JP2004357346A - 双方向コンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】有極性コイルの磁気飽和領域を積極的に活用することにより、所定電流方向に対して電力エネルギーを蓄積し、逆電流方向に対して電力エネルギーの蓄積がないチョークコイルを備えた双方向コンバータを提供すること。
【解決手段】トランスT1の2次巻線と電力供給を受ける直流電圧源E1、E2との間には、有極性コイルL1、L2を備えてLCフィルタ1、2、1が備えられる。有極性コイルL1、L2の極性は電力供給方向に電流が流れる場合に、所定インダクタンス値を有して接続されチョークコイルとしての機能を奏することができる。逆方向電流では磁心が磁気飽和し、インダクタンス値が僅少となってもはやコイルとしては機能せず導線として結線される。コイルに蓄積される電力エネルギー量は小さく、エネルギー吸収用に追加コンデンサを備える必要はない。
【選択図】 図1
【解決手段】トランスT1の2次巻線と電力供給を受ける直流電圧源E1、E2との間には、有極性コイルL1、L2を備えてLCフィルタ1、2、1が備えられる。有極性コイルL1、L2の極性は電力供給方向に電流が流れる場合に、所定インダクタンス値を有して接続されチョークコイルとしての機能を奏することができる。逆方向電流では磁心が磁気飽和し、インダクタンス値が僅少となってもはやコイルとしては機能せず導線として結線される。コイルに蓄積される電力エネルギー量は小さく、エネルギー吸収用に追加コンデンサを備える必要はない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧値の異なる直流電圧源間で、一方の電圧源から他方の電圧源への電力供給を、何れの方向に対しても行うことが可能な双方向コンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1等に開示されている従来技術における双方向コンバータを図5に示す。直流電圧源E1から直流電圧源E2への電力供給(供給A)と、直流電圧源E2から直流電圧源E1への電力供給(供給B)とを可能とする構成である。
【0003】
供給Aに示す電力供給は直流電圧源の電圧値がE1>E2の場合に行なわれる。フルブリッジ構成のトランジスタS1乃至S4をスイッチング制御すると共に、トランジスタS5、S6のボディダイオードを整流ダイオードとして使用することにより、トランスT1を介して電力エネルギーが直流電圧源E2に供給される。直流電圧源E2の前段にはトランジスタS1乃至S4のスイッチングに伴い供給される電力エネルギーの変動を平滑するためにLCフィルタ200が備えられている。
【0004】
供給Bに示す電力供給は直流電圧源の電圧値がE2>E1の場合に行なわれる。ハーフブリッジ構成のトランジスタS5、S6をスイッチング制御すると共に、トランジスタS1乃至S4のボディダイオードを整流ダイオードとして使用することにより、トランスT1を介して電力エネルギーが直流電圧源E1に供給される。直流電圧源E1の前段にはトランジスタS5、S6のスイッチングに伴い供給される電力エネルギーの変動を平滑するためにLCフィルタ100が備えられている。
【0005】
LCフィルタ100、200は、スイッチング制御に伴い供給される電力エネルギーをチョークコイルL100、L200に蓄積した上でコンデンサC1、C2を介して直流電圧源E1、E2に供給する効果を有している。チョークコイルL100、L200のB−H特性を図6に示す。コイル巻線に流れる電流Iにより誘起される磁界Hに応じて、磁束密度Bが発生することにより電力エネルギーが蓄積される。磁束密度Bの動作許容幅Δbに対して最大電流Ifmを流すことができる。
【0006】
一方、特許文献2に開示されている線輪部品では、大きな電力エネルギーを蓄積するため、またコンパクトなサイズで効率よく電力エネルギーを蓄積するために、磁心に対して所定方向に流れる電流によって形成される磁界Hの方向とは逆方向に、永久磁石によって予めΔHの磁界のバイアスがかけられている。所定方向に流れる電流によって磁気飽和が発生しない範囲内で磁束密度Bの動作許容幅を拡大することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−37226号公報
【特許文献2】
特開2002−136128号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されている双方向コンバータでは、各々の電力供給方向A、Bに対してLCフィルタ100、200が備えられており、チョークコイルL100、L200には各々の電力供給の際に流れる電流Iにより電力エネルギーが蓄積される。しかしながら、チョークコイルL100、L200におけるB−H特性には電流方向による依存性はないため、電力供給方向である最大電流Ifmに対して磁束密度Bの動作許容幅Δbを有すると同様に、反対方向にも最大電流−Ibmに対して動作許容幅−Δbを有している。すなわち、LCフィルタとして使用されない電流方向に対しても電力エネルギーが蓄積されてしまい、このエネルギーを吸収するための追加コンデンサが必要となる。
【0009】
具体的には、直流電圧源E1からE2に電力供給する際に、チョークコイルL100に蓄積される電力エネルギーの吸収用として追加コンデンサC100が必要となる。また、直流電圧源E2からE1に電力供給する際に、チョークコイルL200に蓄積される電力エネルギーの吸収用として追加コンデンサC200が必要となる。
【0010】
双方向コンバータを構成する際、追加コンデンサC100、C200を新たに備える必要があり、実装面積の増大と共に、実装部品の追加や実装工程の追加に伴うコスト上昇を招来し問題である。
【0011】
尚、特許文献2に開示されている線輪部品は、所定方向に流れる電流によって磁気飽和が発生しない範囲内で磁束密度Bの動作許容幅を拡大することにより、所定インダクタンス値を有する所定方向の許容電流を拡大する技術であり、逆方向の電流に対するB−H特性に関しては何ら開示されておらず、逆方向に電流を流すことに関しては何ら考慮されていない。
【0012】
本発明は前記従来技術の課題を解消するためになされたものであり、B−H特性が電流方向間で大きく異なる有極性コイルをチョークコイルとして使用する際、有極性コイルの磁気飽和領域を積極的に活用することにより、所定方向の電流に対して電力エネルギーを蓄積すると共に、逆方向の電流に対して電力エネルギーの蓄積がなく追加コンデンサが不要な双方向コンバータを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る双方向コンバータは、第1電圧源と第2電圧源との間で、相互に電力供給が可能であって、第1電圧源と第2電圧源とを接続する電流経路内の、第1電圧源の前段、または第2電圧源の前段のうち、少なくとも何れか一方に配置され、第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向に対して所定インダクタンス値を維持すると共に、第1および第2電圧源が電力供給する際の電流方向に対してインダクタンス値が僅少となる有極性コイルを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1の双方向コンバータでは、有極性コイルは、有極性コイルが備えられている電圧源に対して電力供給される際の電流方向に対しては、所定インダクタンス値を維持してチョークコイルとして機能するところ、この電圧源が電力供給する際の電流方向に対しては、インダクタンス値が僅少となってインダクタ素子としての機能を有さない。
【0015】
ここで、双方向コンバータにおいては、第2電圧源から第1電圧源への電力供給を行う際に電流経路をスイッチングする第1スイッチング部を備えており、第1電圧源から第2電圧源への電力供給を行う際に電流経路をスイッチングする第2スイッチング部とを備えている。有極性コイルは、第1スイッチング部と第1電圧源との間、または第2スイッチング部と第2電圧源との間のうち、少なくとも何れか一方に配置されて有効である。また、第1および第2スイッチング部からの出力電流を整流するために第1および第2整流部を備えており、有極性コイルは、第1整流部と第1電圧源との間、または第2整流部と第2電圧源との間のうち、少なくとも何れか一方に配置されることが好ましい。
【0016】
また、請求項4に係る双方向コンバータは、請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータにおいて、有極性コイルから、電力供給される第1、第2電圧源に至る電流経路と基準電圧との間に、コンデンサを備え、第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向において、有極性コイルとコンデンサとにより、LCフィルタを構成することを特徴とする。
【0017】
請求項4の双方向コンバータでは、有極性コイルは、コンデンサと共にLCフィルタを構成する。第1、第2電圧源が電力供給される際には、有極性コイルに蓄積される電力エネルギーをコンデンサが吸収するLCフィルタとして機能するところ、第1、第2電圧源が電力供給する際には、インダクタンス値が僅少となって有極性コイルに蓄積される電力エネルギーは僅少となる。
【0018】
これにより、有極性コイルは、チョークコイルまたはLCフィルタとして機能すべき電力供給方向に対しては所定インダクタンス値を有してチョークコイルとして機能すると共に、反対の電力供給方向に対してはインダクタ素子として機能しないため、電力エネルギーの不要な蓄積はない。双方向コンバータを構成する際、有極性コイルを、第1電圧源の前段、または第2電圧源の前段の少なくとも何れか一方に備えることにより、チョークコイルまたはLCフィルタとして機能する電力供給方向とは反対方向において、電力エネルギー吸収用のコンデンサ等の回路素子を追加する必要はなく、双方向コンバータの回路構成において冗長な回路構成となることはない。双方向コンバータの実装面積の増大、実装部品の追加や実装工程の追加に伴うコスト上昇を招来することはなく好都合である。
【0019】
ここで、第1電圧源と第2電圧源とは、異なる電圧値であっても同じ電圧値であってもよい。何れの場合にも双方向コンバータを介して相互に電力供給は可能である。
また、第1、第2電圧源への電力供給方向に備えられる、チョークコイルまたはLCフィルタとして機能するコイルの双方に対して有極性コイルとする必要はない。供給すべき電力量や電圧源の容量によって、は何れか一方のみを有極性コイルとしてもよい。
【0020】
また、請求項5に係る双方向コンバータは、請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータにおいて、有極性コイルは、第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向において、少なくとも電力供給における定格電流の範囲で、磁心のB−H特性内で動作し所定インダクタンス値を維持することを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に係る双方向コンバータは、請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータにおいて、有極性コイルは、第1、第2電圧源が電力供給する際の電流方向において、少なくとも電力供給における定格電流の範囲で、磁心が磁気飽和してインダクタンス値が僅少となることを特徴とする。
【0022】
これにより、電力供給される際の電流方向においては、定格電流の範囲を含んで磁心のB−H特性が設定されるので、電力供給において所定インダクタンス値が維持される。また、電力供給する際の電流方向においては、定格電流の範囲を含んで磁心が磁気飽和する設定とされるので、電力供給においてインダクタンス値が僅少となる。
【0023】
ここで、有極性コイルは、第1電圧源と第2電圧源とを接続する電流経路内の、第1電圧源の前段および第2電圧源の前段、の各々に配置されることが好ましい。これにより、何れの電力供給方向に対しても有極性コイルは、電力供給される電流方向において所定インダクタンス値に維持され、電力供給する電流方向においてインダクタンス値を僅少とすることができる。
【0024】
本発明では、所定方向に流れる電流によって磁気飽和が発生しない磁束密度Bの動作許容幅を拡大して、所定インダクタンス値を有する所定方向の許容電流を拡大することを意図した特許文献2の技術において、磁束密度Bの動作許容幅が圧縮された逆方向特性に着目し、特許文献2においては何ら示唆されていない、逆方向の電流方向における磁気飽和特性を積極的に活用するという着想を得た。回路特性上、通常では使用されることのないB−H特性における磁気飽和領域を積極的に活用することにより、磁気飽和領域においてはインダクタンス値が僅少となってしまいコイルとしては使用できないという特性限界を逆に有効活用するという新たな発想である。これにより、所定電流方向において所定のインダクタンス値を維持し反対の電流方向ではインダクタンス値が僅少となる有極性コイルを得て双方向コンバータを、追加部品を必要とせずに実現することを可能とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の双方向コンバータについて具体化した実施形態を図1乃至図4に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態を示す双方向コンバータの回路図である。直流電圧源E1から直流電圧源E2に電力供給を行う供給AとしてトランジスタS1乃至S4によりフルブリッジ構成のスイッチング回路が構成されている。トランジスタS1およびS4、またはトランジスタS2およびS3を対として、図示しない制御部により交互に導通制御が行われることにより、トランスT1の1次巻線に印加される電圧を交互に切り替えて電力が供給される。トランスT1の2次巻線は、巻線中央部にタップが設けられており、中央タップと各々の巻線端部とが、トランジスタS5、S6を介して直流電圧源E2に接続されている。この場合、トランジスタS5、S6は、例えばMOSトランジスタであり、ボディダイオードを有している。1次巻線への印加電圧の方向に応じてボディダイオードにより整流された上で直流電圧源E2に電力供給が行われる。
【0027】
直流電圧源E2から直流電圧源E1に電力供給を行う供給BとしてトランジスタS5、S6によりハーフブリッジ構成のスイッチング回路が構成されている。トランジスタS5、S6は、図示しない制御部により交互に導通制御が行われることにより、中央タップを有するトランスT1の1次巻線に印加される電圧を交互に切り替えて電力が供給される。トランスT1の2次巻線にはトランジスタS1乃至S4が接続されているが、これらのトランジスタは、例えばMOSトランジスタであり、ボディダイオードを有している。1次巻線への印加電圧の方向に応じてボディダイオードにより整流された上で直流電圧源E1に電力供給が行われる。
【0028】
ここで、トランスT1の2次巻線と、電力供給を受ける直流電圧源E2、E1との間には、供給される電力エネルギーの蓄積と出力電圧の平滑のためにLCフィルタ2、1が備えられることが一般的である。
【0029】
図1に示す実施形態の双方向コンバータでは、従来技術の双方向コンバータ(図5)におけるLCフィルタ100、200に代えて、LCフィルタ1、2が備えられる。更に、従来技術において備えられている追加コンデンサC100、C200は不要である。
【0030】
LCフィルタ1、2は、LCフィルタ100、200におけるチョークコイルL100、L200に代えて、有極性コイルL1、L2を備える構成である。有極性コイルL1、L2の極性は、LCフィルタ1、2によるフィルタ効果を奏すべき電力供給方向に電流が流れる場合に所定インダクタンス値を有するように接続されている。
【0031】
具体的には、LCフィルタ1は、直流電圧源E2から直流電圧源E1に向けて電力供給される際にフィルタ効果を奏するべき回路である。従って、トランスT1から直流電圧源E1に向けて電流が流れる場合に所定インダクタンス値を有して有極性コイルL1が接続される。また、LCフィルタ2は、直流電圧源E1から直流電圧源E2に向けて電力供給される際にフィルタ効果を奏するべき回路である。従って、トランスT1から直流電圧源E2に向けて電流が流れる場合に所定インダクタンス値を有して有極性コイルL2が接続される。
【0032】
図1に示す有極性コイル1、2における黒点表示は、この黒点のある端部から電流が流入する場合に所定インダクタンス値を有することを示す。以下の説明では、黒点表示のある端部から流入する電流を順方向電流(IF)、黒点表示のない端部から流入する電流を逆方向電流(IB)とする。
【0033】
ここで、図2により有極性コイルにおける電流方向に応じた、B−H特性およびインダクタンス特性を説明する。
【0034】
有極性コイルの磁心におけるB−H特性において、ポイントP0は電流通電のない状態でのB−H特性である。磁心内に永久磁石を備えることにより、コイル巻線への通電がない場合でも残留磁界ΔHが形成される。このため、有極性コイルにおけるB−H特性は、巻線への電流がない場合でも磁界Hがゼロの位置ではなく、残留磁界ΔHの磁界バイアスが印加されたポイントP0の位置にある。図2ではポイントP0はB−H特性の第3象限にある。
【0035】
正方向に磁界Hを形成する巻線電流の方向に対しては、磁束密度Bの動作許容幅がΔBFとして拡大される。この巻線方向に流れる電流が順方向電流(IF)である。動作許容幅ΔBFに対して最大順方向電流IFmまで許容される。動作許容幅ΔBF内での通電動作すなわち最大順方向電流IFm内での順方向電流(IF)であれば磁心が磁気飽和することはない。有極性コイルは、所定のインダクタンス値が維持されてチョークコイルとしての機能を奏することができる。
【0036】
これに対して、負方向の磁界Hに対しては、磁気飽和するまでの磁束密度Bの動作許容幅はΔBBと小さい許容幅を有するのみである。従って、小さな逆方向電流(IB)で磁心が磁気飽和することとなり、以後、最大逆方向電流−IBmに至るまでの電流領域においては磁心は磁気飽和した状態を維持する。最大逆方向電流−IBm内での逆方向電流(IB)のうち小電流領域を除いた電流領域で磁心が磁気飽和する。有極性コイルは、インダクタンス値が僅少となってもはやコイルとしては機能せず導線として結線されているに過ぎない。
【0037】
尚、逆方向電流(IB)のうち小電流領域では、所定のインダクタンス値を有することとなるが、流れる電流値が小さいためコイルに蓄積される電力エネルギーも小さなものに留まる。従って、特にエネルギー吸収用の追加コンデンサを備える必要はない。また、仮に備える必要がある場合においても小さな容量値で十分に電力エネルギーの吸収を行うことができ、追加コンデンサによる実装面積の追加は問題にならない。
【0038】
逆方向電流(IB)において、B−H特性に有限の動作許容幅ΔBBを有し所定のインダクタンス値を有していても、動作許容幅ΔBB内の電流領域は小電流領域でありこの範囲で蓄積される電力エネルギーは僅少であるため、大容量の追加コンデンサを備える必要はない。残留磁界ΔHを更に大きくし、ポイントP0を負の磁界方向に更にシフトしてやれば、インダクタンス値を有する逆方向電流(IB)の電流領域を更に小電流領域に限定することができる。ポイントP0を負の磁界方向での磁気飽和点に一致させれば、逆方向電流(IB)においてインダクタンス値を有しない特性とすることができる。
【0039】
図3は、図1の双方向コンバータにおける電力供給動作のうち、供給Aについての動作を説明する動作波形である。
【0040】
トランジスタS1およびS4と、トランジスタS2およびS3とは、交互に導通制御される。ゲート電圧VS2およびVS3がローレベルに維持されトランジスタS2およびS3が非導通に維持されながら、ゲート電圧VS1およびVS4がハイレベルとなりトランジスタS1およびS4が導通すると、チョークコイルL1を介してトランスT1の1次巻線に直流電圧源E1が印加される。チョークコイルL1には逆方向電流が流れるためインダクタンス値は僅少となり、1次巻線のインダクタンス値に応じた傾きで1次電流It(=IL1)が増加することとなる。この間、トランスT1の2次巻線に誘起される起電力により、トランジスタS5のボディダイオードを介して直流電圧源E2に電流供給が行われる。
【0041】
次に、ゲート電圧VS1およびVS4がローレベルとなり、トランジスタS1およびS4が非導通となる。トランジスタS2およびS3は非導通に維持されているので全てのトランジスタS1乃至S4が非導通となって、1次電流Itの電流経路は遮断される。トランスT1の1次巻線に蓄積されているエネルギーは図示しないリセット回路により回生される。
【0042】
ここで、チョークコイルL1のインダクタンス値は僅少であるため、電流IL1によるエネルギーの蓄積はない。従って、トランジスタS1およびS4の非導通と同時に電流IL1は遮断される。
【0043】
図3には、参考までに従来技術(図5)においてチョークコイルL100に流れる電流IL100を示している。インダクタンス値に電流方向依存性を有しない通常のチョークコイルL100を使用しているため、電流IL1に対してもエネルギーの蓄積がされる。従って、トランジスタS1およびS4の非導通に応じて追加コンデンサC100との間で共振現象を生ずる。
【0044】
次サイクルでは、ゲート電圧VS1およびVS4がローレベルに維持されトランジスタS1およびS4が非導通に維持されながら、ゲート電圧VS2およびVS3がハイレベルとなりトランジスタS2およびS3が導通する。トランスT1の1次巻線への直流電圧源E1の印加方向が反転する以外は前サイクルと同様である。ここで、チョークコイルL1に流れる電流は前サイクルと同方向に増加する。トランジスタS1乃至S4の前段に配置されているためである。前サイクルと同様にチョークコイルL1には逆方向電流が流れインダクタンス値は僅少であるため1次巻線のインダクタンス値に応じた傾きで1次電流It(=IL1)が増加していく。この間、トランスT1の2次巻線に誘起される起電力により、トランジスタS6のボディダイオードを介して直流電圧源E2に電流供給が行われる。
【0045】
次に、ゲート電圧VS2およびVS3がローレベルとなり、トランジスタS2およびS3が非導通となる。前サイクルと同様に全てのトランジスタS1乃至S4が非導通となって1次電流It(=IL1)の電流経路は遮断される。
【0046】
前サイクルと同様に、チョークコイルL1のインダクタンス値は僅少であるため、電流IL1によるエネルギーの蓄積はなく、トランジスタS2およびS3の非導通と同時に電流IL1は遮断される。これに対して従来技術(図5)における電流IL100では、トランジスタS2およびS3の非導通に応じて追加コンデンサC100との間で共振現象を生ずる。
【0047】
尚、供給Bの動作波形は図示されていないが、ゲート電圧VS1およびVS4、ゲート電圧VS2およびVS3に代えてゲート電圧VS5、VS6とし、トランジスタS5、S6を交互に導通制御してやれば同様の動作を奏することは言うまでもない。
【0048】
この場合、トランジスタS5の導通期間には、トランジスタS1およびS4のボディダイオードを介して直流電圧源E1に電流供給が行われ、トランジスタS6の導通期間には、トランジスタS2およびS3のボディダイオードを介して直流電圧源E1に電流供給が行われる。
【0049】
この場合、チョークコイルL2に流れる電流は逆方向電流でありチョークコイルL2のインダクタンス値は僅少である。電流IL1と同様にトランジスタS5、S6の非導通と同時に電流は遮断される。
【0050】
本発明を適用できる双方向コンバータは、図1に示す回路構成に留まるものではなく、各電力供給方向にそれぞれチョークコイルまたはLCフィルタを備える構成であれば、コンバータの回路構成によらず適用可能であることは言うまでもない。
【0051】
例えば、図4に示す双方向コンバータは、特開2001−128369号公報に開示されている回路例である。高圧用電圧源E11から低圧用電圧源E12への降圧コンバータは、トランジスタS11のスイッチング制御に応じて供給される電力がインダクタL11に蓄積される。トランジスタS11の非導通時にはトランジスタS12のボディダイオードを介して電流が供給されることにより電圧源E12に電力供給が行われる。
【0052】
低圧用電圧源E12から高圧用電圧源E12への昇圧コンバータは、トランジスタS12のスイッチング制御に応じてインダクタL11にエネルギーが蓄積される。トランジスタS12の非導通時にはトランジスタS11のボディダイオードを介して電圧源E11への電力供給が行われる。
【0053】
各々の電圧源E11、E12へは、LCフィルタ1A、2Aが備えられる場合がある。この場合、LCフィルタ1A、2Aを構成するチョークコイルを有極性コイルで構成してやれば、逆方向電流に対してチョークコイルへのエネルギー蓄積はなく追加コンデンサを備える必要はない。
【0054】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、直流電圧源E1、E2は互いに異なる電圧値を有する電圧源であることを前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、直流電圧源E1、E2が同じ電圧値である場合も双方向コンバータを介して相互に電力供給する構成は可能である。その際、LCフィルタに使用されるコイルを有極性コイルとすることにより得られる作用・効果は実施形態の場合と同様である。
また、本実施形態では、電力供給の各々の方向に備えられるLCフィルタ1および2、1Aおよび2Aに使用されるコイルは、何れも有極性コイルL1、L2であるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、供給すべき電力量や電圧源の容量等によっては、何れか一方向に対してのみ有極性コイルを使用することも考えられる。
また、本実施形態では、LCフィルタ1、1A、2、2Aに備えられるコイルを有極性コイルL1、L2とすることにより、従来技術において必要とされていた追加コンデンサC100、C200を不要とすることができることを説明した。しかしながら、追加コンデンサC100、C200に代えて同位置に新たにコンデンサを配置することが好ましい場合も考えられる。有極性コイルの逆方向特性において有限のインダクタンスが残存する場合もあり(図2、参照)、逆方向電流に対する電力エネルギーの吸収用としてコンデンサが必要となることも考えられ、またノイズ防止等の要請からコンデンサを必要とする場合等も考えられるからである。但し、これらの場合にも本発明の有極性コイルを使用してやれば、新たに配置されるコンデンサは、従来技術における追加コンデンサC100、C200に比して必要な容量値は小さなものとなり、体格も小さなものとすることができる。本発明の適用により、従来技術において必要とされていた追加コンデンサによる実装面積を低減することができる。
また、有極性コイルをLCフィルタの構成素子として使用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、チョークコイル単独で使用する場合、またはその他の回路素子との組合せにおいて使用する場合に適用できることは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、従来技術においては何ら示唆されておらず通常では使用されることのないB−H特性における磁気飽和領域を積極的に活用することにより、磁気飽和領域においてはインダクタンス値が僅少となってしまいコイルとしては使用できないという特性限界を逆に有効活用するという新たな発想を得て、所定電流方向において所定のインダクタンス値を維持すると共に反対の電流方向ではインダクタンス値が僅少となりコイルとしては機能しない有極性コイルをチョークコイルまたはLCフィルタとして双方向コンバータに備えることにより、追加部品を必要とせず、実装面積や実装コストが圧縮された双方向コンバータを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における双方向コンバータの回路図である。
【図2】実施形態に使用する有極性コイルの特性を示す図である。
【図3】実施形態の双方向コンバータの動作波形図である。
【図4】他の双方向コンバータの回路図である。
【図5】従来技術の双方向コンバータの回路図である。
【図6】従来技術に使用するチョークコイルの特性を示す図である。
【符号の説明】
1、2、100、200 LCフィルタ
C100、C200 追加コンデンサ
E1、E11、E2、E12 直流電圧源
L1、L2 有極性コイル
L100、L200 チョークコイル
S1乃至S4、S5、S6 トランジスタ
T1 トランス
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧値の異なる直流電圧源間で、一方の電圧源から他方の電圧源への電力供給を、何れの方向に対しても行うことが可能な双方向コンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1等に開示されている従来技術における双方向コンバータを図5に示す。直流電圧源E1から直流電圧源E2への電力供給(供給A)と、直流電圧源E2から直流電圧源E1への電力供給(供給B)とを可能とする構成である。
【0003】
供給Aに示す電力供給は直流電圧源の電圧値がE1>E2の場合に行なわれる。フルブリッジ構成のトランジスタS1乃至S4をスイッチング制御すると共に、トランジスタS5、S6のボディダイオードを整流ダイオードとして使用することにより、トランスT1を介して電力エネルギーが直流電圧源E2に供給される。直流電圧源E2の前段にはトランジスタS1乃至S4のスイッチングに伴い供給される電力エネルギーの変動を平滑するためにLCフィルタ200が備えられている。
【0004】
供給Bに示す電力供給は直流電圧源の電圧値がE2>E1の場合に行なわれる。ハーフブリッジ構成のトランジスタS5、S6をスイッチング制御すると共に、トランジスタS1乃至S4のボディダイオードを整流ダイオードとして使用することにより、トランスT1を介して電力エネルギーが直流電圧源E1に供給される。直流電圧源E1の前段にはトランジスタS5、S6のスイッチングに伴い供給される電力エネルギーの変動を平滑するためにLCフィルタ100が備えられている。
【0005】
LCフィルタ100、200は、スイッチング制御に伴い供給される電力エネルギーをチョークコイルL100、L200に蓄積した上でコンデンサC1、C2を介して直流電圧源E1、E2に供給する効果を有している。チョークコイルL100、L200のB−H特性を図6に示す。コイル巻線に流れる電流Iにより誘起される磁界Hに応じて、磁束密度Bが発生することにより電力エネルギーが蓄積される。磁束密度Bの動作許容幅Δbに対して最大電流Ifmを流すことができる。
【0006】
一方、特許文献2に開示されている線輪部品では、大きな電力エネルギーを蓄積するため、またコンパクトなサイズで効率よく電力エネルギーを蓄積するために、磁心に対して所定方向に流れる電流によって形成される磁界Hの方向とは逆方向に、永久磁石によって予めΔHの磁界のバイアスがかけられている。所定方向に流れる電流によって磁気飽和が発生しない範囲内で磁束密度Bの動作許容幅を拡大することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−37226号公報
【特許文献2】
特開2002−136128号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されている双方向コンバータでは、各々の電力供給方向A、Bに対してLCフィルタ100、200が備えられており、チョークコイルL100、L200には各々の電力供給の際に流れる電流Iにより電力エネルギーが蓄積される。しかしながら、チョークコイルL100、L200におけるB−H特性には電流方向による依存性はないため、電力供給方向である最大電流Ifmに対して磁束密度Bの動作許容幅Δbを有すると同様に、反対方向にも最大電流−Ibmに対して動作許容幅−Δbを有している。すなわち、LCフィルタとして使用されない電流方向に対しても電力エネルギーが蓄積されてしまい、このエネルギーを吸収するための追加コンデンサが必要となる。
【0009】
具体的には、直流電圧源E1からE2に電力供給する際に、チョークコイルL100に蓄積される電力エネルギーの吸収用として追加コンデンサC100が必要となる。また、直流電圧源E2からE1に電力供給する際に、チョークコイルL200に蓄積される電力エネルギーの吸収用として追加コンデンサC200が必要となる。
【0010】
双方向コンバータを構成する際、追加コンデンサC100、C200を新たに備える必要があり、実装面積の増大と共に、実装部品の追加や実装工程の追加に伴うコスト上昇を招来し問題である。
【0011】
尚、特許文献2に開示されている線輪部品は、所定方向に流れる電流によって磁気飽和が発生しない範囲内で磁束密度Bの動作許容幅を拡大することにより、所定インダクタンス値を有する所定方向の許容電流を拡大する技術であり、逆方向の電流に対するB−H特性に関しては何ら開示されておらず、逆方向に電流を流すことに関しては何ら考慮されていない。
【0012】
本発明は前記従来技術の課題を解消するためになされたものであり、B−H特性が電流方向間で大きく異なる有極性コイルをチョークコイルとして使用する際、有極性コイルの磁気飽和領域を積極的に活用することにより、所定方向の電流に対して電力エネルギーを蓄積すると共に、逆方向の電流に対して電力エネルギーの蓄積がなく追加コンデンサが不要な双方向コンバータを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係る双方向コンバータは、第1電圧源と第2電圧源との間で、相互に電力供給が可能であって、第1電圧源と第2電圧源とを接続する電流経路内の、第1電圧源の前段、または第2電圧源の前段のうち、少なくとも何れか一方に配置され、第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向に対して所定インダクタンス値を維持すると共に、第1および第2電圧源が電力供給する際の電流方向に対してインダクタンス値が僅少となる有極性コイルを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1の双方向コンバータでは、有極性コイルは、有極性コイルが備えられている電圧源に対して電力供給される際の電流方向に対しては、所定インダクタンス値を維持してチョークコイルとして機能するところ、この電圧源が電力供給する際の電流方向に対しては、インダクタンス値が僅少となってインダクタ素子としての機能を有さない。
【0015】
ここで、双方向コンバータにおいては、第2電圧源から第1電圧源への電力供給を行う際に電流経路をスイッチングする第1スイッチング部を備えており、第1電圧源から第2電圧源への電力供給を行う際に電流経路をスイッチングする第2スイッチング部とを備えている。有極性コイルは、第1スイッチング部と第1電圧源との間、または第2スイッチング部と第2電圧源との間のうち、少なくとも何れか一方に配置されて有効である。また、第1および第2スイッチング部からの出力電流を整流するために第1および第2整流部を備えており、有極性コイルは、第1整流部と第1電圧源との間、または第2整流部と第2電圧源との間のうち、少なくとも何れか一方に配置されることが好ましい。
【0016】
また、請求項4に係る双方向コンバータは、請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータにおいて、有極性コイルから、電力供給される第1、第2電圧源に至る電流経路と基準電圧との間に、コンデンサを備え、第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向において、有極性コイルとコンデンサとにより、LCフィルタを構成することを特徴とする。
【0017】
請求項4の双方向コンバータでは、有極性コイルは、コンデンサと共にLCフィルタを構成する。第1、第2電圧源が電力供給される際には、有極性コイルに蓄積される電力エネルギーをコンデンサが吸収するLCフィルタとして機能するところ、第1、第2電圧源が電力供給する際には、インダクタンス値が僅少となって有極性コイルに蓄積される電力エネルギーは僅少となる。
【0018】
これにより、有極性コイルは、チョークコイルまたはLCフィルタとして機能すべき電力供給方向に対しては所定インダクタンス値を有してチョークコイルとして機能すると共に、反対の電力供給方向に対してはインダクタ素子として機能しないため、電力エネルギーの不要な蓄積はない。双方向コンバータを構成する際、有極性コイルを、第1電圧源の前段、または第2電圧源の前段の少なくとも何れか一方に備えることにより、チョークコイルまたはLCフィルタとして機能する電力供給方向とは反対方向において、電力エネルギー吸収用のコンデンサ等の回路素子を追加する必要はなく、双方向コンバータの回路構成において冗長な回路構成となることはない。双方向コンバータの実装面積の増大、実装部品の追加や実装工程の追加に伴うコスト上昇を招来することはなく好都合である。
【0019】
ここで、第1電圧源と第2電圧源とは、異なる電圧値であっても同じ電圧値であってもよい。何れの場合にも双方向コンバータを介して相互に電力供給は可能である。
また、第1、第2電圧源への電力供給方向に備えられる、チョークコイルまたはLCフィルタとして機能するコイルの双方に対して有極性コイルとする必要はない。供給すべき電力量や電圧源の容量によって、は何れか一方のみを有極性コイルとしてもよい。
【0020】
また、請求項5に係る双方向コンバータは、請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータにおいて、有極性コイルは、第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向において、少なくとも電力供給における定格電流の範囲で、磁心のB−H特性内で動作し所定インダクタンス値を維持することを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に係る双方向コンバータは、請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータにおいて、有極性コイルは、第1、第2電圧源が電力供給する際の電流方向において、少なくとも電力供給における定格電流の範囲で、磁心が磁気飽和してインダクタンス値が僅少となることを特徴とする。
【0022】
これにより、電力供給される際の電流方向においては、定格電流の範囲を含んで磁心のB−H特性が設定されるので、電力供給において所定インダクタンス値が維持される。また、電力供給する際の電流方向においては、定格電流の範囲を含んで磁心が磁気飽和する設定とされるので、電力供給においてインダクタンス値が僅少となる。
【0023】
ここで、有極性コイルは、第1電圧源と第2電圧源とを接続する電流経路内の、第1電圧源の前段および第2電圧源の前段、の各々に配置されることが好ましい。これにより、何れの電力供給方向に対しても有極性コイルは、電力供給される電流方向において所定インダクタンス値に維持され、電力供給する電流方向においてインダクタンス値を僅少とすることができる。
【0024】
本発明では、所定方向に流れる電流によって磁気飽和が発生しない磁束密度Bの動作許容幅を拡大して、所定インダクタンス値を有する所定方向の許容電流を拡大することを意図した特許文献2の技術において、磁束密度Bの動作許容幅が圧縮された逆方向特性に着目し、特許文献2においては何ら示唆されていない、逆方向の電流方向における磁気飽和特性を積極的に活用するという着想を得た。回路特性上、通常では使用されることのないB−H特性における磁気飽和領域を積極的に活用することにより、磁気飽和領域においてはインダクタンス値が僅少となってしまいコイルとしては使用できないという特性限界を逆に有効活用するという新たな発想である。これにより、所定電流方向において所定のインダクタンス値を維持し反対の電流方向ではインダクタンス値が僅少となる有極性コイルを得て双方向コンバータを、追加部品を必要とせずに実現することを可能とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の双方向コンバータについて具体化した実施形態を図1乃至図4に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態を示す双方向コンバータの回路図である。直流電圧源E1から直流電圧源E2に電力供給を行う供給AとしてトランジスタS1乃至S4によりフルブリッジ構成のスイッチング回路が構成されている。トランジスタS1およびS4、またはトランジスタS2およびS3を対として、図示しない制御部により交互に導通制御が行われることにより、トランスT1の1次巻線に印加される電圧を交互に切り替えて電力が供給される。トランスT1の2次巻線は、巻線中央部にタップが設けられており、中央タップと各々の巻線端部とが、トランジスタS5、S6を介して直流電圧源E2に接続されている。この場合、トランジスタS5、S6は、例えばMOSトランジスタであり、ボディダイオードを有している。1次巻線への印加電圧の方向に応じてボディダイオードにより整流された上で直流電圧源E2に電力供給が行われる。
【0027】
直流電圧源E2から直流電圧源E1に電力供給を行う供給BとしてトランジスタS5、S6によりハーフブリッジ構成のスイッチング回路が構成されている。トランジスタS5、S6は、図示しない制御部により交互に導通制御が行われることにより、中央タップを有するトランスT1の1次巻線に印加される電圧を交互に切り替えて電力が供給される。トランスT1の2次巻線にはトランジスタS1乃至S4が接続されているが、これらのトランジスタは、例えばMOSトランジスタであり、ボディダイオードを有している。1次巻線への印加電圧の方向に応じてボディダイオードにより整流された上で直流電圧源E1に電力供給が行われる。
【0028】
ここで、トランスT1の2次巻線と、電力供給を受ける直流電圧源E2、E1との間には、供給される電力エネルギーの蓄積と出力電圧の平滑のためにLCフィルタ2、1が備えられることが一般的である。
【0029】
図1に示す実施形態の双方向コンバータでは、従来技術の双方向コンバータ(図5)におけるLCフィルタ100、200に代えて、LCフィルタ1、2が備えられる。更に、従来技術において備えられている追加コンデンサC100、C200は不要である。
【0030】
LCフィルタ1、2は、LCフィルタ100、200におけるチョークコイルL100、L200に代えて、有極性コイルL1、L2を備える構成である。有極性コイルL1、L2の極性は、LCフィルタ1、2によるフィルタ効果を奏すべき電力供給方向に電流が流れる場合に所定インダクタンス値を有するように接続されている。
【0031】
具体的には、LCフィルタ1は、直流電圧源E2から直流電圧源E1に向けて電力供給される際にフィルタ効果を奏するべき回路である。従って、トランスT1から直流電圧源E1に向けて電流が流れる場合に所定インダクタンス値を有して有極性コイルL1が接続される。また、LCフィルタ2は、直流電圧源E1から直流電圧源E2に向けて電力供給される際にフィルタ効果を奏するべき回路である。従って、トランスT1から直流電圧源E2に向けて電流が流れる場合に所定インダクタンス値を有して有極性コイルL2が接続される。
【0032】
図1に示す有極性コイル1、2における黒点表示は、この黒点のある端部から電流が流入する場合に所定インダクタンス値を有することを示す。以下の説明では、黒点表示のある端部から流入する電流を順方向電流(IF)、黒点表示のない端部から流入する電流を逆方向電流(IB)とする。
【0033】
ここで、図2により有極性コイルにおける電流方向に応じた、B−H特性およびインダクタンス特性を説明する。
【0034】
有極性コイルの磁心におけるB−H特性において、ポイントP0は電流通電のない状態でのB−H特性である。磁心内に永久磁石を備えることにより、コイル巻線への通電がない場合でも残留磁界ΔHが形成される。このため、有極性コイルにおけるB−H特性は、巻線への電流がない場合でも磁界Hがゼロの位置ではなく、残留磁界ΔHの磁界バイアスが印加されたポイントP0の位置にある。図2ではポイントP0はB−H特性の第3象限にある。
【0035】
正方向に磁界Hを形成する巻線電流の方向に対しては、磁束密度Bの動作許容幅がΔBFとして拡大される。この巻線方向に流れる電流が順方向電流(IF)である。動作許容幅ΔBFに対して最大順方向電流IFmまで許容される。動作許容幅ΔBF内での通電動作すなわち最大順方向電流IFm内での順方向電流(IF)であれば磁心が磁気飽和することはない。有極性コイルは、所定のインダクタンス値が維持されてチョークコイルとしての機能を奏することができる。
【0036】
これに対して、負方向の磁界Hに対しては、磁気飽和するまでの磁束密度Bの動作許容幅はΔBBと小さい許容幅を有するのみである。従って、小さな逆方向電流(IB)で磁心が磁気飽和することとなり、以後、最大逆方向電流−IBmに至るまでの電流領域においては磁心は磁気飽和した状態を維持する。最大逆方向電流−IBm内での逆方向電流(IB)のうち小電流領域を除いた電流領域で磁心が磁気飽和する。有極性コイルは、インダクタンス値が僅少となってもはやコイルとしては機能せず導線として結線されているに過ぎない。
【0037】
尚、逆方向電流(IB)のうち小電流領域では、所定のインダクタンス値を有することとなるが、流れる電流値が小さいためコイルに蓄積される電力エネルギーも小さなものに留まる。従って、特にエネルギー吸収用の追加コンデンサを備える必要はない。また、仮に備える必要がある場合においても小さな容量値で十分に電力エネルギーの吸収を行うことができ、追加コンデンサによる実装面積の追加は問題にならない。
【0038】
逆方向電流(IB)において、B−H特性に有限の動作許容幅ΔBBを有し所定のインダクタンス値を有していても、動作許容幅ΔBB内の電流領域は小電流領域でありこの範囲で蓄積される電力エネルギーは僅少であるため、大容量の追加コンデンサを備える必要はない。残留磁界ΔHを更に大きくし、ポイントP0を負の磁界方向に更にシフトしてやれば、インダクタンス値を有する逆方向電流(IB)の電流領域を更に小電流領域に限定することができる。ポイントP0を負の磁界方向での磁気飽和点に一致させれば、逆方向電流(IB)においてインダクタンス値を有しない特性とすることができる。
【0039】
図3は、図1の双方向コンバータにおける電力供給動作のうち、供給Aについての動作を説明する動作波形である。
【0040】
トランジスタS1およびS4と、トランジスタS2およびS3とは、交互に導通制御される。ゲート電圧VS2およびVS3がローレベルに維持されトランジスタS2およびS3が非導通に維持されながら、ゲート電圧VS1およびVS4がハイレベルとなりトランジスタS1およびS4が導通すると、チョークコイルL1を介してトランスT1の1次巻線に直流電圧源E1が印加される。チョークコイルL1には逆方向電流が流れるためインダクタンス値は僅少となり、1次巻線のインダクタンス値に応じた傾きで1次電流It(=IL1)が増加することとなる。この間、トランスT1の2次巻線に誘起される起電力により、トランジスタS5のボディダイオードを介して直流電圧源E2に電流供給が行われる。
【0041】
次に、ゲート電圧VS1およびVS4がローレベルとなり、トランジスタS1およびS4が非導通となる。トランジスタS2およびS3は非導通に維持されているので全てのトランジスタS1乃至S4が非導通となって、1次電流Itの電流経路は遮断される。トランスT1の1次巻線に蓄積されているエネルギーは図示しないリセット回路により回生される。
【0042】
ここで、チョークコイルL1のインダクタンス値は僅少であるため、電流IL1によるエネルギーの蓄積はない。従って、トランジスタS1およびS4の非導通と同時に電流IL1は遮断される。
【0043】
図3には、参考までに従来技術(図5)においてチョークコイルL100に流れる電流IL100を示している。インダクタンス値に電流方向依存性を有しない通常のチョークコイルL100を使用しているため、電流IL1に対してもエネルギーの蓄積がされる。従って、トランジスタS1およびS4の非導通に応じて追加コンデンサC100との間で共振現象を生ずる。
【0044】
次サイクルでは、ゲート電圧VS1およびVS4がローレベルに維持されトランジスタS1およびS4が非導通に維持されながら、ゲート電圧VS2およびVS3がハイレベルとなりトランジスタS2およびS3が導通する。トランスT1の1次巻線への直流電圧源E1の印加方向が反転する以外は前サイクルと同様である。ここで、チョークコイルL1に流れる電流は前サイクルと同方向に増加する。トランジスタS1乃至S4の前段に配置されているためである。前サイクルと同様にチョークコイルL1には逆方向電流が流れインダクタンス値は僅少であるため1次巻線のインダクタンス値に応じた傾きで1次電流It(=IL1)が増加していく。この間、トランスT1の2次巻線に誘起される起電力により、トランジスタS6のボディダイオードを介して直流電圧源E2に電流供給が行われる。
【0045】
次に、ゲート電圧VS2およびVS3がローレベルとなり、トランジスタS2およびS3が非導通となる。前サイクルと同様に全てのトランジスタS1乃至S4が非導通となって1次電流It(=IL1)の電流経路は遮断される。
【0046】
前サイクルと同様に、チョークコイルL1のインダクタンス値は僅少であるため、電流IL1によるエネルギーの蓄積はなく、トランジスタS2およびS3の非導通と同時に電流IL1は遮断される。これに対して従来技術(図5)における電流IL100では、トランジスタS2およびS3の非導通に応じて追加コンデンサC100との間で共振現象を生ずる。
【0047】
尚、供給Bの動作波形は図示されていないが、ゲート電圧VS1およびVS4、ゲート電圧VS2およびVS3に代えてゲート電圧VS5、VS6とし、トランジスタS5、S6を交互に導通制御してやれば同様の動作を奏することは言うまでもない。
【0048】
この場合、トランジスタS5の導通期間には、トランジスタS1およびS4のボディダイオードを介して直流電圧源E1に電流供給が行われ、トランジスタS6の導通期間には、トランジスタS2およびS3のボディダイオードを介して直流電圧源E1に電流供給が行われる。
【0049】
この場合、チョークコイルL2に流れる電流は逆方向電流でありチョークコイルL2のインダクタンス値は僅少である。電流IL1と同様にトランジスタS5、S6の非導通と同時に電流は遮断される。
【0050】
本発明を適用できる双方向コンバータは、図1に示す回路構成に留まるものではなく、各電力供給方向にそれぞれチョークコイルまたはLCフィルタを備える構成であれば、コンバータの回路構成によらず適用可能であることは言うまでもない。
【0051】
例えば、図4に示す双方向コンバータは、特開2001−128369号公報に開示されている回路例である。高圧用電圧源E11から低圧用電圧源E12への降圧コンバータは、トランジスタS11のスイッチング制御に応じて供給される電力がインダクタL11に蓄積される。トランジスタS11の非導通時にはトランジスタS12のボディダイオードを介して電流が供給されることにより電圧源E12に電力供給が行われる。
【0052】
低圧用電圧源E12から高圧用電圧源E12への昇圧コンバータは、トランジスタS12のスイッチング制御に応じてインダクタL11にエネルギーが蓄積される。トランジスタS12の非導通時にはトランジスタS11のボディダイオードを介して電圧源E11への電力供給が行われる。
【0053】
各々の電圧源E11、E12へは、LCフィルタ1A、2Aが備えられる場合がある。この場合、LCフィルタ1A、2Aを構成するチョークコイルを有極性コイルで構成してやれば、逆方向電流に対してチョークコイルへのエネルギー蓄積はなく追加コンデンサを備える必要はない。
【0054】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、直流電圧源E1、E2は互いに異なる電圧値を有する電圧源であることを前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、直流電圧源E1、E2が同じ電圧値である場合も双方向コンバータを介して相互に電力供給する構成は可能である。その際、LCフィルタに使用されるコイルを有極性コイルとすることにより得られる作用・効果は実施形態の場合と同様である。
また、本実施形態では、電力供給の各々の方向に備えられるLCフィルタ1および2、1Aおよび2Aに使用されるコイルは、何れも有極性コイルL1、L2であるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、供給すべき電力量や電圧源の容量等によっては、何れか一方向に対してのみ有極性コイルを使用することも考えられる。
また、本実施形態では、LCフィルタ1、1A、2、2Aに備えられるコイルを有極性コイルL1、L2とすることにより、従来技術において必要とされていた追加コンデンサC100、C200を不要とすることができることを説明した。しかしながら、追加コンデンサC100、C200に代えて同位置に新たにコンデンサを配置することが好ましい場合も考えられる。有極性コイルの逆方向特性において有限のインダクタンスが残存する場合もあり(図2、参照)、逆方向電流に対する電力エネルギーの吸収用としてコンデンサが必要となることも考えられ、またノイズ防止等の要請からコンデンサを必要とする場合等も考えられるからである。但し、これらの場合にも本発明の有極性コイルを使用してやれば、新たに配置されるコンデンサは、従来技術における追加コンデンサC100、C200に比して必要な容量値は小さなものとなり、体格も小さなものとすることができる。本発明の適用により、従来技術において必要とされていた追加コンデンサによる実装面積を低減することができる。
また、有極性コイルをLCフィルタの構成素子として使用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、チョークコイル単独で使用する場合、またはその他の回路素子との組合せにおいて使用する場合に適用できることは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、従来技術においては何ら示唆されておらず通常では使用されることのないB−H特性における磁気飽和領域を積極的に活用することにより、磁気飽和領域においてはインダクタンス値が僅少となってしまいコイルとしては使用できないという特性限界を逆に有効活用するという新たな発想を得て、所定電流方向において所定のインダクタンス値を維持すると共に反対の電流方向ではインダクタンス値が僅少となりコイルとしては機能しない有極性コイルをチョークコイルまたはLCフィルタとして双方向コンバータに備えることにより、追加部品を必要とせず、実装面積や実装コストが圧縮された双方向コンバータを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における双方向コンバータの回路図である。
【図2】実施形態に使用する有極性コイルの特性を示す図である。
【図3】実施形態の双方向コンバータの動作波形図である。
【図4】他の双方向コンバータの回路図である。
【図5】従来技術の双方向コンバータの回路図である。
【図6】従来技術に使用するチョークコイルの特性を示す図である。
【符号の説明】
1、2、100、200 LCフィルタ
C100、C200 追加コンデンサ
E1、E11、E2、E12 直流電圧源
L1、L2 有極性コイル
L100、L200 チョークコイル
S1乃至S4、S5、S6 トランジスタ
T1 トランス
Claims (7)
- 第1電圧源と第2電圧源との間で、相互に電力供給が可能な双方向コンバータであって、
前記第1電圧源と前記第2電圧源とを接続する電流経路内の、前記第1電圧源の前段、または前記第2電圧源の前段のうち、少なくとも何れか一方に配置され、前記第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向に対して所定インダクタンス値を維持すると共に、前記第1、第2電圧源が電力供給する際の電流方向に対してインダクタンス値が僅少となる有極性コイルを備えることを特徴とする双方向コンバータ。 - 前記第2電圧源から前記第1電圧源への電力供給を行う際に前記電流経路をスイッチングする第1スイッチング部と、
前記第1電圧源から前記第2電圧源への電力供給を行う際に前記電流経路をスイッチングする第2スイッチング部とを備え、
前記有極性コイルは、前記第1スイッチング部と前記第1電圧源との間、または前記第2スイッチング部と前記第2電圧源との間のうち、少なくとも何れか一方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の双方向コンバータ。 - 前記第1および第2スイッチング部からの出力電流を整流する、第1および第2整流部を備え、
前記有極性コイルは、前記第1整流部と前記第1電圧源との間、または前記第2整流部と前記第2電圧源との間のうち、少なくとも何れか一方に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の双方向コンバータ。 - 前記有極性コイルから、電力供給される前記第1、第2電圧源に至る電流経路と基準電圧との間に、コンデンサを備え、
前記第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向において、前記有極性コイルと前記コンデンサとにより、LCフィルタを構成することを特徴とする請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータ。 - 前記有極性コイルは、前記第1、第2電圧源が電力供給される際の電流方向において、少なくとも電力供給における定格電流の範囲で、磁心のB−H特性内で動作し所定インダクタンス値を維持することを特徴とする請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータ。
- 前記有極性コイルは、前記第1、第2電圧源が電力供給する際の電流方向において、少なくとも電力供給における定格電流の範囲で、磁心が磁気飽和してインダクタンス値が僅少となることを特徴とする請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータ。
- 前記有極性コイルは、前記第1電圧源と前記第2電圧源とを接続する電流経路内の、前記第1電圧源の前段および前記第2電圧源の前段、の各々に配置されることを特徴とする請求項1乃至6の少なくとも何れか1項に記載の双方向コンバータ。
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- 2003-05-27 JP JP2003148510A patent/JP2004357346A/ja active Pending
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