JP2004358371A - 水分を含む有機廃棄物の処理方法および処理システム - Google Patents

水分を含む有機廃棄物の処理方法および処理システム Download PDF

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Tetsuo Ogiri
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幸治 野村
Hiroshi Yasuda
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Satoru Hirose
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Abstract

【課題】下水汚泥、家畜の糞尿、厨芥等の水分を多く含む有機廃棄物を原料として固形燃料を製造するに際し、系外から新たに供給すべきエネルギー量を大幅に削減することができる有機廃棄物の処理システムを提供する。
【解決手段】水を含む有機廃棄物を加熱して、乾燥物と、水蒸気を含むガスとを得るための乾燥機3と、乾燥機3から排出されるガスを圧縮するための圧縮機4と、圧縮機4から排出される昇温されたガス中の水蒸気を凝縮させるとともに、凝縮に伴って生じる潜熱を乾燥機3内の有機廃棄物に伝導させるための潜熱伝導用ガス流通路12と、乾燥機3から供給される乾燥物を加熱して、部分的に炭化した固形物と、排ガスとを得るための改質機6と、改質機6から排出される排ガスを燃焼するための二次燃焼炉5と、二次燃焼炉5内で発生する熱を、改質機6の熱源の少なくとも一部として用いるための熱伝導手段16とからなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥、家畜糞尿、厨芥等の如き水分を多く含む廃棄物に対して、乾燥等の処理を施し、固形燃料を得るための方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、下水汚泥等の水分を含む廃棄物を乾燥させて、固形燃料を製造する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、特定の乾燥室に、有機物を含有する泥状物及び熱風と、添加剤として生石灰と微粉炭又は粉末活性炭とを導入し、該泥状物を転動造粒しながら乾燥し、前記乾燥室から造粒した乾燥物を取り出すことを内容とする泥状物からの固形燃料の製造方法が、記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−106773号公報(第2頁の特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
下水汚泥等の有機廃棄物を加熱して乾燥させ、固形燃料を得るに際して、多量の水分を蒸発させるために、多くのエネルギーが必要である。
そのため、下水汚泥の如き水分を多く含む有機廃棄物は、バイオマスとしての潜在的な利用可能性を有しながらも、固形燃料を製造するための原料としては、あまり利用されていないのが実情である。
そこで、本発明は、水分を多く含む有機廃棄物を原料として固形燃料を製造するに際し、系外から新たに供給すべきエネルギー量(熱量)を大幅に削減することができ、エネルギー回収効率を高めることができるような、水分を含む有機廃棄物の処理方法および処理システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水分を含む有機廃棄物を加熱して乾燥させたときに発生する水蒸気を含むガスに対し、圧縮機を用いて断熱圧縮し、昇圧によって昇温させた後、このガスに含まれている水蒸気を凝縮させ、凝縮水の生成と同時に発生する潜熱を、水分を含む有機物を乾燥させるための熱源として用いれば、系外から新たに供給すべきエネルギー量(熱量)を大幅に削減することができること、及び、乾燥後の有機廃棄物をさらに加熱して、部分的に炭化させる炭化処理を施し、その際に発生する排ガスを燃焼させて、発生する熱を炭化処理に利用すれば、系外から新たに供給すべきエネルギー量(熱量)を大幅に削減することができること等に想到し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明(請求項1)の水分を含む有機廃棄物の処理方法は、水分を含む有機廃棄物を加熱して、該有機廃棄物の乾燥物と、水蒸気を含むガスとを得る乾燥工程と、前記水蒸気を含むガスを圧縮して、昇圧によって昇温されたガスを得た後、該ガスを前記乾燥工程に戻し、該ガスに含まれている水蒸気の凝縮に伴って生じる潜熱を、前記乾燥工程の熱源の少なくとも一部として用いる潜熱回収工程と、前記乾燥工程で得られた前記有機廃棄物の乾燥物を加熱して、前記有機廃棄物の乾燥物が部分的に炭化してなる固形物(固形燃料)と、排ガスとを得る炭化工程と、前記炭化工程で得られた排ガスを燃焼させて、その燃焼によって発生する熱を前記炭化工程の熱源の少なくとも一部として用いる燃焼熱回収工程とを含むことを特徴とする。
このように構成すれば、潜熱回収工程における水蒸気を含むガスの圧縮のための手段等の簡易な設備を追加するだけで、水分を含む有機廃棄物を乾燥させるために系外から供給すべきエネルギー量(熱量)を大幅に削減することができるとともに、乾燥後の有機廃棄物を部分的に炭化させて固形燃料を得るに際しても、燃焼熱回収工程を有するため、系外から供給すべきエネルギー量(熱量)を大幅に削減することができる。
【0007】
本発明の処理方法は、さらに、前記乾燥工程の前工程としての、前記水分を含む有機廃棄物を予熱する予熱工程と、前記潜熱回収工程を経た前記ガスに含まれている凝縮水の顕熱を、前記予熱工程における熱源の少なくとも一部として利用する顕熱利用工程とを含むことができる(請求項2)。
このように予熱工程および顕熱利用工程を設けることによって、水分を含む有機廃棄物の加熱による乾燥を、より効率的に行なうことができ、かつ、有機廃棄物の乾燥のために系外から供給すべきエネルギー量(熱量)をより一層削減することができる。
【0008】
本発明(請求項3)の水分を含む有機廃棄物の処理システムは、水分を含む有機廃棄物を加熱して、該有機廃棄物の乾燥物と、水蒸気を含むガスとを得るための乾燥機と、前記乾燥機から排出される前記水蒸気を含むガスを圧縮して、昇圧によって昇温されたガスを得るための圧縮機と、前記圧縮機から排出される前記ガスに含まれている水蒸気を凝縮させるとともに、凝縮に伴って生じる潜熱を、前記乾燥機内の前記水分を含む有機廃棄物に伝導させるための潜熱伝導用ガス流通路(例えば、金属製の管路)と、前記乾燥機から排出される前記有機廃棄物の乾燥物を加熱して、前記有機廃棄物の乾燥物が部分的に炭化してなる固形物と、排ガスとを得るための改質機と、前記改質機から排出される排ガスを燃焼するための二次燃焼炉と、前記二次燃焼炉内で発生する熱を、前記改質機に導いて、前記改質機の熱源の少なくとも一部として用いるための熱伝導手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の処理システムは、さらに、前記乾燥機による加熱の前に前記水分を含む有機廃棄物を予熱するための予熱手段と、前記潜熱伝導用ガス流通路の後流側に形成されており、前記潜熱伝導用ガス流通路内で生成する凝縮水の顕熱を、前記予熱手段において前記水分を含む有機廃棄物に伝導させるための顕熱伝導用ガス流通路とを含むことができる(請求項4)。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水分を含む有機廃棄物の処理方法は、予熱工程、乾燥工程、潜熱回収工程、顕熱利用工程、炭化工程および燃焼熱回収工程を含むものである。なお、予熱工程および顕熱利用工程は、必要に応じて設けられるものである。
【0011】
[(A)予熱工程]
本工程は、予熱手段によって、水分を含む有機廃棄物を予熱する工程である。
予熱手段としては、例えば、水分を含む有機廃棄物を貯留するためのホッパを通過する、高温ガスが流通する管路や、ホッパと乾燥機の間に配設される予熱機を通過する、高温ガスが流通する管路等が挙げられる。これらの予熱手段は、単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
水分を含む有機廃棄物の具体例としては、例えば、下水汚泥、家畜糞尿、厨芥等が挙げられる。これらは、水分の含有量が多いバイオマスであり、乾燥等の処理を施すことによって固形燃料等として利用することができる。
本工程において、水分を含む有機廃棄物は、例えば、30〜80℃に昇温される。
本発明においては、エネルギーの回収効率を高める観点から、1段階以上の予熱工程を設けることが望ましい。
【0012】
[(B)乾燥工程]
本工程は、乾燥機を用いて、水分を含む有機廃棄物を加熱して、該有機廃棄物の乾燥物と、水蒸気を含むガスとを得る工程である。
本工程において、水分を含む有機廃棄物は、例えば、100〜120℃に昇温される。
加熱時間は、本工程において、処理対象物である水分を含む有機廃棄物が、乾燥状態または乾燥に近い状態になるのに十分な長さである限り、特に限定されることがなく、処理対象物の量や加熱温度等の条件に応じて、適宜定めればよい。
【0013】
[(C)潜熱回収工程]
本工程は、乾燥工程で得られた水蒸気を含むガスを、圧縮機を用いて圧縮して、昇圧によって昇温されたガスを得た後、該ガスを乾燥工程に戻し、該ガスに含まれている水蒸気の凝縮に伴って生じる潜熱を、乾燥工程の熱源の少なくとも一部として用いる工程である。
圧縮機は、乾燥工程で用いられる乾燥機とガス供給路を介して別個に設けられるものであり、乾燥機から供給される水蒸気を含むガスを流入させるためのガス流入口と、圧縮後の昇圧および昇温されたガスを排出するためのガス排出口とを備えている。
圧縮機による圧縮は、例えば、乾燥工程の乾燥機から導かれた90℃程度の飽和水蒸気を含むガスが、断熱条件下で120℃の昇温されたガスとなるように行なわれる。
水蒸気を含むガスは、圧縮機等の気体圧縮手段に導入する前に、減圧条件下に置いて、通常の温度(100℃程度)よりも低い温度(例えば、80〜90℃)にすることもできる。すなわち、前工程である乾燥工程において、水分を含む廃棄物を減圧条件下で加熱すれば、比較的低い温度(例えば、80〜90℃)で、飽和水蒸気を含むガスが得られるので、このガスを圧縮機等で断熱圧縮すれば、昇圧後の圧力および昇温後の温度を所定の数値以下に抑えることができ、反応系の圧力および温度を全体的に低いレベルにして運転することが可能である。
【0014】
昇圧および昇温されたガスは、圧縮機のガス排出口から排出された後、ガス流通路内を流通し、さらに、乾燥工程の乾燥機を通過する潜熱伝導用ガス流通路内を流通する。この過程で、圧縮機からのガスは、凝縮によって凝縮水を生成する。そして、凝縮水の生成と同時に生じた潜熱は、乾燥機内を通過する潜熱伝導用ガス流通路の壁体を介して、乾燥機内の水分を含む有機廃棄物へと伝わっていく。これによって、水分を含む有機廃棄物を乾燥させるためにボイラ等の熱源(系外の熱源)から供給すべきエネルギー量(熱量)を削減することができるのである。
一般に、潜熱の熱量は、顕熱と比べて非常に大きい。そのため、本発明の処理方法によれば、系外から供給すべき新たなエネルギー量(熱量)を大幅に削減することができる。
【0015】
[(D)顕熱利用工程]
本工程は、潜熱回収工程を経たガスに含まれている凝縮水の顕熱を、予熱工程における熱源の少なくとも一部として利用する工程である。
潜熱回収工程における潜熱伝導用ガス流通路を通過した凝縮水を含むガスは、ガス流通路を介して、予熱工程の予熱機を通過する顕熱伝導用ガス流通路に導かれる。ガスに含まれている凝縮水の顕熱は、予熱機内を通過する顕熱伝導用ガス流通路の壁体を介して、予熱機内の水分を含む有機廃棄物へと伝わっていく。このように、本工程を設けると、乾燥工程で加熱する前に、水分を含む有機廃棄物を予め加温することができるので、乾燥工程で必要なエネルギー量(熱量)を削減することができる。
【0016】
[(E)炭化工程]
本工程は、乾燥工程で得られた有機廃棄物の乾燥物を、改質機で加熱して、有機廃棄物の乾燥物が部分的に炭化してなる固形物と、排ガスとを得る工程である。
ここで、加熱温度は、有機廃棄物の乾燥物に部分的な炭化を生じさせることのできる温度であればよく、例えば、300〜500℃である。
加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、例えば、10〜60分間である。
有機廃棄物の乾燥物を部分的に炭化させることによって、最終的に得られる固形分(固形燃料)の単位質量当たりの発生熱量が大きくなり、固形燃料の高品質化が達成される。
【0017】
[(F)燃焼熱回収工程]
本工程は、炭化工程で得られた排ガスを、二次燃焼炉で燃焼させて、その燃焼によって発生する熱を、炭化工程の熱源の少なくとも一部として用いる工程である。
具体的には、例えば、二次燃焼炉で発生する高温の燃焼排ガスを、ガス流通路によって改質機に導き、ガス流通路の壁体を介して熱伝導させることによって、改質機の熱源とすればよい。
【0018】
次に、本発明の水分を含む有機廃棄物の処理システムの一例を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の処理システムの一例を模式的に示す図、図2は、図1中の乾燥機および圧縮機を含む潜熱の回収システムを模式的に示す図、図3は、本発明の処理システムで得られる固形燃料を用いたセメントクリンカ製造装置の構造を模式的に示す断面図、図4は、本発明の処理システムで得られる固形燃料を、セメントキルンのメインバーナの燃料として用いる場合におけるエネルギー消費の各段階を説明するための図である。
【0019】
図1中、下水汚泥は、まず、常温(例えば、20℃)でホッパ1内に投入される。ホッパ1には、予熱機2内の下水汚泥を予熱した後のガスが流通する顕熱伝導用ガス流通路10が通っており、顕熱伝導用ガス流通路10内を流通するガスに含まれている凝縮水の顕熱によって、ホッパ1内の下水汚泥が、例えば30℃程度に昇温される。なお、ホッパ1を通過した後のガスは、凝縮水が回収された後、系外に排出される。
ホッパ1から排出された下水汚泥は、供給路7を介して予熱機2に供給される。予熱機2には、乾燥機3に潜熱を与えた後のガスが流通する顕熱伝導用ガス流通路11が通っており、顕熱伝導用ガス流通路11内を流通するガスに含まれている凝縮水の顕熱によって、予熱機2内の下水汚泥が、例えば60℃程度に昇温される。
なお、顕熱伝導用ガス流通路10、11は、例えば、熱伝導性を有する金属等の材質からなる壁体で構成された管路である。また、ホッパ1や予熱機2における熱源としては、顕熱伝導用ガス流通路10、11内のガスに含まれている凝縮水の顕熱に加えて、例えば、ボイラ等からの熱を併用してもよい。
【0020】
予熱機2を通過した下水汚泥は、供給路8を介して乾燥機3内に供給され、ボイラ17からの熱および後述する潜熱伝導用ガス流通路12からの潜熱によって加熱されて、水分を除去される。この水分は、蒸発して、乾燥機3内のガス中の水蒸気となる。この水蒸気を含むガスは、乾燥機3から排出され、ガス流通路13を介して圧縮機4内に流入する。流入時のガスの温度は、例えば、90℃程度である。流入後のガスは、圧縮機4内で断熱圧縮されて、飽和水蒸気を含む状態を維持したまま、例えば、120℃程度に昇温される。
なお、乾燥機3内を減圧雰囲気にするために、減圧装置(図示せず)を併設してもよい。
【0021】
その後、昇圧および昇温されたガスは、圧縮機4から排出され、ガス流通路14を介して乾燥機3内の潜熱伝導用ガス流通路12に導かれる。潜熱伝導用ガス流通路12は、例えば、熱伝導性を有する金属等の材質からなる壁体で構成された管路である。
なお、ガス流通路10、11、12、14は、いずれも、1本の管路の構成部分であるが、本明細書および図面中においては、便宜上、各部毎に名称および符号を付している。
【0022】
圧縮機4から排出されたガスに含まれている水蒸気は、潜熱伝導用ガス流通路12内で凝縮して凝縮水となる。その際、凝縮水の生成と同時に潜熱が発生する。
この潜熱を乾燥機3の熱源として回収する仕組みを、図2に基づいて説明すると、次のとおりである。図2中、乾燥機3内の下水汚泥18が加熱されて生じる水蒸気を含むガス19は、ガス流通路13を介して圧縮機4に導かれた後、圧縮機4から、昇温されたガス20として排出され、ガス流通路14を介して潜熱伝導用ガス流通路12に達し、さらに、潜熱伝導用ガス流通路12を通過した後、予熱機2(図1参照)へと導かれる。潜熱伝導用ガス流通路12において、凝縮水21の潜熱は、符号22で示すように、潜熱伝導用ガス流通路12の壁体12aを伝って、乾燥機3内の下水汚泥18に移動する。このような潜熱の移動によって、乾燥機3内の下水汚泥18を加熱するために系外から新たに供給すべきエネルギー量(すなわち、図2中の符号23で示すボイラ17からの熱の量)を大幅に削減することができるのである。
【0023】
一方、乾燥機3内の加熱によって生成した下水汚泥の乾燥物は、乾燥機3から供給路9を介して改質機6に供給される。改質機6内において、下水汚泥の乾燥物は、高温下(例えば、300〜500℃)で加熱されて、部分的に炭化した状態となる。加熱後、得られる粉末状の固形物は、下水汚泥に由来する一部炭化物であり、単位質量当たりの発生熱量が大きい固形燃料として用いることができる。この固形燃料は、改質機6等における熱処理を経ているため、臭気や腐敗の発生がなく、長期保存性に優れ、しかも、微粉炭燃料と同様に取り扱うことが可能な高品質の燃料である。
【0024】
なお、乾燥機3から排出される下水汚泥の乾燥物は、改質機6に供給しなくても、そのままの状態で十分に固形燃料として用い得ることがある。この場合、部分的炭化のための熱処理(改質機6による処理)を省略してもよい。
改質機6内で発生した燃焼ガスは、ガス流通路15を介して二次燃焼炉5に導かれて、二次燃焼炉5内で燃焼する。この燃焼によって発生した燃焼排ガスは、ガス流通路16によって改質機6に導かれ、改質機6の熱源として利用される。
【0025】
本発明の処理システムは、エネルギーの回収効率が高いという特長を有する。すなわち、下水汚泥の有するエネルギー量を「A」、固形燃料を得るために系外から導入するエネルギー量を「B」、固形燃料のエネルギー量を「C」とした場合、エネルギー回収効率(C/(A+B))は、本発明では「B」が小さいため、大きくなる。
【0026】
本発明の処理システムは、例えば、セメント工場内で実用化することができる。その場合の利点として、▲1▼エネルギーの回収効率が大きく、エネルギーの有効利用を図ることができる、▲2▼セメント工場では、エネルギーの消費量が多いので、水分を含む有機廃棄物(バイオマス)を利用することによって、重油等の化石燃料の使用量を大幅に削減することができる、▲3▼ボイラ等の二酸化炭素発生源の稼動を減らすことができるため、セメント工場から発生する二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができる、等が挙げられる。
【0027】
ロータリーキルンによってセメントクリンカを焼成するプロセスの概略は、図3に示すとおりである。図3中、石灰石、粘土および鉄原料を所定の配合割合で混合して調製したセメントクリンカ原料31を、サスペンションプレヒータ(脱炭酸ゾーン)32に投入し、脱炭酸した後、仮焼炉33で仮焼し、ロータリーキルン30内に投入する。ロータリーキルン30内で焼成されたセメントクリンカ37は、ロータリーキルン30の窯前側から排出された後、冷却用エア38が吹き込まれるクーラ36内で冷却され、回収される。
なお、ロータリーキルン30内の排ガス39は、窯尻側から排出され、仮焼炉33を通った後、サスペンションプレヒータ32中を上方へと移動し、所定の浄化処理を施されて、大気中に排出される。
【0028】
従来の下水汚泥を乾燥させてなる固形燃料は、ロータリーキルン30の窯尻側に設けられる予熱バーナ34から投入されていたため、使用量を大きくすることができなかった。この点、本発明の処理システムで得られる固形燃料は、メインバーナ35の燃料として多量に使用することができる。
本発明で得られる固形燃料は、メインバーナ35(燃焼温度:1450℃)の燃料として使用される場合には、予熱バーナ34(燃焼温度:900℃)の燃料として使用される場合と比べて、高いエントロピーの状態で利用されることになる。
【0029】
すなわち、図4に示すように、メインバーナ35の燃料として用いられる本発明の固形燃料のエネルギーは、ロータリーキルン30内でセメントクリンカを焼成するための化学エネルギー(図4中のA)、仮焼炉33でセメントクリンカ原料を予熱するためのエネルギー(図4中のB)、サスペンションプレヒータ32におけるセメントクリンカ原料の脱炭酸のためのエネルギー(図4中のC)、ロータリーキルンからの高温の排ガスを用いた排熱発電装置40のためのエネルギー(図4中のD)、乾燥機41内でセメントクリンカ原料を乾燥するためのエネルギー(図4中のE)の順に、消費されていく。その結果、最終的に利用されずに廃熱として系外に放出される未利用の熱の量は、当初の固形燃料のエネルギー量の20%程度になる。このように、本発明の固形燃料を、セメント製造装置のメインバーナ35の燃料として用いることによって、固形燃料のエネルギーの80%以上を利用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の処理方法および処理システムによれば、水分を多く含む有機廃棄物を原料として固形燃料を製造するに際し、系外から新たに供給すべきエネルギー量を大幅に削減して、エネルギー回収効率を高めることができるので、化石燃料の使用量の削減や、二酸化炭素の排出量の削減などを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理システムの一例を模式的に示す図である。
【図2】図1中の乾燥機および圧縮機を含む潜熱の回収システムを模式的に示す図である。
【図3】本発明の処理システムで得られる固形燃料を用いたセメントクリンカ製造装置の構造を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の処理システムで得られる固形燃料を、セメントキルンのメインバーナの燃料として用いる場合におけるエネルギー消費の各段階を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ホッパ
2 予熱機
3 乾燥機
4 圧縮機
5 二次燃焼炉
6 改質機
7,8,9 供給路
10,11 顕熱伝導用ガス流通路
12 潜熱伝導用ガス流通路
12a 壁体
13,14,15,16 ガス流通路
17 ボイラ
18 下水汚泥
19 水蒸気を含むガス
20 昇温したガス
21 凝縮水
22 潜熱
23 ボイラからの熱
30 ロータリーキルン
31 セメントクリンカ原料
32 サスペンションプレヒータ(脱炭酸ゾーン)
33 仮焼炉
34 予熱バーナ
35 メインバーナ
36 クーラ
37 セメントクリンカ
38 冷却用エア
39 排ガス
40 排熱発電装置
41 乾燥機

Claims (4)

  1. 水分を含む有機廃棄物を加熱して、該有機廃棄物の乾燥物と、水蒸気を含むガスとを得る乾燥工程と、
    前記水蒸気を含むガスを圧縮して、昇圧によって昇温されたガスを得た後、該ガスを前記乾燥工程に戻し、該ガスに含まれている水蒸気の凝縮に伴って生じる潜熱を、前記乾燥工程の熱源の少なくとも一部として用いる潜熱回収工程と、
    前記乾燥工程で得られた前記有機廃棄物の乾燥物を加熱して、前記有機廃棄物の乾燥物が部分的に炭化してなる固形物と、排ガスとを得る炭化工程と、
    前記炭化工程で得られた排ガスを燃焼させて、その燃焼によって発生する熱を前記炭化工程の熱源の少なくとも一部として用いる燃焼熱回収工程と
    を含むことを特徴とする水分を含む有機廃棄物の処理方法。
  2. 前記乾燥工程の前工程としての、前記水分を含む有機廃棄物を予熱する予熱工程と、
    前記潜熱回収工程を経た前記ガスに含まれている凝縮水の顕熱を、前記予熱工程における熱源の少なくとも一部として利用する顕熱利用工程と
    を含む請求項1に記載の水分を含む有機廃棄物の処理方法。
  3. 水分を含む有機廃棄物を加熱して、該有機廃棄物の乾燥物と、水蒸気を含むガスとを得るための乾燥機と、
    前記乾燥機から排出される前記水蒸気を含むガスを圧縮して、昇圧によって昇温されたガスを得るための圧縮機と、
    前記圧縮機から排出される前記ガスに含まれている水蒸気を凝縮させるとともに、凝縮に伴って生じる潜熱を、前記乾燥機内の前記水分を含む有機廃棄物に伝導させるための潜熱伝導用ガス流通路と、
    前記乾燥機から排出される前記有機廃棄物の乾燥物を加熱して、前記有機廃棄物の乾燥物が部分的に炭化してなる固形物と、排ガスとを得るための改質機と、
    前記改質機から排出される排ガスを燃焼するための二次燃焼炉と、
    前記二次燃焼炉内で発生する熱を、前記改質機に導いて、前記改質機の熱源の少なくとも一部として用いるための熱伝導手段と
    を含むことを特徴とする水分を含む有機廃棄物の処理システム。
  4. 前記乾燥機による加熱の前に前記水分を含む有機廃棄物を予熱するための予熱手段と、
    前記潜熱伝導用ガス流通路の後流側に形成されており、前記潜熱伝導用ガス流通路内で生成する凝縮水の顕熱を、前記予熱手段において前記水分を含む有機廃棄物に伝導させるための顕熱伝導用ガス流通路と
    を含む請求項3に記載の水分を含む有機廃棄物の処理システム。
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