JP2004358458A - NOx分解触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】還元剤の非共存下でもNOx を分解できるNOx 分解触媒とする
【解決手段】Pt,Ir及びAuを含むクラスターを活性種とする。
Irに加えてPtを含むためNOx の吸着・解離能に優れ、かつクラスターの耐熱性が向上している。また残留するO原子は難酸化性のAuを出口として脱離されるので、活性サイト上へのO原子の残留が抑制される。
【選択図】 図1
【解決手段】Pt,Ir及びAuを含むクラスターを活性種とする。
Irに加えてPtを含むためNOx の吸着・解離能に優れ、かつクラスターの耐熱性が向上している。また残留するO原子は難酸化性のAuを出口として脱離されるので、活性サイト上へのO原子の残留が抑制される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、COやHCなどの還元剤の非共存下でもNOx をN2に分解できるNOx 分解触媒に関する。
例えば自動車の排ガス中のHC,CO及びNOx を浄化するために、酸化触媒、三元触媒、NOx 選択還元触媒、NOx 吸蔵還元型触媒など、種々の排ガス浄化用触媒が用いられている。しかしNOx を浄化するためには、HC、CO、H2などの還元剤の共存が不可欠であり、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気のみではNOx を浄化することが困難である。そのため空燃比が酸素過剰雰囲気で燃焼するリーンバーンエンジンの場合でも、NOx 吸蔵還元型触媒を用いてリーン雰囲気でNOx を吸蔵させ、間欠的に酸素不足のリッチ雰囲気とすることでNOx 吸蔵材から放出されたNOx を還元浄化することが行われている。
例えば特開平07−088363号公報には、担体に貴金属成分のみを担持した、あるいは貴金属成分と重金属成分とを担持したNOx 吸着剤が記載されている。このNOx 吸着剤によれば、5ppm 以下の低濃度のNOx の吸着能に優れ、特にNO2 を除去する性能に優れている。
また特開2001−300302号公報には、塩基性担体と、Ptコロイド薬液を用いて担持されたPtと、Pd塩薬液を用いて担持されたPdとからなるNOx 吸着材が報告されている。このNOx 吸着材では、Ptは粒径が1〜5nmの比較的大きなクラスターとして存在している。したがって比表面積が小さく酸化されにくいため、金属状態を維持しやすい。またPtがPdによって覆われるのが抑制され、金属Ptが表出しやすい。これらの理由により、NO酸化活性が高く、生成したNOx が塩基性担体とPdの両方に吸着するので、高いNOx 吸着能が発現される。
しかし特開平07−088363号公報に記載のNOx 吸着剤は、基本的にはNOを吸着除去するものであり、吸着能が飽和した時点でその活性を失ってしまう。また供給されるガスの温度は0〜 100℃とされ、温度が低すぎて自動車の排ガス中のNOx を吸着するには実用的でない。
また特開2001−300302号公報に記載のNOx 吸着材は、酸素過剰のリーン雰囲気中で吸着されたNOx を、酸素不足のリッチ雰囲気中でCO、HCなどの還元剤と反応させることで浄化するために用いられるものであり、還元剤の非共存下でNOx を直接分解することは困難であると考えられる。
特開平07−088363号
特開2001−300302号
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、還元剤の非共存下でもNOx を分解でき、自動車の排ガス中においてもNOx を浄化できるNOx 分解触媒とすることを目的とする。
上記課題を解決する本発明のNOx 分解触媒の特徴は、Pt,Ir及びAuを含むクラスターを活性種とし、還元剤の非共存下でもNOx を分解できることにある。
クラスターは、Ptクラスターと、Ptクラスターに分散したIr原子及びIrクラスタの少なくとも一方と、Ptクラスターに分散したAu原子及びAuクラスタの少なくとも一方と、からなることが望ましい。
またクラスターの組成比は、原子比でPt/(Ir+Au)が99/1〜80/20であることが望ましく、原子比でIr/Auが4/1〜1/4であることが望ましい。
本発明のNOx 分解触媒によれば、COやHCなどの還元剤の非共存下においても、NOx を効率よくN2に分解することができる。
そしてクラスターがPtクラスターを主成分とすることで、本発明のNOx 分解触媒の製造時にクラスターの肥大化が抑制され、特に 500℃以下の低温域で、Ir及びAuの二元系あるいはPt単独のNOx 分解触媒に比べてNOx 分解性能が向上する。また原子比でPt/(Ir+Au)が99/1〜80/20の範囲とすることで、低温域から高温域まで広い温度範囲で高いNOx 分解性能が発現する。
通常の活性種として多用されているPtによってNOx を分解する場合、その反応機構は、先ずNOx がPt上に吸着し、それがNとOに解離され、その後PtからN2として離脱すると考えられている。またPtを活性種とした場合、活性が徐々に低下することが知られているが、これは、N2が離脱した際にOがPt上に残留するため、反応の進行に伴ってPtの表面がO原子で被覆され(酸化され)、NOx の吸着サイト及び解離サイトが減少するためであろうと推察されている。
一方、Auは一般に不活性な貴金属といわれ、酸化されにくい特性を有している。またIrはAuに比べてNOx を吸着する性質が強い。したがってAuとIrをナノレベルで複合化すれば、Ir上にNOx が吸着され、それがPt又はIr上でNとOに解離され、その後Pt又はIrからN2として離脱すると考えられる。また残留するO原子は、難酸化性のAuを出口として脱離されるので、活性サイト上へのO原子の残留が抑制され、高い活性が維持される。しかしIrとAuの耐熱性はPtに比べて低く、Ir/Auクラスター触媒は耐熱性に乏しいと考えられる。
またPtとAuをナノレベルで複合化することも考えられるが、この場合には、Irが共存する場合に比べNOx の吸着が十分ではなく、十分な活性が発現しない可能性がある。
そこで本発明のNOx 分解触媒では、Pt、Ir及びAuを含む三元系クラスターを活性種としている。Irに加えてPtを含むためNOx の吸着能に優れ、残留するO原子は難酸化性のAuを出口として脱離されるので、活性サイト上へのO原子の残留が抑制される。このような機構により、 500℃以下の低温域であっても、また還元剤の非共存下であっても、高いNOx 分解能が発現される。さらにPt、Ir及びAuは、粒径が比較的大きなクラスタとして存在している。したがって比表面積が小さく酸化されにくいため、各貴金属は金属状態を維持しやすく、クラスター自体も粒成長による劣化が抑制される。
Pt、Ir及びAuを含むクラスターとは、Pt、Ir及びAuの各金属原子が凝集した粒子をいう。場合によっては他の貴金属が含まれていてもよいが、他の貴金属の量は1重量%以下の不可避の不純物程度とすることが望ましい。
このPt、Ir及びAuを含むクラスターは、Pt、Ir及びAuの原子が集まった複合貴金属コロイドを担体に担持し、焼成することで形成することができる。Pt、Ir及びAuを含む複合貴金属コロイドは、可溶性のPt化合物、Ir化合物及びAu化合物の混合溶液と、水溶性高分子の水溶液を混合した混合水溶液から、特開2001−300302号公報に記載の高分子保護法などを用いて製造することができる。
Pt、Ir及びAuを含むクラスターの粒径は、5〜 100nmの範囲、さらには5〜20nmの範囲であることが好ましい。理論的には、粒径を5〜 100nmとすれば構成原子数は1000〜 1.0×107 となる。Pt、Ir及びAuを含むクラスターの粒径が5nmより小さいと原子状態に近くなり、三元系クラスターとすることが困難となって上記した作用の発現が困難となる。また粒径が 100nmより大きくなると比表面積が低下するため活性点が少なくなり、NO酸化活性が低下する。
Pt、Ir及びAuを含むクラスターを活性種とする場合、難酸化性であるAuの比率によってクラスターの酸素脱離性と耐熱性とが排反事象となる。つまりAuが多くなると酸素脱離性は向上するが耐熱性が低下し、Auが少ないと耐熱性は向上するものの酸素脱離性が低下する。
そこでクラスターは、Ptクラスターと、Ptクラスターに分散したIr原子及びIrクラスタの少なくとも一方と、Ptクラスターに分散したAu原子及びAuクラスタの少なくとも一方と、からなることが望ましい。このようにPtクラスターを主成分とすることで、製造時の熱処理によるクラスターの肥大化が抑制されるとともに、低温域から高温域まで広い温度範囲で高いNOx 分解性能が発現し、特に 500℃以下の低温域で、Ir及びAuの二元系あるいはPt単独のNOx 分解触媒に比べてNOx 分解性能が向上する。
Pt、Ir及びAuを含むクラスターの組成比は、原子比でPt/(Ir+Au)が99/1〜80/20であることが好ましい。Pt量がこの範囲より少ないとNOx 吸着能が低すぎて実用的でなく耐熱性も十分でない。またPt量がこの範囲より多くなると、NOx から解離したO原子がPt上に残留しやすくなって活性が低下する。
またPt、Ir及びAuを含むクラスターの組成比は、原子比でIr/Auが4/1〜1/4であることが好ましい。Auがこの範囲より少ないと、NOx から解離したO原子がPt及びIr上に残留しやすくなって活性が低下する。またIrがこの範囲より少なくなると、NOx の吸着が不十分となり活性が低下する。
Pt、Ir及びAuを含むクラスターは、一般には担体に担持されることでNOx 分解触媒として用いられる。担体としては特に制限されないが、自動車排ガス中などで用いられる場合には、耐熱性の高い担体であることが必要であり、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、ゼオライトなどを用いることが好ましい。クラスターの担持量は、5重量%以下の範囲が好ましい。担持密度がこれより高くなると、クラスターどうしが粒成長して活性が低下する場合がある。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
ポリビニルピロリデン(「K-90」和光純薬製) 4.6gを、エタノールと純水が1:1で混合された溶液1000mlに溶解した。この溶液に、 0.3mmolの H2PtCl6と、0.14mmolの H2IrCl6と、0.56mmolのHAuCl4とを溶解させた後、85℃で3時間還流してコロイド溶液を調製した。
ポリビニルピロリデン(「K-90」和光純薬製) 4.6gを、エタノールと純水が1:1で混合された溶液1000mlに溶解した。この溶液に、 0.3mmolの H2PtCl6と、0.14mmolの H2IrCl6と、0.56mmolのHAuCl4とを溶解させた後、85℃で3時間還流してコロイド溶液を調製した。
このコロイド溶液中に所定量の活性アルミナ粉末を混合し、十分に吸水させた後に溶媒を除去した。得られた粉末を大気中にて 400℃で3時間焼成し、有機成分を除去して触媒粉末を調製した。この触媒粉末の組成は、γ-Al2O3の 120gに対して、Ptが 0.6g、Irが 0.3g、Auが 1.1gである。
得られた触媒粉末を圧粉成形後に粉砕して、粒度 0.5〜1mmのペレット状に整粒して実施例1の触媒とした。そしてEDXで分析した結果、クラスター2はAuを主成分とする粒径 100nm程度の粗大クラスターと、平均組成比が原子比でPt/Ir/Au=8/1/1の粒径20nm程度のクラスターとが共存していた。
(実施例2)
H2PtCl6を実施例1の半分量(0.15mmol)用いたこと以外は実施例1と同様にコロイド溶液を調製し、同様にして触媒粉末を調製した。この触媒粉末の組成は、γ-Al2O3の 120gに対して、Ptが 0.3g、Irが 0.3g、Auが 1.1gである。この触媒粉末を用い、同様にペレット状に整粒して実施例2の触媒とした。
H2PtCl6を実施例1の半分量(0.15mmol)用いたこと以外は実施例1と同様にコロイド溶液を調製し、同様にして触媒粉末を調製した。この触媒粉末の組成は、γ-Al2O3の 120gに対して、Ptが 0.3g、Irが 0.3g、Auが 1.1gである。この触媒粉末を用い、同様にペレット状に整粒して実施例2の触媒とした。
(比較例1)
活性アルミナ粉末の所定量を純水中に分散した懸濁液中に、所定濃度の Pt(NO2)(NH3)2水溶液の所定量を混合し、十分に撹拌した後に溶媒を除去した。得られた粉末を大気中にて 400℃で3時間焼成し、触媒粉末を調製した。この触媒粉末の組成は、γ-Al2O3の 120gに対して、Ptが2gである。
活性アルミナ粉末の所定量を純水中に分散した懸濁液中に、所定濃度の Pt(NO2)(NH3)2水溶液の所定量を混合し、十分に撹拌した後に溶媒を除去した。得られた粉末を大気中にて 400℃で3時間焼成し、触媒粉末を調製した。この触媒粉末の組成は、γ-Al2O3の 120gに対して、Ptが2gである。
得られた触媒粉末を圧粉成形後に粉砕して、粒度 0.5〜1mmのペレット状に整粒して比較例1の触媒とした。
(比較例2)
ポリビニルピロリデン(「K-90」) 4.6gを、エタノールと純水が1:1で混合された溶液1000mlに溶解した。この溶液に、 0.2mmolの H2IrCl6と、 0.8mmolのHAuCl4とを溶解させた後、85℃で3時間還流してコロイド溶液を調製した。
ポリビニルピロリデン(「K-90」) 4.6gを、エタノールと純水が1:1で混合された溶液1000mlに溶解した。この溶液に、 0.2mmolの H2IrCl6と、 0.8mmolのHAuCl4とを溶解させた後、85℃で3時間還流してコロイド溶液を調製した。
このコロイド溶液中に所定量の活性アルミナ粉末を混合し、十分に吸水させた後に溶媒を除去した。得られた粉末を大気中にて 400℃で3時間焼成し、有機成分を除去して触媒粉末を調製した。この触媒粉末の組成は、γ-Al2O3の 120gに対して、Irが 0.4g、Auが 1.6gである。
得られた触媒粉末を圧粉成形後に粉砕して、粒度 0.5〜1mmのペレット状に整粒して比較例2の触媒とした。
<試験・評価>
実施例1−2及び比較例1−2の触媒を固定床流通型反応容器にそれぞれ 0.4g配置し、表1に示す還元剤を含まないモデルガスを、総流量60ml/分、 400℃、 500℃、 600℃、 700℃の各温度でそれぞれ流通させた時の触媒出ガスをガスクロマトグラフにて分析し、N2生成量を測定してNO分解活性の指標とした。結果を表2に示す。
実施例1−2及び比較例1−2の触媒を固定床流通型反応容器にそれぞれ 0.4g配置し、表1に示す還元剤を含まないモデルガスを、総流量60ml/分、 400℃、 500℃、 600℃、 700℃の各温度でそれぞれ流通させた時の触媒出ガスをガスクロマトグラフにて分析し、N2生成量を測定してNO分解活性の指標とした。結果を表2に示す。
一方、実施例1、2と比較例2の結果を比較すると、Pt−Ir−Auの三元系クラスターを活性種とする触媒は、Ir−Auの二元系クラスターを活性種とする触媒よりNO分解活性が高いことがわかる。Ptの添加による活性向上要因は現状では明確ではないが、耐熱性に優れるPtの添加によるクラスターの粒成長抑制、あるいはクラスターの表面状態の変化などの要因が考えられる。
また実施例1と実施例2との間で活性に差があり、実施例2の結果が実用における最低レベルとみなすならば、三元系クラスターの仕込み組成比は、原子比でPt/(Ir+Au)が1/5以上であることが好ましいこともわかる。
(実施例3)
0.8mmolの H2PtCl6と、 0.1mmolの H2IrCl6と、 0.1mmolのHAuCl4とを用いたこと以外は実施例1と同様にコロイド溶液を調製し、同様にして触媒粉末を調製した。この触媒粉末を用い、同様にペレット状に整粒して実施例3の触媒とした。この触媒は、γ-Al2O3の 120gに対して貴金属が合計で10mmol担持されてなり、図1に示すように、γ-Al2O3粒子1の表面に、粒径5〜10nmのクラスター2が担持されてなるものである。またEDXで分析した結果、クラスターの平均組成は原子比でPt/Ir/Au=90/8/2である。
0.8mmolの H2PtCl6と、 0.1mmolの H2IrCl6と、 0.1mmolのHAuCl4とを用いたこと以外は実施例1と同様にコロイド溶液を調製し、同様にして触媒粉末を調製した。この触媒粉末を用い、同様にペレット状に整粒して実施例3の触媒とした。この触媒は、γ-Al2O3の 120gに対して貴金属が合計で10mmol担持されてなり、図1に示すように、γ-Al2O3粒子1の表面に、粒径5〜10nmのクラスター2が担持されてなるものである。またEDXで分析した結果、クラスターの平均組成は原子比でPt/Ir/Au=90/8/2である。
(実施例4)
0.7mmolの H2PtCl6と、0.15mmolの H2IrCl6と、0.15mmolのHAuCl4とを用いたこと以外は実施例1と同様にコロイド溶液を調製し、同様にして触媒粉末を調製した。この触媒粉末を用い、同様にペレット状に整粒して実施例4の触媒とした。γ-Al2O3の 120gに対して貴金属が合計で10mmol担持されてなり、EDXで分析した結果、クラスターの平均組成は原子比でPt/Ir/Au=90/5/5である。
0.7mmolの H2PtCl6と、0.15mmolの H2IrCl6と、0.15mmolのHAuCl4とを用いたこと以外は実施例1と同様にコロイド溶液を調製し、同様にして触媒粉末を調製した。この触媒粉末を用い、同様にペレット状に整粒して実施例4の触媒とした。γ-Al2O3の 120gに対して貴金属が合計で10mmol担持されてなり、EDXで分析した結果、クラスターの平均組成は原子比でPt/Ir/Au=90/5/5である。
(実施例5)
0.6mmolの H2PtCl6と、 0.2mmolの H2IrCl6と、0.2mmolのHAuCl4とを用いたこと以外は実施例1と同様にコロイド溶液を調製し、同様にして触媒粉末を調製した。この触媒粉末を用い、同様にペレット状に整粒して実施例3の触媒とした。γ-Al2O3の 120gに対して貴金属が合計で10mmol担持されてなり、EDXで分析した結果、クラスターの平均組成は原子比でPt/Ir/Au=80/10/10である。
0.6mmolの H2PtCl6と、 0.2mmolの H2IrCl6と、0.2mmolのHAuCl4とを用いたこと以外は実施例1と同様にコロイド溶液を調製し、同様にして触媒粉末を調製した。この触媒粉末を用い、同様にペレット状に整粒して実施例3の触媒とした。γ-Al2O3の 120gに対して貴金属が合計で10mmol担持されてなり、EDXで分析した結果、クラスターの平均組成は原子比でPt/Ir/Au=80/10/10である。
<試験・評価>
実施例3−5の触媒に加えて、改めて実施例1及び比較例1の触媒を用い、上記試験と同様にして各温度における触媒出ガスをガスクロマトグラフにて分析し、N2生成量を測定して、NO分解活性の指標とした。結果を表3に示す。
実施例3−5の触媒に加えて、改めて実施例1及び比較例1の触媒を用い、上記試験と同様にして各温度における触媒出ガスをガスクロマトグラフにて分析し、N2生成量を測定して、NO分解活性の指標とした。結果を表3に示す。
また実施例3−5の触媒の比較から、クラスターのPt/(Ir+Au)比が高い場合には高温域のNO分解活性が向上し、Pt/(Ir+Au)比が低い場合には低温域のNO分解活性が向上する傾向が読み取られ、クラスターの組成には使用温度に応じた最適値が存在することが示唆される。
実施例1及び実施例3の触媒の TEM観察結果を図2、図3及び図4に示す。写真図の下の表には、写真図中にマーキングされた点の EDX元素分析結果を示している。
実施例3の触媒では、どの視野にも粒径が5〜10nmの粒子が観察され、 EDXの結果より、粒子全体の平均組成がPt/Ir/Au=90/8/2であり、各成分が比較的均一に分散したクラスターが担持されていることがわかった。
一方実施例1の触媒では、粒径が 100nm程度の粗大粒子と、20nm程度の粒子の2種類が存在し、前者はAuが90原子%程度を占める三元クラスターであり、後者はPtが80原子%程度を占める三元クラスターである。前者のAuリッチクラスターでは外周部ほどPtの存在比率が高く、後者のPtリッチクラスターでは各元素が比較的均一に分散し、実施例3のクラスターと類似している。
この結果より、実施例3の触媒では全ての成分がほぼ均一なナノクラスターとなることでNO分解活性が向上したのに対し、実施例1の触媒ではクラスターの一部がAuを主成分とする粗大粒子となることで活性点数が減少したため、NO分解活性が実施例3−5より低かったと考えられる。このような粗大粒子の生成は、コロイド調製時の仕込み組成に依存すると考えられ、コロイド調製時の仕込み組成を調整することでNO分解活性を調整することができると考えられる。
1:γ-Al2O3 2:クラスター
Claims (4)
- Pt、Ir及びAuを含むクラスターを活性種とし、還元剤の非共存下でもNOx を分解できることを特徴とするNOx 分解触媒。
- 前記クラスターは、Ptクラスターと、該Ptクラスターに分散したIr原子及びIrクラスタの少なくとも一方と、該Ptクラスターに分散したAu原子及びAuクラスタの少なくとも一方と、からなる請求項1に記載のNOx 分解触媒。
- 前記クラスターの組成比は、原子比でPt/(Ir+Au)が99/1〜80/20である請求項1又は請求項2に記載のNOx 分解触媒。
- 前記クラスターの組成比は、原子比でIr/Auが4/1〜1/4である請求項1〜3のいずれかに記載のNOx 分解触媒。
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US11110432B2 (en) | 2019-12-09 | 2021-09-07 | Toyota Motor Engineering And Manufacturing North America, Inc. | Multi-transition metal doped copper-cobalt spinel catalyst material for NOx decomposition |
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US11110432B2 (en) | 2019-12-09 | 2021-09-07 | Toyota Motor Engineering And Manufacturing North America, Inc. | Multi-transition metal doped copper-cobalt spinel catalyst material for NOx decomposition |
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