JP2004358298A - 薄膜パターンの製造方法、有機電界発光素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法及び電子機器 - Google Patents

薄膜パターンの製造方法、有機電界発光素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的にサイズの大きい薄膜パターンを液滴吐出方式で形成するときでも、比較的に小さい液滴でパターン領域全体についてより均一な薄膜を形成することができる薄膜パターンの製造方法、有機電界発光素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法及び電子機器を提供する。
【解決手段】液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴10の着弾径をDとして、形成しようとするパターン(例えば画素)の幅をdとしたとき、dがDよりも大きい場合に、前記パターンを形成するためのノズルの走査する軌跡L1,L2,L3を2本以上設定することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出方式を用いた薄膜パターンの製造方法、有機電界発光素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機電界発光素子を用いた表示パネルが考え出されている。有機電界発光素子の基本構成は、蛍光性有機分子を含む固体薄膜(発光層)を2枚電極(陰極と陽極)で挟んだものである。その電極に電圧を印加すると、陽極から正孔が陰極から電子が発光層に注入され、その発光層から蛍光が放出される。
【0003】
ところで、発光層のみからなる単層型構造素子では発光効率が低く、耐久性に問題があるため、陽極と発光層間に密着性の良い正孔注入層(正孔注入輸送層)を設けた二層構造の素子が提案されている。この積層構造を採用することで、キャリアの注入/輸送バランスおよびキャリアの再結合部位の制御により、有機電界発光素子の発光効率及び耐久性を向上させることができる。また、この積層構造によれば、発光、注入/輸送といった機能を別々の材料に分担させることができるため、材料及び素子の最適設計が可能になるという利点がある。
【0004】
従来、有機電界発光素子の正孔注入輸送層化合物としては、ポルフィリン化合物、アニリンやピリジンおよびそれらの誘導体低分子、あるいはカーボン層用いた正孔注入輸送層などが提案されている。これらの低分子系材料を用いた正孔注入輸送層形成には、真空蒸着やスパッタによる成膜法が一般的である。高分子材料としてはポリアニリンなどが知られ、スピンコートなどの湿式法で成膜される。
【0005】
ところで、真空蒸着やスパッタによる成膜法はバッチ処理であり長時間を有するため量産効率が悪い。また低分子材料の場合には成膜後結晶化しやすく、素子の信頼性が低下するといった課題を有する。一方、高分子材料の場合は分子設計上の自由度が高く、湿式のため材料の最適化がしやすいという利点を有するが、スピンコートなどの成膜法は材料の殆どを浪費するという大きな問題がある。
【0006】
さらに、フルカラーディスプレイなど材料の微細パターンニングが必要とされる場合、蒸着法では高精度のパターニングが困難であり、またフォトリソグラフィーによるパターニング工程では材料に耐性がないという問題がある。これは高分子材料においても同様な問題である。また、正孔注入層あるいはバッファ層として用いられる材料は、導電性を有するものであるから完全なパターニングが実現できなければ、同一基板上に設けられた隣の画素間での漏電を引き起こす原因となる。
【0007】
一方、上記問題点を解決するため、すなわち材料や素子設計の最適化を行うことができ、かつ簡便、短時間及び低コストで精度の高いパターニング成膜を行うために、液滴吐出方式を用いた正孔注入層などの製造方法が考え出されている。その液滴吐出方式を用いた製造方法は、インクジェットノズルから正孔注入層の成分と溶媒からなる液滴を、所望領域に吐出して薄膜パターンを形成するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−106278号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の液滴吐出方式による薄膜パターンの製造方法では、画素などのパターン領域に液滴を吐出するとき、インクジェットノズルの移動位置を規定するために、そのパターン領域の中心を横切るように仮想的な走査する軌跡(塗布線)を1本設定している。そして、インクジェットノズルを走査する軌跡に沿って移動させながらパターン領域内に液滴を着弾させている。
【0010】
図13は従来の液滴吐出方式による薄膜パターンの製造方法を示す説明図である。図14は図13に示す製造方法で形成された薄膜パターン41を示す説明図である。これらの図では、形成しようとする薄膜パターンとして画素1を例に挙げている。そして、画素1の領域の中心を横切るように仮想的な走査する軌跡線(塗布線)を1本設定している。そして、インクジェットノズルを走査する軌跡に沿って移動させながらパターン領域内に液滴を着弾させて、液滴10の列を形成している。
【0011】
このようにすると、被塗布面に着弾した液滴がなす液滴10の中心がパターン領域の中心線にほぼ一致することになる。ここで、形成しようとする薄膜パターン(画素など)が大きい場合、例えば100インチもある大型パネルの画素をなすパターンのように1000μm以上の幅をもつ場合、すなわち液滴10の直径Dが画素1の幅dよりも小さい場合、被塗布面に着弾した液滴がそのパターン領域の幅いっぱいまで濡れ広がらないという問題が生じる。すなわち、画素1の領域に塗り残し領域42が生じる。
【0012】
そこで、従来の液滴吐出方式による薄膜パターンの製造方法では、パターン領域の中心を横断するように細長い薄膜が形成され、パターン領域の縁辺には薄膜が形成されない「塗り残し」が生じてしまう。このようにパターン領域に「塗り残し」が生じると、例えばそのパターンが有機電界発光素子の正孔注入層又は発光層である場合、点灯不良及び電流リークが発生してしまう。
【0013】
また、この問題点に対して、インクジェットノズルを改良して液滴の吐出量を大きくすることで「塗り残し」を低減する手法が考えられる。しかし、その手法では、従来から用いられている液滴吐出装置を使用することができないという問題がある。また、その手法では、1回に着弾する液滴量が大きいので、均一な厚さの薄膜を形成するのが困難となる。薄膜の厚さが不均一となると、例えばそのパターンが有機電界発光素子の正孔注入層又は発光層あるいはカラーフィルタである場合、発光むらが生じてしまう。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、比較的にサイズの大きい薄膜パターンを液滴吐出方式で形成するときでも、比較的に小さい液滴でパターン領域全体についてより均一な薄膜を形成することができる薄膜パターンの製造方法、有機電界発光素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法及び電子機器の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の薄膜パターン形成方法は、液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾径をDとして、形成しようとするパターンの幅をdとしたとき、dがDよりも大きい場合に、前記パターンを形成するための前記ノズルの走査する軌跡を2本以上設定することを特徴とする。
本発明によれば、形成しようとするパターン幅dが1つの液滴の着弾で形成された液滴の径Dよりも大きくなる場合に、そのパターンについて複数の仮想的な走査する軌跡(塗布線)を設定して、その軌跡上に沿ってノズルを移動させながら液滴を吐出することができる。すなわち、発明によれば、例えば画素などをなすパターンを形成するとき、そのパターン領域について複数回ノズルを走査して、走査毎にそのパターン領域に液滴を着弾させることができる。
そこで、本発明によれば、着弾した液滴がなす液滴の径Dがパターン幅dよりも小さくても、そのパターン領域全体について液滴を形成することができる。したがって、本発明によれば、液滴吐出方式でパターンを形成するときに、パターン領域全体に着弾した液滴が濡れ広がらないことによる点灯不良及び電流リークが生じることを防止することができる。また、本発明によれば、例えば100インチもある大型パネルの画素をなすパターンのように1000μm以上の幅をもつパターンであっても、従来からある数十μmの液滴しか形成できない液滴吐出装置によって高品位に形成することができる。
【0016】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記パターンの幅dが、前記ノズルの軌跡に対して直交する方向についての前記パターンの略最大幅であることが好ましい。
本発明によれば、任意形状のパターン領域の全体について液滴を形成することができる。
【0017】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記2本以上の軌跡同士が平行であり、隣り合う前記軌跡同士の間隔は前記D以下であることが好ましい。
本発明によれば、ある軌跡について形成された液滴の一部とその隣りの軌跡について形成された液滴の一部とが重なることとなるので、パターン領域全体について隙間無く液滴を形成することができる。
【0018】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記パターンを形成するときに、1つの前記軌跡について、着弾して形成された前記液滴の一部と次の着弾で形成された液滴の一部とが重なるように、前記ノズルから液滴を吐出させていくことが好ましい。
本発明によれば、1回の走査で、ノズルから順次吐出された液滴により、連なった複数の液滴を形成することができる。そして、1回目の走査で形成された「連なった複数の液滴(細長いパターン)」の縁辺と2回目の走査で形成された「連なった複数の液滴」の縁辺とが重なり、複数の液滴が隙間無く形成された1つの大きなパターンを形成することができる。
【0019】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記パターンを形成するときに、連続した液滴吐出で形成されるパターンにおいて、第1の液滴吐出で形成したパターンと、つづく第2以後の液滴吐出で形成したパターンとが重ならないように、前記ノズルから液滴を吐出させて1回目の走査を行い、次いで、該2回目の走査では、前記パターンとパターンとの間に液滴を着弾させることが好ましい。
本発明によれば、1つの軌跡について、1回目の走査で液滴同士の間を空けて離ればなれに形成し、2回目以後の走査でその液滴同士の間を埋めるように新たな液滴を形成することができる。そこで、1つの軌跡について複数回走査して1つの細長いパターンを形成することができる。また、1つの軌跡で形成された細長いパターンの縁辺とその隣りの軌跡で形成された細長いパターンの縁辺とが重なるので、1つの大きなパターンを形成することができる。そこで、本発明によれば、1つの軌跡について複数回走査してパターンを形成するので、走査毎についての吐出状態(吐出量、吐出速度など)の誤差が分散され、パターン全面についてより均一で良好なパターンを形成することができる。
【0020】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記液滴吐出装置が複数のノズルを備えており、前記1つの主走査について、前記1回目の走査で使用したノズルと前記2回目の走査で使用したノズルが異なることが好ましい。
本発明によれば、1つの軌跡について複数回走査してパターンを形成し、さらに走査毎にノズルを代えるので、各ノズル間の特性差(吐出量、吐出速度、吐出物の粘度など)を分散させることができ、パターン全面についてより均一で良好なパターンを形成することができる。
【0021】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記パターンを設ける領域の境界には、隔壁が設けられており、前記パターンを形成するときに、1回目の走査で前記隔壁のパターンを形成し2回目以後の走査で該隔壁に囲まれた内側のパターンを形成することが好ましい。
本発明によれば、まず隔壁(バンク)又は隔壁側面に液滴を着弾させ、その後隔壁の内側に液滴を着弾させることができ、従来塗り残しとなる場合が多々生じた隔壁近隣についてまで、塗り残しなく良好にパターン形成することができる。
【0022】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記パターンを設ける領域の境界には、隔壁が設けられており、前記パターンを形成するときに、1回目の走査で前記隔壁内側のパターンを形成し、2回目以後の走査で該隔壁のパターンを形成することが好ましい。
本発明によれば、例えば隔壁で囲まれるパターン領域の内側について液滴を着弾させ、その後隔壁又は隔壁側面に液滴を着弾させることができるので、従来塗り残しとなる場合が多々生じた隔壁近隣についてまで、塗り残しなく良好にパターン形成することができる。
【0023】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記パターンが画素であることが好ましい。
本発明によれば、例えば100インチもある大型パネルの画素について液滴吐出方式でパターン形成する場合であって、その画素の幅が1000μm以上あっても、液滴の径が最大で数十μmしか形成できない液滴吐出装置を用いてその画素をなす薄膜パターンを高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができる。
【0024】
また、本発明の有機電界発光素子の製造方法は、電極間に発光層と正孔注入層とを有する発光素子が基板に形成されてなる有機電界発光素子の製造方法であって、前記正孔注入層を、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記正孔注入層の幅をdとしたとき、dがDよりも大きい場合に、前記正孔注入層を形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする。
本発明によれば、例えば大型パネルの画素の構成要素となる有機電界発光素子の正孔注入層について、従来から使用されている液滴吐出装置を用いて、高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができる。そこで、本発明によれば有機電界発光素子からなる大型パネルにおける点灯不良、電流リーク及び発光むらを大幅に低減させることができる。
【0025】
また、本発明の有機電界発光素子の製造方法は、電極間に発光層と正孔注入層とを有する発光素子が基板に形成されてなる有機電界発光素子の製造方法であって、前記発光層を、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記発光層の幅をdとしたとき、dがDよりも大きい場合に、前記発光層を形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする。
本発明によれば、例えば大型パネルの画素の構成要素となる有機電界発光素子の発光層について、従来から使用されている液滴吐出装置を用いて、高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができる。そこで、本発明によれば有機電界発光素子からなる大型パネルにおける点灯不良、電流リーク及び発光むらを大幅に低減させることができる。
【0026】
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、電極間に発光層と正孔注入輸送層とを有する発光素子が基板に形成されてなり、発光方向側にカラーフィルタが形成されてなるカラーフィルタの製造方法であって、前記カラーフィルタを、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記カラーフィルタの幅をdとしたとき、dがDよりも大きい場合に、前記カラーフィルタを形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする。
本発明によれば、例えば有機電界発光素子の発光層から白色光を放射させ、その白色光をカラーフィルタを介して外部に出射させる有機電界発光素子においてそのカラーフィルタをなす薄膜パターンを高精度の形状でかつ膜厚を均一にして形成することができる。そこで、本発明によればカラーフィルタを備える有機電界発光素子からなる大型パネルについて、色むらなどを大幅に低減させることができる。
【0027】
また、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、基板に形成された電極を有してなるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記電極を、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記電極の幅をdとしたとき、dがDよりも大きい場合に、前記電極を形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする。
本発明によれば、プラズマディスプレイパネルの電極が大きなパターンからなるものであっても小さいパターンからなるものであっても、液滴吐出方式を用いてかかる電極を高精度に形成することができる。
【0028】
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法は、基板に形成されたカラーフィルタを有してなる液晶表示パネルの製造方法であって、前記カラーフィルタを、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記カラーフィルタの幅をdとしたとき、dがDよりも大きい場合に、前記カラーフィルタを形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする。
本発明によれば、大型の液晶表示パネルであっても小型の液晶表示パネルであっても、かかるパネルのカラーフィルタをなす薄膜パターンについて、液滴吐出方式を用いて高精度に形成することができる。
【0029】
また、本発明の薄膜パターン形成方法は、前記パターンが基板上に複数形成されるものであり、前記主走査は複数の前記パターンを横断するように設定され、該走査について1回の走査において、該複数のパターンそれぞれについて、少なくとも1つの液滴を着弾させることが好ましい。
本発明によれば、基板に対してノズルを一方に移動させることで1回の走査を行い、その走査で複数のパターンそれぞれに液滴を着弾させるので、高速に高精度なパターンを形成することができる。
【0030】
本発明の電子機器は、前記薄膜パターン形成方法を用いて製造された薄膜パターンを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、比較的大きいパターンであっても小さいパターンであっても液滴吐出方式を用いて高精度にかつ安価に形成できるので、例えば100インチもある大型画面の表示部などにおける点灯不良、発光むら及び電流リークなどを低減させた高品位な電子機器を低コストで提供することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る薄膜パターン形成方法について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る薄膜パターン形成方法を示す説明図である。図2は図1に示す方法で形成された薄膜パターンを示す説明図である。本実施形態では、フラットパネルディスプレイにおける画素1を液滴吐出方式で形成する例について説明する。画素1が複数形成されてなるフラットパネルディスプレイとしては、有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置、プラズマディスプレイパネル及び液晶装置が挙げられる。次に、有機EL装置の構成要素となる画素1を形成する場合について説明する。
【0032】
画素1は、長方形の角を丸めた形状としているがこれ以外の形状(例えば正方形、円形など)であってもよい。そして、画素1の幅dは例えば200μmであり、画素1の長さyは例えば600μmとする。また、画素1の幅dが1300μm、長さyが4000μmとしてもよい。これほどサイズの大きい画素は、例えば100インチの大画面をもつ有機EL装置に用いられる。ここで、画素1の幅d、すなわち形成しようとする薄膜パターンの幅dは、インクジェットノズルの移動を規定する軌跡に対して直交する方向についてのパターン領域の最大幅とするのが好ましい。
【0033】
このような有機EL装置を製造するためには、まずガラスなどからなる基板上に陽極を形成しその上に及び隔壁(バンク)を形成する。隔壁は、画素1の形成領域を囲むように設けられた凸形状の構造部材である。次いで、その隔壁に対してフロロカーボンプラズマ処理などを施して、隔壁の表面を撥液処理する。
【0034】
その後、隔壁で囲まれた画素1の形成領域に、正孔輸送材料を塗布し、乾燥させて正孔注入層を形成する。ここで、正孔輸送材料の塗布は、液滴吐出装置のインクジェットノズルから液滴を画素1の形成領域に吐出する液滴吐出方式を用いて行う。インクジェットノズルから吐出される液滴は、正孔輸送材料及び溶媒からなる液状体である。
【0035】
そして、インクジェットノズルから吐出された1つ液滴が被塗布面である画素1の形成領域に着弾すると、略円形の薄膜である液滴10が形成される。液滴10の直径Dは例えば90μmとする。また、この直径90μmのドット薄膜10を形成するときの液滴量は、例えば30ngである。液滴10の直径Dを90μm以上にすることは、現在用いられている液滴吐出装置では困難であり、多大な製造コストを要することとなる。
【0036】
このように、画素1の幅dが200μmであり、液滴10の直径Dが90μmなので、画素1の幅dと液滴10の直径Dとの関係は、「D<d」となる。
このように画素1の幅dが液滴10の直径Dよりも大きくなった場合は以下に述べるように、1つの画素1に対するインクジェットノズルの軌跡を2本以上に設定する。
また、各軌跡同士は平行であり、隣り合う軌跡同士の間隔は、液滴10の直径D以下であることが好ましい。
【0037】
例えば、図1に示すように、画素1を形成する基板に対するインクジェットノズルの移動が、基板上に仮想的に設定した線である軌跡L1,L2,L3の上をインクジェットノズルの中心が通るように制御する。具体的には、矢印Sの方向にインクジェットノズルを移動させながら、そのインックジェットノズルから1滴ずつ液滴を吐出する。そして、第1回目の走査では軌跡L1に沿ってインクジェットノズルを移動させながら、1つ画素1の領域毎に6個の液滴を吐出する。軌跡L1についての液滴吐出が終了したときは、液滴吐出をさせずにインクジェットノズルを図面上方に移動させる。
【0038】
次いで、第2回目の走査として軌跡L2に沿ってインクジェットノズルを移動させながら、1つの画素領域毎に8個の液滴を吐出する。軌跡L2についての液滴吐出が終了したときは、液滴吐出をさせずにインクジェットノズルを図面上方に移動させる。次いで、第3回目の走査として軌跡L3に沿ってインクジェットノズルを移動させながら、1つの画素領域毎に6個の液滴を吐出する。
【0039】
図3は本実施形態における1つの軌跡についての液滴吐出動作を示す説明図である。各軌跡L1,L2,L3における吐出動作は、ある液滴の吐出による液滴10の一部と、次に吐出された液滴による液滴10の一部とが重なるように、順次液滴を吐出する。軌跡L1においては、先ず液滴11を形成し、次いで、液滴11の一部に重なるように液滴12を形成する。次いで、液滴12の一部に重なるように液滴13を形成する。次いで、液滴13の一部に重なるように液滴14を形成する。次いで、液滴14の一部に重なるように液滴15を形成する。次いで、液滴15の一部に重なるように液滴16を形成する。軌跡L2,L3についても軌跡L1と同様に吐出動作を行う。
【0040】
これらのように3本の軌跡L1,L2,L3に沿ってインクジェットノズルを移動させながら液滴を吐出することで、画素1の領域全体を複数の液滴10で塗りつぶすことができる。そこで、本実施形態によれば、図2に示すように画素1の領域全体に薄膜パターン40を形成することができる。
【0041】
そして、上記方法で形成した薄膜パターン40を乾燥させて正孔注入層を形成し、次いで上記方法と同様にして正孔注入層の上に発光層を形成する。次いで、発光層の上に陰極を蒸着する。このようにして、有機EL装置の画素1が完成する。その画素1について発光確認すると、画素内全面に渡って均一な発光(すなわち発光ムラのない画素)を得ることができる。
【0042】
上記実施形態において、画素1は基板上に複数形成されるものであり、軌跡L1,L2,L3は複数の画素1を横断するように設定され、その軌跡についての1回の走査において複数の画素1それぞれについて少なくとも1つの液滴を着弾させることが好ましい。このようにすると、1回の走査で複数の画素1に液滴10を形成することができるので、より高速にかつ高精度に薄膜パターンを形成することができる。
【0043】
これらにより、本実施形態によれば、100インチもある大型パネルの画素をなすパターンのように1000μm以上の幅をもつパターンであっても、従来からある数十μmの液滴しか形成できない液滴吐出装置によって低コストで形成でき、さらに、色ムラなどを生じさせずに高品位に形成することができる。
【0044】
上記実施形態では、有機EL装置の正孔注入層又は発光層をなす薄膜パターンを形成する方法について説明したが、有機EL装置に用いられるカラーフィルタについても上記薄膜パターン形成方法で設けてもよい。この場合の有機EL装置は、例えば有機電界発光素子の発光層から白色光を放射させ、その白色光をカラーフィルタを介して外部に出射させる構成とする。このようにすると、その大画面用のカラーフィルタをなす薄膜パターンを高精度にかつ均一な厚みに形成することができるので、有機電界発光素子からなる大型パネルについて、色むらなどを大幅に低減させることができる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る薄膜パターン形成方法について図4を参照して説明する。図4は本発明の第2実施形態に係る薄膜パターン形成方法を示す説明図である。本実施形態における第1実施形態の薄膜パターン形成との相違点は、各軌跡L1,L2,L3における液滴10の吐出順序である。その他の軌跡L1,L2,L3の設定方法などは、上記第1実施形態の薄膜パターン形成方法と同じである。
【0046】
本実施形態では、軌跡L1において、先ず液滴11を形成し、次いで、液滴11とは重ならないように液滴12を形成する。これにより液滴11と液滴12の間には隙間が生じる。次いで、液滴12とは重ならないように液滴13を形成する。これにより液滴12と液滴13の間にも隙間が生じる。
【0047】
その後、インクジェットノズルを図面上方に移動させてから、再度軌跡L1について吐出動作を行う。この吐出動作では、先ず、既に形成されている液滴11と液滴12との間に、液滴14を形成する。この液滴14により液滴11と液滴12との間の隙間が埋められる。次いで、既に形成されている液滴12と液滴13との間に、液滴15を形成する。この液滴15により液滴12と液滴13との間の隙間が埋められる。さらに液滴13の下側にその液滴13の一部と重なるように液滴16を形成する。これらにより、軌跡L1についての薄膜形成が完了する。軌跡L2,L3についても、軌跡L1についての吐出動作と同様にして形成する。
【0048】
本実施形態では、1つの軌跡について、1回目の走査で液滴同士の間を空けて離ればなれに形成し、2回目以後の走査でその液滴同士の間を埋めるように新たな液滴を形成する。そこで、1つの軌跡について複数回走査して1つの細長いパターンを形成することができる。また、1つの軌跡L1について形成された細長いパターンの縁辺とその隣りの軌跡L2で形成された細長いパターンの縁辺とが重なるので、1つの大きなパターンを形成することができる。
【0049】
そこで、本実施形態によれば、1つの軌跡について複数回走査してパターンを形成するので、走査毎についての吐出状態(吐出量、吐出速度など)の誤差が分散され、パターン全面について膜厚などがより均一で良好なパターンを形成することができる。
【0050】
本実施形態において、1つの軌跡について複数回走査するときに、1回目の走査で使用したノズルと、2回目の走査で使用したノズルとを別のものとするように、走査毎に異なるノズルを使用するのが好ましい。このようにすると、1つの軌跡について、複数のノズルを用いて薄膜を形成することになるので、各ノズル間の特性差(吐出量、吐出速度、吐出物の粘度など)を分散させることができ、パターン全面について膜厚などがより均一で良好なパターンを形成することができる。液滴吐出装置は、通常、1つのインクジェットヘッドに複数のインクジェットノズルを備えているので、かかる走査毎のノズル変更は比較的容易に実行することができる。
【0051】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る薄膜パターン形成方法について図5を参照して説明する。図5は本発明の第3実施形態に係る薄膜パターン形成方法を示す説明図である。本第3実施形態における上記第1実施形態の薄膜パターン形成との相違点は、隔壁に対して行う液滴の形成を、その隔壁の内側領域についての液滴形成よりも優先させている点である。その他の軌跡L1,L2,L3の設定方法などは、上記第1実施形態の薄膜パターン形成方法と同じである。
【0052】
具体的には、先ず、軌跡L1において、ドット薄膜11,12,13,14,15,16を形成する。ここで、画素1の領域を囲むように隔壁が設けられているので、ドット薄膜11,12,13,14,15,16をなす液滴の一部は隔壁又は隔壁側面にもかかるように着弾する。次いで、軌跡L2において、液滴17,18を形成する。このドット薄膜17,18をなす液滴の一部も隔壁又は隔壁側面にもかかるように着弾する。次いで、軌跡L3において、液滴19,20,21,22,23,24を形成する。この液滴19,20,21,22,23,24をなす液滴の一部も隔壁又は隔壁側面にもかかるように着弾する。これらにより、隔壁又は隔壁側面について液滴が形成される。
【0053】
その後、隔壁又は隔壁側面について形成された液滴の内側を埋めるように、新たな液滴を形成する。すなわち、軌跡L2について、液滴25,26,27,28,29,30を形成する。
本実施形態によれば、まず隔壁又は隔壁側面に液滴を着弾させ、その後隔壁の内側に液滴を着弾させることができ、従来塗り残しとなる場合が多々生じた隔壁近隣についてまで、塗り残しなく、より均一な膜厚として良好にパターン形成することができる。
【0054】
次に、本実施形態の変形例について図6を参照して説明する。図6は本第3実施形態の変形例に係る薄膜パターン形成方法を示す説明図である。本変形例では図5に示す薄膜パターン形成方法とは逆に、先ず薄膜パターン形成領域における内側について液滴を形成し、その後隔壁に対して液滴を形成する。その他の軌跡L1,L2,L3の設定方法などは、上記第1実施形態の薄膜パターン形成方法と同じである。
【0055】
具体的には、先ず、軌跡L2において、液滴11,12,13,14,15,16を形成する。これらにより、薄膜パターン形成領域(画素1)の内側について液滴が形成される。
その後、軌跡L1において、液滴17,18,19,20,21,22を形成する。次いで、軌跡L2において液滴23,24を形成する。次いで、軌跡L3において液滴25,26,27,28,29,30を形成する。これらにより、隔壁又は隔壁側面について液滴が形成される。
【0056】
これらにより、本変形例によれば、隔壁で囲まれるパターン領域の内側(中央付近)について液滴を着弾させ、その後隔壁又は隔壁側面に液滴を着弾させるので、従来塗り残しとなる場合が多々生じた隔壁近隣についてまで、塗り残しなく良好にパターン形成することができる。
また、上記第2実施形態に係る薄膜パターン形成方法(吐出動作)と第3実施形態に係る薄膜パターン形成方法(吐出動作)とを組み合わせてもよい。
【0057】
<有機EL装置の製造方法>
次に、上記実施形態の薄膜パターン形成方法を用いた有機EL装置の製造方法について、図7を参照して具体的に説明ずる。本製造方法では、有機EL装置における正孔注入輸送層を上記実施形態の薄膜パターン形成方法で形成する。
【0058】
正孔注入輸送層用組成物は、主として正孔注入輸送層を形成する導電性化合物、分散溶媒、湿潤剤を含み、液滴吐出方式によるパターン成膜に用いられる。この正孔注入輸送層を形成する導電性化合物は陽極よりイオン化ポテンシャルが低い化合物が望ましい。例えば、陽電極としてインジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)を用いた場合、低分子系材料としては、銅フタロシアニン等のポルフィリン化合物が挙げられる。
【0059】
なお、その他の添加剤、被膜安定化材料を添加してもよく、例えば、粘度調製剤、老化防止剤、pH調製剤、防腐剤、樹脂エマルジョン、レベリング剤等を用いることができる。
【0060】
導電性化合物(正孔注入輸送層成分)として、銅フタロシアニンを用いた場合の、正孔注入輸送層用組成物の物性的特性について検討した。試料は表1乃至表10に示す組成物イ乃至組成物ヌを調整した。
【0061】
組成物イ
【表1】
Figure 2004358298
【0062】
組成物ロ
【表2】
Figure 2004358298
【0063】
組成物ハ
【表3】
Figure 2004358298
【0064】
組成物ニ
【表4】
Figure 2004358298
【0065】
組成物ホ
【表5】
Figure 2004358298
【0066】
組成物ヘ
【表6】
Figure 2004358298
【0067】
組成物ト
【表7】
Figure 2004358298
【0068】
組成物チ
【表8】
Figure 2004358298
【0069】
組成物リ
【表9】
Figure 2004358298
【0070】
組成物ヌ
【表10】
Figure 2004358298
【0071】
(吐出評価)表1〜表8に示す組成物イ〜組成物チのインクジェットヘッドを構成するノズル面構成材料に対する接触角、粘度および表面張力を測定し、それらの吐出性を評価した。吐出評価はインクジェットプリント装置(エプソン製MJ−500C)を用いて行った。
【0072】
なお、粘度は20℃での測定値である。これらの結果を表11に示す。
【0073】
【表11】
Figure 2004358298
この結果から、接触角は30°から170°、特に、35°から65°が好ましいことがわかる。また、粘度は1cpから20cp、特に、2cpから4cpが好ましく、表面張力は20dyneから70dyne、特に、25dyneから40dyneの範囲が好ましいことがわかる。
【0074】
また、湿潤剤としてグリセリンが混入されている組成物イ乃至組成物ハは、湿潤剤が混入されていない組成物ヘ乃至組成物チと比較すると、吐出性に優れていることがわかる。従って、インク組成物中に湿潤剤が含まれていることが好ましい。湿潤剤を混入することで、インク組成物がノズル口で乾燥・凝固することを有効に防止することができる。かかる湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコール類が挙げられるが、グリセリンが特に好ましい。
【0075】
(正孔注入輸送層用組成物の製法)表1乃至表3、及び、表9、表10にそれぞれ示す組成物イ乃至組成物ハ、及び、組成物リ、組成物ヌを製造し、超音波処理前後の正孔注入輸送層形成化合物(銅フタロシアニン)の粒度分布を測定した。さらに、超音波処理後、濾過工程を経た上記正孔注入輸送層用組成物を用い液滴吐出方式のパターニングにより形成された正孔注入輸送層の成膜性を評価した。
【0076】
これらの結果を表12に示す。超音波処理の効果は1μm以下の粒度分布の割合で示した。なお、スチレンアクリル樹脂分散液での粒径は1μm以上である。
【0077】
【表12】
Figure 2004358298
この結果から、前記分散液を4時間超音波処理することで分散性を上げることができることがわかる。また、超音波処理分散液をさらに濾過することによって、より均一な正孔注入輸送層膜を得ることができる。また、導電性化合物の分散極性溶媒としては、水、又は、水とメタノール或いはエトキシエタノールとの混合溶媒であることが好ましく(組成物イ乃至組成物ハ)、これらの溶媒を用いた場合、成膜性も良いことがわかる。
【0078】
(有機電界発光素子の製造工程)表1乃至表3に示す組成物イ乃至組成物ハを用いて、以下に示す手順で液滴吐出方式による正孔注入輸送層のパターニング成膜を行い、有機電界発光素子(発光層)を製造した。
【0079】
陽極形成工程(図7(A))
本工程はガラス基板102上に陽極101を形成する工程である。ガラス基板102としては、酸やアルカリ等の薬品に侵されにくく、量産可能であるものが好ましい。ITO透明電極を基板102上に0.1μmの厚さで成膜し、例えば1000μmピッチでパターニングする。
【0080】
仕切部材形成工程(同図(B))
本工程は、ガラス基板102上に仕切部材103を形成する工程である。具体的には、陽極(ITO電極)101間を埋め、インク垂れ防止壁(バンク)を兼ねた非感光性ポリイミド(仕切部材)をフォトリソグラフィーにより形成した。非感光性ポリイミドは例えば幅200μm、厚さ2.0μmとした。
【0081】
正孔注入輸送層用組成物吐出工程(同図(C))
さらに、インクジェットプリント装置(エプソン製MJ−800C)104のヘッド105から正孔注入輸送層用組成物イ乃至3(図中106)を吐出し、正孔注入輸送層107をパターンニング成膜した。この成膜では、図1から図6に示す薄膜パターン形成方法のいずれかを用いた。パターン成膜後、200℃10分の乾燥処理により正孔注入輸送層を形成した。正孔注入輸送層用組成物吐出時において、バンク越しの塗布は見られず、大きさサイズでありながら、高精度の正孔注入輸送層パターンが得られた。
【0082】
発光層組成物充填工程(同図(D))
次いで、緑色発光層としてPPV前駆体(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))組成物を製造した。液滴吐出方式により発光層組成物108を吐出し、発光層109をパターンニング成膜した。この成膜でも、図1から図6に示す薄膜パターン形成方法のいずれかを用いた。発光層109としては赤色発光を示すローダミンBをドープしたPPVや青色発光を示すクマリンをドープしたPPVを用いても良い。赤、緑、青の3原色発光を示す発光層を正孔注入輸送層上に更にパターニングすることにより、大画面でかつ高精細なフルカラー有機ELディスプレイの製造が可能となる。
【0083】
陰極形成工程(同図(E))
最後に、発光層109を覆うように陰電極110を蒸着して有機電界発光素子を形成した。
【0084】
本有機EL装置の製造方法によれば、大画面に対応できかつ色ムラなどがない高精度なパターニングを、簡便に短時間、低コストで実現できる。
【0085】
<プラズマディスプレイパネルの製造方法>
次に、上記実施形態の薄膜パターン形成方法を用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法について、図8を参照して具体的に説明する。本製造方法では、プラズマディスプレイパネルにおける電極配線パターンを上記実施形態の薄膜パターン形成方法で形成する。図8は本実施形態に係る薄膜パターン形成方法を用いて製造されたプラズマディスプレイパネルの一例を示す断面図である。
【0086】
プラズマディスプレイパネル120は、2枚のガラス基板121,129が張り合わせられ、両基板により形成される空間に不活性ガスが充填されたものである。ガラス基板121,129には、それぞれ、本実施形態に係る薄膜パターン形成方法で形成された電極(透明電極122、バス電極123、アドレス電極127)などが設けられている。次に、プラズマディスプレイパネル120の構成について具体的に説明する。
【0087】
プラズマディスプレイパネル120において、放電空間125を挟む基板対のうち観察側のガラス基板121の内面には、画面の水平方向のセル列であるライン毎にサステイン電極が配列されている。サステイン電極は、透明導電膜である透明電極122と、抵抗値を低減するための金属膜であるバス電極123とからなる。透明電極122とバス電極123は、上述の図1から図6に示す製造方法で設けられたものである。すなわち、透明電極122は、液滴吐出方式で形成されたインジウム錫酸化物であり、バス電極123も液滴吐出方式で形成されている。
【0088】
透明電極122とバス電極123は、交流駆動のための誘電体層124で被覆されている。誘電体層124は、透光性を有している。背面側のガラス基板129の内側には、アドレス電極127、隔壁128及びカラー表示のための3色(赤R,緑G,青B)の蛍光体126R,126G,126Bが設けられている。隔壁128によって、放電空間125がライン方向に単位発光領域毎に区画されている。放電空間125には、アルゴン又はネオンなどからなる放電ガスが充填されている。蛍光体126R,126G,126Bは、放電で生じた紫外線で局部的に励起されて所定色の可視光を放つ。表示における1単位の発光領域は、ライン方向に並ぶ3つの単位発光領域で構成される。各単位発光領域の範囲内の構造体がセルである。
【0089】
次に、上記の構造を有するプラズマディスプレイパネル120の製造工程について説明する。なお、2枚のガラス基板121,129のうち観察側(表示面側)のガラス基板121を観察面側基板構造体と呼び、ガラス基板121と反対側(背面側)のガラス基板129を背面側基板構造体と呼ぶ。
先ず、観察面側基板構造体としては、光透過性のガラス基板121の上に透明電極122を形成する。透明電極122の形成は、上述のように液滴吐出装置からインジウム錫酸化物を吐出させる方式で行う。次いで、透明電極122の上にバス電極123を形成する。バス電極123の形成も液滴吐出装置から導電性材料を吐出させる方式で行う。次いで、透明電極122及びバス電極を被覆する誘電体層124を形成することで、観察面側基板構造体が完成する。
【0090】
一方、背面側基板構造体としては、先ず、ガラス基板129上にアドレス電極127を形成する。このアドレス電極127の形成も、液滴吐出装置から導電性材料を吐出させる方式で行う。次いで、隔壁128を形成した後、隔壁128で仕切られた空間に蛍光体126R,126G,126Bがスクリーン印刷法などで形成される。この蛍光体126R,126G,126Bは、例えば、所定発光色の蛍光体粉末と、セルロース系又はアクリル系の増粘剤樹脂とアルコール系又はエステル系等の有機溶剤とからなるビヒクルとを混合した蛍光体ペーストを、スクリーン印刷法により形成する。赤色の光を発する蛍光体126R、緑色の光を発する蛍光体126G、青色の光を発する蛍光体126Bは、アドレス電極127方向に、交互に形成される。次いで、蛍光体126R,126G,126Bは、大気圧の空気中雰囲気で熱処理が施され、ビヒクルの揮発成分を蒸発させる。この熱処理が蛍光体の焼成工程と呼ばれるものである。
蛍光体126R,126G,126Bの焼成が終わると、観察面側基板構造体と背面側基板構造体を張り合わせ、内部を真空排気した後、不活性ガスを充填することで、プラズマディスプレイパネル120が完成する。
【0091】
これらにより本実施形態のプラズマディスプレイパネル120の製造方法では、透明電極122、バス電極123及びアドレス電極127の形成に液滴吐出方式を使用しているので、フォトリソグラフィやエッチングで製造した場合に比べて、インジウム錫酸化物及び導電性材料の無駄となる量を大幅に低減することができる。また、本実施形態のプラズマディスプレイパネル120の製造方法では、透明電極122、バス電極123及びアドレス電極127を形成するときに、フォトマスクを作る必要がないので、製造期間を短縮することができるとともに、製造コストを低減することができる。
【0092】
さらに、本実施形態のプラズマディスプレイパネル120では、バス電極123に断線があったとしても、その導電性パターンの下にはインジウム錫酸化物からなる透明電極122が形成されているので、基板上の配線としては繋がっており、プラズマディスプレイパネル120における所定の機能を発揮することができる。
【0093】
さらに、本実施形態のプラズマディスプレイパネル120では、透明電極122、バス電極123及びアドレス電極127を液滴吐出方式で形成するときに、図1から図6に示すような順序及び位置で液滴を着弾させるので、例えば100インチもある大型パネルの画素をなすパターンのように1000μm以上の幅をもつパターンであっても、従来からある数十μmの液滴しか形成できない液滴吐出装置によって、色ムラを生じさせずに高品位に形成することができる。
【0094】
<液晶装置の製造方法>
次に、上記実施形態の薄膜パターン形成方法を用いた液晶装置の製造方法について、図9を参照して具体的に説明する。本製造方法では、液晶装置における電極配線パターン及びカラーフィルタを上記実施形態の薄膜パターン形成方法で形成する。図9は本実施形態に係る薄膜パターン形成方法を用いて製造された液晶装置200の一例を示す断面図である。
【0095】
図9に示すように、下側基板201の液晶層203側表面上には、カラーフィルター205、有機膜などからなる平坦化膜206、透明電極207、配向膜209が順次積層形成されている。一方、上側基板202の液晶層203側表面上には、インジウム錫酸化物からなる透明電極208と配向膜210とが順次積層形成されている。また、液晶層203内には多数の球状のスペーサー213が配置されている。
【0096】
カラーフィルター205は、所定のパターンに形成された赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層205aと隣接する着色層205a間を遮光する遮光層(ブラックマトリクス)205bとからなっている。また、配向膜209、210はポリイミドなどの配向性高分子からなり、電界を印加しないときの液晶層203の配向状態に合わせて、その表面は布などを用いて所定の方向にラビングされている。カラーフィルター205及び平坦化膜206は、少なくとも表示領域内に形成され、かつシール材204よりも内側にのみ形成されている。
【0097】
次に、上記構造の液晶装置200の製造方法について説明する。
先ず、下側基板201の表面に、カラーフィルター205、平坦化膜206、透明電極207、配向膜209を順次形成する。ここで、カラーフィルタ205及び透明電極207は、それぞれ図1から図6に示す薄膜パターン形成方法による液滴吐出方式で形成する。
【0098】
また、上側基板202の表面に、透明電極208と配向膜210とを順次形成する。ここで、透明電極208も図1から図6に示す薄膜パターン形成方法による液滴吐出方式で形成する。すなわち基板202の表面にインジウム錫酸化物を液滴吐出装置で液滴吐出させることで透明電極208を形成する。
【0099】
次いで、表面にカラーフィルター205、平坦化膜206、透明電極207、配向膜209が順次積層形成された下側基板201と、透明電極208及び配向膜210を順次積層形成された上側基板202とを、未硬化のシール材204を介して貼着した後、未硬化のシール材204を、液晶の注入口を形成するように硬化し、液晶セルを形成する。
次いで、真空注入法により液晶セル内に液晶を吸引して液晶層203を形成することにより上記構造の液晶装置200が製造される。
【0100】
これらにより、本実施形態の液晶装置200の製造方法では、インジウム錫酸化物などからなる透明電極207,208を液滴吐出方式で形成するので、フォトリソグラフィやエッチングで製造した場合に比べて、インジウム錫酸化物などの無駄となる量を大幅に低減することができる。
また、本実施形態の液晶装置200の製造方法では、透明電極207,208を形成するときに、フォトマスクを作る必要がないので、製造期間を短縮することができるとともに、製造コストを低減することができる。
【0101】
さらに、本実施形態の液晶装置200の製造方法では、カラーフィルター205及び透明電極207,208を液滴吐出方式で形成するときに、図1から図6に示すような順序及び位置で液滴を着弾させるので、例えば100インチもある大型パネルの画素をなすパターンのように1000μm以上の幅をもつパターンであっても、従来からある数十μmの液滴しか形成できない液滴吐出装置によって、色ムラを生じさせずに高品位に形成することができる。
【0102】
(電子機器)
上記実施形態の薄膜パターン形成方法を用いて製造された電気光学装置(有機EL装置、プラズマディスプレイパネル又は液晶装置)を備えた電子機器の例について説明する。
図10は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図10において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記電気光学装置を用いた表示部を示している。
【0103】
図11は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図11において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記電気光学装置を用いた表示部を示している。
【0104】
図12は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図12において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記電気光学装置を用いた表示部を示している。
【0105】
図10から図12に示す電子機器は、上記実施形態の電気光学装置を備えているので、表示部などにおける点灯不良、発光むら及び電流リークなどを低減させた高品位な電子機器を低コストで提供することができる。また、本実施形態によれば、例えば100インチもある大型画面であって高品位な画像を表示できる表示部を備えた電子機器を低コストで提供することができる。
【0106】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の薄膜パターン形成方法の説明図である。
【図2】同上実施形態で形成された薄膜パターンの説明図である。
【図3】同上実施形態の液滴吐出動作を示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態の薄膜パターン形成方法の説明図である。
【図5】本発明の第3実施形態の薄膜パターン形成方法の説明図である。
【図6】同上実施形態の変形例を示す説明図である。
【図7】有機EL装置の製造方法を示す断面図である。
【図8】プラズマディスプレイパネルの製造方法を示す断面図である。
【図9】液晶装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る電子機器の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る電子機器の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る電子機器の一例を示す図である。
【図13】従来の薄膜パターン形成方法を示す説明図である。
【図14】同上形成方法で形成された薄膜パターンの説明図である。
【符号の説明】
1…画素、10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30…液滴、40…薄膜パターン、D…液滴の直径、d…画素の幅、L1,L2,L3…軌跡、S…矢印、y…画素の長さ

Claims (16)

  1. 液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとするパターンの幅をdとしたとき、
    dがDよりも大きい場合に、
    前記パターンを形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする薄膜パターン形成方法。
  2. 前記パターンの幅dは、前記ノズルの走査を主走査とし、前記主走査に対して直交する方向を副走査としたとき、副走査についての前記パターンの略最大幅であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜パターン形成方法。
  3. 前記2本以上の主走査同士は、平行であり、
    隣り合う前記主走査同士の間隔は、前記D以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜パターン形成方法。
  4. 前記パターンを形成するときに、
    液滴吐出を連続して形成するパターンにおいて、第1の液滴吐出で着弾したパターンの一部と、つづく第2の液滴吐出で着弾したパターンの一部とが重なるように、前記ノズルから液滴を吐出させていくことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の薄膜パターン形成方法。
  5. 前記パターンを形成するときに、
    連続した液滴吐出で形成されるパターンにおいて、第1の液滴吐出で形成したパターンと、つづく第2以後の液滴吐出で形成したパターンとが重ならないように、前記ノズルから液滴を吐出させて1回目の走査を行い、
    次いで、該2回目の走査では、前記パターンとパターンとの間に液滴を着弾させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の薄膜パターン形成方法。
  6. 前記液滴吐出装置は、複数のノズルを備えており、
    前記1つの主走査について、前記1回目の走査で使用したノズルと前記2回目の走査で使用したノズルが異なることを特徴とする請求項5に記載の薄膜パターン形成方法。
  7. 前記パターンを設ける領域の境界には、隔壁が設けられており、
    前記パターンを形成するときに、
    1回目の走査で前記隔壁のパターンを形成し2回目以後の走査で該隔壁に囲まれた内側のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の薄膜パターン形成方法。
  8. 前記パターンを設ける領域の境界には、隔壁が設けられており、
    前記パターンを形成するときに、
    1回目の走査で前記隔壁内側のパターンを形成し、2回目以後の走査で該隔壁のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の薄膜パターン形成方法。
  9. 前記パターンは、画素であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の薄膜パターン形成方法。
  10. 電極間に発光層と正孔注入層とを有する発光素子が基板に形成されてなる有機電界発光素子の製造方法であって、
    前記正孔注入層を、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、
    前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記正孔注入層の幅をdとしたとき、
    dがDよりも大きい場合に、
    前記正孔注入層を形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  11. 電極間に発光層と正孔注入層とを有する発光素子が基板に形成されてなる有機電界発光素子の製造方法であって、
    前記発光層を、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、
    前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記発光層の幅をdとしたとき、
    dがDよりも大きい場合に、
    前記発光層を形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  12. 電極間に発光層と正孔注入輸送層とを有する発光素子が基板に形成されてなり、発光方向側にカラーフィルタが形成されてなるカラーフィルタの製造方法であって、
    前記カラーフィルタを、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、
    前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記カラーフィルタの幅をdとしたとき、
    dがDよりも大きい場合に、
    前記カラーフィルタを形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  13. 基板に形成された電極を有してなるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記電極を、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、
    前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記電極の幅をdとしたとき、
    dがDよりも大きい場合に、
    前記電極を形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  14. 基板に形成されたカラーフィルタを有してなる液晶表示パネルの製造方法であって、
    前記カラーフィルタを、液滴吐出装置に形成されるインクジェットヘッドにより液滴を吐出することにより形成する工程を有し、
    前記液滴吐出装置のノズルから吐出され液滴が被塗布面に着弾して形成された液滴の着弾後の径をDとして、形成しようとする前記カラーフィルタの幅をdとしたとき、
    dがDよりも大きい場合に、
    前記カラーフィルタを形成するため、前記液滴吐出装置において少なくとも2回以上前記ノズルを走査し、該走査の過程で液滴吐出することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  15. 前記パターンは、基板上に複数形成されるものであり、
    前記主走査は複数の前記パターンを横断するように設定され、該走査について1回の走査において、該複数のパターンそれぞれについて、少なくとも1つの液滴を着弾させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の薄膜パターン形成方法。
  16. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の薄膜パターン形成方法を用いて製造された薄膜パターンを備えることを特徴とする電子機器。
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