JP2004357994A - 内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、簡便にして容易に観察形態の多様化を図り得るようにして、使い勝手の向上を図ることにある。
【解決手段】親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11に内視鏡挿入孔111を設けて、この内視鏡挿入孔111に子内視鏡本体15の子内視鏡挿入部14を挿入して位置変更自在に挿着し、その位置変更を行うことにより、その位置変更に応じて親内視鏡挿入部11及び子内視鏡挿入部14で形成される観察形態を異なる観察形態に変更し得るように構成したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11に内視鏡挿入孔111を設けて、この内視鏡挿入孔111に子内視鏡本体15の子内視鏡挿入部14を挿入して位置変更自在に挿着し、その位置変更を行うことにより、その位置変更に応じて親内視鏡挿入部11及び子内視鏡挿入部14で形成される観察形態を異なる観察形態に変更し得るように構成したものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば体腔内の処置を含む観察を行うのに用いられる内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡外科の分野においては、内視鏡を患者の体腔や頭部内に挿入して、この内視鏡で術部の観察等を行う方法が採られている。このような術部の観察においては、立体画像を取得して観察する観察形態や、取得した観察画像と、その周囲を含む観察部位の確認をしながらの観察形態や、複数の異なる方向から観察を行う観察形態等の異なる複数の観察形態で観察することにより、より高精度な観察が可能となる。
【0003】
このような内視鏡装置の観察形態としては、例えば一対の内視鏡を輻輳角調整機構を介して角度調整可能に配し、この一対の内視鏡の輻輳角を調整することにより、立体画像を取得して立体画像を観察するように構成したものがある(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
また、異なる方向から同時に観察可能とした内視鏡装置としては、親スコープ内に処置具を含む子スコープを挿着して、これら親スコープと子スコープの双方を用いて2方向の観察等を実現するように構成したものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5―115425号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平8―82752号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平6―142029号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記内視鏡装置では、立体画像を取得する構成のものであったり、略同時に異なる観察方向からの観察画像を取得する構成のものであり、いずれも単一の観察形態を採る構成のために、その使い勝手が劣るという不都合を有する。
【0009】
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、簡便にして容易に観察形態の多様化を図り得るようにして、使い勝手の向上を図った内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、第1の光学像を得るための第1の対物光学系が先端部に設けられた長尺な第1の挿入部及び前記第1の挿入部の長手方向に沿って前記第1の挿入部に形成された挿通孔を有する第1の内視鏡と、第2の光学像を得るための第2の対物光学系が先端部に設けられて前記挿通孔に挿脱可能に挿入されると共に前記挿通孔内で回動可能な第2の挿入部を有する第2の内視鏡と、前記第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第2の内視鏡の前記第1の内視鏡の挿通孔に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段とを備えて内視鏡装置を構成した。
【0011】
上記構成によれば、第1の内視鏡の挿通孔部に第2の内視鏡を挿着して、該第2の内視鏡の第1の内視鏡の挿通孔部への挿着状態における位置変更を行うことにより、その位置変更に応じて第1及び第2の内視鏡で形成される観察形態が変更される。従って、第2の内視鏡の挿着状態における位置変更を行うだけの取扱い操作で、立体観察等の複数の種類の観察形態を実現することができることにより、その使い勝手の向上を図ることが可能となり、手術時間の短縮化の促進に寄与することができる。
【0012】
また、この発明は、体腔内を観察する第1及び第2の内視鏡と、前記第1及び第2の内視鏡が挿脱及び回動される第1及び第2の内視鏡挿通孔部が設けられた内視鏡保持具と、前記第1及び第2の内視鏡により得られる第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第1及び第2の内視鏡の前記第1及び第2の内視鏡挿通孔部に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段とを備えて内視鏡装置を構成した。
【0013】
上記構成によれば、第1の内視鏡及び第2の内視鏡を内視鏡保持具の第1及び第2の内視鏡挿通孔部に挿着して、これら第1及び第2の内視鏡の内視鏡保持具の第1及び第2の内視鏡挿通孔部への挿着状態における位置変更を行うことにより、その位置変更に応じて第1及び第2の内視鏡で形成される観察形態が変更される。従って、内視鏡保持具の第1及び第2の内視鏡挿入孔部における第1及び第2の内視鏡の挿着状態における位置変更を行うだけの取扱い操作で、立体観察を含む複数種の観察形態を実現することができることにより、その使い勝手の向上を図ることが可能となり、手術時間の短縮化の促進に寄与することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る内視鏡装置を示すもので、親内視鏡本体10には、第1の内視鏡、例えば第1の斜視鏡を構成する親内視鏡挿入部11が自在状に延出して設けられる。この親内視鏡挿入部11は、上記内視鏡本体10に配される操作部12を介して選択的に移動されて、所望の体腔内に挿入される。また、親内視鏡挿入部11の先端部には、体腔内の光学像を得るための第1の対物光学系113が設けられる。
【0016】
また、内視鏡本体10には、図2に示すように内視鏡挿入口101が設けられ、この内視鏡挿入口101の周囲には、挿着位置表示用目印13が設けられる。この挿着位置表示用目印13は、例えば内視鏡挿入口101の周囲に基準位置131に対して所定の角度間隔に角度目盛132が設けられる。
【0017】
上記内視鏡挿入口101は、上記親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11内に設けられる挿通孔である内視鏡挿入孔111に連通される。そして、この内視鏡挿入口101を通して内視鏡挿入孔111には、第2の内視鏡、例えば第1の内視鏡と同一の斜視角を有する第2の斜視鏡を構成する子内視鏡挿入部14が回動及び内視鏡挿入孔111に沿って、つまり、親内視鏡挿入部11に長手方向に沿って移動自在に挿入されて挿着される。
【0018】
子内視鏡挿入部14の先端部には、体腔内の光学像を得るための第2の対物光学系142が設けられており、子内視鏡本体15に設けられた操作部16を用いて、子内視鏡挿入部14の先端側を所望の方向に湾曲することにより、選択的に移動操作されて所望の光学像を得ることができる。この子内視鏡挿入部15には、図2に示すようにその外壁に挿着位置表示用目印17が上記親内視鏡本体10の挿着位置表示用目印13に対応して設けられる。この挿着位置表示用目印17は、例えば子内視鏡挿入部14の軸方向の基準線171が設けられ、この基準線171上に挿入深さ基準点172が設けられる。そして、この挿入深さ基準点172を中心として基準線上には、複数の深さ目盛173が所定の間隔に形成される。
【0019】
また、この子内視鏡挿入部14には、例えば鍔状のストッパ部18が設けられる。このストッパ部18は、子内視鏡挿入部14が上記親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101から挿入されて内視鏡挿入孔111の所定の位置まで挿入された状態で、該内視鏡挿入口101に当接されて、子内視鏡挿入部14の更なる侵入を規制する。
【0020】
さらに、親内視鏡挿入部11には、図3に示すように位置決め手段を構成する螺子孔112が内視鏡挿入孔111に対して略直交して設けられ、この内視鏡螺子孔112には、止めネジ19が螺合調整自在に螺合される。この止めネジ19は、内視鏡螺子孔112に対して螺合調整されると、その先端部が内視鏡挿通孔111に出入りして、該内視鏡挿通孔111に挿入された子内視鏡挿入部14を挿着位置に圧接して位置決め、あるいは移動可能に解放する。
【0021】
また、親内視鏡本体10の内壁には、クリック機構を構成するボール20がばね部材21を介して中心方向に付勢力が付与されて配される。そして、子内視鏡挿入部14の外周部には、複数の凹部141(図3中では、図の都合上、1箇所のみを図示)が、上記ボール20に対応して設けられる。
【0022】
この複数の凹部141は、上記挿着位置表示用目印17に対応して設けられ、上記子内視鏡本体15の子内視鏡挿入部14が、親内視鏡本体10の内視鏡挿入孔111に挿入されて、挿着位置表示用目印17の基準点172、あるいは所望の目盛173を親内視鏡本体10の挿着位置表示用目印13の基準位置、あるいは所望の角度目盛132に合致させると、上記親内視鏡本体10内のボール20が選択的に収容されて子内視鏡挿入部14を挿着位置において位置規制する。この際、術者である使用者は、ボール20の凹部141から収容時に、いわゆる操作感が得られて、所望の挿着位置に設定されたことが確認される。
【0023】
上記構成において、子内視鏡本体15は、例えば親内視鏡挿入部11が、患者の体腔に穿刺された状態で、その子内視鏡挿入部14が親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101より挿入されて内視鏡挿入孔111に挿着される。この際、子内視鏡挿入部14は、親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11の内視鏡挿入孔111に挿入して所定の位置まで侵入されると、そのストッパ部18が親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101に当接することにより、その挿入し過ぎることが確実に防止される。
【0024】
ここで、子内視鏡挿入部14は、例えば立体観察形態を実現する場合、その挿着位置表示用目印17の基準点172が親内視鏡本体10の挿着位置表示用目印13の基準位置131に合致される。この合致に連動して子内視鏡挿入部14の所望の凹部141には、内視鏡挿入孔111内のボール20が収容されて位置規制され、使用者には、操作感が得られる。これにより、使用者は、観察形態が、例えば立体観察に設定されたことが認識される。この位置規制状態において、親内視鏡挿入部11の螺子孔112に螺合される止めネジ19が締め付けられ、この止めネジ19を介して子内視鏡挿入部14が内視鏡挿入孔111内に位置決めされる。
【0025】
また、この立体観察状態において、観察形態を変更する場合には、先ず、上記止めネジ19を緩めて、子内視鏡挿入部14を、その挿着位置表示用目印17を確認しながら押し込んだり、引き抜いたり、回動させたりして、その目印17の基準線171、基準点172を含む目盛173を、親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101の挿着位置表示用目印13の基準位置131を含む角度目盛132に合致させるように位置変更する。これにより、子内視鏡挿入部14は、親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11の内視鏡挿入孔111内における変更位置において親内視鏡挿入部11と協働して先端確認、側視等の所望の観察形態を実現する。
【0026】
このようにして、子内視鏡挿入部14の挿着位置を変更することで、異なる観察形態、例えば患部を撮影した親内視鏡挿入部11の周囲部を、子内視鏡挿入部14で観察したり、あるいは親内視鏡挿入部11と子内視鏡挿入部14で異なる2方向の画像を取り込んで観察したりする観察形態が実現される。
【0027】
さらに、親内視鏡挿入部11を、体腔内に穿刺した状態で、子内視鏡挿入部14を、親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101から抜き取り、処置具を装着し、親内視鏡挿入部11で術部を観察しながら処置具を用いた処置を行うこともできる。
【0028】
このように、上記内視鏡装置は、親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11に内視鏡挿入孔111を設けて、この内視鏡挿入孔111に子内視鏡本体15の子内視鏡挿入部14を挿入して位置変更自在に挿着し、その位置変更を行うことにより、その位置変更に応じて親内視鏡挿入部11及び子内視鏡挿入部14で形成される観察形態を異なる観察形態に変更し得るように構成した。
【0029】
これによれば、子内視鏡挿入部14の挿着状態における位置変更を行うだけの簡便な取扱い操作で、異なる観察形態を実現することができることにより、その使い勝手の向上を図ることができる。この結果、手術内容に応じた迅速な対応が可能となり、手術時間の短縮化の促進に寄与することができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図4及び図5は、この発明の第2の実施の形態に係る内視鏡装置を示すもので、内視鏡保持具30は、例えば保持具本体31に挿入部32が自在状に設けられて構成される。この挿入部32は、図示しないワイヤ機構を介して保持具本体31に配された操作部311に連結され、この操作部311の調整操作に連動して自在状に移動される。
【0031】
そして、内視鏡保持具30の挿入部32には、例えばスリット構造の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322が所定の間隔に設けられ、この第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322には、例えば図5に示すように同一の斜視角を有する斜視鏡で構成される第1及び第2の内視鏡33,34が抜脱自在に挿入されて配される。
【0032】
また、内視鏡保持具30の挿入部32の基部には、位置決め手段を構成するロック部材35,36がそれぞれ第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対応して矢印方向に操作自在に設けられる。このロック部材35,36は、その操作により、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322を締め付け、あるいは緩めて、収容された第1及び第2の内視鏡33,34を位置決めあるいは離脱可能に解放する。
【0033】
また、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の挿入側には、それぞれ挿着位置表示用目印37,38が上記第1及び第2の内視鏡35,36に対応して設けられる。この挿着位置表示用目印37,38は、基準位置371,381を中心として複数の角度目盛372,382が所定の間隔に設けられる。そして、この第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に挿入される第1及び第2の内視鏡33,34には、上記第1の実施の形態の子内視鏡挿入部14の挿着位置表示用目印17と略同様の挿着位置表示用目印(図4及び図5中では、図の都合上、図示せず)が設けられる。これにより、第1及び第2の内視鏡33,34は、その挿着位置表示用目印17が内視鏡保持具30の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の挿着位置表示用目印37,38の基準位置371,381を含む所望の角度目盛372,382に対して選択的に合致させることで、所望の観察形態に設定される。
【0034】
上記内視鏡保持具30の挿入部32には、複数、例えば2個のチャネル323,324が上記第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対応して設けられ、このチャネル323,324には、図示しない処置具が選択的に挿入される。
【0035】
また、保持具本体31には、照明光接続部312が設けられ、この照明光接続部312には、図示しない照明光源が光結合される。この照明光接続部312は、上記保持具本体31及び挿入部32内に埋設されるライトガイド39を介して該挿入部32の先端に配された照明部に光結合され、供給された照明光を上記ライトガイドを介して照明部40に出力し、該照明部40から所望の部位に照射して照明する。
【0036】
上記構成において、例えば内視鏡保持具30は、その挿入部32が、患者の体腔に穿刺された状態で、そのロック機構35,36が解放操作され、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対して第1及び第2の内視鏡33,34が挿入される。この際、第1及び第2の内視鏡33,34は、図示しないストッパ部が内視鏡保持具30の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の入口に当接され、その挿入し過ぎることが防止される。
【0037】
ここで、第1及び第2の内視鏡33,34は、その各挿着位置表示用目印17が、観察形態に応じて第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の挿着位置表示用目印37,38に選択的に合致される。この合致に連動して第1及び第2の内視鏡33,34は、例えば上記第1の実施の形態と略同様に構成される図示しないクリック機構により、位置規制されて、使用者には、操作感が得られる。これにより、使用者は、観察形態が、例えば立体観察、側視観察等の所望の観察形態に設定されたことが認識される。この位置規制状態において、ロック機構35,36がロック操作されて、第1及び第2の内視鏡33,34は、内視鏡保持具30の挿入部32の第1及び第2の内視鏡挿入孔部312,322内に位置決めされる。
【0038】
また、観察形態を変更する場合には、先ず、上記ロック機構35,36を解放操作し、第1及び第2の内視鏡33,34を、その挿着位置表示用目印17を確認しながら押し込んだり、引き抜いたり、回動させたりして、その目印17の基準線171、基準点172を含む目盛173を、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の入口の挿着位置表示用目印37,38の基準位置371,381を含む角度目盛372,382に合致させるように位置変更する。これにより、第1及び第2の内視鏡33,34は、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322内における変更位置において協働して所望の観察形態に設定される。そして、変更後、同様にロック機構35,36をロック操作して第1及び第2の内視鏡33,34を、挿入部32の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に位置決めする。
【0039】
このように第1及び第2の内視鏡33,34を、挿着部32の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対する挿着位置を変更するだけの操作で、同様に異なる観察形態出の観察が実現される。
【0040】
そして、上記第1及び第2の内視鏡33,34を内視鏡保持具30の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に挿着した状態で、内視鏡保持具30のチャネル323,324には、図示しない処置具が挿入されて、所望の処置が施される。この際、上記照明光接続部312には、上記照明光源(図示せず)からの照明光が導かれ、該照明光が上記ライトガイド39を通って照明部40に導かれ、所望の部位が照明される。
【0041】
このように、第2の実施の形態では、第1及び第2の内視鏡33,34を、内視鏡保持具30を介して抜脱自在に配し、該内視鏡保持具30に対して挿着位置を変更することにより、観察形態を変更し得るように構成した。
【0042】
これによれば、例えば術中においても、第1及び第2の内視鏡33,34を種類の異なる内視鏡と容易に交換することが可能となり、さらに観察形態の多様化を図ることができる。また、これによれば、第1及び第2の内視鏡33,34を挿着した状態で、処置具の使用も可能となるために、人体に対する侵襲性の低減が図れるうえ、さらに、手術の短縮化の促進が図れる。
【0043】
なお、上記第2の実施の形態では、内視鏡保持具30の挿入部32に配した第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322を、スリット構造に形成するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、例えば図6に示すように孔構造の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321a、322aを、上記内視鏡保持具30の挿入部32に設けるように構成することが可能である。
【0044】
この場合には、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321a,322aに挿着された第1及び第2の内視鏡33,34(図6中においては、図の都合上、図示せず)を、挿着位置で位置決めするロック機構としては、例えばワイヤ部材41を、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対応して内蔵する。そして、このワイヤ部材41には、例えば挿入部32の外周部に配したロック操作部42が連結される。ワイヤ部材41は、ロック操作部42の締め付け、あるいは解放操作により、第1及び第2の内視鏡33,34を第1及び第2の内視鏡挿入孔部321a,322aの挿着位置において位置決めロック、あるいは位置決め解放する。
【0045】
(第3の実施の形態)
図7及び図8は、この発明の第3の実施の形態の要部を示すもので、図7は、例えば斜視鏡を構成する第1及び第2の内視鏡50,51の先端側を示し、図8は、第1及び第2の内視鏡50,51の基端部側を示す。なお、第1及び第2の内視鏡50,51は、同一の斜視角を有する。
【0046】
即ち、第1及び第2の内視鏡50,51は、内視鏡保持具52を介して並設して配される。この内視鏡保持具52には、湾曲状の一対の当接部521,522が第1及び第2の内視鏡50,51の周壁に対応して設けられる。そして、この内視鏡保持具52の当接部521,522には、位置決め手段を構成する複数の位置決め用永久磁石53が、例えば立体画像を観察する立体観察形態や側視観察等の複数の観察形態が可能なように所定の間隔に埋設される。一方、第1及び第2の内視鏡50,51には、その所定の部位における周壁を覆うように、所定長さ寸法を有した鉄系金属片である鉄系板材54が、上記内視鏡保持具52の永久磁石53に対応して設けられる。
【0047】
また、第1及び第2の内視鏡50,51には、例えば本体側基部に周壁に目印部材55,56が対応して設けられる。この目印部材55,56には、例えば上述した第1の実施の形態と略同様に観察位置を示す目印13が設けられ、互いの目印13の基準位置131,角度目盛132を選択的に合致させることにより、その合致位置に応じて第1及び第2の内視鏡50,51が立体観察等の異なる観察形態を構成する。
【0048】
上記構成により、第1及び第2の内視鏡50,51は、内視鏡保持具52の当接部521,522に当接されて軸方向に移動されて、その鉄系板材54が、該当接部521,522のいずれかの永久磁石53に対向されると、該永久磁石53の磁気力により吸着されて一体的に結合される。このように、第1及び第2の内視鏡50,51は、その鉄系板材54が、内視鏡保持具52の当接部521,522に配された複数の永久磁石53のいずれかに対向されると、対向された永久磁石53の磁気力により、吸着されて相互間が結合され、光軸方向の所望の位置にそれぞれ位置決めされる。
【0049】
また、上記第1及び第2の内視鏡50,51は、軸周りに回動させて、設定する観察形態に応じた目印部材55の目印13を合致させる。ここで、第1及び第2の内視鏡50,51は、協働して上述した立体観察等の所望の観察形態での観察が可能に配される。
【0050】
なお、上記第3の実施の実施の形態では、磁気結合構造として、第1及び第2の内視鏡50,51を、それぞれ内視鏡保持具52に埋設した永久磁石53の磁気力を利用して該内視鏡保持具52に着脱自在に配するように構成したが、これに限ることなく、例えば図9に示すように第1及び第2の内視鏡50,51同士を、永久磁石531の磁気力を利用して直接的に挿着位置を変更可能に組み合わせ配置するように構成することも可能である。
【0051】
即ち、第1及び第2の内視鏡50,51には、当接面501,511が互いに対向されて設けられる。このうち第1の内視鏡50の当接面501には、複数の永久磁石531が所定の間隔に埋設される。他方の第2の内視鏡51の当接面511には、複数の鉄系板材541が、上記複数の永久磁石531に対応して所定の間隔に設けられる。
【0052】
これにより、第1及び第2の内視鏡50,51は、第1の内視鏡50の所望の永久磁石531が、第2の内視鏡51の所望の鉄系板材541に対向された状態で、互いの当接面501,511が当接される。すると、第1及び第2の内視鏡50,51は、永久磁石531が鉄系板材541を吸着し、その磁気力により相互間が位置決めされて所望の観察形態に設定される。この観察形態としては、例えば第1及び第2の内視鏡50,51で上述した立体画像の観察が可能な観察形態や、第1及び第2の内視鏡50,51を光軸方向に前後させて配して、先端側で観察される周囲の画像を取得して観察する観察形態等が行われる。
【0053】
また、上記磁気結合構造としては、図10に示すように2極着磁した永久磁石532を、図11に示すように第1の内視鏡50の所望の位置にバックヨーク55を介して埋設し、第2の内視鏡51には、鉄系板材542を永久磁石532に対応した所望の位置に設けように構成してもよい。これによれば、永久磁石532及びバックヨーク55と鉄系板材542とで略閉磁路を構成することが可能となり、漏洩磁束の効果的な防止を図ることが可能となる。
【0054】
さらに、上記磁気結合構造としては、例えば図12に示すように3極着磁以上の複数着磁の永久磁石533を第1及び第2の内視鏡50,51(図中では、図の都合上、図示せず、上記図9参照)の当接面501,511に埋設するように構成してもよい。この複数着磁の永久磁石533は、例えば樹脂結合磁石同士を対向させて組み合わせて形成され、その磁気合状態において、いわゆる飛び飛びに安定点を得ることができることにより、さらに高精度な位置決めを実現することが可能となる。
【0055】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0056】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0057】
また、この発明は、上記記述に基づいて、
(1) 第1の光学像を得るための第1の対物光学系が先端部に設けられた長尺な第1の挿入部及び前記第1の挿入部の長手方向に沿って前記第1の挿入部に形成された挿通孔を有する第1の内視鏡と、
第2の光学像を得るための第2の対物光学系が先端部に設けられて前記挿通孔に挿脱可能に挿入されると共に前記挿通孔内で回動可能な第2の挿入部を有する第2の内視鏡と、
前記第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第2の内視鏡の前記第1の内視鏡の鏡挿入孔に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0058】
(2) 前記(1)において、
前記第1及び第2の内視鏡は、傾斜角が同一の斜視鏡であり、前記第2の内視鏡に設けられて前記第1及び第2の光学像に基づく立体像観察を可能とするための前記挿通孔に対する前記第2の内視鏡の装着位置を示す目印を更に具備することを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0059】
(3) 体腔内を観察する第1及び第2の内視鏡と、
前記第1及び第2の内視鏡が挿脱及び回動される第1及び第2の内視鏡挿通孔部が設けられた内視鏡保持具と、
前記第1及び第2の内視鏡により得られる第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第1及び第2の内視鏡の前記第1及び第2の内視鏡挿通孔部に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0060】
(4) 前記(3)において、
前記第1及び第2の内視鏡は、傾斜角が同一の斜視鏡であり、前記内視鏡保持具に設けられて前記第1及び第2の光学像に基づく立体像観察を可能とするための前記第1及び第2の内視鏡挿通孔部に対する前記第2の内視鏡の装着位置を示す目印を更に具備することを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0061】
(5) 前記(3)(4)において、
前記内視鏡保持具は、先端部と基端部を有し、
更に、前記内視鏡保持具の基端部に設けられた操作部と、
前記内視鏡保持具の先端部に設けられて前記操作部の操作に応じて前記内視鏡保持具の先端部を動作するための保持具動作手段と、を備えることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0062】
(6) 前記(3)(4)(5)において、
前記位置決め手段は、前記第1及び第2の内視鏡と前記内視鏡保持具の一方に永久磁石を配し、他方に鉄系金属片を配して構成したことを特徴する内視鏡装置を提供することができる。
【0063】
(7) 前記(3)(4)(5)(6)において、
更に、前記内視鏡保持具には、前記第1及び第2の内視鏡挿入孔部に挿入された第1及び第2の内視鏡の挿着位置を示す目印が設けられることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0064】
(8) 前記(3)(4)(5)(6)(7)において、
更に、前記内視鏡保持具には、照明光を案内して前記第1及び第2の内視鏡挿入孔部に挿入された第1及び第2の内視鏡の観察視野を照明するライトガイドが内蔵されることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0065】
(9)前記(3)(4)(5)(6)(7)(8)において、
更に、前記内視鏡保持具には、少なくとも一つの処置具挿入孔部が前記第1及び第2の内視鏡挿入部に対応して設けられることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0066】
(10)
体腔内を観察する第1及び第2の内視鏡と、
前記第1及び第2の内視鏡の各々に設けられた第1及び第2の挿入部と、
前記第1の挿入部に形成された前記第2の挿入部と当接する第1の当接面と、
前記第1の当接面と当接するように前記第2の挿入部に形成された第2の当接面と、
前記第1の挿入部内で前記第1の当接面に沿って設けられた永久磁石と、
前記永久磁石との作用により前記第1の挿入部と前記第2の挿入部とが吸着固定されるように前記第2の挿入部内で前記第2の当接面に沿って設けられた鉄系金属片と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0067】
(11)前記(10)において、
前記第1及び第2の内視鏡は、斜視鏡であることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡便にして容易に観察形態の多様化を図り得るようにして、使い勝手の向上を図った内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る内視鏡装置の外観構成を示した斜視図である。
【図2】図1の要部を取り出して示した斜視図である。
【図3】図1の要部を断面して示した断面図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態に係る内視鏡装置の内視鏡保持具を示した斜視図である。
【図5】図4の内視鏡保持具の挿着部に第1及び第2の内視鏡を挿着した状態を示した斜視図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態の変形例を示した斜視図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態に係る内視鏡装置の先端側を拡大して示した分解斜視図である。
【図8】図7の基端側を拡大して示した分解斜視図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態の変形例を示した分解斜視図である。
【図10】この発明の第3の実施の形態の変形例を示した分解図である。
【図11】この発明の第3の実施の形態に適用される磁気結合手段の変形例を示した斜視図である。
【図12】この発明の第3の実施の形態に適用される磁気結合手段の変形例を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
10…親内視鏡本体、101…内視鏡挿入口、11…親内視鏡挿入部、111…内視鏡挿入孔、112…螺子孔、12…操作部、13…挿着位置表示用目印、131…基準位置、132…角度目盛、14…子内視鏡挿入部、141…凹部、15…子内視鏡本体、16…操作部、17…挿着位置表示用目印、171…基準線、172…基準点、173…深さ目盛、18…ストッパ部、19…止めネジ、20…ボール、21…ばね部材、30…内視鏡保持具、31…保持具本体、312…照明光接続部、32…挿入部、321,322…第1及び第2の内視鏡挿入孔部、321a、322a…第1及び第2の内視鏡挿入孔部、323,324…チャネル、33,34…第1及び第2の内視鏡、35,36…ロック部材、37,38…挿着位置表示用目印、371,381…基準位置、372,382…角度目盛、39…ライトガイド、40…照明部、41…ワイヤ部材、42…ロック操作部、50,51…第1及び第2の内視鏡、501,511…当接面、52…内視鏡保持具、521,522…当接部、53,531,532,533…永久磁石、54,541,542…鉄系板材、55,56…目印部材。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば体腔内の処置を含む観察を行うのに用いられる内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡外科の分野においては、内視鏡を患者の体腔や頭部内に挿入して、この内視鏡で術部の観察等を行う方法が採られている。このような術部の観察においては、立体画像を取得して観察する観察形態や、取得した観察画像と、その周囲を含む観察部位の確認をしながらの観察形態や、複数の異なる方向から観察を行う観察形態等の異なる複数の観察形態で観察することにより、より高精度な観察が可能となる。
【0003】
このような内視鏡装置の観察形態としては、例えば一対の内視鏡を輻輳角調整機構を介して角度調整可能に配し、この一対の内視鏡の輻輳角を調整することにより、立体画像を取得して立体画像を観察するように構成したものがある(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
また、異なる方向から同時に観察可能とした内視鏡装置としては、親スコープ内に処置具を含む子スコープを挿着して、これら親スコープと子スコープの双方を用いて2方向の観察等を実現するように構成したものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5―115425号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平8―82752号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平6―142029号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記内視鏡装置では、立体画像を取得する構成のものであったり、略同時に異なる観察方向からの観察画像を取得する構成のものであり、いずれも単一の観察形態を採る構成のために、その使い勝手が劣るという不都合を有する。
【0009】
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、簡便にして容易に観察形態の多様化を図り得るようにして、使い勝手の向上を図った内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、第1の光学像を得るための第1の対物光学系が先端部に設けられた長尺な第1の挿入部及び前記第1の挿入部の長手方向に沿って前記第1の挿入部に形成された挿通孔を有する第1の内視鏡と、第2の光学像を得るための第2の対物光学系が先端部に設けられて前記挿通孔に挿脱可能に挿入されると共に前記挿通孔内で回動可能な第2の挿入部を有する第2の内視鏡と、前記第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第2の内視鏡の前記第1の内視鏡の挿通孔に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段とを備えて内視鏡装置を構成した。
【0011】
上記構成によれば、第1の内視鏡の挿通孔部に第2の内視鏡を挿着して、該第2の内視鏡の第1の内視鏡の挿通孔部への挿着状態における位置変更を行うことにより、その位置変更に応じて第1及び第2の内視鏡で形成される観察形態が変更される。従って、第2の内視鏡の挿着状態における位置変更を行うだけの取扱い操作で、立体観察等の複数の種類の観察形態を実現することができることにより、その使い勝手の向上を図ることが可能となり、手術時間の短縮化の促進に寄与することができる。
【0012】
また、この発明は、体腔内を観察する第1及び第2の内視鏡と、前記第1及び第2の内視鏡が挿脱及び回動される第1及び第2の内視鏡挿通孔部が設けられた内視鏡保持具と、前記第1及び第2の内視鏡により得られる第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第1及び第2の内視鏡の前記第1及び第2の内視鏡挿通孔部に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段とを備えて内視鏡装置を構成した。
【0013】
上記構成によれば、第1の内視鏡及び第2の内視鏡を内視鏡保持具の第1及び第2の内視鏡挿通孔部に挿着して、これら第1及び第2の内視鏡の内視鏡保持具の第1及び第2の内視鏡挿通孔部への挿着状態における位置変更を行うことにより、その位置変更に応じて第1及び第2の内視鏡で形成される観察形態が変更される。従って、内視鏡保持具の第1及び第2の内視鏡挿入孔部における第1及び第2の内視鏡の挿着状態における位置変更を行うだけの取扱い操作で、立体観察を含む複数種の観察形態を実現することができることにより、その使い勝手の向上を図ることが可能となり、手術時間の短縮化の促進に寄与することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る内視鏡装置を示すもので、親内視鏡本体10には、第1の内視鏡、例えば第1の斜視鏡を構成する親内視鏡挿入部11が自在状に延出して設けられる。この親内視鏡挿入部11は、上記内視鏡本体10に配される操作部12を介して選択的に移動されて、所望の体腔内に挿入される。また、親内視鏡挿入部11の先端部には、体腔内の光学像を得るための第1の対物光学系113が設けられる。
【0016】
また、内視鏡本体10には、図2に示すように内視鏡挿入口101が設けられ、この内視鏡挿入口101の周囲には、挿着位置表示用目印13が設けられる。この挿着位置表示用目印13は、例えば内視鏡挿入口101の周囲に基準位置131に対して所定の角度間隔に角度目盛132が設けられる。
【0017】
上記内視鏡挿入口101は、上記親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11内に設けられる挿通孔である内視鏡挿入孔111に連通される。そして、この内視鏡挿入口101を通して内視鏡挿入孔111には、第2の内視鏡、例えば第1の内視鏡と同一の斜視角を有する第2の斜視鏡を構成する子内視鏡挿入部14が回動及び内視鏡挿入孔111に沿って、つまり、親内視鏡挿入部11に長手方向に沿って移動自在に挿入されて挿着される。
【0018】
子内視鏡挿入部14の先端部には、体腔内の光学像を得るための第2の対物光学系142が設けられており、子内視鏡本体15に設けられた操作部16を用いて、子内視鏡挿入部14の先端側を所望の方向に湾曲することにより、選択的に移動操作されて所望の光学像を得ることができる。この子内視鏡挿入部15には、図2に示すようにその外壁に挿着位置表示用目印17が上記親内視鏡本体10の挿着位置表示用目印13に対応して設けられる。この挿着位置表示用目印17は、例えば子内視鏡挿入部14の軸方向の基準線171が設けられ、この基準線171上に挿入深さ基準点172が設けられる。そして、この挿入深さ基準点172を中心として基準線上には、複数の深さ目盛173が所定の間隔に形成される。
【0019】
また、この子内視鏡挿入部14には、例えば鍔状のストッパ部18が設けられる。このストッパ部18は、子内視鏡挿入部14が上記親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101から挿入されて内視鏡挿入孔111の所定の位置まで挿入された状態で、該内視鏡挿入口101に当接されて、子内視鏡挿入部14の更なる侵入を規制する。
【0020】
さらに、親内視鏡挿入部11には、図3に示すように位置決め手段を構成する螺子孔112が内視鏡挿入孔111に対して略直交して設けられ、この内視鏡螺子孔112には、止めネジ19が螺合調整自在に螺合される。この止めネジ19は、内視鏡螺子孔112に対して螺合調整されると、その先端部が内視鏡挿通孔111に出入りして、該内視鏡挿通孔111に挿入された子内視鏡挿入部14を挿着位置に圧接して位置決め、あるいは移動可能に解放する。
【0021】
また、親内視鏡本体10の内壁には、クリック機構を構成するボール20がばね部材21を介して中心方向に付勢力が付与されて配される。そして、子内視鏡挿入部14の外周部には、複数の凹部141(図3中では、図の都合上、1箇所のみを図示)が、上記ボール20に対応して設けられる。
【0022】
この複数の凹部141は、上記挿着位置表示用目印17に対応して設けられ、上記子内視鏡本体15の子内視鏡挿入部14が、親内視鏡本体10の内視鏡挿入孔111に挿入されて、挿着位置表示用目印17の基準点172、あるいは所望の目盛173を親内視鏡本体10の挿着位置表示用目印13の基準位置、あるいは所望の角度目盛132に合致させると、上記親内視鏡本体10内のボール20が選択的に収容されて子内視鏡挿入部14を挿着位置において位置規制する。この際、術者である使用者は、ボール20の凹部141から収容時に、いわゆる操作感が得られて、所望の挿着位置に設定されたことが確認される。
【0023】
上記構成において、子内視鏡本体15は、例えば親内視鏡挿入部11が、患者の体腔に穿刺された状態で、その子内視鏡挿入部14が親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101より挿入されて内視鏡挿入孔111に挿着される。この際、子内視鏡挿入部14は、親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11の内視鏡挿入孔111に挿入して所定の位置まで侵入されると、そのストッパ部18が親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101に当接することにより、その挿入し過ぎることが確実に防止される。
【0024】
ここで、子内視鏡挿入部14は、例えば立体観察形態を実現する場合、その挿着位置表示用目印17の基準点172が親内視鏡本体10の挿着位置表示用目印13の基準位置131に合致される。この合致に連動して子内視鏡挿入部14の所望の凹部141には、内視鏡挿入孔111内のボール20が収容されて位置規制され、使用者には、操作感が得られる。これにより、使用者は、観察形態が、例えば立体観察に設定されたことが認識される。この位置規制状態において、親内視鏡挿入部11の螺子孔112に螺合される止めネジ19が締め付けられ、この止めネジ19を介して子内視鏡挿入部14が内視鏡挿入孔111内に位置決めされる。
【0025】
また、この立体観察状態において、観察形態を変更する場合には、先ず、上記止めネジ19を緩めて、子内視鏡挿入部14を、その挿着位置表示用目印17を確認しながら押し込んだり、引き抜いたり、回動させたりして、その目印17の基準線171、基準点172を含む目盛173を、親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101の挿着位置表示用目印13の基準位置131を含む角度目盛132に合致させるように位置変更する。これにより、子内視鏡挿入部14は、親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11の内視鏡挿入孔111内における変更位置において親内視鏡挿入部11と協働して先端確認、側視等の所望の観察形態を実現する。
【0026】
このようにして、子内視鏡挿入部14の挿着位置を変更することで、異なる観察形態、例えば患部を撮影した親内視鏡挿入部11の周囲部を、子内視鏡挿入部14で観察したり、あるいは親内視鏡挿入部11と子内視鏡挿入部14で異なる2方向の画像を取り込んで観察したりする観察形態が実現される。
【0027】
さらに、親内視鏡挿入部11を、体腔内に穿刺した状態で、子内視鏡挿入部14を、親内視鏡本体10の内視鏡挿入口101から抜き取り、処置具を装着し、親内視鏡挿入部11で術部を観察しながら処置具を用いた処置を行うこともできる。
【0028】
このように、上記内視鏡装置は、親内視鏡本体10及び親内視鏡挿入部11に内視鏡挿入孔111を設けて、この内視鏡挿入孔111に子内視鏡本体15の子内視鏡挿入部14を挿入して位置変更自在に挿着し、その位置変更を行うことにより、その位置変更に応じて親内視鏡挿入部11及び子内視鏡挿入部14で形成される観察形態を異なる観察形態に変更し得るように構成した。
【0029】
これによれば、子内視鏡挿入部14の挿着状態における位置変更を行うだけの簡便な取扱い操作で、異なる観察形態を実現することができることにより、その使い勝手の向上を図ることができる。この結果、手術内容に応じた迅速な対応が可能となり、手術時間の短縮化の促進に寄与することができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図4及び図5は、この発明の第2の実施の形態に係る内視鏡装置を示すもので、内視鏡保持具30は、例えば保持具本体31に挿入部32が自在状に設けられて構成される。この挿入部32は、図示しないワイヤ機構を介して保持具本体31に配された操作部311に連結され、この操作部311の調整操作に連動して自在状に移動される。
【0031】
そして、内視鏡保持具30の挿入部32には、例えばスリット構造の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322が所定の間隔に設けられ、この第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322には、例えば図5に示すように同一の斜視角を有する斜視鏡で構成される第1及び第2の内視鏡33,34が抜脱自在に挿入されて配される。
【0032】
また、内視鏡保持具30の挿入部32の基部には、位置決め手段を構成するロック部材35,36がそれぞれ第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対応して矢印方向に操作自在に設けられる。このロック部材35,36は、その操作により、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322を締め付け、あるいは緩めて、収容された第1及び第2の内視鏡33,34を位置決めあるいは離脱可能に解放する。
【0033】
また、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の挿入側には、それぞれ挿着位置表示用目印37,38が上記第1及び第2の内視鏡35,36に対応して設けられる。この挿着位置表示用目印37,38は、基準位置371,381を中心として複数の角度目盛372,382が所定の間隔に設けられる。そして、この第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に挿入される第1及び第2の内視鏡33,34には、上記第1の実施の形態の子内視鏡挿入部14の挿着位置表示用目印17と略同様の挿着位置表示用目印(図4及び図5中では、図の都合上、図示せず)が設けられる。これにより、第1及び第2の内視鏡33,34は、その挿着位置表示用目印17が内視鏡保持具30の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の挿着位置表示用目印37,38の基準位置371,381を含む所望の角度目盛372,382に対して選択的に合致させることで、所望の観察形態に設定される。
【0034】
上記内視鏡保持具30の挿入部32には、複数、例えば2個のチャネル323,324が上記第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対応して設けられ、このチャネル323,324には、図示しない処置具が選択的に挿入される。
【0035】
また、保持具本体31には、照明光接続部312が設けられ、この照明光接続部312には、図示しない照明光源が光結合される。この照明光接続部312は、上記保持具本体31及び挿入部32内に埋設されるライトガイド39を介して該挿入部32の先端に配された照明部に光結合され、供給された照明光を上記ライトガイドを介して照明部40に出力し、該照明部40から所望の部位に照射して照明する。
【0036】
上記構成において、例えば内視鏡保持具30は、その挿入部32が、患者の体腔に穿刺された状態で、そのロック機構35,36が解放操作され、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対して第1及び第2の内視鏡33,34が挿入される。この際、第1及び第2の内視鏡33,34は、図示しないストッパ部が内視鏡保持具30の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の入口に当接され、その挿入し過ぎることが防止される。
【0037】
ここで、第1及び第2の内視鏡33,34は、その各挿着位置表示用目印17が、観察形態に応じて第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の挿着位置表示用目印37,38に選択的に合致される。この合致に連動して第1及び第2の内視鏡33,34は、例えば上記第1の実施の形態と略同様に構成される図示しないクリック機構により、位置規制されて、使用者には、操作感が得られる。これにより、使用者は、観察形態が、例えば立体観察、側視観察等の所望の観察形態に設定されたことが認識される。この位置規制状態において、ロック機構35,36がロック操作されて、第1及び第2の内視鏡33,34は、内視鏡保持具30の挿入部32の第1及び第2の内視鏡挿入孔部312,322内に位置決めされる。
【0038】
また、観察形態を変更する場合には、先ず、上記ロック機構35,36を解放操作し、第1及び第2の内視鏡33,34を、その挿着位置表示用目印17を確認しながら押し込んだり、引き抜いたり、回動させたりして、その目印17の基準線171、基準点172を含む目盛173を、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322の入口の挿着位置表示用目印37,38の基準位置371,381を含む角度目盛372,382に合致させるように位置変更する。これにより、第1及び第2の内視鏡33,34は、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322内における変更位置において協働して所望の観察形態に設定される。そして、変更後、同様にロック機構35,36をロック操作して第1及び第2の内視鏡33,34を、挿入部32の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に位置決めする。
【0039】
このように第1及び第2の内視鏡33,34を、挿着部32の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対する挿着位置を変更するだけの操作で、同様に異なる観察形態出の観察が実現される。
【0040】
そして、上記第1及び第2の内視鏡33,34を内視鏡保持具30の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に挿着した状態で、内視鏡保持具30のチャネル323,324には、図示しない処置具が挿入されて、所望の処置が施される。この際、上記照明光接続部312には、上記照明光源(図示せず)からの照明光が導かれ、該照明光が上記ライトガイド39を通って照明部40に導かれ、所望の部位が照明される。
【0041】
このように、第2の実施の形態では、第1及び第2の内視鏡33,34を、内視鏡保持具30を介して抜脱自在に配し、該内視鏡保持具30に対して挿着位置を変更することにより、観察形態を変更し得るように構成した。
【0042】
これによれば、例えば術中においても、第1及び第2の内視鏡33,34を種類の異なる内視鏡と容易に交換することが可能となり、さらに観察形態の多様化を図ることができる。また、これによれば、第1及び第2の内視鏡33,34を挿着した状態で、処置具の使用も可能となるために、人体に対する侵襲性の低減が図れるうえ、さらに、手術の短縮化の促進が図れる。
【0043】
なお、上記第2の実施の形態では、内視鏡保持具30の挿入部32に配した第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322を、スリット構造に形成するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、例えば図6に示すように孔構造の第1及び第2の内視鏡挿入孔部321a、322aを、上記内視鏡保持具30の挿入部32に設けるように構成することが可能である。
【0044】
この場合には、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321a,322aに挿着された第1及び第2の内視鏡33,34(図6中においては、図の都合上、図示せず)を、挿着位置で位置決めするロック機構としては、例えばワイヤ部材41を、第1及び第2の内視鏡挿入孔部321,322に対応して内蔵する。そして、このワイヤ部材41には、例えば挿入部32の外周部に配したロック操作部42が連結される。ワイヤ部材41は、ロック操作部42の締め付け、あるいは解放操作により、第1及び第2の内視鏡33,34を第1及び第2の内視鏡挿入孔部321a,322aの挿着位置において位置決めロック、あるいは位置決め解放する。
【0045】
(第3の実施の形態)
図7及び図8は、この発明の第3の実施の形態の要部を示すもので、図7は、例えば斜視鏡を構成する第1及び第2の内視鏡50,51の先端側を示し、図8は、第1及び第2の内視鏡50,51の基端部側を示す。なお、第1及び第2の内視鏡50,51は、同一の斜視角を有する。
【0046】
即ち、第1及び第2の内視鏡50,51は、内視鏡保持具52を介して並設して配される。この内視鏡保持具52には、湾曲状の一対の当接部521,522が第1及び第2の内視鏡50,51の周壁に対応して設けられる。そして、この内視鏡保持具52の当接部521,522には、位置決め手段を構成する複数の位置決め用永久磁石53が、例えば立体画像を観察する立体観察形態や側視観察等の複数の観察形態が可能なように所定の間隔に埋設される。一方、第1及び第2の内視鏡50,51には、その所定の部位における周壁を覆うように、所定長さ寸法を有した鉄系金属片である鉄系板材54が、上記内視鏡保持具52の永久磁石53に対応して設けられる。
【0047】
また、第1及び第2の内視鏡50,51には、例えば本体側基部に周壁に目印部材55,56が対応して設けられる。この目印部材55,56には、例えば上述した第1の実施の形態と略同様に観察位置を示す目印13が設けられ、互いの目印13の基準位置131,角度目盛132を選択的に合致させることにより、その合致位置に応じて第1及び第2の内視鏡50,51が立体観察等の異なる観察形態を構成する。
【0048】
上記構成により、第1及び第2の内視鏡50,51は、内視鏡保持具52の当接部521,522に当接されて軸方向に移動されて、その鉄系板材54が、該当接部521,522のいずれかの永久磁石53に対向されると、該永久磁石53の磁気力により吸着されて一体的に結合される。このように、第1及び第2の内視鏡50,51は、その鉄系板材54が、内視鏡保持具52の当接部521,522に配された複数の永久磁石53のいずれかに対向されると、対向された永久磁石53の磁気力により、吸着されて相互間が結合され、光軸方向の所望の位置にそれぞれ位置決めされる。
【0049】
また、上記第1及び第2の内視鏡50,51は、軸周りに回動させて、設定する観察形態に応じた目印部材55の目印13を合致させる。ここで、第1及び第2の内視鏡50,51は、協働して上述した立体観察等の所望の観察形態での観察が可能に配される。
【0050】
なお、上記第3の実施の実施の形態では、磁気結合構造として、第1及び第2の内視鏡50,51を、それぞれ内視鏡保持具52に埋設した永久磁石53の磁気力を利用して該内視鏡保持具52に着脱自在に配するように構成したが、これに限ることなく、例えば図9に示すように第1及び第2の内視鏡50,51同士を、永久磁石531の磁気力を利用して直接的に挿着位置を変更可能に組み合わせ配置するように構成することも可能である。
【0051】
即ち、第1及び第2の内視鏡50,51には、当接面501,511が互いに対向されて設けられる。このうち第1の内視鏡50の当接面501には、複数の永久磁石531が所定の間隔に埋設される。他方の第2の内視鏡51の当接面511には、複数の鉄系板材541が、上記複数の永久磁石531に対応して所定の間隔に設けられる。
【0052】
これにより、第1及び第2の内視鏡50,51は、第1の内視鏡50の所望の永久磁石531が、第2の内視鏡51の所望の鉄系板材541に対向された状態で、互いの当接面501,511が当接される。すると、第1及び第2の内視鏡50,51は、永久磁石531が鉄系板材541を吸着し、その磁気力により相互間が位置決めされて所望の観察形態に設定される。この観察形態としては、例えば第1及び第2の内視鏡50,51で上述した立体画像の観察が可能な観察形態や、第1及び第2の内視鏡50,51を光軸方向に前後させて配して、先端側で観察される周囲の画像を取得して観察する観察形態等が行われる。
【0053】
また、上記磁気結合構造としては、図10に示すように2極着磁した永久磁石532を、図11に示すように第1の内視鏡50の所望の位置にバックヨーク55を介して埋設し、第2の内視鏡51には、鉄系板材542を永久磁石532に対応した所望の位置に設けように構成してもよい。これによれば、永久磁石532及びバックヨーク55と鉄系板材542とで略閉磁路を構成することが可能となり、漏洩磁束の効果的な防止を図ることが可能となる。
【0054】
さらに、上記磁気結合構造としては、例えば図12に示すように3極着磁以上の複数着磁の永久磁石533を第1及び第2の内視鏡50,51(図中では、図の都合上、図示せず、上記図9参照)の当接面501,511に埋設するように構成してもよい。この複数着磁の永久磁石533は、例えば樹脂結合磁石同士を対向させて組み合わせて形成され、その磁気合状態において、いわゆる飛び飛びに安定点を得ることができることにより、さらに高精度な位置決めを実現することが可能となる。
【0055】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0056】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0057】
また、この発明は、上記記述に基づいて、
(1) 第1の光学像を得るための第1の対物光学系が先端部に設けられた長尺な第1の挿入部及び前記第1の挿入部の長手方向に沿って前記第1の挿入部に形成された挿通孔を有する第1の内視鏡と、
第2の光学像を得るための第2の対物光学系が先端部に設けられて前記挿通孔に挿脱可能に挿入されると共に前記挿通孔内で回動可能な第2の挿入部を有する第2の内視鏡と、
前記第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第2の内視鏡の前記第1の内視鏡の鏡挿入孔に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0058】
(2) 前記(1)において、
前記第1及び第2の内視鏡は、傾斜角が同一の斜視鏡であり、前記第2の内視鏡に設けられて前記第1及び第2の光学像に基づく立体像観察を可能とするための前記挿通孔に対する前記第2の内視鏡の装着位置を示す目印を更に具備することを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0059】
(3) 体腔内を観察する第1及び第2の内視鏡と、
前記第1及び第2の内視鏡が挿脱及び回動される第1及び第2の内視鏡挿通孔部が設けられた内視鏡保持具と、
前記第1及び第2の内視鏡により得られる第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第1及び第2の内視鏡の前記第1及び第2の内視鏡挿通孔部に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0060】
(4) 前記(3)において、
前記第1及び第2の内視鏡は、傾斜角が同一の斜視鏡であり、前記内視鏡保持具に設けられて前記第1及び第2の光学像に基づく立体像観察を可能とするための前記第1及び第2の内視鏡挿通孔部に対する前記第2の内視鏡の装着位置を示す目印を更に具備することを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0061】
(5) 前記(3)(4)において、
前記内視鏡保持具は、先端部と基端部を有し、
更に、前記内視鏡保持具の基端部に設けられた操作部と、
前記内視鏡保持具の先端部に設けられて前記操作部の操作に応じて前記内視鏡保持具の先端部を動作するための保持具動作手段と、を備えることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0062】
(6) 前記(3)(4)(5)において、
前記位置決め手段は、前記第1及び第2の内視鏡と前記内視鏡保持具の一方に永久磁石を配し、他方に鉄系金属片を配して構成したことを特徴する内視鏡装置を提供することができる。
【0063】
(7) 前記(3)(4)(5)(6)において、
更に、前記内視鏡保持具には、前記第1及び第2の内視鏡挿入孔部に挿入された第1及び第2の内視鏡の挿着位置を示す目印が設けられることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0064】
(8) 前記(3)(4)(5)(6)(7)において、
更に、前記内視鏡保持具には、照明光を案内して前記第1及び第2の内視鏡挿入孔部に挿入された第1及び第2の内視鏡の観察視野を照明するライトガイドが内蔵されることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0065】
(9)前記(3)(4)(5)(6)(7)(8)において、
更に、前記内視鏡保持具には、少なくとも一つの処置具挿入孔部が前記第1及び第2の内視鏡挿入部に対応して設けられることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0066】
(10)
体腔内を観察する第1及び第2の内視鏡と、
前記第1及び第2の内視鏡の各々に設けられた第1及び第2の挿入部と、
前記第1の挿入部に形成された前記第2の挿入部と当接する第1の当接面と、
前記第1の当接面と当接するように前記第2の挿入部に形成された第2の当接面と、
前記第1の挿入部内で前記第1の当接面に沿って設けられた永久磁石と、
前記永久磁石との作用により前記第1の挿入部と前記第2の挿入部とが吸着固定されるように前記第2の挿入部内で前記第2の当接面に沿って設けられた鉄系金属片と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0067】
(11)前記(10)において、
前記第1及び第2の内視鏡は、斜視鏡であることを特徴とする内視鏡装置を提供することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡便にして容易に観察形態の多様化を図り得るようにして、使い勝手の向上を図った内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る内視鏡装置の外観構成を示した斜視図である。
【図2】図1の要部を取り出して示した斜視図である。
【図3】図1の要部を断面して示した断面図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態に係る内視鏡装置の内視鏡保持具を示した斜視図である。
【図5】図4の内視鏡保持具の挿着部に第1及び第2の内視鏡を挿着した状態を示した斜視図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態の変形例を示した斜視図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態に係る内視鏡装置の先端側を拡大して示した分解斜視図である。
【図8】図7の基端側を拡大して示した分解斜視図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態の変形例を示した分解斜視図である。
【図10】この発明の第3の実施の形態の変形例を示した分解図である。
【図11】この発明の第3の実施の形態に適用される磁気結合手段の変形例を示した斜視図である。
【図12】この発明の第3の実施の形態に適用される磁気結合手段の変形例を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
10…親内視鏡本体、101…内視鏡挿入口、11…親内視鏡挿入部、111…内視鏡挿入孔、112…螺子孔、12…操作部、13…挿着位置表示用目印、131…基準位置、132…角度目盛、14…子内視鏡挿入部、141…凹部、15…子内視鏡本体、16…操作部、17…挿着位置表示用目印、171…基準線、172…基準点、173…深さ目盛、18…ストッパ部、19…止めネジ、20…ボール、21…ばね部材、30…内視鏡保持具、31…保持具本体、312…照明光接続部、32…挿入部、321,322…第1及び第2の内視鏡挿入孔部、321a、322a…第1及び第2の内視鏡挿入孔部、323,324…チャネル、33,34…第1及び第2の内視鏡、35,36…ロック部材、37,38…挿着位置表示用目印、371,381…基準位置、372,382…角度目盛、39…ライトガイド、40…照明部、41…ワイヤ部材、42…ロック操作部、50,51…第1及び第2の内視鏡、501,511…当接面、52…内視鏡保持具、521,522…当接部、53,531,532,533…永久磁石、54,541,542…鉄系板材、55,56…目印部材。
Claims (3)
- 第1の光学像を得るための第1の対物光学系が先端部に設けられた長尺な第1の挿入部及び前記第1の挿入部の長手方向に沿って前記第1の挿入部に形成された挿通孔を有する第1の内視鏡と、
第2の光学像を得るための第2の対物光学系が先端部に設けられて前記挿通孔に挿脱可能に挿入されると共に前記挿通孔内で回動可能な第2の挿入部を有する第2の内視鏡と、
前記第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第2の内視鏡の前記第1の内視鏡の挿通孔に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置。 - 前記第1及び第2の内視鏡は、傾斜角が同一の斜視鏡であり、前記第2の内視鏡に設けられて前記第1及び第2の光学像に基づく立体像観察を可能とするための前記挿通孔に対する前記第2の内視鏡の装着位置を示す目印を更に具備することを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
- 体腔内を観察する第1及び第2の内視鏡と、
前記第1及び第2の内視鏡が挿脱及び回動される第1及び第2の内視鏡挿通孔部が設けられた内視鏡保持具と、
前記第1及び第2の内視鏡により得られる第1及び第2の光学像が所望の観察形態を成すように前記第1及び第2の内視鏡の前記第1及び第2の内視鏡挿通孔部に対する挿脱方向の移動及び回動を規制する規制手段と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置。
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