JP4391094B2 - 有機el層形成方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機ELディスプレイパネル用基板、該有機ELディスプレイパネル用基板を用いたディスプレイ装置、更に、該ディスプレイ装置を用いた電子機器に関し、特に、有機ELディスプレイパネル用基板の形成方法と、有機ELディスプレイパネル用基板の有機EL層形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面表示装置(フラットディスプレイ)が多くの分野、場所で使われており、情報化が進む中でますます重要性が高まっている。現在、フラットディスプレイの代表と言えば、液晶ディスプレイ(LCD)であるが、LCDとは異なる表示原理に基づくフラットディスプレイとして、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ライトエミッティングダイオード表示装置(LED)、蛍光表示管表示装置(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などの開発も活発に行われている。これらの新しいフラットディスプレイはいずれも自発光型と呼ばれるもので、LCDとは次の点で大きく異なりLCDには無い優れた特徴を有している。
【0003】
LCDは受光型と呼ばれ、液晶は自身では発光することはなく、外光を透過、遮断するいわゆるシャッターとして動作し、表示装置を構成する。このため光源を必要とし、一般にバックライトが必要である。これに対して、自発光型は装置自身が発光するため、別光源が不要である。LCDの様な受光型では表示情報の様態に拘わらず、常にバックライトが点灯し、全表示状態とほぼ変わらない電力を消費することになる。これに対して自発光型は、表示情報に応じて点灯する必要のある箇所だけが電力を消費するだけなので、受光型表示装置に比較して、電力消費が少ないという利点が原理的にある。
【0004】
同様にLCDではバックライト光源の光を遮光して暗状態を得るため、少量であっても、光漏れを完全に無くす事は困難であるのに対して、自発光型では発光しない状態がまさに暗状態であるので、理想的な暗状態を容易に得ることができ、コントラストにおいても自発光型が圧倒的に優位である。
また、LCDは液晶の複屈折による偏光制御を利用しているため、観察する方向によって大きく表示状態が変わる、いわゆる視野角依存性が強いが、自発光型ではこの問題がほとんど無い。
さらに、LCDは有機弾性物質である液晶の誘電異方性に由来する配向変化を利用するため、原理的に電気信号に対する応答時間が1ms以上である。
これに対して、開発が進められている上記の技術では、電子/正孔といったいわゆるキャリア遷移、電子放出、プラズマ放電などを利用しているため、応答時間はns桁であり、液晶とは比較にならないほど高速であり、LCDの応答の遅さに由来する動画残像の問題が無い。
【0005】
これらの中でも特に有機ELの研究が活発である。有機ELはOEL(Organic EL)又は有機ライトエミッティングダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)とも呼ばれている。
OEL素子、OLED素子は陽極と陰極の一対の電極間に有機化合物を含む層(EL層)を挟持した構造となっており、Tang等の「アノード電極/正孔注入層/発光層/カソード電極」の積層構造が基本になっている。(特許第1526026号明細書参照)
また、Tang等が低分子材料を用いているの対して、中野らは高分子材料を用いている。(特開平3−273087号公報参照)
また、正孔注入層や電子注入層を用いて効率を向上させたり、発光層に蛍光色素等をドープして発光色を制御することも行われている。
【0006】
このような中、近年、有機EL層の形成をインクジェット方式により行うことが試みられている。
例えば、特開平11−339957号公報、 国際公開第00/59267号パンフレット、特開2001−85161号公報、特開2001−341296号公報等には、有機ELを用いた表示装置の製造方法として、インクジェットの吐出装置を用いて、発光材料を吐出して発光層を形成することが開示されている。
また、特開平11−339957号公報では、発光材料の溶液において、基板上への吐出後に、室温で溶媒を除去した後、基板を加熱乾燥あるいは真空加熱乾燥が採られている。
【0007】
また、同様なインクジェット法による有機EL表示装置の製造方法で、インク溶液状態の発光層を膜化する際に、強制的に溶媒を蒸発乾燥させる事は既に幾つか行なわれており、例えば、国際公開第00/59267号パンフレットでは沸点の高い溶媒を用いて、インク化した発光材料を基板上に供給打ち分けた後、基板を熱処理している。
これは高沸点溶媒を使う事で溶媒の蒸発速度を遅くし、自然乾燥する時間を長くする事で基板に発光層を全面形成した後でも、基板加熱による乾燥の効果を得ようとするものである。
【0008】
また、特開2001−85161号公報では、発光層材料の軟化点よりも高い温度で加熱処理して、発光層を形成している。
また、特開2001−341296号公報では、吐出された液滴から蒸発した溶媒蒸気を、基板に対して角度を持たせて気体を吹き付けることで、基板面内から強制的に排除している。
これは溶媒蒸気が基板面内に残留することによる他の画素への影響、特に既に吐出された画素へ新たに吐出された画素から蒸発する溶媒が触れることより、画素によって乾燥状態が変化する事を防いでいる。
これらの技術はいずれも、後述する、有機EL層の均一な膜厚形成のための発明である。
その他には、特願2002―273756、特願2002−278324などが同様な目的のために発明されている。
【0009】
ここで、インクジェット方式による有機ELディスプレイ用基板の作製方法、インクジェット方式によるディスプレイ用基板の形成について説明しておく。
図4に示すように、基板上の所定の開口部に溶液状のEL材料インク(以下、有機EL材料とも言う)を微細加工されたノズルにより精密に吐出する。
図4では基板表面が平坦に描かれているが、実際は図5のように基板上に5μm程度の高さの隔壁を形成して、吐出されたインクを保持する。
インクジェット法は高画質の描画技術として実用化されているが、紙に画像を描く場合は、従来の印刷と同様に描画点密度で濃淡を表現することができ、異なる色のインクであっても、厳密に混合しないように隔離する必要は無い。
しかし、フラット電子ディスプレイでは、良く知られているように、電極で構成された複数の微細画素に画像信号を印加することで画像を表現するために、画素毎に正確に輝度、色を制御しなければならない。
このため、有機ELディスプレイ用の有機EL層の形成においては、画素毎に正確に各色の発光材料を配置しなければならない。
インクジェット方式による有機EL層の形成においては、吐出され配設されたインクが正確な位置に配置されているか観察しながらインクジェット工程を行うことが有効であり、従来の印刷とは大きく異なる。
【0010】
一方、カラーフィルターを用いる方式の有機EL表示装置あるいはLCDなどカラーフィルターを用いる表示装置についても、カラーフィルターの製造コストを下げ、競争力を高める有望な方法として、やはりインクジェット法が注目されている。
インクジェット法によるカラーフィルターの製造では、溶液化した色素をやはりノズル吐出によって形成する。従来のフォトリソグラフィー法に比較して大幅に色素材料の利用効率が向上する利点がある。
画素に正確に各色の色素材料を配置しなければならない点は同様であり、やはりこのため吐出されたインクが正確な位置に配置されているか観察しながらインクジェット工程を行うことが有効である。
顔料や染料といった色素は可視光で鮮やかに観察できることは言うまでないが、有機EL材料に用いられる蛍光色素含有材料であっても溶液の存在を確認する程度であれば可視光観察でも問題がないため、これまで特に有機EL用のインクジェット装置であっても特別な観察機構が必要とされることはなかった。
【0011】
インクジェット方式による有機ELディスプレイ用の有機EL層(以下単にEL層とも言う)の形成においては、後述するように有機EL層の膜厚制御、膜厚分布制御すなわち均一性はカラーフィルターの場合とは比較にならないほどの精密さが要求される。
前述したような微細隔壁の内部に溶液を吐出すると、液体の表面張力によるいわゆるメニスカス表面状態が形成されることが避けられない。
溶液化した有機EL材料(インク)が、このメニスカス表面形状のまま溶媒が蒸発して乾燥すれば、インク状態でのメニスカス表面形状がそのまま反映され、図5に示すように、有機EL層の膜厚が不均一となってしまう。
このような膜厚が不均一な有機EL層に電界を印加した場合、膜厚の薄い部分に電流が集中し、逆に厚膜部分29には電流が十分流れないために、発光輝度に違いが生じる。
実際、図5のような不均一な膜厚の有機EL層に電界を印加すると、図7のように膜厚の薄い画素中央部しか発光しない現象が発生する。
図7には画素開口部が長方形の場合(図7(a))と楕円形の場合(図7(b))を示している。
このように画素中央部しか発光しないと、表示装置として十分な輝度、効率が達成できない。
【0012】
インクジェット方式による有機ELディスプレイ用の有機EL層の形成においては、別に、対向電極の断線の問題も重要である。
通常、対向電極は金属薄膜を蒸着形成するので、100nmから厚くても500nmが安定に形成できる限界である。
それ以上厚くすると、もはや薄膜では無くなるので、金属それ自身の張力によって、めくれ上がって剥離する危険性が増加する。
この範囲の膜厚では、隔壁が5μm以上の高さの場合、図5に示す様に28で図示される隔壁のコーナー部で、断線が発生し易くなり、EL層に電界が印加されない不良画素が多く発生する。
【0013】
隔壁の形状を図6のように滑らかにすることで、断線の問題は解決することができる。
しかしながら、メニスカス現象による有機EL層膜厚の不均一の問題は解消されない。
メニスカス現象による膜厚の不均一の問題は、有機EL発光層だけでなく、その他の機能層、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層でも溶液形成した場合には同様の問題が発生する。
発光層では発光強度に直接関係するので特に膜厚の不均一の問題は影響が大きい。
【0014】
上記のメニスカス現象による膜厚の不均一の問題を解決するための手段として、基板に吐出配設されたインク状の有機EL材料を加熱乾燥することが有効である。
図9は、従来のインクジェット法による有機EL材料の成膜工程及び形成される有機EL層の様子を示したものである。
基板(有機ELディスプレイ用基板のこと)2上の隔壁によって形成される空間に、インクジェット法によって吐出されたインク状の有機EL材料(図9(a))は、基板に着弾した時点では通常の液体と同様に表面張力によって、基板面に対して凸形状となる。(図9(b))
これをそのまま自然乾燥させると、溶媒が次第に蒸発して行き、いわゆるメニスカス形状になって層厚が不均一になってしまう。(図9(c))
特に、表示装置の画素であれば、開口部の大きさは円形状に換算して、通常直径数10μm程度と非常に微小なサイズであり、このサイズに適合させると、液滴も非常に微細なサイズとなる。
【0015】
このように、微細なサイズの液滴状態では、インクの体積に比較して、表面積が遥かに大きくなるため、溶媒は液滴内部よりも表面からの蒸発による乾燥が支配的となり、膜上面の形状変化(ここでは液面低下)が起こる。加えて隔壁の表面張力のために、メニスカス形状になって層厚が不均一になってしまう。
図10は、インクを吐出した直後に強制的に加熱乾燥を行なった場合を示しており、このような強制乾燥を行うと、膜面のメニスカス形状が緩和され、膜厚が均一になる。(図10(a)〜図10(c))
上述した溶媒の乾燥状態から考えて、強制的に加熱を行うことで液滴全体が加熱され、液滴内部の溶媒が強制的に蒸発するために、膜上面の形状変化が発生し難くなった為ではないかと考えられる。
【0016】
さらに、この様な強制乾燥による膜形状の平坦化の効果は、吐出後できるだけ早い時間の内に行うことが必要であり、吐出直後、遅くとも60秒以内に加熱乾燥をすると効果的である。
一旦、自然乾燥で不均一な膜厚になってしまっては、強制乾燥を行っても膜形状が変化することはない。
【0017】
このようなインク状有機EL材料を自然乾燥する前に強制的に乾燥させる手段として、図12に示す様にステージに備えた温度制御機構を用いて基板を予め加熱しておくことや、図13に示すように基板上の溶液材料を上方から加熱乾燥する手段により、有機EL材料をノズルから吐出して基板の所定位置に配置する工程に続いて、有機EL材料の加熱乾燥工程を、ノズルと基板とを相対的に移動させながら、ノズルの後方で行うことなどがある。
【0018】
その他の手段として撥水性隔壁を利用する方法も膜厚の不均一の問題を解決するために有効である。
図11のように撥水性を有する隔壁間に、インクジェット法によって吐出されたインク状有機EL材料は、隔壁側面に密着することがないのでメニスカス形状にはならず平坦になり易い。(図11(a)〜図11(c))
ただし、隔壁側面が完全に溶液をはじいてしまっては図11では図示しないが、基板表面の電極が露出してしまい、この状態で対向電極を形成すると電極間ショートを起こしてしまうので撥水性の強度まで含めると制御が難しい。
【0019】
【特許文献1】
特許第1526026号明細書
【特許文献2】
特開平3−273087号公報
【特許文献3】
特開平11−339957号公報
【特許文献4】
国際公開第00/59267号パンフレット
【特許文献5】
特開2001−85161号公報
【特許文献6】
特開2001−341296号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、インクジェット方式による有機ELディスプレイ用基板への有機EL層の形成が行われるようになってきたが、インクジェット方式による有機EL層の形成においては、いずれにしても、従来のインクジェット方式によるカラーフィルターの形成ように正確な位置に材料を吐出するだけではなく、その膜厚分布を制御して均一な膜厚にすることが非常に重要で、所望の均一な膜厚に有機EL層を形成することが求められていた。
本発明は、これに対応するもので、均一な膜厚に有機EL層を形成するために、具体的には、インクジェット法によりノズル等の吐出口から溶液化された有機EL材料を吐出し、且つ、吐出口とステージ上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料を配設し、乾燥等の処理を経て、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料から所望の有機EL層を形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板への有機EL層形成方法で、有機EL材料の吐出条件、乾燥処理等の条件を調整しながら有機EL層を形成する方法、ならびに該有機EL層を形成する方法を実施するための有機EL層形成装置を提供しようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機EL層形成方法は、インクジェット法によりノズルからなる吐出口から溶液化された有機EL材料を吐出し、且つ、吐出口とステージ上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料を配設し、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料から所望の有機EL層を形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板への有機EL層形成方法であって、有機ディスプレイパネル用基板に対する前記ノズルの進行方向に、順に、前記ノズルと、紫外線を照射してその蛍光像を観察する観察手段である蛍光カメラとを配し、前記蛍光カメラにより、前記有機ELディスプレイパネル用基板上に形成された有機EL層に紫外光を照射し、該有機EL層の蛍光像を撮像した撮像データを得て、該撮像データから得られた、膜厚に対応した輝度の画像を観察して、観察結果に基づいて、膜厚の標準データと比較して、設定膜厚になるように、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の乾燥等の処理条件を調整し、調整された条件下で有機EL層を形成するものであることを特徴とするものである。
あるいは、本発明の有機EL層形成方法は、インクジェット法によりノズル等の吐出口から溶液化された有機EL材料を吐出し、且つ、吐出口とステージ上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料を配設し、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料から所望の有機EL層を形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板への有機EL層形成方法であって、有機ディスプレイパネル用基板に対する前記ノズルの進行方向に、順に、前記ノズルと、前記有機ELディスプレイパネル用基板上に形成された有機EL層に紫外光を照射し、該有機EL層の膜厚に対応した蛍光強度を計測することにより、該形成された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布を測定する測定手段である蛍光カメラとを配し、前記蛍光カメラにより、前記形成された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布を測定して、測定された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布に基づいて、膜厚の標準データと比較して、設定膜厚になるように、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の乾燥等の処理条件を調整し、調整された条件下で有機EL層を形成することを特徴とするものである。
そして、上記において、計測された測定データに対し画像処理を施し、得られた、形成する有機EL層の膜厚、膜厚分布データをもとに、目標とする有機EL層の膜厚、膜厚分布に合せ、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料ないし該有機ELディスプレイパネル用基板の処理条件を、コンピュータで自動調整して、設定するものであることを特徴とするものである。
そしてまた、上記において、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料ないし該有機ELディスプレイパネル用基板の処理条件の調整を、前記有機ELディスプレイパネル用基板上のダミー画素部に有機EL層を形成して行うことを特徴とするものである。
尚、以下、ここでは、溶液化された有機EL材料が有機ELディスプレイパネル用基板上に配設され、乾燥して、ディスプレイパネル用に供される状態のものを有機EL層と言う。
図8は、従来のインクジェット法により作製した有機EL層の膜厚が不均一な画素に紫外線を照射して蛍光観察したものである。
前述したように、同様な画素を電界発光させると図7のように膜厚の薄い画素中央部は発光するが、膜厚が厚い画素周辺は発光しない。
電界を印加しない状態で蛍光観察すると、これとは逆に、膜厚の厚い画素周辺は蛍光強度が強く明るく見えるが、膜厚の薄い画素中央部は蛍光強度が弱く暗く見える。
このようにして形成された有機EL層厚が平坦であるかどうかを簡易に判断することができるので、蛍光観察の結果によって、吐出条件及び吐出後処理条件の作製条件を調整して均一な有機EL層を形成することが容易になる。
尚、図7、図8においては、形状の違う画素を、それぞれ、図7(a)と図7(b)として、あるいは図8(a)、図8(b)として示してある。
【0022】
本発明に関わる有機EL層形成装置は、インクジェット法によりノズル等の吐出口から溶液化された有機EL材料を吐出し、且つ、吐出口とステージ上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料を配設し、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料から所望の有機EL層を形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板への有機EL層形成装置であって、有機EL層に紫外光を照射して、その蛍光像を観察する観察部を備えたもので、前記観察部は、形成する有機EL層の配列ライン方向となる、ノズル等の吐出口とディスプレイパネル用基板との相対的な移動方向の軸上、前記相対的な移動におけるノズル等の吐出口の後方に配されるもので、前記観察手段による観察結果に基づいて調整された条件下で有機EL層の形成を行うものであることを特徴とするものである。
あるいは、本発明に関わる有機EL層形成装置は、インクジェット法によりノズル等の吐出口から溶液化された有機EL材料を吐出し、且つ、吐出口とステージ上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料を配設し、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料から所望の有機EL層を形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板への有機EL層形成装置であって、形成された有機EL層に紫外光を照射し、蛍光強度を計測することにより、前記形成された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布を測定するための、測定手段を備え、且つ、前記測定手段による測定結果に基づき、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の乾燥処理条件を調整する制御手段を備えたもので、前記制御手段により調整された条件下で有機EL層を形成を行うものであることを特徴とするものであり、上記において、計測された測定データに対し画像処理を施し、得られた、形成する有機EL層の膜厚、膜厚分布データをもとに、目標とする有機EL層の膜厚、膜厚分布に合せ、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の乾燥処理条件を自動調整して、設定するものであることを特徴とするものである。
【0023】
本発明に関わる有機ELディスプレイパネル用基板は、上記の請求項1ないしに記載の有機EL層形成方法により有機EL層が形成されたことを特徴とするものである。
本発明に関わるディスプレイ装置は、本発明に関わる有機ELディスプレイパネル用基板を用いたことを特徴とするものである。
本発明に関わる電子機器は、本発明に関わるディスプレイ装置を表示部として用いたことを特徴とするものである。
【0024】
【作用】
本発明の有機EL層形成方法は、このような構成にすることにより、均一な膜厚に有機EL層を形成するために、有機EL材料の吐出条件、乾燥処理等の条件を調整しながら有機EL層を形成する方法の提供を可能としている。
具体的には、有機ELディスプレイパネル用基板上に形成された有機EL層に紫外光を照射し、蛍光像を観察して、観察結果に基づいて、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の乾燥等の処理条件を調整し、あるいは、有機ELディスプレイパネル用基板上に形成された有機EL層に紫外光を照射し、蛍光強度を計測することにより、前記形成された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布を測定して、測定された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布に基づいて、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の乾燥等の処理条件を調整し、調整された条件下で有機EL層を形成することにより、これを達成している。
蛍光強度を計測する場合においては、計測された測定データに対し画像処理を施し、得られた、形成する有機EL層の膜厚、膜厚分布データをもとに、目標とする有機EL層の膜厚、膜厚分布に合せ、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の処理条件を、コンピュータ(制御部)で自動調整して、設定するものが挙げられるが、このようにすることにより、自動での膜厚制御を可能としている。
また、形成する有機ELディスプレイパネル用基板の有機EL層を膜厚制御用の形成された有機EL層として利用することもできるが、有機ELディスプレイパネル用基板上のダミー画素部に有機EL層を形成して、これを、有機EL層の膜厚、膜厚分布測定用に利用する方法もある。
勿論、ダミー基板に形成された有機EL層を膜厚、膜厚分布測定用に利用することもできる。
上記ダミー画素を利用ないしダミー基板を利用する方法の場合には、製品を直接計測することはなく、膜厚制御の精度面では問題がある。
特に、形成する有機ELディスプレイパネル用基板の有機EL層を膜厚制御用の予め形成された有機EL層として利用する方法としては、有機EL材料の有機ELディスプレイパネル用基板上への配設に引き続き、配設された有機EL材料の乾燥、乾燥され形成された有機EL層の紫外線照射による観察ないし蛍光強度を計測、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料ないし該有機ELディスプレイパネル用基板の処理条件の調整の、一連の処理を連続的に行い、且つ、繰り返し、調整された条件下にて、有機EL層の形成を行うものが挙げられる。
尚、従来の可視光のカメラ機能を備えたインクジェット装置では、前述したように吐出位置を観察するだけはできるが、蛍光色素含有の有機EL層の膜厚分布を観察、あるいは測定することはできない。
【0025】
本発明に関わる有機EL層形成装置は、このような構成にすることにより、均一な膜厚に有機EL層を形成するために、有機EL材料の吐出条件、乾燥処理等の条件を調整しながら有機EL層を形成する方法を実施できる有機EL層形成装置の提供を可能としている。
本発明に関わる有機ELディスプレイパネル用基板は、このような構成にすることにより、インクジェット方式により、均一な膜厚に有機EL層を形成した有機ELディスプレイパネル用基板の提供を可能としている。
本発明に関わるディスプレイ装置は、このような構成にすることにより、輝度の均一性の優れた有機EL素子を用いたディスプレイ装置の提供を可能とした。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図を参照して、詳しく説明する。
図1は本発明に関わる有機EL層形成装置の実施の形態の第1の例の概略装置構成図で、図2(a)、図2(b)は本発明に関わる有機EL層形成装置の実施の形態の第2の例の概略装置構成図で、図3は図2のA1側からみた概略図である。
図1中、点線矢印、実線矢印の向きはデータないし指示(制御)の流れ方向を示している。
図1〜図3中、2は有機ELディスプレイ用基板(単に基板とも言う)、4は隔壁、5は有機EL材料(EL材料インク、あるいは単にインクとも言う)、5Aは有機EL層、5a、5bは(乾燥途中の)有機EL材料、7は開口部、8はステージ、9はノズル、22はフレーム、23、23a、23bは蛍光カメラ、24、24a,24bは可視光カメラ、25は温度調整機構(ここではヒーターのこと)、31、31a,31bはステージの移動方向、41は画像処理部1、42は画像処理部2、51、52はモニター、70は制御手段、80は有機EL層形成部である。
先ず、本発明に関わる有機EL層形成装置の実施の形態の第1の例を図1に基づいて説明する。
第1の例の有機EL層形成装置は、インクジェット法によりノズル9から溶液化された有機EL材料5を吐出し、且つ、ノズル9とステージ8上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板2とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板2に有機EL材料5を配設し、乾燥処理を経て、有機ELディスプレイパネル用基板2に有機EL材料5から所望の有機EL層5Aを形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板2への有機EL層形成装置で、ノズル9からなる有機EL材料5の吐出口を保持するフレーム22に、有機EL層5Aに紫外光を照射して、その蛍光像を観察する観察手段と、蛍光強度を計測することにより、形成された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布を測定するための測定手段とを兼ねる蛍光カメラ23を備え、且つ、蛍光カメラ23による測定結果に基づき、ノズル9における有機EL材料5の吐出条件、及びステージ8中に配設されて有機ELディスプレイパネル用基板2を温度制御し、その上に配設された有機EL材料5を加熱乾燥させる加熱手段となる温度制御機構25の条件を制御する制御部70を備えたもので、31の方向1方向にステージ8を移動しながら、有機EL層の形成を行うものである。
有機ELディスプレイパネル用基板2に対するノズル9の進行方向(31の方向と逆)に順に、ノズル9、蛍光カメラ23がフレーム22に保持されて配列しており、ノズル9を境としてフレーム22の蛍光カメラ23側とは反対側には可視光カメラがフレーム22に保持されて配設されている。
また、蛍光カメラ23からの撮像データを画像処理する画像処理部1(41)と、可視光カメラ24からの撮像データを処理する画像処理部2(42)とを備えており、各画像処理部からの画像処理されたデータにもとづき、制御部70は制御を行う。
また、画像処理部1(41)、画像処理部2(42)からのデータ、画像等を表示するモニター51、52を備えている。
【0027】
蛍光カメラ23は、形成する有機EL層5Aの配列ライン方向となる、ノズル等の吐出口とディスプレイパネル用基板との相対的な移動方向の軸上、前記相対的な移動におけるノズル等の吐出口の後方に配されるものであり、これにより撮像した画像を画像処理することにより得られた、既に形成された有機EL層5Aの層膜厚及び層膜厚分布を測定し、この測定結果をもとに、調整された条件下で有機EL層を形成を行うものである。
尚、蛍光カメラは、紫外線を照射することにより有機EL層5Aの蛍光を撮像するもので、CCD素子等を用いたCCDカメラ等がこれに供される。
画像処理部1(41)において、蛍光カメラ23によって撮像され、即ち計測された測定データに対し画像処理を施し、得られた、形成する有機EL層の膜厚、膜厚分布データをもとに、目標とする有機EL層の膜厚、膜厚分布に合せ、有機EL材料5の吐出条件を自動調整して、また、温度制御機構25の条件を制御することにより、有機ELディスプレイパネル用基板2上に配設された有機EL材料5の乾燥処理条件を自動調整して、設定するものである。
本例では、更に、可視光カメラ24を備えており、可視光カメラ24によって撮像された撮像画像データに対し、画像処理部1(42)において、画像処理を施し、得られた画像データに基づき、基板の位置確認等を行い、これよりノズル9の位置制御等を行うものである。
また、可視光カメラとしては、通常、CCDカメラ等が用いられる。
【0028】
図1では、フレーム22とこれに保持されるノズル9、蛍光カメラ23、可視光カメラ24からなる組(これを以下ヘッド部と言う)を1組だけ示しているが、効率の面から、第1の例では、このようなヘッド部を複数備えている。
【0029】
次いで、第1の例の有機EL層形成装置の動作の1例の説明を、以下簡単に行う。
尚、本例の有機EL層形成装置の動作説明を以って、本発明の有機EL層形成方法の実施の形態の1例の説明に代える。
予め、製造条件調整用のダミー基板を用い、ノズルからの有機EL材料5の吐出条件、乾燥条件を決め、図1に示すように、有機ELディスプレイパネル用基板2を載置しながら31の方向にステージ8を移動しながら、ノズル9から有機EL材料5を吐出し、有機ELディスプレイパネル用基板2上に有機EL材料5を配設する。
通常、このダミー基板による製造条件調整における有機EL層形成も、基本的には、以下の、本番用基板への有機EL層形成と同様にして行う。
有機ELディスプレイパネル用基板2上に配設された有機EL材料5は、温度調整機構(ヒーター)25からなる乾燥手段により乾燥され、乾燥された有機EL層5Aが、ノズル9の進行方向、ノズル9の後に配設された蛍光カメラ23により撮像される。
乾燥途中の状態5a、5bを経て有機EL層5Aとなる。
尚、温度調整機構(ヒーター)25からなる乾燥手段は先に述べたように有機EL層を平坦性の良いものとするためのもので、ここでは、ヒータを用いたが、これに限定されない。
このようにして、得られた蛍光カメラ23による撮像データをもとに、画像処理部1(41)は、2値化、ノイズ対応処理等を行ない、乾燥されたばかりの有機EL層5Aの膜厚や既に形成されている有機EL層全体についての膜厚分布を得る。
このようにして得られた膜厚や膜厚分布に基づき、制御部70はノズル9の有機EL材料5の吐出条件や、温度制御機構25を制御することにより決まる加熱処理条件を新たに決め、この決められた条件に設定して、同様にして、有機EL層5Aの形成を行う。
このようなことを繰り返し、ノズル進行方向全体について有機EL層5Aの形成を行う。
1つのノズル進行方向全体について終了した場合、形成する仕様に合せてピッチ送りし、ステージ送りをしてから、同様の方向の移動にて、再度上記と同様にして、有機EL層の形成を行う。
そして、このような操作を繰り返して、有機ELディスプレイパネル用基板2全体について、所望の範囲で、有機EL層の形成がなされる。
第1の例の装置による上記の有機EL層形成方法によれば、製造条件調整用のダミー基板を用いて上記工程を行った後に、実際の基板を用いて決定した製造条件で製造を行う場合にも、この方法によって製造条件の突発的なエラーの監視を行うことができる。
【0030】
次に、本発明に関わる有機EL層形成装置の実施の形態の第2の例を図2、図3に基づいて説明する。
第2の例の有機EL層形成装置も、第1の例と同様、インクジェット法によりノズル9から溶液化された有機EL材料5を吐出し、且つ、ノズル9とステージ8上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板2とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板2に有機EL材料5を配設し、乾燥処理を経て、有機ELディスプレイパネル用基板2に有機EL材料5から所望の有機EL層5Aを形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板2への有機EL層形成装置で、ノズル9からなる有機EL材料5の吐出口を保持するフレーム22に、有機EL層5Aに紫外光を照射して、その蛍光像を観察する観察手段と、蛍光強度を計測することにより、形成された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布を測定するための測定手段とを兼ねる蛍光カメラ23a、23bを備え、且つ、蛍光カメラ23a、23bによる測定結果に基づき、ノズル9における有機EL材料5の吐出条件、及びステージ8中に配設されて有機ELディスプレイパネル用基板2を温度制御し、その上に配設された有機EL材料5を加熱乾燥させる加熱手段となる温度制御機構25の条件を制御する制御部70を備えたもので、第1の例のものが、図1に示す31の1方向にだけステージ8を移動しながら、有機EL層の形成を行うのに対し、第2の例の場合は、31a、31bの方向2方向にステージ8を移動しながら、有機EL層の形成を行うものである。
このため、31a、31bの方向の移動に対応し、それぞれ、有機ELディスプレイパネル用基板2に対するノズル9の進行方向(31a、31bの方向と逆)に順に、ノズル9、蛍光カメラ23a、あるいはノズル9、蛍光カメラ23bがフレーム22に保持されて配列しており、ノズル9を境としてフレーム22の蛍光カメラ23a、23b側とは反対側に、可視光カメラ24a、24bがフレーム22に保持されて配設されている。
第2の例は、基板2にマトリクス状に配置された複数画素に連続して加工を行う場合に、更に第1の例の装置より実用的である。
【0031】
図2、図3では、フレーム22とこれに保持されるノズル9、蛍光カメラ23a、23b、可視光カメラ24a、24bからなる組(これを以下ヘッド部と言う)を1組だけ示しているが、効率の面から、第2の例でも、このようなヘッド部を複数備えている。
【0032】
本例の場合は、図3に示すように、ノズル9等の基板2に対する相対的な位置移動を、ピッチ送り毎に方向を変えて、有機EL層5の形成を行うもので、図2(a)に示すステージ8の移動方向31aの場合は、ノズル9から基板2に配設された有機EL材料5は、温度制御機構25からの温度制御により乾燥し、有機EL層5を形成し、乾燥され形成された有機EL層5を蛍光カメラ23aで撮像し、また、図2(b)に示すステージ8の移動方向31bの場合は、ノズル9から基板2に配設された有機EL材料5は、温度制御機構25からの温度制御により乾燥し、有機EL層5を形成し、乾燥され形成された有機EL層5を蛍光カメラ23bで撮像し、この撮像データを、図示していない画像処理手段により画像処理して、得られた撮像部の膜厚、既に形成された有機EL層の膜厚分布にもとづき、図示していない制御部により、ノズルの吐出条件や乾燥条件を制御するものである。
各部の動作については、基本的に第1の例の有機EL層形成装置と同じである。
尚、上記動作説明を以って、本発明の有機EL層形成方法の実施の形態の別の1例の説明に代える。
第2の例の装置による上記の有機EL層形成方法によれば、移動の方向に合わせて、それぞれ可視光カメラ24a、24b、蛍光カメラ23a、23bを選択して動作させ、図3に示すように、移動方向にかかわらず、第1の例の装置を用いた有機EL層形成方法に比べ、効率良く実施することができる。
勿論、製造条件調整用のダミー基板を用いて上記工程を行った後に、実際の基板を用いて決定した製造条件で製造を行う場合にも、この方法によって製造条件の突発的なエラーの監視を行うことができる。
【0033】
上記第1の例、第2の例の有機EL層形成装置では、有機EL層5の平坦化のための、有機EL材料の加熱乾燥処理機構として、ステージ8中に温度制御機構25を設けているが、有機EL材料の加熱乾燥処理機構としては、これに限定はされない。
特願2002―273756にある上方ヒーター(図13の27に相当)を用いても良いし、これと上記ステージ8中に温度制御機構を、有機EL材料の加熱乾燥処理機構としても良い。
あるいは、【特許文献5】特開2001−85161号公報、【特許文献6】特開2001−341296号公報にあるその他の機構を単独ないし、上記加熱処理機構と併設して用いても良い。
また、特願2002−278324にあるノズル冷却機構を備えた形態にしても良い。
勿論、蛍光カメラで撮影した画像をモニター等で観察して制御する形態とすることもでき、このような有機EL層の形成方法もある。
上記第1の例、第2の例では、ノズルは移動せずステージ8の移動により基板を移動させるものであるが、ステージ固定でヘッドが移動する形態でも良いし、もちろん、ヘッドとステージの両方が移動する形態を採ることもできる。
【0034】
また、上記第1の例、第2の例の有機EL層形成装置を用いた有機EL層形成方法において、製造条件調整用のダミー基板を用いる方法の他に、図14の様に実際の基板の表示部以外の場所にダミー画素を備えた基板を使い、各々の基板に対して表示部を作製する直前にダミー画素を用いて製造条件の安定を確認してから表示部の製造を行うことで、より製造条件の安定性を高めることができる。
【0035】
上記、第1の例、第2の例の有機EL層形成装置を用いた有機EL層形成方法により、有機EL層が形成された有機ELディスプレイパネル用基板を用いたディスプレイ装置は、これを表示部として各種用途に利用できる。
例えば、これを表示部1として搭載した図19に示すような20機器として、操作部19を備えた携帯電話やPDA(Personal Degital Assistant)タイプの端末、PC(Personal Computer)、テレビ受像機、ビデオカメラ、デジタルカメラなどの各種電子機器に供することができる。
【0036】
ここで、簡単に、有機EL素子の構造を説明しておく。
ここでは、画素電極と対向電極が陽極、陰極のいずれかに相当し、一対の電極を構成する。
その間に設けられる全ての層を総称してEL層と呼び、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層がこれに含まれる。
図15に有機EL素子の断面構造を示す。
有機ELは電極間に電場を印加し、EL層に電流を通じることで発光するが、従来は一重項励起状態から基底状態に戻る際の蛍光発光のみを利用していたが、最近の研究により三重項励起状態から基底状態に戻る際の燐光発光を有効に利用することができるようになり、効率が向上している。
通常、ガラス基板やプラスチック基板といった透光性基板2に透光性電極3を形成してから、EL層5、対向電極6の順に形成して製造される。一般には陽極がITOなどの透光性電極、陰極が金属で構成され非透光性電極であることが多い。
図15では図示しないが、有機EL素子は水分や酸素による特性劣化が著しいため、一般には素子が水分や酸素に触れない様に、不活性ガスを充満した上で、別基板を用いたり、薄膜蒸着により、いわゆる封止を行ない信頼性を確保している。
【0037】
有機EL素子をディスプレイとして利用する場合、LCDと同様に電極構成と駆動方法により、パッシブマトリクス方式とアクティブマトリクス方式に大別することが出来る。パッシブマトリクス方式は、EL層を挟んで互いに交差する水平方向電極と垂直方向電極により一対の電極を構成するもので、構造が簡単であるが、画像を表示するためには、時分割走査により走査線の本数倍だけ瞬間輝度を高めなければならず、通常のVGA以上のディスプレイでは10000cd/m2を上回る有機ELの瞬間輝度が必要であり、ディスプレイとしては実用上多くの問題がある。アクティブマトリクス方式は、TFTなどを形成した基板に画素電極を形成し、EL層、対向電極を形成するもので、パッシブマトリクス方式に比べて構造は複雑であるが、発光輝度、消費電力、クロストークといった多くの点で、有機ELディスプレイとして有利である。
【0038】
さらに、多結晶シリコン(ポリシリコン)膜や連続粒界シリコン(CGシリコン)膜を用いたアクティブマトリクス方式ディスプレイでは、アモルファスシリコン膜よりも電荷移動度が高いので、TFTの大電流処理が可能であり、電流駆動素子である有機ELの駆動に適している。また、ポリシリコンTFT、CGシリコンTFTでは、高速動作が可能であることにより、従来、外付けのICで処理していた各種制御回路を、ディスプレイ画素と同一基板上に形成し、表示装置の小型化、低コスト化、多機能化等多くのメリットがある。
【0039】
図17は、アクティブマトリクス有機EL表示装置の代表的な画素回路構成である。
1 1走査線G、12データ信号線D、13電源供給線Vの各バスラインに加えて、14スイッチング用TFT、15ゲート保持容量、16駆動用TFTと17EL素子で構成される。走査線Gで選択されたスイッチング用TFTのゲートがオープンされ、データ信号線Dから発光強度に応じた信号電圧がTFTソースに加えられると、駆動用TFTのゲートが信号電圧の大きさに応じて、アナログ的にオープンされ、その状態がゲート保持容量で保持される。
電源供給線Vから駆動用TFTのソースに電圧が印加されると、ゲートの開き具合に応じた電流がEL素子に流れ、信号電圧の大きさに応じて階調的に発光する。
図18は18画素をマトリクス状に配置した実際の表示装置の構造である。
【0040】
有機EL表示装置の回路構成、駆動方法としては他に、TFTの数を更に多くしたもの「Yumotoらの『Pixel- Driving Methods for Large- Sized Poly- Si AM- OLED Displays』 Asia Display/IDW´01P.1395‐1398」や時分割階調「Mizukamiらの『6‐bit Digital VGAOLED』 SID´00 P.912‐915」や面積分割階調「miyashitaらの『Full Color Displays Fabricated by Ink‐Jet Printing』 Asia Display/IDW´01 P.1399‐1402」などのデジタル階調駆動法などがあり、これらのどの技術を用いても良い。
【0041】
パッシブマトリクス方式であっても、走査線数の少ない簡単なディスプレイであれば、構造の簡単さを活かして、実用的な装置を実現する事は出来る。さらには、従来の蛍光発光材料に加えて燐光発光材料の開発が進められており、発光効率が大幅に向上している。これらの高発光効率の発光材料を利用することで、パッシブマトリクス方式の従来の問題が解決される可能性がある。
【0042】
図16のように、発光10を基板とは反対方向に取り出すトップエミッション構造も研究が進められている。トップエミッション構造に対しては、図15の構造はボトムエミッション構造と呼ばれることもある。
トップエミッション構造は、特にアクティブマトリクス方式の表示装置において、TFTやバスラインといった回路構成によって、発光面積率が制限される事がなく、より多機能で複雑な回路が形成できる事から、将来有望な技術として開発が進められている。
本発明においては、有機ELは上記いずれの技術を用いても良い。
【0043】
カラー化を達成する方法としては、最も基本的なR、G、B3色の有機EL材料を表示装置の画素毎に精密に配置する3色並置方式の他に、白色発光層とR、G、B3色のカラーフィルター(CF)を組み合わせるCF方式と青色発光層とR、Gの蛍光変換色素フィルターとを組み合わせるCCM(Color Changing Medium)方式がある。
カラー化の方式を比較すると、CF方式では白色発光材料が必要であるが、照明用途としての見掛けの白色有機EL材料は実現しているが、R、G、B3色のスペクトルを備えた真の白色有機EL材料は未だ実現しておらず、またカラーフィルターを使用するために発光の利用効率が1/3になってしまう欠点がある。
【0044】
CCM方式では青色発光材料のみを使用するため、その発光効率とCCMフィルターのR、Gへの変換効率が重要であるが、十分な効率を得ることは容易ではなく実用にはなっていない。CF方式のLCDがテレビ映像の再現性に難点があるのと同様に、色再現性の点でCF方式は不十分である。CCM方式も1種のフィルター方式であり、この点は同様であり、3色並置方式は各色発光材料の材料組成を微妙に調整する事で、色再現性に優れている。また、CF方式やCCM方式はフィルターを使用するため、素子が厚くなったり、部品点数が多くなるなど、総合的に3色並置方式が有利である。
【0045】
3色並置の微細画素を形成する方式としては、低分子材料ではマスク真空蒸着法が用いられ、高分子材料では溶液化して、インクジェット法や印刷法、転写法などが用いられる。最近では塗布可能な低分子材料も開発されている。
3色並置によるカラーディスプレイを考えた場合、低分子材料のマスク真空蒸着法では、真空装置および蒸着マスクの制限から大型化への対応及び大型基板を用いての多数枚作製が困難であるという問題がある。
このことは開発段階での試作程度の作製であれば問題が無いが、本格的な生産段階ではタクトとコストの面で市場の要請に応えることが難しいことを意味している。
【0046】
一方、高分子材料や塗布可能な低分子材料ではインクジェット法、印刷法、キャスト法、交互吸着法、スピン塗布法、ディップ法等のウエットプロセスによる成膜が出来るため、上記の大型基板対応への問題は少なく、特にインクジェット法であれば高精細ディスプレイの作製も可能であるため、将来的に最も有力な方法であると言える。
また、マスク真空蒸着法では、画素部分に選択的に発光材料を配置するためには、材料の大半がマスクに付着して、材料利用効率が著しく低くなってしまう。これに対してインクジェット法は必要な画素部分にのみ発効材料を選択的に配置させることが出来るので最も材料利用効率の高い方法である。
【0047】
実施例を挙げ、更に本発明を説明する。
【実施例】
(実施例1)
実施例1は、図1に示す第1の有機EL層形成装置を用いて、先に説明したようにして有機EL層形成を形成したものである。
有機EL材料インクを以下のようにして作製した。
まず、下記の溶液を調製した。
<有機EL層形成用塗布液の調製>
・ポリビニルカルバゾール 70重量部
・オキサジアゾール化合物 30重量部
・クマリン6(蛍光色素) 1重量部
これらをテトラリン(溶媒)に0. 5重量%で溶解させ、インクジェット用の有機EL材料インクを作製した。
蛍光色素がクマリン6の場合は501nmをピークに持つ緑色発光、ペリレンの場合は460〜470nmをピークに持つ青色発光、DCMの場合は570nmをピークに持つ赤色発光が得られ、これらを各色の発光材料として用いた。
【0048】
(有機EL層形成装置)
図1に示す第1の有機EL層形成装置で、蛍光観察用CCDカメラユニット(23に相当)を備えたものを用いた。
ノズル9と基板2の距離を調整できるようにした。
基板2を固定できるよう、ステージ8には真空吸着機能を設けた。
基板2の位置を確認できるように通常の可視光CCDカメラ(24に相当)も設けた。
ノズル9を設置したヘッド部は、固定で、基板2を固定するステージ8が任意の方向に移動できるようX(縦)、Y(横)、Z(上下)、θ(回転)の機構とモーターを設けた。
可視光CCDカメラ(24に相当)により、基板2のアライメントマークを利用して、ノズル9との精密な位置合わせを行うアライメント機能を設けた。
パラメータとして、ノズル9と基板2の距離、ノズル9からの吐出インク(有機EL材料5のこと)1滴の体積、単位時間あたりの吐出滴数、ステージ移動速度、ノズル9からのインクの吐出タイミング、ヒーター温度を可変設定できるようにした。
実施例1では、基板乾燥手段としてステージ内に温度調節ヒーターを組み込むとともに、インク乾燥を防ぐためにペルチェ素子を用いたノズル冷却機構を設けた。
画素内の蛍光強度分布を測定して、制御部70内において、所定のメモリに入力し、予め記憶された膜厚と蛍光強度のデータと比較しながらインク吐出条件と乾燥条件を調整するフィードバック系をプログラムし組み上げた。
【0049】
(本番用の基板及びダミー基板の作製)
ガラス基板上にポリシリコン膜を使って、図17に示す画素回路構成の有機EL用アクティブマトリクス基板を作製した。
対角17インチの基板(大きさ300mm×370mm)に、XGA(768×1024)規格の画素設計とした。
図6の断面形状の如き電極および隔壁を形成した基板を用意した。隔壁が電極絶縁層を兼ねる様に、電極端を覆う配置とした。電極はITO、ネサ膜やIZOなどの透明電極を成膜、エッチングによりパターン形成した。隔壁は東京応化社製の感光性レジストOFPR−800(粘度500cp)を1200rpmでスピンコート、110℃でプレベーク後、フォトマスクを用いて露光、現像を行ない、240℃でポストベークして形成した。上記の条件で隔壁高さ(膜厚)を6μmに形成することができた。
このようにして形成した隔壁の形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて容易に確認することができる。
隔壁の形状は基板面に対して凸形状の曲面断面形状を有し、その断面形状が円弧の一部分であることを確認した。
透明電極を用いるのはボトムエミッションの素子構造であり透明基板を用いる。電極に金属を用いて、トップエミッション素子構造とすることもできる。
TFT部分を除いた同じ構成の基板をダミー基板として作製した。
【0050】
(標準膜厚データ)
上記R、G、Bの有機EL材料インクを平坦性に優れたスピン塗布により形成し、その膜厚を接触段差計(セイコー電子製、ナノピクス)で測定するとともに、一定の紫外線強度に対する蛍光強度を測定した。
所定の膜厚を80nmとして、当該膜厚を中心に薄膜のデータ、厚膜のデータを多点測定して各色材料の各膜厚での蛍光強度データを揃えた。
これらのデータを制御部70に入力しメモリーに記憶させた。
【0051】
(有機ELディスプレイパネル用基板の作製)
基板を洗浄後、いわゆるバッファ層として正孔注入性を有するPEDOT/PSS(ポリチオフェン:Bayer CH8000)をスピンコートにより80nm塗布し、160℃で焼成して形成した。
先ず、ダミー基板上に上記インクジェット装置を用いて上記R、G、Bの有機EL材料インクをPEDOT上の画素開口部に連続して吐出、加熱乾燥することにより有機EL発光層を3色並設形成した。
その際に吐出されたインクを蛍光観察、蛍光強度を測定しながら、コンピュータにメモリーされた厚膜の標準データと比較しながらインクジェット装置のパラメータ、乾燥条件を調製しながら設定膜厚分布になるように形成した。
画素内の膜厚分布は例えば、設定膜厚80nmを中心として±30%程度とする。
ダミー基板で決定した条件を用いて、実際のTFT基板に有機EL発光層を蛍光観察しながら条件が変化しないように確認しながら3色並設形成した。
続いてMgAg合金(Mg:Ag=10:1)を厚さ150nmになるように蒸着し、その上に保護層としてAgを200nmの厚みになるように蒸着し、陰電極を形成した。
今回のように、TFT基板を用いてアクティブマトリクス表示装置を作製する場合は、陰電極は全面形成とし、パッシブマトリクス表示装置を作製する場合は、基板上の電極パターンと直交するようにストライプ形状に形成する。
最後に別に用意したガラス板とUV硬化シール材により封止し、有機EL表示装置を完成させた。
こうして作製した有機EL表示装置に制御回路を接続して、映像信号を入力し駆動したところ、図5の様なEL層膜厚の不均一に由来する発光不良は発生せず、全画面で均一で鮮やかなカラー画像表示を行うことが出来た。
【0052】
(比較例)
比較例として実施例1で蛍光カメラをオフして同様に行い、有機EL表示装置を作製した。この有機EL表示装置に制御回路を接続して、映像信号を入力し駆動したところ、図5の様なEL層膜厚の不均一に由来する発光不良画素が多数発生し、均一な画像表示を行うことが出来なかった。
【0053】
(実施例2)
図2に示す第2の例の有機EL層形成装置を用いたもので、実施例1で、図2のようにノズルの両側に蛍光カメラを設置したインクジェット装置に改良し、ステージの移動を図3の様に往復移動と平行移動を組み合わせたものとし、ステージ往復の両方の場合に移動に対して相対的にノズルの後方の蛍光カメラで観察しながらインク吐出、加熱乾燥を行うようにした以外は実施例1と同様に行った。
こうして作製した有機EL表示装置に制御回路を接続して、映像信号を入力し駆動したところ、実施例1と同様に図5のようなEL層膜厚の不均一に由来する発光不良は発生せず、全画面で均一で鮮やかなカラー画像表示を行うことが出来た。
実施例1ではステージ移動が1方向の場合にしか膜厚調整が行えなかったのに対して、実施例2ではステージ往復のいずれの場合にも膜厚調整を行うことができるので、よりスループットを上げ生産性を高めることができた。
【0054】
(実施例3)
実施例1でステージは固定で、ヘッド部が任意の方向に移動できるようX(縦)、Y(横)、Z(上下)、θ(回転)の機構とモーターを設けた以外は同様に行い、実施例1と同様の全画面で均一で鮮やかなカラー画像表示を行うことが出来る有機ELディスプレイパネル用基板を作製することができた。
【0055】
(実施例4)
実施例2でステージは固定で、ヘッド部が任意の方向に移動できるようX(縦)、Y(横)、Z(上下)、θ(回転)の機構とモーターを設けた以外は同様に行い、実施例2と同様の全画面で均一で鮮やかなカラー画像表示を行うことが出来る有機ELディスプレイパネル用基板を作製することができた。
実施例3ではヘッド移動が1方向の場合にしか膜厚調整が行えなかったのに対して、実施例4ではヘッド往復のいずれの場合にも膜厚調整を行うことができるので、よりスループットを上げ生産性を高めることができた。
【0056】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、均一な膜厚に有機EL層を形成するために、有機EL材料の吐出条件、乾燥処理等の条件を調整しながら有機EL層を形成する方法の提供を可能とした。
同時に、そのような方法を実施することができる有機EL層形成装置の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる有機EL層形成装置の実施の形態の第1の例の概略装置構成図である。
【図2】図2(a)、図2(b)は本発明に関わる有機EL層形成装置の実施の形態の第2の例の概略装置構成図である。
【図3】図2のA1側からみた概略図である。
【図4】インクジェット方式による有機EL表示装置の作製方法を示す構成図である。
【図5】従来の製造方法で製造された表示装置の断面構成図である。
【図6】従来の製造方法で製造された改良された他の従来の表示装置の断面構成図である。
【図7】従来の製造方法で製造された表示装置の表示の様子を示した図である。
【図8】従来の製造方法で製造された表示装置の蛍光観察の様子を示した図である。
【図9】平坦化処理を施さない従来の場合のインクジェット法による有機EL層の様子を示す図である。
【図10】乾燥によるインクジェット法での有機EL層の平坦化処理を示す工程図である。
【図11】撥水性隔壁を用いたインクジェット法での有機EL層の平坦化処理を示す工程断面図である。
【図12】乾燥によるインクジェット法での有機EL層の平坦化処理を説明するための断面図である。
【図13】別の形態の加熱手段を有する有機EL層形成装置の要部の概略断面図である。
【図14】ダミー画素を備えた基板の概略図である。
【図15】有機EL素子の断面構成図である。
【図16】有機EL素子の他の断面構成図である。
【図17】アクティブ駆動有機EL表示装置の画素の構成を示す回路図である。
【図18】アクティブ駆動有機EL表示装置のマトリクス画素構成を示す構成図である。
【図19】本発明に関わる表示装置を搭載した電子機器の例である。
【符号の説明】
1 表示部
2 有機ELディスプレイ用基板(単に基板とも言う)
3 電極
4 隔壁
5 有機EL材料(EL材料インク、あるいは単にインクとも言う)
5A 有機EL層
5a、5b (乾燥途中の)有機EL材料
6 対向電極
7 開口部
8 ステージ
9 ノズル
10 発光
11 走査線
12 データ線
13 電源供給線
14 スイッチングTFT
15 ゲート保持容量
16 EL駆動用TFT
17 EL素子
18 画素
19 操作部
20 機器
21 レンズ部
22 フレーム
23、23a、23b 蛍光カメラ
24、24a,24b 可視光カメラ
25 温度調整機構(ここではヒーターのこと)
26 アーム
27 ヒーター
28 電極断線部
29 厚膜部
30 撥水性隔壁
31、31a,31b ステージの移動方向、
32 ダミー画素
41 画像処理部1
42 画像処理部2
51、52 モニター
70 制御手段
80 有機EL層形成部

Claims (4)

  1. インクジェット法によりノズルからなる吐出口から溶液化された有機EL材料を吐出し、且つ、吐出口とステージ上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料を配設し、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料から所望の有機EL層を形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板への有機EL層形成方法であって、有機ディスプレイパネル用基板に対する前記ノズルの進行方向に、順に、前記ノズルと、紫外線を照射してその蛍光像を観察する観察手段である蛍光カメラとを配し、前記蛍光カメラにより、前記有機ELディスプレイパネル用基板上に形成された有機EL層に紫外光を照射し、該有機EL層の蛍光像を撮像した撮像データを得て、該撮像データから得られた、膜厚に対応した輝度の画像を観察して、観察結果に基づいて、膜厚の標準データと比較して、設定膜厚になるように、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の乾燥の処理条件を調整し、調整された条件下で有機EL層を形成するものであることを特徴とする有機EL層形成方法。
  2. インクジェット法によりノズルからなる吐出口から溶液化された有機EL材料を吐出し、且つ、吐出口とステージ上に載置された有機ELディスプレイパネル用基板とを相対的に移動することによって、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料を配設し、有機ELディスプレイパネル用基板に有機EL材料から所望の有機EL層を形成する、有機ELディスプレイ装置用のディスプレイパネル用基板への有機EL層形成方法であって、有機ELディスプレイパネル用基板に対する前記ノズルの進行方向に、順に、前記ノズルと、前記有機ELディスプレイパネル用基板上に形成された有機EL層に紫外線を照射し、該有機EL層の膜厚に対応した蛍光強度を計測することにより、該形成された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布を測定する測定手段である蛍光カメラとを配し、前記蛍光カメラにより、前記形成された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布を測定して、測定された有機EL層の層膜厚及び層膜厚分布に基づいて、膜厚の標準データと比較して、設定膜厚となるように、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板に配設された有機EL材料の乾燥の処理条件の調整し、調整された条件下で有機EL層を形成することを特徴とする有機EL層形成方法。
  3. 請求項2において、計測された測定データに対し画像処理を施し、得られた、形成する有機EL層の膜厚、膜厚分布データをもとに、目標とする有機EL層の膜厚、膜厚分布に合せ、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の処理条件を、コンピュータで自動調整して、設定するものであることを特徴とする有機EL層形成方法。
  4. 請求項1ないし3において、有機EL材料の吐出条件、及び有機ELディスプレイパネル用基板上に配設された有機EL材料の処理条件の調整を、前記有機ELディスプレイパネル用基板上のダミー画素部に有機EL層を形成して行うことを特徴とする有機EL層形成方法。
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