JP2004353939A - 熱交換装置のシール構造 - Google Patents

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Takeshi Sato
健 佐藤
Atsushi Igarashi
敦志 五十嵐
Shuichi Harada
秀一 原田
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Abstract

【課題】産業機械又は車両の機関に用いられる熱交換装置に関し、脱着が容易で作業性に優れ、またシール性、経済性にも優れた熱交換装置のシール構造を提供することを課題とする。
【解決手段】枠体7内に、複数種類の熱交換器4が所定の隙間間隔をおいて収納された本体部3と、この本体部3の後部側に取り付けられ、上記各熱交換器4を通過した風を後方へガイドして排出するファンシュラウド30とを有する熱交換装置において、上記ファンシュラウド30の前端部に、上記熱交換器4間の隙間5と対応させてシール部材34を配置し、このファンシュラウド30を上記本体部3に取り付けることにより、上記シール部材34が上記熱交換器4間の隙間を覆う構造とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械又は車両の機関に用いられる熱交換装置のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建設機械などの産業機械又は車両の機関には図6に示す熱交換装置が用いられている。この熱交換装置2の本体部3には、インタークーラ、オイルクーラ、及びラジエータ等の複数の熱交換器4が並列配置され、これらは一まとめにフレーム6に収納されている。この本体部3のフレーム6の上部はカバー8が被着されて矩形状の枠体7を形成し、また本体部3の後部には冷却ファン(図示せず)によって吸引される風をガイドするためのファンシュラウド10が取り付けられている。
【0003】
上記ファンシュラウド10は鋼製で、板材を矩形状に屈曲形成された枠部12の前部の周囲に、この枠部12の板面と直交し外向きに屈曲するフランジ部14が形成され、また枠部12の後部には冷却ファンの大きさの孔部16が設けられた矩形状の板材18が取り付けられている。
【0004】
また、この熱交換装置2は同図に示すように、個々の熱交換器4間の隙間等にそれぞれシール部材20を詰め込み、各隙間を閉鎖してバイパス風の通過を防止している。このように、上記並列配置型の熱交換装置2は、個々の熱交換器4同士の隙間、熱交換器4と枠体7等との間の隙間などの多くの隙間があり、これらの隙間にはウレタン材などのシール部材20が多く装填されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−204590号公報
【特許文献2】
特開2001−348909号公報
【0006】
また、特許文献1には、建設機械のシール構造について、冷却装置の側辺部に固着された第1シール部材と、配管部材を挿通する挿通溝が形成された第2シール部材とを用い、これにより第2シール部材にのみ配管挿通溝を形成すれば足りるので、第1シール部材は配管部材を気に掛けることなく容易に組み付けできる旨の記載がある。特許文献2には、建設機械に関し、冷却装置同士の間に、清掃を可能にするための隙間を設け、この隙間の周囲を略密閉する隙間詰めカバー、又は開閉あるいは脱着可能な隙間詰めカバーを備えた形態の記載がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
さて、建設機械等は使用環境によっては、熱交換装置2に塵埃等が付着することが多く、この場合には、熱交換器4のコアに目詰まりが発生してオーバーヒートの原因を誘発するおそれがあるため、頻繁に熱交換装置を清掃する必要がある。
【0008】
上記熱交換装置2の掃除を行う場合には、そのつど上記シール部材20を脱着して各熱交換器4を個々に取り出す。この際には、フレーム6を固定したまま熱交換器4の吊上げ端子22に工具を介在させて引き上げ、この取り外し作業を行う。そして、各部材等に付着した塵埃の除去掃除を行う。この熱交換器4の脱着の際には、各隙間等からシール部材20を取り除く必要がある一方、熱交換器4の装着の際にも、多くの隙間にシール部材20を装填するために煩雑な作業を行なう必要があるなど、作業工程での問題があった。
【0009】
また、上記シール部材20は、密閉を確実にするためシール部材20が圧縮された状態で装着されている。このため、上記熱交換器4を引き上げて外す作業のときには無理な力がシール部材20に加わり、この脱着の際にシール部材が剥がれて破損することが多く、この場合には新たなシール部材を調達購入する必要があるなど経済面での問題もあった。
【0010】
特に、並列配置型の熱交換装置2は隙間が多く、これらの隙間を確実にシールするためにはシール部材が大量に必要となって経済的な負担となり、また確実にシールするために貼着した場合には脱着が容易ではなく、シール部材の剥がれ等が生じ、貼り直しをする必要がある等の問題がある。また、特許文献1及び特許文献2に記載のシール部材、隙間詰めカバーの装着形態は、用途が特定の構造の箇所に限られ、またシール部材の着脱も容易ではないという問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、脱着が容易で作業性に優れ、またシール性、経済性にも優れた熱交換装置のシール構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係る熱交換装置のシール構造は、図1に示すように、枠体7内に、複数種類の熱交換器4が所定の隙間間隔をおいて収納された本体部3と、この本体部3の後部側に取り付けられ、上記各熱交換器4を通過した風を後方へガイドして排出するファンシュラウド30とを有する熱交換装置において、上記ファンシュラウド30の前端部に、上記熱交換器4間の隙間5の位置に対応させてシール部材34を配置し、このファンシュラウド30を上記本体部3に取り付けることにより、上記シール部材34が上記熱交換器4間の隙間を覆う構成である。
【0013】
また、本発明に係る熱交換装置のシール構造は、上記ファンシュラウド30の前部にブラケット36を設け、上記シール部材34をこのブラケット36の前面部に固定した構成である。
【0014】
本発明に係る熱交換装置のシール構造は、上記ファンシュラウド30の前端部に設けられたフランジ部14に、シール部材34を固定し、このファンシュラウド30を上記本体部3に取り付けることにより、このシール部材34が上記熱交換器4と上記枠体7との間の隙間を覆う構成である。
【0015】
本発明に係る熱交換装置のシール構造は、上記シール部材34にウレタン材を用いた構成である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱交換装置のシール構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。この熱交換装置32の基本的な構造は上記図6に示す熱交換装置2と同様であり、同一の符号を付してここでの説明は省略する。この熱交換装置32は、自動車或いは産業建設機械等に用いられ、フレーム6、カバー8からなる矩形状の枠体7の内部には、インタークーラ、オイルクーラ、ラジエータ等の複数種類の個々の熱交換器4が横に並列配置されている。
【0017】
図1及び図2に示すように、この熱交換装置32は、上記ファンシュラウド10にシール部材34を設けたファンシュラウド30を、上記本体部3に取り付ける構造を採用する。このファンシュラウド30は、板材を矩形状に屈曲形成された枠部12の前部の周囲に、フランジ部14が形成され、また枠部12の後部には冷却ファンの大きさの孔部16が設けられた板材18が取り付けられている。
【0018】
上記シール部材34は、弾性材のあるウレタンフォームを長尺板状に形成したものである。このシール部材34は図3に示すように、熱交換器4同士の隙間5を閉塞するために必要な幅(ここでは隙間5の2倍程度の幅)が確保されているが、この幅は冷却風の通過の妨げにならない範囲とすることが好ましい。このシール部材34は、ウレタン材の他に、ゴム、合成樹脂等の弾性材が用いられる。
【0019】
また、上記シール部材34は、並列配置された各熱交換器4間の隙間及び、熱交換器4と枠体7間の隙間を通過するバイパス風を防止するために、これらの隙間に対応するよう合致させて配設する必要がある。図1に示すように、このシール部材34は、弾性材からなるものであるためシール部材34を保持固定するために鋼製のブラケット36を設ける。上記ブラケット36は、上記シール部材34の幅と同等か、これよりも幅の狭い長尺状の鋼製の板材である。
【0020】
このようにブラケット36は、上記シール部材34が配置される各熱交換器4間の隙間に沿うよう上下向きに配置され、個々の隙間に対応する箇所に取り付けられる。各ブラケット36には、その上下端部がファンシュラウド30の枠部12の上面部38及び下面部40の内側面に接するように屈曲部37が形成され、これら屈曲部37が各面部38,40に溶接等により固定される。そして、ファンシュラウド30に取り付けたブラケット36の前面部に、接着剤等を用いて上記シール部材34を固定する。
【0021】
また、シール部材34を介在させて上記熱交換器4と枠体7間の隙間を覆うために、上記ファンシュラウド30のフランジ部14にシール部材34を配置する。このシール部材34は、図1に示すようにフランジ部14の全周に沿うように矩形状に設け、接着剤を用いて各フランジ部14に固定する。
【0022】
このとき、ファンシュラウド30は、そのフランジ部14の内側端部が、熱交換装置32の枠体7から少し内側に位置するように形成し、この枠体7と熱交換器4との間の隙間を覆うようにする。これは、シール部材34の幅を内側に広げることで、上記枠体7との間の隙間を覆うようにしてもよい。
【0023】
また、この矩形状に設けたシール部材34は、ファンシュラウド30と本体部3との接合部に介在させるので、両者のはさみ材としてのパッキンとしても機能する。
【0024】
このように、ファンシュラウド30に取り付けたブラケット36の前面部、及びファンシュラウド30のフランジ部14の前面部に、接着剤等を用いて上記シール部材34を固定する。したがって、シール部材34は常にファンシュラウド30に固定され、熱交換装置32の本体部3に対するファンシュラウド30の装着及び脱着はシール部材34と一体に行われる。
【0025】
このシール部材34の全体形態は、図1に示すように、矩形の枠状に縦格子が配置形成された形態をなしている。また、シール部材34はそれ自体に弾性特性を有するが、本体部3の熱交換器4等に適度に当接するように、必要な箇所の肉厚を適宜加減した形状としてもよい。
【0026】
図4に示すように、上記ファンシュラウド30は、ビス等の止着具を用いてそのフランジ部12を熱交換装置32の本体部3の枠体7等に固定する。また、ファンシュラウド30の後部にはファン11が設けられる。
【0027】
上記ファンシュラウド30を本体部3に装着したときには、図5に示すように、ファンシュラウド30のブラケット36に取り付けられたシール部材34は、個々の熱交換器4間の隙間5の部位を、表面から覆う状態に当接してこれら隙間を閉塞する。熱交換器4と熱交換装置32の枠体7との間の隙間についても、シール部材34がこれらの隙間を覆う状態に当接してこれら隙間を閉塞する。上記シール部材34により、熱交換装置32の各隙間をバイパス風が通過することが防止され、冷却風が熱交換装置32における個々の熱交換器4を良好に通過する。
【0028】
掃除の際には、上記ファンシュラウド30を固定しているビス等の止着具を熱交換装置32の本体部3から脱着すれば、ファンシュラウド30とともにシール部材34が簡単に取り外せる。このとき、熱交換装置32から個々の熱交換器4の脱着等を行うが、従来のように熱交換器4同士の隙間に詰め込まれたシール部材20を除去するといった煩わしい作業負担から解放され、作業性が向上する。
【0029】
そして、上記脱着したファンシュラウド30のシール部材34等に付着した塵埃の除去、及び熱交換器4のコア等に付着した塵埃などの除去、掃除を行う。各部材の掃除を終えると、再度、個々の熱交換器4を熱交換装置32の本体部3に装着し、シール部材34が取り付けられたファンシュラウド30をそのまま熱交換装置32の本体部3に取り付けることで作業を終了する。このときにも、各熱交換器4同士の隙間等にシール部材を詰め込むといった作業負担がなく、作業の効率化が図れる。
【0030】
従って上記実施の形態に係る熱交換装置によれば、各熱交換器同士或いは熱交換器と枠体間の隙間等にシール部材を詰め込むといった作業から解放され、掃除の際等には、シール部材がファンシュラウドとともに簡単に外せるとともに熱交換器の脱着も容易に行える等、作業性に優れ装置の維持管理に貢献し経済効果も高い。また、シール部材は、隙間を覆う構成であるためシール性にも優れ、加えてシール部材は損傷しにくい形態で配置されているため、シール部材の耐久性が向上する。
【0031】
なお、この実施の形態に係る熱交換装置は、熱交換器が横並列に配置された形態について説明したが、他に、熱交換器(特に積層型)が上下に配列される形態の熱交換装置であっても適用は可能である。この場合には、熱交換器の設置方向に合せてファンシュラウドの左右方向にブラケットを配置しこれにシール部材を貼り付け各熱交換器間をシールする。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る熱交換装置によれば、ファンシュラウドの前端部にシール部材を配置し、このシール部材が熱交換器同士の隙間等を覆う構成としたから、掃除の際等、シール部材がファンシュラウドとともに簡単に外せ、熱交換器の脱着が容易で作業性に優れ、装置の維持管理に貢献し、またシール部材の耐久性が向上する等、経済性にも優れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る熱交換装置のシール構造を示す図である。
【図2】実施の形態に係る熱交換装置を示す図である。
【図3】実施の形態に係るシール構造の説明図である。
【図4】実施の形態に係るファンシュラウドの取付構造を示す図である。
【図5】実施の形態に係り、ブラケットとシール部材との関係を示す図である。
【図6】従来例に係る熱交換装置を示す図である。
【符号の説明】
3 本体部
4 熱交換器
7 枠体
14 フランジ部
30 ファンシュラウド
34 シール部材
36 ブラケット

Claims (4)

  1. 枠体内に、複数種類の熱交換器が所定の隙間間隔をおいて収納された本体部と、この本体部の後部側に取り付けられ、上記各熱交換器を通過した風を後方へガイドして排出するファンシュラウドとを有する熱交換装置において、
    上記ファンシュラウドの前端部に、上記熱交換器間の隙間の位置に対応させてシール部材を配置し、このファンシュラウドを上記本体部に取り付けることにより、上記シール部材が上記熱交換器間の隙間を覆うことを特徴とする熱交換装置のシール構造。
  2. 上記ファンシュラウドの前部にブラケットを設け、上記シール部材をこのブラケットの前面部に固定したことを特徴とする請求項1に記載の熱交換装置のシール構造。
  3. 上記ファンシュラウドの前端部に設けられたフランジ部に、シール部材を固定し、このファンシュラウドを上記本体部に取り付けることにより、このシール部材が上記熱交換器と上記枠体との間の隙間を覆うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換装置のシール構造。
  4. 上記シール部材にウレタン材を用いたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の熱交換装置のシール構造。
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