JP2004355270A - 紙幣処理機および紙幣収納箱 - Google Patents

紙幣処理機および紙幣収納箱 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な盗難抑止効果を有する紙幣処理機および紙幣収納箱の提供。
【解決手段】筐体12と、筐体12内に対し出し入れされる紙幣収納箱13とを有して紙幣の取り引きを行うものであって、異常発生時に紙幣収納箱13内に収納された紙幣に焦げ跡を付ける焦げ跡形成手段21を有することで、異常発生時にスタッカ13内の紙幣に焦げ跡を付ける。その結果、その紙幣を使用しようとした場合に焦げ跡があることになり、盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、盗難抑止に効果を発揮する紙幣処理機および紙幣収納箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
現金取扱機と現金管理センタとの間で現金収納箱を現金輸送車で輸送する際に、万一現金収納箱が盗難にあった場合に、これを直ちに報知する現金輸送システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−218988号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の技術は現金輸送車または現金取扱機から不正に現金収納箱が抜き取られると、硬貨収納箱自体がブザー音を発生させて周囲に盗難があったことを報知するものであるが、例えば人通りが少ない場所や人通りが少ない時間帯においてはブザー音を発生させても効果が十分でない場合があった。また、現金取扱機ごと持ち去ってからブザー音が発生しても問題ない場所で解体される場合に対しても効果が十分とは言えない。
【0005】
したがって、本発明は、十分な盗難抑止効果を有する紙幣処理機および紙幣収納箱の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、筐体と、該筐体に対し出し入れされる紙幣収納箱とを有して紙幣の取り引きを行う紙幣処理機において、前記紙幣収納箱内に収納された紙幣に異常発生時に焦げ跡を付ける焦げ跡形成手段を有することを特徴としている。
【0007】
これにより、異常発生時に焦げ跡形成手段が紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記筐体の一部に開閉可能に設けられ開状態にあるとき前記紙幣収納箱を前記筐体に対し出し入れ可能とする筐体開閉手段と、該筐体開閉手段を閉状態で施錠する施錠手段とを有し、前記焦げ跡形成手段は、前記筐体開閉手段の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、前記施錠手段の施錠状態を検出する施錠状態検出手段とを有するとともに、これら開閉状態検出手段および施錠状態検出手段の検出結果から、前記筐体開閉手段の開放時に前記施錠手段が施錠解除状態になければ異常発生と判定して前記紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることを特徴としている。
【0009】
筐体開閉手段が不正に開放されると、施錠手段が施錠解除状態にはないことから、開閉状態検出手段で筐体開閉手段の開状態が検出されかつ施錠状態検出手段で施錠手段の施錠状態が検出され、これにより、焦げ跡形成手段が異常発生と判定して紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記焦げ跡形成手段は、前記筐体の設置後の移動量を検出する移動量検出手段を有し、該移動量検出手段により前記筐体の設置後の移動量が所定量以上になったことが検出されると異常発生と判定して前記紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることを特徴としている。
【0011】
これにより、筐体ごと持ち去られるような事態が生じた場合に、移動量検出手段によって検出される筐体の設置後の移動量が所定量以上になり、焦げ跡形成手段が異常発生と判定して紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記焦げ跡形成手段は、前記移動量検出手段の作動および作動停止を切り換える作動切換手段を有することを特徴としている。
【0013】
これにより、作動切換手段によって移動量検出手段を作動停止させておけば、焦げ跡形成手段は筐体の設置後の移動量が所定量以上になっても異常発生と判定しないことになる。よって、筐体の正規の移動時に焦げ跡形成手段が異常発生と判定して紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けてしまうことを防止できる。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、停電時に前記焦げ跡形成手段に電力を供給するバッテリを内蔵していることを特徴としている。
【0015】
これにより、停電時においても、内蔵されたバッテリから焦げ跡形成手段に電力を供給することができるため、異常発生時に紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることができる。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記バッテリに商用電源からの電力を充電する充電手段を有することを特徴としている。
【0017】
このように、バッテリに商用電源からの電力を充電する充電手段を有するため、バッテリを常に満充電状態に維持しておくことが可能となる。
【0018】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に係る発明において、前記焦げ跡形成手段は、前記紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けることを特徴としている。
【0019】
このように、焦げ跡形成手段が紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けるため、焦げ跡の位置が特徴的となって、盗難紙幣であることがさらに容易に見分けられることになる。
【0020】
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、前記焦げ跡形成手段は、前記紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けることを特徴としている。
【0021】
このように、焦げ跡形成手段が紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けるため、焦げ跡をより視認しやすくなり、盗難紙幣であることがさらに容易かつ確実に見分けられることになる。
【0022】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に係る発明において、前記焦げ跡形成手段は、前記紙幣収納箱内に収納されたすべての紙幣と接触可能な位置に配置され電力により発熱する加熱部材と、通常前記加熱部材に対し給電せず、前記異常発生と判定されると前記加熱部材に対し給電する制御手段とを有することを特徴としている。
【0023】
これにより、通常時は、焦げ跡形成手段の制御手段が加熱部材に給電しないため、加熱部材は発熱せず、よって紙幣収納箱内の紙幣に焦げ跡が付けられることはない。一方、異常発生時は、焦げ跡形成手段の制御手段が加熱部材に給電することになるため、加熱部材が発熱し、よって紙幣収納箱内の紙幣に焦げ跡が付けられることになる。このように、簡素な構成で異常発生時に焦げ跡を紙幣収納箱内の紙幣に付けることができる。
【0024】
請求項10に係る発明は、紙幣が出し入れされる箱体を有する紙幣収納箱において、前記箱体内に収納された紙幣に異常発生時に焦げ跡を付ける焦げ跡形成手段を有することを特徴としている。
【0025】
これにより、異常発生時には焦げ跡形成手段が箱体内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。
【0026】
請求項11に係る発明は、請求項10に係る発明において、前記箱体の一部に開閉可能に設けられ開状態にあるとき紙幣を前記箱体に対し出し入れ可能とする箱体開閉手段と、該箱体開閉手段を閉状態で施錠する施錠手段とを有し、前記焦げ跡形成手段は、前記箱体開閉手段の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、前記施錠手段の施錠状態を検出する施錠状態検出手段とを有するとともに、これら開閉状態検出手段および施錠状態検出手段の検出結果から、前記箱体開閉手段の開放時に前記施錠手段が施錠解除状態になければ異常発生と判定して前記箱体内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることを特徴としている。
【0027】
箱体開閉手段が不正に開放されると、施錠手段が施錠解除状態にはないことから、開閉状態検出手段で箱体開閉手段の開状態が検出されかつ施錠状態検出手段で施錠手段の施錠状態が検出され、これにより、焦げ跡形成手段が異常発生と判定して箱体内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになる。
【0028】
請求項12に係る発明は、請求項10または11に係る発明において、停電時に前記焦げ跡形成手段に電力を供給するバッテリを内蔵していることを特徴としている。
【0029】
これにより、停電時においても、内蔵されたバッテリから焦げ跡形成手段に電力を供給することができるため、異常発生時に箱体内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることができる。
【0030】
請求項13に係る発明は、請求項12に係る発明において、前記バッテリに商用電源からの電力を充電する充電手段を有することを特徴としている。
【0031】
このように、バッテリに商用電源からの電力を充電する充電手段を有するため、バッテリを常に満充電状態に維持しておくことが可能となる。
【0032】
請求項14に係る発明は、請求項10乃至13のいずれか一項に係る発明において、前記焦げ跡形成手段は、前記箱体内に収納された紙幣のそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けることを特徴としている。
【0033】
このように、焦げ跡形成手段が箱体内に収納された紙幣のそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けるため、焦げ跡が特徴的となって、盗難紙幣であることがさらに容易に見分けられることになる。
【0034】
請求項15に係る発明は、請求項14に係る発明において、前記焦げ跡形成手段は、前記箱体内に収納された紙幣のそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けることを特徴としている。
【0035】
このように、焦げ跡形成手段が紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けるため、焦げ跡をより視認しやすくなり、盗難紙幣であることがさらに容易かつ確実に見分けられることになる。
【0036】
請求項16に係る発明は、請求項10乃至15のいずれか一項に係る発明において、前記焦げ跡形成手段は、前記箱体内に収納されたすべての紙幣と接触可能な位置に配置され電力により発熱する加熱部材と、通常前記加熱部材に対し給電せず、前記異常発生と判定されると前記加熱部材に対し給電する制御手段とを有することを特徴としている。
【0037】
これにより、通常時は、焦げ跡形成手段の制御手段が加熱部材に給電しないため、加熱部材は発熱せず、よって箱体内の紙幣に焦げ跡が付けられることはない。一方、異常発生時は、焦げ跡形成手段の制御手段が加熱部材に給電することになるため、加熱部材が発熱し、よって箱体内の紙幣に焦げ跡が付けられることになる。このように、簡素な構成で異常発生時に焦げ跡を箱体内の紙幣に付けることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面を参照して以下に説明する。
紙幣処理機11は、図示せぬ商用電源に接続され主にこの商用電源からの給電で作動するもので、一括投入されたバラ紙幣を識別計数して入金させて収納する入金取引を行う一方、収納している紙幣を指示された枚数出金させる出金取引を行うものである。
【0039】
紙幣処理機11は、図1に示すように、筐体12と、筐体12内に装填されて金種別に紙幣を収納する1台以上具体的には3台のスタッカ(紙幣収納箱)13とを有している。ここで、スタッカ13は筐体12内の所定の載置部14にそれぞれ載置されることになり、この状態で前後方向に配列される。
【0040】
紙幣処理機11の筐体12は、その側面側である一部に開閉可能な扉体16(筐体開閉手段)が設けられており、複数のスタッカ13は、それぞれ、扉体16が開状態にあるときに筐体12内に対し出し入れされることになる。この扉体16とこの扉体16を除く筐体12の筐体本体17とには、扉体16が閉状態にあるとき、これらとは別体の施錠キー18の嵌合回動動作により扉体16を筐体本体17に対し固定する施錠状態と固定解除して開作動可能にする施錠解除状態とに切換可能な施錠機構部(施錠手段)19が設けられている。つまり、扉体16は閉状態で施錠キー18および施錠機構部19によって施錠および施錠解除可能に設けられている。なお、施錠キー18および施錠機構部19が、扉体16を施錠する施錠回動位置にあるときは、施錠キー18が施錠状態にある施錠機構部19から引き抜き可能とされており、施錠キー18および施錠機構部19が、扉体16の施錠を解除する施錠解除回動位置にあるときは、施錠キー18が施錠解除状態にある施錠機構部19から引き抜き不可とされている。さらに、施錠キー18および施錠機構部19が回動途中にあるときも、施錠キー18が施錠機構部19から引き抜き不可とされている。
【0041】
図2および図3に示すように、各スタッカ13は、上下方向に長い箱体36を有しており、箱体36には、厚さ方向を上下方向に向けた状態の紙幣Sが多数、上下方向に集積された状態で装填されることになる。ここで、箱体36には集積紙幣Sの四方の各端縁部を案内するためのガイド側板37が設けられている。また、箱体36の上部には、紙幣Sを出し入れするための入出機構38が設けられ、箱体36の下部には集積紙幣Sの量に応じて昇降するエレベータ機構39が設けられている。
【0042】
そして、各箱体36には、それぞれ、背面側の一部に開閉可能な蓋体(箱体開閉手段)41が設けられている。この蓋体41とこの蓋体41を除く箱体36の箱体本体42とには、蓋体41が閉状態にあるとき、これらとは別体の施錠キー44の嵌合回動動作により蓋体41を箱体本体42に対し固定する施錠状態と固定解除して開作動可能にする施錠解除状態とに切換可能な施錠機構部(施錠手段)45が設けられている。つまり、蓋体41は閉状態で施錠キー44および施錠機構部45によって施錠および施錠解除可能に設けられている。なお、施錠キー44および施錠機構部45が、蓋体41を施錠する施錠回動位置にあるときは、施錠キー44が施錠状態にある施錠機構部45から引き抜き可能とされており、施錠キー44および施錠機構部45が、扉体16の施錠を解除する施錠解除回動位置にあるときは、施錠キー44が施錠解除状態にある施錠機構部45から引き抜き不可とされている。さらに、施錠キー44および施錠機構部45が回動途中にあるときも、施錠キー44が施錠機構部45から引き抜き不可とされている。箱体36は、蓋体41が開状態にあるときに紙幣Sが出し入れされる。
【0043】
そして、紙幣処理機11には、盗難発生時等の異常発生時にすべてのスタッカ13内に収納された紙幣Sに焦げ跡を付ける処理機側の図1に示す焦げ跡形成装置(焦げ跡形成手段)21が設けられている。
【0044】
この焦げ跡形成装置21は、図2および図3に示すように、各スタッカ13の箱体36内においてガイド側板37に紙幣Sの集積方向に沿って延在するように取り付けられた帯状の複数具体的には4つの加熱部材22が、それぞれ集積された紙幣Sに同時に接触可能に設けられており、これら加熱部材22は内蔵された電熱線の発熱によって紙幣Sに焦げ跡を付ける。
【0045】
なお、すべての加熱部材22は、それぞれ、入出金機構38とエレベータ機構39との間に集積状態で紙幣Sが満杯まで収納されているときに、紙幣Sの集積方向における両端部よりも外側に延出する長さを有しており、この結果、すべての加熱部材22は、それぞれが箱体36内に満杯まで収納された紙幣Sのすべてに接触可能となる。そして、すべての加熱部材22は、発熱時に接触するすべての紙幣Sの端縁部に焦げ跡を付けるようになっている。
【0046】
ここで、加熱部材22のうちの1つ以上が一つのガイド側板37に単独で設けられ、また、加熱部材22のうちの1つ以上が一つのガイド側板37に他の加熱部材22とともに設けられて、さらに、加熱部材22のうちの1つ以上が他の加熱部材22とは異なるガイド側板37に設けられることになる。具体的には、ガイド側板37のうち紙幣Sの長手方向に沿って延在する一方の端縁部Saを案内するガイド側板37に、箱体36内のすべての紙幣Sのこのガイド側板37に対向する端縁部Saに接触するように加熱部材22が二つ設けられており、紙幣Sの長手方向に沿って延在する他方の端縁部Sbを案内するガイド側板37に、箱体36内のすべての紙幣Sのこのガイド側板37に対向する端縁部Sbに接触するように加熱部材22が一つのみ設けられていて、紙幣Sの短手方向に沿って延在する一の端縁部Scを案内するガイド側板37に、箱体36内のすべての紙幣Sのこのガイド側板37に対向する端縁部Scに接触するように加熱部材22が一つのみ設けられている。これにより、焦げ跡形成装置21は、すべての加熱部材22を発熱させると、箱体36内に収納されたすべての紙幣Sのそれぞれに対し複数の位置に同時に焦げ跡を付けることになり、しかも箱体36内に収納されたすべての紙幣Sのそれぞれに対し、異なる複数の端縁部に同時に焦げ跡を付けることになる。
【0047】
ここで、加熱部材22はスタッカ13の箱体36に設けられたコネクタ23に電気的に接続されており、図1に示すように、このコネクタ23はスタッカ13が載置部14に載置されることで筐体12側のコネクタ24に電気的に接続されるようになっている。
【0048】
焦げ跡形成装置21は、扉体16が開状態にあるか閉状態にあるかを検出する扉体開閉状態センサ(開閉状態検出手段)26と、施錠機構部19が施錠回動位置にあって扉体16を施錠する施錠状態にあるか施錠解除回動位置にあって扉体16の施錠を解除する施錠解除状態にあるかを検出する施錠状態センサ(施錠状態検出手段)27と、筐体12の設置後の移動量を検出する移動量検出センサ(移動量検出手段)28と、これら扉体開閉状態センサ26、施錠状態センサ27および移動量検出センサ28の検出状態に応じて加熱部材22への給電および給電停止を切り換える制御部(制御手段,充電手段)29と、筐体12に設けられたすべてのコネクタ24と制御部29とを電気的に接続させる配線部30とを有している。なお、制御部29は、すべてのスタッカ13よりも後側のスペース20に配置されている。
【0049】
ここで、移動量検出センサ28は、所定の設置場所に設置された紙幣処理機11と紙幣処理機11が載置されるフロア31との間に架設されるもので、所定の設置場所に紙幣処理機11があるか、所定の設置場所から紙幣処理機11が離間した状態にあるかを検出するものである。なお、移動量検出センサ28は、地震の揺れ程度では所定の設置場所から紙幣処理機11が離間した状態にあると判定することがないようにその検出レベル等が設定されている。
【0050】
さらに、焦げ跡形成装置21は、別体の切換キー(作動切換手段)32の嵌合回動動作によって信号が切り換えられる切換検出部(作動切換手段)33を有しており、制御部29は、この切換検出部33からの信号に応じて移動量検出センサ28の作動および作動停止を切換可能となっている。なお、切換キー32は、移動量検出センサ28を作動状態とする作動回動位置および作動停止状態とする作動停止回動位置のいずれにおいても切換検出部33から引き抜き可能とされており、回動途中では引き抜き不可とされている。
【0051】
また、筐体12内には、図示せぬ商用電源からの給電が停止される停電時においても、焦げ跡形成装置21の扉体開閉状態センサ26、施錠状態センサ27、移動量検出センサ28、切換検出部33および制御部29に電力を供給しこれらを通常通り作動可能な状態とするバッテリ34が上記スペース20において制御部29の下側に設けられている。つまり、バッテリ34は筐体12に内蔵されている。なお、制御部29は、図示せぬ商用電源からの給電がある状態では常に満充電状態とするように商用電源からバッテリ34に充電を行う。
【0052】
すべてのスタッカ13にも、それぞれ、図2および図3に示すように、盗難発生時等の異常発生時に箱体36に収納された紙幣Sに焦げ跡を付けるスタッカ用の焦げ跡形成装置(焦げ跡形成手段)47が設けられている。これらの焦げ跡形成装置47は、加熱部材22を上記した焦げ跡形成装置21と共用するもので、蓋体41が開状態にあるか閉状態にあるかを検出する蓋体開閉状態センサ(開閉状態検出手段)56と、施錠機構部45が施錠回動位置にあって扉体16を施錠する施錠状態にあるか施錠解除回動位置にあって扉体16の施錠を解除する施錠解除状態にあるかを検出する施錠状態センサ(施錠状態検出手段)57と、これら蓋体開閉状態センサ56および施錠状態センサ57の検出状態に応じて加熱部材22への給電および給電停止を切り換える制御部(制御手段,充電手段)58とを有している。なお、制御部58は、スタッカ13の紙幣Sが集積されるスペースよりも下側つまりエレベータ機構39よりも下側のスペース51に配置されている。
【0053】
また、各スタッカ13において、それぞれの箱体36内には、図示せぬ商用電源からの給電が停止される停電時においても、焦げ跡形成装置47の蓋体開閉状態センサ56、施錠状態センサ57および制御部58に電力を供給しこれらを通常通り作動可能な状態とするバッテリ59が上記スペース51に配置されている。つまり、バッテリ59は箱体36に内蔵されている。なお、制御部58は、図示せぬ商用電源からの給電がある状態では常に満充電状態とするように商用電源からバッテリ59に充電を行う。
【0054】
次に、紙幣処理機11の作動について説明する。なお、紙幣処理機11用の焦げ跡形成装置21は商用電源から給電可能な状態では商用電源から給電されることになり、商用電源から給電不可な停電状態ではバッテリ34から自動的に給電される。
【0055】
焦げ跡形成装置21の制御部29は、扉体開閉状態センサ26により扉体16の開状態が検出される扉体16の開放時には、常に施錠状態センサ27により施錠機構部19が施錠解除状態および施錠状態のいずれにあるかを監視しており、施錠機構部19の施錠解除状態が検出される通常時は異常なしと判定してすべてのスタッカ13のすべての加熱部材22への給電停止の状態を維持する。つまり、スタッカ13の出し入れ等のため紙幣処理機11の筐体12に対し扉体16が正規に開放された場合には、加熱部材22を給電停止状態に維持し、加熱部材22が発熱するのを規制する。
【0056】
他方、制御部29は、扉体開閉状態センサ26により扉体16の開状態が検出されたときに、施錠状態センサ27により施錠機構部19の施錠状態が検出された場合には、異常発生と判定してすべてのスタッカ13のすべての加熱部材22に商用電源またはバッテリ34からの電力を給電する。すると、すべての加熱部材22が発熱してスタッカ13の箱体36に収納されているすべての紙幣Sの複数の異なる端縁部に焦げ跡を付ける。つまり、例えば設置場所で紙幣処理機11の扉体16を無理矢理こじ開けた場合等、紙幣処理機11の筐体12に対し扉体16が不正に開放された場合には、制御部29がすべてのスタッカ13のすべての加熱部材22に給電し、すべてのスタッカ13内のすべての紙幣Sの端縁部に焦げ跡を付けるのである。
【0057】
また、制御部29は、切換キー32の嵌合回動動作により移動量検出センサ28が作動状態とされた状態において、移動量検出センサ28により筐体12の設置後の移動量が所定量以上になったことが検出されると異常発生と判定してすべてのスタッカ13のすべての加熱部材22に商用電源またはバッテリ34からの電力を給電する。すると、すべての加熱部材22が発熱してスタッカ13の箱体36に収納されているすべての紙幣Sの複数の異なる端縁部に焦げ跡を付ける。つまり、例えば設置場所から紙幣処理機11ごと盗もうとした場合等、紙幣処理機11が設置場所から動かされると、制御部29がすべてのスタッカ13のすべての加熱部材22に給電し、すべてのスタッカ13内のすべての紙幣Sの端縁部に焦げ跡を付けるのである。
【0058】
なお、切換キー32の嵌合回動動作により移動量検出センサ28が作動停止させられた状態では、筐体12の設置後の移動量が所定量以上になってもこれが検出されることはなく、よって制御部29は異常発生と判定せず、スタッカ13内に収納された紙幣Sに焦げ跡をつけることはない。つまり、紙幣処理機11の正規の移動時に、焦げ跡形成装置21が異常発生と判定して紙幣Sに焦げ跡を付けることがないようになっている。
【0059】
次に、スタッカ13の作動について説明する。なお、スタッカ13用の焦げ跡形成装置47は商用電源から給電可能な状態では商用電源から給電されることになり、商用電源から給電不可な停電状態ではバッテリ59から自動的に給電される。
【0060】
焦げ跡形成装置47の制御部58は、蓋体開閉状態センサ56により蓋体41の開状態が検出される蓋体41の開放時には、常に施錠状態センサ57により施錠機構部45が施錠解除状態および施錠状態のいずれにあるかを監視しており、施錠機構部45が施錠解除状態にある通常時は異常なしと判定して箱体36のすべての加熱部材22への給電停止の状態を維持する。つまり、紙幣Sの出し入れ等のために箱体36の蓋体41が正規に開放された場合には、加熱部材22を給電停止状態に維持し、加熱部材22が発熱するのを規制する。
【0061】
他方、制御部58は、蓋体開閉状態センサ56により蓋体41の開状態が検出されたときに、施錠状態センサ57により施錠機構部45の施錠状態が検出された場合には、異常発生と判定して箱体36のすべての加熱部材22に商用電源またはバッテリ59からの電力を給電する。すると、すべての加熱部材22が発熱して箱体36に収納されているすべての紙幣Sの複数の異なる端縁部に焦げ跡を付ける。つまり、例えば運搬途中等においてスタッカ13が盗み出され、その後、スタッカ13の蓋体41を無理矢理こじ開けた場合等、スタッカ13の箱体36に対し蓋体41が不正に開放された場合には、制御部58が箱体36のすべての加熱部材22に給電し、箱体36のすべての紙幣Sの端縁部に焦げ跡を付けるのである。
【0062】
ここで、以上の焦げ跡形成装置21,47のいずれにおいても、加熱部材22の加熱時間および加熱温度は、紙幣Sが発火せず焦げ跡が付く程度に設定されている。
【0063】
以上に述べた紙幣処理機11は、以下の効果を奏することができる。
【0064】
異常発生時に焦げ跡形成装置21がすべてのスタッカ13内に収納された紙幣Sに焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、盗難自体が意味のないものとなり抑止される。しかも、焦げ跡は洗浄等しても取り去ることができない。
【0065】
具体的には、扉体16が不正に開放されると、施錠機構部19が施錠解除状態にはないことから、扉体開閉状態センサ26で扉体16の開状態が検出されかつ施錠状態センサ27で施錠機構部19の施錠状態が検出され、これにより、焦げ跡形成装置21が異常発生と判定して、すべてのスタッカ13内に収納された紙幣Sに焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、扉体16を不正に開放して行う盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【0066】
さらに、紙幣処理機11が筐体12ごと持ち去られるような事態が生じた場合に、移動量検出センサ28によって検出される筐体12の設置後の移動量が所定量以上になり、焦げ跡形成装置21が異常発生と判定して、すべてのスタッカ13内に収納された紙幣Sに焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。したがって、このような紙幣も盗んでも使用できないことから、筐体12ごと持ち去るような盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【0067】
また、切換キー32の嵌合回動動作によって移動量検出センサ28を作動停止させておけば、焦げ跡形成装置21は筐体12の設置後の移動量が所定量以上になっても異常発生と判定しないことになる。よって、筐体12の正規の移動時に焦げ跡形成装置21が異常発生と判定してスタッカ13内の紙幣Sに焦げ跡を付けてしまうことを防止できる。
【0068】
加えて、停電時においても、紙幣処理機11に内蔵されたバッテリ34から焦げ跡形成装置21に電力を供給することができるため、異常発生時にすべてのスタッカ13内に収納されたすべての紙幣Sに焦げ跡を付けることになる。したがって、停電状態にしても意味がないため盗難の抑止効果がさらに優れることになる。
【0069】
制御部29がバッテリ34に常に満充電となるように商用電源からの電力を充電するため、バッテリ34を常に満充電状態に維持しておくことができる。
【0070】
さらに、焦げ跡形成装置21がすべてのスタッカ13内に収納されたすべての紙幣Sのそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けるため、焦げ跡の位置が特徴的となって、盗難紙幣であることがさらに容易に見分けられることになる。
【0071】
加えて、焦げ跡形成装置21がすべてのスタッカ13内に収納されたすべての紙幣Sのそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けるため、焦げ跡をより視認しやすくなり、盗難紙幣であることがさらに容易かつ確実に見分けられることになる。
【0072】
通常時は、焦げ跡形成装置21の制御部29が加熱部材22に給電しないため、加熱部材22は発熱せず、よってすべてのスタッカ13内のすべての紙幣Sに対し焦げ跡が付けられることはない。一方、異常発生時は、焦げ跡形成装置21の制御部29が加熱部材22に給電することになるため、加熱部材22が発熱し、よってすべてのスタッカ13内のすべての紙幣Sに焦げ跡が付けられることになる。このように、簡素な構成で異常発生時に焦げ跡をすべてのスタッカ13内のすべての紙幣Sに付けることができる。
【0073】
本実施形態のスタッカ13は、以下の効果を奏することができる。
【0074】
異常発生時には焦げ跡形成装置47が箱体36内に収納されたすべての紙幣Sに焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、盗難自体が意味のないものとなり抑止される。しかも、焦げ跡は洗浄等では取り去ることができない。
【0075】
具体的には、蓋体41が不正に開放されると、施錠機構部45が施錠解除状態にはないことから、蓋体開閉状態センサ56で蓋体41の開状態が検出されかつ施錠状態センサ57で施錠機構部45の施錠状態が検出され、これにより、焦げ跡形成装置47が異常発生と判定して箱体36内に収納されたすべての紙幣Sに焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、スタッカ13を盗み蓋体41を不正に開放して行う盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【0076】
加えて、停電時においても、スタッカ13に内蔵されたバッテリ59から焦げ跡形成装置47に電力を供給することができるため、異常発生時に箱体36内に収納されたすべての紙幣Sに焦げ跡を付けることになる。したがって、停電状態にしても意味がないため盗難の抑止効果がさらに優れることになる。
【0077】
制御部58がバッテリ59が常に満充電となるように商用電源からの電力を充電するため、バッテリ59を常に満充電状態に維持しておくことができる。
【0078】
さらに、焦げ跡形成装置47が箱体36内に収納されたすべての紙幣Sのそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けるため、焦げ跡の位置が特徴的となって、盗難紙幣であることがさらに容易に見分けられることになる。
【0079】
加えて、焦げ跡形成装置47が箱体36内に収納されたすべての紙幣Sのそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けるため、焦げ跡をより視認しやすくなり、盗難紙幣であることがさらに容易かつ確実に見分けられることになる。
【0080】
さらに、通常時は、焦げ跡形成装置47の制御部58が加熱部材22に給電しないため、加熱部材22は発熱せず、よって箱体36内のすべての紙幣Sに対し焦げ跡が付けられることはない。一方、異常発生時は、焦げ跡形成装置47の制御部58が加熱部材22に給電することになるため、加熱部材22が発熱し、よって箱体36内のすべての紙幣Sに焦げ跡が付けられることになる。このように、簡素な構成で異常発生時に焦げ跡を箱体36内のすべての紙幣Sに付けることができる。
【0081】
なお、移動量検出センサ28としてGPSを利用して紙幣処理機11の位置を検出し紙幣処理機11が所定量以上移動したか否かを判断するものを用いても良い。
【0082】
また、紙幣処理機11に所定量以上の衝撃が加わったか否かを検出する衝撃センサを設け、衝撃センサで所定量以上の衝撃が加わったことが検出された場合に、焦げ跡形成装置21で焦げ跡をスタッカ13内の紙幣Sに付けるようにしても良い。
【0083】
加えて、紙幣処理機11に所定量以上の振動が加わったか否かを検出する振動センサを設け、振動センサで所定量以上の振動が加わったことが検出された場合に、焦げ跡形成装置21で焦げ跡をスタッカ13内の紙幣Sに付けるようにしても良い。
【0084】
さらに、紙幣処理機11が所定量以上に傾斜させられたか否かを検出する傾斜センサを設け、この傾斜センサで所定量以上に傾斜させられたことが検出された場合に、焦げ跡形成装置21で焦げ跡をスタッカ13内の紙幣Sに付けるようにしても良い。
【0085】
加えて、焦げ跡形成装置21,47で焦げ跡を形成した後、即座に水を箱体36内で紙幣にかけるようにしても良い。この場合、水を溜め必要により噴出させる装置を例えば箱体36に設けることになる。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に係る発明によれば、異常発生時に焦げ跡形成手段が紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【0087】
請求項2に係る発明によれば、筐体開閉手段が不正に開放されると、施錠手段が施錠解除状態にはないことから、開閉状態検出手段で筐体開閉手段の開状態が検出されかつ施錠状態検出手段で施錠手段の施錠状態が検出され、これにより、焦げ跡形成手段が異常発生と判定して紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、筐体開閉手段を不正に開放して行う盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【0088】
請求項3に係る発明によれば、筐体ごと持ち去られるような事態が生じた場合に、移動量検出手段によって検出される筐体の設置後の移動量が所定量以上になり、焦げ跡形成手段が異常発生と判定して紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、筐体ごと持ち去るような盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【0089】
請求項4に係る発明によれば、作動切換手段によって移動量検出手段を作動停止させておけば、焦げ跡形成手段は筐体の設置後の移動量が所定量以上になっても異常発生と判定しないことになる。よって、筐体の正規の移動時に焦げ跡形成手段が異常発生と判定して紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けてしまうことを防止できる。
【0090】
請求項5に係る発明によれば、停電時においても、内蔵されたバッテリから焦げ跡形成手段に電力を供給することができるため、異常発生時に紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることができる。したがって、停電状態にしても意味がないため盗難の抑止効果がさらに優れることになる。
【0091】
請求項6に係る発明によれば、バッテリに商用電源からの電力を充電する充電手段を有するため、バッテリを常に満充電状態に維持しておくことが可能となる。
【0092】
請求項7に係る発明によれば、焦げ跡形成手段が紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けるため、焦げ跡の位置が特徴的となって、盗難紙幣であることがさらに容易に見分けられることになる。
【0093】
請求項8に係る発明によれば、焦げ跡形成手段が紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けるため、焦げ跡をより視認しやすくなり、盗難紙幣であることがさらに容易かつ確実に見分けられることになる。
【0094】
請求項9に係る発明によれば、通常時は、焦げ跡形成手段の制御手段が加熱部材に給電しないため、加熱部材は発熱せず、よって紙幣収納箱内の紙幣に焦げ跡が付けられることはない。一方、異常発生時は、焦げ跡形成手段の制御手段が加熱部材に給電することになるため、加熱部材が発熱し、よって紙幣収納箱内の紙幣に焦げ跡が付けられることになる。このように、簡素な構成で異常発生時に焦げ跡を紙幣収納箱内の紙幣に付けることができる。
【0095】
請求項10に係る発明によれば、異常発生時には焦げ跡形成手段が箱体内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになるため、その後は、この焦げ跡から盗難紙幣であることが容易に見分けられることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【0096】
請求項11に係る発明によれば、箱体開閉手段が不正に開放されると、施錠手段が施錠解除状態にはないことから、開閉状態検出手段で箱体開閉手段の開状態が検出されかつ施錠状態検出手段で施錠手段の施錠状態が検出され、これにより、焦げ跡形成手段が異常発生と判定して箱体内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることになる。したがって、このような紙幣は盗んでも使用できないことから、箱体開閉手段を不正に開放して行う盗難自体が意味のないものとなり抑止される。
【0097】
請求項12に係る発明によれば、停電時においても、内蔵されたバッテリから焦げ跡形成手段に電力を供給することができるため、異常発生時に箱体内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることができる。したがって、停電状態にしても意味がないため盗難の抑止効果がさらに優れることになる。
【0098】
請求項13に係る発明によれば、バッテリに商用電源からの電力を充電する充電手段を有するため、バッテリを常に満充電状態に維持しておくことが可能となる。
【0099】
請求項14に係る発明によれば、焦げ跡形成手段が箱体内に収納された紙幣のそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けるため、焦げ跡が特徴的となって、盗難紙幣であることがさらに容易に見分けられることになる。
【0100】
請求項15に係る発明によれば、焦げ跡形成手段が紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けるため、焦げ跡をより視認しやすくなり、盗難紙幣であることがさらに容易かつ確実に見分けられることになる。
【0101】
請求項16に係る発明によれば、通常時は、焦げ跡形成手段の制御手段が加熱部材に給電しないため、加熱部材は発熱せず、よって箱体内の紙幣に焦げ跡が付けられることはない。一方、異常発生時は、焦げ跡形成手段の制御手段が加熱部材に給電することになるため、加熱部材が発熱し、よって箱体内の紙幣に焦げ跡が付けられることになる。このように、簡素な構成で異常発生時に焦げ跡を箱体内の紙幣に付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の紙幣処理機を示す側断面図である。
【図2】本発明の一実施形態のスタッカ(紙幣収納箱)を示す側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態のスタッカ(紙幣収納箱)を示す平断面図である。
【符号の説明】
11 紙幣処理機
12 筐体
13 スタッカ(紙幣収納箱)
16 扉体(筐体開閉手段)
19 施錠機構部(施錠手段)
21 焦げ跡形成装置(焦げ跡形成手段)
26 扉体開閉状態センサ(開閉状態検出手段)
27 施錠状態センサ(施錠状態検出手段)
28 移動量検出センサ(移動量検出手段)
29 制御部(連通制御手段)
33 切換検出部(作動切換手段)
34 バッテリ
36 箱体
41 蓋体(箱体開閉手段)
44 施錠キー(施錠手段)
45 施錠機構部(施錠手段)
47 焦げ跡形成装置(焦げ跡形成手段)
56 蓋体開閉状態センサ(開閉状態検出手段)
57 施錠状態センサ(施錠状態検出手段)
58 制御部(開閉制御手段)
59 バッテリ

Claims (16)

  1. 筐体と、該筐体に対し出し入れされる紙幣収納箱とを有して紙幣の取り引きを行う紙幣処理機において、
    前記紙幣収納箱内に収納された紙幣に異常発生時に焦げ跡を付ける焦げ跡形成手段を有することを特徴とする紙幣処理機。
  2. 前記筐体の一部に開閉可能に設けられ開状態にあるとき前記紙幣収納箱を前記筐体に対し出し入れ可能とする筐体開閉手段と、該筐体開閉手段を閉状態で施錠する施錠手段とを有し、
    前記焦げ跡形成手段は、前記筐体開閉手段の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、前記施錠手段の施錠状態を検出する施錠状態検出手段とを有するとともに、これら開閉状態検出手段および施錠状態検出手段の検出結果から、前記筐体開閉手段の開放時に前記施錠手段が施錠解除状態になければ異常発生と判定して前記紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理機。
  3. 前記焦げ跡形成手段は、前記筐体の設置後の移動量を検出する移動量検出手段を有し、該移動量検出手段により前記筐体の設置後の移動量が所定量以上になったことが検出されると異常発生と判定して前記紙幣収納箱内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることを特徴とする請求項1または2記載の紙幣処理機。
  4. 前記焦げ跡形成手段は、前記移動量検出手段の作動および作動停止を切り換える作動切換手段を有することを特徴とする請求項3記載の紙幣処理機。
  5. 停電時に前記焦げ跡形成手段に電力を供給するバッテリを内蔵していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の紙幣処理機。
  6. 前記バッテリに商用電源からの電力を充電する充電手段を有することを特徴とする請求項5記載の紙幣処理機。
  7. 前記焦げ跡形成手段は、前記紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の紙幣処理機。
  8. 前記焦げ跡形成手段は、前記紙幣収納箱内に収納された紙幣のそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けることを特徴とする請求項7記載の紙幣処理機。
  9. 前記焦げ跡形成手段は、
    前記紙幣収納箱内に収納されたすべての紙幣と接触可能な位置に配置され電力により発熱する加熱部材と、
    通常前記加熱部材に対し給電せず、前記異常発生と判定されると前記加熱部材に対し給電する制御手段とを有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の紙幣処理機。
  10. 紙幣が出し入れされる箱体を有する紙幣収納箱において、前記箱体内に収納された紙幣に異常発生時に焦げ跡を付ける焦げ跡形成手段を有することを特徴とする紙幣収納箱。
  11. 前記箱体の一部に開閉可能に設けられ開状態にあるとき紙幣を前記箱体に対し出し入れ可能とする箱体開閉手段と、該箱体開閉手段を閉状態で施錠する施錠手段とを有し、
    前記焦げ跡形成手段は、前記箱体開閉手段の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、前記施錠手段の施錠状態を検出する施錠状態検出手段とを有するとともに、これら開閉状態検出手段および施錠状態検出手段の検出結果から、前記箱体開閉手段の開放時に前記施錠手段が施錠解除状態になければ異常発生と判定して前記箱体内に収納された紙幣に焦げ跡を付けることを特徴とする請求項10記載の紙幣収納箱。
  12. 停電時に前記焦げ跡形成手段に電力を供給するバッテリを内蔵していることを特徴とする請求項10または11記載の紙幣収納箱。
  13. 前記バッテリに商用電源からの電力を充電する充電手段を有することを特徴とする請求項12記載の紙幣収納箱。
  14. 前記焦げ跡形成手段は、前記箱体内に収納された紙幣のそれぞれに対し複数の位置に焦げ跡を付けることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項記載の紙幣収納箱。
  15. 前記焦げ跡形成手段は、前記箱体内に収納された紙幣のそれぞれに対し異なる複数の端縁部に焦げ跡を付けることを特徴とする請求項14記載の紙幣収納箱。
  16. 前記焦げ跡形成手段は、
    前記箱体内に収納されたすべての紙幣と接触可能な位置に配置され電力により発熱する加熱部材と、
    通常前記加熱部材に対し給電せず、前記異常発生と判定されると前記加熱部材に対し給電する制御手段とを有することを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項記載の紙幣収納箱。
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