JP2004354529A - 現像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】層厚規制部材14と攪拌搬送部材16との間に存在し、その層厚規制部材14によって掻き取られた余剰の現像剤2がその攪拌搬送部材16側に移動する流れを抑制して現像ロール13側に移動する流れを誘発させる現像剤誘導部材60を設けた。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤からなる画像を形成するプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に使用される現像装置に係り、特に、現像装置全体を小型化かつ扁平化させた形態にした場合であっても現像剤を十分に帯電させた後に現像領域に供給することができる現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の現像装置においては、例えばその使用先である画像形成装置に求められる小型化、高生産化等の要請の影響を受けて、その小型化や高生産化等の要請に応えるべき状況にあるものがある。
【0003】
その小型化の要請に対しては、現像装置の全体を決定するハウジング(筐体)が小型化されることが望まれ、そのため、現像剤を担持して静電潜像が形成される像担持体と対向する現像領域に搬送する現像ロールの小径化が余儀なくされている。また、カラー画像形成装置のように複数の現像装置を装備して使用する場合には、現像装置を扁平化することも小型化に有効になる場合もある。一方、その高生産化の要請に対しては、画像形成プロセススピードの高速化に合わせて現像ロールを高速で回転する必要性がある。
【0004】
ところで、このような小型化を図ろうとする現像装置にあっては、そのハウジングの現像剤を収容する収容空間部とその収容された現像剤を現像ロールに供給するまでの搬送距離が短くなったり、その搬送空間が少なくなる。このため、例えば、現像剤としてトナーとキャリアからなる二成分現像剤を使用する場合、その現像剤収容空間内に新たに補給された二成分現像剤のトナーとキャリアを、その限られた現像剤収容空間内で回転駆動するオーガー等の攪拌搬送部材により素早く攪拌して十分に帯電させた後に現像ロール側に供給する(受け渡す)ことが重要となる。これは、現像剤が帯電不十分な状態で現像ロールにより現像領域に搬送されて現像が行われると、トナークラウド(トナー浮遊現象)、画像のかぶりや濃度むら等の不具合が発生してしまうからである。
【0005】
これに対し、本出願人も、上記オーガーのような攪拌部材の構造等を工夫することにより、現像装置を小型化や扁平化させた場合であっても、かかるオーガーにより現像剤をその収容空間内で良好に攪拌搬送して帯電させることなどが可能になる現像装置に関する提案を行っている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−5499号公報(請求項、段落0053〜0054、図8など)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しがしながら、小型化や扁平化が求められる現像装置にあっては、現像ロールに担持される現像剤を一定の層厚に規制するための層厚規制部材の大きさや設置位置等に制約が生まれる。すなわち、そのハウジング等の高さ寸法(厚さ)などを低くする必要があることから、現像ロールの周囲から上方に突出する高さができる限り少なくなるような層厚規制部材の大きさやその設置位置が求められる。このような制約を満たす層厚規制部材としては、例えば、ロール状のものや、高さの低い板状のものが使用される。また、その設置位置としては、現像ロールの頂上部よりもオーガー寄りに下方にずれた位置などが採用される。
【0008】
そして、このような制約を受けた層厚規制部材を採用する場合には、その層厚規制部材の周囲の空間スペースも少なくなる傾向にあり、特にその規制部材により現像ロールから掻き取られる現像剤が攪拌されるように効率よく流動して摩擦帯電されるという効果が期待できなくなる。このため、その帯電効果が得られない分、かかる帯電不足に起因して前述したような不具合が同様に発生することがある。このような層厚規制部材の制約に起因した現像剤の帯電不足は、前述した提案の現像装置のようにオーガーの改良によって対処することは難しい。
【0009】
また、小型化された現像装置において高生産化の要請に応えるために現像ロールやオーガーのような回転速度を増加させた場合には、オーガー等の攪拌搬送部材による十分な攪拌時間の確保できなくなるため、現像剤の帯電不足がさらに助長されてしまう傾向にある。また、この場合、前記した層厚規制部材の制約に起因した現像剤の帯電不足があることは更に不利な要素になってしまうため、その改善が強く望まれる。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、現像装置が小型化や高生産化等がされることがあっても、特に層厚規制部材における現像剤の流動による帯電効果を実現することができ、その現像剤の帯電不足に起因した不具合の発生を抑制することができる現像装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の現像装置は、静電潜像が形成される像担持体と近接して対向する開口部とこの開口部側に開放され現像剤が収容される収容空間部とが形成されたハウジングと、このハウジングの収容空間部に回転駆動するように取り付けられ、その収容空間部に収容される現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材と、前記ハウジングの開口部と前記収容空間部との間に回転駆動するように取り付けられ、前記攪拌搬送部材により搬送される現像剤をロール表面に担持して前記像担持体と対向する現像領域まで搬送する現像ロールと、この現像ロールの前記攪拌搬送部材側となるロール表面部分とその軸方向にそって一定の間隔をあけて対向配置され、そのロール表面に担持される現像剤の層の厚さを規制する層厚規制部材とを備えた現像装置において、
前記層厚規制部材と前記攪拌搬送部材との間に存在し、その層厚規制部材によって掻き取られた余剰の現像剤がその攪拌搬送部材側に移動する流れを抑制して前記現像ロール側に移動する流れを誘発させる現像剤誘導部材を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
この現像装置によれば、現像ロールに担持された後に層厚規制部材によって掻き取られた余剰の現像剤が、現像剤誘導部材によって攪拌搬送部材側に移動することが少なく現像ロール側に移動するように流れる。これにより、その掻き取られた余剰の現像剤が、現像ロール側に移動して層厚規制部材により再度掻き取られた後に再び現像ロール側に移動するという、あたかも現像ロール、層厚規制部材および現像剤誘導部材を通して再び現像ロール側に戻って流動するかのごとく環流するようになる。この結果、現像剤はその環流の動きにより攪拌されて摩擦帯電されるようになる。なお、この現像装置に使用される現像剤は、通常、トナーとキャリアからなる二成分現像剤である。
【0013】
このような現像剤誘導部材は、その層厚規制部材と現像剤搬送部材の間でハウジングから下方にむけて突出するとともに、その下端部が層厚規制部材の最下部よりも下方の位置に存在する形態からなる部材であることが好ましい。このような形態としては、板状の形態が一般的であるが、特にその形態に限定されない。また、この現像剤誘導部材は、例えば、ハウジングの一部として一体的に形成したり、あるいは、ハウジングとは別体の構成部品として形成することができる。さらに、この現像剤誘導部材は、上記環流の動きを促進させるため、その下端部側を現像ロール側に曲げた形状としてもよい。
【0014】
また、上記現像剤誘導部材は、その下端部と現像ロールの回転中心とを結ぶ直線とその現像ロールの回転中心と攪拌搬送部材の回転中心とを結ぶ直線とのなす角度αが0°<α≦15°、好ましくは0°<α≦13°との条件を満たすように設定するとよい。この角度αが0°以下になると、現像ロールと現像剤攪拌搬送部材との間における現像剤どうしの移動が阻害され、これにより現像ロールおよびその周辺部に存在する現像剤が現像剤攪拌搬送部材側に存在する現像剤と置き換わることが減って滞留する状態となり、しかも、その状態にある現像剤における現像剤の濃度(トナー濃度)が現像動作により(トナーが消費されて)次第に低下するようになり、この結果、現像して得られる画像の濃度の低下(現像履歴)を引き起こす可能性がある。反対に、角度αが15°を超えると、上述したような環流が発生しにくくなり、ひいては現像剤の帯電効果が得にくくなる。
【0015】
この角度αの設定は、現像ロールの回転中心と攪拌搬送部材の回転中心とを結ぶ直線が現像装置の設置使用時の水平線(面)とのなす角度βが0°<β≦15°の範囲となるように設定された現像装置において特に有効である。この角度βは現像ロールと攪拌搬送部材との回転中心における高低差を示す目安になり、換言すれば現像装置が扁平化されている程度を示す1つの指標になる。つまり、この角度βが小さいほど、現像装置が扁平化されていることを示す。上記現像装置の設置使用時の水平線とは、現像装置を画像形成装置に実際に装着して使用するときの水平線となるものであればよい。また、攪拌搬送部材が現像ロールと平行した状態で複数設置する場合には、その各攪拌搬送部材の回転中心を互いに結ぶ直線を設定使用時の水平線とみなしもよい。
【0016】
さらに、以上の各現像装置においては、その現像剤は、収容空間部に収容されている現像剤の堆積した上面と現像剤誘導部材の下端部との離間距離が4mm以下に保たれるように収容されているように設定するとよい。この場合には、層厚規制部材で掻き取られた現像剤が現像剤誘導部材により現像ロール側に移動して環流する動きが発生しやすくなり、その環流の動きによる現像剤の帯電効果が得やすくなる。
【0017】
以上のような現像剤誘導部材を設けた各現像装置は、小型化および扁平化の観点から、その層規制部材としてロール状のものや、高さが比較的低い板状のものを採用した場合に特に有益である。また、小型化および扁平化の観点や高生産化の観点から、その現像ロールとして、その回転速度をRs(rpm)、その外径をD(mm)としたときに、Rs/D2>1.5の条件を満たす設定を採用した場合にも、特に有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
図1〜4は本発明の実施の形態1に係る現像装置を示すものであり、図1はその斜視図、図2は図1のQ−Q線に沿う概略断面図、図3はその分解斜視図、図4は上部ハウジングを取り外した状態の上面図である。
【0019】
この現像装置は、小型の二成分現像装置であり、基本的に、筐体としてのハウジング10と、現像剤担持体としての現像ロール13と、層規制部材としての層規制ロール14と、現像剤攪拌搬送部材としての2本のオーガー15、16と、現像剤供給部材としてのパドルホイール17と、仕切り枠プレート18とでその主要部が構成されている。図中において、符号100は画像情報に応じた静電電位の差による潜像(静電潜像)が形成される像担持体としての感光ドラム、2は非磁性トナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤、Eは感光ドラム100上の現像領域であり、また、矢印は回転する部品の回転方向を示している。
【0020】
ハウジング10は、全体が板状に薄く扁平した細長い箱形状からなるものであって、その上下に2分割したプラスチック成型品等からなる下部ハウジング20と上部ハウジング30とを接合して組み立てる構造になっている。また、このハウジング10は、その下部ハウジング20と上部ハウジング30を組み立てた状態において、感光ドラム100と対向する側の端部にハウジング開口部11が形成されるとともに、その内部に現像剤1が収容されて存在する収容空間部12が形成される形態になっている。
【0021】
さらに、ハウジング10は、その下部ハウジング20と上部ハウジング30を接合して一体化した後に、第1のサイドブラッケト40と第2のサイドブラケット50を、そのハウジングの左右両端部に外側から嵌め込んで装着することにより、分割した両ハウジング20、30の接合状態が補強される構造になっている。なお、サイドブラケット40、50には、現像ロール13等の回転部材の軸受支持部などが形成されている。
【0022】
下部ハウジング20は、そのハウジング開口部11となる端部とは反対側の端部にまでに至る部位に二成分現像剤2を収容する現像剤収容凹部21が形成されている。この現像剤収容凹部21は、両端部を除く中央部側に設けられた仕切り壁21aにより仕切られるように形成される、平行する2列の現像剤循環搬送路21b,21cを有するものである。図3、4等において、符号21dは循環折返し兼受入れ部、21eは循環折返し部を示す。
【0023】
また、下部ハウジング20には、そのハウジング開口部11となる部位を除く外周部全体にわたって上部ハウジング30と接合させるための接合面部25が形成されている。その接合面部25のうちで開口部11となる部位と対向して並行する端部には、上部ハウジング30との組立て接合時に使用される係止突片26(a〜e)が形成されている。また、その接合面部25の開口部11と近い部位には、上部ハウジング30側に形成される後述のスナップフィット用の係止片(37)が引っ掛けられるスナップフィット用係止部27と、位置決めピン28が形成されている。図3等において、符号19は現像ロール13の端部に対するシール部材、20a,20bはオーガー15、16の軸受の支持孔、20cはパドルホイール17の軸受の支持孔、20dは現像ロール13の軸受の支持部、29はリブである。
【0024】
一方、上部ハウジング30は、下部ハウジング20との組み立て接合時において下部ハウジング20の現像剤収容凹部21などと対向して上方側から塞ぐ役割をはたす蓋のごとき形態からなるものである。図中において、符号33は現像剤補給装置(図示省略)からの補給される現像剤(主にトナー)を受け入れる現像剤補給部、33aは現像剤補給装置の現像剤搬送パイプ(図示省略)が差し込まれる際に開閉する開閉扉付きの補給口である。
【0025】
また、上部ハウジング30には、そのハウジング開口部11となる部位を除く外周部全体にわたって下部ハウジング20と接合させるための接合面部35が形成されている。その接合面部35の開口部11となる部位と対向して並行する端部には、下部ハウジング20側の接合面部25が組立て接合時に内側から差し込まれる複数の係止孔36(a〜e)が形成されている。また、その接合面部35の開口部11となる部位に近い部位には、下部ハウジング20側にある前記スナップフィット用係止部27に引っ掛ける係止片37と、下部ハウジング20側にある前記位置決めピン28が差し込まれる位置決め孔(図示省略)とが形成されている。図2中の符号39は、上記接合面部35のほぼ全域にわたって形成された弾性シール部材であり、その先端中央部に前記下部ハウジング20との組立て接合時にリブ29が食い込むようになっている。
【0026】
さらに、上部ハウジング30における下段部蓋部32の収容凹部蓋部31寄りの端部には、後記する仕切り枠プレート18(の上辺側枠部を主に)を差し込んで取り付けるための取付け溝34が形成されている。この取付け溝34は、下部ハウジング20に形成する取付け溝24と対応するものであり、現像ロール13等の回転軸と平行した状態でかつ上部ハウジング30の上面部にも連続した状態で形成されている。
【0027】
現像ロール13は、ハウジング開口部11から一部露出するような状態で回転駆動可能に配置される中空円筒形状からなる非磁性のスリーブ13aと、このスリーブ13aの中空内に位置固定された状態で配置され、複数の磁極が所定の角度に適宜配置されたマグネットロール13bとで構成されたものである。
【0028】
層規制ロール14は、現像ロール13(スリーブ13a)の表面に担持される二成分現像剤1の層厚を所定の厚さに規制するための非磁性ロールからなるものであり、そのスリーブ13aの表面に対して当該層規制の厚さに相当する間隙をあけた状態で対向配置される。
【0029】
オーガー15、16は、そのいずれも回転軸15a,16aの軸線方向に螺旋状に所定のピッチで巻きつくような羽根15b,16bを形成した構造からなる回転部材であり、下部ハウジング20の現像剤収容凹部21における前記2列の現像剤循環搬送路21内でそれぞれ回転駆動するように配設されている(図2、4)。パドルホイール17は、回転軸部に4枚の羽根部を形成した羽根車状の回転部材であり、現像ロール13とオーガー16の間となる位置で回転駆動するように配設されている。
【0030】
仕切り枠プレート18は、図5に示すように、この現像装置の使用直前に剥離して取り除く仕切り用フィルム70を貼付するためのものであるとともに、そのフィルム70を取り除いた後にその一部(上辺側枠部18a(U))を現像剤の特定の流れを誘発させる現像剤誘導板60として使用するものである。
【0031】
この実施形態では、その仕切り枠プレート18として、その仕切り用フィルム70の一部が貼付される枠部18aと、ハウジング10の収容空間部12の縦断面形状(細長い長方形)に相応する開口形状からなる現像剤通過用の開口部18bとを有する板状のものを使用している。また、この仕切り枠プレート18は、非磁性のステンレス板(厚さ1mm程度)を用いて形成されている。
【0032】
そして、この仕切り枠プレート18は、図6に示すように、その下辺側枠部18a(L)を、その全体が下部ハウジング20に形成した取付け溝24の中にほぼ収容された(換言すれば、ほぼ隠れた)状態となるような寸法(高さ)に形成している。一方、その上辺側枠部18a(U)については、その全体が上部ハウジング30に形成した取付け溝34に収容されるとともに、その下端部18dが取付け水34から所定量だけ突出した状態となるような寸法に形成している(図1など参照)。さらに、この仕切り枠プレート18では、図5、6に示すように、その左右の側辺上部に誤差込防止用の突出部18cをそれぞれ形成している。この突出部18cに対応して、下部ハウジング20の側面部に形成された取付け溝24の上部にも、その突出部18cが仕切り枠プレート18の正しい差し込み時にのみ収まる突出部用溝部24aを形成している。
【0033】
仕切り枠プレート18のうち現像剤誘導板60として使用する上辺側枠部18a(U)は、図7に示すように、層厚規制ロール14とオーガー16との間で上部ハウジング30の内壁面から下方にむけて突出するとともに、その下端部18d(60a)が層厚規制ロール14の最下部14aよりも下方の位置に存在する形態になっている。
【0034】
また、現像剤誘導板60として使用する上辺側枠部18a(U)は、図7に示すように、その現像剤誘導板60である上辺側枠部18a(U)の下端部18d(60a)と現像ロール13の回転中心13cとを結ぶ直線L1とその現像ロール13の回転中心13cとオーガー16の回転中心16cとを結ぶ直線L2とのなす角度αが、少なくとも0°<α≦15°との条件を満たすように設定している。図7において符号L3で示す点線は、2つのオーガー15、16の各回転中心15c,16cを結ぶ直線であり、この現像装置の装着使用時における水平基準線にも相当するものである。
【0035】
なお、この現像装置では、小型扁平化を実現するため、この直線L3と前記直線L2とのなす角度βが少なくとも0°<β≦15°との条件を満たすように設定している。また、現像剤2については、その堆積収容されている上面が少なくとも2つのオーガー15、16の各回転中心15c,16cよりも上側に位置するような量を充填するようにしている。
【0036】
以上のような構成からなる現像装置は、以下のようにして組み立てられる。
【0037】
まず、図3〜図4に示すように、下部ハウジング20に対して現像ロール13、パドルホイール17、2本のオーガー15、16および層厚規制ロール14を下部ハウジング20に形成された前記各軸受孔26、27等にそれぞれ差し入れることにより装着する。この際、現像ロール13、オーガー15、16およびパドルホイール17は、各駆動伝達ギア13e,25を介して連結され、現像ロール13が図示しない駆動モータ等の回転動力を受けることにより、それぞれ所定の方向に所定の速度で回転する機構になっている。また、仕切り枠プレート18を下部ハウジング20の取付け溝24に差し込んでおく。次いで、このように現像ロール13等が装着された下部ハウジング20に対し、上部ハウジング20を取り付ける。
【0038】
この上部ハウジング20の取付けは、初めに、図2〜図4に示すように、その接合面部35における係止孔36(a〜e)に下部ハウジング20の接合面部25における係止突片26(a〜e)を差し入れた状態にしてから、その上部ハウジング30のハウジング開口11側となる部位側を下部ハウジング20と接合させるように押し付ける。これにより、上部ハウジング30のスナップフィット用係止片37が下部ハウジング30のスナップフィット用係止部27に引っ掛けられ、もって下部ハウジング20と上部ハウジング30の接合状態が固定される。またこれと同時に、下部ハウジング20側にある位置決めピン28が上部ハウジング30側の位置決め孔に差し込まれ、もって下部ハウジング20と上部ハウジング30の接合状態が最終的に位置決めされる。
【0039】
この結果、下部ハウジング20と上部ハウジング30とが正確に接合されて一体化される。また、この上下ハウジング20、30の一体化と同時に、仕切り枠プレート18はその上辺側枠部18a(U)が上部ハウジングの取付け溝34にはめ込まれることにより取付け固定される。
【0040】
続いて、この下部ハウジング20と上部ハウジング30とを接合したハウジング10の左右両端部に対して、第1及び第2のサイドブラケット40、50を嵌め込んで装着する(図1)。このサイドブラケット40、50の装着により、下部ハウジング20と上部ハウジング30の接合状態が補強される。
【0041】
このように組み立てられた現像装置は、そのハウジング10の現像剤収容凹部21に前述したような所定量の現像剤2が充填される。また、この現像装置の使用に際しては、現像剤補給装置から上部ハウジング30の現像剤補給部33を通して新たな現像剤が補給されるようになっている。
【0042】
そして、この現像装置は、概略、以下のように作動する。
【0043】
まず、ハウジング10内において現像ロール13、パドルホイール17及びオーガー15、16が矢印方向にそれぞれ回転駆動する。これにより、ハウジング10の下部ハウジング20における現像剤収容凹部21に収容されている二成分現像剤2が回転するオーガー15、16によって攪拌されながら現像剤収容凹部21の2列の搬送通路内を循環搬送される。この際、オーガー15、16の回転動作により二成分現像剤1のトナーがキャリアと十分に攪拌されて摩擦帯電されるとともにその各オーガーの回転軸15a,16aの軸線方向にそって良好に搬送される。また、オーガー16によって攪拌されながら搬送される二成分現像剤1の一部は、パドルホイール17側に搬送供給される。
【0044】
続いて、そのパドルホイール17側に搬送された二成分現像剤2は、パドルホイール17の羽根部の搬送力により現像ロール13側に搬送供給される。このようにして現像ロール13に供給された二成分現像剤2は、現像ロール13のマグネットロール13bからの磁力により矢印方向に回転するスリープ13aの表面に穂立ち状の磁気ブラシを形成するように担持された後、そのスリーブ13aの回転に伴って搬送される途中で層厚規制ロール14を通過する際にほぼ一定の層厚にされてから感光ドラム100と対向する現像領域Eに搬送される。
【0045】
このように現像ロール13によって現像領域Eに搬送された二成分現像剤1は、その磁気ブラシの先端部を感光ドラム100の表面に接触させた状態で通過するが、その通過時に、現像ロール13に印加される現像バイアス電圧により現像ロール13と感光ドラム100の間に形成される現像電界により、そのトナー1aのみが感光ドラム100上の静電潜像に静電的に付着する。これにより、この現像装置による静電潜像の現像が実行される。
【0046】
また、この現像装置では、その現像動作中において、図8に示すように層厚規制ロール14により掻き取られた(せき止められた)余剰の現像剤がオーガー16側に移動するように流動しようとするが、その層厚規制ロール14とオーガー16との間において、下端部60aが層規制ロールの最下部14aよりも下方の位置に突出した状態で存在する現像剤誘導板60としての仕切り枠プレート上辺側枠部18a(U)によって、そのオーガー16側に移動する現像剤の流れが一部せき止められるようにして抑制される。
【0047】
そして、その抑制された余剰の現像剤は、図8中に矢付き点線Jで示すように、その自重で下部ハウジング30側に落下移動した後に、その下方の位置で回転するパドルホイール17の回転により現像ロール13側に移動するように誘導される。これにより、その現像剤は、現像ロール13側に再送されるとともに、その一部は層厚規制ロール14によって再び掻き取られて現像剤誘導板60による誘導作用を同様にして受ける。
【0048】
この結果、層厚規制ロール14により掻き取られた余剰の現像剤は、現像剤誘導板60によってオーガー16側へ移動する流れが抑制されて現像ロール13側に移動する流れを誘発されるようになり、図8の矢付き点線Jに示すような状態で環流する。この環流の動きにより、その現像剤(トナー)がキャリアと頻繁に攪拌されて摩擦帯電される機会が増え、また、その摩擦帯電された状態の現像剤の一部が少しずつ層厚規制ロール14を通過して現像ロール13(のスリーブ13a)によって現像領域Eに搬送される。
【0049】
したがって、この現像装置では、トナーの帯電不足によるトナークラウドの発生や、現像される画像におけるカブリや濃度むら等の不具合が発生しにくく、良好な現像が行われるようになる。
【0050】
この点、図9に例示するように、層厚規制ロール14とオーガー16との間に、その下端部18dが層厚規制ロール14の最下部14aよりも高い位置にある仕切り枠プレート18の上辺側枠部18a(U)が存在する現像装置では、このような現像剤の良好な帯電効果は得られない。つまり、その層厚規制ロール14により掻き取られた余剰の現像剤は、仕切り枠プレート18の上辺側枠部18a(U)によってせき止められてその移動が阻止されることがなくオーガー16側にそのまま移動するように流動してしまい(図中の矢付点線)、この結果、上記したような環流のごとき流動はしない。このため、かかるオーガー16側に再送された現像剤については、層厚規制ロール14の周辺部で頻繁に攪拌されて摩擦帯電される機会がほとんど発生しないのである。
【0051】
[評価試験]
以下、この現像装置を用いて行った、オーガー15、16の攪拌性能及び搬送性能に関する評価試験について説明する。
【0052】
<評価試験1>
まず、現像ロール13の回転速度条件と現像剤誘導板60の有無とに対するトナー帯電量の変化について測定して調べた。
【0053】
この試験1では、図10に示す条件と以下に説明する条件にそれぞれ設定した4タイプのテスト用現像装置(A−1〜4)を使用した。現像ロール13についてはいずれも、その外径(スリープ13aの外径)Dが12mmのものを使用し、図10に示すような2種類の回転速度Rsで回転駆動させた。この際、そのいずれの回転速度に設定した場合も現像ロール13と感光ドラム100との間の周速比が1.3となるようにプロセス速度を95mm/sec、151mm/secのいずれかに設定した。層形成ロール14としてはいずれも、5mmφの非磁性ロールを使用した。オーガー15、16としてはいずれも、直径が5mm、長さ(実際に攪拌搬送を行う羽根15b等が形成される部分の長さ)が228mmの回転軸15a,16aに、羽根15b,16bをピッチPが25mm、その回転軸を含むオーガーの外径が13mm程度となるように螺旋状に形成したものを使用した。そして、現像剤誘導板60としてはいずれも、前記した角度αが12°となるように設定したものを使用した。
【0054】
また、この試験1では、現像剤2として、上記いずれの現像装置に対しても、ポリエステル樹脂を主要材料とし、表面に微粒子を添加した平均粒径7.5μmのマイナス帯電型トナーと、フィライト粒子表面に樹脂をコートした平均粒径45μmの磁性キャリアからなる二成分現像剤を使用した。トナーは、そのトナー濃度TCが8%となるように調製した。キャリアは、その106/4π・A/mの磁場中での磁化が225kA/m、106V/mの電場中での抵抗が1012Ω・cmのものである。また、現像剤2は、110g(A4版サイズ)となる量を充填するとともに、予めオーガー15、16を所定時間回転させることでそのトナーを一定の電位に帯電させた。
【0055】
トナー帯電量の測定は以下のようにして行った。まず、図4に示すように、上部ハウジング20の現像剤補給部33から下部ハウジング30の現像剤収容凹部21(循環折返し兼受入れ部21d)に対し、無帯電のトナーを上記充填量の1%の重量に相当する量だけ投入する。次いで、現像装置を駆動させて現像ロール13の測定地点K(図4)においてスリーブ13a上に担持されている二成分現像剤を10秒又は5秒間隔で一定量ずつ採取する。その採取した各現像剤の帯電分布(電荷分布)についてチャージスペクトログラフ(CGS法)を用いて測定した。
【0056】
このときの結果を図10と図11に示す。図10では、トナー帯電分布についてトップ、ピークおよびボトムでの測定結果を示すとともに、その各結果のなかに逆極性に帯電したトナー(逆極トナー)の有無を確認して以下の基準で評価した。下記「実用上問題あり」とは、逆極トナーが存在すると、かかるトナーを含む現像剤により現像したトナー像を例えば記録用紙に転写する際に、その用紙上における非画像部に逆極トナーが付着するカブリ現象が発生してしまうという問題があることを意味している。
○:逆極トナー無し。
×:逆極トナーあり(実用上問題あり)。
【0057】
図10や図11に示す結果から明らかなように、現像ロール(スリーブ)の回転速度が小さい場合(A−1,A−2)には、トナーの帯電は、現像剤誘導板60の有無にかかわらず、正しい極性(マイナス極性)に維持されて逆極性に帯電されることもない。しかし、現像ロールの回転速度が大きくなると、現像剤誘導板60がない場合(A−3)には、トナーの帯電分布が低下し、低帯電のトナーや逆極トナーが発生するようになる。この低帯電トナーや逆極トナーの存在がトナークラウドやカブリ等の発生原因となる。これに対して、現像剤誘導板60がある場合(A−4)には、そのトナーの帯電分布は良好となり、低帯電のトナーや逆極トナーが発生することがない。
【0058】
<評価試験2>
次に、現像剤誘導板60の条件に対する濃度むらおよび現像履歴の発生状況について調べた。
【0059】
この試験2では、図12に示す条件と以下に説明する条件にそれぞれ変更又は固定した以外は試験1と同じ条件にそれぞれ設定した7タイプのテスト用現像装置(B−1〜7)を使用した。現像ロール13(スリープ13a)の回転速度Rsについてはいずれも312rpmとした。また、プロセス速度は151mm/secとした。現像剤誘導板60については、角度αを6種類の条件にそれぞれ設定するとともに、参考までに現像剤誘導板60を使用しないものを加えた。ちなみに、前記した角度βはいずれの現像装置の場合も約14°である。なお、現像剤としては、試験1と同じトナー濃度TCが8%の二成分現像剤に加えて、濃度むらの発生状況を確認しやすいようにする観点からそのトナー濃度TCを4%に設定した二成分現像剤を使用した。
【0060】
濃度むらの発生状況は以下のようにして調べた。まず、上記各テスト用現像装置を同じプリンタに搭載し、ハーフトーンの全面ベタ画像を縦送りのA4版用紙の全面にそれぞれプリントした。そして、図13に示すように、その各用紙P上に形成されたハーフトーンのベタ画像200中にオーガー16の羽根16bのピッチに相当する間隔で現われる筋状の画像むら(オーガーマーク)210が発生するか否かおよびその画像むらの程度について調べ、それらを以下の基準で評価した。結果を図12に示す。
○:未発生。
△:軽微な濃度むらが発生(実用上問題なし)。
×:実用上問題となるレベルの濃度むらが発生。
【0061】
なお、このようなオーガーマーク210は、現像ロールのスリーブ上に既に担持されている現像剤に対し、オーガー16側から新たに搬送供給されて担持される現像剤が層厚規制ロール14で十分に攪拌、均一化されることなくオーガーの搬送状態(羽根16bの搬送作用により送られた状態)のままでスリーブ13a上に供給されることにより、その双方の現像剤におけるトナー濃度TCに差がそのまま画像の濃度差となって現われるものとされている。
【0062】
現像履歴の発生状況については以下のようにして調べた。まず、同じトナー濃度TC(4%、8%)の現像剤を使用して図14aに示すような帯状(幅20mm)のテスト画像220を縦送りのA4版用紙Pに連続して16枚分プリントした後、同図bに示すようにハーフトーンのベタ画像200を用紙全面にプリントした。その各ベタ画像中に前記帯状のテスト画像220に相応した画像濃度が低い領域230が履歴(ゴースト)として発生しているか否かを調べ、それらを以下の基準で評価した。結果を図12に示す。また、図12には上記濃度むらと現像履歴の評価結果について総合評価した結果も併せて示している。総合評価については、上記評価として1つでも「×」の評価がある場合には「×」、「△」の表結果が複数ある場合には「△」、それ以外の評価結果であった場合には「○」という基準で評価した。
○:未発生。
×:実用上問題となるレベルの画像履歴が発生。
【0063】
図12に示す結果から明らかなように、現像剤誘導板60の角度αが大きくなりすぎると、現像剤誘導板の下端部60aの突出量が少なくなるかまたは無くなるため、かかる現像剤誘導板による効果(層厚規制ロール14で掻き取られた現像剤を還流させて攪拌させる効果)が得られず濃度むらが発生するようになる。反対に、その現像剤誘導板60の角度αが小さくなりすぎると、現像履歴が発生するようになる。この現像履歴が発生するのは、オーガー16から現像ロール13に移動して供給される新しい現像剤が現像剤誘導板60に遮られて十分に供給されなくなるためと推測される。以上のことから、現像剤誘導板60の角度αについては0°<α≦15°の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは5°≦α≦12°の範囲に設定するよい。
【0064】
<評価試験3>
次に、現像剤誘導板60と現像剤充填量の関係に対する濃度むらおよび現像履歴の発生状況について調べた。
【0065】
この試験3では、図15に示す条件と以下に説明する条件にそれぞれ変更又は固定した以外は試験2と同じ条件にそれぞれ設定した5タイプのテスト用現像装置(C−1〜5)を使用した。現像剤誘導板60についてはいずれも、その角度αが12°となるように設定した。現像剤については、そのトナー濃度TCが8%に設定したものを使用した。そして、図16に示すように、現像剤誘導板の下端部60aと現像剤2の堆積面(嵩高さ)との距離Hが5種類の値になるように現像剤の充填量をそれぞれ調整した。なお、現像剤2の堆積面はオーガー15、16の各回転中心を結ぶ直線(L3)とほぼ平行の関係にある。また、このときの現像剤誘導板の下端部60aと上記直線L3(実際にはオーガー15、16の各回転中心)との離間距離(高低差)は4mmであった。
【0066】
濃度むらおよび現像履歴の発生状況については試験2の場合と同様にして調べた。そのときに得られた結果を同じ基準で評価して図15に示す。また、図15には試験2の場合と同様に総合評価の結果についても示した。
【0067】
図15に示す結果から明らかなように、現像剤誘導板の下端部60aと現像剤2の堆積面との距離が小さくなるほど、特に濃度むらが発生しなくなる。反対に、その距離が大きくなるほど、濃度むらが発生しやすくなることに加えて、現像履歴も発生するようになる。以上のことから、現像剤2の充填量は、その充填面と現像剤誘導板の下端部60aとの距離Hが4mm以下となるように設定することが好ましい。
【0068】
なお、図17は、現像装置の小型化および高生産化を実現する観点から、上記実施の形態1に係る現像装置における現像ロール(のスリーブ)13の回転速度:Rsと現像ロール(のスリーブ)13の外径:Dとを種々変更して組み合わせたもの(Rs/D2の値)を一覧にして示したものである。ちなみに、このときの現像ロール回転速度:Rs(rpm)は、Rs=[(プロセス速度×周速度)/(D×π)]×60として得られる。
【0069】
そして、図17中において太めの二重枠線で囲った欄の設定からなる現像装置は、現像ロールの小径化と高生産性とを実現する際に、特にトナークラウドや画像濃度むら等の不具合が発生しやすい条件を有するものに該当するものであり、しかも、かかる不具合を解消するために上述したような現像剤誘導板60の設置が必要であって、より大きな効果が期待できるものに相当するものである。
【0070】
《他の実施の形態》
実施の形態1では、現像剤誘導板60として仕切り枠プレート18の上辺側枠部18a(U)を利用した構成のものを例示したが、現像剤誘導部材としては以下に例示するような構成のものを適用することも可能である。
【0071】
図18は、専用の板状の現像剤誘導部材62を適用した構成例である。この現像剤誘導部材62は、図19に示すように平板状に形成されたものであり、これを上部ハウジング30の取付け溝34に差し込んだ状態で固定して使用するものである。この現像誘導部材62は、例えばハウジング10と同じプラスチック材料(例えばポリカーボネートを含有したポリスチレン)を用いて形成することができる。また、現像誘導部材62のハウジング10への固着は接着剤や取付けネジを用いて行う。
【0072】
このような板状の現像剤誘導部材62を使用する場合であっても、実施の形態1における現像剤誘導板60の場合と同様に、その下端部62aが少なくとも層厚規制ロール14の最下部よりも下方に位置し、また、角度α、βや離間距離H等の各条件を満たすように設定することにより、同様の作用効果が得られる。
【0073】
図20は、専用の板状の現像剤誘導部材63を適用した構成例である。この現像剤誘導部材63は、図21に示すように板状部材であってその下方先端部623bを現像ロール13側に折り曲げた形状に形成されたものであり、これを上部ハウジング30の取付け溝34に差し込んだ状態で固定して使用するものである。この現像剤誘導部材63は、前記平板状の現像剤誘導部材62と同じ材料を用いて形成することができる。その折り曲げ角度については適宜設定される。また、そのハウジングへの固着は前記現像剤誘導部材62の場合と同様の手段によって行う。
【0074】
このような折り曲げ部を有する板状の現像剤誘導部材63を使用する場合であっても、実施の形態1における現像剤誘導板60の場合と同様に、その下端部63aが少なくとも層厚規制ロール14の最下部よりも下方に位置し、また、角度α等の各条件を満たすように設定することにより、同様の作用効果が得られる。なお、この種の現像剤誘導部材63は、その下方先端部63bを屈曲させて状態で折り曲げるほか、円弧状に緩やかなカーブを描くように折り曲げるようにしてもよい。
【0075】
図22は、専用の現像剤誘導部材65を適用した構成例である。この現像剤誘導部材65は、同図に示すように上部ハウジング30に板状の突起部として一体的に形成したものである。このハウジング一体型の現像剤誘導部材65は、前記ハウジングと同じ材料により、ハウジングの製作時に同時に形成される。また、この現像剤誘導部材65は、必要に応じて、その下方先端部を上記した折り曲げ部を有する板状の現像剤誘導部材63と同様に折り曲げた形状にしてもよい。
【0076】
このようなハウジング一体型の現像剤誘導部材65を使用する場合であっても、実施の形態1における現像剤誘導板60の場合と同様に、その下端部65aが少なくとも層厚規制ロール14の最下部よりも下方に位置し、また、角度α等の各条件を満たすように設定することにより、同様の作用効果が得られる。なお、この種の現像剤誘導部材65は、板状の突起部として形成するほか、断面が三角形等の形状からなる突起部として形成しても構わない。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現像装置によれば、層厚規制部材と攪拌搬送部材との間に存在する現像剤誘導部材を設けたので、現像装置が小型化や高生産化等がされることがあっても、特に層厚規制部材における現像剤の流動による帯電効果を実現することができ、その現像剤の帯電不足に起因した現像剤浮遊や画像不良等の不具合の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る現像装置を示す斜視図。
【図2】図1のQ−Q線に沿う断面図。
【図3】図1の現像像置の分解斜視図。
【図4】下部ハウジングを上から見たときの状態を示す平面図。
【図5】現像剤誘導板として兼用する仕切り枠プレートを主に示すもので、(a)はその正面図、(b)はその上面図。
【図6】仕切り枠プレートとその取付け溝との構成を示す要部説明図。
【図7】現像像置における現像剤誘導板の主要な構成等を示す説明図。
【図8】現像剤誘導板による現像剤の一部流動状態を示す要部説明図。
【図9】現像剤誘導板のような構成の部材がない場合における現像剤の一部流動状態を示す要部説明図。
【図10】評価試験1の条件および結果を示す図表。
【図11】評価試験1の結果を示すグラフ図。
【図12】評価試験2の条件および結果を示す図表。
【図13】画像むら(オーガーマーク)の現象を示す平面説明図。
【図14】現像履歴を測定するためのプリント内容とその履歴現象の発生状態を示す平面説明図。
【図15】評価試験3の条件および結果を示す図表。
【図16】現像像置における現像剤誘導板と現像剤の充填量との構成等を示す説明図。
【図17】現像装置の小型化および高生産化を図るための構成内容を示す図表。
【図18】他の実施の形態に係る現像装置(専用の平板状現像剤誘導部材を適用した場合)を示す概要図。
【図19】図18の平板状現像剤誘導部材を示す概略斜視図。
【図20】他の実施の形態に係る現像装置(折り曲げ部を有する専用の板状現像剤誘導部材を適用した場合)を示す概要図。
【図21】図20の板状現像剤誘導部材を示す概略斜視図。
【図22】他の実施の形態に係る現像装置(ハウジングと一体的に形成する板状現像剤誘導部材を適用した場合)を示す概要図。
【符号の説明】
2…二成分現像剤(現像剤)、10…ハウジング、11…開口部、12…現像剤収容空間部、13…現像ロール、13c…現像ロールの回転中心、15,16…オーガー(攪拌搬送部材)、15c,16c…オーガーの回転中心、13…現像ロール(現像剤担持体)、18…仕切り枠プレート、60…現像剤誘導板(現像剤誘導部材)、60a…下端部、61,63,65…現像剤誘導部材、61a,63a,65a…下端部、100…感光ドラム(像担持体)、E…現像領域、H…離間距離。
Claims (4)
- 静電潜像が形成される像担持体と近接して対向する開口部とこの開口部側に開放され現像剤が収容される収容空間部とが形成されたハウジングと、
このハウジングの収容空間部に回転駆動するように取り付けられ、その収容空間部に収容される現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材と、
前記ハウジングの開口部と前記収容空間部との間に回転駆動するように取り付けられ、前記攪拌搬送部材により搬送される現像剤をロール表面に担持して前記像担持体と対向する現像領域まで搬送する現像ロールと、
この現像ロールの前記攪拌搬送部材側となるロール表面部分とその軸方向にそって一定の間隔をあけて対向配置され、そのロール表面に担持される現像剤の層の厚さを規制する層厚規制部材とを備えた現像装置において、
前記層厚規制部材と前記攪拌搬送部材との間に存在し、その層厚規制部材によって掻き取られた余剰の現像剤がその攪拌搬送部材側に移動する流れを抑制して前記現像ロール側に移動する流れを誘発させる現像剤誘導部材を設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1に記載の現像装置において、
前記現像剤誘導部材は、前記層厚規制部材と現像剤搬送部材の間で前記ハウジングから下方にむけて突出するとともに、その下端部が前記層厚規制部材の最下部よりも下方の位置に存在する形態からなる部材であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記現像剤誘導部材は、その下端部と前記現像ロールの回転中心とを結ぶ直線とその現像ロールの回転中心と前記攪拌搬送部材の回転中心とを結ぶ直線とのなす角度αが0°<α≦15°との条件を満たすように設定されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤は、前記収容空間部に収容されている現像剤の堆積した上面と前記現像剤誘導部材の下端部との離間距離が4mm以下に保たれるように収容されていることを特徴とする現像装置。
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