかし発酵を効率的に進行させるためには粘性の高い有機汚泥等に十分な空気を安定的に供給する必要があるし、時間も長くかかる。
有機汚泥の処理方法として堆肥製造方法があり有機汚泥に空気を通して発酵、乾燥させて腐敗菌を減少させた後、これを堆肥として利用する方法が一般的である。しかし、この堆肥製造法では低コストで処理することはできない。
本発明は、かかる事情に鑑み、低コストで短期間に乾燥処理できる乾燥汚泥の製造方法およびその処理方法を提供することを目的とする。
第2発明の乾燥汚泥の処理方法は、第1発明記載の製造方法で得られた乾燥汚泥を熟成期間を設けることなく消臭材として利用することを特徴とする。
第3発明の乾燥汚泥の処理方法は、第1発明記載の製造方法で得られた乾燥汚泥を熟成期間を設けることなく燃料として利用することを特徴とする。
a)下水汚泥や余剰汚泥、食品汚泥、動植物残渣等が含まれる未処理の有機汚泥をそのまま乾燥させるのではなく、いったん乾燥処理して得た乾燥汚泥と混合させるので、混合汚泥の含水率が低くなっている。このため発酵乾燥させる際の時間が短くて済む。また、混合汚泥を得る混合作業は未処理の有機汚泥と乾燥汚泥とをショベルローダ等の建機で混ぜるだけでよいので、大がかりな設備を必要としない。発酵乾燥の工程中は混合汚泥に空気を供給するだけでよく他の作業を要しない。このため、乾燥汚泥を低コストで短期間に生産できる。
b)含水率45%以下の乾燥汚泥を30重量%以上75重量%以下で混合していると、発酵乾燥が能率良く行われる。
c)混合汚泥の下層部より空気を通気するだけなので、複雑な工程を要することなく乾燥汚泥を得ることができる。
第2発明によれば、本発明の乾燥汚泥が生物脱臭効果を持つことからアンモニア系、硫黄系の悪臭物質を含む排気の消臭材に利用できるようになり、リサイクル利用の幅が広がった。
第3発明によれば、本発明の乾燥汚泥が水分が少ないので燃料としても利用できるようになり、リサイクル利用の幅が広がった。
同図に示すように本発明の製造方法は、未処理の有機汚泥Aに、乾燥させて得た乾燥汚泥Bを混合して混合汚泥Cを得る混合工程Iと、該混合汚泥Cを発酵乾燥させて乾燥汚泥Dを得る乾燥工程IIと、該乾燥汚泥Dを粒度調整する粒度調整工程IIIとを順に実行するものである。
本発明で用いられる原料は、未処理の有機汚泥Aと乾燥汚泥Bの二種類である。
本明細書にいう有機汚泥Aには、下水汚泥や余剰汚泥、食品汚泥、動植物性残渣等が含まれる。また、これらは含有水分が低くてもよいが70%以上の高いものを含めることが可能である。
乾燥汚泥Bは予じめ乾燥させておいた汚泥であり、含水率が45%以下のものが好ましい。乾燥させる方法は任意であり全く制限がないが、本発明の製造方法で乾燥させた乾燥汚泥を再利用してもよい。
混合工程Iは、下水汚泥等の未処理の有機汚泥Aにあらかじめ製造しておいた乾燥汚泥Bを重機(ショベルローダー等)で混合する。混合割合は、全体に対する乾燥汚泥Bの割合が30重量%以上75重量%以下であり、このように混合して混合有機汚泥Cを作り、それを堆積する。
堆積した混合汚泥の乾燥には、発酵乾燥を用いる。発酵を促進させるために、適度の空気を送り込む(エアレーション)が、空気の量は、好気性発酵が進行するために十分な量を確保する必要がある。一方、多すぎると堆積層の温度を低下させて乾燥に時間がかかることになるので適量を守る必要がある。
発酵乾燥には槽1(槽1A、1Bを区別しないときは、符号1を用いる)を用いる。また、槽1の下層部には空気を槽1内に導入する公知の空気パイプ2が用いられる。
そして、槽1の内部に混合汚泥Cを投入し、空気パイプ2から空気を送ると混合汚泥Cの下層部から上層部に向けて空気が通って発酵していく。
図2に示す2槽式を用いる場合は、槽1Aに投入後、一定期間発酵が進行して温度が下がり始めた時点で混合汚泥Cを槽1Bまたは他の槽に移す。あるいは、一方の槽1A内で撹拌を行い混合汚泥Cを掘り起こす。このようにして常に、新たに空気が通り易い状態にするとよい。
この乾燥工程では通常、発酵熱と通気により10日以上経過後に水分は45%以下に低下する。発塵しない程度に更に水分を低減させ乾燥汚泥を得る。
得られた乾燥汚泥を篩にかける。篩の方法は振動篩、回転篩などどの方法でも良い。篩の目開きによる粒度は3〜50mmが好ましい。肥料として再利用する場合は、粒度は細かい方が良いが、他の用途にはより大きい粒度でもよい。
本発明では、未処理の有機汚泥Aをそのまま乾燥させるのではなく、いったん乾燥処理して得た乾燥汚泥Bと混合させるので、混合汚泥Cの含水率が低くなっている。このため発酵乾燥させる際の時間が短くて済む。また、混合汚泥Cを得る混合作業は未処理の有機汚泥Aと乾燥汚泥Bとをショベルローダ等の重機で混ぜるだけでよいので、大がかりな設備を必要としない。しかも、発酵乾燥IIの工程中は混合汚泥Cに空気を供給するだけでよく他の作業を要しない。このため、乾燥汚泥製品Dを低コストで短期間に生産できる。
乾燥汚泥製品Dの篩下および篩上は十分に水分が少なくなっており、取り扱いがし易く、更に発酵乾燥向けの好気性菌類が豊富である。したがって、有機汚泥Aの混合材量としての利用に適している。
2 空気パイプ
A 有機汚泥
B 乾燥汚泥
C 混合汚泥
D 乾燥汚泥製品
Claims (3)
- 下水汚泥や余剰汚泥、食品汚泥、動植物残渣等が含まれる未処理の有機汚泥に、乾燥させて得た乾燥汚泥を混合して混合汚泥を得る混合工程と、該混合汚泥を発酵乾燥させて乾燥汚泥を得る乾燥工程と、該乾燥汚泥を粒度調整する粒度調整工程とを順に実行するものであり、
前記未処理の有機汚泥は、含水率70%以上の粘性の高い有機汚泥であり、
前記乾燥汚泥は、含水率45%以下であり、
前記混合汚泥は、前記乾燥汚泥の混合割合が30重量%以上75重量%以下であり、
前記乾燥工程が、堆積した前記混合汚泥の下層部より空気を通気し、好気性細菌の働きにより発酵熱を発生させ、該発酵熱を含んだ通気により乾燥させる発酵乾燥である
ことを特徴とする乾燥汚泥の製造方法。 - 請求項1記載の製造方法で得られた乾燥汚泥を熟成期間を設けることなく消臭材として利用する
ことを特徴とする乾燥汚泥の処理方法。 - 請求項1記載の製造方法で得られた乾燥汚泥を熟成期間を設けることなく燃料として利用する
ことを特徴とする乾燥汚泥の処理方法。
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