JP2004358673A - セメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一台であっても任意の曲率を有する曲面状の押出成形板を製造することができ、多数枚であっても効率よく製造できるアーチ型成形及び養生装置を提供する。
【解決手段】アーチ型成形・養生装置1は、枠体2に対し直線上に配設する複数本のスライド支柱3と、各支柱3より水平に跳ね出すユニット式の可動梁4と、各支柱3の頂部高さを可変する支柱スライド部材5を有する。変形可能な鉄板上のセメント押出成形板6を可動梁4の横バー4b上に載置する。この時、隣接する横バー4b同士が所定の曲面上に位置するよう一連の梁高さを調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】アーチ型成形・養生装置1は、枠体2に対し直線上に配設する複数本のスライド支柱3と、各支柱3より水平に跳ね出すユニット式の可動梁4と、各支柱3の頂部高さを可変する支柱スライド部材5を有する。変形可能な鉄板上のセメント押出成形板6を可動梁4の横バー4b上に載置する。この時、隣接する横バー4b同士が所定の曲面上に位置するよう一連の梁高さを調整する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、押出し成形によるセメント押出成形板を薄板と共に支持部材に載置して自重によりアーチ型に塑性変形せしめ、所定期間養生して硬化させるためのアーチ型成形及び養生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
埋設型枠等に利用される薄型のセメント押出成形板は、混練した可塑状のセメントモルタルを所定形状の口金より押し出してベルトに引き取った後、平板状のトレーに移載し、そのまま硬化させていたため平板構造が一般的であったが、最近では押出平行方向に曲線状を有するアーチ型の構造も提案されていた。このようなアーチ型のセメント押出成形板については、特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−234018号公報
【0004】
特許文献1に記載されるアーチ型のセメント押出成形板は、変形可能な薄板を敷いたトレー上に可塑状のセメントモルタル押出成形体を移載し、この押出成形体を薄板とともに凸状曲面又は凹状曲面の型枠上に移載して該押出成形体を自重によりアーチ型に塑性変形せしめた後、所定期間養生して硬化させることによりアーチ型を形成するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のアーチ形成形及び養生装置は、多数枚製造する場合には数多くの型枠が必要となり製造施設面積や製造コストの面からも効率的とはいえなかった。又、固定した曲率の曲面型枠を使用していたので、一つの型枠から特定曲率の押出成形板しか製造できず、この点においても改善の余地が残されていた。
【0006】
この発明は、上記のような従来のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置が有する問題点を解消すべくなされたものであり、一台であっても任意の曲率を有する曲面状の押出成形板を製造することができ、又多数枚であっても効率よく製造できるアーチ型成形及び養生装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置は、混練したセメントモルタルを連続的に押し出した後、変形可能な薄板上に可塑状のセメントモルタル押出成形体を移載し、この押出成形体を前記薄板と共に支持部材に載置して自重によりアーチ型に塑性変形せしめ、所定期間養生して硬化させるセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置において、前記支持部材は、直線上に配設する複数本の支柱と、各支柱より水平に跳ね出す梁と、隣接する梁が所定の曲面上に位置するよう跳出高さを調整する梁高さ調整機構を備えることを特徴とするものである。
【0008】
押し出されたセメントモルタルは薄板の切れ目、若しくは製品寸法に適合する所定の長さでカットする。薄板は1〜2mm厚程度の鉄板等を用い、この鉄板を持ち上げ又はスライドして支持部材に載置する。押出し成形板の厚さは10〜50mm、長さは500〜10,000mmとし、型枠の曲面の曲率半径はR=500〜5,000mm程度とする。曲面状に変形した押出し成形板は、この支持部材上で自然又は蒸気養生によって硬化せしめた後、支持部材から外し更に蒸気養生及びオートクレーブ養生により硬化させる。予め製品寸法に適合する長さで切断していない場合には、この硬化後に所定の長さに切断する。なお、ここで用いる薄板は鉄板に限らず、R=500〜5,000mmの曲率半径で変形可能なものであれば、例えば木製でも樹脂製でもよい。
【0009】
梁高さ調整機構は、支柱又は梁の高さを変動させて、一枚の薄板を載置するための隣接する梁同士が所定の曲面上に位置するよう、一連の梁高さを調整する。このように梁の高さ調整を可能とすることで任意の曲面を設定することができる。高さ調整は、薄板の載置前に行なってもよいし、平板で挿入した後に移動して所定の曲率を得るものでもよい。
【0010】
請求項2記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置における梁は、各支柱を対称軸として両側に跳ね出すと共に各支柱毎に所定間隔で複数本取り付ける多段の天秤型梁であることを特徴とするものである。
【0011】
梁は両側に押出成形体を載置できるような十分な剛性と支点強度を備える。各支柱毎に例えば5本から10本の横バーを突設する多段の天秤型梁は棚段状のラックを形成する。各支柱における上下段の梁間隔を均一に揃えると、梁高さ調整機構により一連の梁高さを調整するだけで同一の曲面を複数段形成でき、支柱の表裏に曲面状の押出成形板を一度に多数枚効率よく製造することが可能となる。
【0012】
請求項3記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置における梁高さ調整機構は、各支柱の頂部高さを可変する支柱スライド部材を有することを特徴とするものである。
【0013】
支柱スライド部材は、例えば枠体より吊り下げる支柱を適切な高さまで上下動してこれを固定する部材でもよいし、又基盤面に立設する支柱の底部を押し上げて高さ調整する部材でもよい。
【0014】
請求項4記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置における梁は、前記支柱に対して脱着可能な可動梁であって、前記梁高さ調整機構は、各支柱に適宜間隔で配設する高さ指示部と、この高さ指示部に係合して前記可動梁を緊結する留具を有することを特徴とするものである。
【0015】
高さ指示部と留具は、例えば支柱に穿設するねじ穴と、これに螺合して可動梁を拘止するボルトでもよいし、支柱に設ける突起部と、これに嵌合する梁基部及び適当な緊結金具でもよい。即ち可動梁を各支柱の適宜高さに取外し可能に固定する緊結部材であればどのような部材でもよい。
【0016】
可動梁と支柱スライド部材を併用する場合には、概略の位置設定を可動梁で行ない、微調整を支柱スライドで行うと効率よく、しかも正確な曲面を形成できる。
【0017】
請求項5記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置の可動梁は、平板に複数本固着するユニット式の多段天秤型可動梁であることを特徴とするものである。各ユニットの頂部梁高さを調整すると、多段の同一の曲面が直ちに形成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1はアーチ型成形・養生装置の正面図、図2は図1のII−II断面を示す断面図である。このアーチ型成形・養生装置1は、枠体2に対し直線上に配設する複数本のスライド支柱3と、各支柱3より水平に跳ね出すユニット式の可動梁4と、各支柱3の頂部高さを可変する支柱スライド部材5を有する。
【0019】
枠体2は、ベース枠2aと、これを支持するベース足2bと、ベース枠2aの両端部に立設する2本の側柱2c,2cと、ベース枠2aの中心部に立設する基準支柱2dと、これらの固定支柱2c,2dの頭部に横架する上部枠2eとからなる。
【0020】
上部枠2eは、固定支柱2c,2dを挟持して並列する2本の山形鋼よりなり、その上面に支柱スライド部材5を載置すると共にこれに連結するスライド支柱3を移動可能に挟持する。又側面には長孔2fを開設し、スライド支柱3の頭部側面に螺着する固定ねじ3aを上下動可能に突設する。
【0021】
スライド支柱3は、頭部上面に支柱スライド部材5の一部を構成するねじ棒5aを螺着して上部枠2eより吊り下げられ、固定ねじ3aを上部枠2eに対して締め込むことでその移動を規制する。又、スライド支柱3の一側面にはねじ穴3bを適宜間隔で穿設する。このねじ孔3bは基準支柱2dにも設けておく。
【0022】
可動梁4は、平板4aに横バー4bを複数本例えば5本等間隔で固着するユニット式の梯子状の梁で、平板4aの上下端等に孔部を穿設する。この孔部をスライド支柱3や基準支柱2dの適当なねじ穴3bに合わせボルト4cを挿通して可動梁4を緊結する。
【0023】
支柱スライド部材5は、ねじ棒5aを釣支する頭部金物5bと、これを支持する台座部5cからなる。この支柱スライド部材5の詳細を図3に基づき説明する。図3は支柱スライド部材の取付状態を示す拡大断面図である。頭部金物5bは、段付きの下部円筒形金物であって、拡大された頂部に回転治具嵌合用の六角孔5dを穿設し、これより細身の下部円筒にねじ棒5aの頂部を挿入してピン5eにより釣支する。この頭部金物5bの拡大部を支持する台座部5cはねじ棒5aを挿通する軸受5fと支持板5gよりなる。
【0024】
ねじ棒5aはスライド支柱3の頭部に設ける雌ねじ部に螺着してあるので、固定ねじ3aを緩め、頭部金物5bを何れかの方向に回動させることで、そのストロークを最大長孔2fの開設範囲で変動することができる。
【0025】
次にアーチ型成形・養生装置の使用方法を説明する。この装置に上載するセメントモルタル押出成形体は、例えば幅600mm、長さ3,100mm、厚さ80mmのトレー上に、幅460mm、長さ1,550mm、厚さ1mmの鉄板を2枚縦列で敷き並べ、この鉄板上に混練したセメントモルタルを連続的に押し出して作製する。
【0026】
セメントモルタル3の配合は例えばその重量比を、セメント50、珪石粉末50、パーライト10、パルプ15、補強繊維2、増粘剤2、配合水52等とする。
【0027】
押し出されたセメントモルタルは鉄板の切れ目、若しくは所定の製品寸法の長さでカットし、各鉄板をトレーから分離して、アーチ型成形・養生装置1の可動梁4の横バー4b上に載置する。この時、隣接する横バー4b同士が所定の曲面上に位置するよう一連の梁高さを調整するが、この高さ調整は、鉄板の載置前に行なってもよいし、平板で挿入した後に移動してもよい。
【0028】
例えば図1に示すような、比較的曲率半径の小さいセメント押出成形板6を多数枚製作する場合には、基準支柱2dの両サイドに同一の曲面が呈示できるよう、先ず可動梁4の取付位置を選定し、次に各スライド支柱3の支柱スライド部材5を操作して各高さを微調整し正確な曲面を形成する。
【0029】
次に比較的曲率半径の大きいセメント押出成形板を製作する場合について図4に基づき説明する。図4は可動梁を移動したアーチ型成形・養生装置の正面図である。比較的曲率半径が大きく、しかも製作長の長いセメント押出成形板7の場合には基準支柱2dを対称軸とし両側のスライド支柱3を一連のものとして利用する。このように、曲率半径や製作長さに合わせて可動梁4の高さを調整することで、多様な形状のセメント押出成形板を形成することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置は、直線上に配設する複数本の支柱より水平に跳ね出す梁と梁高さ調整機構を備えるので、任意の曲率の曲面を設定することができる。従って一台であっても任意の曲率を有する曲面状の押出成形板を製造することができる。
【0031】
請求項2記載のアーチ型成形及び養生装置は、多段の天秤型梁を備えるので、支柱の表裏に曲面状の押出成形板を一度に多数枚効率よく載置することができる。
【0032】
請求項3記載のアーチ型成形及び養生装置は、各支柱の頂部高さを可変する支柱スライド部材を有するので、梁に押出成形板を載置した状態でも高さ調整が可能となる。請求項4記載のアーチ型成形及び養生装置は、支柱に対して脱着可能な可動梁を備えるので、梁の位置設定を広範囲で変動できる。請求項5記載のアーチ型成形及び養生装置は、平板に複数本固着するユニット式の多段天秤型可動梁を備えるので、各ユニットの頂部梁高さを調整するだけで多段の同一の曲面が直ちに形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アーチ型成形・養生装置の正面図である。
【図2】図1のII−II断面を示す断面図である。
【図3】支柱スライド部材の取付状態を示す拡大断面図である。
【図4】可動梁を移動したアーチ型成形・養生装置の正面図である。
【符号の説明】
1 アーチ型成形・養生装置
2 枠体
3 スライド支柱
4 可動梁
4b 横バー
5 支柱スライド部材
6 セメント押出成形板
【発明の属する技術分野】
この発明は、押出し成形によるセメント押出成形板を薄板と共に支持部材に載置して自重によりアーチ型に塑性変形せしめ、所定期間養生して硬化させるためのアーチ型成形及び養生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
埋設型枠等に利用される薄型のセメント押出成形板は、混練した可塑状のセメントモルタルを所定形状の口金より押し出してベルトに引き取った後、平板状のトレーに移載し、そのまま硬化させていたため平板構造が一般的であったが、最近では押出平行方向に曲線状を有するアーチ型の構造も提案されていた。このようなアーチ型のセメント押出成形板については、特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−234018号公報
【0004】
特許文献1に記載されるアーチ型のセメント押出成形板は、変形可能な薄板を敷いたトレー上に可塑状のセメントモルタル押出成形体を移載し、この押出成形体を薄板とともに凸状曲面又は凹状曲面の型枠上に移載して該押出成形体を自重によりアーチ型に塑性変形せしめた後、所定期間養生して硬化させることによりアーチ型を形成するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のアーチ形成形及び養生装置は、多数枚製造する場合には数多くの型枠が必要となり製造施設面積や製造コストの面からも効率的とはいえなかった。又、固定した曲率の曲面型枠を使用していたので、一つの型枠から特定曲率の押出成形板しか製造できず、この点においても改善の余地が残されていた。
【0006】
この発明は、上記のような従来のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置が有する問題点を解消すべくなされたものであり、一台であっても任意の曲率を有する曲面状の押出成形板を製造することができ、又多数枚であっても効率よく製造できるアーチ型成形及び養生装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置は、混練したセメントモルタルを連続的に押し出した後、変形可能な薄板上に可塑状のセメントモルタル押出成形体を移載し、この押出成形体を前記薄板と共に支持部材に載置して自重によりアーチ型に塑性変形せしめ、所定期間養生して硬化させるセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置において、前記支持部材は、直線上に配設する複数本の支柱と、各支柱より水平に跳ね出す梁と、隣接する梁が所定の曲面上に位置するよう跳出高さを調整する梁高さ調整機構を備えることを特徴とするものである。
【0008】
押し出されたセメントモルタルは薄板の切れ目、若しくは製品寸法に適合する所定の長さでカットする。薄板は1〜2mm厚程度の鉄板等を用い、この鉄板を持ち上げ又はスライドして支持部材に載置する。押出し成形板の厚さは10〜50mm、長さは500〜10,000mmとし、型枠の曲面の曲率半径はR=500〜5,000mm程度とする。曲面状に変形した押出し成形板は、この支持部材上で自然又は蒸気養生によって硬化せしめた後、支持部材から外し更に蒸気養生及びオートクレーブ養生により硬化させる。予め製品寸法に適合する長さで切断していない場合には、この硬化後に所定の長さに切断する。なお、ここで用いる薄板は鉄板に限らず、R=500〜5,000mmの曲率半径で変形可能なものであれば、例えば木製でも樹脂製でもよい。
【0009】
梁高さ調整機構は、支柱又は梁の高さを変動させて、一枚の薄板を載置するための隣接する梁同士が所定の曲面上に位置するよう、一連の梁高さを調整する。このように梁の高さ調整を可能とすることで任意の曲面を設定することができる。高さ調整は、薄板の載置前に行なってもよいし、平板で挿入した後に移動して所定の曲率を得るものでもよい。
【0010】
請求項2記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置における梁は、各支柱を対称軸として両側に跳ね出すと共に各支柱毎に所定間隔で複数本取り付ける多段の天秤型梁であることを特徴とするものである。
【0011】
梁は両側に押出成形体を載置できるような十分な剛性と支点強度を備える。各支柱毎に例えば5本から10本の横バーを突設する多段の天秤型梁は棚段状のラックを形成する。各支柱における上下段の梁間隔を均一に揃えると、梁高さ調整機構により一連の梁高さを調整するだけで同一の曲面を複数段形成でき、支柱の表裏に曲面状の押出成形板を一度に多数枚効率よく製造することが可能となる。
【0012】
請求項3記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置における梁高さ調整機構は、各支柱の頂部高さを可変する支柱スライド部材を有することを特徴とするものである。
【0013】
支柱スライド部材は、例えば枠体より吊り下げる支柱を適切な高さまで上下動してこれを固定する部材でもよいし、又基盤面に立設する支柱の底部を押し上げて高さ調整する部材でもよい。
【0014】
請求項4記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置における梁は、前記支柱に対して脱着可能な可動梁であって、前記梁高さ調整機構は、各支柱に適宜間隔で配設する高さ指示部と、この高さ指示部に係合して前記可動梁を緊結する留具を有することを特徴とするものである。
【0015】
高さ指示部と留具は、例えば支柱に穿設するねじ穴と、これに螺合して可動梁を拘止するボルトでもよいし、支柱に設ける突起部と、これに嵌合する梁基部及び適当な緊結金具でもよい。即ち可動梁を各支柱の適宜高さに取外し可能に固定する緊結部材であればどのような部材でもよい。
【0016】
可動梁と支柱スライド部材を併用する場合には、概略の位置設定を可動梁で行ない、微調整を支柱スライドで行うと効率よく、しかも正確な曲面を形成できる。
【0017】
請求項5記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置の可動梁は、平板に複数本固着するユニット式の多段天秤型可動梁であることを特徴とするものである。各ユニットの頂部梁高さを調整すると、多段の同一の曲面が直ちに形成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1はアーチ型成形・養生装置の正面図、図2は図1のII−II断面を示す断面図である。このアーチ型成形・養生装置1は、枠体2に対し直線上に配設する複数本のスライド支柱3と、各支柱3より水平に跳ね出すユニット式の可動梁4と、各支柱3の頂部高さを可変する支柱スライド部材5を有する。
【0019】
枠体2は、ベース枠2aと、これを支持するベース足2bと、ベース枠2aの両端部に立設する2本の側柱2c,2cと、ベース枠2aの中心部に立設する基準支柱2dと、これらの固定支柱2c,2dの頭部に横架する上部枠2eとからなる。
【0020】
上部枠2eは、固定支柱2c,2dを挟持して並列する2本の山形鋼よりなり、その上面に支柱スライド部材5を載置すると共にこれに連結するスライド支柱3を移動可能に挟持する。又側面には長孔2fを開設し、スライド支柱3の頭部側面に螺着する固定ねじ3aを上下動可能に突設する。
【0021】
スライド支柱3は、頭部上面に支柱スライド部材5の一部を構成するねじ棒5aを螺着して上部枠2eより吊り下げられ、固定ねじ3aを上部枠2eに対して締め込むことでその移動を規制する。又、スライド支柱3の一側面にはねじ穴3bを適宜間隔で穿設する。このねじ孔3bは基準支柱2dにも設けておく。
【0022】
可動梁4は、平板4aに横バー4bを複数本例えば5本等間隔で固着するユニット式の梯子状の梁で、平板4aの上下端等に孔部を穿設する。この孔部をスライド支柱3や基準支柱2dの適当なねじ穴3bに合わせボルト4cを挿通して可動梁4を緊結する。
【0023】
支柱スライド部材5は、ねじ棒5aを釣支する頭部金物5bと、これを支持する台座部5cからなる。この支柱スライド部材5の詳細を図3に基づき説明する。図3は支柱スライド部材の取付状態を示す拡大断面図である。頭部金物5bは、段付きの下部円筒形金物であって、拡大された頂部に回転治具嵌合用の六角孔5dを穿設し、これより細身の下部円筒にねじ棒5aの頂部を挿入してピン5eにより釣支する。この頭部金物5bの拡大部を支持する台座部5cはねじ棒5aを挿通する軸受5fと支持板5gよりなる。
【0024】
ねじ棒5aはスライド支柱3の頭部に設ける雌ねじ部に螺着してあるので、固定ねじ3aを緩め、頭部金物5bを何れかの方向に回動させることで、そのストロークを最大長孔2fの開設範囲で変動することができる。
【0025】
次にアーチ型成形・養生装置の使用方法を説明する。この装置に上載するセメントモルタル押出成形体は、例えば幅600mm、長さ3,100mm、厚さ80mmのトレー上に、幅460mm、長さ1,550mm、厚さ1mmの鉄板を2枚縦列で敷き並べ、この鉄板上に混練したセメントモルタルを連続的に押し出して作製する。
【0026】
セメントモルタル3の配合は例えばその重量比を、セメント50、珪石粉末50、パーライト10、パルプ15、補強繊維2、増粘剤2、配合水52等とする。
【0027】
押し出されたセメントモルタルは鉄板の切れ目、若しくは所定の製品寸法の長さでカットし、各鉄板をトレーから分離して、アーチ型成形・養生装置1の可動梁4の横バー4b上に載置する。この時、隣接する横バー4b同士が所定の曲面上に位置するよう一連の梁高さを調整するが、この高さ調整は、鉄板の載置前に行なってもよいし、平板で挿入した後に移動してもよい。
【0028】
例えば図1に示すような、比較的曲率半径の小さいセメント押出成形板6を多数枚製作する場合には、基準支柱2dの両サイドに同一の曲面が呈示できるよう、先ず可動梁4の取付位置を選定し、次に各スライド支柱3の支柱スライド部材5を操作して各高さを微調整し正確な曲面を形成する。
【0029】
次に比較的曲率半径の大きいセメント押出成形板を製作する場合について図4に基づき説明する。図4は可動梁を移動したアーチ型成形・養生装置の正面図である。比較的曲率半径が大きく、しかも製作長の長いセメント押出成形板7の場合には基準支柱2dを対称軸とし両側のスライド支柱3を一連のものとして利用する。このように、曲率半径や製作長さに合わせて可動梁4の高さを調整することで、多様な形状のセメント押出成形板を形成することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置は、直線上に配設する複数本の支柱より水平に跳ね出す梁と梁高さ調整機構を備えるので、任意の曲率の曲面を設定することができる。従って一台であっても任意の曲率を有する曲面状の押出成形板を製造することができる。
【0031】
請求項2記載のアーチ型成形及び養生装置は、多段の天秤型梁を備えるので、支柱の表裏に曲面状の押出成形板を一度に多数枚効率よく載置することができる。
【0032】
請求項3記載のアーチ型成形及び養生装置は、各支柱の頂部高さを可変する支柱スライド部材を有するので、梁に押出成形板を載置した状態でも高さ調整が可能となる。請求項4記載のアーチ型成形及び養生装置は、支柱に対して脱着可能な可動梁を備えるので、梁の位置設定を広範囲で変動できる。請求項5記載のアーチ型成形及び養生装置は、平板に複数本固着するユニット式の多段天秤型可動梁を備えるので、各ユニットの頂部梁高さを調整するだけで多段の同一の曲面が直ちに形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アーチ型成形・養生装置の正面図である。
【図2】図1のII−II断面を示す断面図である。
【図3】支柱スライド部材の取付状態を示す拡大断面図である。
【図4】可動梁を移動したアーチ型成形・養生装置の正面図である。
【符号の説明】
1 アーチ型成形・養生装置
2 枠体
3 スライド支柱
4 可動梁
4b 横バー
5 支柱スライド部材
6 セメント押出成形板
Claims (5)
- 混練したセメントモルタルを連続的に押し出した後、変形可能な薄板上に可塑状のセメントモルタル押出成形体を移載し、この押出成形体を前記薄板と共に支持部材に載置して自重によりアーチ型に塑性変形せしめ、所定期間養生して硬化させるセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置において、前記支持部材は、直線上に配設する複数本の支柱と、各支柱より水平に跳ね出す梁と、隣接する梁が所定の曲面上に位置するよう跳出高さを調整する梁高さ調整機構を備えることを特徴とするセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置。
- 前記梁は、各支柱を対称軸として両側に跳ね出すと共に各支柱毎に所定間隔で複数本取り付ける多段の天秤型梁であることを特徴とする請求項1記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置。
- 前記梁高さ調整機構は、各支柱の頂部高さを可変する支柱スライド部材を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置。
- 前記梁は、前記支柱に対して脱着可能な可動梁であって、前記梁高さ調整機構は、各支柱に適宜間隔で配設する高さ指示部と、この高さ指示部に係合して前記可動梁を緊結する留具を有することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置。
- 前記可動梁は、平板に複数本固着するユニット式の多段天秤型可動梁であることを特徴とする請求項4記載のセメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置。
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JP2003156195A JP2004358673A (ja) | 2003-06-02 | 2003-06-02 | セメント押出成形板のアーチ型成形及び養生装置 |
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CN104070597A (zh) * | 2014-06-27 | 2014-10-01 | 中铁十一局集团第一工程有限公司 | 一种移动式预制箱梁养护机 |
CN107599253A (zh) * | 2017-08-18 | 2018-01-19 | 厦门艾斯霖橡塑科技有限公司 | 花洒喷嘴的生产加工工艺 |
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2003
- 2003-06-02 JP JP2003156195A patent/JP2004358673A/ja active Pending
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