JP2004355292A - タッチパネル及びその製造方法と、それを備えた画面入力型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネルの品質を長期間維持する。
【解決手段】上下基板61、51を対向配置し、シール材67で外周域を所定の隙間を持たせながら一体化し、内側に設けたITO膜からなる透明電極13、3と、外側に設けたFPC9とをFPC圧着用電極52を介して電気的に道通させたタッチパネル50において、上下基板61、51のシール材67が配される位置にITO膜(例えばITO膜帯59、62)を設け、該ITO膜を介して上下基板61、51を接着、密封した。シール材67と上下基板61、51の接着性が向上し、タッチパネル50の耐水性、耐湿性が向上した。
【選択図】 図1
【解決手段】上下基板61、51を対向配置し、シール材67で外周域を所定の隙間を持たせながら一体化し、内側に設けたITO膜からなる透明電極13、3と、外側に設けたFPC9とをFPC圧着用電極52を介して電気的に道通させたタッチパネル50において、上下基板61、51のシール材67が配される位置にITO膜(例えばITO膜帯59、62)を設け、該ITO膜を介して上下基板61、51を接着、密封した。シール材67と上下基板61、51の接着性が向上し、タッチパネル50の耐水性、耐湿性が向上した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM、カーナビゲーション、自動販売機、複写機、各種端末機等の機器において、液晶ディスプレイ等の表示画面上に配置し、透視した画面の指示に従って使用者が情報の表示画面を指やペンで直接押してデータの入力が行われるタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における抵抗膜式タッチパネルは、可撓性を有する透明絶縁基板の下面に透明電極とこの透明電極に接続する引き回し電極を形成した上基板と、同じく上面に透明電極とこの透明電極に接続する引き回し電極を形成し、前記透明電極の上面にドットスペーサを一定間隔に配設した下基板とが、所定の隙間を持って透明電極同士が対面するような配置構造を取っている。このタッチパネルを液晶表示装置等の表示装置の上面側に配置して使用される。表示装置の表示部分に位置する所のタッチパネルを指又はペンで押すことによって、タッチパネルの上基板が撓んでその押した所の透明電極が下基板の透明電極に接触し、その接触点の位置が電気抵抗の測定によって検知されて入力情報が読みとられる。
【0003】
以下、従来例を、先ず図9〜12を用いて説明する。図9は従来技術におけるタッチパネルの平面図、図10は図9におけるE−E断面図、図11は図9における下基板の平面図、図12は図9における上基板の平面図を示している。
【0004】
図9〜12に示すように、従来例のタッチパネル20は形状が方形をなし剛性を有する下基板1と、方形をなし可撓性を有する上基板11とを備えている。下基板1は、板厚が1.1mmの透明な方形のガラスからなる透明絶縁基板2と、この透明絶縁基板2の上面に方形形状に形成された透明電極3と、この透明電極3の図中上下の対向する両辺に沿って接続形成されて透明絶縁基板2の片方端にある点線枠で囲ったFPC取付部Sまで延設した一対の引き回し電極4及び5と、FPC取付部S近辺に形成された接続電極6、7と、透明電極3上にマトリックス状に配置したドットスペーサ8とで構成されている。尚、上記接続電極6、7は、後述する上基板11の引き回し電極14、15に導通接続を行うためにFPC取付部S近辺に設けられている。
【0005】
上基板11は、板厚が0.2mmの可撓性のある透明な方形のマイクロガラス(マイクロシートガラス)からなる透明絶縁基板12と、この透明絶縁基板12の下面に方形形状に形成されている透明電極13と、この透明電極13の図中左右の対向する両辺に沿って接続形成されてFPC取付部S方向に向かって延設された一対の引き回し電極14、15とで構成されている。
【0006】
そして、上下基板11、1の引き回し電極14、15及び4、5が方形配置となるように対向配置し、上下基板11、1とに10μm前後の隙間を持たせてシール材17で上下基板11、1とを固定すると共に、上下基板11、1の外周域を周回してシールしている。更に、上基板11に設けられた引き回し電極14及び15は、接続部B及びAの場所において、その先端部14a、15aが下基板1に設けた接続電極6及び7と導電性接着剤を介して接続され、導通がとられている。
【0007】
また、シール材17は、図中中央上部において、封口材19で封口した封口部Dを有している。 シール材17に設ける開口部17aは、シール材17を高温で硬化させるときに発生する内部の膨張空気を外に逃がすために設けるものである。
【0008】
また、防眩性を高めて透視性や品質表示を良くするために、上基板11の上面には偏光板18、下基板1の下面には位相差板16が貼付けられている。また、下基板1のFPC取付部SにはFPC9が圧着されて外部との導通が図られるようになっている。
【0009】
上記構造を成すタッチパネル20の各構成要素部品は次のようになっている。下基板1を構成する透明絶縁基板2は透明なガラスが用いられる。このガラスはソーダガラスや石英ガラス、アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、普通板ガラス等が利用でき、反り等が起きない程度の厚さのものが使われる。多くは0.7〜1.1mmのものが選択される。上基板11を構成する透明絶縁基板12は可撓性を必要とするところなので透明な薄板ガラスや透明なプラスチックフイルムが用いられる。一般的に、耐熱性が求められる機器(例えば、カーナビゲーション等)にはガラスが使用される。上記従来例は耐熱性や衝撃性にも強く、且つ可撓性も有する0.2mm厚みのホウケイ酸ガラスからなるマイクロガラス(マイクロシートガラス)を使っている。
【0010】
下基板1を構成する透明電極3及び上基板11を構成する透明電極13は錫をドープした酸化インジウムのITO(Indium Tin Oxide)膜で、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、印刷法等で形成する。この透明電極3及び13は高抵抗値であることが求められるため250〜500オングストロームの範囲で非常に薄く形成する。このITO膜は、基板全面に形成したものをフォトリソグラフィにより不要部分を除去し、必要な部分を残して形成する。
【0011】
下基板1を構成する引き回し電極4、5、接続電極6、7、及び上基板11を構成する引き回し電極14、15は、透明電極3、13に電圧印加するために設けるもので、銀粉や銅粉等の高導電性金属粒子を熱硬化性のエポキシ樹脂等に混ぜ合わせてインク化したものをスクリーン印刷等の印刷方法で形成する。タッチパネルの性能上、これらの電極の抵抗値が低ければ低いほど良いものであり、一般に、透明電極のシート抵抗値に対してこれらの電極のシート抵抗値は100分の1以下であることが必要とされている。そこで、これらの電極の印刷の厚さを増したり、幅を広くしたりして抵抗値を小さく押さえる設計がなされている。
【0012】
下基板1を構成するドットスペーサ8は、押圧した部分以外の部分の透明電極同士が接触しないために設けるもので、透明なアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、その他の透明な樹脂材料をスクリーン印刷等の方法でドットマトリックス状に一定間隔に形成し、その後、熱または紫外線で硬化処理を施して形成する。このドットスペーサ8は目に見えない大きさであることが求められることから、直径30〜60μm、高さは2〜5μm、ドット間隔は1〜8mmの範囲で設計される。
【0013】
シール材17は、スペーサボールを分散させた熱硬化性のエポキシ樹脂接着剤やアクリル樹脂接着剤等の接着剤をスクリーン印刷等の方法で印刷して形成する。ここで使われるスペーサボールは上基板11と下基板1との隙間を一定隙間に保持するために設けるもので、所定の大きさの絶縁性のあるプラスチックボールやファイバーガラス等が利用される。このプラスチックボールやファイバーガラスの大きさは、上基板11の透明絶縁基板12の材質や厚さによって異なるが、0.2mmのマイクロガラスを使用した場合は概ね8〜10μm前後の径のものが選択される。このシール材17は上基板11または下基板1の何れか一方に印刷した後、上基板11と下基板1とを位置を合わせて貼合わせ、加圧の下で加熱処理を施して硬化させ、接着固定を行っている。また、このシール材17は上基板11と下基板1を固定する役目と共に、タッチパネル20内部に水分やゴミ等の進入を防止するシールの役目も持っている
【0014】
偏光板18と位相差板16は防眩性を高めて透視性や表示品質を良くするために設けている。偏光板18は、様々なものが使用されているが一例をあげると、ポリビニールアルコールフイルムを常法により一軸延伸することによって厚さが20μmの偏光フイルムを作成し、この両面に厚さが80μmのセルロース系フイルムを張り合わせて厚さ180μmの偏光板としたもの等が利用できる。また、位相差板16は、ポリカーボネイトを素材として形成され、厚さ80μm程度である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以下では、説明の便宜上、接続電極6及び7、引き回し電極4及び5のFPC取付部S近辺で、角丸長方形で囲った部分を取り出してグループ化し、「FPC圧着用電極」と総称することにする。
【0016】
シール材17は、前述の通り、上基板11と下基板1を固定する役目と共に、タッチパネル20内部に水分やゴミ等の進入を防止するシールの役目も持っている。しかし、上下透明絶縁基板(ガラス板)12,2は、その表面が鏡面であるので、熱硬化性のエポキシ樹脂等から成るシール材17との密着性が弱く、温度変化等によるストレスで密封性が劣化し易かった。又FPC圧着用電極21とシール材17が交差する部分は、熱可塑性樹脂に高導電性金属粒子(銀粉等)を混入したインクを素材としたFPC圧着用電極21と、シール材17との相性が悪く、密封性が劣った。
【0017】
そのため、タッチパネル20を高温高湿条件下で長期間使用すると、水分がタッチパネル20内部に侵透し易くなった。そしてそのことが原因で、上下基板11、1間に短絡現象を発生させて導通不良を起こしたり、指示位置の不正確性の問題や、押圧力の強い力が必要になると云う問題を発生することが判明した。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために成されたものである。解決するための手段として、本発明の請求項1記載に係る発明は、透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化してなるタッチパネルにおいて、記上基板または下基板の少なくとも一方の面と前記シール材または引き回し電極との接合面の一部または全部が前記透明電極の一部を挟み込むように介して接合されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項2記載に係る発明は、透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化し、FPC圧着用電極を介して、シール外側域に設けられたFPCと、シール内側域に在る各引き回し電極とを電気的に接続しているタッチパネルにおいて、上下透明絶縁基板面上でシール材が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極との交差部にはITO膜線を、交差部以外のシール材が配される部位にはITO膜帯を設け、
前記シール材は、ITO膜線及びITO膜帯を介して上下基板をシールし、前記FPC圧着用電極は、シール材との交差部ではITO膜線をもって電気的に接続していることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項3記載に係る発明は、前記ITO膜帯は複数の島状膜から成ることを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の請求項4記載に係る発明は、透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化し、FPC圧着用電極を介して、シール外側域に設けられたFPCと、シール内側域に在る各引き回し電極とを電気的に接続し、また、上下透明絶縁基板面上でシール材が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極との交差部にはITO膜線を、交差部以外のシール材が配される部位にはITO膜帯を設け、前記シール材は、ITO膜線及びITO膜帯を介して上下基板をシールし、前記FPC圧着用電極は、シール材との交差部ではITO膜線をもって電気的に接続しているタッチパネルの製造方法において、ITO膜線およびITO膜帯は透明電極形成と同工程で行うことを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の請求項5記載に係る発明は、液晶表示装置などの表示装置の上面にタッチパネルを備えている画面入力型表示装置であって、前記請求項1乃至2のいずれか1つに記載のタッチパネルを備えていることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の請求項6記載に係る発明は、液晶表示装置などの表示装置の上面にタッチパネルを備えている画面入力型表示装置であって、前記請求項3に記載のタッチパネルの製造方法で製造したタッチパネルを備えていることを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図1〜8を用いて、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るタッチパネルの平面図、図2は図1におけるE−E断面図、図3(a)は図1におけるG断面模式図、(b)は、(a)と同位置における従来技術を示す参考図、図4(a)は図1におけるF断面模式図、(b)は、(a)と同位置における従来技術を示す参考図、図5は図1における下基板の平面図、図6は図1における上基板の平面図、図7は図5の下基板において、透明電極エッチング工程を終えた時の平面図、図8(a)は本発明の第2実施形態に係るタッチパネルの下基板において、透明電極エッチング工程を終えた時の平面図、(b)は、(a)図におけるP部の拡大図である。尚、従来技術で説明した構成部品と全く同一部品は同一符号を付してある。また、本発明のタッチパネルの説明にあたって従来技術と同一構成部品のものは簡単な説明にとどめてその詳細は省略する。
【0025】
図1、図2に示すように、本発明のタッチパネル50は形状が方形をなす下基板51と上基板61とを備えている。下基板51は、板厚が1.1mmの透明な方形のガラスからなる透明絶縁基板2の上面の、略中央部に方形に形成されたITO膜から成る透明電極3を有する。このITO膜は、当初、絶縁基板2の全面に付いており、これにレジストをスクリーン印刷後、乾燥させ、エッチング工程でレジスト塗布部以外を削り取ることで成形する。この点は従来技術と同様であるが、本発明では、図7に示した様に、上記エッチング工程で、透明電極3以外に、透明絶縁基板2の略外周域で、後工程でシール材67が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極52との交差部に、ITO膜線56c、54c、57c、55cを、交差部以外でシール材67が配される部位にはITO膜帯59を残してある。以下図5を用いて詳細に説明する。
【0026】
T字状の引き回し電極54aの横辺は透明電極3の図中下辺に接続形成され、縦辺は、ITO膜線54cの上端に接続形成されている。またITO膜線54cの下端は透明絶縁基板2の片方端のFPC取付部Sに在る引き回し電極54bの上端に接続形成されている。また、透明電極3の図中上辺には、引き回し電極55aの一端が接続形成され、他端は、ITO膜線55cの上端に接続形成され、ITO膜線55cの下端は、FPC取付部Sに在る引き回し電極55bの上端に接続形成されている。
【0027】
ITO膜線56cの上端は、接続電極56aの下端に、またITO膜線56cの下端は、FPC取付部Sに在る接続電極56bの上端に接続形成されている。
同様に、ITO膜線57cの上端は接続電極57aの下端に、またITO膜線57cの下端は、FPC取付部Sに在る接続電極57bの上端に接続形成されている。
【0028】
尚、透明電極3上には従来技術と同様、マトリックス状に配置したドットスペーサ8が設けてある。また引き回し電極54a、54b、55a、55b及び接続電極56a、56b、57a、57bは、従来の引き回し電極や接続電極と同様に銀粉や銅粉等の高導電性金属粒子を熱硬化性のエポキシ樹脂等に混ぜ合わせてインク化したものをスクリーン印刷等の印刷方法で形成する。
【0029】
次に上基板61の構成を図6を用いて説明する。本発明の上基板61は板厚が0.2mmの可撓性のある透明な方形のマイクロガラス(マイクロシートガラス)からなる透明絶縁基板12と、この透明絶縁基板12の下面に方形形状に形成されている透明電極13と、この透明電極13の図中左右の対向する両辺に沿って接続形成されてFPC取付部S方向に向かって延設された一対の引き回し電極14、15を有するが、これは従来技術と同様である。
【0030】
本発明の上基板61に特徴的なのは、透明絶縁基板12の略外周域の、シール材67が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極52との交差部にITO膜線62a、62b、62c、62dを、また上記交差部以外でシール材67が配される部位にはITO膜帯62を設けたことである。これは、当初、全面に亘りITO膜が付いた透明絶縁基板12をエッチング処理して透明電極13部分を残す工程で同時に形成する。
【0031】
そして、上下基板61、51の引き回し電極14、15及び54a、55aが方形配置となるように対向配置し、シール材67を用いて、上下基板61、51とを一定の隙間を持たせて接着固定すると共に外周域をシールしている。この時に、上基板61に設けられた引き回し電極14及び15は、接続部B及びAの場所において、下基板51に設けた接続電極56a及び57aと導電性接着剤を介して接続され、導通がとられている。
【0032】
上記構成のタッチパネル50の図1におけるG断面を図3(a)に模式的に示した。図3(b)は相当位置における従来技術であり、参考として示した。ITO膜帯62、59の表面には微細な凹凸があり、鏡面状の上下透明絶縁基板(上下ガラス板)12,2と比較して、上下基板61、51とシール材67との密着力が強くなった。
【0033】
また図4(a)は図1のF断面を模式的に示し、図4(b)は相当位置における従来技術を参考に示したものである。従来は、銀粉や銅粉等の高導電性金属粒子を樹脂に混ぜ合わせた接続電極6とシール材17の密封は難しかったが、本発明では、シール材67との交差部は高導電性金属粒子と樹脂の混合した材料を用いないで、ITO膜線56cを利用した。従って、この部分では、シール材67は、上基板61を構成するITO膜線62a及び、下基板51を構成するITO膜線56cと接着することになるので密着力が強くなった。FPC圧着用電極52を成す他の3箇所の電極も同様である。尚、FPC圧着用電極52は、シール材67との交差部ではITO膜線56c、54c、57c、55cをもって構成するので、この部分の抵抗値は高くなるが、ITO膜線部分が短いので抵抗値の増大は少なくてすむ。また、この種のタッチパネルのFPC圧着用配線電極部は、電極部と垂直方向、図1で言えば横方向にはスペース的余裕があるので、配線パターンの工夫によりITO膜線部の幅を2〜5倍に増やすことは可能であり、ITO膜線部の抵抗値を低減することも可能である。さらに島状のITO膜線部を別工程で透明電極形成することにより、厚みを1μm程度迄確保すれば十分な導電性を確保できる。
【0034】
図8(a)は本発明の第2実施形態に係るタッチパネルの下透明絶縁基板2におけるITO膜エッチング工程を終えた時の平面図、(b)は、(a)図におけるP部の拡大図である。第1実施形態と異なるのは、ITO膜帯58を島状の複数のITO膜58aの集合体として残したことである。尚、図面及び説明は省略するが、上基板も同様に処理する。この様にすることで、ITO膜帯58の表面の凹凸が増すので、シール材67との接着性がより増大する。
【0035】
以上、第1、第2実施形態で説明した様に、本発明によれば、上下基板とシール材の接着性が向上する結果、タッチパネルの密封性が格段に向上、これにより、耐水性や耐湿性が飛躍的に向上し、従来発生を見たタッチパネルの上下基板間の短絡現象や支持位置の不正確、強い押圧力などの問題が解消する。
【0036】
また画面入力型表示装置に備えられている表示装置の上面に本発明のタッチパネルを備えて利用すれば長期的に安定した品質の下でタッチパネルの利用を図ることができる。例えば、車載のカーナビゲーションは高温、高湿の下での長時間品質保証が強く求められている。このカーナビゲーションへの本発明のタッチパネル利用は耐水性や耐湿性が向上して長期間に及ぶ品質保証が維持でき、最適に効果を発揮する。また、カーナビゲーションばかりでなく、FAX、ATM、自動販売機、複写機、その他各種の端末装置などに本発明のタッチパネルを備えることによって同様な効果を得る。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、耐水性や耐湿性に非常に効果のの高いタッチパネルを得ることができる。そして、安定した品質を長期的に維持することができる。また、本発明のタッチパネルを備えた画面入力型表示装置にあっては導通不良などが起きない長期的に安定した品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るタッチパネルの平面図である。
【図2】図1におけるE−E断面図である。
【図3】(a)は図1におけるG断面図模式図、(b)は相当位置における従来技術を示す参考図である。
【図4】(a)は図1におけるF断面模式図、(b)は相当位置における従来技術を示す参考図である。
【図5】図1における下基板の平面図である。
【図6】図1における上基板の平面図である。
【図7】図5の下基板において、透明電極エッチング工程を終えた時の平面図である。
【図8】(a)は、本発明の第2実施形態に係る下基板において、透明電極エッチング工程を終えた時の平面図、(b)は、(a)図におけるP部の拡大図である。
【図9】従来技術におけるタッチパネルの平面図である。
【図10】図9におけるE−E断面図である。
【図11】図9における下基板の平面図である。
【図12】図9における上基板の平面図である。
【符号の説明】
1、51 下基板
2、12 透明絶縁基板
3、13 透明電極
4、5、14、15、54a、54b、55a、55b 引き回し電極
6、7、56a、56b、57a、57b 接続電極
8 ドットスペーサ
9 FPC
11、61 上基板
17、67 シール材
20、50 タッチパネル
52、21 FPC圧着用電極
58、59、62 ITO膜帯
54c、55c、56c、57c、62a、62b、62c、62d ITO膜線
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM、カーナビゲーション、自動販売機、複写機、各種端末機等の機器において、液晶ディスプレイ等の表示画面上に配置し、透視した画面の指示に従って使用者が情報の表示画面を指やペンで直接押してデータの入力が行われるタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における抵抗膜式タッチパネルは、可撓性を有する透明絶縁基板の下面に透明電極とこの透明電極に接続する引き回し電極を形成した上基板と、同じく上面に透明電極とこの透明電極に接続する引き回し電極を形成し、前記透明電極の上面にドットスペーサを一定間隔に配設した下基板とが、所定の隙間を持って透明電極同士が対面するような配置構造を取っている。このタッチパネルを液晶表示装置等の表示装置の上面側に配置して使用される。表示装置の表示部分に位置する所のタッチパネルを指又はペンで押すことによって、タッチパネルの上基板が撓んでその押した所の透明電極が下基板の透明電極に接触し、その接触点の位置が電気抵抗の測定によって検知されて入力情報が読みとられる。
【0003】
以下、従来例を、先ず図9〜12を用いて説明する。図9は従来技術におけるタッチパネルの平面図、図10は図9におけるE−E断面図、図11は図9における下基板の平面図、図12は図9における上基板の平面図を示している。
【0004】
図9〜12に示すように、従来例のタッチパネル20は形状が方形をなし剛性を有する下基板1と、方形をなし可撓性を有する上基板11とを備えている。下基板1は、板厚が1.1mmの透明な方形のガラスからなる透明絶縁基板2と、この透明絶縁基板2の上面に方形形状に形成された透明電極3と、この透明電極3の図中上下の対向する両辺に沿って接続形成されて透明絶縁基板2の片方端にある点線枠で囲ったFPC取付部Sまで延設した一対の引き回し電極4及び5と、FPC取付部S近辺に形成された接続電極6、7と、透明電極3上にマトリックス状に配置したドットスペーサ8とで構成されている。尚、上記接続電極6、7は、後述する上基板11の引き回し電極14、15に導通接続を行うためにFPC取付部S近辺に設けられている。
【0005】
上基板11は、板厚が0.2mmの可撓性のある透明な方形のマイクロガラス(マイクロシートガラス)からなる透明絶縁基板12と、この透明絶縁基板12の下面に方形形状に形成されている透明電極13と、この透明電極13の図中左右の対向する両辺に沿って接続形成されてFPC取付部S方向に向かって延設された一対の引き回し電極14、15とで構成されている。
【0006】
そして、上下基板11、1の引き回し電極14、15及び4、5が方形配置となるように対向配置し、上下基板11、1とに10μm前後の隙間を持たせてシール材17で上下基板11、1とを固定すると共に、上下基板11、1の外周域を周回してシールしている。更に、上基板11に設けられた引き回し電極14及び15は、接続部B及びAの場所において、その先端部14a、15aが下基板1に設けた接続電極6及び7と導電性接着剤を介して接続され、導通がとられている。
【0007】
また、シール材17は、図中中央上部において、封口材19で封口した封口部Dを有している。 シール材17に設ける開口部17aは、シール材17を高温で硬化させるときに発生する内部の膨張空気を外に逃がすために設けるものである。
【0008】
また、防眩性を高めて透視性や品質表示を良くするために、上基板11の上面には偏光板18、下基板1の下面には位相差板16が貼付けられている。また、下基板1のFPC取付部SにはFPC9が圧着されて外部との導通が図られるようになっている。
【0009】
上記構造を成すタッチパネル20の各構成要素部品は次のようになっている。下基板1を構成する透明絶縁基板2は透明なガラスが用いられる。このガラスはソーダガラスや石英ガラス、アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、普通板ガラス等が利用でき、反り等が起きない程度の厚さのものが使われる。多くは0.7〜1.1mmのものが選択される。上基板11を構成する透明絶縁基板12は可撓性を必要とするところなので透明な薄板ガラスや透明なプラスチックフイルムが用いられる。一般的に、耐熱性が求められる機器(例えば、カーナビゲーション等)にはガラスが使用される。上記従来例は耐熱性や衝撃性にも強く、且つ可撓性も有する0.2mm厚みのホウケイ酸ガラスからなるマイクロガラス(マイクロシートガラス)を使っている。
【0010】
下基板1を構成する透明電極3及び上基板11を構成する透明電極13は錫をドープした酸化インジウムのITO(Indium Tin Oxide)膜で、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、印刷法等で形成する。この透明電極3及び13は高抵抗値であることが求められるため250〜500オングストロームの範囲で非常に薄く形成する。このITO膜は、基板全面に形成したものをフォトリソグラフィにより不要部分を除去し、必要な部分を残して形成する。
【0011】
下基板1を構成する引き回し電極4、5、接続電極6、7、及び上基板11を構成する引き回し電極14、15は、透明電極3、13に電圧印加するために設けるもので、銀粉や銅粉等の高導電性金属粒子を熱硬化性のエポキシ樹脂等に混ぜ合わせてインク化したものをスクリーン印刷等の印刷方法で形成する。タッチパネルの性能上、これらの電極の抵抗値が低ければ低いほど良いものであり、一般に、透明電極のシート抵抗値に対してこれらの電極のシート抵抗値は100分の1以下であることが必要とされている。そこで、これらの電極の印刷の厚さを増したり、幅を広くしたりして抵抗値を小さく押さえる設計がなされている。
【0012】
下基板1を構成するドットスペーサ8は、押圧した部分以外の部分の透明電極同士が接触しないために設けるもので、透明なアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、その他の透明な樹脂材料をスクリーン印刷等の方法でドットマトリックス状に一定間隔に形成し、その後、熱または紫外線で硬化処理を施して形成する。このドットスペーサ8は目に見えない大きさであることが求められることから、直径30〜60μm、高さは2〜5μm、ドット間隔は1〜8mmの範囲で設計される。
【0013】
シール材17は、スペーサボールを分散させた熱硬化性のエポキシ樹脂接着剤やアクリル樹脂接着剤等の接着剤をスクリーン印刷等の方法で印刷して形成する。ここで使われるスペーサボールは上基板11と下基板1との隙間を一定隙間に保持するために設けるもので、所定の大きさの絶縁性のあるプラスチックボールやファイバーガラス等が利用される。このプラスチックボールやファイバーガラスの大きさは、上基板11の透明絶縁基板12の材質や厚さによって異なるが、0.2mmのマイクロガラスを使用した場合は概ね8〜10μm前後の径のものが選択される。このシール材17は上基板11または下基板1の何れか一方に印刷した後、上基板11と下基板1とを位置を合わせて貼合わせ、加圧の下で加熱処理を施して硬化させ、接着固定を行っている。また、このシール材17は上基板11と下基板1を固定する役目と共に、タッチパネル20内部に水分やゴミ等の進入を防止するシールの役目も持っている
【0014】
偏光板18と位相差板16は防眩性を高めて透視性や表示品質を良くするために設けている。偏光板18は、様々なものが使用されているが一例をあげると、ポリビニールアルコールフイルムを常法により一軸延伸することによって厚さが20μmの偏光フイルムを作成し、この両面に厚さが80μmのセルロース系フイルムを張り合わせて厚さ180μmの偏光板としたもの等が利用できる。また、位相差板16は、ポリカーボネイトを素材として形成され、厚さ80μm程度である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以下では、説明の便宜上、接続電極6及び7、引き回し電極4及び5のFPC取付部S近辺で、角丸長方形で囲った部分を取り出してグループ化し、「FPC圧着用電極」と総称することにする。
【0016】
シール材17は、前述の通り、上基板11と下基板1を固定する役目と共に、タッチパネル20内部に水分やゴミ等の進入を防止するシールの役目も持っている。しかし、上下透明絶縁基板(ガラス板)12,2は、その表面が鏡面であるので、熱硬化性のエポキシ樹脂等から成るシール材17との密着性が弱く、温度変化等によるストレスで密封性が劣化し易かった。又FPC圧着用電極21とシール材17が交差する部分は、熱可塑性樹脂に高導電性金属粒子(銀粉等)を混入したインクを素材としたFPC圧着用電極21と、シール材17との相性が悪く、密封性が劣った。
【0017】
そのため、タッチパネル20を高温高湿条件下で長期間使用すると、水分がタッチパネル20内部に侵透し易くなった。そしてそのことが原因で、上下基板11、1間に短絡現象を発生させて導通不良を起こしたり、指示位置の不正確性の問題や、押圧力の強い力が必要になると云う問題を発生することが判明した。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために成されたものである。解決するための手段として、本発明の請求項1記載に係る発明は、透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化してなるタッチパネルにおいて、記上基板または下基板の少なくとも一方の面と前記シール材または引き回し電極との接合面の一部または全部が前記透明電極の一部を挟み込むように介して接合されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項2記載に係る発明は、透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化し、FPC圧着用電極を介して、シール外側域に設けられたFPCと、シール内側域に在る各引き回し電極とを電気的に接続しているタッチパネルにおいて、上下透明絶縁基板面上でシール材が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極との交差部にはITO膜線を、交差部以外のシール材が配される部位にはITO膜帯を設け、
前記シール材は、ITO膜線及びITO膜帯を介して上下基板をシールし、前記FPC圧着用電極は、シール材との交差部ではITO膜線をもって電気的に接続していることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項3記載に係る発明は、前記ITO膜帯は複数の島状膜から成ることを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の請求項4記載に係る発明は、透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化し、FPC圧着用電極を介して、シール外側域に設けられたFPCと、シール内側域に在る各引き回し電極とを電気的に接続し、また、上下透明絶縁基板面上でシール材が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極との交差部にはITO膜線を、交差部以外のシール材が配される部位にはITO膜帯を設け、前記シール材は、ITO膜線及びITO膜帯を介して上下基板をシールし、前記FPC圧着用電極は、シール材との交差部ではITO膜線をもって電気的に接続しているタッチパネルの製造方法において、ITO膜線およびITO膜帯は透明電極形成と同工程で行うことを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の請求項5記載に係る発明は、液晶表示装置などの表示装置の上面にタッチパネルを備えている画面入力型表示装置であって、前記請求項1乃至2のいずれか1つに記載のタッチパネルを備えていることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の請求項6記載に係る発明は、液晶表示装置などの表示装置の上面にタッチパネルを備えている画面入力型表示装置であって、前記請求項3に記載のタッチパネルの製造方法で製造したタッチパネルを備えていることを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図1〜8を用いて、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るタッチパネルの平面図、図2は図1におけるE−E断面図、図3(a)は図1におけるG断面模式図、(b)は、(a)と同位置における従来技術を示す参考図、図4(a)は図1におけるF断面模式図、(b)は、(a)と同位置における従来技術を示す参考図、図5は図1における下基板の平面図、図6は図1における上基板の平面図、図7は図5の下基板において、透明電極エッチング工程を終えた時の平面図、図8(a)は本発明の第2実施形態に係るタッチパネルの下基板において、透明電極エッチング工程を終えた時の平面図、(b)は、(a)図におけるP部の拡大図である。尚、従来技術で説明した構成部品と全く同一部品は同一符号を付してある。また、本発明のタッチパネルの説明にあたって従来技術と同一構成部品のものは簡単な説明にとどめてその詳細は省略する。
【0025】
図1、図2に示すように、本発明のタッチパネル50は形状が方形をなす下基板51と上基板61とを備えている。下基板51は、板厚が1.1mmの透明な方形のガラスからなる透明絶縁基板2の上面の、略中央部に方形に形成されたITO膜から成る透明電極3を有する。このITO膜は、当初、絶縁基板2の全面に付いており、これにレジストをスクリーン印刷後、乾燥させ、エッチング工程でレジスト塗布部以外を削り取ることで成形する。この点は従来技術と同様であるが、本発明では、図7に示した様に、上記エッチング工程で、透明電極3以外に、透明絶縁基板2の略外周域で、後工程でシール材67が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極52との交差部に、ITO膜線56c、54c、57c、55cを、交差部以外でシール材67が配される部位にはITO膜帯59を残してある。以下図5を用いて詳細に説明する。
【0026】
T字状の引き回し電極54aの横辺は透明電極3の図中下辺に接続形成され、縦辺は、ITO膜線54cの上端に接続形成されている。またITO膜線54cの下端は透明絶縁基板2の片方端のFPC取付部Sに在る引き回し電極54bの上端に接続形成されている。また、透明電極3の図中上辺には、引き回し電極55aの一端が接続形成され、他端は、ITO膜線55cの上端に接続形成され、ITO膜線55cの下端は、FPC取付部Sに在る引き回し電極55bの上端に接続形成されている。
【0027】
ITO膜線56cの上端は、接続電極56aの下端に、またITO膜線56cの下端は、FPC取付部Sに在る接続電極56bの上端に接続形成されている。
同様に、ITO膜線57cの上端は接続電極57aの下端に、またITO膜線57cの下端は、FPC取付部Sに在る接続電極57bの上端に接続形成されている。
【0028】
尚、透明電極3上には従来技術と同様、マトリックス状に配置したドットスペーサ8が設けてある。また引き回し電極54a、54b、55a、55b及び接続電極56a、56b、57a、57bは、従来の引き回し電極や接続電極と同様に銀粉や銅粉等の高導電性金属粒子を熱硬化性のエポキシ樹脂等に混ぜ合わせてインク化したものをスクリーン印刷等の印刷方法で形成する。
【0029】
次に上基板61の構成を図6を用いて説明する。本発明の上基板61は板厚が0.2mmの可撓性のある透明な方形のマイクロガラス(マイクロシートガラス)からなる透明絶縁基板12と、この透明絶縁基板12の下面に方形形状に形成されている透明電極13と、この透明電極13の図中左右の対向する両辺に沿って接続形成されてFPC取付部S方向に向かって延設された一対の引き回し電極14、15を有するが、これは従来技術と同様である。
【0030】
本発明の上基板61に特徴的なのは、透明絶縁基板12の略外周域の、シール材67が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極52との交差部にITO膜線62a、62b、62c、62dを、また上記交差部以外でシール材67が配される部位にはITO膜帯62を設けたことである。これは、当初、全面に亘りITO膜が付いた透明絶縁基板12をエッチング処理して透明電極13部分を残す工程で同時に形成する。
【0031】
そして、上下基板61、51の引き回し電極14、15及び54a、55aが方形配置となるように対向配置し、シール材67を用いて、上下基板61、51とを一定の隙間を持たせて接着固定すると共に外周域をシールしている。この時に、上基板61に設けられた引き回し電極14及び15は、接続部B及びAの場所において、下基板51に設けた接続電極56a及び57aと導電性接着剤を介して接続され、導通がとられている。
【0032】
上記構成のタッチパネル50の図1におけるG断面を図3(a)に模式的に示した。図3(b)は相当位置における従来技術であり、参考として示した。ITO膜帯62、59の表面には微細な凹凸があり、鏡面状の上下透明絶縁基板(上下ガラス板)12,2と比較して、上下基板61、51とシール材67との密着力が強くなった。
【0033】
また図4(a)は図1のF断面を模式的に示し、図4(b)は相当位置における従来技術を参考に示したものである。従来は、銀粉や銅粉等の高導電性金属粒子を樹脂に混ぜ合わせた接続電極6とシール材17の密封は難しかったが、本発明では、シール材67との交差部は高導電性金属粒子と樹脂の混合した材料を用いないで、ITO膜線56cを利用した。従って、この部分では、シール材67は、上基板61を構成するITO膜線62a及び、下基板51を構成するITO膜線56cと接着することになるので密着力が強くなった。FPC圧着用電極52を成す他の3箇所の電極も同様である。尚、FPC圧着用電極52は、シール材67との交差部ではITO膜線56c、54c、57c、55cをもって構成するので、この部分の抵抗値は高くなるが、ITO膜線部分が短いので抵抗値の増大は少なくてすむ。また、この種のタッチパネルのFPC圧着用配線電極部は、電極部と垂直方向、図1で言えば横方向にはスペース的余裕があるので、配線パターンの工夫によりITO膜線部の幅を2〜5倍に増やすことは可能であり、ITO膜線部の抵抗値を低減することも可能である。さらに島状のITO膜線部を別工程で透明電極形成することにより、厚みを1μm程度迄確保すれば十分な導電性を確保できる。
【0034】
図8(a)は本発明の第2実施形態に係るタッチパネルの下透明絶縁基板2におけるITO膜エッチング工程を終えた時の平面図、(b)は、(a)図におけるP部の拡大図である。第1実施形態と異なるのは、ITO膜帯58を島状の複数のITO膜58aの集合体として残したことである。尚、図面及び説明は省略するが、上基板も同様に処理する。この様にすることで、ITO膜帯58の表面の凹凸が増すので、シール材67との接着性がより増大する。
【0035】
以上、第1、第2実施形態で説明した様に、本発明によれば、上下基板とシール材の接着性が向上する結果、タッチパネルの密封性が格段に向上、これにより、耐水性や耐湿性が飛躍的に向上し、従来発生を見たタッチパネルの上下基板間の短絡現象や支持位置の不正確、強い押圧力などの問題が解消する。
【0036】
また画面入力型表示装置に備えられている表示装置の上面に本発明のタッチパネルを備えて利用すれば長期的に安定した品質の下でタッチパネルの利用を図ることができる。例えば、車載のカーナビゲーションは高温、高湿の下での長時間品質保証が強く求められている。このカーナビゲーションへの本発明のタッチパネル利用は耐水性や耐湿性が向上して長期間に及ぶ品質保証が維持でき、最適に効果を発揮する。また、カーナビゲーションばかりでなく、FAX、ATM、自動販売機、複写機、その他各種の端末装置などに本発明のタッチパネルを備えることによって同様な効果を得る。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、耐水性や耐湿性に非常に効果のの高いタッチパネルを得ることができる。そして、安定した品質を長期的に維持することができる。また、本発明のタッチパネルを備えた画面入力型表示装置にあっては導通不良などが起きない長期的に安定した品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るタッチパネルの平面図である。
【図2】図1におけるE−E断面図である。
【図3】(a)は図1におけるG断面図模式図、(b)は相当位置における従来技術を示す参考図である。
【図4】(a)は図1におけるF断面模式図、(b)は相当位置における従来技術を示す参考図である。
【図5】図1における下基板の平面図である。
【図6】図1における上基板の平面図である。
【図7】図5の下基板において、透明電極エッチング工程を終えた時の平面図である。
【図8】(a)は、本発明の第2実施形態に係る下基板において、透明電極エッチング工程を終えた時の平面図、(b)は、(a)図におけるP部の拡大図である。
【図9】従来技術におけるタッチパネルの平面図である。
【図10】図9におけるE−E断面図である。
【図11】図9における下基板の平面図である。
【図12】図9における上基板の平面図である。
【符号の説明】
1、51 下基板
2、12 透明絶縁基板
3、13 透明電極
4、5、14、15、54a、54b、55a、55b 引き回し電極
6、7、56a、56b、57a、57b 接続電極
8 ドットスペーサ
9 FPC
11、61 上基板
17、67 シール材
20、50 タッチパネル
52、21 FPC圧着用電極
58、59、62 ITO膜帯
54c、55c、56c、57c、62a、62b、62c、62d ITO膜線
Claims (6)
- 透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化してなるタッチパネルにおいて、 前記上基板または下基板の少なくとも一方の面と前記シール材または前記引き回し電極との接合面の一部または全部が前記透明電極の一部を挟み込むように介して接合されていることを特徴とするタッチパネル。
- 透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化し、FPC圧着用電極を介して、シール外側域に設けられたFPCと、シール内側域に在る各引き回し電極とを電気的に接続しているタッチパネルにおいて、前記上下透明絶縁基板面上で前記シール材が配される部位にあり、かつ、前記FPC圧着用電極との交差部にはITO膜線を、交差部以外のシール材が配される部位にはITO膜帯を設け、前記シール材は、ITO膜線及びITO膜帯を介して上下基板をシールし、前記FPC圧着用電極は、シール材との交差部ではITO膜線をもって電気的に導通している事を特徴とするタッチパネル。
- 前記ITO膜帯は複数の島状膜から成ることを特徴とする請求項2記載のタッチパネル。
- 透明絶縁基板の下面に透明電極と引き回し電極を設けた上基板と、透明絶縁基板の上面に透明電極と引き回し電極と透明電極上に形成した複数のドットスペーサとを設けた下基板とを対向配置し、シール材で、上下基板の外周域を所定の隙間を持たせながら一体化し、FPC圧着用電極を介して、シール外側域に設けられたFPCと、シール内側域に在る各引き回し電極とを電気的に接続し、また、上下透明絶縁基板面上でシール材が配される部位にあり、かつ、FPC圧着用電極との交差部にはITO膜線を、交差部以外のシール材が配される部位にはITO膜帯を設け、前記シール材は、ITO膜線及びITO膜帯を介して上下基板をシールし、前記FPC圧着用電極は、シール材との交差部ではITO膜線をもって電気的に接続しているタッチパネルの製造方法において、ITO膜線およびITO膜帯は透明電極形成と同工程で行う事を特徴とするタッチパネルの製造方法。
- 液晶表示装置などの表示装置の上面にタッチパネルを備えている画面入力型表示装置であって、前記請求項1乃至3のいずれか1つに記載のタッチパネルを備えていることを特徴とする画面入力型表示装置。
- 液晶表示装置などの表示装置の上面にタッチパネルを備えている画面入力型表示装置であって、前記請求項4に記載のタッチパネルの製造方法で製造したタッチパネルを備えていることを特徴とする画面入力型表示装置。
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