JP2004359048A - 車載端末装置、車載端末制御プログラム、コンピュータ読取可能な記録媒体、および車載端末装置を用いる盗難防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の携帯電話機を応用して安価に提供し得る車載端末装置、車載端末制御プログラム、コンピュータ読取可能な記録媒体、および車載端末装置を用いる盗難防止方法を提供する。
【解決手段】ハンズフリー装置3には、携帯電話網を利用して通信を行う携帯電話機4が取り付けられている。処理部31は、記憶部33に記憶されている暗証番号と、ユーザによって発声された暗証番号を音声認識部34によって認識し、この暗証番号と、記憶部33に予め記憶されている暗証番号とを照合して認証処理を行う。この認証結果に応じて、処理部31は、盗難防止実行処理の実行命令を付与する。
【選択図】 図1
【解決手段】ハンズフリー装置3には、携帯電話網を利用して通信を行う携帯電話機4が取り付けられている。処理部31は、記憶部33に記憶されている暗証番号と、ユーザによって発声された暗証番号を音声認識部34によって認識し、この暗証番号と、記憶部33に予め記憶されている暗証番号とを照合して認証処理を行う。この認証結果に応じて、処理部31は、盗難防止実行処理の実行命令を付与する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話などの通信端末を活用した車両盗難防止方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車上荒しや車両盗難の被害が増加していることから、盗難防止装置への必要性が急速に高まっている。そして、もっとも広く市販されているものとして、不正なドアのこじ開けや、車両の傾斜等の車両異常を感知する機能を備え、異常が発生した際にはサイレンで車両への侵入者を威嚇するタイプの盗難防止装置を挙げることができる。さらに高価なタイプの盗難防止装置では、異常発生を感知すると同時にオペレーションセンターへ異常信号を送信するタイプのものもある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−198762号公報(1999年7月27日公開)
【0004】
【特許文献2】
特開2002−316590号公報(2002年10月29日公開)
【0005】
【特許文献3】
特開2002−362246号公報(2002年12月18日公開)
【0006】
【特許文献4】
特開2003−54370号公報(2003年2月26日公開)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の盗難防止装置は、専用の車載端末として盗難防止の機能しか実現していないものが多い。すなわち、いつ発生するかわからない盗難を防止するという目的のために、ユーザは専用の車載端末を新規に取り付ける必要があるので、盗難防止装置の購入を控えてしまうことも考えられ、現状では盗難防止装置の普及に時間を要することが予想される。
【0008】
ところで、携帯電話は、近年爆発的な普及を達成しており、インフラ的側面を有するものとなっている。そして、車両運転時において携帯電話で安全に通話できるようにすることを目的とされたハンズフリー通話装置が種々実用化されている。本発明者らは、このようなハンズフリー通話装置を盗難防止に応用することができれば、多数のユーザがその装置を利用するであろうことに着目した。
【0009】
すなわち、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、既存の車載端末を応用して安価に提供し得る車載端末装置、車載端末制御プログラム、コンピュータ読取可能な記録媒体、および車載端末装置を用いる盗難防止方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の車載端末装置は、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置であって、ユーザの認証処理を行う認証処理手段と、上記認証処理手段による認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与する認証結果判断手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
上記構成では、認証処理手段により認証処理が行われるので、乗車しようとするユーザが正規のユーザか否かを認証することができる。一方認証結果判断手段は、認証処理手段の認証結果に応じて盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与するので、乗車しようとするユーザが正規のユーザか否かに確実に対応させて、盗難防止実行手段に盗難防止処理を実行させることができる。
【0012】
たとえば、乗車しようとするユーザが正規のユーザであると認証処理手段により認証されなかった場合には、盗難防止実行手段に対し、セルモータを始動させない、キー操作を無効化する等、正規ユーザ以外の者に自動車またはその付属物が盗難されることを防止するための種々の処理(盗難防止処理)を行うよう、認証結果判断手段から命令を付与することができる。
【0013】
したがって、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る既存の車載端末装置に対して、認証処理手段および認証結果判断手段を設け、さらに自動車に盗難防止実行手段を設けるという簡易な構成により、盗難防止機能を実現することができる。よって、低コストにて盗難防止機能を実現できる車載端末装置を提供することができる。
【0014】
特に、自動車運転時における携帯電話機のボタン操作などを行うことは、法令上禁止されており、さらに事故の原因となる可能性が非常に高いことから、携帯電話機等の通信端末の通信を制御し得る車載端末装置へのユーザニーズは非常に高いといえる。したがって、本発明の車載端末装置によれば、単に盗難防止機能のみを実現するだけであった従来の盗難防止装置よりも高い普及率を期待することができる。
【0015】
さらに、本発明の車載端末装置は、正規ユーザにより予め設定される暗証番号を記憶する暗証番号記憶手段をさらに備え、上記認証処理手段が、上記暗証番号記憶手段に記憶された暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号を照合することによって認証処理を行うことを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、車載端末装置の購入時に正規ユーザにより設定された暗証番号を、正規の暗証番号として暗証番号記憶手段に記憶させておくことができる。したがって、乗車しようとするユーザが正規ユーザであるか否かを、暗証番号記憶手段に記憶された正規の暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号とを照合するという簡易な認証処理によって判断することができる。よって、車載端末装置をさらに低コストにすることができる。
【0017】
さらに、本発明の車載端末装置は、ユーザによる発声を音声信号として認識する音声認識手段をさらに備え、乗車しようとするユーザによる暗証番号の入力は、上記音声認識手段を介して行われることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、乗車しようとする際に行われる認証処理に用いられる暗証番号を発声によって入力することができる。よって、より簡易に認証処理手段に認証処理を実行させ盗難防止を実現することができるので、車載端末装置の利便性を向上させることができる。
【0019】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証処理手段が、上記通信端末から、該通信端末の個体を特定することが可能な固有情報を読み出す一方、ユーザ情報記憶手段に予め登録された固有情報と通信端末から読み出される固有情報とを照合することによって、認証処理を行うことを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、車載端末装置に通信端末をセットするだけで、認証処理手段にて通信端末の固有情報を読み出し、ユーザ認証を行うことが可能となる。よって、暗証番号などの入力を行う手間を省くことができ、利便性のよいシステムとすることができる。また、ユーザ認証のために通信端末を車載端末装置にセットする必要があるので、通信端末の持ち忘れを防止することもできる。
【0021】
さらに、本発明の車載端末装置は、ユーザが乗車することを検知した後にユーザの認証処理を行うことを特徴としている。
【0022】
上記構成によれば、ユーザが乗車した後にユーザの認証処理が行われるので、音声認識や通信端末のセットによるユーザ認証が確実に行われる。よって、より確実に盗難防止を実現できる。
【0023】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証結果判断手段が、上記認証処理手段による認証結果に応じて、さらに、上記盗難防止実行手段に盗難防止処理の解除命令を付与することを特徴としている。
【0024】
上記構成では、認証結果判断手段により盗難防止処理の解除命令が付与されるので、乗車しようとするユーザが正規のユーザであると認証された場合に盗難防止処理の解除命令を付与するよう、認証結果判断手段を構成することができる。したがって、降車時には常に盗難防止処理を盗難防止実行手段に実行させておく一方で、乗車しようとするユーザが正規ユーザであると認証された場合に限り盗難防止処理が解除されるように盗難防止実行手段を構成できるので、車両盗難に対する自動車のセキュリティを高めることができる。
【0025】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証処理手段は、上記通信端末が上記車載端末装置に搭載されているか否かに応じて乗車しようとするユーザの認証処理を行うことを特徴としている。
【0026】
上記構成によれば、車載端末装置に通信端末が搭載されているか否かに応じて認証処理手段による認証処理が行われるので、車載端末装置に通信端末が搭載されていない場合には認証処理を行わないように認証処理手段を構成することができる。
【0027】
すなわち、正規ユーザであっても、乗車しようとする時に通信端末を車載端末装置に搭載して認証処理を実行しなければ、盗難防止処理を解除することができない。よって、乗車する際には必ず通信端末を車載端末装置に搭載する必要があるので、ユーザが通信端末を自宅、仕事場等に置き忘れることを防止できる。
【0028】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証結果判断手段の判断に応じて、上記通信端末を介して自動車が盗難被害に遭っていることをユーザに連絡するユーザ連絡手段を備えていることを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、ユーザ連絡手段により盗難被害に遭っていることが外部に連絡されるので、ユーザは盗難被害を携帯電話網等の通信回線により知ることができる。したがって、ユーザは、いちはやく車両盗難の現場に駆けつけることができ、車両盗難を未然に防ぐことができる。
【0030】
また、本発明の車両端末装置を用いる盗難防止方法は、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置を用いる方法であって、ユーザの認証処理を車載端末装置の認証処理手段により行う第1ステップと、上記第1ステップにおける認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に対し、盗難防止処理の実行命令を上記車載端末装置の認証結果判断手段により付与する第2ステップとを備えていることを特徴としている。
【0031】
上記構成の方法によれば、上記構成の車載端末装置における認証処理手段および認証結果判断手段と同一の作用効果が実現されている。よって、本発明の車載端末装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0033】
〔盗難防止システムの構成〕
図2は、本実施の形態に係る盗難防止システムの概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、この盗難防止システムは、自動車1と、センタシステム2を備えた構成となっている。
【0034】
自動車1は、車載端末装置としてのハンズフリー装置3、ユーザが通常使用している携帯電話機(通信端末)4、および盗難防止実行部(盗難防止実行手段)5を備えている。すなわち、自動車1にはハンズフリー装置3が搭載されており、ユーザが自動車1を用いて移動する際には、ユーザが通常携帯している携帯電話機4をハンズフリー装置3にセットすることによって、上記のようなシステムが構成されることになる。
【0035】
盗難防止実行部5は、ハンズフリー装置3からの盗難防止実行信号を受け、所定の盗難防止処理を実行するものである。盗難防止実行部5の詳細については後述する。なお、盗難防止実行部5はハンズフリー装置3と別ブロックにて記載しているが、ハンズフリー装置3において盗難防止実行部5と同一の処理が実現される構成であってもよい。
【0036】
センタシステム2は、複数ユーザの車両に対する盗難防止を統括管理するシステムである。具体的に説明すると、センタシステム2は、携帯電話機4を介して自動車1における異常通報信号を受信し、現在車両に対して盗難が行われつつあることを盗難防止システムを提供するセキュリティ管理会社へ連絡する。セキュリティ管理会社においては、センタシステム2からの連絡を受け、緊急対処者を現場に向かわせて盗難を防ぐ等、適宜の盗難防止処置を講じ得る。
【0037】
自動車1における携帯電話機4とセンタシステム2との間の通信は、たとえば携帯電話機4における通常の通話・通信が行われる携帯電話網を介して行われる。なお、携帯電話機4がインターネット接続機能を有している場合には、携帯電話網に加えて、インターネットを介して通信が行われてもよい。ただし、インターネットを介する場合には、通信内容のセキュリティを確保するために暗号化通信などを採用することが好ましい。
【0038】
なお、図2では、自動車1を1つだけ示しているが、実際には、センタシステム2は、複数の自動車1…と接続されることになる。また、自動車1は、1つ以上のセンタシステム2と接続可能となっていてもよい。
【0039】
〔ハンズフリー装置および携帯電話機の構成〕
次に、自動車1に搭載されているハンズフリー装置3、およびこのハンズフリー装置3に取り付けられる携帯電話機4の構成について図1を参照しながら説明する。同図に示すように、ハンズフリー装置3は、アダプタ部(アダプタ)6および固定本体部7から構成されている。そして、携帯電話機4は、アダプタ部6を介してハンズフリー装置3に取り付けられるようになっている。
【0040】
携帯電話機4は、通常の携帯電話あるいはPHS(登録商標:Personal Handy−phone System)において用いられる携帯型電話機である。この携帯電話機4は、処理部11、記憶部12、入出力部13、操作部14、表示部15、およびアンテナ16を備えた構成となっている。
【0041】
処理部11は、携帯電話機4における各種処理を制御・実行するものである。記憶部12は、各種設定値や電話番号データなどを記憶するものである。入出力部13は、外部機器、本実施形態ではハンズフリー装置3との間で信号の入出力を行うものである。なお、この入出力部13は、携帯電話機4による通常の通話で用いられるスピーカおよびマイクも含むものとする。
【0042】
操作部14は、たとえばボタンやジョグダイヤルなどの操作入力を受け付けるものである。表示部15は、携帯電話機4における各種処理内容をユーザに提示するものである。アンテナ16は、携帯電話機4における携帯電話網を介しての通信を行う際にRF信号の送受信を行うためのものである。
【0043】
以上のように、携帯電話機4としては、最低限通話機能を有するものであれば、本実施形態における盗難防止システムを実現することが可能である。もちろん、携帯電話機4に、通話機能以外の機能、たとえばインターネット接続機能、Bluetooth(登録商標)通信機能、カメラ撮影機能、音楽再生機能などが備えられていても構わない。
【0044】
アダプタ部6は、ハンズフリー装置3に携帯電話機4を取り付ける際のアダプタとして機能するものであり、携帯電話機4の機種の違いによるインターフェースやコネクタ等の違いを調整・吸収できるように、切替え部21、レベル増幅/変換部22、処理部23、記憶部24、および入出力部25を備えた構成となっている。
【0045】
切替え部21は、携帯電話機4における入出力部13との間で信号のやりとりを行うとともに、信号の内容に応じて、レベル増幅/変換部22および入出力部25のいずれか一方との接続を切替える処理を行うものである。レベル増幅/変換部22は、携帯電話機4とハンズフリー装置3との間でやりとりされる音声信号のレベル増幅/変換処理を行うものである。入出力部25は、携帯電話機4とハンズフリー装置3との間でやりとりされる通話開始/終了信号および電話番号信号などの受け渡し処理を行うものである。処理部23は、入出力部25における受け渡し処理において、対応する携帯電話機4の仕様に基づいた信号とハンズフリー装置3の仕様に基づいた信号との相互変換処理を行うものである。記憶部24は、処理部23における変換処理時に用いられる変換データを記憶するものである。
【0046】
また、アダプタ部6は、携帯電話機4の機種に応じて取り替えられるようになっている。これは、携帯電話機4の機種によって、外部接続用インターフェースの形状などが異なることに対応するためである。よって、たとえばユーザが携帯電話機4の機種を変更した場合には、ハンズフリー装置3におけるアダプタ部6のみを取り替えればよいことになる。
【0047】
また、1つのハンズフリー装置3に対して、複数のユーザが利用するとともに、各ユーザがそれぞれ機種の異なる携帯電話機4を用いている場合にも、機種ごとにアダプタ部6を用意しておき、これらを適宜取り替えることによって対応することが可能となっている。
【0048】
しかしながら、利用が想定される携帯電話機4の機種において、外部接続用インターフェースの形状などが同一である場合には、アダプタ部6を取り替え可能な構成とする必要はなく、単に携帯電話機4との接続を可能とする構成としてもよい。
【0049】
固定本体部7は、自動車1における任意の固定部1aに固定的に取り付けられるものであり、処理部31、操作部32、記憶部33、音声認識部(音声認識手段)34、CODEC35・36、入出力部37、スピーカ38、およびマイク39を備えた構成となっている。
【0050】
処理部31は、固定本体部7における各種処理を制御・実行するものである。操作部32は、固定本体部7に対するユーザによる操作入力を受け付けるものであり、たとえば各種ボタンなどによって構成される。記憶部33は、各種設定値、音声認識用データ、ガイダンス音声データ、暗証番号データ、および短縮番号登録データなどを記憶するものである。音声認識部34は、マイク39から入力されたユーザの音声情報に基づいて、その内容を認識する処理を行うものである。音声認識は、記憶部33に記憶されている音声認識用データと、入力されたユーザの音声情報とを比較・照合することによって行われる。
【0051】
CODEC35は、アダプタ部6におけるレベル増幅/変換部22から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して上記レベル増幅/変換部22に出力するものである。CODEC36は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してスピーカ38に対して出力するとともに、マイク39から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するものである。
【0052】
入出力部37は、アダプタ部6における入出力部25との間で、通話開始/終了信号および電話番号信号などの受け渡し処理を行うものである。スピーカ38は、乗車しているユーザに対して、携帯電話機4を介して行われる通話の内容、および各種音声を出力するものである。マイク39は、乗車しているユーザが発する音声を音声信号に変換して入力するものである。
【0053】
以上のように、固定本体部7は、携帯電話機4によるハンズフリー通話を実現するための構成となっている。よって、乗車しているユーザは、言葉を発声することのみによって、携帯電話機4による全ての通話処理を行うことが可能となっている。
【0054】
上記の構成では、固定本体部7の内部では、音声信号がデジタル信号として処理されるようになっている。これにより、音声認識部34による音声認識が可能となるとともに、自動車1の車内における雑音などを考慮して、入出力される音声に対してノイズリダクションや周波数特性の調整などの音声調整処理を施すことが可能となる。この音声調整処理は処理部31で行われてもよいし、音声調整処理用のDSP(Digital Signal Processor)などが設けられていてもよい。
【0055】
なお、固定本体部7は、たとえばナビゲーションシステム、AV(Audio & Visual)システム、空調制御システムなどの車載端末装置と統合されていてもよい。この場合、通話処理以外の機能も発声のみによってコントロールすることも可能となる。また、固定本体部7における処理状況が車載端末装置の表示画面上に適宜表示されるようになっていてもよい。
【0056】
〔固定本体部における処理部の構成〕
次に、固定本体部7における処理部31の構成について、図3を参照しながら以下に説明する。なお、処理部31は、基本的にはハンズフリー装置3における各種動作を制御する処理を行うものであるが、ここでは盗難防止処理に関連する機能のみについて説明する。
【0057】
同図に示すように、処理部31は、暗証番号設定処理部41、暗証番号認証処理部(認証処理手段)42、認証結果判断部(認証結果判断手段)43、ユーザ連絡部(ユーザ連絡手段)44を備えた構成となっている。暗証番号設定処理部41は、ハンズフリー装置3に対して設定される暗証番号の設定処理を行うものである。暗証番号設定処理部41で設定される暗証番号は、記憶部33における暗証番号記憶部(暗証番号記憶手段)45に記憶される。
【0058】
ここで、暗証番号設定処理について説明しておく。ハンズフリー装置3に対して設定される暗証番号は、ユーザの認証を行う際に用いられるものである。よって、この暗証番号が簡単に変更可能であると問題があるので、基本的には一回設定された後は変更ができないようにしておく必要がある。たとえば、暗証番号記憶部45をフィールド・プログラマブルROMなどの1回のみ書込みが可能な記憶手段によって構成しておき、ハンズフリー装置3を最初に使用開始する際に暗証番号の記憶処理を行う、という構成をとることによって実現することができる。
【0059】
また、たとえば、センタシステム2からの認証が得られたときにのみ暗証番号の変更が可能となる構成としてもよい。さらに、暗証番号記憶部45が取り外された場合には、盗難が行われようとしていると判断して、後述の盗難防止の処理を実行していもよい。
【0060】
暗証番号認証処理部42は、暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号と、ユーザによって入力された暗証番号との認証処理を行うものである。本実施形態では、ユーザが発声した暗証番号が音声認識部34によって認識され、これに基づいて認証処理が行われるようになっているが、必ずしもこの方式に限定されるものではない。すなわち、ユーザが携帯電話機4の操作部14あるいはハンズフリー装置3の操作部32を介して入力した暗証番号に基づいて認証処理を行ってもよい。暗証番号のその他の入力方式については後述する。
【0061】
認証結果判断部43は、暗証番号認証処理部42における認証処理の結果を判断するものである。すなわち、認証結果判断部43は、音声認識部34に認識された暗証番号と暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号とが一致しないと暗証番号認証処理部42により判断された場合、不正侵入者が乗車しているものと判断して、盗難防止実行信号を自動車1の盗難防止実行部5に送信するとともに、異常通報信号をユーザ連絡部44に送信する。
【0062】
一方、認証結果判断部43は、音声認識部34に認識された暗証番号と暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号とが一致すると暗証番号認証処理部42により判断された場合、正規のユーザが乗車しているものと判断して上述の盗難防止実行信号・異常通報信号の送信は行わない。
【0063】
なお、認証結果判断部43は、上記2つの暗証番号が一致する場合に盗難防止処理の実行を解除する盗難防止解除信号を盗難防止実行部5に送信するように構成してもよい。
【0064】
また、ユーザ連絡部44は、異常通報信号を受けた場合に、携帯電話機4を介して、自動車1が盗難の被害に遭っていることを連絡する処理を行うものである。より具体的に説明すると、ユーザ連絡部44は、入出力部25・37を介して、予め登録されたユーザの連絡先に電話をかけるよう携帯電話機4の処理部11に命令する。さらに、この命令によりユーザの連絡先と携帯電話機4とが接続された後、ユーザ連絡部44は、記憶部33に格納された所定の警告メッセージをユーザの連絡先へ送信する。もちろん、携帯電話機4が電子メール機能を備えている物である場合には、警告メッセージを電子メールにてユーザの連絡先に送信するよう、ユーザ連絡部44を構成してもよい。さらに、ユーザ連絡部44は、入出力部25・37を介して、異常通報信号をセンタシステム2に携帯電話網により送信するよう、携帯電話機4の処理部11に命令する。
【0065】
以上のような構成の処理部31は、たとえばCPU(Central Processing Unit)が、上記暗証番号設定処理部41、暗証番号認証処理部42、認証結果判断部43、およびユーザ連絡部44からなる各機能ブロックにおける処理動作を実現するためのプログラムを実行することによって実現することができる。また、図3などでは、処理部31と音声認識部34とを別のブロックで示しているが、音声認識部34の機能を実現するプログラムを、処理部31が備えるCPUによって実行するような構成であっても構わない。これらのプログラムは、たとえば記憶部33に記憶されており、必要時に処理部31が備えるRAMなどの作業領域記憶手段に読み出されてCPUによって実行されることになる。上記プログラムを記憶する記憶部33は、たとえばフラッシュEEPROMなどの不揮発性ICメモリやハードディスクなどの不揮発性記録媒体によって構成することができる。また、各種リムーバブルメディアに上記プログラムが記憶されており、必要時にこのリムーバブルメディアからプログラムが読み出されることによって実行される形態でもよい。また、上記プログラムは、通信ネットワークを介して外部からダウンロードされて実行されるようになっていてもよい。さらに、上記処理部31は、上記各機能ブロックを実現するICによって構成されていてもよい。
【0066】
〔その他の暗証番号入力照合方式〕
ハンズフリー装置3における暗証番号の入力方式として、上記の例では、利用者が音声によって暗証番号を入力するとともに、音声認識によって暗証番号を識別して照合を行う方式を示したが、これに限定されるものではない。たとえば次に示すような方法、すなわち、▲1▼携帯電話機4をハンズフリー装置3に取り付けていない状態で、該携帯電話機4の操作部14から利用者が暗証番号を入力し、この暗証番号が、携帯電話機4からIrDA等の光通信手段、あるいはBluetooth(登録商標)などの無線手段によってハンズフリー装置3に送信される方法、▲2▼携帯電話機4をハンズフリー装置3に装着したままの状態で、該携帯電話機4の操作部14から利用者が暗証番号を入力し、この暗証番号が、携帯電話機4からハンズフリー装置3に送信される方法、▲3▼予め利用者の音声を音紋(声紋)としてハンズフリー装置3に記憶しておき、利用者による発声入力があると、この音紋データと照合して認証確認をとる方法、▲4▼ハンズフリー装置3に、バイオメトリックな手段、たとえば指紋認識、顔面認識、網膜認識、虹彩認識などの手段を内蔵させ、これによって認証確認をとる方法、などによって本人の認証を行ってもよい。
【0067】
〔センタシステムの構成〕
次に、センタシステム2の構成について、図4を参照しながら以下に説明する。同図に示すように、センタシステム2は、センタ制御部51、通信部52、記憶部53、および操作部54を備えた構成となっている。
【0068】
通信部52は、自動車1に搭載されている携帯電話機4との間で行われる通信のインターフェースとして機能するものである。なお、この通信部52は、実際には、通信先に応じた複数の送受信部から構成されることになる。記憶部53は、センタ制御部51において利用される各種データを記憶するものである。操作部54は、センタ制御部51の管理者による指示入力を受け付けるためのものである。また、図示はしていないが、センタ制御部51の動作状況を表示する表示手段が設けられていてもよい。
【0069】
センタ制御部51は、センタシステム2における処理を統括制御するものであり、携帯電話通信処理部55、および盗難防止機関通信処理部56を備えた構成となっている。
【0070】
携帯電話通信処理部55は、携帯電話機4との間で通信が行われる際の通信処理を制御するものである。盗難防止機関通信処理部56は、盗難防止システムを提供するセキュリティ管理会社との間で通信が行われる際の通信処理を制御するものである。
【0071】
センタ制御部51は、上記の携帯電話通信処理部55を用いてユーザ連絡部44からの異常通報信号を通信部52にて受信することができる。さらに、センタ制御部51は、盗難防止機関通信処理部56を用いて異常通報信号を通信部52からセキュリティ管理会社に送信する。これにより、セキュリティ管理会社は、車両盗難の現場に担当者を急行させることができる。
【0072】
以上のような構成のセンタ制御部51は、たとえばPCベースのコンピュータによって実現することが可能である。この場合、CPUが、上記携帯電話通信処理部55および盗難防止機関通信処理部56からなる各機能ブロックにおける処理動作を実現するためのプログラムを実行することによってセンタ制御部51を実現することができる。これらのプログラムは、たとえば記憶部53に記憶されており、必要時にセンタ制御部51が備えるRAMなどの作業領域記憶手段に読み出されてCPUによって実行されることになる。上記プログラムを記憶する記憶部53は、たとえばハードディスクなどの不揮発性記録媒体によって構成することができる。また、各種リムーバブルメディアに上記プログラムが記憶されており、必要時にこのリムーバブルメディアからプログラムが読み出されることによって実行される形態でもよい。また、上記プログラムは、通信ネットワークを介して外部からダウンロードされて実行されるようになっていてもよい。
【0073】
〔盗難防止実行部の構成〕
次に、盗難防止実行部5の構成について、図5を参照しながら以下に説明する。図5に示すように、盗難防止実行部5は、エンジンスタータ制御部61、盗難警告部62、およびキー操作無効化部63を備えた構成となっている。
【0074】
エンジンスタータ制御部61は、上述の認証結果判断部43(図3)からの盗難防止実行信号を受けた場合に、セルモータを始動させないように制御するものである。さらに、エンジンスタータ制御部61は、盗難防止実行信号を受けることにより作動中のエンジンを停止する制御を行うように構成してもよい。
【0075】
また、盗難警告部62は、上記の盗難防止実行信号を受けた場合に、自動車1への侵入者を威嚇するサイレンを鳴らす処理を実行するものである。キー操作無効化部63は、セルモータを始動させるキースイッチ操作を無効化するものである。
【0076】
このように、盗難防止実行部5は、盗難防止実行信号を受信することにより、セルモータの無効化処理、あるいは威嚇サイレンの鳴動など、車両盗難による被害を未然に防ぐための盗難防止処理を実行する。したがって、盗難防止実行部5としては、盗難防止処理を実行し得る構成のものであればよく、図5の構成に限定されるものではない。
【0077】
すなわち、盗難防止実行部5は、エンジンスタータ制御部61、盗難警告部62、キー操作無効化部63のうち少なくとも1つを備えているものであればよく、あるいは他の盗難防止処理を実行し得る構成を備えていても構わない。たとえば、携帯電話機4がカメラ付きのものである場合には、携帯電話機4の処理部11に対して自動車への侵入者を撮影する指示を与える撮影処理実行部(図示せず)を設けてもよい。
【0078】
以上のような構成の盗難防止実行部5は、たとえばCPU(Central Processing Unit)が、上記エンジンスタータ制御部61、盗難警告部62、およびキー操作無効化部63からなる各機能ブロックにおける処理動作を実現するためのプログラムを実行することによって実現することができる。これらのプログラムは、たとえば記憶部33に記憶されており、必要時に処理部31が備えるRAMなどの作業領域記憶手段に読み出されてCPUによって実行されることになる。上記プログラムを記憶する記憶部33は、たとえばフラッシュEEPROMなどの不揮発性ICメモリやハードディスクなどの不揮発性記録媒体によって構成することができる。また、各種リムーバブルメディアに上記プログラムが記憶されており、必要時にこのリムーバブルメディアからプログラムが読み出されることによって実行される形態でもよい。また、上記プログラムは、通信ネットワークを介して外部からダウンロードされて実行されるようになっていてもよい。さらに、上記処理部31は、上記各機能ブロックを実現するICによって構成されていてもよい。
【0079】
〔盗難防止処理フロー〕
次に、盗難防止処理が実行されるまでの一連の手順を、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0080】
先ず、暗証番号設定処理部41による暗証番号の設定処理が行われる(S1)。なお、S1にて設定される暗証番号は、上述したように、記憶部33における暗証番号記憶部45に記憶される。
【0081】
一方、自動車1に人が乗り込むことを検知した後、乗車しようとするユーザに対して暗証番号の入力要求が行われる(S2)。自動車に人が乗り込むのを検知することは、種々の方法により実現可能である。たとえば、ドアの開閉を検知したり、圧力センサや光センサにより運転席へ人間が着座したことを検知したりすることにより実現できる。
【0082】
また、S2における暗証番号の入力要求は、ハンズフリー装置3の処理部31が、「暗証番号を入力して下さい」というようなメッセージをスピーカ38から出力することにより実現可能である。S2の後、乗車しようとするユーザにより、マイク39を介して音声認識部34から暗証番号が音声入力される(S3)。
【0083】
その後、暗証番号認証処理部42により、暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号と、ユーザによって入力された暗証番号との認証処理が行われる(S4)。
【0084】
さらに、認証結果判断部43により、S4における認証処理の結果が判断される(S5)。具体的に説明すると、S5においては、音声認識部34に認識された暗証番号と暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号とが一致すると暗証番号認証処理部42に判断されたか否かを参照することにより、乗車しようとしている者が正規ユーザであるか否かが判断される。
【0085】
S5において上記2つの暗証番号が一致しており、正規のユーザが乗車しようとしていると判断された場合、自動車1の正常スタート動作が開始される。すなわち、認証結果判断部43は盗難防止実行信号を盗難防止実行部5に送信しないので、セルモータの停止・キー操作の無効化等の盗難防止処理が実行されることはない。
【0086】
一方、S5において上記2つの暗証番号が一致しておらず、不正なユーザが乗車しようとしている可能性があると判断される場合、暗証番号認証処理部42は、ユーザが所定回数を超えて暗証番号の音声入力を行ったか否かを判断する(S7)。
【0087】
S7において所定回数を超える暗証番号の音声入力が行われていないと判断される場合、再度S4に戻り暗証番号の認証処理が行われる。一方、S7において所定回数の暗証番号の音声入力が既に行われていると判断された場合、S8において盗難防止処理が実行される。具体的には、上述したエンジンスタータの制御処理、サイレンの鳴動処理、キー操作の無効化処理等が実行される。
【0088】
なお、S7においては、乗車しようとするユーザにより暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号と一致する暗証番号が所定時間内に入力されたか否かを判断することにより、盗難防止処理を実行するか否かの判断を行ってもよい。
【0089】
以上のステップを踏むことにより、ハンズフリー装置3による暗証番号の認証処理が実行され、その認証処理の結果に応じて盗難防止処理が実行される。
【0090】
なお、上述のフローは、ハンズフリー装置3に携帯電話機4が搭載されていなくても実行可能である。すなわち、ハンズフリー装置3に携帯電話機4が搭載されていない場合には、ユーザ連絡部44によるユーザへの異常連絡を行うことができないが、盗難防止実行部5による種々の盗難防止処理を実現することはもちろん可能である。したがって、本実施の形態のハンズフリー装置3は、携帯電話機4が搭載されていない場合においても、十分に盗難防止を実現できるものといえる。よって、上記したハンズフリー装置3の構成において、ハンズフリー通話機能を実現するための構成、すなわち、アダプタ部6や、固定本体部7におけるCODEC35および入出力部37などは必ずしも備えていなくてもよい。
【0091】
一方で、S2において、携帯電話機4が搭載されていることを検知することにより、暗証番号の入力要求が行われるようにしてもよい。この場合、S5において認証処理が正常に行われた場合、認証結果判断部43から盗難防止処理の解除信号が盗難防止実行部5に送信されるように構成することが好ましい。
【0092】
このように構成することにより、降車時には常に盗難防止処理を盗難防止実行部5に実行させておく一方で、乗車しようとするユーザが正規ユーザであると認証された場合に限り盗難防止処理が解除されるようにできる。したがって、正規ユーザであっても、乗車しようとする時には携帯電話機4をハンズフリー装置3に搭載して認証処理を実行しなければ、盗難防止処理を解除することができない。よって、乗車時には必ず携帯電話機4をハンズフリー装置3に搭載する必要があるので、ユーザが通信端末を自宅、仕事場等に置き忘れることを防止できる。
【0093】
また、携帯電話機4が設置されている場合に暗証番号の認証処理が行われる構成とすれば、S5において乗車しようとするユーザが正規ユーザであると認証されなかった場合において、ユーザ連絡部44から外部に異常通報を行うことができるので、より効果的な盗難防止が可能となる。
【0094】
〔ユーザ認証処理についての別の例〕
上記の構成では、ユーザから入力された暗証番号を、暗証番号認証処理部42が暗証番号記憶部45を照会することによってユーザを識別するようになっている。これに対して、ユーザの識別を、ユーザが用いている携帯電話機4を用いて行う構成としてもよい。
【0095】
図7は、この例における処理部31の具体的構成例を示している。同図に示すように、図3に示す構成と比較して異なる点は、暗証番号設定処理部41および暗証番号認証処理部42の代わりにユーザ識別処理部(認証処理手段)70が設けられている点である。さらに、ユーザ識別処理部70が、入出力部37から情報を取得して、記憶部33内のユーザ情報記憶部(ユーザ情報記憶手段)71に基づいてユーザを識別している点である。そして、認証結果判断部43は、ユーザ識別処理部70におけるユーザ識別処理の結果に基づき、盗難防止実行部5に対する盗難防止実行信号の送信や、ユーザ連絡部44に対する異常通報信号の送信を行う。
【0096】
ここで、携帯電話機4によって利用者を識別する方法について説明する。昨今では、携帯電話機4を各個人がそれぞれ所有して利用する利用形態が広く普及している。したがって、携帯電話機4の個体差を検出することができれば、その携帯電話機4のユーザを特定することが可能である。
【0097】
すなわち、携帯電話機4の個体を特定することが可能な固有情報をユーザ情報記憶部71に予め登録しておき、ユーザの識別を行う際には、アダプタ部6を介してその時点で装着されている携帯電話機4の固有情報を読み出し、これをユーザ情報記憶部71に対して照会すればよいことになる。
【0098】
なお、携帯電話機4の固有情報としては、該携帯電話機4に記憶されている自機の電話番号情報、所有者情報、装置固有データなどが挙げられるが、特に限定するものではない。
【0099】
なお、次世代携帯電話には加入者識別用のICカードが格納されるようになることが提案されている。将来的には、この加入者識別用のICカードにアプリケーションが搭載され、携帯型電話機で実行されるJava(登録商標)アプリケーションとを組み合わせた様々なサービスが広がることが予想されている。たとえば、セキュリティが必要な電子マネーや会員証等のサービスを携帯電話で受けられるようになることが考えられる。すなわち、本発明において、携帯電話機4の固有情報を、この加入者識別用のICカードから引き出すようにする構成とすることが可能である。
【0100】
図8は、この例における盗難防止処理実行までの流れを示している。ユーザは、たとえば自動車の運転を開始する際などに、ハンズフリー装置3は、音声ガイダンスなどによって、携帯電話機4をアダプタ部6に装着させる指示を行う(S11)。携帯電話機4の装着が確認された後に(S12)、携帯電話機4から固有情報の読み出しを行う(S13)。その後、ユーザ識別処理部70が、抽出した固有情報に基づいてユーザ情報記憶部71を照会することによって、ユーザの特定処理が行われる(S14)。
【0101】
S14におけるユーザの特定処理の結果、正規ユーザが携帯電話機4を装着したと判断された場合には、正常スタート動作が実行される(S16)。一方、S15において装着された携帯電話機4が正規ユーザのものでないと判断された場合、ユーザ識別処理部70は、ユーザが所定回数を超えるユーザ特定処理が行われたか否かを判断する(S17)。
【0102】
S17において所定回数を超えるユーザ特定処理が実行されていると判断された場合、認証結果判断部43は盗難防止実行部5に対する盗難防止実行信号の送信を行う(S18)。
【0103】
以上のような構成によれば、ユーザは、自分が携帯している携帯電話機4をハンズフリー装置3にセットすることのみによって、盗難防止処理の実行処理が行われることになる。よって、暗証番号などの入力を行う手間を省くことができ、利便性のよいシステムとすることができる。
【0104】
また、正常スタート動作を行うためには、携帯電話機4をセットしないといけないことになるので、ユーザが携帯電話機4を持ち忘れている場合に、結果的にこれが警告されることになる。すなわち、利用者の携帯電話機4の持ち忘れを抑制するという効果も奏することになる。
【0105】
なお、この携帯電話機4によるユーザ識別方式と、上記した暗証番号によるユーザ識別方式とを併用し、利用者によってどちらで識別を行うかを選択可能としてもよい。たとえば、基本的には携帯電話機4による方式を設定しておき、利用者が意識的に携帯電話機4を持たない状態で運転をする場合には、暗証番号による方式に切替える、というようなアプリケーションが考えられる。
【0106】
〔乗車前に行う盗難防止処理の解除〕
上記では、ユーザが音声入力した暗証番号に基づいて盗難防止処理を実行したり、ユーザが携帯電話機4をハンズフリー装置3にセットしたりすることによって、盗難防止処理を実行/解除する例について説明した。さらに、以下のような方式によっても、盗難防止処理の実行/解除は実現可能である。
【0107】
すなわち、自動車1がキーレスエントリー機能等の外部信号を照合してドアロックを解除する機能を有するものである場合、携帯電話機4からドアロック解除信号を、IrDA等の光通信手段、あるいはBluetoothなどの無線手段によってハンズフリー装置3に送信する構成とする。さらに、ドアロック解除信号とともに、携帯電話機4の固有情報を送信し、ハンズフリー装置3のユーザ識別処理部70によりユーザの特定を行って、盗難防止処理の解除を行う。
【0108】
この方式によれば、乗車前に携帯電話機4を用いた遠隔操作によって、ドアロックの解除とともに盗難防止処理を解除しておくことができるので、より利便性を高めることができる。
【0109】
さらに、乗車前に携帯電話機4を用いてセンタシステム2との通信を行い、センタシステム2から盗難防止処理を解除するための暗証番号情報を取得するように構成してもよい。この場合、ドアロック解除信号とともに、取得された暗証番号情報をハンズフリー装置3の暗証番号認証処理部42に送信する構成とする。そして、暗証番号認証処理部42において、携帯電話機4から送信される暗証番号情報に基づきユーザ認証を行い、盗難防止処理の解除を行う。
【0110】
この方式によれば、センタシステム2から取得された暗証番号情報、すなわち高セキュリティが保証された暗証番号情報に基づいて盗難防止処理が解除されるので、より効果的に盗難防止を実現することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上のように、本発明の車載端末装置は、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置であって、ユーザの認証処理を行う認証処理手段と、上記認証処理手段による認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与する認証結果判断手段とを備えているものである。
【0112】
上記構成では、認証処理手段により認証処理が行われるので、乗車しようとするユーザが正規のユーザか否かを認証することができる。一方認証結果判断手段は、認証処理手段の認証結果に応じて盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与するので、乗車しようとするユーザが正規のユーザか否かに確実に対応させて、盗難防止実行手段に盗難防止処理を実行させることができる。
【0113】
したがって、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る既存の車載端末装置に対して、認証処理手段および認証結果判断手段を設け、さらに自動車に盗難防止実行手段を設けるという簡易な構成により、盗難防止機能を実現することができる。よって、低コストにて盗難防止機能を実現できる車載端末装置を提供することができるという効果を奏する。
【0114】
特に、自動車運転時における携帯電話機のボタン操作などを行うことは、法令上禁止されており、さらに事故の原因となる可能性が非常に高いことから、携帯電話機等の通信端末の通信を制御し得る車載端末装置へのユーザニーズは非常に高いといえる。したがって、本発明の車載端末装置によれば、単に盗難防止機能のみを実現するだけであった従来の盗難防止装置よりも高い普及率を期待することができるという効果を奏する。
【0115】
さらに、本発明の車載端末装置は、正規ユーザにより予め設定される暗証番号を記憶する暗証番号記憶手段をさらに備え、上記認証処理手段が、上記暗証番号記憶手段に記憶された暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号を照合することによって認証処理を行うものである。
【0116】
上記の構成によれば、車載端末装置の購入時に正規ユーザにより設定された暗証番号を、正規の暗証番号として暗証番号記憶手段に記憶させておくことができる。したがって、乗車しようとするユーザが正規ユーザであるか否かを、暗証番号記憶手段に記憶された正規の暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号とを照合するという簡易な認証処理によって判断することができる。よって、車載端末装置をさらに低コストにすることができるという効果を奏する。
【0117】
さらに、本発明の車載端末装置は、ユーザによる発声を音声信号として認識する音声認識手段をさらに備え、乗車しようとするユーザによる暗証番号の入力は、上記音声認識手段を介して行われるものである。
【0118】
上記構成によれば、乗車しようとする際に行われる認証処理に用いられる暗証番号を発声によって入力することができる。よって、より簡易に認証処理手段に認証処理を実行させ盗難防止を実現することができるので、車載端末装置の利便性を向上させることができる。
【0119】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証処理手段が、上記通信端末から、該通信端末の個体を特定することが可能な固有情報を読み出す一方、ユーザ情報記憶手段に予め登録された固有情報と通信端末から読み出される固有情報とを照合することによって、認証処理を行うものである。
【0120】
上記構成によれば、車載端末装置に通信端末をセットするだけで、認証処理手段にて通信端末の固有情報を読み出し、ユーザ認証を行うことが可能となる。よって、暗証番号などの入力を行う手間を省くことができ、利便性のよいシステムとすることができるという効果を奏する。また、ユーザ認証のために通信端末を車載端末装置にセットする必要があるので、通信端末の持ち忘れを防止することもできるという効果を奏する。
【0121】
さらに、本発明の車載端末装置は、ユーザが乗車することを検知した後にユーザの認証処理を行うものである。
【0122】
上記構成によれば、ユーザが乗車した後にユーザの認証処理が行われるので、音声認識や通信端末のセットによるユーザ認証が確実に行われる。よって、より確実に盗難防止を実現できるという効果を奏する。
【0123】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証結果判断手段が、上記認証処理手段による認証結果に応じて、さらに、上記盗難防止実行手段に盗難防止処理の解除命令を付与するものである。
【0124】
上記構成では、認証結果判断手段により盗難防止処理の解除命令が付与されるので、乗車しようとするユーザが正規のユーザであると認証された場合に盗難防止処理の解除命令を付与するよう、認証結果判断手段を構成することができる。したがって、降車時には常に盗難防止処理を盗難防止実行手段に実行させておく一方で、乗車しようとするユーザが正規ユーザであると認証された場合に限り盗難防止処理が解除されるように盗難防止実行手段を構成できるので、車両盗難に対する自動車のセキュリティを高めることができるという効果を奏する。
【0125】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証処理手段は、上記通信端末が上記車載端末装置に搭載されているか否かに応じて乗車しようとするユーザの認証処理を行うものである。
【0126】
上記構成によれば、車載端末装置に通信端末が搭載されているか否かに応じて認証処理手段による認証処理が行われるので、車載端末装置に通信端末が搭載されていない場合には認証処理を行わないように認証処理手段を構成することができる。
【0127】
すなわち、正規ユーザであっても、乗車しようとする時には通信端末を車載端末装置に搭載して認証処理を実行しなければ、盗難防止処理を解除することができない。よって、乗車時には必ず通信端末を車載端末装置に搭載する必要があるので、ユーザが通信端末を自宅、仕事場等に置き忘れることを防止できるという効果を奏する。
【0128】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証結果判断手段の判断に応じて、上記通信端末を介して自動車が盗難被害に遭っていることをユーザに連絡するユーザ連絡手段を備えているものである。
【0129】
上記構成によれば、ユーザ連絡手段により盗難被害に遭っていることが外部に連絡されるので、ユーザは盗難被害を携帯電話網等の通信回線により知ることができる。したがって、ユーザは、いちはやく車両盗難の現場に駆けつけることができ、車両盗難を未然に防ぐことができるという効果を奏する。
【0130】
また、本発明の車両端末装置を用いる盗難防止方法は、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置を用いる方法であって、ユーザが乗車することを検知した後ユーザの認証処理を車載端末装置の認証処理手段により行う第1ステップと、上記第1ステップにおける認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に対し、盗難防止処理の実行命令を上記車載端末装置の認証結果判断手段により付与する第2ステップとを備えている方法である。
【0131】
上記構成の方法によれば、上記構成の車載端末装置における認証処理手段および認証結果判断手段と同一の作用効果が実現されている。よって、本発明の車載端末装置と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るハンズフリー装置の携帯電話機を搭載した状態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1のハンズフリー装置を用いる盗難防止システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1のハンズフリー装置においてユーザ認証を行うための構成を示すブロック図である。
【図4】図2の盗難防止システムにおけるセンタシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】図2の盗難防止システムにおける盗難防止実行部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明のハンズフリー装置により盗難防止が実行される手順を示すフローチャートである。
【図7】図1のハンズフリー装置においてユーザ認証を行うための他の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の構成により盗難防止処理が実行される手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 ハンズフリー装置(車載端末装置)
4 携帯電話機(通信端末)
5 盗難防止実行部(盗難防止実行手段)
34 音声認識部(音声認識手段)
42 暗証番号認証処理部(認証処理手段)
43 認証結果判断部(認証結果判断手段)
44 ユーザ連絡部(ユーザ連絡手段)
45 暗証番号記憶部(暗証番号記憶手段)
70 ユーザ識別処理部(認証処理手段)
71 ユーザ情報記憶部(ユーザ情報記憶手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話などの通信端末を活用した車両盗難防止方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車上荒しや車両盗難の被害が増加していることから、盗難防止装置への必要性が急速に高まっている。そして、もっとも広く市販されているものとして、不正なドアのこじ開けや、車両の傾斜等の車両異常を感知する機能を備え、異常が発生した際にはサイレンで車両への侵入者を威嚇するタイプの盗難防止装置を挙げることができる。さらに高価なタイプの盗難防止装置では、異常発生を感知すると同時にオペレーションセンターへ異常信号を送信するタイプのものもある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−198762号公報(1999年7月27日公開)
【0004】
【特許文献2】
特開2002−316590号公報(2002年10月29日公開)
【0005】
【特許文献3】
特開2002−362246号公報(2002年12月18日公開)
【0006】
【特許文献4】
特開2003−54370号公報(2003年2月26日公開)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の盗難防止装置は、専用の車載端末として盗難防止の機能しか実現していないものが多い。すなわち、いつ発生するかわからない盗難を防止するという目的のために、ユーザは専用の車載端末を新規に取り付ける必要があるので、盗難防止装置の購入を控えてしまうことも考えられ、現状では盗難防止装置の普及に時間を要することが予想される。
【0008】
ところで、携帯電話は、近年爆発的な普及を達成しており、インフラ的側面を有するものとなっている。そして、車両運転時において携帯電話で安全に通話できるようにすることを目的とされたハンズフリー通話装置が種々実用化されている。本発明者らは、このようなハンズフリー通話装置を盗難防止に応用することができれば、多数のユーザがその装置を利用するであろうことに着目した。
【0009】
すなわち、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、既存の車載端末を応用して安価に提供し得る車載端末装置、車載端末制御プログラム、コンピュータ読取可能な記録媒体、および車載端末装置を用いる盗難防止方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の車載端末装置は、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置であって、ユーザの認証処理を行う認証処理手段と、上記認証処理手段による認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与する認証結果判断手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
上記構成では、認証処理手段により認証処理が行われるので、乗車しようとするユーザが正規のユーザか否かを認証することができる。一方認証結果判断手段は、認証処理手段の認証結果に応じて盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与するので、乗車しようとするユーザが正規のユーザか否かに確実に対応させて、盗難防止実行手段に盗難防止処理を実行させることができる。
【0012】
たとえば、乗車しようとするユーザが正規のユーザであると認証処理手段により認証されなかった場合には、盗難防止実行手段に対し、セルモータを始動させない、キー操作を無効化する等、正規ユーザ以外の者に自動車またはその付属物が盗難されることを防止するための種々の処理(盗難防止処理)を行うよう、認証結果判断手段から命令を付与することができる。
【0013】
したがって、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る既存の車載端末装置に対して、認証処理手段および認証結果判断手段を設け、さらに自動車に盗難防止実行手段を設けるという簡易な構成により、盗難防止機能を実現することができる。よって、低コストにて盗難防止機能を実現できる車載端末装置を提供することができる。
【0014】
特に、自動車運転時における携帯電話機のボタン操作などを行うことは、法令上禁止されており、さらに事故の原因となる可能性が非常に高いことから、携帯電話機等の通信端末の通信を制御し得る車載端末装置へのユーザニーズは非常に高いといえる。したがって、本発明の車載端末装置によれば、単に盗難防止機能のみを実現するだけであった従来の盗難防止装置よりも高い普及率を期待することができる。
【0015】
さらに、本発明の車載端末装置は、正規ユーザにより予め設定される暗証番号を記憶する暗証番号記憶手段をさらに備え、上記認証処理手段が、上記暗証番号記憶手段に記憶された暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号を照合することによって認証処理を行うことを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、車載端末装置の購入時に正規ユーザにより設定された暗証番号を、正規の暗証番号として暗証番号記憶手段に記憶させておくことができる。したがって、乗車しようとするユーザが正規ユーザであるか否かを、暗証番号記憶手段に記憶された正規の暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号とを照合するという簡易な認証処理によって判断することができる。よって、車載端末装置をさらに低コストにすることができる。
【0017】
さらに、本発明の車載端末装置は、ユーザによる発声を音声信号として認識する音声認識手段をさらに備え、乗車しようとするユーザによる暗証番号の入力は、上記音声認識手段を介して行われることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、乗車しようとする際に行われる認証処理に用いられる暗証番号を発声によって入力することができる。よって、より簡易に認証処理手段に認証処理を実行させ盗難防止を実現することができるので、車載端末装置の利便性を向上させることができる。
【0019】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証処理手段が、上記通信端末から、該通信端末の個体を特定することが可能な固有情報を読み出す一方、ユーザ情報記憶手段に予め登録された固有情報と通信端末から読み出される固有情報とを照合することによって、認証処理を行うことを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、車載端末装置に通信端末をセットするだけで、認証処理手段にて通信端末の固有情報を読み出し、ユーザ認証を行うことが可能となる。よって、暗証番号などの入力を行う手間を省くことができ、利便性のよいシステムとすることができる。また、ユーザ認証のために通信端末を車載端末装置にセットする必要があるので、通信端末の持ち忘れを防止することもできる。
【0021】
さらに、本発明の車載端末装置は、ユーザが乗車することを検知した後にユーザの認証処理を行うことを特徴としている。
【0022】
上記構成によれば、ユーザが乗車した後にユーザの認証処理が行われるので、音声認識や通信端末のセットによるユーザ認証が確実に行われる。よって、より確実に盗難防止を実現できる。
【0023】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証結果判断手段が、上記認証処理手段による認証結果に応じて、さらに、上記盗難防止実行手段に盗難防止処理の解除命令を付与することを特徴としている。
【0024】
上記構成では、認証結果判断手段により盗難防止処理の解除命令が付与されるので、乗車しようとするユーザが正規のユーザであると認証された場合に盗難防止処理の解除命令を付与するよう、認証結果判断手段を構成することができる。したがって、降車時には常に盗難防止処理を盗難防止実行手段に実行させておく一方で、乗車しようとするユーザが正規ユーザであると認証された場合に限り盗難防止処理が解除されるように盗難防止実行手段を構成できるので、車両盗難に対する自動車のセキュリティを高めることができる。
【0025】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証処理手段は、上記通信端末が上記車載端末装置に搭載されているか否かに応じて乗車しようとするユーザの認証処理を行うことを特徴としている。
【0026】
上記構成によれば、車載端末装置に通信端末が搭載されているか否かに応じて認証処理手段による認証処理が行われるので、車載端末装置に通信端末が搭載されていない場合には認証処理を行わないように認証処理手段を構成することができる。
【0027】
すなわち、正規ユーザであっても、乗車しようとする時に通信端末を車載端末装置に搭載して認証処理を実行しなければ、盗難防止処理を解除することができない。よって、乗車する際には必ず通信端末を車載端末装置に搭載する必要があるので、ユーザが通信端末を自宅、仕事場等に置き忘れることを防止できる。
【0028】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証結果判断手段の判断に応じて、上記通信端末を介して自動車が盗難被害に遭っていることをユーザに連絡するユーザ連絡手段を備えていることを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、ユーザ連絡手段により盗難被害に遭っていることが外部に連絡されるので、ユーザは盗難被害を携帯電話網等の通信回線により知ることができる。したがって、ユーザは、いちはやく車両盗難の現場に駆けつけることができ、車両盗難を未然に防ぐことができる。
【0030】
また、本発明の車両端末装置を用いる盗難防止方法は、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置を用いる方法であって、ユーザの認証処理を車載端末装置の認証処理手段により行う第1ステップと、上記第1ステップにおける認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に対し、盗難防止処理の実行命令を上記車載端末装置の認証結果判断手段により付与する第2ステップとを備えていることを特徴としている。
【0031】
上記構成の方法によれば、上記構成の車載端末装置における認証処理手段および認証結果判断手段と同一の作用効果が実現されている。よって、本発明の車載端末装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0033】
〔盗難防止システムの構成〕
図2は、本実施の形態に係る盗難防止システムの概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、この盗難防止システムは、自動車1と、センタシステム2を備えた構成となっている。
【0034】
自動車1は、車載端末装置としてのハンズフリー装置3、ユーザが通常使用している携帯電話機(通信端末)4、および盗難防止実行部(盗難防止実行手段)5を備えている。すなわち、自動車1にはハンズフリー装置3が搭載されており、ユーザが自動車1を用いて移動する際には、ユーザが通常携帯している携帯電話機4をハンズフリー装置3にセットすることによって、上記のようなシステムが構成されることになる。
【0035】
盗難防止実行部5は、ハンズフリー装置3からの盗難防止実行信号を受け、所定の盗難防止処理を実行するものである。盗難防止実行部5の詳細については後述する。なお、盗難防止実行部5はハンズフリー装置3と別ブロックにて記載しているが、ハンズフリー装置3において盗難防止実行部5と同一の処理が実現される構成であってもよい。
【0036】
センタシステム2は、複数ユーザの車両に対する盗難防止を統括管理するシステムである。具体的に説明すると、センタシステム2は、携帯電話機4を介して自動車1における異常通報信号を受信し、現在車両に対して盗難が行われつつあることを盗難防止システムを提供するセキュリティ管理会社へ連絡する。セキュリティ管理会社においては、センタシステム2からの連絡を受け、緊急対処者を現場に向かわせて盗難を防ぐ等、適宜の盗難防止処置を講じ得る。
【0037】
自動車1における携帯電話機4とセンタシステム2との間の通信は、たとえば携帯電話機4における通常の通話・通信が行われる携帯電話網を介して行われる。なお、携帯電話機4がインターネット接続機能を有している場合には、携帯電話網に加えて、インターネットを介して通信が行われてもよい。ただし、インターネットを介する場合には、通信内容のセキュリティを確保するために暗号化通信などを採用することが好ましい。
【0038】
なお、図2では、自動車1を1つだけ示しているが、実際には、センタシステム2は、複数の自動車1…と接続されることになる。また、自動車1は、1つ以上のセンタシステム2と接続可能となっていてもよい。
【0039】
〔ハンズフリー装置および携帯電話機の構成〕
次に、自動車1に搭載されているハンズフリー装置3、およびこのハンズフリー装置3に取り付けられる携帯電話機4の構成について図1を参照しながら説明する。同図に示すように、ハンズフリー装置3は、アダプタ部(アダプタ)6および固定本体部7から構成されている。そして、携帯電話機4は、アダプタ部6を介してハンズフリー装置3に取り付けられるようになっている。
【0040】
携帯電話機4は、通常の携帯電話あるいはPHS(登録商標:Personal Handy−phone System)において用いられる携帯型電話機である。この携帯電話機4は、処理部11、記憶部12、入出力部13、操作部14、表示部15、およびアンテナ16を備えた構成となっている。
【0041】
処理部11は、携帯電話機4における各種処理を制御・実行するものである。記憶部12は、各種設定値や電話番号データなどを記憶するものである。入出力部13は、外部機器、本実施形態ではハンズフリー装置3との間で信号の入出力を行うものである。なお、この入出力部13は、携帯電話機4による通常の通話で用いられるスピーカおよびマイクも含むものとする。
【0042】
操作部14は、たとえばボタンやジョグダイヤルなどの操作入力を受け付けるものである。表示部15は、携帯電話機4における各種処理内容をユーザに提示するものである。アンテナ16は、携帯電話機4における携帯電話網を介しての通信を行う際にRF信号の送受信を行うためのものである。
【0043】
以上のように、携帯電話機4としては、最低限通話機能を有するものであれば、本実施形態における盗難防止システムを実現することが可能である。もちろん、携帯電話機4に、通話機能以外の機能、たとえばインターネット接続機能、Bluetooth(登録商標)通信機能、カメラ撮影機能、音楽再生機能などが備えられていても構わない。
【0044】
アダプタ部6は、ハンズフリー装置3に携帯電話機4を取り付ける際のアダプタとして機能するものであり、携帯電話機4の機種の違いによるインターフェースやコネクタ等の違いを調整・吸収できるように、切替え部21、レベル増幅/変換部22、処理部23、記憶部24、および入出力部25を備えた構成となっている。
【0045】
切替え部21は、携帯電話機4における入出力部13との間で信号のやりとりを行うとともに、信号の内容に応じて、レベル増幅/変換部22および入出力部25のいずれか一方との接続を切替える処理を行うものである。レベル増幅/変換部22は、携帯電話機4とハンズフリー装置3との間でやりとりされる音声信号のレベル増幅/変換処理を行うものである。入出力部25は、携帯電話機4とハンズフリー装置3との間でやりとりされる通話開始/終了信号および電話番号信号などの受け渡し処理を行うものである。処理部23は、入出力部25における受け渡し処理において、対応する携帯電話機4の仕様に基づいた信号とハンズフリー装置3の仕様に基づいた信号との相互変換処理を行うものである。記憶部24は、処理部23における変換処理時に用いられる変換データを記憶するものである。
【0046】
また、アダプタ部6は、携帯電話機4の機種に応じて取り替えられるようになっている。これは、携帯電話機4の機種によって、外部接続用インターフェースの形状などが異なることに対応するためである。よって、たとえばユーザが携帯電話機4の機種を変更した場合には、ハンズフリー装置3におけるアダプタ部6のみを取り替えればよいことになる。
【0047】
また、1つのハンズフリー装置3に対して、複数のユーザが利用するとともに、各ユーザがそれぞれ機種の異なる携帯電話機4を用いている場合にも、機種ごとにアダプタ部6を用意しておき、これらを適宜取り替えることによって対応することが可能となっている。
【0048】
しかしながら、利用が想定される携帯電話機4の機種において、外部接続用インターフェースの形状などが同一である場合には、アダプタ部6を取り替え可能な構成とする必要はなく、単に携帯電話機4との接続を可能とする構成としてもよい。
【0049】
固定本体部7は、自動車1における任意の固定部1aに固定的に取り付けられるものであり、処理部31、操作部32、記憶部33、音声認識部(音声認識手段)34、CODEC35・36、入出力部37、スピーカ38、およびマイク39を備えた構成となっている。
【0050】
処理部31は、固定本体部7における各種処理を制御・実行するものである。操作部32は、固定本体部7に対するユーザによる操作入力を受け付けるものであり、たとえば各種ボタンなどによって構成される。記憶部33は、各種設定値、音声認識用データ、ガイダンス音声データ、暗証番号データ、および短縮番号登録データなどを記憶するものである。音声認識部34は、マイク39から入力されたユーザの音声情報に基づいて、その内容を認識する処理を行うものである。音声認識は、記憶部33に記憶されている音声認識用データと、入力されたユーザの音声情報とを比較・照合することによって行われる。
【0051】
CODEC35は、アダプタ部6におけるレベル増幅/変換部22から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して上記レベル増幅/変換部22に出力するものである。CODEC36は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してスピーカ38に対して出力するとともに、マイク39から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するものである。
【0052】
入出力部37は、アダプタ部6における入出力部25との間で、通話開始/終了信号および電話番号信号などの受け渡し処理を行うものである。スピーカ38は、乗車しているユーザに対して、携帯電話機4を介して行われる通話の内容、および各種音声を出力するものである。マイク39は、乗車しているユーザが発する音声を音声信号に変換して入力するものである。
【0053】
以上のように、固定本体部7は、携帯電話機4によるハンズフリー通話を実現するための構成となっている。よって、乗車しているユーザは、言葉を発声することのみによって、携帯電話機4による全ての通話処理を行うことが可能となっている。
【0054】
上記の構成では、固定本体部7の内部では、音声信号がデジタル信号として処理されるようになっている。これにより、音声認識部34による音声認識が可能となるとともに、自動車1の車内における雑音などを考慮して、入出力される音声に対してノイズリダクションや周波数特性の調整などの音声調整処理を施すことが可能となる。この音声調整処理は処理部31で行われてもよいし、音声調整処理用のDSP(Digital Signal Processor)などが設けられていてもよい。
【0055】
なお、固定本体部7は、たとえばナビゲーションシステム、AV(Audio & Visual)システム、空調制御システムなどの車載端末装置と統合されていてもよい。この場合、通話処理以外の機能も発声のみによってコントロールすることも可能となる。また、固定本体部7における処理状況が車載端末装置の表示画面上に適宜表示されるようになっていてもよい。
【0056】
〔固定本体部における処理部の構成〕
次に、固定本体部7における処理部31の構成について、図3を参照しながら以下に説明する。なお、処理部31は、基本的にはハンズフリー装置3における各種動作を制御する処理を行うものであるが、ここでは盗難防止処理に関連する機能のみについて説明する。
【0057】
同図に示すように、処理部31は、暗証番号設定処理部41、暗証番号認証処理部(認証処理手段)42、認証結果判断部(認証結果判断手段)43、ユーザ連絡部(ユーザ連絡手段)44を備えた構成となっている。暗証番号設定処理部41は、ハンズフリー装置3に対して設定される暗証番号の設定処理を行うものである。暗証番号設定処理部41で設定される暗証番号は、記憶部33における暗証番号記憶部(暗証番号記憶手段)45に記憶される。
【0058】
ここで、暗証番号設定処理について説明しておく。ハンズフリー装置3に対して設定される暗証番号は、ユーザの認証を行う際に用いられるものである。よって、この暗証番号が簡単に変更可能であると問題があるので、基本的には一回設定された後は変更ができないようにしておく必要がある。たとえば、暗証番号記憶部45をフィールド・プログラマブルROMなどの1回のみ書込みが可能な記憶手段によって構成しておき、ハンズフリー装置3を最初に使用開始する際に暗証番号の記憶処理を行う、という構成をとることによって実現することができる。
【0059】
また、たとえば、センタシステム2からの認証が得られたときにのみ暗証番号の変更が可能となる構成としてもよい。さらに、暗証番号記憶部45が取り外された場合には、盗難が行われようとしていると判断して、後述の盗難防止の処理を実行していもよい。
【0060】
暗証番号認証処理部42は、暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号と、ユーザによって入力された暗証番号との認証処理を行うものである。本実施形態では、ユーザが発声した暗証番号が音声認識部34によって認識され、これに基づいて認証処理が行われるようになっているが、必ずしもこの方式に限定されるものではない。すなわち、ユーザが携帯電話機4の操作部14あるいはハンズフリー装置3の操作部32を介して入力した暗証番号に基づいて認証処理を行ってもよい。暗証番号のその他の入力方式については後述する。
【0061】
認証結果判断部43は、暗証番号認証処理部42における認証処理の結果を判断するものである。すなわち、認証結果判断部43は、音声認識部34に認識された暗証番号と暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号とが一致しないと暗証番号認証処理部42により判断された場合、不正侵入者が乗車しているものと判断して、盗難防止実行信号を自動車1の盗難防止実行部5に送信するとともに、異常通報信号をユーザ連絡部44に送信する。
【0062】
一方、認証結果判断部43は、音声認識部34に認識された暗証番号と暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号とが一致すると暗証番号認証処理部42により判断された場合、正規のユーザが乗車しているものと判断して上述の盗難防止実行信号・異常通報信号の送信は行わない。
【0063】
なお、認証結果判断部43は、上記2つの暗証番号が一致する場合に盗難防止処理の実行を解除する盗難防止解除信号を盗難防止実行部5に送信するように構成してもよい。
【0064】
また、ユーザ連絡部44は、異常通報信号を受けた場合に、携帯電話機4を介して、自動車1が盗難の被害に遭っていることを連絡する処理を行うものである。より具体的に説明すると、ユーザ連絡部44は、入出力部25・37を介して、予め登録されたユーザの連絡先に電話をかけるよう携帯電話機4の処理部11に命令する。さらに、この命令によりユーザの連絡先と携帯電話機4とが接続された後、ユーザ連絡部44は、記憶部33に格納された所定の警告メッセージをユーザの連絡先へ送信する。もちろん、携帯電話機4が電子メール機能を備えている物である場合には、警告メッセージを電子メールにてユーザの連絡先に送信するよう、ユーザ連絡部44を構成してもよい。さらに、ユーザ連絡部44は、入出力部25・37を介して、異常通報信号をセンタシステム2に携帯電話網により送信するよう、携帯電話機4の処理部11に命令する。
【0065】
以上のような構成の処理部31は、たとえばCPU(Central Processing Unit)が、上記暗証番号設定処理部41、暗証番号認証処理部42、認証結果判断部43、およびユーザ連絡部44からなる各機能ブロックにおける処理動作を実現するためのプログラムを実行することによって実現することができる。また、図3などでは、処理部31と音声認識部34とを別のブロックで示しているが、音声認識部34の機能を実現するプログラムを、処理部31が備えるCPUによって実行するような構成であっても構わない。これらのプログラムは、たとえば記憶部33に記憶されており、必要時に処理部31が備えるRAMなどの作業領域記憶手段に読み出されてCPUによって実行されることになる。上記プログラムを記憶する記憶部33は、たとえばフラッシュEEPROMなどの不揮発性ICメモリやハードディスクなどの不揮発性記録媒体によって構成することができる。また、各種リムーバブルメディアに上記プログラムが記憶されており、必要時にこのリムーバブルメディアからプログラムが読み出されることによって実行される形態でもよい。また、上記プログラムは、通信ネットワークを介して外部からダウンロードされて実行されるようになっていてもよい。さらに、上記処理部31は、上記各機能ブロックを実現するICによって構成されていてもよい。
【0066】
〔その他の暗証番号入力照合方式〕
ハンズフリー装置3における暗証番号の入力方式として、上記の例では、利用者が音声によって暗証番号を入力するとともに、音声認識によって暗証番号を識別して照合を行う方式を示したが、これに限定されるものではない。たとえば次に示すような方法、すなわち、▲1▼携帯電話機4をハンズフリー装置3に取り付けていない状態で、該携帯電話機4の操作部14から利用者が暗証番号を入力し、この暗証番号が、携帯電話機4からIrDA等の光通信手段、あるいはBluetooth(登録商標)などの無線手段によってハンズフリー装置3に送信される方法、▲2▼携帯電話機4をハンズフリー装置3に装着したままの状態で、該携帯電話機4の操作部14から利用者が暗証番号を入力し、この暗証番号が、携帯電話機4からハンズフリー装置3に送信される方法、▲3▼予め利用者の音声を音紋(声紋)としてハンズフリー装置3に記憶しておき、利用者による発声入力があると、この音紋データと照合して認証確認をとる方法、▲4▼ハンズフリー装置3に、バイオメトリックな手段、たとえば指紋認識、顔面認識、網膜認識、虹彩認識などの手段を内蔵させ、これによって認証確認をとる方法、などによって本人の認証を行ってもよい。
【0067】
〔センタシステムの構成〕
次に、センタシステム2の構成について、図4を参照しながら以下に説明する。同図に示すように、センタシステム2は、センタ制御部51、通信部52、記憶部53、および操作部54を備えた構成となっている。
【0068】
通信部52は、自動車1に搭載されている携帯電話機4との間で行われる通信のインターフェースとして機能するものである。なお、この通信部52は、実際には、通信先に応じた複数の送受信部から構成されることになる。記憶部53は、センタ制御部51において利用される各種データを記憶するものである。操作部54は、センタ制御部51の管理者による指示入力を受け付けるためのものである。また、図示はしていないが、センタ制御部51の動作状況を表示する表示手段が設けられていてもよい。
【0069】
センタ制御部51は、センタシステム2における処理を統括制御するものであり、携帯電話通信処理部55、および盗難防止機関通信処理部56を備えた構成となっている。
【0070】
携帯電話通信処理部55は、携帯電話機4との間で通信が行われる際の通信処理を制御するものである。盗難防止機関通信処理部56は、盗難防止システムを提供するセキュリティ管理会社との間で通信が行われる際の通信処理を制御するものである。
【0071】
センタ制御部51は、上記の携帯電話通信処理部55を用いてユーザ連絡部44からの異常通報信号を通信部52にて受信することができる。さらに、センタ制御部51は、盗難防止機関通信処理部56を用いて異常通報信号を通信部52からセキュリティ管理会社に送信する。これにより、セキュリティ管理会社は、車両盗難の現場に担当者を急行させることができる。
【0072】
以上のような構成のセンタ制御部51は、たとえばPCベースのコンピュータによって実現することが可能である。この場合、CPUが、上記携帯電話通信処理部55および盗難防止機関通信処理部56からなる各機能ブロックにおける処理動作を実現するためのプログラムを実行することによってセンタ制御部51を実現することができる。これらのプログラムは、たとえば記憶部53に記憶されており、必要時にセンタ制御部51が備えるRAMなどの作業領域記憶手段に読み出されてCPUによって実行されることになる。上記プログラムを記憶する記憶部53は、たとえばハードディスクなどの不揮発性記録媒体によって構成することができる。また、各種リムーバブルメディアに上記プログラムが記憶されており、必要時にこのリムーバブルメディアからプログラムが読み出されることによって実行される形態でもよい。また、上記プログラムは、通信ネットワークを介して外部からダウンロードされて実行されるようになっていてもよい。
【0073】
〔盗難防止実行部の構成〕
次に、盗難防止実行部5の構成について、図5を参照しながら以下に説明する。図5に示すように、盗難防止実行部5は、エンジンスタータ制御部61、盗難警告部62、およびキー操作無効化部63を備えた構成となっている。
【0074】
エンジンスタータ制御部61は、上述の認証結果判断部43(図3)からの盗難防止実行信号を受けた場合に、セルモータを始動させないように制御するものである。さらに、エンジンスタータ制御部61は、盗難防止実行信号を受けることにより作動中のエンジンを停止する制御を行うように構成してもよい。
【0075】
また、盗難警告部62は、上記の盗難防止実行信号を受けた場合に、自動車1への侵入者を威嚇するサイレンを鳴らす処理を実行するものである。キー操作無効化部63は、セルモータを始動させるキースイッチ操作を無効化するものである。
【0076】
このように、盗難防止実行部5は、盗難防止実行信号を受信することにより、セルモータの無効化処理、あるいは威嚇サイレンの鳴動など、車両盗難による被害を未然に防ぐための盗難防止処理を実行する。したがって、盗難防止実行部5としては、盗難防止処理を実行し得る構成のものであればよく、図5の構成に限定されるものではない。
【0077】
すなわち、盗難防止実行部5は、エンジンスタータ制御部61、盗難警告部62、キー操作無効化部63のうち少なくとも1つを備えているものであればよく、あるいは他の盗難防止処理を実行し得る構成を備えていても構わない。たとえば、携帯電話機4がカメラ付きのものである場合には、携帯電話機4の処理部11に対して自動車への侵入者を撮影する指示を与える撮影処理実行部(図示せず)を設けてもよい。
【0078】
以上のような構成の盗難防止実行部5は、たとえばCPU(Central Processing Unit)が、上記エンジンスタータ制御部61、盗難警告部62、およびキー操作無効化部63からなる各機能ブロックにおける処理動作を実現するためのプログラムを実行することによって実現することができる。これらのプログラムは、たとえば記憶部33に記憶されており、必要時に処理部31が備えるRAMなどの作業領域記憶手段に読み出されてCPUによって実行されることになる。上記プログラムを記憶する記憶部33は、たとえばフラッシュEEPROMなどの不揮発性ICメモリやハードディスクなどの不揮発性記録媒体によって構成することができる。また、各種リムーバブルメディアに上記プログラムが記憶されており、必要時にこのリムーバブルメディアからプログラムが読み出されることによって実行される形態でもよい。また、上記プログラムは、通信ネットワークを介して外部からダウンロードされて実行されるようになっていてもよい。さらに、上記処理部31は、上記各機能ブロックを実現するICによって構成されていてもよい。
【0079】
〔盗難防止処理フロー〕
次に、盗難防止処理が実行されるまでの一連の手順を、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0080】
先ず、暗証番号設定処理部41による暗証番号の設定処理が行われる(S1)。なお、S1にて設定される暗証番号は、上述したように、記憶部33における暗証番号記憶部45に記憶される。
【0081】
一方、自動車1に人が乗り込むことを検知した後、乗車しようとするユーザに対して暗証番号の入力要求が行われる(S2)。自動車に人が乗り込むのを検知することは、種々の方法により実現可能である。たとえば、ドアの開閉を検知したり、圧力センサや光センサにより運転席へ人間が着座したことを検知したりすることにより実現できる。
【0082】
また、S2における暗証番号の入力要求は、ハンズフリー装置3の処理部31が、「暗証番号を入力して下さい」というようなメッセージをスピーカ38から出力することにより実現可能である。S2の後、乗車しようとするユーザにより、マイク39を介して音声認識部34から暗証番号が音声入力される(S3)。
【0083】
その後、暗証番号認証処理部42により、暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号と、ユーザによって入力された暗証番号との認証処理が行われる(S4)。
【0084】
さらに、認証結果判断部43により、S4における認証処理の結果が判断される(S5)。具体的に説明すると、S5においては、音声認識部34に認識された暗証番号と暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号とが一致すると暗証番号認証処理部42に判断されたか否かを参照することにより、乗車しようとしている者が正規ユーザであるか否かが判断される。
【0085】
S5において上記2つの暗証番号が一致しており、正規のユーザが乗車しようとしていると判断された場合、自動車1の正常スタート動作が開始される。すなわち、認証結果判断部43は盗難防止実行信号を盗難防止実行部5に送信しないので、セルモータの停止・キー操作の無効化等の盗難防止処理が実行されることはない。
【0086】
一方、S5において上記2つの暗証番号が一致しておらず、不正なユーザが乗車しようとしている可能性があると判断される場合、暗証番号認証処理部42は、ユーザが所定回数を超えて暗証番号の音声入力を行ったか否かを判断する(S7)。
【0087】
S7において所定回数を超える暗証番号の音声入力が行われていないと判断される場合、再度S4に戻り暗証番号の認証処理が行われる。一方、S7において所定回数の暗証番号の音声入力が既に行われていると判断された場合、S8において盗難防止処理が実行される。具体的には、上述したエンジンスタータの制御処理、サイレンの鳴動処理、キー操作の無効化処理等が実行される。
【0088】
なお、S7においては、乗車しようとするユーザにより暗証番号記憶部45に記憶されている暗証番号と一致する暗証番号が所定時間内に入力されたか否かを判断することにより、盗難防止処理を実行するか否かの判断を行ってもよい。
【0089】
以上のステップを踏むことにより、ハンズフリー装置3による暗証番号の認証処理が実行され、その認証処理の結果に応じて盗難防止処理が実行される。
【0090】
なお、上述のフローは、ハンズフリー装置3に携帯電話機4が搭載されていなくても実行可能である。すなわち、ハンズフリー装置3に携帯電話機4が搭載されていない場合には、ユーザ連絡部44によるユーザへの異常連絡を行うことができないが、盗難防止実行部5による種々の盗難防止処理を実現することはもちろん可能である。したがって、本実施の形態のハンズフリー装置3は、携帯電話機4が搭載されていない場合においても、十分に盗難防止を実現できるものといえる。よって、上記したハンズフリー装置3の構成において、ハンズフリー通話機能を実現するための構成、すなわち、アダプタ部6や、固定本体部7におけるCODEC35および入出力部37などは必ずしも備えていなくてもよい。
【0091】
一方で、S2において、携帯電話機4が搭載されていることを検知することにより、暗証番号の入力要求が行われるようにしてもよい。この場合、S5において認証処理が正常に行われた場合、認証結果判断部43から盗難防止処理の解除信号が盗難防止実行部5に送信されるように構成することが好ましい。
【0092】
このように構成することにより、降車時には常に盗難防止処理を盗難防止実行部5に実行させておく一方で、乗車しようとするユーザが正規ユーザであると認証された場合に限り盗難防止処理が解除されるようにできる。したがって、正規ユーザであっても、乗車しようとする時には携帯電話機4をハンズフリー装置3に搭載して認証処理を実行しなければ、盗難防止処理を解除することができない。よって、乗車時には必ず携帯電話機4をハンズフリー装置3に搭載する必要があるので、ユーザが通信端末を自宅、仕事場等に置き忘れることを防止できる。
【0093】
また、携帯電話機4が設置されている場合に暗証番号の認証処理が行われる構成とすれば、S5において乗車しようとするユーザが正規ユーザであると認証されなかった場合において、ユーザ連絡部44から外部に異常通報を行うことができるので、より効果的な盗難防止が可能となる。
【0094】
〔ユーザ認証処理についての別の例〕
上記の構成では、ユーザから入力された暗証番号を、暗証番号認証処理部42が暗証番号記憶部45を照会することによってユーザを識別するようになっている。これに対して、ユーザの識別を、ユーザが用いている携帯電話機4を用いて行う構成としてもよい。
【0095】
図7は、この例における処理部31の具体的構成例を示している。同図に示すように、図3に示す構成と比較して異なる点は、暗証番号設定処理部41および暗証番号認証処理部42の代わりにユーザ識別処理部(認証処理手段)70が設けられている点である。さらに、ユーザ識別処理部70が、入出力部37から情報を取得して、記憶部33内のユーザ情報記憶部(ユーザ情報記憶手段)71に基づいてユーザを識別している点である。そして、認証結果判断部43は、ユーザ識別処理部70におけるユーザ識別処理の結果に基づき、盗難防止実行部5に対する盗難防止実行信号の送信や、ユーザ連絡部44に対する異常通報信号の送信を行う。
【0096】
ここで、携帯電話機4によって利用者を識別する方法について説明する。昨今では、携帯電話機4を各個人がそれぞれ所有して利用する利用形態が広く普及している。したがって、携帯電話機4の個体差を検出することができれば、その携帯電話機4のユーザを特定することが可能である。
【0097】
すなわち、携帯電話機4の個体を特定することが可能な固有情報をユーザ情報記憶部71に予め登録しておき、ユーザの識別を行う際には、アダプタ部6を介してその時点で装着されている携帯電話機4の固有情報を読み出し、これをユーザ情報記憶部71に対して照会すればよいことになる。
【0098】
なお、携帯電話機4の固有情報としては、該携帯電話機4に記憶されている自機の電話番号情報、所有者情報、装置固有データなどが挙げられるが、特に限定するものではない。
【0099】
なお、次世代携帯電話には加入者識別用のICカードが格納されるようになることが提案されている。将来的には、この加入者識別用のICカードにアプリケーションが搭載され、携帯型電話機で実行されるJava(登録商標)アプリケーションとを組み合わせた様々なサービスが広がることが予想されている。たとえば、セキュリティが必要な電子マネーや会員証等のサービスを携帯電話で受けられるようになることが考えられる。すなわち、本発明において、携帯電話機4の固有情報を、この加入者識別用のICカードから引き出すようにする構成とすることが可能である。
【0100】
図8は、この例における盗難防止処理実行までの流れを示している。ユーザは、たとえば自動車の運転を開始する際などに、ハンズフリー装置3は、音声ガイダンスなどによって、携帯電話機4をアダプタ部6に装着させる指示を行う(S11)。携帯電話機4の装着が確認された後に(S12)、携帯電話機4から固有情報の読み出しを行う(S13)。その後、ユーザ識別処理部70が、抽出した固有情報に基づいてユーザ情報記憶部71を照会することによって、ユーザの特定処理が行われる(S14)。
【0101】
S14におけるユーザの特定処理の結果、正規ユーザが携帯電話機4を装着したと判断された場合には、正常スタート動作が実行される(S16)。一方、S15において装着された携帯電話機4が正規ユーザのものでないと判断された場合、ユーザ識別処理部70は、ユーザが所定回数を超えるユーザ特定処理が行われたか否かを判断する(S17)。
【0102】
S17において所定回数を超えるユーザ特定処理が実行されていると判断された場合、認証結果判断部43は盗難防止実行部5に対する盗難防止実行信号の送信を行う(S18)。
【0103】
以上のような構成によれば、ユーザは、自分が携帯している携帯電話機4をハンズフリー装置3にセットすることのみによって、盗難防止処理の実行処理が行われることになる。よって、暗証番号などの入力を行う手間を省くことができ、利便性のよいシステムとすることができる。
【0104】
また、正常スタート動作を行うためには、携帯電話機4をセットしないといけないことになるので、ユーザが携帯電話機4を持ち忘れている場合に、結果的にこれが警告されることになる。すなわち、利用者の携帯電話機4の持ち忘れを抑制するという効果も奏することになる。
【0105】
なお、この携帯電話機4によるユーザ識別方式と、上記した暗証番号によるユーザ識別方式とを併用し、利用者によってどちらで識別を行うかを選択可能としてもよい。たとえば、基本的には携帯電話機4による方式を設定しておき、利用者が意識的に携帯電話機4を持たない状態で運転をする場合には、暗証番号による方式に切替える、というようなアプリケーションが考えられる。
【0106】
〔乗車前に行う盗難防止処理の解除〕
上記では、ユーザが音声入力した暗証番号に基づいて盗難防止処理を実行したり、ユーザが携帯電話機4をハンズフリー装置3にセットしたりすることによって、盗難防止処理を実行/解除する例について説明した。さらに、以下のような方式によっても、盗難防止処理の実行/解除は実現可能である。
【0107】
すなわち、自動車1がキーレスエントリー機能等の外部信号を照合してドアロックを解除する機能を有するものである場合、携帯電話機4からドアロック解除信号を、IrDA等の光通信手段、あるいはBluetoothなどの無線手段によってハンズフリー装置3に送信する構成とする。さらに、ドアロック解除信号とともに、携帯電話機4の固有情報を送信し、ハンズフリー装置3のユーザ識別処理部70によりユーザの特定を行って、盗難防止処理の解除を行う。
【0108】
この方式によれば、乗車前に携帯電話機4を用いた遠隔操作によって、ドアロックの解除とともに盗難防止処理を解除しておくことができるので、より利便性を高めることができる。
【0109】
さらに、乗車前に携帯電話機4を用いてセンタシステム2との通信を行い、センタシステム2から盗難防止処理を解除するための暗証番号情報を取得するように構成してもよい。この場合、ドアロック解除信号とともに、取得された暗証番号情報をハンズフリー装置3の暗証番号認証処理部42に送信する構成とする。そして、暗証番号認証処理部42において、携帯電話機4から送信される暗証番号情報に基づきユーザ認証を行い、盗難防止処理の解除を行う。
【0110】
この方式によれば、センタシステム2から取得された暗証番号情報、すなわち高セキュリティが保証された暗証番号情報に基づいて盗難防止処理が解除されるので、より効果的に盗難防止を実現することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上のように、本発明の車載端末装置は、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置であって、ユーザの認証処理を行う認証処理手段と、上記認証処理手段による認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与する認証結果判断手段とを備えているものである。
【0112】
上記構成では、認証処理手段により認証処理が行われるので、乗車しようとするユーザが正規のユーザか否かを認証することができる。一方認証結果判断手段は、認証処理手段の認証結果に応じて盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与するので、乗車しようとするユーザが正規のユーザか否かに確実に対応させて、盗難防止実行手段に盗難防止処理を実行させることができる。
【0113】
したがって、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る既存の車載端末装置に対して、認証処理手段および認証結果判断手段を設け、さらに自動車に盗難防止実行手段を設けるという簡易な構成により、盗難防止機能を実現することができる。よって、低コストにて盗難防止機能を実現できる車載端末装置を提供することができるという効果を奏する。
【0114】
特に、自動車運転時における携帯電話機のボタン操作などを行うことは、法令上禁止されており、さらに事故の原因となる可能性が非常に高いことから、携帯電話機等の通信端末の通信を制御し得る車載端末装置へのユーザニーズは非常に高いといえる。したがって、本発明の車載端末装置によれば、単に盗難防止機能のみを実現するだけであった従来の盗難防止装置よりも高い普及率を期待することができるという効果を奏する。
【0115】
さらに、本発明の車載端末装置は、正規ユーザにより予め設定される暗証番号を記憶する暗証番号記憶手段をさらに備え、上記認証処理手段が、上記暗証番号記憶手段に記憶された暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号を照合することによって認証処理を行うものである。
【0116】
上記の構成によれば、車載端末装置の購入時に正規ユーザにより設定された暗証番号を、正規の暗証番号として暗証番号記憶手段に記憶させておくことができる。したがって、乗車しようとするユーザが正規ユーザであるか否かを、暗証番号記憶手段に記憶された正規の暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号とを照合するという簡易な認証処理によって判断することができる。よって、車載端末装置をさらに低コストにすることができるという効果を奏する。
【0117】
さらに、本発明の車載端末装置は、ユーザによる発声を音声信号として認識する音声認識手段をさらに備え、乗車しようとするユーザによる暗証番号の入力は、上記音声認識手段を介して行われるものである。
【0118】
上記構成によれば、乗車しようとする際に行われる認証処理に用いられる暗証番号を発声によって入力することができる。よって、より簡易に認証処理手段に認証処理を実行させ盗難防止を実現することができるので、車載端末装置の利便性を向上させることができる。
【0119】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証処理手段が、上記通信端末から、該通信端末の個体を特定することが可能な固有情報を読み出す一方、ユーザ情報記憶手段に予め登録された固有情報と通信端末から読み出される固有情報とを照合することによって、認証処理を行うものである。
【0120】
上記構成によれば、車載端末装置に通信端末をセットするだけで、認証処理手段にて通信端末の固有情報を読み出し、ユーザ認証を行うことが可能となる。よって、暗証番号などの入力を行う手間を省くことができ、利便性のよいシステムとすることができるという効果を奏する。また、ユーザ認証のために通信端末を車載端末装置にセットする必要があるので、通信端末の持ち忘れを防止することもできるという効果を奏する。
【0121】
さらに、本発明の車載端末装置は、ユーザが乗車することを検知した後にユーザの認証処理を行うものである。
【0122】
上記構成によれば、ユーザが乗車した後にユーザの認証処理が行われるので、音声認識や通信端末のセットによるユーザ認証が確実に行われる。よって、より確実に盗難防止を実現できるという効果を奏する。
【0123】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証結果判断手段が、上記認証処理手段による認証結果に応じて、さらに、上記盗難防止実行手段に盗難防止処理の解除命令を付与するものである。
【0124】
上記構成では、認証結果判断手段により盗難防止処理の解除命令が付与されるので、乗車しようとするユーザが正規のユーザであると認証された場合に盗難防止処理の解除命令を付与するよう、認証結果判断手段を構成することができる。したがって、降車時には常に盗難防止処理を盗難防止実行手段に実行させておく一方で、乗車しようとするユーザが正規ユーザであると認証された場合に限り盗難防止処理が解除されるように盗難防止実行手段を構成できるので、車両盗難に対する自動車のセキュリティを高めることができるという効果を奏する。
【0125】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証処理手段は、上記通信端末が上記車載端末装置に搭載されているか否かに応じて乗車しようとするユーザの認証処理を行うものである。
【0126】
上記構成によれば、車載端末装置に通信端末が搭載されているか否かに応じて認証処理手段による認証処理が行われるので、車載端末装置に通信端末が搭載されていない場合には認証処理を行わないように認証処理手段を構成することができる。
【0127】
すなわち、正規ユーザであっても、乗車しようとする時には通信端末を車載端末装置に搭載して認証処理を実行しなければ、盗難防止処理を解除することができない。よって、乗車時には必ず通信端末を車載端末装置に搭載する必要があるので、ユーザが通信端末を自宅、仕事場等に置き忘れることを防止できるという効果を奏する。
【0128】
さらに、本発明の車載端末装置は、上記認証結果判断手段の判断に応じて、上記通信端末を介して自動車が盗難被害に遭っていることをユーザに連絡するユーザ連絡手段を備えているものである。
【0129】
上記構成によれば、ユーザ連絡手段により盗難被害に遭っていることが外部に連絡されるので、ユーザは盗難被害を携帯電話網等の通信回線により知ることができる。したがって、ユーザは、いちはやく車両盗難の現場に駆けつけることができ、車両盗難を未然に防ぐことができるという効果を奏する。
【0130】
また、本発明の車両端末装置を用いる盗難防止方法は、外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置を用いる方法であって、ユーザが乗車することを検知した後ユーザの認証処理を車載端末装置の認証処理手段により行う第1ステップと、上記第1ステップにおける認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に対し、盗難防止処理の実行命令を上記車載端末装置の認証結果判断手段により付与する第2ステップとを備えている方法である。
【0131】
上記構成の方法によれば、上記構成の車載端末装置における認証処理手段および認証結果判断手段と同一の作用効果が実現されている。よって、本発明の車載端末装置と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るハンズフリー装置の携帯電話機を搭載した状態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1のハンズフリー装置を用いる盗難防止システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1のハンズフリー装置においてユーザ認証を行うための構成を示すブロック図である。
【図4】図2の盗難防止システムにおけるセンタシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】図2の盗難防止システムにおける盗難防止実行部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明のハンズフリー装置により盗難防止が実行される手順を示すフローチャートである。
【図7】図1のハンズフリー装置においてユーザ認証を行うための他の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の構成により盗難防止処理が実行される手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 ハンズフリー装置(車載端末装置)
4 携帯電話機(通信端末)
5 盗難防止実行部(盗難防止実行手段)
34 音声認識部(音声認識手段)
42 暗証番号認証処理部(認証処理手段)
43 認証結果判断部(認証結果判断手段)
44 ユーザ連絡部(ユーザ連絡手段)
45 暗証番号記憶部(暗証番号記憶手段)
70 ユーザ識別処理部(認証処理手段)
71 ユーザ情報記憶部(ユーザ情報記憶手段)
Claims (12)
- 外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置であって、
ユーザの認証処理を行う認証処理手段と、
上記認証処理手段による認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に盗難防止処理の実行命令を付与する認証結果判断手段とを備えていることを特徴とする車載端末装置。 - 正規ユーザにより予め設定される暗証番号を記憶する暗証番号記憶手段をさらに備え、
上記認証処理手段は、上記暗証番号記憶手段に記憶された暗証番号と、乗車しようとするユーザによって入力される暗証番号を照合することによって認証処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載端末装置。 - ユーザによる発声を音声信号として認識する音声認識手段をさらに備え、
乗車しようとするユーザによる暗証番号の入力は、上記音声認識手段を介して行われることを特徴とする請求項2に記載の車載端末装置。 - 上記認証処理手段は、上記通信端末から、該通信端末の個体を特定することが可能な固有情報を読み出す一方、ユーザ情報記憶手段に予め登録された固有情報と上記通信端末から読み出される固有情報とを照合することによって、認証処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載端末装置。
- 上記認証処理手段は、ユーザが乗車することを検知した後にユーザの認証処理を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車載端末装置。
- 上記認証結果判断手段は、上記認証処理手段による認証結果に応じて、さらに、上記盗難防止実行手段に盗難防止処理の解除命令を付与することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車載端末装置。
- 上記認証処理手段は、上記通信端末が上記車載端末装置に搭載されているか否かに応じて乗車しようとするユーザの認証処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の車載端末装置。
- 上記認証結果判断手段の判断に応じて、上記通信端末を介して自動車が盗難被害に遭っていることをユーザに連絡するユーザ連絡手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の車載端末装置。
- 請求項1に記載の車載端末装置における認証処理手段および認証結果判断手段としてコンピュータを機能させるための車載端末制御プログラム。
- 請求項8に記載の車載端末装置における認証処理手段、認証結果判断手段、およびユーザ連絡手段としてコンピュータを機能させるための車載端末制御プログラム。
- 請求項9または請求項10に記載の車載端末制御プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 外部と携帯電話網により通信可能な通信端末の通信を制御し得る車載端末装置を用いる盗難防止方法であって、
ユーザの認証処理を車載端末装置の認証処理手段により行う第1ステップと、上記第1ステップにおける認証結果に応じて、盗難防止処理を実行する盗難防止実行手段に対し、盗難防止処理の実行命令を上記車載端末装置の認証結果判断手段により付与する第2ステップとを備えていることを特徴とする車載端末装置を用いる盗難防止方法。
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