JP2004358902A - 射出成形機の射出機構 - Google Patents

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光志 吉岡
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Abstract

【課題】可動プレートの移動の抵抗を少なくしスティックスリップ動作が発生しない射出機構を得る。
【解決手段】射出シリンダ2が取り付けられたフロントプレート1とリアプレート3間にはタイロッド4が連結されている。射出スクリュ5を回転自在に取付られ可動プレート6は、タイロッド4にガイドされて移動する。タイロッド4には、ボールスプライン軸31が設けられている。可動プレート6にはボールスプライン軸31と結合するボールスプラインナット30a,30bが設けられている。射出工程、計量工程において、可動プレート6が移動するとき、このボールスプライン結合によって、ガイドされ摺動するから、移動抵抗は少なく、スティックスリップ動作も発生しない。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の射出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機の射出機構においては、射出スクリュの中心軸線と平行に設けられたガイドロッドに可動プレートを摺動自在に取り付け、該可動プレートを駆動機構によって移動させることによって、該可動プレートに取り付けられている射出スクリュを移動させて射出等を行っている(特許文献1参照)。
【0003】
図4は、従来の射出成形機における射出機構の一例で、上記特許文献1に記載されている射出機構の概略を示す部分断面側面図である。符号1は射出シリンダ2を取り付けたフロントプレート、符号3はリアプレートであり、フロントプレート1とリアプレート3は、ガイドロッドを兼ねるタイロッド4により一体的に固定されている。タイロッド4には、射出スクリュ5を回転自在かつ軸方向移動不能に取り付けた可動プレート6が滑り軸受けのブッシュ7を介して摺動自在に取り付けられている。
【0004】
可動プレート6の中央部に設けられた貫通孔にはベアリング20を介して射出スクリュ5が取り付けられたスクリュスリーブ10が回転自在で軸方向移動不能に取りつけられ、射出スクリュ5は可動プレート6に対して回転自在で軸方向移動不能に取り付けられている。更に、スクリュスリーブ10の前端面には、環状のスクリュ回転用プーリ11が一体的に固定されている。
【0005】
スクリュスリーブ10の内周には、ベアリング21を介してボールネジ8の先端が回転自在で軸方向移動不能に取り付けられている。該ボールネジ8には、射出駆動用のプーリ12が取り付けられている。
一方、リアプレート3の中央部には、ボールネジ8と螺合するボールナット9を遊嵌するための貫通孔が設けられ、リアプレート3の裏面に固定されたロードセル19にボールナット9が固定されている。このロードセル19はボールナット9の軸方向に作用する力の射出圧力等を検出する。
【0006】
スクリュ回転用のモータ13および射出駆動用のモータ(サーボモータ)14が可動プレート6の両端に固定して取り付けられ、各モータ13,14は各々の駆動プーリ15および16に巻回したタイミングベルト17,18により、前記プーリ11およびプーリ12を回転駆動する。
【0007】
計量混練時においてモータ13を回転駆動し射出スクリュ5を回転させ計量混練り作業を行う。溶融樹脂によって射出スクリュ5,可動プレート6及びボールネジ8は後退方向に押圧される。ボールナット9との螺合によりボールネジ8は回転しながら後退するが、モータ14を駆動してこのボールネジ8の後退を制御して背圧を制御する。
射出時にはモータ14を回転駆動する。ボールネジ8はリアプレート3に固定されたボールナット9との螺合により回転しながら前進(図4中左方)し、可動プレート6を前進させて射出スクリュ5を射出シリンダ2内で前進させ射出する。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−192447号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、射出機構における可動プレートは計量時も射出時も、射出スクリュの軸方向に移動し、滑り軸受けのブッシュを介してタイロッド(タイロッドを兼ねるガイドロッド)に沿って摺動することになる。可動プレートとタイロッド(ガイドロッド)の摺動部に滑り軸受けのブッシュを使用することから、滑り軸受けのブッシュ内径とタイロッド(ガイドロッド)の外径のクリアランス、あそびが大きくなる。そのため、可動プレートが前後進する場合、スティックスリップ動作が生じたり、滑り軸受けの抵抗が大きくなるため、射出工程時の射出圧力が変動し、また計量工程時における背圧も変動し、射出動作や計量動作が不安定となる要因となっている。
【0010】
また、前述したように、可動プレートをボールネジナット機構により駆動する場合には、ボールネジナット機構の回転運動が、可動プレートにも伝達されて、タイロッド(ガイドロッド)と滑り軸受けのブッシュが片当たりしてさらに射出動作や計量動作を不安定にする。例えば、図4に示したタイプの射出機構では、モータ14等によってボールネジ8を回転させ、リアプレート3に固定されているボールナット9によって、可動プレート6を前進又は後進させるものであるが、ボールネジ8は可動プレート6に対してベアリングで回転自在に保持されているとしても、このボールネジ8の回転に伴う回転トルクが可動プレート6に伝達され、可動プレート6に設けられた滑り軸受けのブッシュ7とタイロッド(ガイドロッド)4が片当たりすることになる。
【0011】
図5は、この状態の説明図である。滑り軸受けのブッシュ7とタイロッド(ガイドロッド)4間には、図5(a)に示すように、クリアランスεがある。可動プレート6(ブッシュ7)に図5(b)に示すように反時計方向の回転トルクが加わると、タイロッド(ガイドロッド)4とブッシュ7は、図5(b)において、左下側で当接する。逆に時計方向のトルクが加わると図5(c)に示すように右上側で当接し、可動プレート6にあそびの動きが発生する。また、摩擦も増大しスティックスリップ動作も増大することになる。
そこで、本発明の目的は、上述した問題点を解決し、可動プレートの移動の抵抗を少なくしスティックスリップ動作が発生しない射出機構を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、射出スクリュを回転自在に取り付けた可動プレートをフロントプレートとリアプレート間に配置し、該可動プレートを射出スクリュの軸方向に移動させることによって射出を行う射出成形機の射出機構において、フロントプレートとリアプレート間には少なくとも可動プレートの移動範囲をボールスプライン軸とした軸を1以上設け、可動プレートにはボールスプラインと係合するボールスプラインナットを設けて、スプライン結合によって、可動プレートをガイドして移動させるようにした。フロントプレートとリアプレートを連結する複数のタイロッドを設け、該複数のタイロッドの内1以上のタイロッドを少なくとも可動プレートの移動範囲をボールスプライン軸とした軸で構成した。また、フロントプレートとリアプレートを連結する複数のタイロッドを設けると共に、可動プレートの移動範囲をボールスプライン軸とした軸を1以上設けるようにもした。
【0013】
また、可動プレートの移動範囲をボールスプライン軸とした軸を、前記射出スクリュの中心軸を中心に所定半径円周上に等間隔に2以上配置するようにした。そして、可動プレートは、ボールスプライン軸を備えないタイロッドと滑り軸受けを介して係合し、可動プレートの移動をガイドするようにした。さらに、可動プレートは、ボールスプライン軸を備えた軸1本に対して複数のボールスプラインナットを備えるものとした。そして、可動プレートは、モータによってボールネジナット機構を介して、前記射出スクリュの軸方向に駆動されるものとした。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態における射出機構の概略を示す部分断面側面図である。
図4に示した従来の射出機構と相違する点は、タイロッド(ガイドロッド)4に対して可動プレートが摺動する摺動部には、従来の射出機構に用いられた滑り軸受けのブッシュの代わりに、ボールスプライン結合が用いられている点である。他は図4に示した従来例と同一である。なお、図4に示す従来例と同一の要素に対しては同一符号を付している。
【0015】
射出シリンダ2を取り付けたフロントプレート1とリアプレート3間には、可動プレート6の移動をガイドするガイドロッドを兼ねる複数のタイロッド4が一体的に固定されている。この実施形態では4本のタイロッドが設けられている。各タイロッド4は少なくとも可動プレート6の摺動範囲をボールスプライン軸31として構成されている。また、可動プレート6には、この各ボールスプライン軸31と係合するボールスプラインナットが1以上設けられ、ボールスプラインナット体30を構成している。この図1に示す実施形態では、2つのボールスプラインナット30a,30bが設けられボールスプラインナット体30を構成している。可動プレート6は、このボールスプライン結合によって、タイロッド4に沿って摺動して移動することになる。
【0016】
可動プレート6にはベアリング20を介して射出スクリュ5が取り付けられたスクリュスリーブ10が回転自在で軸方向移動不能にとりつけられ、射出スクリュ5は可動プレート6に対して回転自在で軸方向移動不能に取り付けられている。更に、スクリュスリーブ10の前端面には、環状のスクリュ回転用プーリ11が一体的に固定されている。スクリュスリーブ10の内周には、ベアリング21を介してボールネジ8の先端が回転自在で軸方向移動不能に取り付けられている。該ボールネジ8には、射出駆動用のプーリ12が取り付けられている。
【0017】
一方、リアプレート3には、ボールネジ8と螺合するボールナット9がリアプレート3の裏面に固定されたロードセル19を介して固定されている。このロードセル19はボールナット9の軸方向に作用する力の射出圧力等を検出する。 スクリュ回転用のモータ13および射出駆動用のモータ(サーボモータ)14が可動プレート6の両端に固定して取り付けられ、各モータ13,14は各々の駆動プーリ15および16に巻回したタイミングベルト17,18により、前記プーリ11およびプーリ12を回転駆動する。
【0018】
計量混練時においてモータ13を回転駆動し射出スクリュ5を回転させ計量混練を行い、これにより溶融された樹脂によって射出スクリュ5,可動プレート6及びボールネジ8は後退方向に押圧される。ボールナット9との螺合によりボールネジ8は回転しながら後退するが、モータ14を駆動してこのボールネジ8の後退を制御して背圧を制御する。射出時には、モータ14の回転駆動によりボールネジ8は回転しリアプレート3に固定されたボールナット9との螺合により前進(図4中左方)し、可動プレート6を前進させて射出スクリュ5を射出シリンダ2内で前進させ射出する。
【0019】
このように、計量工程、射出工程において可動プレート6はタイロッド4にガイドされて前後進する。タイロッド4の可動プレート6の摺動範囲はボールスプライン軸31で構成され、可動プレート6に設けられたボールスプラインナット体30のボールスプラインナット30a,30bとボールスプライン結合して可動プレート6はタイロッド4のボールスプライン軸上を摺動する。そのため、この摺動部においては、ギャップは無く、片当たりやスティックスリップ動作の発生が防止される。
【0020】
図3は、この実施形態におけるボールスプラインナット30a(又は30b)とタイロッド4に設けられたボールスプライン軸31とのボールスプライン結合関係を説明する断面図である。
タイロッド4のボールスプライン軸31に設けられたスプライン溝及びボールスプラインナット30aに設けられたスプライン溝間には、剛球32が係合し、ボールスプライン軸31とボールスプラインナット30a間でのあそびはなくなり、所定位置関係に保持される。そして、該剛球32を介してボールスプラインナット30a(30b)、及び、該ボールスプラインナット30a(30b)が固定された可動プレート6は、ボールスプライン軸31に沿って摺動することになる。そのため、ボールネジ8の回転によるトルクが可動プレート6に伝達されても、その回転は、ボールスプライン結合の剛球32とスプライン溝の係合によって阻止され、図5に示した従来の摺動部をブッシュ7で構成したとき生じていた片当たりや、それに伴うスティックスリップ動作等の発生がなく、安定した射出工程、計量工程の動作を実行できる。
【0021】
上述した実施形態では、タイロッド4にボールスプライン軸31を形成して、このボールスプライン軸31で可動プレート6の移動をガイドするようにしたが、タイロッド4とは別にフロントプレート1とリアプレート3間にボールスプライン軸を設けて、このボールスプライン軸とボールスプライン結合するボールスプラインナットを可動プレート6に設けて、このボールスプライン結合によって可動プレート6の移動をガイドするようにしてもよい。
【0022】
例えば、図2は、ボールスプライン軸とタイロッドを別にして設けた実施形態のリアプレートの正面図(図1において右方向から見たときのような図)である。フロントプレートとリアプレート間にボールスプライン軸40が四隅に設けられている。さらに、このボールスプライン軸40と平行にタイロッド41が4本フロントプレートとリアプレート間に設けられているものである。
【0023】
以上のように、ボールスプライン軸はタイロッドとは別に設けても、タイロッドと兼ねて設けてもよいものである。また、ボールスプライン軸を1本設け、可動プレートには、このボールスプライン軸と係合するボールスプラインナットを設け、かつ、フロントプレートとリアプレート間を連結するタイロッド又はガイドロッドとは、滑り軸受けのブッシュによって、可動プレートの移動をガイドするようにしてもよい。この場合、可動プレートの傾きは、ボールスプライン結合によって阻止されるので、スティックスリップ動作は発生しない。
【0024】
望ましくは、ボールスプライン軸(ボールスプライン結合)は、2つ以上とし、射出スクリュの中心軸を中心に同一半径円周上に等間隔に配置するようにした方がバランス上望ましい。図1に示した実施形態のように、全てのタイロッドにボールスプライン軸を形成しても、射出スクリュの中心軸に対して対称の位置にある2つのタイロッド上にボールスプライン軸を形成し、可動プレートに設けたボールスプラインナットとボールスプライン結合するようにしてもよい。この場合他のタイロッドと可動プレートは、従来と同様にブッシュ等の滑り軸受けで構成してもよい。又は、他のタイロッドと可動プレートは係合せず、可動プレートはボールスプライン軸だけでガイドされるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
可動プレートの移動は、ボールスプライン結合によってガイドされ摺動することから、可動プレートと該可動プレートをガイドする部材間にはあそびが無く、片当たり等が発生せず、移動の滑り抵抗が少なく、スティックスリップ動作も発生しない。そのため、安定した射出工程、計量工程の動作をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における射出機構の概略を示す部分断面側面図である。
【図2】本発明の別の実施形態におけるリアプレートの正面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるボールスプライン結合の説明図である。
【図4】従来の射出機構の概略を示す部分断面側面図である。
【図5】従来の射出機構におけるタイロッドと可動プレートの摺動部の説明図である。
【符号の説明】
1 フロントプレート
2 射出シリンダ
3 リアプレート
4 タイロッド
5 射出スクリュ
6 可動プレート
7 ブッシュ
8 ボールネジ
9 ボールナット
13 スクリュ回転用のモータ
14 射出駆動用モータ
30 ボールスプラインナット体
30a,30b ボールスプラインナット
31 ボールスプライン軸
32 剛球

Claims (7)

  1. 射出スクリュを回転自在に取り付けた可動プレートをフロントプレートとリアプレート間に配置し、該可動プレートを前記射出スクリュの軸方向に移動させることによって射出を行う射出成形機の射出機構において、
    前記フロントプレートとリアプレート間には少なくとも前記可動プレートの移動範囲をボールスプライン軸とした軸が1以上設けられ、前記可動プレートには前記ボールスプラインと係合するボールスプラインナットが設けられていることを特徴とする射出成形機の射出機構。
  2. 前記フロントプレートとリアプレート間には該フロントプレートとリアプレートを連結する複数のタイロッドが設けられ、該複数のタイロッドの内1以上のタイロッドが前記ボールスプライン軸とした軸で構成されている請求項1に記載の射出成形機の射出機構。
  3. 前記フロントプレートとリアプレート間には該フロントプレートとリアプレートを連結する複数のタイロッドが設けられると共に、前記可動プレートの移動範囲をボールスプライン軸とした軸が1以上設けられている請求項1に記載の射出成形機の射出機構。
  4. 前記可動プレートの移動範囲をボールスプライン軸とした軸は、前記射出スクリュの中心軸を中心に所定半径円周上に等間隔に2以上配置されている請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の射出成形機の射出機構。
  5. 前記可動プレートは、ボールスプライン軸を備えないタイロッドと滑り軸受けを介して係合し、可動プレートの移動がガイドされている請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の射出成形機の射出機構。
  6. 前記可動プレートは、ボールスプライン軸を備えた軸1本に対して複数のボールスプラインナットを備えている請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の射出成形機の射出機構。
  7. 前記可動プレートは、モータによってボールネジナット機構を介して、前記射出スクリュの軸方向に駆動される請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の射出成形機の射出機構。
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