JP2004354153A - 回転台および回転台の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速自動追尾が可能で使い勝手のよい回転台および同回転台の制御方法を提供する。
【解決手段】人体位置センサ3は、互いに重複しない領域の人体の動きを検知するように配列された複数の人センサを有する。人体位置センサ3は、垂直方向回転台4及び水平方向回転台8の回転如何にかかわらず固定され、人体の動きを検出して信号を出力する。制御回路は、回転台1の基準点4aが出力のあった人センサに対応する方向に位置するように垂直方向回転台4及び水平方向回転台8を回転及び停止させて制御する。回転台1は、回転中に異なる人センサから出力があると新たに出力があった人センサの方向に、所定時間内に複数の人センサから出力があった場合にはそれらの重心の方向に、基準点4aが位置するように制御される。
【選択図】 図1
【解決手段】人体位置センサ3は、互いに重複しない領域の人体の動きを検知するように配列された複数の人センサを有する。人体位置センサ3は、垂直方向回転台4及び水平方向回転台8の回転如何にかかわらず固定され、人体の動きを検出して信号を出力する。制御回路は、回転台1の基準点4aが出力のあった人センサに対応する方向に位置するように垂直方向回転台4及び水平方向回転台8を回転及び停止させて制御する。回転台1は、回転中に異なる人センサから出力があると新たに出力があった人センサの方向に、所定時間内に複数の人センサから出力があった場合にはそれらの重心の方向に、基準点4aが位置するように制御される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は人体自動追尾機能を持った回転台および回転台の制御方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
監視カメラなど、人の動きを追いかける動作が必要な機器においては、リモコンによる方向変換あるいは自動追尾が可能な回転台にそれらを取付けて使用されている。また空気調和装置では、人のいる所に効果的に風を当てるために人の動きを感知し、それを基に風の方向を制御するように構成されることがある。これらの場合には、人の動きを感知するための人センサが用いられる。
【0003】
自動追尾機能を持った回転台としては、人の動きを感知するセンサとしてCCDカメラや超音波による距離測定を応用したものが一部商品化されてはいるが、システムが大掛かりで高価であるため一般には普及に至ってないのが現状であり、低価格品の商品化が課題である。
【0004】
低価格が実現される可能性のある商品としては、焦電効果を利用した赤外線センサを用いたものが提案されている。このような赤外線センサを利用した例には、人体の存在を個別に検知するための複数の部分エリアに縦横多分割された検知エリア内に設置された赤外線量検出手段と、それらの部分エリアからの赤外線を順次赤外線量検出手段に入光させる遮蔽機構を走査する走査手段とを用いて、複数の部分エリアにおける人体の存在有無を判定する人体位置検知装置および該装置を備えた空気調和装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−60940号公報(第3頁、第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例で用いられる赤外線量検出手段などの人センサは人の動きに反応して出力信号を出す素子であるが、実際に検出しているのは温度変化である。上記人体位置検知装置においては、複数に分割されたエリアからの赤外線を順次検出するので、個々のエリアにおける背景の温度変化に反応し、人の動きがなくても出力信号を出してしまうことがある。よってこのような誤出力を避けるためには、低速で遮蔽板を走査するなど、使用上の制約が生じてしまうという問題がある。
【0007】
また、上記人体位置検知装置を用いた空気調和装置では、ある領域で人の存在を検知した際に、検知した情報に基づき空気の吹き出し方向等を制御することになるが、複数のエリアに亘って人が移動したような場合には、1回目の走査で検出されたエリアに空気の吹き出し方向を制御しようとしている間に他のエリアに人が移動してしまい、空気の吹き出し方向を1回目に検出された方向とは別の方向に制御する必要が生じる。このとき、はじめの一定時間、空気の吹き出し方向は制御すべき方向とは異なる方向に制御され、その後本来の方向に制御するため、制御速度が低下するという問題がある。
【0008】
すなわち、右領域で人の動きがあったときは吹き出し方向は一定時間右に回転し、左領域で人の動きがあったときは一定時間左回転し、上領域で人の動きがあったときは一定時間上回転し、下領域で人の動きがあったときは一定時間下回転するので、人が右領域から左領域へあるいは左領域から右領域へあるいは上領域から下領域へあるいは下領域から上領域へ移動した場合、人の動きに適切に追随できないという欠点があった。
【0009】
そこで、上記問題点を解決するために本発明は、背景の温度変化に影響されず、人が移動した際にも高速で追尾動作が可能な使い勝手の良い回転台および同回転台の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明は、基準点が設けられ、少なくとも1本の回転軸の回りに回転可能な回転手段と、互いに異なる領域の人体の動きを検知する少なくとも2つの人センサが配列され、前記回転手段の回転如何にかかわらず固定された人体位置センサと、前記人体位置センサが人体の動きを検出して信号を出力すると、前記基準点が出力のあった前記人センサに対応する方向に位置するように前記回転手段を回転及び停止させて制御する制御回路とを有することを特徴とする回転台である。
【0010】
上記回転台において、回転手段は、少なくとも1つの回転軸の回りに回転する。回転手段には、予め回転の指標になる基準点を設ける。人体位置センサは、互いに異なる領域における人の動きを検知する人センサを少なくとも2つ配列されており、固定されている。人体位置センサが人の動きを検知すると信号を出力し、制御回路は、信号を出力した人センサの方向に基準点が位置するように回転手段を回転及び停止させる。
【0011】
別の観点によれば本発明は、基準点が設けられ、互いに直交する第1回転軸および第2回転軸の回りに回転可能な回転手段と、前記第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向及び前記第2回転軸を法線とする平面に平行かつ前記第1方向に直交する第2方向に配列され、互いに重複しない領域の人体の動きを検知し、前記回転手段の回転如何にかかわらず固定された少なくとも3つの人センサを有する人体位置センサと、前記人体位置センサが人体の動きを検出して信号を出力すると、前記基準点が前記出力のあった人センサに対応する方向に位置するように前記回転手段を回転及び停止させて制御する制御手段とを有することを特徴とする回転台である。
【0012】
上記回転台において、回転手段は、互いに直交する第1回転軸及び第2回転軸の回りに回転する。回転手段には、予め回転の指標になる基準点を設ける。人体位置センサは、互いに重複しない領域における人の動きを検知する人センサを少なくとも3つ配列されており、固定されている。人センサは、第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向と、第2回転軸を法線とする平面に平行でかつ第1方向に直交する方向とに配列される。人体位置センサが人の動きを検知すると信号を出力し、制御回路は、信号を出力した人センサの方向に基準点が位置するように回転手段を回転及び停止させる。
【0013】
上記いずれの回転台においても制御回路は、人体位置センサの中の第1の人センサが出力した信号に基づいた回転手段の回転中に第2の人センサが信号を出力した場合には、基準点を第2の人センサに対応する方向に位置するように回転手段を回転および停止させることが好ましい。
【0014】
回転手段の回転軸の回りの回転角を計測する回転角検出手段をさらに有し、制御回路は、人体位置センサの出力と回転角検出手段の出力とを比較した結果に応じて回転手段の回転を制御するようにしてもよい。
【0015】
基準点の初期位置を特定する初期位置情報を制御回路に入力する手段をさらに有し、制御回路は、初期位置情報と人体位置センサからの出力に応じて回転手段を回転及び停止させるよう制御することもできる。
【0016】
複数の人センサが所定の時間内に信号を出力した場合、制御回路は、基準点が信号を出力した複数の人センサの重心に対応する方向に位置するように回転手段を回転および停止させるよう制御することが好ましい。
【0017】
別の観点によれば本発明は、互いに異なる領域の人体の動きを検知する少なくとも2つの人センサが配列され、固定された人体位置センサが、人体の動きを検出して信号を出力し、制御回路は、基準点が設けられ少なくとも1本の回転軸の回りに回転可能な回転手段を、前記基準点が出力のあった前記人センサに対応する方向に位置するように回転及び停止させることを特徴とする回転台の制御方法である。
【0018】
上記回転台の制御方法においては、複数の人センサを含む人体位置センサが人の動きを検知すると信号を出力する。制御回路は、信号を出力した人センサの方向に基準点が位置するように回転手段を回転及び停止させて制御する。
【0019】
さらにまた別の観点によれば本発明は、第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向及び前記第1回転軸に直交する第2回転軸を法線とする平面に平行かつ前記第1方向に直交する第2方向に配列され、互いに重複しない領域の人体の動きを検知し、固定された少なくとも3つの人センサを有する人体位置センサが、人体の動きを検出して信号を出力し、制御回路は、基準点が設けられ、前記第1回転軸および前記第2回転軸の回りに回転可能な回転手段を、前記基準点が前記出力のあった人センサに対応する方向に位置するように回転及び停止させることを特徴とする回転台の制御方法である。
【0020】
上記回転台の制御方法において、人体位置センサは人体の動きを検出して信号を出力する。人体位置センサは、少なくとも3つの人センサを有する。それらの人センサは、第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向及び第1回転軸に直交する第2回転軸を法線とする平面に平行かつ第1方向に直交する第2方向に配列され固定されている。各人センサは、互いに重複しないエリアの人体の動きを検知する。
【0021】
人体位置センサが信号を検出すると、制御回路は、回転手段を第1回転軸および第2回転軸の回りに回転させ、回転手段の基準点が出力のあった人センサに対応する方向に位置するように制御する。
【0022】
上記回転台の制御方法において制御回路は、第1の人センサが出力した信号に基づいた回転手段の回転中に第2の人センサが信号を出力した場合には、基準点を第2の人センサに対応する方向に位置するように回転手段を回転および停止させて制御することが好ましい。
【0023】
このとき、回転手段の回転軸の回りの回転角を計測し、制御回路は、人体位置センサの出力と計測された回転角とを比較した結果に応じて回転手段を回転及び停止させるよう制御するようにしてもよい。
【0024】
また、基準点の初期位置情報を制御回路に入力し、制御回路が初期位置情報と人体位置センサからの出力に応じて回転手段を回転及び停止させるよう制御することもできる。
【0025】
上記制御回路は、複数の前記人センサが所定の時間内に信号を出力した場合には、基準点が信号を出力した複数の人センサの重心に対応する方向に位置するように回転手段を回転および停止させるよう制御することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本実施の形態においては、本発明の1実施の形態にかかる回転台を投光器に適用した場合について説明する。以下、本発明の1実施の形態にかかる回転台および同回転台の制御方法を、図1乃至8を用いて説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態にかかる回転台を用いた投光器100の概略斜視図である。図1に示すように、投光器100は、回転台1、電気コード2、人体位置センサ3、支持体9、ライト10、取付台22等を有している。
【0028】
回転台1は、垂直方向回転台4、水平方向回転台8を有しており、取付台22に回転可能に取り付けられている。垂直方向回転台4は水平方向回転台8に取付けられ、面上に基準点4aのマーキング(⇒)を有し、軸50を回転軸として図のR方向に回転する。水平方向回転台8は、取付台22に取り付けられ、取付台22の中心を軸として図のS方向に回転する。
【0029】
電気コード2は、投光器100に電力を供給するためのコードである。人体位置センサ3は、人体の動きを検出する人センサが複数配列されたセンサである。支持体9は、回転台1、人体位置センサ3、ライト10、取付台22等を支持している。ライト10は垂直方向回転台4に固定され、垂直方向回転台4、水平方向回転台8の回転とともに回転することで照射方向が変化する照明である。取付台22は、人体位置センサ3の上部に備えられ、回転台1を回転可能に支持する。
【0030】
回転台1を支持台9に取付け、垂直方向回転台4にライト10を取付け電源コード2からライト10の電源を引くことにより自動追尾機能付き投光器100が構成される。
【0031】
図2に示すように、投光器100においては、人体位置センサ3、制御回路7が電源コード2に並列接続されている。制御回路7には垂直方向回転用モータ(M1)5(以下、垂直モータ5という)、水平方向回転用モータ(M2)6(以下、水平モータ6という)、垂直方向回転台4の回転角度センサ23(以下、垂直角度センサ23という)、水平方向回転台8の回転角度センサ24(以下、水平角度センサ24という)とが接続されている。
【0032】
垂直モータ5は、垂直方向回転台4を回転させる駆動手段である。水平モータ6は、水平方向回転台8を回転させる駆動手段である。垂直角度センサ23は、垂直方向回転台4の回転角を計測する。水平回転角度センサ24は、水平方向回転台8の回転角を計測する。
【0033】
制御回路7は、人体位置センサ3と、垂直角度センサ23及び水平角度センサ24との出力を比較した結果に応じて垂直モータ5と水平モータ6の回転を制御し、垂直方向回転台4及び水平方向回転台8を適宜の方向に回転あるいは適宜の位置で停止させる制御を行う。垂直モータ5、水平モータ6、垂直角度センサ23、水平角度センサ24、および制御回路7は、水平方向回転台8に内臓されている。
【0034】
図3、図4、図5は人体位置センサ3の構造を示す図であり、図3は上面図、図4は正面図、図5は図4のA−A断面図である。図3乃至5に示すように、人体位置センサ3は、人センサ3aを一列9個づつ3段に並べたものをケース3b内に収納した構成である。
【0035】
図4に示すように、各々の人センサ3aにはそれぞれの位置に対しx1、x2、x3、x4、x5、x6、x7、x8、x9及びy1、y2、y3の座標を与えるとする。人体の移動は水平面が主で垂直方向の移動は少ないという前提で、水平面はx1、x2、x3、x4、x5、x6、x7、x8、x9が放射状に、すなわち、図3の面3cに沿うような位置に配置される。垂直方向は図5に示すように、下段のセンサほど下向きにy1、y2、y3を配置している。
【0036】
人センサ3aは感知エリア内で人体の移動があった時出力信号を発生するもので、本実施の形態においては人体の位置座標を特定できるように感知エリアの極めて狭いいわゆる狭指向角の人センサを使用している。
【0037】
人センサ3aとしては、例えば焦電型赤外線センサが用いられる。焦電型赤外線センサは、強誘電体が赤外線を受けると、その熱エネルギーを吸収して自発分極に変化を起こし、その変化量に比例して表面に電荷が誘起される現象(焦電効果)を利用して、人体などから発せられる僅かな赤外線を鋭く検知するセンサである。焦電効果を有する素子(焦電素子ともいう)としては、強誘電体セラミックなどが用いられる。赤外線センサには、集光部を樹脂で一体成形したもの、赤外線センサと信号処理回路をワンチップ化したものなどがあり、それらを使用することができる。
【0038】
図6、図7、図8は感知エリアの詳細を示すもので、図中ハッチングを施した部分が感知エリアである。本実施の形態においては、狭指向角の人センサを用いているので、各々の人センサの検知領域は水平方向、垂直方向のいずれにおいても重複せず、独立している。
【0039】
図6に示すように、水平方向は放射状に感知エリアx1、x2、x3、x4、x5、x6、x7、x8、x9がある。図7に示すように、垂直方向はy1、y2、y3の感知エリアがありy3は水平方向、y1とy2は床面方向に傾いた感知エリアを持っている。
【0040】
図8は、図6におけるX−X’面と図7におけるY−Y’面の感知エリアを平面展開したものである。図8から分かるように、面内には(x1、y1)〜(x9、y3)まで合計27箇所の感知エリアがある。
【0041】
次に図9を参照しながら投光器100の動作について説明する。初期状態において、垂直方向回転台4の基準点4aは人体位置センサ3の(x5、y2)の感知エリアに対応した方向に位置しているとすると、制御回路7においてこの初期状態をセットする(ステップ901)。次に、少なくとも1つの人センサ3aから出力があるか否かを判断し(ステップ902)、ない場合には垂直モータ5および水平モータ6を停止する(ステップ903)。
【0042】
この状態において感知エリア内に人が侵入し、例えば(x1、y1)のエリアで出力信号の発生があると、少なくとも1つのセンサ3aから出力があったと判断する(ステップ902のYes)。制御回路7は、出力のあったセンサ3aの重心位置を算出する(ステップ904)。この例では、出力のあった人センサ3aは1つなので、重心も(x1、y1)となる。
【0043】
ステップ904で計算された重心の位置から制御回路7は、基準点4aが感知エリア(x1、y1)に対応した方向に位置するように垂直方向回転台4及び水平方向回転台8の回転角度を第1設定値θ1に設定し(ステップ905)、垂直モータ5、水平モータ6を回転させる(ステップ906)。
【0044】
垂直モータ5または水平モータ6の回転中に、(x1、y1)のエリア以外で出力信号の発生があるか否かを判断し(ステップ907)、ある場合には、新たに出力のあった人センサ3aの方向に基準点4aを位置させるためにステップ904に戻る。
【0045】
垂直方向回転台4および水平方向回転台8がステップ905で設定された設定値に到達したと判断されて停止すると、垂直角度センサ23および水平角度センサ24の出力と、第1設定値θ1が等しいか否かを比較する(ステップ908)。
【0046】
等しくない場合には再び垂直モータ5、水平モータ6を回転させるためにステップ906に戻り、等しい場合には垂直モータ5、水平モータ6を停止し(ステップ909)、新たな人の動きを検出するためにステップ904に戻る。
【0047】
ステップ906で基準点4aが(x5、y2)から(x1、y1)に移動中に人の動きがあり、例えば(x2、y2)のエリアで出力信号の発生があった場合はその時点でステップ904に戻り、目標を(x2、y2)に変更し、基準点4aが感知エリア(x2、y2)に対応した方向に位置するように垂直モータ5、水平モータ6が回転し、垂直方向回転台4および水平方向回転台8が目標方向に到達した位置で停止する。すなわち、人体位置センサ3を構成する人センサ3aの中で最も新しく出力信号を発生したエリアに向かって基準点4aは移動する。
【0048】
このとき、人体位置センサ3は取付台22に固定されており、回転台1が回転しても背景の温度差に反応して出力信号を発生することはない。したがって、背景の温度差による誤出力により回転台が誤って制御されることがないので、従来のように回転速度を例えば0.2〜0.3回転/分程度の低速にする必要がなくなり、高速の人体自動追尾が可能となる。
【0049】
本実施の形態においては、垂直角度センサ23と水平回転角度センサ24を使用しているがこれらは省くこともできる。垂直モータ5、水平モータ6としてステッピングモータを使用し、例えば、初期位置を手動で調整するなど適宜の方法で回転台の初期位置情報を制御回路7に与え、人センサ3aの出力と初期位置情報とを比較し制御回路7から必要なパルス列をステッピングモータに送出することにより、垂直角度センサ23と水平回転角度センサ24は省くことが可能である。
【0050】
また、人が人体位置センサ3の近くで移動したり複数の人間が同時に移動した場合など、短時間の間に複数の人センサ3aから出力信号の発生があった場合、制御回路7は以下の式に従って重心位置を算出し、基準点4aが重心位置に向かうような制御を行う。
【0051】
例えば、(x1、y1)と(x8、y3)の2箇所で所定時間内に相次いで人の移動があった場合は、
【0052】
x=(x1+x8)・2、y=(y1+y3)・2
【0053】
となる。
【0054】
また、(x4、y1)、(x5、y1)、(x4、y2)、(x5、y2)、(x4、y3)、(x5、y3)の6箇所で所定時間内に人体の移動を検知た場合は
【0055】
x=(x4+x5)・2、y=(y1+y2+y3)/3
となる。
【0056】
したがって、所定の短時間の間に複数の人センサ3aから出力信号の発生があった場合、予め複数の人センサ3aの重心を計算するので、本来追尾すべき方向と逆方向に回転することがなくなり、所望の位置めがけて回転し始めるので無駄な動作を行うことなく高速の人体自動追尾が可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態にかかる回転台および同回転台の制御方法においては、回転台1の回転如何にかかわらず固定され、配列された複数の人センサ3aを有する人体位置センサ3を用いて、人の動きを最も新しく検知して信号を出力した特定のセンサ3a、あるいは所定時間内に出力のあった複数の人センサ3aの重心の方向に回転台の基準点4aが位置するように回転台1を制御するので、背景の温度変化による誤出力がある場合や、相次いで信号が出力された場合にも、適確な方向に、高速で回転台1を回転させることが可能になる。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本発明による回転台および同回転台の制御方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変形や改良が可能である。
【0059】
例えば、人センサ3aが備えられる面は、図3の面3c、及び図5の例に限定されず、例えば水平方向、垂直方向とも約90度から約180度の範囲を検知可能な配置であればよい。
【0060】
人センサ3aの配置は図4の例に限らず、少なくとも水平方向または垂直方向に2つ、あるいは少なくとも水平方向に2つ及び水平方向の2つのセンサのどちらか一方に対し垂直方向にさらに1つ配置された場合に、本発明は適用が可能である。
【0061】
また、上記実施の形態においては、回転台1を投光器100に適用して例について説明したが、劇場や宴会場のスポットライト、店頭に於ける商品展示台等、使用者、演技者、顧客の動きを追いかける動作が必要な他のものにも適用できる。また、上記回転台の制御方法は、回転台でなく、空気調和装置の吹き出し口のような他の機材の動作制御にも応用することが可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高速自動追尾が可能な、安価で使い勝手の良い回転台および同回転台の制御方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態にかかる投光器100を示す概略斜視図。
【図2】投光器100を示す回路図。
【図3】人体位置センサ3の平面図。
【図4】人体位置センサ3の正面図。
【図5】人体位置センサ3の断面図。
【図6】人体位置センサ3の検知エリアを示す水平断面図。
【図7】人体位置センサ3の検知エリアを示す垂直断面図。
【図8】人体位置センサ3の検知エリアを示す展開図。
【図9】回転台1の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…回転台、2…電源コード、3…人体位置センサ、3a…人センサ、4…垂直方向回転台、4a…基準点、5…垂直モータ、6…水平モータ、7…制御回路、8…水平方向回転台、9…支持台、10…ライト、22…取付台、23…垂直角度センサ、24…水平回転角度センサ、50…軸、100…投光器
【発明が属する技術分野】
本発明は人体自動追尾機能を持った回転台および回転台の制御方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
監視カメラなど、人の動きを追いかける動作が必要な機器においては、リモコンによる方向変換あるいは自動追尾が可能な回転台にそれらを取付けて使用されている。また空気調和装置では、人のいる所に効果的に風を当てるために人の動きを感知し、それを基に風の方向を制御するように構成されることがある。これらの場合には、人の動きを感知するための人センサが用いられる。
【0003】
自動追尾機能を持った回転台としては、人の動きを感知するセンサとしてCCDカメラや超音波による距離測定を応用したものが一部商品化されてはいるが、システムが大掛かりで高価であるため一般には普及に至ってないのが現状であり、低価格品の商品化が課題である。
【0004】
低価格が実現される可能性のある商品としては、焦電効果を利用した赤外線センサを用いたものが提案されている。このような赤外線センサを利用した例には、人体の存在を個別に検知するための複数の部分エリアに縦横多分割された検知エリア内に設置された赤外線量検出手段と、それらの部分エリアからの赤外線を順次赤外線量検出手段に入光させる遮蔽機構を走査する走査手段とを用いて、複数の部分エリアにおける人体の存在有無を判定する人体位置検知装置および該装置を備えた空気調和装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−60940号公報(第3頁、第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例で用いられる赤外線量検出手段などの人センサは人の動きに反応して出力信号を出す素子であるが、実際に検出しているのは温度変化である。上記人体位置検知装置においては、複数に分割されたエリアからの赤外線を順次検出するので、個々のエリアにおける背景の温度変化に反応し、人の動きがなくても出力信号を出してしまうことがある。よってこのような誤出力を避けるためには、低速で遮蔽板を走査するなど、使用上の制約が生じてしまうという問題がある。
【0007】
また、上記人体位置検知装置を用いた空気調和装置では、ある領域で人の存在を検知した際に、検知した情報に基づき空気の吹き出し方向等を制御することになるが、複数のエリアに亘って人が移動したような場合には、1回目の走査で検出されたエリアに空気の吹き出し方向を制御しようとしている間に他のエリアに人が移動してしまい、空気の吹き出し方向を1回目に検出された方向とは別の方向に制御する必要が生じる。このとき、はじめの一定時間、空気の吹き出し方向は制御すべき方向とは異なる方向に制御され、その後本来の方向に制御するため、制御速度が低下するという問題がある。
【0008】
すなわち、右領域で人の動きがあったときは吹き出し方向は一定時間右に回転し、左領域で人の動きがあったときは一定時間左回転し、上領域で人の動きがあったときは一定時間上回転し、下領域で人の動きがあったときは一定時間下回転するので、人が右領域から左領域へあるいは左領域から右領域へあるいは上領域から下領域へあるいは下領域から上領域へ移動した場合、人の動きに適切に追随できないという欠点があった。
【0009】
そこで、上記問題点を解決するために本発明は、背景の温度変化に影響されず、人が移動した際にも高速で追尾動作が可能な使い勝手の良い回転台および同回転台の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明は、基準点が設けられ、少なくとも1本の回転軸の回りに回転可能な回転手段と、互いに異なる領域の人体の動きを検知する少なくとも2つの人センサが配列され、前記回転手段の回転如何にかかわらず固定された人体位置センサと、前記人体位置センサが人体の動きを検出して信号を出力すると、前記基準点が出力のあった前記人センサに対応する方向に位置するように前記回転手段を回転及び停止させて制御する制御回路とを有することを特徴とする回転台である。
【0010】
上記回転台において、回転手段は、少なくとも1つの回転軸の回りに回転する。回転手段には、予め回転の指標になる基準点を設ける。人体位置センサは、互いに異なる領域における人の動きを検知する人センサを少なくとも2つ配列されており、固定されている。人体位置センサが人の動きを検知すると信号を出力し、制御回路は、信号を出力した人センサの方向に基準点が位置するように回転手段を回転及び停止させる。
【0011】
別の観点によれば本発明は、基準点が設けられ、互いに直交する第1回転軸および第2回転軸の回りに回転可能な回転手段と、前記第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向及び前記第2回転軸を法線とする平面に平行かつ前記第1方向に直交する第2方向に配列され、互いに重複しない領域の人体の動きを検知し、前記回転手段の回転如何にかかわらず固定された少なくとも3つの人センサを有する人体位置センサと、前記人体位置センサが人体の動きを検出して信号を出力すると、前記基準点が前記出力のあった人センサに対応する方向に位置するように前記回転手段を回転及び停止させて制御する制御手段とを有することを特徴とする回転台である。
【0012】
上記回転台において、回転手段は、互いに直交する第1回転軸及び第2回転軸の回りに回転する。回転手段には、予め回転の指標になる基準点を設ける。人体位置センサは、互いに重複しない領域における人の動きを検知する人センサを少なくとも3つ配列されており、固定されている。人センサは、第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向と、第2回転軸を法線とする平面に平行でかつ第1方向に直交する方向とに配列される。人体位置センサが人の動きを検知すると信号を出力し、制御回路は、信号を出力した人センサの方向に基準点が位置するように回転手段を回転及び停止させる。
【0013】
上記いずれの回転台においても制御回路は、人体位置センサの中の第1の人センサが出力した信号に基づいた回転手段の回転中に第2の人センサが信号を出力した場合には、基準点を第2の人センサに対応する方向に位置するように回転手段を回転および停止させることが好ましい。
【0014】
回転手段の回転軸の回りの回転角を計測する回転角検出手段をさらに有し、制御回路は、人体位置センサの出力と回転角検出手段の出力とを比較した結果に応じて回転手段の回転を制御するようにしてもよい。
【0015】
基準点の初期位置を特定する初期位置情報を制御回路に入力する手段をさらに有し、制御回路は、初期位置情報と人体位置センサからの出力に応じて回転手段を回転及び停止させるよう制御することもできる。
【0016】
複数の人センサが所定の時間内に信号を出力した場合、制御回路は、基準点が信号を出力した複数の人センサの重心に対応する方向に位置するように回転手段を回転および停止させるよう制御することが好ましい。
【0017】
別の観点によれば本発明は、互いに異なる領域の人体の動きを検知する少なくとも2つの人センサが配列され、固定された人体位置センサが、人体の動きを検出して信号を出力し、制御回路は、基準点が設けられ少なくとも1本の回転軸の回りに回転可能な回転手段を、前記基準点が出力のあった前記人センサに対応する方向に位置するように回転及び停止させることを特徴とする回転台の制御方法である。
【0018】
上記回転台の制御方法においては、複数の人センサを含む人体位置センサが人の動きを検知すると信号を出力する。制御回路は、信号を出力した人センサの方向に基準点が位置するように回転手段を回転及び停止させて制御する。
【0019】
さらにまた別の観点によれば本発明は、第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向及び前記第1回転軸に直交する第2回転軸を法線とする平面に平行かつ前記第1方向に直交する第2方向に配列され、互いに重複しない領域の人体の動きを検知し、固定された少なくとも3つの人センサを有する人体位置センサが、人体の動きを検出して信号を出力し、制御回路は、基準点が設けられ、前記第1回転軸および前記第2回転軸の回りに回転可能な回転手段を、前記基準点が前記出力のあった人センサに対応する方向に位置するように回転及び停止させることを特徴とする回転台の制御方法である。
【0020】
上記回転台の制御方法において、人体位置センサは人体の動きを検出して信号を出力する。人体位置センサは、少なくとも3つの人センサを有する。それらの人センサは、第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向及び第1回転軸に直交する第2回転軸を法線とする平面に平行かつ第1方向に直交する第2方向に配列され固定されている。各人センサは、互いに重複しないエリアの人体の動きを検知する。
【0021】
人体位置センサが信号を検出すると、制御回路は、回転手段を第1回転軸および第2回転軸の回りに回転させ、回転手段の基準点が出力のあった人センサに対応する方向に位置するように制御する。
【0022】
上記回転台の制御方法において制御回路は、第1の人センサが出力した信号に基づいた回転手段の回転中に第2の人センサが信号を出力した場合には、基準点を第2の人センサに対応する方向に位置するように回転手段を回転および停止させて制御することが好ましい。
【0023】
このとき、回転手段の回転軸の回りの回転角を計測し、制御回路は、人体位置センサの出力と計測された回転角とを比較した結果に応じて回転手段を回転及び停止させるよう制御するようにしてもよい。
【0024】
また、基準点の初期位置情報を制御回路に入力し、制御回路が初期位置情報と人体位置センサからの出力に応じて回転手段を回転及び停止させるよう制御することもできる。
【0025】
上記制御回路は、複数の前記人センサが所定の時間内に信号を出力した場合には、基準点が信号を出力した複数の人センサの重心に対応する方向に位置するように回転手段を回転および停止させるよう制御することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本実施の形態においては、本発明の1実施の形態にかかる回転台を投光器に適用した場合について説明する。以下、本発明の1実施の形態にかかる回転台および同回転台の制御方法を、図1乃至8を用いて説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態にかかる回転台を用いた投光器100の概略斜視図である。図1に示すように、投光器100は、回転台1、電気コード2、人体位置センサ3、支持体9、ライト10、取付台22等を有している。
【0028】
回転台1は、垂直方向回転台4、水平方向回転台8を有しており、取付台22に回転可能に取り付けられている。垂直方向回転台4は水平方向回転台8に取付けられ、面上に基準点4aのマーキング(⇒)を有し、軸50を回転軸として図のR方向に回転する。水平方向回転台8は、取付台22に取り付けられ、取付台22の中心を軸として図のS方向に回転する。
【0029】
電気コード2は、投光器100に電力を供給するためのコードである。人体位置センサ3は、人体の動きを検出する人センサが複数配列されたセンサである。支持体9は、回転台1、人体位置センサ3、ライト10、取付台22等を支持している。ライト10は垂直方向回転台4に固定され、垂直方向回転台4、水平方向回転台8の回転とともに回転することで照射方向が変化する照明である。取付台22は、人体位置センサ3の上部に備えられ、回転台1を回転可能に支持する。
【0030】
回転台1を支持台9に取付け、垂直方向回転台4にライト10を取付け電源コード2からライト10の電源を引くことにより自動追尾機能付き投光器100が構成される。
【0031】
図2に示すように、投光器100においては、人体位置センサ3、制御回路7が電源コード2に並列接続されている。制御回路7には垂直方向回転用モータ(M1)5(以下、垂直モータ5という)、水平方向回転用モータ(M2)6(以下、水平モータ6という)、垂直方向回転台4の回転角度センサ23(以下、垂直角度センサ23という)、水平方向回転台8の回転角度センサ24(以下、水平角度センサ24という)とが接続されている。
【0032】
垂直モータ5は、垂直方向回転台4を回転させる駆動手段である。水平モータ6は、水平方向回転台8を回転させる駆動手段である。垂直角度センサ23は、垂直方向回転台4の回転角を計測する。水平回転角度センサ24は、水平方向回転台8の回転角を計測する。
【0033】
制御回路7は、人体位置センサ3と、垂直角度センサ23及び水平角度センサ24との出力を比較した結果に応じて垂直モータ5と水平モータ6の回転を制御し、垂直方向回転台4及び水平方向回転台8を適宜の方向に回転あるいは適宜の位置で停止させる制御を行う。垂直モータ5、水平モータ6、垂直角度センサ23、水平角度センサ24、および制御回路7は、水平方向回転台8に内臓されている。
【0034】
図3、図4、図5は人体位置センサ3の構造を示す図であり、図3は上面図、図4は正面図、図5は図4のA−A断面図である。図3乃至5に示すように、人体位置センサ3は、人センサ3aを一列9個づつ3段に並べたものをケース3b内に収納した構成である。
【0035】
図4に示すように、各々の人センサ3aにはそれぞれの位置に対しx1、x2、x3、x4、x5、x6、x7、x8、x9及びy1、y2、y3の座標を与えるとする。人体の移動は水平面が主で垂直方向の移動は少ないという前提で、水平面はx1、x2、x3、x4、x5、x6、x7、x8、x9が放射状に、すなわち、図3の面3cに沿うような位置に配置される。垂直方向は図5に示すように、下段のセンサほど下向きにy1、y2、y3を配置している。
【0036】
人センサ3aは感知エリア内で人体の移動があった時出力信号を発生するもので、本実施の形態においては人体の位置座標を特定できるように感知エリアの極めて狭いいわゆる狭指向角の人センサを使用している。
【0037】
人センサ3aとしては、例えば焦電型赤外線センサが用いられる。焦電型赤外線センサは、強誘電体が赤外線を受けると、その熱エネルギーを吸収して自発分極に変化を起こし、その変化量に比例して表面に電荷が誘起される現象(焦電効果)を利用して、人体などから発せられる僅かな赤外線を鋭く検知するセンサである。焦電効果を有する素子(焦電素子ともいう)としては、強誘電体セラミックなどが用いられる。赤外線センサには、集光部を樹脂で一体成形したもの、赤外線センサと信号処理回路をワンチップ化したものなどがあり、それらを使用することができる。
【0038】
図6、図7、図8は感知エリアの詳細を示すもので、図中ハッチングを施した部分が感知エリアである。本実施の形態においては、狭指向角の人センサを用いているので、各々の人センサの検知領域は水平方向、垂直方向のいずれにおいても重複せず、独立している。
【0039】
図6に示すように、水平方向は放射状に感知エリアx1、x2、x3、x4、x5、x6、x7、x8、x9がある。図7に示すように、垂直方向はy1、y2、y3の感知エリアがありy3は水平方向、y1とy2は床面方向に傾いた感知エリアを持っている。
【0040】
図8は、図6におけるX−X’面と図7におけるY−Y’面の感知エリアを平面展開したものである。図8から分かるように、面内には(x1、y1)〜(x9、y3)まで合計27箇所の感知エリアがある。
【0041】
次に図9を参照しながら投光器100の動作について説明する。初期状態において、垂直方向回転台4の基準点4aは人体位置センサ3の(x5、y2)の感知エリアに対応した方向に位置しているとすると、制御回路7においてこの初期状態をセットする(ステップ901)。次に、少なくとも1つの人センサ3aから出力があるか否かを判断し(ステップ902)、ない場合には垂直モータ5および水平モータ6を停止する(ステップ903)。
【0042】
この状態において感知エリア内に人が侵入し、例えば(x1、y1)のエリアで出力信号の発生があると、少なくとも1つのセンサ3aから出力があったと判断する(ステップ902のYes)。制御回路7は、出力のあったセンサ3aの重心位置を算出する(ステップ904)。この例では、出力のあった人センサ3aは1つなので、重心も(x1、y1)となる。
【0043】
ステップ904で計算された重心の位置から制御回路7は、基準点4aが感知エリア(x1、y1)に対応した方向に位置するように垂直方向回転台4及び水平方向回転台8の回転角度を第1設定値θ1に設定し(ステップ905)、垂直モータ5、水平モータ6を回転させる(ステップ906)。
【0044】
垂直モータ5または水平モータ6の回転中に、(x1、y1)のエリア以外で出力信号の発生があるか否かを判断し(ステップ907)、ある場合には、新たに出力のあった人センサ3aの方向に基準点4aを位置させるためにステップ904に戻る。
【0045】
垂直方向回転台4および水平方向回転台8がステップ905で設定された設定値に到達したと判断されて停止すると、垂直角度センサ23および水平角度センサ24の出力と、第1設定値θ1が等しいか否かを比較する(ステップ908)。
【0046】
等しくない場合には再び垂直モータ5、水平モータ6を回転させるためにステップ906に戻り、等しい場合には垂直モータ5、水平モータ6を停止し(ステップ909)、新たな人の動きを検出するためにステップ904に戻る。
【0047】
ステップ906で基準点4aが(x5、y2)から(x1、y1)に移動中に人の動きがあり、例えば(x2、y2)のエリアで出力信号の発生があった場合はその時点でステップ904に戻り、目標を(x2、y2)に変更し、基準点4aが感知エリア(x2、y2)に対応した方向に位置するように垂直モータ5、水平モータ6が回転し、垂直方向回転台4および水平方向回転台8が目標方向に到達した位置で停止する。すなわち、人体位置センサ3を構成する人センサ3aの中で最も新しく出力信号を発生したエリアに向かって基準点4aは移動する。
【0048】
このとき、人体位置センサ3は取付台22に固定されており、回転台1が回転しても背景の温度差に反応して出力信号を発生することはない。したがって、背景の温度差による誤出力により回転台が誤って制御されることがないので、従来のように回転速度を例えば0.2〜0.3回転/分程度の低速にする必要がなくなり、高速の人体自動追尾が可能となる。
【0049】
本実施の形態においては、垂直角度センサ23と水平回転角度センサ24を使用しているがこれらは省くこともできる。垂直モータ5、水平モータ6としてステッピングモータを使用し、例えば、初期位置を手動で調整するなど適宜の方法で回転台の初期位置情報を制御回路7に与え、人センサ3aの出力と初期位置情報とを比較し制御回路7から必要なパルス列をステッピングモータに送出することにより、垂直角度センサ23と水平回転角度センサ24は省くことが可能である。
【0050】
また、人が人体位置センサ3の近くで移動したり複数の人間が同時に移動した場合など、短時間の間に複数の人センサ3aから出力信号の発生があった場合、制御回路7は以下の式に従って重心位置を算出し、基準点4aが重心位置に向かうような制御を行う。
【0051】
例えば、(x1、y1)と(x8、y3)の2箇所で所定時間内に相次いで人の移動があった場合は、
【0052】
x=(x1+x8)・2、y=(y1+y3)・2
【0053】
となる。
【0054】
また、(x4、y1)、(x5、y1)、(x4、y2)、(x5、y2)、(x4、y3)、(x5、y3)の6箇所で所定時間内に人体の移動を検知た場合は
【0055】
x=(x4+x5)・2、y=(y1+y2+y3)/3
となる。
【0056】
したがって、所定の短時間の間に複数の人センサ3aから出力信号の発生があった場合、予め複数の人センサ3aの重心を計算するので、本来追尾すべき方向と逆方向に回転することがなくなり、所望の位置めがけて回転し始めるので無駄な動作を行うことなく高速の人体自動追尾が可能となる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態にかかる回転台および同回転台の制御方法においては、回転台1の回転如何にかかわらず固定され、配列された複数の人センサ3aを有する人体位置センサ3を用いて、人の動きを最も新しく検知して信号を出力した特定のセンサ3a、あるいは所定時間内に出力のあった複数の人センサ3aの重心の方向に回転台の基準点4aが位置するように回転台1を制御するので、背景の温度変化による誤出力がある場合や、相次いで信号が出力された場合にも、適確な方向に、高速で回転台1を回転させることが可能になる。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本発明による回転台および同回転台の制御方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変形や改良が可能である。
【0059】
例えば、人センサ3aが備えられる面は、図3の面3c、及び図5の例に限定されず、例えば水平方向、垂直方向とも約90度から約180度の範囲を検知可能な配置であればよい。
【0060】
人センサ3aの配置は図4の例に限らず、少なくとも水平方向または垂直方向に2つ、あるいは少なくとも水平方向に2つ及び水平方向の2つのセンサのどちらか一方に対し垂直方向にさらに1つ配置された場合に、本発明は適用が可能である。
【0061】
また、上記実施の形態においては、回転台1を投光器100に適用して例について説明したが、劇場や宴会場のスポットライト、店頭に於ける商品展示台等、使用者、演技者、顧客の動きを追いかける動作が必要な他のものにも適用できる。また、上記回転台の制御方法は、回転台でなく、空気調和装置の吹き出し口のような他の機材の動作制御にも応用することが可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高速自動追尾が可能な、安価で使い勝手の良い回転台および同回転台の制御方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態にかかる投光器100を示す概略斜視図。
【図2】投光器100を示す回路図。
【図3】人体位置センサ3の平面図。
【図4】人体位置センサ3の正面図。
【図5】人体位置センサ3の断面図。
【図6】人体位置センサ3の検知エリアを示す水平断面図。
【図7】人体位置センサ3の検知エリアを示す垂直断面図。
【図8】人体位置センサ3の検知エリアを示す展開図。
【図9】回転台1の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…回転台、2…電源コード、3…人体位置センサ、3a…人センサ、4…垂直方向回転台、4a…基準点、5…垂直モータ、6…水平モータ、7…制御回路、8…水平方向回転台、9…支持台、10…ライト、22…取付台、23…垂直角度センサ、24…水平回転角度センサ、50…軸、100…投光器
Claims (12)
- 基準点が設けられ、少なくとも1本の回転軸の回りに回転可能な回転手段と、
互いに異なる領域の人体の動きを検知する少なくとも2つの人センサが配列され、前記回転手段の回転如何にかかわらず固定された人体位置センサと、
前記人体位置センサが人体の動きを検出して信号を出力すると、前記基準点が出力のあった前記人センサに対応する方向に位置するように前記回転手段を回転及び停止させて制御する制御回路と、
を有することを特徴とする回転台。 - 基準点が設けられ、互いに直交する第1回転軸および第2回転軸の回りに回転可能な回転手段と、
前記第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向及び前記第2回転軸を法線とする平面に平行かつ前記第1方向に直交する第2方向に配列され、互いに重複しない領域の人体の動きを検知し、前記回転手段の回転如何にかかわらず固定された少なくとも3つの人センサを有する人体位置センサと、
前記人体位置センサが人体の動きを検出して信号を出力すると、前記基準点が前記出力のあった人センサに対応する方向に位置するように前記回転手段を回転及び停止させて制御する制御手段と、
を有することを特徴とする回転台。 - 前記制御回路は、
前記人体位置センサの中の第1の人センサが出力した信号に基づいた前記回転手段の回転中に第2の人センサが信号を出力した場合には、前記基準点を第2の人センサに対応する方向に位置するように前記回転手段を回転および停止させて制御することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の回転台。 - 前記回転手段の前記回転軸の回りの回転角を計測する回転角検出手段をさらに有し、
前記制御回路は、前記人体位置センサの出力と前記回転角検出手段の出力とを比較した結果に応じて前記回転手段の回転を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回転台。 - 前記基準点の初期位置を特定する初期位置情報を前記制御回路に入力する手段をさらに有し、
前記制御回路は、前記初期位置情報と前記人体位置センサからの出力に応じて前記回転手段を回転及び停止させるよう制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回転台。 - 前記制御回路は、
複数の前記人センサが所定の時間内に信号を出力した場合には、前記基準点が前記信号を出力した複数の人センサの重心に対応する方向に位置するように前記回転手段を回転および停止させて制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転台。 - 互いに異なる領域の人体の動きを検知する少なくとも2つの人センサが配列され、固定された人体位置センサが、人体の動きを検出して信号を出力し、
制御回路は、基準点が設けられ少なくとも1本の回転軸の回りに回転可能な回転手段を、前記基準点が出力のあった前記人センサに対応する方向に位置するように回転及び停止させることを特徴とする回転台の制御方法。 - 第1回転軸を法線とする平面に平行な第1方向及び前記第1回転軸に直交する第2回転軸を法線とする平面に平行かつ前記第1方向に直交する第2方向に配列され、互いに重複しない領域の人体の動きを検知し、固定された少なくとも3つの人センサを有する人体位置センサが、人体の動きを検出して信号を出力し、
制御回路は、基準点が設けられ、前記第1回転軸および前記第2回転軸の回りに回転可能な回転手段を、前記基準点が前記出力のあった人センサに対応する方向に位置するように回転及び停止させることを特徴とする回転台の制御方法。 - 前記制御回路は、前記人体位置センサの中の第1の人センサが出力した信号に基づいた前記回転手段の回転中に第2の人センサが信号を出力した場合には、前記基準点を第2の人センサに対応する方向に位置するように前記回転手段を回転および停止させて制御することを特徴とする請求項7または8のいずれか1項に記載の回転台。
- 前記回転手段の前記回転軸の回りの回転角を計測し、
前記制御回路は、前記人体位置センサの出力と計測された前記回転角とを比較した結果に応じて前記回転手段を回転及び停止させるよう制御することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の回転台の制御方法。 - 前記基準点の初期位置情報を前記制御回路に入力し、
前記制御回路は、前記初期位置情報と前記人体位置センサからの出力に応じて前記回転手段を回転及び停止させるよう制御することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の回転台の制御方法。 - 前記制御回路は、
複数の前記人センサが所定の時間内に信号を出力した場合には、前記基準点が前記信号を出力した複数の人センサの重心に対応する方向に位置するように前記回転手段を回転および停止させるよう制御することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の回転台の制御方法。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080916 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090203 |