JP2004357609A - 脱穀機の揺動選別装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の案内板による案内機能だけでは充分な分散効果が得られず、以後のふるい選別にバラツキが生じ、精度の高い選別効果が期待できない問題がある。本発明は、揺動移送棚上での処理物の分散効果を高め、グレンシ−ブ上でのふるい選別を効果的に行なわしめ、選別性能の向上を図ることにある。
【解決手段】本発明は、前後方向に揺動し受け入れた処理物を後方に向けて揺動移送する揺動移送棚であって、左右方向の一方側は後方に向けてストレ−トに揺動移送する後送ラック部とし、他方側は一方側に寄せながら斜め後方に向けて揺動移送する斜後送ラック部とするよう構成してあることを特徴とする。
【選択図】 図6
【解決手段】本発明は、前後方向に揺動し受け入れた処理物を後方に向けて揺動移送する揺動移送棚であって、左右方向の一方側は後方に向けてストレ−トに揺動移送する後送ラック部とし、他方側は一方側に寄せながら斜め後方に向けて揺動移送する斜後送ラック部とするよう構成してあることを特徴とする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインやハ−ベスタ−などの収穫機に搭載する脱穀機の揺動選別装置に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、揺動選別装置の揺動移送棚上には、扱室からの漏下処理物が左右方向での一側に偏った状態で落下供給されることになるので、これを解消するために、従来では、揺動移送棚上での処理物を後方への揺動移送に伴って一側から他側に向けて案内する案内板を設けて対処するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−139183号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来のものでは、案内板による機能だけでは充分な分散効果が得られず、以後のふるい選別にバラツキが生じ、精度の高い選別効果が期待できない問題があった。
【0005】
本発明は、揺動移送棚上での処理物の分散効果を高め、グレンシ−ブ上でのふるい選別を効果的に行なわしめ、選別性能の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講じた。すなわち、請求項1記載の本発明は、前後方向に揺動し受け入れた処理物を後方に向けて揺動移送する揺動移送棚であって、左右方向の一方側は後方に向けてストレ−トに揺動移送する後送ラック部とし、他方側は一方側に寄せながら斜め後方に向けて揺動移送する斜後送ラック部とするよう構成してあることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項1にかかる構成によれば、揺動移送棚の他方側に設けられる斜後送ラック部によって、片側に偏った状態で落下供給される処理物を、その偏った一側から落下供給量の少ない他側に向かって積極的に強制送りすることになる。もって、移送棚の終端に至っては処理物が棚幅方向一杯にわたって満遍に分散されることになり、以後のふるい選別が良好に精度よく行われることになる。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記他方側の斜後送ラック部は、一方側の後送ラック部側が低くなるよう傾斜させた構成としてあることを特徴とする。
本発明の請求項2にかかる構成によれば、斜後送ラック部による送り方向側が低くなるよう下り傾斜になっているので、処理物の斜め後方への流れが更に良くなり、分散効果がより高められる。
【0009】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2において、前記揺動移送棚は、樹脂によって一体成形してあることを特徴とする。
本発明の請求項3にかかる構成によれば、特に、左右横方向に並行する後送ラック部と平面視で所定の角度に傾斜する斜後送ラック部を樹脂化することによって、加工工数のかかる板金構成に比べて成形加工が容易でありながら簡素化され安価に実施することができる。
【0010】
【発明の効果】
要するに、請求項1の本発明によれば、扱室からの漏下処理物が扱胴の回転によって一側に偏った状態で揺動移送棚上に落下供給されたものは、斜後送ラック部によって、その偏った一側から落下供給量の少ない他側に向かって積極的に強制送りされることになるので、移送棚の終端に至っては処理物が棚幅方向一杯にわたって満遍に分散されることになり、以後のふるい選別を良好に精度よく行え、選別性能の向上を図ることができる。
【0011】
また、請求項2の本発明によれば、斜後送ラック部は、この送り方向側が低くなるように下り傾斜になっているので、処理物の斜め後方への流れが停滞することなく更に良くなり、分散効果がより高められることになり、請求項1の発明効果に増して選別性能を向上できる。
【0012】
更に、請求項3の本発明によれば、前記請求項1又は請求項2の発明効果を奏するものでありながら、移送棚自体を樹脂化することによって、工数のかかる板金加工に比し、簡単且つ安価に実施することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1に示すコンバインの構成について述べる。
走行クロ−ラ1を具備する車体2上には、前部に昇降可能な刈取部3を、後部に脱穀機4を搭載している。刈取部3の横側部には運転部5が設置され、その後方にはグレンタンク6が装備されている。
【0014】
つぎに、脱穀機4の構成につき説明する。扱胴7を内装軸架した扱室8の下半周部に沿って受網9を張設している。10は扱室8の上方部を覆う扱胴カバ−であって、扱胴軸7a方向に平行な軸芯回りに揺動開閉可能に構成している。
扱室8の扱口側には穀稈を挟持搬送するフイ−ドチエン11とこの上側に対設する挟持レ−ル11aを配設している。この挟持レ−ル11aは扱胴カバ−10側に装着して該カバ−と共に揺動開閉する構成である。扱室8のフイ−ドチエン11側とは反対側一側には2番処理胴12を内装軸架した2番処理室13を並設している。また、前記2番処理胴12の後方にはこれと同一軸芯上において排塵処理胴14を内装軸架した排塵処理室15を構成して設けている。
【0015】
扱室8の下側には揺動可能に架設した揺動選別装置16を設け、更に、その下方には選別方向の上手側から順に、唐箕17と、1番移送螺旋18と、2番移送螺旋19と、その上方に吸引排塵フアン(横断流フアン)20を設けて選別室21を構成している。なお、1番揚穀装置18Aは1番移送螺旋18で回収された穀物を揚送してグレンタンク6内に収容する。また、2番揚穀装置19Aは2番移送螺旋19で回収された2番処理物を2番処理室13内へ還元する。
【0016】
そして、揺動選別装置16は、扱室からの脱穀処理後の処理物、つまり、被選別物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別する構成であり、選別方向上手側から移送棚22、チャフシ−ブ23、ストロ−ラック24の順に配置し、且つ、チャフシ−ブ23の下方にグレンシ−ブ25を配置して一体的に設け、前記唐箕17及び吸引排塵フアン20による選別風と揺動との共同作用によって扱室8から漏下してきた処理物の選別作用を行うように構成している。
【0017】
また、揺動選別装置16は、その後端部側において偏心駆動機構26によって揺動駆動されると共に、その前部側においてガイドレ−ル27とガイドロ−ラ28によって前後往復動状態で案内支持されるようになっている。
前記揺動移送棚22は、左右方向の一方側(左側)において処理物を後方に向けてストレ−トに揺動移送する左右横方向に並行な後送ラック部29と、他方側(右側)において一方側(左側)に寄せながら斜め後方に向けて揺動移送する平面視で所定角度に傾斜の斜後送ラック部30とからなる構成である。また、右側の斜後送ラック部30は、斜め送り方向側が低くなるように、つまり、右側が高く左側か低くなるよう上下方向に傾斜させ(図8参照)てあり、そして、この移送終端では隣接の後送ラク部29と同一水平面内となる(図9参照)よう構成している。このように後送ラック部29と斜後送ラック部30とからなる移送棚22を合成樹脂によって一体成形するようにすれば、板金製に比べ加工が容易で安価に実施することができる。
【0018】
なお、前記斜後送ラック部30上には、処理物を更に右側から左側斜め後方に向かって案内するよう案内板31,31を設けている。
前記移送棚22は、図7に示すように揺動選別ケ−ス16Aに対し着脱自在な構成としている。
【0019】
チャフシ−ブ23は、シ−ブ板32…を前後に所定間隔置きに並設してあると共に、揺動選別ケ−ス16Aに対し上端側の揺動支点周りで上下揺動自在に支持されている。そして、各シ−ブ板32…は処理物の重量の増大に伴って下方に揺動することでシ−ブ板同士の前後の開度を開き側に操作することになり、処理物の重量の減少に伴って、スプリング33によって上方に揺動してシ−ブ板同士の前後の開度を閉じ側に弾性付勢するようになっている。
【0020】
以上のように構成された脱穀機についてその作用を説明する。
まず、圃場の穀稈は、前進する機体の前部位置にある刈取部3によって刈取られ、上方に搬送されて、フィ−ドチエン11に受け継がれてのち脱穀機4に供給される。そして、穀稈は、株元をフィ−ドチエン11に挾持されて搬送されながら穂先部分が扱室8内に供給されて、回転している扱胴7により脱穀作用を受ける。このようにして処理された脱穀処理物は、回転している扱胴7によって持ち回りされて、更に、脱粒処理作用を受け、受網9から漏下して選別室21の揺動選別装置16に達し揺動選別作用を受ける。
【0021】
この場合、脱穀処理物は、移送棚22上を後送ラック部29と斜後送ラック部30を介して揺動移送されてチャフシ−ブ23に達し、チャフシ−ブ23を構成している複数枚のシ−ブ板32…相互の間にある選別間隔を漏下しながら風選作用を受ける。このとき、唐箕17は、起風した選別風を選別室21内に吹き込みながら選別し、吸引排塵フアン20による吸引作用によって選別される。
【0022】
このようにして、処理物は、揺動選別作用と選別風による風選作用との共同作用を受けながら選別されて、1番物(精粒)、2番物、排塵物とに選別分離され、1番物はグレンシ−ブ25にてふるい選別された後、1番移送螺旋18の受樋内に落下して収集されて機外に取り出され、2番物は2番移送螺旋19から2番揚穀装置19Aによって揚穀されて2番処理室13に還元され、そして、2番処理胴12によって2番処理作用を受け、排塵物は吸引排塵フアン20によって吸塵され機外に排出されると共に、ストロ−ラック24に達したワラ屑は棚先から機外に排出される。
【0023】
一方、選別室21に漏下せず扱室8に残留して持ち回られている未処理物は、排塵処理室15内に送り込まれ、排塵処理胴14による再処理を受け、選別室21の後部である排塵部分に落下して前述の各処理物と合流して選別処理されるものである。
【0024】
次に、別実施例である図10及び図11に示す実施例について説明する。
1番移送螺旋18上への1番棚34は、支点P1を回動支点として揺動する調節板35によって上下動する構成であり、ストロ−ラック24は、支点P2を回動中心として上下動するようになっている。また、シ−ブ板32は、支点P3周りで上下揺動自在であり、そして、ワイヤ−36を引張ってシ−ブ板32の開度を開き側に揺動操作すると、シ−ブ揺動ア−ム37、ロッド38a、調節板35、ロッド38b、ラック揺動ア−ム39を介して1番棚34及びストロ−ラック24が傾斜角大なる方向に上方回動するよう連動連結している。従って、かかる構成によれば、図11に示すように、シ−ブ板が最大開になった時には、1番棚とストロ−ラックが傾斜角大なる方向に上動するので、1番棚上での穀物の流下回収効果が促進され、ストロ−ラック上での処理物の漏下作用も促進され、3番ロスが大幅に減少されることになる。
【0025】
図12、図13において、かかる実施例では、揺動選別装置16の前後方向の往復揺動駆動構成を示すものであるが、前端側のガイドレ−ル27とガイドロ−ラ28との案内支持構造に対し、その後端側における偏心駆動機構26側においても前端側と同様のガイドレ−ル27aとガイドロ−ラ28aによって案内支持する構成としている。つまり、偏心駆動機構26のクランク軸26a後方にガイドレ−ル27aを設けると共に、このガイドレ−ル27a上をクランクア−ム26bの先端に支架させたガイドロ−ラ28aが滑走するように案内支持する構成である。ガイドレ−ル27aがクランク軸26aの後方にあることで、揺動選別装置の着脱が容易となる。また、図のように、ガイドレ−ル27aの延長線上にクランク軸を設定するようにすれば、揺動棚の振動を軽減することができる。
【0026】
図14、図15、図16に示す実施例においては、扱胴7の側部後方に設けた排塵処理胴14において、この処理胴14の軸14a端部を軸受保持する軸受メタル40を処理胴円筒内に配置した構成としている。これによって、処理胴端面を処理室後側板42に近接させて設けることができ、ベアリング41への塵埃浸入を防止することができる。また、この軸受メタル40は、プ−リ抜き具43の係止爪44が挿入係止する抜き穴45と係止部46を設けた構成としてあり、メンテナンス時には、その抜き具43を使用することによって軸受メタル40を簡単に抜き外すことができる。
【0027】
図17、図18に示す実施例は、扱室8の前側板48と中側板49との間における全長にわたって受網9を張設し、前側板48近くの滞留をなくし漏下選別効果を高めるように構成している。しかも、この受網9の前側板48近くには、つまり、扱胴7始端のテ−パ部7aに対応する受網9部には扱胴終端側に向けての送り方向に傾斜する寄せ板50を設けることにより、穀物の漏下を促進することができ、わら屑の後方への送りが良くなり、扱室内入口側でのわら屑の滞留を少なくすることができる。
【0028】
図19、図20に示す実施例において、脱穀機4の後部には脱穀済の排ワラを所定長さに切断処理する排ワラカッタ−51を装備している。排ワラカッタ−51の下方には切断ワラを圃場面に拡散処理する拡散軸52と拡散螺旋53からなる拡散装置54を配置している。揺動選別装置16のストロ−ラック24上方に横断流フアン20を、ストロ−ラック24の終端下方には、ストロ−ラック24の終端より排出されるワラ屑を吸引して圃場に拡散排出処理する横断流フアン55をそれぞれ設けている。そして、下方の横断流フアン55は、前記拡散装置54の拡散軸52よりも下方に配置した構成としている。従って、かか構成によれば、切断ワラの拡散処理を阻害することなく、ストロ−ラックからのワラ屑の拡散排出処理を良好に行なわせることができる。また、下方の横断流フアン55は上方の横断流フアン20よりも横幅方向に長くして、一側の排塵処理胴14の下方位置まで延出させた構成としてあり、排塵処理胴終端からの排塵処理物も受け入れて吸引排出処理するようになっている。
【0029】
また、図21に示すように、下方の横断流フアン55を前記拡散装置54の拡散軸52よりも上方に配置し、ストロ−ラック終端からの吸引したワラ屑を拡散螺旋53上に流し込んで、前記排ワラカッタ−51からの切断ワラと一緒に拡散処理するように構成することもできる。これによれば、ワラ屑と切断ワラとの拡散処理が良好に行われる。
【0030】
更に、上記下方の横断流フアン55の回転速度を、上方の横断流フアン20よりも高速に構成しておくと、吸引力アップによりワラ屑の排出処理と拡散処理効果をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図
【図2】脱穀機の切断側面図
【図3】同上要部の正面図
【図4】同上要部の平面図
【図5】揺動選別装置の側面図
【図6】同上平面図
【図7】移送棚を取り外した状態を示す揺動選別装置の平面図
【図8】図7のS1−S1断面図
【図9】図7のS2−S2断面図
【図10】揺動選別装置の側面図
【図11】グラフ
【図12】脱穀機の要部の側面図
【図13】同上要部の背面図
【図14】排塵処理胴要部の側面図
【図15】同上要部の側断面図
【図16】同上要部の背面図
【図17】脱穀機要部の切断側面図
【図18】受網の展開平面図
【図19】脱穀機要部の側断面図
【図20】同上要部の平面図
【図21】脱穀機要部の側断面図
【符号の説明】
4 脱穀機 7 扱胴
8 扱室 9 受網
16 揺動選別装置 22 揺動移送板
29 後送ラック部 30 斜後送ラック部
31 案内板
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインやハ−ベスタ−などの収穫機に搭載する脱穀機の揺動選別装置に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、揺動選別装置の揺動移送棚上には、扱室からの漏下処理物が左右方向での一側に偏った状態で落下供給されることになるので、これを解消するために、従来では、揺動移送棚上での処理物を後方への揺動移送に伴って一側から他側に向けて案内する案内板を設けて対処するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−139183号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来のものでは、案内板による機能だけでは充分な分散効果が得られず、以後のふるい選別にバラツキが生じ、精度の高い選別効果が期待できない問題があった。
【0005】
本発明は、揺動移送棚上での処理物の分散効果を高め、グレンシ−ブ上でのふるい選別を効果的に行なわしめ、選別性能の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講じた。すなわち、請求項1記載の本発明は、前後方向に揺動し受け入れた処理物を後方に向けて揺動移送する揺動移送棚であって、左右方向の一方側は後方に向けてストレ−トに揺動移送する後送ラック部とし、他方側は一方側に寄せながら斜め後方に向けて揺動移送する斜後送ラック部とするよう構成してあることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項1にかかる構成によれば、揺動移送棚の他方側に設けられる斜後送ラック部によって、片側に偏った状態で落下供給される処理物を、その偏った一側から落下供給量の少ない他側に向かって積極的に強制送りすることになる。もって、移送棚の終端に至っては処理物が棚幅方向一杯にわたって満遍に分散されることになり、以後のふるい選別が良好に精度よく行われることになる。
【0008】
請求項2記載の本発明は、請求項1において、前記他方側の斜後送ラック部は、一方側の後送ラック部側が低くなるよう傾斜させた構成としてあることを特徴とする。
本発明の請求項2にかかる構成によれば、斜後送ラック部による送り方向側が低くなるよう下り傾斜になっているので、処理物の斜め後方への流れが更に良くなり、分散効果がより高められる。
【0009】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2において、前記揺動移送棚は、樹脂によって一体成形してあることを特徴とする。
本発明の請求項3にかかる構成によれば、特に、左右横方向に並行する後送ラック部と平面視で所定の角度に傾斜する斜後送ラック部を樹脂化することによって、加工工数のかかる板金構成に比べて成形加工が容易でありながら簡素化され安価に実施することができる。
【0010】
【発明の効果】
要するに、請求項1の本発明によれば、扱室からの漏下処理物が扱胴の回転によって一側に偏った状態で揺動移送棚上に落下供給されたものは、斜後送ラック部によって、その偏った一側から落下供給量の少ない他側に向かって積極的に強制送りされることになるので、移送棚の終端に至っては処理物が棚幅方向一杯にわたって満遍に分散されることになり、以後のふるい選別を良好に精度よく行え、選別性能の向上を図ることができる。
【0011】
また、請求項2の本発明によれば、斜後送ラック部は、この送り方向側が低くなるように下り傾斜になっているので、処理物の斜め後方への流れが停滞することなく更に良くなり、分散効果がより高められることになり、請求項1の発明効果に増して選別性能を向上できる。
【0012】
更に、請求項3の本発明によれば、前記請求項1又は請求項2の発明効果を奏するものでありながら、移送棚自体を樹脂化することによって、工数のかかる板金加工に比し、簡単且つ安価に実施することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1に示すコンバインの構成について述べる。
走行クロ−ラ1を具備する車体2上には、前部に昇降可能な刈取部3を、後部に脱穀機4を搭載している。刈取部3の横側部には運転部5が設置され、その後方にはグレンタンク6が装備されている。
【0014】
つぎに、脱穀機4の構成につき説明する。扱胴7を内装軸架した扱室8の下半周部に沿って受網9を張設している。10は扱室8の上方部を覆う扱胴カバ−であって、扱胴軸7a方向に平行な軸芯回りに揺動開閉可能に構成している。
扱室8の扱口側には穀稈を挟持搬送するフイ−ドチエン11とこの上側に対設する挟持レ−ル11aを配設している。この挟持レ−ル11aは扱胴カバ−10側に装着して該カバ−と共に揺動開閉する構成である。扱室8のフイ−ドチエン11側とは反対側一側には2番処理胴12を内装軸架した2番処理室13を並設している。また、前記2番処理胴12の後方にはこれと同一軸芯上において排塵処理胴14を内装軸架した排塵処理室15を構成して設けている。
【0015】
扱室8の下側には揺動可能に架設した揺動選別装置16を設け、更に、その下方には選別方向の上手側から順に、唐箕17と、1番移送螺旋18と、2番移送螺旋19と、その上方に吸引排塵フアン(横断流フアン)20を設けて選別室21を構成している。なお、1番揚穀装置18Aは1番移送螺旋18で回収された穀物を揚送してグレンタンク6内に収容する。また、2番揚穀装置19Aは2番移送螺旋19で回収された2番処理物を2番処理室13内へ還元する。
【0016】
そして、揺動選別装置16は、扱室からの脱穀処理後の処理物、つまり、被選別物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別する構成であり、選別方向上手側から移送棚22、チャフシ−ブ23、ストロ−ラック24の順に配置し、且つ、チャフシ−ブ23の下方にグレンシ−ブ25を配置して一体的に設け、前記唐箕17及び吸引排塵フアン20による選別風と揺動との共同作用によって扱室8から漏下してきた処理物の選別作用を行うように構成している。
【0017】
また、揺動選別装置16は、その後端部側において偏心駆動機構26によって揺動駆動されると共に、その前部側においてガイドレ−ル27とガイドロ−ラ28によって前後往復動状態で案内支持されるようになっている。
前記揺動移送棚22は、左右方向の一方側(左側)において処理物を後方に向けてストレ−トに揺動移送する左右横方向に並行な後送ラック部29と、他方側(右側)において一方側(左側)に寄せながら斜め後方に向けて揺動移送する平面視で所定角度に傾斜の斜後送ラック部30とからなる構成である。また、右側の斜後送ラック部30は、斜め送り方向側が低くなるように、つまり、右側が高く左側か低くなるよう上下方向に傾斜させ(図8参照)てあり、そして、この移送終端では隣接の後送ラク部29と同一水平面内となる(図9参照)よう構成している。このように後送ラック部29と斜後送ラック部30とからなる移送棚22を合成樹脂によって一体成形するようにすれば、板金製に比べ加工が容易で安価に実施することができる。
【0018】
なお、前記斜後送ラック部30上には、処理物を更に右側から左側斜め後方に向かって案内するよう案内板31,31を設けている。
前記移送棚22は、図7に示すように揺動選別ケ−ス16Aに対し着脱自在な構成としている。
【0019】
チャフシ−ブ23は、シ−ブ板32…を前後に所定間隔置きに並設してあると共に、揺動選別ケ−ス16Aに対し上端側の揺動支点周りで上下揺動自在に支持されている。そして、各シ−ブ板32…は処理物の重量の増大に伴って下方に揺動することでシ−ブ板同士の前後の開度を開き側に操作することになり、処理物の重量の減少に伴って、スプリング33によって上方に揺動してシ−ブ板同士の前後の開度を閉じ側に弾性付勢するようになっている。
【0020】
以上のように構成された脱穀機についてその作用を説明する。
まず、圃場の穀稈は、前進する機体の前部位置にある刈取部3によって刈取られ、上方に搬送されて、フィ−ドチエン11に受け継がれてのち脱穀機4に供給される。そして、穀稈は、株元をフィ−ドチエン11に挾持されて搬送されながら穂先部分が扱室8内に供給されて、回転している扱胴7により脱穀作用を受ける。このようにして処理された脱穀処理物は、回転している扱胴7によって持ち回りされて、更に、脱粒処理作用を受け、受網9から漏下して選別室21の揺動選別装置16に達し揺動選別作用を受ける。
【0021】
この場合、脱穀処理物は、移送棚22上を後送ラック部29と斜後送ラック部30を介して揺動移送されてチャフシ−ブ23に達し、チャフシ−ブ23を構成している複数枚のシ−ブ板32…相互の間にある選別間隔を漏下しながら風選作用を受ける。このとき、唐箕17は、起風した選別風を選別室21内に吹き込みながら選別し、吸引排塵フアン20による吸引作用によって選別される。
【0022】
このようにして、処理物は、揺動選別作用と選別風による風選作用との共同作用を受けながら選別されて、1番物(精粒)、2番物、排塵物とに選別分離され、1番物はグレンシ−ブ25にてふるい選別された後、1番移送螺旋18の受樋内に落下して収集されて機外に取り出され、2番物は2番移送螺旋19から2番揚穀装置19Aによって揚穀されて2番処理室13に還元され、そして、2番処理胴12によって2番処理作用を受け、排塵物は吸引排塵フアン20によって吸塵され機外に排出されると共に、ストロ−ラック24に達したワラ屑は棚先から機外に排出される。
【0023】
一方、選別室21に漏下せず扱室8に残留して持ち回られている未処理物は、排塵処理室15内に送り込まれ、排塵処理胴14による再処理を受け、選別室21の後部である排塵部分に落下して前述の各処理物と合流して選別処理されるものである。
【0024】
次に、別実施例である図10及び図11に示す実施例について説明する。
1番移送螺旋18上への1番棚34は、支点P1を回動支点として揺動する調節板35によって上下動する構成であり、ストロ−ラック24は、支点P2を回動中心として上下動するようになっている。また、シ−ブ板32は、支点P3周りで上下揺動自在であり、そして、ワイヤ−36を引張ってシ−ブ板32の開度を開き側に揺動操作すると、シ−ブ揺動ア−ム37、ロッド38a、調節板35、ロッド38b、ラック揺動ア−ム39を介して1番棚34及びストロ−ラック24が傾斜角大なる方向に上方回動するよう連動連結している。従って、かかる構成によれば、図11に示すように、シ−ブ板が最大開になった時には、1番棚とストロ−ラックが傾斜角大なる方向に上動するので、1番棚上での穀物の流下回収効果が促進され、ストロ−ラック上での処理物の漏下作用も促進され、3番ロスが大幅に減少されることになる。
【0025】
図12、図13において、かかる実施例では、揺動選別装置16の前後方向の往復揺動駆動構成を示すものであるが、前端側のガイドレ−ル27とガイドロ−ラ28との案内支持構造に対し、その後端側における偏心駆動機構26側においても前端側と同様のガイドレ−ル27aとガイドロ−ラ28aによって案内支持する構成としている。つまり、偏心駆動機構26のクランク軸26a後方にガイドレ−ル27aを設けると共に、このガイドレ−ル27a上をクランクア−ム26bの先端に支架させたガイドロ−ラ28aが滑走するように案内支持する構成である。ガイドレ−ル27aがクランク軸26aの後方にあることで、揺動選別装置の着脱が容易となる。また、図のように、ガイドレ−ル27aの延長線上にクランク軸を設定するようにすれば、揺動棚の振動を軽減することができる。
【0026】
図14、図15、図16に示す実施例においては、扱胴7の側部後方に設けた排塵処理胴14において、この処理胴14の軸14a端部を軸受保持する軸受メタル40を処理胴円筒内に配置した構成としている。これによって、処理胴端面を処理室後側板42に近接させて設けることができ、ベアリング41への塵埃浸入を防止することができる。また、この軸受メタル40は、プ−リ抜き具43の係止爪44が挿入係止する抜き穴45と係止部46を設けた構成としてあり、メンテナンス時には、その抜き具43を使用することによって軸受メタル40を簡単に抜き外すことができる。
【0027】
図17、図18に示す実施例は、扱室8の前側板48と中側板49との間における全長にわたって受網9を張設し、前側板48近くの滞留をなくし漏下選別効果を高めるように構成している。しかも、この受網9の前側板48近くには、つまり、扱胴7始端のテ−パ部7aに対応する受網9部には扱胴終端側に向けての送り方向に傾斜する寄せ板50を設けることにより、穀物の漏下を促進することができ、わら屑の後方への送りが良くなり、扱室内入口側でのわら屑の滞留を少なくすることができる。
【0028】
図19、図20に示す実施例において、脱穀機4の後部には脱穀済の排ワラを所定長さに切断処理する排ワラカッタ−51を装備している。排ワラカッタ−51の下方には切断ワラを圃場面に拡散処理する拡散軸52と拡散螺旋53からなる拡散装置54を配置している。揺動選別装置16のストロ−ラック24上方に横断流フアン20を、ストロ−ラック24の終端下方には、ストロ−ラック24の終端より排出されるワラ屑を吸引して圃場に拡散排出処理する横断流フアン55をそれぞれ設けている。そして、下方の横断流フアン55は、前記拡散装置54の拡散軸52よりも下方に配置した構成としている。従って、かか構成によれば、切断ワラの拡散処理を阻害することなく、ストロ−ラックからのワラ屑の拡散排出処理を良好に行なわせることができる。また、下方の横断流フアン55は上方の横断流フアン20よりも横幅方向に長くして、一側の排塵処理胴14の下方位置まで延出させた構成としてあり、排塵処理胴終端からの排塵処理物も受け入れて吸引排出処理するようになっている。
【0029】
また、図21に示すように、下方の横断流フアン55を前記拡散装置54の拡散軸52よりも上方に配置し、ストロ−ラック終端からの吸引したワラ屑を拡散螺旋53上に流し込んで、前記排ワラカッタ−51からの切断ワラと一緒に拡散処理するように構成することもできる。これによれば、ワラ屑と切断ワラとの拡散処理が良好に行われる。
【0030】
更に、上記下方の横断流フアン55の回転速度を、上方の横断流フアン20よりも高速に構成しておくと、吸引力アップによりワラ屑の排出処理と拡散処理効果をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図
【図2】脱穀機の切断側面図
【図3】同上要部の正面図
【図4】同上要部の平面図
【図5】揺動選別装置の側面図
【図6】同上平面図
【図7】移送棚を取り外した状態を示す揺動選別装置の平面図
【図8】図7のS1−S1断面図
【図9】図7のS2−S2断面図
【図10】揺動選別装置の側面図
【図11】グラフ
【図12】脱穀機の要部の側面図
【図13】同上要部の背面図
【図14】排塵処理胴要部の側面図
【図15】同上要部の側断面図
【図16】同上要部の背面図
【図17】脱穀機要部の切断側面図
【図18】受網の展開平面図
【図19】脱穀機要部の側断面図
【図20】同上要部の平面図
【図21】脱穀機要部の側断面図
【符号の説明】
4 脱穀機 7 扱胴
8 扱室 9 受網
16 揺動選別装置 22 揺動移送板
29 後送ラック部 30 斜後送ラック部
31 案内板
Claims (3)
- 前後方向に揺動し受け入れた処理物を後方に向けて揺動移送する揺動移送棚であって、左右方向の一方側は後方に向けてストレ−トに揺動移送する後送ラック部とし、他方側は一方側に寄せながら斜め後方に向けて揺動移送する斜後送ラック部とするよう構成してあることを特徴とする脱穀機の揺動選別装置。
- 前記他方側の斜後送ラック部は、一方側の後送ラック部側が低くなるよう傾斜させた構成としてあることを特徴とする請求項1記載の脱穀機の揺動選別装置。
- 前記揺動移送棚は、樹脂によって一体成形してあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の脱穀機の揺動選別装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003160808A JP2004357609A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 脱穀機の揺動選別装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003160808A JP2004357609A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 脱穀機の揺動選別装置 |
Publications (1)
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JP2004357609A true JP2004357609A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34053484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003160808A Pending JP2004357609A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 脱穀機の揺動選別装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004357609A (ja) |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003160808A patent/JP2004357609A/ja active Pending
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