JP2004352276A - 易開封性熱収縮包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に開封することが可能な熱収縮包装体を提供する。
【解決手段】熱収縮包装体は、熱収縮性フィルム12で被包装物11を被包した後に該フィルムを熱収縮させて得られる包装体において、該フィルムの少なくとも1箇所において、開封手段として機能する開封用切れ込み13が形成されており、該開封用切れ込み13の軸が包装体の軸に対して傾斜するように開封用切れ込み13が形成されていることをことを特徴とする。更に、かかる開封用切れ込みを形成する装置であって、熱収縮性フィルム12を挟んで対向して配置された開封用切れ込み形成刃と開封用切れ込み形成刃受け部材とから構成され、開封用切れ込み形成刃が、水平方向に移動可能であって、かつ水平方向に回転可能であることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】熱収縮包装体は、熱収縮性フィルム12で被包装物11を被包した後に該フィルムを熱収縮させて得られる包装体において、該フィルムの少なくとも1箇所において、開封手段として機能する開封用切れ込み13が形成されており、該開封用切れ込み13の軸が包装体の軸に対して傾斜するように開封用切れ込み13が形成されていることをことを特徴とする。更に、かかる開封用切れ込みを形成する装置であって、熱収縮性フィルム12を挟んで対向して配置された開封用切れ込み形成刃と開封用切れ込み形成刃受け部材とから構成され、開封用切れ込み形成刃が、水平方向に移動可能であって、かつ水平方向に回転可能であることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、容易に開封することが可能な熱収縮包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、袋状又は半折状等につくった熱収縮性合成樹脂製フィルムの中に被包装物を入れ、フィルムの縁部を溶断シールした後にフィルムを加熱収縮させることによってタイトな包装を行う熱収縮包装が一般に行われている。かかる熱収縮包装は、被包装物、即ち商品を美しく鮮明に見せ商品価値を高めることや、複雑な形状の商品でも簡単に包装することができることなどといった利点のために盛んに用いられている。
【0003】
しかしながら、この所謂熱収縮包装には開封しづらいという欠点がある。かかる欠点を克服するために種々の方法が考えられてきた。熱収縮フィルムによる包装体の開封を容易にするために考案された従来の方法としては、フィルムの所定の箇所にU字型の穴を開けてこの上から紙シールを貼ることによって開封用のシールラベルを形成するという方法、開封用の糸状部材を包装体に接着する方法、包装体に開封用のミシン目状の切れ込みを入れる方法などがある(特許文献1、2)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−330569号公報
【特許文献2】特公平5−75618号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の熱収縮包装体の開封手段は、被包装物の軸に対して平行又は垂直の方向にフィルムを引き裂くというものであり、これでは包装を容易に開封するという課題を完全には達成できない場合があった。例えば、被包装物が直方体の箱状のものである場合、従来の開封手段は、該直方体の一辺(即ち被包装物の軸)に対して平行にフィルムを引き裂くように形成されていた。一つの実例として図1に、直方体の被包装物を被包する熱収縮包装体1において、開封用の糸状部材2が配されている従来公知の例を示す。図1に示すように、従来においては、このような開封用の糸状部材2は、被包装物1の一辺に対して平行に配されていた。このような糸状部材2による開封手段は、これを引張ることによってフィルムを引き裂いて包装体を開封するが、糸状部材に沿って周状にフィルムが引き裂かれるだけで、引裂作業が完了した後もフィルムが被包装物を被包している部分が残ってしまう。これは、糸状部材2による開封手段に代えて、開封用のミシン目をフィルムに形成したり、開封用ラベルをフィルムに貼付する場合でも同様であり、従来は、被包装物の一辺に対して平行にフィルムを引き裂くように開封手段を形成していたために、同様の問題が発生していた。これでは、フィルムを引裂することによる開封作業の後にも、残ったフィルム部分を被包装物から取り外すという作業が必要であり、煩雑であった。また、被包装物が壊れやすい商品の場合には、この作業の間に被包装物が破損してしまうという恐れもあった。
【0006】
本発明は、かかる従来の熱収縮包装体における課題を解決して、開封手段による操作によって包装フィルムを被包装物から完全に取り外すことのできる熱収縮包装体を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するための手段として、本発明は、熱収縮性フィルムで被包装物を被包した後に該フィルムを熱収縮させて得られる包装体において、該フィルムの少なくとも1箇所において、開封手段として機能する開封用切れ込みが形成されており、該開封用切れ込みの軸が包装体の軸に対して傾斜するように開封用切れ込みが形成されていることをことを特徴とする熱収縮包装体を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる熱収縮包装体の具体例を図2に示す。図2は、略直方体の被包装物1を、熱収縮性フィルム12で被包した本発明にかかる熱収縮包装体を示す。図2に示す熱収縮包装体は、熱収縮性フィルム12の1箇所において、開封手段として機能する開封用切れ込み13が形成されている。該開封手段は、略U字型の形状のミシン目によって形成されており、該略U字型の開封用切れ込みの軸が包装体の軸(即ち、図2に示す場合は略直方体の被包装物11の一辺)に対して傾斜するように開封用切れ込みが形成されている。また、図2に示す形態では、開封用切れ込み13は、被包装物の端部(この場合には角部)に形成されている。
【0009】
かかる包装体を開封する際には、略U字型の開封用切れ込み13の先端部を引張ってフィルムを引裂する。すると、フィルムは、被包装物の軸に傾斜する方向に引裂され、引裂部が螺旋状に被包装物を周回して、被包装物の表面全体に亘ってフィルムが引裂される(図3にフィルムを引裂して包装を開封する作業状態を示す)。したがって、開封用切れ込み13の先端部を引張ってフィルムを引裂するという作業のみで、包装フィルムの全体を引裂して包装体を開封することができる。
【0010】
本発明において、開封用切れ込みとしては、ミシン目による切れ込みを形成することが好ましく、その形状としては、略U字型、略V字型、略コの字型などが好ましい。また、略U字型で多角形形状を呈する形状であってもよい。更に、これらの形状の切れ込みの先端部のみを、ミシン目状ではなく連続的な切れ込みとして、フィルムを引裂する際に先端部を掴み易くすることもできる。
【0011】
なお、「開封用切れ込みの軸が包装体の軸に対して傾斜する」とは、開封用切れ込みの軸(フィルムを引裂する方向)が、包装体即ち被包装物の軸に対して平行〜垂直の間の中間の角度を有していることを意味する。例えば、図4に示すように、被包装物21が略円筒形の商品の場合、開封用切れ込み23の軸25は、円筒形の軸24に対して90°よりも小さな角度θを有する。従来の開封手段は、円筒形の底面に対して水平に、即ち軸24に対して垂直にフィルムを引裂するように形成されていたので、図1に関して上記に説明した場合と同様に、引裂作業が完了した後もフィルムが被包装物を被包している部分が残ってしまう。これに対して、本発明にかかる開封手段によれば、引裂部が円筒形の周に沿って螺旋状に周回して、包装全体が単純な引裂作業によって全て除去される。
【0012】
また、包装フィルム全体を引裂する必要性から、図2及び図4に示すように、開封用切れ込みは包装体の端部に形成することが好ましい。引裂手段の軸の、包装体の軸に対する傾斜角度は、包装体の形状によって、フィルムの引裂のみで包装全体が除去されるような角度を、経験や予備実験等によって適宜決定することができる。
【0013】
本発明にかかる熱収縮包装体において、包装用の熱収縮性フィルムとしては、当該技術において通常用いられている熱収縮性を有する任意の材質のもの、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィルムなどを用いることができる。
【0014】
次に、本発明にかかる熱収縮包装体を形成することのできる熱収縮包装装置の具体例について、図5〜図8を参照して説明する。
【0015】
図5〜図7は、熱収縮性半折フィルムを用いた一般的な熱収縮包装機に、本発明にしたがって、包装体の軸に対して傾斜する軸を有する開封用切れ込みをフィルムに形成する手段を組み込んだ装置を示す。図5は熱収縮包装機の正面図、図6は図5の装置を上から見た図、図7は開封用切れ込み形成手段の拡大図である。図5に示す熱収縮包装機においては、ロール状に巻かれた熱収縮性の半折(二つ折り)フィルム33が、ロール31から引き出されて、ガイドロール32によって誘導されて、フレーム(作業台)34上で、上フォーマー35及び下フォーマー36によってフィルムの二つ折りの部分が広げられて、片側が開口された状態にされる。そして、供給コンベヤ37によって、開口側より、広げられた半折りフィルムの内側に被包装物(商品)38が挿入される。次に、被包装物38は、ピストン39によって排出コンベヤ40上に移送され、ここでフィルムを介してL字型の熱溶断シーラー41をシーラー受け10に押し付けることにより、フィルムの端部が熱溶断シールされる。これによって、熱収縮性フィルムによって被包され、フィルムの縁部が溶断された包装体43が形成される。包装体43は、次に排出コンベヤ40及び加熱トンネルコンベヤ45によって、加熱トンネル45内に送られ、ここで熱風や加熱蒸気などによって加熱することによって熱収縮性フルムが収縮して、タイトな包装体43が形成される。
【0016】
図8に、加熱トンネル45内で熱収縮包装が行なわれる過程を示す。加熱トンネル45内に供給される包装体43は、被包装物38が熱収縮性フィルム33によって被包され、縁部51が溶断シールされている。図8(a)はかかる包装体の正面図、図8(b)は包装体の上面図である。フィルム33の、被包装物の端部にあたる位置に、本発明による開封用切れ込み13が形成されている。加熱トンネル45内で熱収縮フィルムが加熱されることによって、フィルムが収縮して、被包装物38に密着し、図8(c)に示すようにタイトな包装体43が形成される。
【0017】
本発明において利用することのできる溶断シール方法としては、熱収縮包装において従来から使用されているヒートシール法、インパルスシール法などのほとんどすべての溶断シール法が採用できる。ここで、ヒートシール法とは、熱収縮性フィルムのシール部に、通常は枠の形をした加熱部材を押し当ててその部分を融着シール及び切断するという方法であり、またインパルスシール法とは、上記の加熱部材に代えて電気的インパルスにより融着シール/切断を行うというものである。
【0018】
図5〜7に示す装置は、上記に説明した熱収縮性半折りフィルムを使用する熱収縮包装機に、本発明にかかる包装体の軸に対して傾斜する軸を有する開封用切れ込みをフィルムに形成する手段を配したものである。かかる開封用切れ込み形成手段は、フィルムを挟んで対向して配置された開封用切れ込み形成刃受け51と、開封用切れ込み形成刃52とから構成される。図5〜7に示す形態においては、開封用切れ込み形成刃受け51は、フォーマーによって開かれた半折りフィルムの内側に配され、一方、開封用切れ込み形成刃52は、半折りフィルムの外側に配されている。開封用切れ込み形成刃52は、シリンダ53上に載置され、更にシリンダ53はシリンダフレーム54上に載置されている。図5〜7に示す態様では、開封用切れ込み形成刃52は、略U字型の形状を呈している。開封用切れ込みの形成にあたっては、シリンダ53によって開封用切れ込み形成刃52を、フィルム33を介して刃受け51に押し付けることで、切れ込み形成刃52と同じ形状の開封用切れ込みがフィルムに形成される。
【0019】
図7は、開封用切れ込みの位置決めと傾斜角度の調整を行なう手段の構成例を示す。図7に示すように、切れ込み形成刃52が取り付けられているシリンダ53は、シリンダフレーム54上で前後方向に移動自在に取り付けられており、また、シリンダフレーム54は位置調整手段55によって左右方向に移動自在となっている。したがって、これらの機構による前後方向の位置調整と左右方向の位置調整とを組合わせることにより、被包装物上の開封用切れ込みを形成する位置を自在に調整することが可能である。
【0020】
また、図7に示すように、開封用切れ込み形成刃52は、シリンダ53上で水平方向に回転可能に取り付けられている。したがって、開封用切れ込み形成刃52を回転させることで、被包装物の形状及び大きさに合わせて、開封用切れ込みの軸を、好適な方向に調整することができる。
【0021】
開封用切れ込み形成刃は、ミシン目を形成するための先端の鋭利な針状の部材であってよく、或いは熱によってフィルムを穿孔する加熱部材であってもよい。
【0022】
本発明は、上記に説明したような、熱収縮性フィルムを使用して熱収縮包装体を形成する熱収縮包装機において、その軸が包装体の軸に対して傾斜する開封用切れ込みをフィルムに形成するための手段にも関する。即ち、本発明の他の態様は、熱収縮性フィルムによって被包装物を被包して、フィルムの縁部を溶断シールした後、フィルムを熱収縮させて被包装物を包装する熱収縮装置において用いられる開封用切れ込み形成装置であって、フィルムの外側に配された開封用切れ込み形成刃と、フィルムの内側に配された開封用切れ込み形成刃受け部材とから構成され、開封用切れ込み形成刃が、水平方向に移動可能であって、かつ水平方向に回転可能であることを特徴とする装置に関する。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、上記に説明したように、密封性や美観性といった熱収縮包装特有の利点を保持しつつ、極めて簡単な作業で開封することのできる包装体を提供する。また、本発明にかかる開封用切れ込みを形成する手段は、従来一般的に用いられている熱収縮包装機の構成を大幅に変更することなく、該包装機に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の開封手段付き熱収縮包装体の概念を示す図である。
【図2】本発明に係る開封手段を有する熱収縮包装体の一態様を示す図である。
【図3】本発明に係る開封手段によって熱収縮包装体を開封する作業状態を示す図である。
【図4】本発明に係る開封手段を有する熱収縮包装体の他の態様を示す図である。
【図5】本発明にかかる開封手段をフィルムに形成する装置を配した半折りフィルムを用いた熱収縮包装機の概念を示す図である。
【図6】本発明にかかる開封手段をフィルムに形成する装置を配した半折りフィルムを用いた熱収縮包装機の概念を示す図である。
【図7】本発明にかかる開封手段をフィルムに形成する装置の拡大説明図である。
【図8】熱収縮処理によって熱収縮包装体が形成される過程を示す説明図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、容易に開封することが可能な熱収縮包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、袋状又は半折状等につくった熱収縮性合成樹脂製フィルムの中に被包装物を入れ、フィルムの縁部を溶断シールした後にフィルムを加熱収縮させることによってタイトな包装を行う熱収縮包装が一般に行われている。かかる熱収縮包装は、被包装物、即ち商品を美しく鮮明に見せ商品価値を高めることや、複雑な形状の商品でも簡単に包装することができることなどといった利点のために盛んに用いられている。
【0003】
しかしながら、この所謂熱収縮包装には開封しづらいという欠点がある。かかる欠点を克服するために種々の方法が考えられてきた。熱収縮フィルムによる包装体の開封を容易にするために考案された従来の方法としては、フィルムの所定の箇所にU字型の穴を開けてこの上から紙シールを貼ることによって開封用のシールラベルを形成するという方法、開封用の糸状部材を包装体に接着する方法、包装体に開封用のミシン目状の切れ込みを入れる方法などがある(特許文献1、2)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−330569号公報
【特許文献2】特公平5−75618号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の熱収縮包装体の開封手段は、被包装物の軸に対して平行又は垂直の方向にフィルムを引き裂くというものであり、これでは包装を容易に開封するという課題を完全には達成できない場合があった。例えば、被包装物が直方体の箱状のものである場合、従来の開封手段は、該直方体の一辺(即ち被包装物の軸)に対して平行にフィルムを引き裂くように形成されていた。一つの実例として図1に、直方体の被包装物を被包する熱収縮包装体1において、開封用の糸状部材2が配されている従来公知の例を示す。図1に示すように、従来においては、このような開封用の糸状部材2は、被包装物1の一辺に対して平行に配されていた。このような糸状部材2による開封手段は、これを引張ることによってフィルムを引き裂いて包装体を開封するが、糸状部材に沿って周状にフィルムが引き裂かれるだけで、引裂作業が完了した後もフィルムが被包装物を被包している部分が残ってしまう。これは、糸状部材2による開封手段に代えて、開封用のミシン目をフィルムに形成したり、開封用ラベルをフィルムに貼付する場合でも同様であり、従来は、被包装物の一辺に対して平行にフィルムを引き裂くように開封手段を形成していたために、同様の問題が発生していた。これでは、フィルムを引裂することによる開封作業の後にも、残ったフィルム部分を被包装物から取り外すという作業が必要であり、煩雑であった。また、被包装物が壊れやすい商品の場合には、この作業の間に被包装物が破損してしまうという恐れもあった。
【0006】
本発明は、かかる従来の熱収縮包装体における課題を解決して、開封手段による操作によって包装フィルムを被包装物から完全に取り外すことのできる熱収縮包装体を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するための手段として、本発明は、熱収縮性フィルムで被包装物を被包した後に該フィルムを熱収縮させて得られる包装体において、該フィルムの少なくとも1箇所において、開封手段として機能する開封用切れ込みが形成されており、該開封用切れ込みの軸が包装体の軸に対して傾斜するように開封用切れ込みが形成されていることをことを特徴とする熱収縮包装体を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる熱収縮包装体の具体例を図2に示す。図2は、略直方体の被包装物1を、熱収縮性フィルム12で被包した本発明にかかる熱収縮包装体を示す。図2に示す熱収縮包装体は、熱収縮性フィルム12の1箇所において、開封手段として機能する開封用切れ込み13が形成されている。該開封手段は、略U字型の形状のミシン目によって形成されており、該略U字型の開封用切れ込みの軸が包装体の軸(即ち、図2に示す場合は略直方体の被包装物11の一辺)に対して傾斜するように開封用切れ込みが形成されている。また、図2に示す形態では、開封用切れ込み13は、被包装物の端部(この場合には角部)に形成されている。
【0009】
かかる包装体を開封する際には、略U字型の開封用切れ込み13の先端部を引張ってフィルムを引裂する。すると、フィルムは、被包装物の軸に傾斜する方向に引裂され、引裂部が螺旋状に被包装物を周回して、被包装物の表面全体に亘ってフィルムが引裂される(図3にフィルムを引裂して包装を開封する作業状態を示す)。したがって、開封用切れ込み13の先端部を引張ってフィルムを引裂するという作業のみで、包装フィルムの全体を引裂して包装体を開封することができる。
【0010】
本発明において、開封用切れ込みとしては、ミシン目による切れ込みを形成することが好ましく、その形状としては、略U字型、略V字型、略コの字型などが好ましい。また、略U字型で多角形形状を呈する形状であってもよい。更に、これらの形状の切れ込みの先端部のみを、ミシン目状ではなく連続的な切れ込みとして、フィルムを引裂する際に先端部を掴み易くすることもできる。
【0011】
なお、「開封用切れ込みの軸が包装体の軸に対して傾斜する」とは、開封用切れ込みの軸(フィルムを引裂する方向)が、包装体即ち被包装物の軸に対して平行〜垂直の間の中間の角度を有していることを意味する。例えば、図4に示すように、被包装物21が略円筒形の商品の場合、開封用切れ込み23の軸25は、円筒形の軸24に対して90°よりも小さな角度θを有する。従来の開封手段は、円筒形の底面に対して水平に、即ち軸24に対して垂直にフィルムを引裂するように形成されていたので、図1に関して上記に説明した場合と同様に、引裂作業が完了した後もフィルムが被包装物を被包している部分が残ってしまう。これに対して、本発明にかかる開封手段によれば、引裂部が円筒形の周に沿って螺旋状に周回して、包装全体が単純な引裂作業によって全て除去される。
【0012】
また、包装フィルム全体を引裂する必要性から、図2及び図4に示すように、開封用切れ込みは包装体の端部に形成することが好ましい。引裂手段の軸の、包装体の軸に対する傾斜角度は、包装体の形状によって、フィルムの引裂のみで包装全体が除去されるような角度を、経験や予備実験等によって適宜決定することができる。
【0013】
本発明にかかる熱収縮包装体において、包装用の熱収縮性フィルムとしては、当該技術において通常用いられている熱収縮性を有する任意の材質のもの、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィルムなどを用いることができる。
【0014】
次に、本発明にかかる熱収縮包装体を形成することのできる熱収縮包装装置の具体例について、図5〜図8を参照して説明する。
【0015】
図5〜図7は、熱収縮性半折フィルムを用いた一般的な熱収縮包装機に、本発明にしたがって、包装体の軸に対して傾斜する軸を有する開封用切れ込みをフィルムに形成する手段を組み込んだ装置を示す。図5は熱収縮包装機の正面図、図6は図5の装置を上から見た図、図7は開封用切れ込み形成手段の拡大図である。図5に示す熱収縮包装機においては、ロール状に巻かれた熱収縮性の半折(二つ折り)フィルム33が、ロール31から引き出されて、ガイドロール32によって誘導されて、フレーム(作業台)34上で、上フォーマー35及び下フォーマー36によってフィルムの二つ折りの部分が広げられて、片側が開口された状態にされる。そして、供給コンベヤ37によって、開口側より、広げられた半折りフィルムの内側に被包装物(商品)38が挿入される。次に、被包装物38は、ピストン39によって排出コンベヤ40上に移送され、ここでフィルムを介してL字型の熱溶断シーラー41をシーラー受け10に押し付けることにより、フィルムの端部が熱溶断シールされる。これによって、熱収縮性フィルムによって被包され、フィルムの縁部が溶断された包装体43が形成される。包装体43は、次に排出コンベヤ40及び加熱トンネルコンベヤ45によって、加熱トンネル45内に送られ、ここで熱風や加熱蒸気などによって加熱することによって熱収縮性フルムが収縮して、タイトな包装体43が形成される。
【0016】
図8に、加熱トンネル45内で熱収縮包装が行なわれる過程を示す。加熱トンネル45内に供給される包装体43は、被包装物38が熱収縮性フィルム33によって被包され、縁部51が溶断シールされている。図8(a)はかかる包装体の正面図、図8(b)は包装体の上面図である。フィルム33の、被包装物の端部にあたる位置に、本発明による開封用切れ込み13が形成されている。加熱トンネル45内で熱収縮フィルムが加熱されることによって、フィルムが収縮して、被包装物38に密着し、図8(c)に示すようにタイトな包装体43が形成される。
【0017】
本発明において利用することのできる溶断シール方法としては、熱収縮包装において従来から使用されているヒートシール法、インパルスシール法などのほとんどすべての溶断シール法が採用できる。ここで、ヒートシール法とは、熱収縮性フィルムのシール部に、通常は枠の形をした加熱部材を押し当ててその部分を融着シール及び切断するという方法であり、またインパルスシール法とは、上記の加熱部材に代えて電気的インパルスにより融着シール/切断を行うというものである。
【0018】
図5〜7に示す装置は、上記に説明した熱収縮性半折りフィルムを使用する熱収縮包装機に、本発明にかかる包装体の軸に対して傾斜する軸を有する開封用切れ込みをフィルムに形成する手段を配したものである。かかる開封用切れ込み形成手段は、フィルムを挟んで対向して配置された開封用切れ込み形成刃受け51と、開封用切れ込み形成刃52とから構成される。図5〜7に示す形態においては、開封用切れ込み形成刃受け51は、フォーマーによって開かれた半折りフィルムの内側に配され、一方、開封用切れ込み形成刃52は、半折りフィルムの外側に配されている。開封用切れ込み形成刃52は、シリンダ53上に載置され、更にシリンダ53はシリンダフレーム54上に載置されている。図5〜7に示す態様では、開封用切れ込み形成刃52は、略U字型の形状を呈している。開封用切れ込みの形成にあたっては、シリンダ53によって開封用切れ込み形成刃52を、フィルム33を介して刃受け51に押し付けることで、切れ込み形成刃52と同じ形状の開封用切れ込みがフィルムに形成される。
【0019】
図7は、開封用切れ込みの位置決めと傾斜角度の調整を行なう手段の構成例を示す。図7に示すように、切れ込み形成刃52が取り付けられているシリンダ53は、シリンダフレーム54上で前後方向に移動自在に取り付けられており、また、シリンダフレーム54は位置調整手段55によって左右方向に移動自在となっている。したがって、これらの機構による前後方向の位置調整と左右方向の位置調整とを組合わせることにより、被包装物上の開封用切れ込みを形成する位置を自在に調整することが可能である。
【0020】
また、図7に示すように、開封用切れ込み形成刃52は、シリンダ53上で水平方向に回転可能に取り付けられている。したがって、開封用切れ込み形成刃52を回転させることで、被包装物の形状及び大きさに合わせて、開封用切れ込みの軸を、好適な方向に調整することができる。
【0021】
開封用切れ込み形成刃は、ミシン目を形成するための先端の鋭利な針状の部材であってよく、或いは熱によってフィルムを穿孔する加熱部材であってもよい。
【0022】
本発明は、上記に説明したような、熱収縮性フィルムを使用して熱収縮包装体を形成する熱収縮包装機において、その軸が包装体の軸に対して傾斜する開封用切れ込みをフィルムに形成するための手段にも関する。即ち、本発明の他の態様は、熱収縮性フィルムによって被包装物を被包して、フィルムの縁部を溶断シールした後、フィルムを熱収縮させて被包装物を包装する熱収縮装置において用いられる開封用切れ込み形成装置であって、フィルムの外側に配された開封用切れ込み形成刃と、フィルムの内側に配された開封用切れ込み形成刃受け部材とから構成され、開封用切れ込み形成刃が、水平方向に移動可能であって、かつ水平方向に回転可能であることを特徴とする装置に関する。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、上記に説明したように、密封性や美観性といった熱収縮包装特有の利点を保持しつつ、極めて簡単な作業で開封することのできる包装体を提供する。また、本発明にかかる開封用切れ込みを形成する手段は、従来一般的に用いられている熱収縮包装機の構成を大幅に変更することなく、該包装機に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の開封手段付き熱収縮包装体の概念を示す図である。
【図2】本発明に係る開封手段を有する熱収縮包装体の一態様を示す図である。
【図3】本発明に係る開封手段によって熱収縮包装体を開封する作業状態を示す図である。
【図4】本発明に係る開封手段を有する熱収縮包装体の他の態様を示す図である。
【図5】本発明にかかる開封手段をフィルムに形成する装置を配した半折りフィルムを用いた熱収縮包装機の概念を示す図である。
【図6】本発明にかかる開封手段をフィルムに形成する装置を配した半折りフィルムを用いた熱収縮包装機の概念を示す図である。
【図7】本発明にかかる開封手段をフィルムに形成する装置の拡大説明図である。
【図8】熱収縮処理によって熱収縮包装体が形成される過程を示す説明図である。
Claims (6)
- 熱収縮性フィルムで被包装物を被包した後に該フィルムを熱収縮させて得られる包装体において、該フィルムの少なくとも1箇所において、開封手段として機能する開封用切れ込みが形成されており、該開封用切れ込みの軸が包装体の軸に対して傾斜するように開封用切れ込みが形成されていることをことを特徴とする熱収縮包装体。
- 該包装体が、熱収縮性フィルムで被包装物を被包し、縁部を溶断シールした後に該フィルムを熱収縮させて得られる包装体である請求項1に記載の熱収縮包装体。
- 開封用切れ込みがミシン目によって形成されている請求項1又は2に記載の熱収縮包装体。
- 開封用切れ込みが包装体の端部に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮包装体。
- 開封用切れ込みが、略U字型、略V字型若しくは略コの字型の形状である請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮包装体。
- 熱収縮性フィルムによって被包装物を被包して、フィルムの縁部を溶断シールした後、前記フィルムを熱収縮させて被包装物を包装する熱収縮装置において用いられる開封用切れ込み形成装置であって、前記フィルムを挟んで対向して配置された開封用切れ込み形成刃と開封用切れ込み形成刃受け部材とから構成され、前記開封用切れ込み形成刃が、水平方向に移動可能であって、かつ水平方向に回転可能であることを特徴とする装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003150458A JP2004352276A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 易開封性熱収縮包装体 |
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JP2003150458A JP2004352276A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 易開封性熱収縮包装体 |
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JP2004352276A true JP2004352276A (ja) | 2004-12-16 |
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ID=34046251
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004352276A (ja) |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003150458A patent/JP2004352276A/ja active Pending
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