JP2004352597A - 連通多孔質層と緻密層を有するセラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連通多孔質層と緻密層を有するセラミックス焼結体の製造方法であって、セラミックス原料粉末と焼失性気孔形成剤を含む混合粉末層と、前記セラミックス原料粉末と同一または異なるセラミックス原料粉末からなるセラミックス原料粉末層とを、焼失性繊維材を介して積層し、該焼失性繊維材と前記焼失性気孔形成剤を接触させた状態で成形する工程、得られる成形体中の前記焼失性気孔形成剤および前記焼失性繊維材を焼失させる工程、更に前記セラミックス原料粉末を焼結させる工程、を含む様に操業する。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緻密なセラミックス基材の表面に多孔質層が形成されたセラミックス焼結体の製造方法に関するものであり、より詳細には、多孔質層内の気孔同士が連通している焼結体を製造する方法に関するものである。
【0002】
本発明の製造方法で得られたセラミックス焼結体は、特に、人工骨や人工関節、人工歯根などの生体親和性を有する生体材料部材として好適に用いることができる。
【0003】
【従来の技術】
生体工学の発展に伴って整形外科や歯科治療の分野では、骨組織内にインプラント部材を埋設する治療が普及しており、インプラント部材の素材としては、骨組織との親和性が良く、しかも毒性が無いという理由で、セラミックスが汎用されている。
【0004】
こうしたインプラント部材には、骨組織の成長に適した多孔質構造を有すると共に、高強度が求められていることから、インプラント部材の構成を、緻密なセラミックス基材の表面に、多孔質のセラミックス層を積層した2層構造とすることにより、上記多孔質構造と強度を両立させることが試みられている。インプラント部材として、多孔質のセラミックス層が積層されていない緻密質のセラミックス基材を単独で使用すると、生体内での骨組織の成長と生体親和性が不充分となり、一方、多孔質のセラミックスのみからなる基材では強度不足になるためである。
【0005】
多孔質層と緻密層を有するセラミックス焼結体を製造する方法としては、種々の方法が提案されている。例えば特許文献1には、セラミックス焼結体からなる芯部分の表面を、発泡剤等を含むセラミックス用材料で覆った後、全体を焼結させる方法が提案されている。また特許文献2には、攪拌起泡により形成された連球状開気孔を有する多孔質焼結セラミックス基材の表面に、セラミックス原料スラリーを塗布し、この塗布層を粒子結合形態が多孔質体未熟焼結状態となる様に焼結させる方法が提案されている。しかし、焼結したセラミックスを基材として用い、この基材表面にセラミックス原料スラリーを塗布してから焼結すると上記方法では、基材と塗布層の親和性が悪いため、塗布層が剥離し易く、セラミックス基材と多孔質層を強固に一体化することができない。
【0006】
一方、特許文献3には、セラミックス原料粉末とそのセラミックスの焼成過程で焼失し得る焼失性材料を混合し、これを成形してから加熱焼成するセラミックス製骨内インプラント部材の製法が提案されている。しかし、この方法で得られるインプラント部材は、全体が多孔質となるので強度不足となる。
【0007】
ところで、インプラント部材の表面には多孔質層が設けられており、最表面には開口が存在する。この開口部から多孔質層の内部へ骨が成長することでアンカー効果を奏し、生体との密着性が向上する。従って、多孔質層内の気孔同士が連通していれば、該連通部にも骨が成長して、ブリッジ効果を奏し、生体との密着性はさらに高くなると考えられる。しかし、前掲の文献に記載されている方法では、多孔質層内部の気孔の殆どは夫々独立したものとなり易く、気孔同士が連通したものは得られ難い。
【0008】
【特許文献1】
特開昭62−14846号公報([特許請求の範囲]等参照)
【特許文献2】
特開2002−121086号公報([特許請求の範囲]等参照)
【特許文献3】
特開昭51−116809号公報([特許請求の範囲]等参照)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、緻密なセラミックス基材の表面に多孔質層が形成された2層構造のセラミックス焼結体であって、多孔質層とセラミックス基材の密着性が良好で、高強度化を達成でき、しかも多孔質層とセラミックス基材の界面近傍に存在する気孔同士が連通しており、生体親和性の卓越したセラミックス焼結体を確実に製造できる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る連通多孔質層と緻密層を有するセラミックス焼結体の製法方法とは、連通多孔質層と緻密層を有するセラミックス焼結体の製造方法であって、セラミックス原料粉末と焼失性気孔形成剤を含む混合粉末層と、前記セラミックス原料粉末と同一または異なるセラミックス原料粉末からなるセラミックス原料粉末層とを、焼失性繊維材を介して積層し、該焼失性繊維材と前記焼失性気孔形成剤を接触させた状態で成形する工程、得られる成形体中の前記焼失性気孔形成剤および前記焼失性繊維材を焼失させる工程、更に前記セラミックス原料粉末を焼結させる工程、を含む点に要旨を有する。前記混合粉末層には、さらに焼失性短繊維が含まれ、該焼失性短繊維と前記焼失性気孔形成剤が接触しているものが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、様々な角度から検討してきた。その結果、セラミックス焼結体を製造する際に、混合粉末層とセラミックス原料粉末層とを焼失性繊維材を介して積層しておき、該焼失性繊維材と前記焼失性気孔形成剤を接触させた状態で焼結してやれば、多孔質層内の気孔同士を確実に連通させることができ、上記課題が見事に解決されることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明に係るセラミックス焼結体の製造方法では、下記(1)〜(3)の工程を含むことが重要である。
(1)セラミックス原料粉末と焼失性気孔形成剤を含む混合粉末層と、前記セラミックス原料粉末と同一または異なるセラミックス原料粉末からなるセラミックス原料粉末層とを、焼失性繊維材を介して積層し、該焼失性繊維材と前記焼失性気孔形成剤を接触させた状態で成形する工程、
(2)得られる成形体中の前記焼失性気孔形成剤および前記焼失性繊維材を焼失させる工程、
(3)更に前記セラミックス原料粉末を焼結させる工程。
【0013】
以下、各工程に沿って詳細に説明する。
【0014】
まず、上記(1)の工程を実施するに当たっては、前記混合粉末層と前記セラミックス原料粉末層とを、焼失性繊維材を介して積層する手順は特に限定されないが、例えば、図1に示す手順で積層すれば良い。
【0015】
図1は、混合粉末層、焼失性繊維材およびセラミックス原料粉末層を積層する際の手順の一例を示しており、(a)と(b)の2通りの手順を示している。図中、1はセラミックス原料粉末、1aはセラミックス原料粉末層、2は焼失性気孔形成剤、3は混合粉末層、4は焼失性繊維材、5は連通多孔質層、6は緻密なセラミックス層(緻密層)、7はセラミックス焼結体、8は気孔、9は連通部、を夫々示している。
【0016】
図1(a)の手順では、まず(a−1)セラミックス原料粉末1と焼失性気孔形成剤2を混合した混合粉末層3を形成し、次いで(a−2)この表面に焼失性繊維材4を被覆した後、(a−3)セラミックス原料粉末からなるセラミックス原料粉末層1aを積層する。
【0017】
一方、図1(b)の手順では、まず(b−1)セラミックス原料粉末からなるセラミックス原料粉末層1aを形成し、次いで(b−2)この表面に焼失性繊維材4を被覆した後、(b−3)セラミックス原料粉末1と焼失性気孔形成剤2を混合した混合粉末層3を積層している。
【0018】
そして、こうして得られた積層体を、焼失性繊維材と焼失性気孔形成剤を接触させた状態で任意の形状に成形(図示しない)した後、後述する如く焼失性繊維材と焼失性気孔形成剤を焼失させてから焼結すると、図1の(a−4)や(b−4)に示す如く連通多孔質層5と緻密層6を有するセラミックス焼結体7を製造できる。すなわち、混合粉末層3とセラミックス原料粉末層1aとを、焼失性繊維材4を介して積層すると、混合粉末層3に含まれる焼失性気孔形成剤2と焼失性繊維材4が接触する。こうした接触状態で積層体を所望の形状に成形した後、この成形体を加熱すると、混合粉末層3内に分散している焼失性気孔形成剤2が焼失して気孔8が形成されると共に、焼失性気孔形成剤2と接触している焼失性繊維材4も焼失して、気孔8同士を接続する連通部9が形成される。その結果、混合粉末層3は、気孔8同士が連通部9によって接続された連通多孔質層5となる。
【0019】
ここで、前記混合粉末層と前記セラミックス原料粉末層の間に焼失性繊維材を介在させたものを加熱して焼結すると、得られる多孔質層と緻密層との密着性が若干悪くなり、多孔質層が緻密層から剥離することがある。そこで、前記図1の(a)に示した手順では、まずセラミックス原料粉末層(図示しない)を設けておき、この上に(a−1)に示した混合粉末層3を設け、一方、(b)に示した手順では、(b−3)に示した混合粉末層3の上にさらにセラミックス原料粉末層(図示しない)を設けてやれば、混合粉末層がセラミックス原料粉末層に挟まれた状態となるので、成形時における混合粉末層の膨張や凝集が抑えられ、その結果、多孔質層の剥離を抑制できる。そして、焼結後に混合粉末層(多孔質層)の表面に形成したセラミックス原料粉末層(緻密層)を機械研磨することにより、表面に開口を有する連通多孔質層と緻密層を有するセラミックス焼結体を得ることができる。
【0020】
なお、図1では、セラミックス原料粉末層の表面に、混合粉末層を1層のみ設けた例を示したが、混合粉末層は2層以上設けても構わない。この場合、各混合粉末層の間に焼失性繊維材を設けてやれば、より多くの気孔同士を連通させることができる。
【0021】
前記セラミックス原料粉末としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、アパタイト、リン酸カルシウム、バイオガラス、結晶化ガラス、などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0022】
特に、前記ジルコニアとしては、CeO2やY2O3を安定化剤として含む正方晶ZrO2粉末を用いると、得られるセラミックス焼結体は高強度のものとなるので好適に用いることができる。
【0023】
CeO2を含むZrO2粉末(「Ce−TZP」と称する場合がある)は、相変態を起こすしきい値が低く、比較的低応力で相変態が誘起されるため、高い破壊靭性を示すセラミックス層となる。一方、Y2O3を含むZrO2粉末(「Y−TZP」と称する場合がある)は、応力場において亀裂先端で準安定相である正方晶から単斜晶への相変態を起こして破壊エネルギーが緩和されるため、セラミックス層は高強度のものとなる。
【0024】
Ce−TZPとしては、CeO2を8〜15mol%含むZrO2粉末が好ましく、Y−TZPとしては、Y2O3を2〜5mol%含むZrO2粉末が好ましい。
【0025】
Ce−TZPとY−TZPは、夫々単独で用いることができるが、併用することが推奨される。Ce−TZPは主に靭性と相変態抑制に、Y−TZPは主に強度に寄与するので、これらを併用することによって一層高強度で高靭性のセラミックス層となるからである。なお、これらを併用する場合のCe−TZPとY−TZPの体積比は、9:1〜6:4とすることが好ましく、より好ましくは8:2〜7:3とすることが推奨される。
【0026】
前記ジルコニアに対しては、さらにAl2O3を添加することが有効であり、ZrO2粉末と複合化することで一段と高強度化に寄与する。そのためには、ZrO2粉末中にAl2O3を均一分散させることが望ましい。Al2O3の配合割合は特に制限されないが、多過ぎるとジルコニア粉末内で均一分散し難くなるので、ZrO2粉末に対して20体積%以下に抑えるのが良い。
【0027】
また、前記ジルコニアに対しては、前記Al2O3のほか、あるいはこれに加えてMgOもしくはCaOを添加することによりセラミックス焼結体の高靭性化を達成できる。MgOやCaOは焼結助剤として作用して密度を上昇させて靭性を向上させる。こうした効果を有効に発揮させるためには、微量のMgOやCaOを均一に分散させる必要があり、配合割合はZrO2粉末に対して3.0体積%以下に抑えるのが良い。なお、添加形態は純度が2N以上であればMgOやCaOに限定されず、MgCO3やMg(OH)2、CaCO3、Ca(OH)2などでもよい。
【0028】
なお、混合粉末層とセラミックス原料粉末層に用いられるセラミックス原料粉末は、同一であっても異種のものであってもかまわない。
【0029】
また、セラミックス原料粉末は、粉末そのものを指す1次粒子として用いることができるが、任意の形状の成形体として実用化する場合を想定すると、スプレードライヤー等により造粒・乾燥されたバインダーを含む2次粒子を用いることが好ましい。
【0030】
前記焼失性気孔形成剤の素材としては、焼結温度以下の温度で焼失する可燃性材料であれば特に限定されないが、800℃以下で焼失する可燃性材料を用いることが望ましい。一般的なセラミックスの焼結温度は1300〜1600℃程度であるので、焼失性気孔形成剤の素材として焼失温度が800℃以下のものを使用すれば、焼結後のセラミックス焼結体内に焼失性気孔形成剤が残存することがないからである。焼結温度が500℃以下の素材を用いることがより好ましい。
【0031】
焼失性気孔形成剤の素材の具体例としては、ナイロン、ポリビニールアルコール、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレンなどの熱可塑性高分子や、パラフィンなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0032】
焼失性気孔形成剤の形状は特に制限されず、長軸と短軸の比が3未満程度の偏平形状のものや、ペレット状、球状のものを好適に用いることができる。
【0033】
焼失性気孔形成剤の大きさは、多孔質層内に形成される気孔の大きさを考慮して任意に選択すればよいが、形状が球状のものであれば粒径が0.1〜2mm程度のものを用いれば良い。
【0034】
なお、焼失性気孔形成剤は、単一素材の場合、2種以上の素材を併用する場合のいずれにおいても粒径の異なるものを複数組み合わせて用いてもよい。粒径の異なる焼失性気孔形成剤を用いることによって、相対的に大きな焼失性気孔形成剤の間に、相対的に小さな焼失性気孔形成剤が入り込んで相対的に大きな焼失性気孔形成剤同士を連通し、気孔が連通したセラミックス焼結体が得られ易くなるからである。
【0035】
混合粉末層における前記セラミックス原料粉末と焼失性気孔形成剤の割合は特に限定されないが、焼失性気孔形成剤の混合量が多くなり過ぎると、多孔質層の気孔率が高くなり過ぎて強度が低下するので、混合割合(セラミックス原料粉末:焼失性気孔形成剤)は体積比で8:2〜4:6程度とすることが好ましい。
【0036】
前記焼失性繊維材の素材としては、上記焼失性気孔形成剤の素材と同じものを用いることができ、上記に例示したものの他に不織布も用いることができる。即ち、焼結温度以下の温度で焼失する可燃性材料であれば特に限定されない。好ましくは800℃以下、より好ましくは500℃以下で焼失する可燃性材料を用いることが望ましい。なお、前記焼失性繊維材と前記焼失性気孔形成剤は同じ素材であっても良いし、異なる素材であっても構わない。
【0037】
焼失性繊維材としては、長軸と短軸の比が3以上の繊維状のものや、繊維が絡み合って形成された網状のものを用いることが望ましい。即ち、前記混合粉末層とセラミックス原料粉末層の間に繊維状または網状の焼失性繊維材を介在させることで、混合粉末層内に含まれる焼失性気孔形成剤同士が焼失性繊維材によって架橋され、この状態を保持したまま焼失性材料を加熱焼失させることで気孔同士の連通が実現できるからである。
【0038】
繊維状の焼失性繊維材の形状としては、長軸と短軸の比が3以上のものを用いれば良いが、繊維径が大き過ぎると、気孔同士を連通する連通部が粗大となって多孔質層と緻密層との界面強度が低下し、一方、繊維径が小さ過ぎると、焼結時に連通部が消失して気孔同士を連通できなくなる。こうした観点から繊維径は0.01〜0.3mm程度とすることが好ましい。
【0039】
本発明の製法では、焼失性繊維材として繊維状の焼失性繊維材が絡み合った網状のものを用いることがより好ましい。焼失性繊維材が予め網状に形成されていると、取り扱い性や積層作業性が向上するからである。
【0040】
網目の大きさは、前記焼失性気孔形成剤の大きさを考慮して調整することが好ましい。すなわち、混合粉末層とセラミックス原料粉末層とを、焼失性繊維材を介して積層したときに、焼失性気孔形成剤の直径よりも網目が小さ過ぎる焼失性繊維材を用いると原料粉末同士の接触面積が少なくなり、界面の強度が低下するからである。好ましくは網目が0.2mm四方以上の焼失性繊維材を用いればよい。但し、焼失性気孔形成剤の直径よりも網目が大き過ぎると、焼失性気孔形成剤と焼失性繊維材とが接触し難くなり、所望の連通部が形成され難くなるので、網目の大きさの上限は前記焼失性気孔形成剤のサイズや形成する連通部の形態を考慮して定めれば良い。
【0041】
網状の形状は特に限定されず、例えば、繊維が交差している箇所に膨らみを持たせたものや、網を構成している繊維の一部に膨らみを持たせたものであっても用いることができる。こうした膨らみが焼失することで、上記焼失性気孔形成剤と同様の効果を奏する。即ち、膨らみを有する形状のものは、上記焼失性気孔形成剤と焼失性繊維材の機能を兼ねることができる。
【0042】
混合粉末層とセラミックス原料粉末層の間に、繊維状の焼失性繊維材を介在させる場合は、混合粉末層3やセラミックス原料粉末層1aの表面に、繊維状の焼失性繊維材が均一に分布する様に振りまいて分散させれば良い。一方、網状の焼失性繊維材を介在させる場合は、混合粉末層3やセラミックス原料粉末層1aの表面を網状の焼失性繊維材で覆えば良い。この様に介在させた状態を前記図1の(a−2)や(b−2)に示す。
【0043】
本発明の製法では、前記混合粉末層の中に、さらに焼失性短繊維を混合することが好ましい。セラミックス原料粉末と焼失性気孔形成剤に加えて焼失性短繊維を混合することで、前記焼失性気孔形成剤同士が焼失性短繊維を介して連通するからである。焼失性短繊維の素材の種類や形状は、前記繊維状の焼失性繊維材と同じものを用いることができる。
【0044】
混合粉末層の中には、前記網状の焼失性繊維材を混合してもよい。混合粉末層の中に網状の焼失性繊維材を混入しておけば、網目に接触する焼失性気孔形成剤同士が連通するからである。この場合、網状の焼失性繊維材の形状は、前記焼失性気孔形成剤の直径よりも網目が大きいものを用いる必要がある。
【0045】
次に、得られた積層体を成形する。
【0046】
成形方法は特に限定されず、プレス成形やCIP成形を採用できる。成形圧は19.6〜196MPa(200〜2000kg/cm2)程度とすることが好ましい。必要に応じて、得られた成形体に加工を施しても良いが、加工工程を簡略化するには、最終製品の形状に近い形状の型を用いることが好ましい。
【0047】
この様にして得た成形体は、前記(2)の工程で上記焼失性気孔形成剤と焼失性繊維材(以下、これらをまとめて「焼失性材料」と称する場合がある)が焼失する温度以上に加熱して焼失性材料を焼失させる。即ち、本発明の製法では、上記焼失性材料を含む成形体を、そのまま一気に焼結まで加熱して焼結するのではなく、焼結温度未満の温度域で焼失性材料を予め焼失させてから焼結することが重要である。焼失性材料を含む成形体を急激に加熱して焼結すると、焼失性材料のガス化が過多となり、成形体が膨張し過ぎるためである。また、焼失性材料が焼失する際に生じるガス成分が成形体外へ抜け切れず、成形体内部に残留することも懸念されるからである。
【0048】
焼失性材料を焼失させる際の温度は、該材料が完全に焼失する程度であれば特に限定されないが、焼結温度よりも低くする必要がある。従って、焼失性材料を焼失させる際の温度は焼失性材料の種類によって変わるが、おおよそ200〜800℃程度の温度域に加熱し、この温度域で所定時間保持すれば良い。加熱温度が200℃未満では焼失性材料が完全に焼失しない場合があり、一方、800℃を超えると焼結温度に近くなって焼結による収縮が始まるので、気孔が形成され難くなる。
【0049】
なお、上記焼失性材料は、焼失温度を超える温度に加熱してやれば焼失するが、セラミックス原料粉末の脱脂を兼ねて実施するには、上記温度域に少なくとも1時間程度保持することが好ましく、2〜4時間程度保持することがより好ましい。
【0050】
得られた成形体を加熱する際には、上記温度域まで緩やかに加熱することが好ましい。加熱速度を抑えて緩やかに加熱すると、焼失性材料が徐々に燃焼して焼失するため、急激な膨張を避けることができるからである。具体的には、室温から上記温度域までの加熱速度を100℃/時間以下とすることが好ましく、より好ましくは60℃/時間以下とすることが望ましい。但し、加熱速度が極端に小さ過ぎる場合は、生産性が低下するので適切な速度とする。
【0051】
焼失性材料を焼失せしめた成形体は、前記(3)の工程でセラミックス原料粉末の加熱・焼結が行われる。
【0052】
焼結時の条件は特に限定されず、用いた原料粉末に適した焼結温度や焼結雰囲気等の条件を採用して行えば良い。例えば、焼結温度に関しては、おおよそ1300〜1600℃程度とすれば良い。また、焼結後にカプセルフリーで熱間静水圧プレス処理(HIP)を施すことが好ましく、基材が一層緻密なものとなり、焼結体全体の強度が向上する。加圧条件としては、例えば49〜196MPa程度で行なうことが好ましい。
【0053】
ところで、上記(2)の焼失工程と(3)の焼結工程は、連続して行なっても良いが、バッチ式で行っても構わない。すなわち、焼失性材料が焼失する温度域まで加熱し、この温度域で所定時間保持した後、引き続き焼結温度まで加熱して焼結しても良いし、焼失性材料を焼失させた後、一旦冷却し、次いで再度加熱して焼結しても構わない。
【0054】
焼結後に得られるセラミックス焼結体について、多孔質層の厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜定めれば良いが、0.1〜5mm程度とすることが好ましい。多孔質層が0.1mmよりも薄肉ではその効果が発揮され難く、一方、5mmより厚すぎると焼結体全体として強度不足になる恐れがある。
【0055】
また、多孔質層の気孔率は、高くなるほど骨が侵入し易くなるので好ましいが、焼結体の断面を顕微鏡で観察したときに気孔部(開口部)の面積率が75%を超えると、焼結体としての強度が低下するので、気孔率は75%以下となる様に制御することが好ましい。一方、気孔率が低すぎると生体親和性不足となり、骨との接合力低下の原因となる。この様な観点から気孔率は25%以上とすることが好ましい。
【0056】
多孔質層内に存在する気孔の気孔径は、大きい方が骨は侵入し易くなるので好ましいが、大きくなり過ぎると焼結体としての強度が低下する。この様な観点から、気孔径は200〜1500μm程度のものが主体となる様に制御することが好ましい。主体とは、焼結体断面を観察したときに認められる気孔数のうち50%以上のものが上記範囲内であることを意味している。なお、気孔径が上記範囲から外れるものが存在していても勿論構わない。
【0057】
気孔同士を連通している経路径(トンネル径)が大きすぎると、多孔質層と緻密層の界面に応力が集中して多孔質層が緻密層から剥離する恐れがあるが、小さ過ぎると、骨が侵入し難くなり、気孔同士を連通させることによる効果が得られ難くなる。この様な観点から、平均経路径は10〜300μm程度となるように制御することが好ましい。より好ましい下限は30μm程度、上限は100μm程度である。
【0058】
なお、上記多孔質層の気孔率や気孔径は、前記セラミックス原料粉末と混合する焼失性気孔形成剤の形態や量等を調整することにより制御できる。また、上記経路径は、焼失性繊維材の形態等を調整することにより制御可能である。
【0059】
本発明の製法で得られたセラミックス焼結体は、多孔質層の内部に存在する気孔同士が連通しており、この連通部分にも骨が侵入して密着強度を高めることができるので、生体親和性を有する生体材料部材として好適に用いることができる。生体材料部材としては、例えば、人工骨や人工関節、人工歯根などが例示される。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0061】
実施例1
セラミックス原料粉末として、CeO2を10mol%含むZrO2粉末80体積%とY2O3を3mol%含むZrO2粉末20体積%を混合した混合ZrO2粉末90体積%に対して、Al2O3を10体積%混合したものを用いた。
【0062】
焼失性気孔形成剤としては、アクリルビーズ(平均粒径:1mm)を用いた。
【0063】
前記セラミックス原料粉末と前記アクリルビーズを、体積比で、6:4の比率で混合し、これをV型混合機にて1時間乾式混合して混合粉末を得た。
【0064】
得られた混合粉末を1軸プレス装置の型内に投入し、混合粉末層を形成した。
【0065】
次いで、該混合粉末層の表面を、焼失性繊維材としてポリエチレン製の網(繊維径:200μm,網目の大きさ:1mm四方)で覆い、この上に、上記セラミックス原料粉末からなるセラミックス原料粉末層を積層した。得られた積層体を、49MPa(500kg/cm2)でプレス成形し、さらに1.5t/cm2で冷間静水圧プレスして成形した。
【0066】
得られた成形体を大気中で、加熱速度60℃/時間で室温から500℃まで加熱し、この温度で3時間保持した後、室温まで冷却した。
【0067】
冷却後の成形体を大気中で1450℃まで加熱し、この温度で2時間保持して焼結した。
【0068】
焼結して得られたセラミックス焼結体を切断し、断面を平面研磨機で研削した後、表面を3μmのダイヤモンド砥粒で鏡面仕上げした。
【0069】
鏡面仕上げした表面を、実態顕微鏡にニコンインステック社製の顕微鏡用デジタルカメラを装着して観察したところ、緻密層と多孔質層が認められ、多孔質層の厚みはおよそ1mmであり、この層の気孔の平均気孔径は800μmであった。また、緻密層と多孔質層の界面近傍に存在する気孔同士は、互いに連通していた。
【0070】
実施例2
上記実施例1において、焼失性気孔形成剤として、平均粒径が1mmのアクリルビーズと平均粒径が300μmのアクリルビーズを、体積比で、9:1の比率で混合したものを用いた以外は、上記実施例1と同じ条件でセラミックス焼結体を作製した。
【0071】
焼結して得られたセラミックス焼結体の断面を上記実施例1と同様に顕微鏡で観察した。その結果、緻密層と多孔質層が認められ、多孔質層の厚みはおよそ1mmで、この多孔質層に観察された気孔は気孔径が800μmのものが主体であった。そして、緻密層と多孔質層の界面近傍に存在する気孔同士は、互いに連通していた。
【0072】
比較例
上記実施例1において、混合粉末層の表面をポリエチレン製の網で覆うことなく、セラミックス原料粉末層を積層した以外は、上記実施例1と同じ条件でセラミックス焼結体を作製した。
【0073】
焼結して得られたセラミックス焼結体の断面を上記実施例1と同様に顕微鏡で観察したところ、緻密層と多孔質層が認められ、多孔質層の厚みはおよそ1mmであり、この層に観察された気孔の平均気孔径は800μmであった。しかし、緻密層と多孔質層の界面近傍に存在する気孔同士は、互いに連通していなかった。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、緻密なセラミックス基材の表面に多孔質層が設けられた2層構造のセラミックス焼結体であって、多孔質層とセラミックス基材の密着性が良好で、しかも高強度化を達成でき、さらに多孔質層とセラミックス基材の界面近傍に存在する気孔同士が連通しているセラミックス焼結体を確実に製造できる方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】混合粉末層、焼失性繊維材およびセラミックス原料粉末層を積層する際の手順の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 セラミックス原料粉末
1a セラミックス原料粉末層
2 焼失性気孔形成剤
3 混合粉末層
4 焼失性繊維材
5 連通多孔質層
6 緻密なセラミックス層(緻密層)
7 セラミックス焼結体
8 気孔
9 連通部
Claims (2)
- 連通多孔質層と緻密層を有するセラミックス焼結体の製造方法であって、
セラミックス原料粉末と焼失性気孔形成剤を含む混合粉末層と、前記セラミックス原料粉末と同一または異なるセラミックス原料粉末からなるセラミックス原料粉末層とを、焼失性繊維材を介して積層し、該焼失性繊維材と前記焼失性気孔形成剤を接触させた状態で成形する工程、
得られる成形体中の前記焼失性気孔形成剤および前記焼失性繊維材を焼失させる工程、
更に前記セラミックス原料粉末を焼結させる工程、
を含むことを特徴とする連通多孔層と緻密層を有するセラミックス焼結体の製造方法。 - 前記混合粉末層には、さらに焼失性短繊維が含まれ、該焼失性短繊維と前記焼失性気孔形成剤が接触している請求項1に記載の製造方法。
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