JP2004352092A - 車体のフレーム構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1及び第2のフレーム部材を結合するアダプタを用いても、重量の増加が抑制され、艤装性及び組み付け精度の向上が図られると共に、衝撃受容時に第1及び第2のフレーム部材を設定通りに変形させることが可能な車体のフレーム構造を提供する。
【解決手段】スチールフレーム20に、長手方向にほぼ直交するフランジ部25,25を形成する。アダプタ40には、フランジ部25,25を前後両面から挟み込むようにスライド嵌合する縦溝部41,41を形成する。このアダプタ40の縦溝部41,41にスチールフレーム20のフランジ部25,25をスライド嵌合させてスチールフレーム20とアダプタ40とを結合する。このアダプタ40は、アルミ押し出しフレーム30と冶金的接合、或いは機械的接合の何れかによって結合されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車体のフレーム構造に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
従来、車体フレームはスチール材から構成されていたが、エンジンパワーの効率化及び燃費向上のため、一部のフレーム部材に、軽量化素材、例えばアルミ製押し出し成形品(以下、アルミ押し出しフレームという)を用いることによって車体の軽量化が図られる傾向にある。
そして、特許文献1には、このようなアルミ押し出しフレームに、部分的に形状接続的に取り囲むように押し出し成形したアルミ製の受容体を直づけ装着する構成が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−319302号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなアルミ押し出しフレームとアルミ製の受容体との結合とは異なり、図10,11に示されるように、異種金属同士、すなわち、アルミ押し出しフレーム1とスチールフレーム2とを結合させるハイブリット構造にあっては、これら両者間にアルミ製のアダプタ3を介在させる必要があった。そして、このアダプタ3は、その両端部がアルミ押し出しフレーム1及びスチールフレーム2に対してそれぞれ4本ずつの固定用ボルト4により締結されることによって、アルミ押し出しフレーム1とスチールフレーム2とを結合するように構成されている。このため、このようなアダプタ3を用いてアルミ押し出しフレーム1とスチールフレーム2とを結合させると、片側のフレーム結合で8本の固定用ボルト4が使用されるため、重量増加や組み付け作業時間の増加、更には組み付け精度の確保が難しいという問題があった。
【0005】
また、このアダプタ3の両端部は、それぞれ4本の固定用ボルト4を用いてアルミ押し出しフレーム1及びスチールフレーム2を結合するように構成されている。このため、スチールフレーム2は、その構成上、長手方向、すなわちアダプタ3を介してアルミ押し出しフレーム1から加わる衝撃荷重Fを充分に受け止める受圧面積を確保することは難しいという問題があった(図11参照)。
そして、スチールフレーム2が、長手方向から加わる衝撃荷重Fを充分に受け止めることができなければ、衝撃荷重Fの吸収緩和が適切に行われず、これらフレーム部材1,2が予め設定していたようには変形し難くなる虞がある。
【0006】
そこで、この発明は、上記した従来の車体のフレーム構造が有している問題点を解決するためになされたものであって、第1及び第2のフレーム部材を結合するアダプタを用いても、重量の増加が抑制され、艤装性及び組み付け精度の向上が図られると共に、衝撃受容時に第1及び第2のフレーム部材を設定通りに変形させることが可能な車体のフレーム構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記目的を達成するために、第1及び第2のフレーム部材をアダプタを介して結合する車体のフレーム構造において、
前記第1のフレーム部材に、この第1のフレーム部材の長手方向にほぼ直交するフランジ部を形成し、前記アダプタに、前記フランジ部を嵌合することによって前記第1のフレーム部材と前記アダプタとを結合する嵌合部を形成したことを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、前記アダプタの嵌合部は、前記第1のフレーム部材のフランジ部の両面を挟み込むように形成されていることを特徴とする。
【0009】
これらの構成による車体のフレーム構造によれば、第1のフレーム部材には、その長手方向にほぼ直交するフランジ部が形成されている。そして、このフランジ部の両面を挟み込むように嵌合することによって第1のフレーム部材とアダプタとを結合する嵌合部がアダプタに形成されている。これにより、第1のフレーム部材とアダプタとは、アダプタの嵌合部に第1のフレーム部材のフランジ部を嵌合させることによって、従来のように多数の固定用ボルトを用いることなく確実、且つ強固に結合される。従って、重量の軽減化、組み付け作業時間の短縮化が図られると共に組み付け精度が容易に確保される。また、アダプタから第1のフレーム部材の長手方向に加わる衝撃荷重は、第1のフレーム部材の長手方向にほぼ直交するように形成されたフランジ部によって充分に受容される。従って、第1のフレーム部材に加わる衝撃荷重の吸収緩和が適切に行われるようになり、第1のフレーム部材は予め設定されていたように変形する。これにより、衝突時における第1のフレーム部材の適切な変形量が確保され乗員の安全性がより向上する。
【0010】
また、第3の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、前記第1のフレーム部材と前記アダプタとは、前記フランジ部と前記嵌合部との嵌合に加えて機械的接合が用いられた状態で結合していることを特徴とする。
【0011】
この構成による車体のフレーム構造によれば、第1のフレーム部材とアダプタとは、フランジ部と嵌合部との嵌合に加えて、例えばボルトやリベット等による機械的接合が用いられた状態で結合される。これにより、上記第1の発明の作用効果に加えて、重量を大幅に増加させることなく、第1のフレーム部材とアダプタとの結合強度が強化される。従って、第1及び第2のフレーム部材をアダプタを介して結合しても、捻りや曲げ応力等に対するフレーム剛性が確保される結果、車両の操縦安定性が向上する。
【0012】
また、第4の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、前記第2のフレーム部材と前記アダプタとは、少なくとも冶金的接合或いは機械的接合のうち何れか1つによって結合されることを特徴とする。
【0013】
この構成による車体のフレーム構造によれば、第2のフレーム部材とアダプタとは、少なくとも、融接、ろう接、摩擦攪拌接等による冶金的接合、或いはボルトやリベット等による機械的接合のうち何れか1つによって結合される。これにより、上記第1の発明の作用効果に加えて、第2のフレーム部材とアダプタとが、重量を大幅に増加させることなく、組み付け精度及び結合強度が確保された状態で結合される。従って、第2のフレーム部材の前方から加わった衝撃荷重は、アダプタを介して第1のフレーム部材に確実に伝達されるので、第1及び第2のフレーム部材は予め設定していたように変形する。これにより、衝突時における車体ボディの適切な変形量が確保され乗員の安全性がより向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最も好適と思われる実施形態について図1〜5を用いて詳細に説明を行う。図1は、本発明が適用された右フロントサイドフレームを説明するための側面図、図2は、同例におけるフレーム構造を説明するための分解斜視図、図3は、同例における要部を説明するための側面図、図4は、同例における要部を説明するための平面図、図5は、同例における要部の内部構造を説明するための平断面図である。
【0015】
本発明のフレーム構造を説明する。図1に示されるように、本フレーム構造は、例えばエンジン房内において車体両側に配置される左右一対のフロントサイドフレーム10,10に適用されるものである(但し、図1にあっては、車体右側に配置されるフロントサイドフレーム10のみ図示されている)。
【0016】
ここで、フロントサイドフレーム10,10は、車体左右両側に等しく配置されるものであるから、以下では、車体右側のフロントサイドフレーム10について説明を行う。
【0017】
フロントサイドフレーム10は、異種金属同士であるスチールフレーム20及びアルミ押し出しフレーム30と、これらスチールフレーム20とアルミ押し出しフレーム30との間に介在して両者を結合するアダプタ40とを備えて構成されている。
【0018】
まず、スチールフレーム20について説明する。スチールフレーム20は、図2に示されるように、車体外側に配置されるアウタフレーム21と、車体内側に配置されるインナフレーム22とから構成される第1のフレーム部材である。これらアウタフレーム21及びインナフレーム22の上下端部には、それぞれ上下方向に向かって延びる接合面部21A,21B,22A,22Bがスチールフレームの長手方向にわたって一体的に折り曲げ形成されている。そして、これら接合面部21Aと22A、21Bと22Bが互いに接合された状態で溶接により結合固定されることによって、スチールフレーム20には縦長の閉断面が形成されている。
【0019】
このスチールフレーム20における上面部、すなわちインナフレーム22の上面部には、ボルト孔23が開口形成されている。そして、このボルト孔23の裏面側のインナフレーム22には、ウェルディングナット24が結合固定されている。
【0020】
スチールフレーム20の前端部(アダプタ対向面部)には、スチールフレーム20の長手方向に直交する一対のフランジ部25,25が一体的に折り曲げ形成されている。これらフランジ部25,25は、アウタフレーム21及びインナフレーム22のほぼ垂直な側面部が前方に向かって延ばされたのち、それらの先端部がスチールフレーム20の長手方向に直交し、且つ先端部同士が対向するように内向きにほぼL字形に折り曲げられることによって形成されている。このため、スチールフレーム20の前方から加わる衝撃荷重は、フランジ部25,25によって確実、且つ充分に受容される。なお、このスチールフレーム20の前端部には、電蝕防止表面処理が施されている。
【0021】
次に、アダプタ40について説明する。アダプタ40は、図2〜5に示されるように、フロントサイドフレーム10の縦断面形状に応じて縦長に形成されたアルミ鋳物である。このアダプタ40のほぼ垂直な左右側面部には、スチールフレーム20のフランジ部25,25を上下方向からスライド嵌合する嵌合部としての縦溝部41,41がそれぞれ凹み形成されている(図2,3にあっては、片側の縦溝部41のみ図示されている)。
【0022】
これらの縦溝部41,41は、溝内にスライド嵌合させたスチールフレーム20のフランジ部25,25の前後両面に摺接し、且つ挟圧することによって、フランジ部25,25を前後方向から規制する溝幅に形成されている。このため、スチールフレーム20のフランジ部25,25とアダプタ40の縦溝部41,41とをスライド嵌合させると、溝内でのフランジ部25,25のがたつきが阻止された状態で、スチールフレーム20とアダプタ40とが確実、且つ強固に結合される。
【0023】
アダプタ40の上面部には、アダプタ40の後端部(スチールフレーム対向面部)よりもさらに後方に向かって片持ち状に延ばされた突出部42が一体的に成形されている。この突出部42の中央部には、ボルト孔43が開口形成されている。
【0024】
そして、アダプタ40の縦溝部41,41の下方側から上方側に向けてスチールフレーム20のフランジ部25,25をスライド嵌合させると、突出部42の下面側にスチールフレーム20(インナフレーム22)の上面側が接合される。これにより、それ以上スチールフレーム20が上方に向かってスライド嵌合するのが規制され、アダプタ40とスチールフレーム20との結合のための適切な位置決めが容易になされる。また、このとき、アダプタ40のボルト孔43は、スチールフレーム20のボルト孔23に一致している。
【0025】
そして、位置決めがなされたアダプタ40とスチールフレーム20とは、これらボルト孔23,43を挿通しウェルディングナット24に嵌合する固定用ボルト50によって締結固定される。なお、この固定用ボルト50には予め電蝕防止表面処理が施されているのが好ましい。
【0026】
また、固定用ボルト50の代わりにリベットを用いてスチールフレーム20とアダプタ40とを結合することもできる。リベットを用いる場合には、スチールフレーム20に作業孔が設けられる。
【0027】
アダプタ40の前端部(アルミ押し出しフレーム対向面部)には、アルミ押し出しフレーム30の後端部を結合するためのほぼL字形の凹段部44が前端外周縁に沿って一体形成されている。ところで、アルミ押し出しフレーム30は、図2に示されるように、断面が日の字(ダブルデッカー)、或いは目の字(トリプルデッカー)となるようにほぼ水平な板状のリブ31が一体的に押し出し形成されている第2のフレーム部材である。そのため、凹段部44の左右側部には、アルミ押し出しフレーム30との結合の際に、リブ31との干渉を回避するための横溝状のスリット45,45が予め形成されている。
【0028】
そして、この凹段部44の外周面側にアルミ押し出しフレーム30の後端部の内周面側が嵌め込まれた状態で、アダプタ40の凹段部44とアルミ押し出しフレーム30とが冶金的接合、例えば、アーク溶接、抵抗溶接、摩擦攪拌接合(FSW)等によって結合固定される。これにより、アルミ押し出しフレーム30の後端部は、確実にアダプタ40の凹段部44に嵌合した状態で一体的に結合される。なお、このアダプタ40は、スチールフレーム20との結合が行われるよりも先にアルミ押し出しフレーム30との結合が行われているのが作業上好ましい。
【0029】
この車体右側のフロントサイドフレーム10と対称形状に構成された車体左側のフロントサイドフレーム10も、同様の態様により、スチールフレーム20とアルミ押し出しフレーム30とがアダプタ40を介して結合固定される。
【0030】
かかる構成によれば、スチールフレーム20には、その長手方向にほぼ直交するフランジ部25,25が形成されている。そして、このフランジ部25,25を前後両面から挟み込むようにスライド嵌合することによって、スチールフレーム20とアダプタ40とを結合する縦溝部41,41がアダプタ40の左右側面部に形成されている。このため、アダプタ40の縦溝部41,41にスチールフレーム20のフランジ部25,25をスライド嵌合させることによって、従来のように多数の固定用ボルト50を用いることなく、スチールフレーム20とアダプタ40とが確実、且つ強固に結合される。従って、重量の軽減化、組み付け作業時間の短縮化が図られると共に組み付け精度が容易に確保される。また、アダプタ40を介してスチールフレーム20の長手方向に加わる衝撃荷重は、スチールフレーム20の長手方向にほぼ直交するように形成されたフランジ部25,25によって充分に受容される。従って、スチールフレーム20に加わる衝撃荷重の吸収緩和が適切に行われるようになり、スチールフレーム20は予め設定されていたように変形する。これにより、衝突時におけるスチールフレーム20の適切な変形量が確保され乗員の安全性がより向上する。
【0031】
さらに、スチールフレーム20とアダプタ40とは、フランジ部25,25と縦溝部41,41とのスライド嵌合に加えて、固定用ボルト50が併用された状態で結合されている。これにより、重量を大幅に増加させることなく、スチールフレーム20とアダプタ40との結合強度が強化される。従って、スチールフレーム20とアルミ押し出しフレーム30とをアダプタ40を介して結合しても、捻りや曲げ応力等に対するフレーム剛性が確保される結果、車両の操縦安定性が向上する。
【0032】
さらにまた、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40とは、少なくとも、融接、ろう接、摩擦攪拌接等による冶金的接合によって結合される。これにより、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40とが、重量を大幅に増加させることなく、組み付け精度及び結合強度が確保された状態で結合される。従って、アルミ押し出しフレーム30の前方から加わった衝撃荷重は、アダプタ40を介してスチールフレーム20に確実に伝達されるので、スチールフレーム20及びアルミ押し出しフレーム30は予め設定されていたように変形する。これにより、衝突時における車体ボディの適切な変形量が確保され乗員の安全性がより向上する。
【0033】
次に、第2の実施形態について図6を用いて説明する。
この第2の実施形態にあっては、上述した第1の実施形態におけるアルミ押し出しフレーム30とアダプタ40との結合強度を確保しながらも、前方からの衝撃荷重によってアルミ押し出しフレーム30が損傷を受けた場合の交換作業を容易化するものである。なお、図6は、第2の実施形態における要部を説明するための側面図である。
【0034】
図6に示されるように、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40との結合は、車体前部が衝突荷重により損傷を受けた場合のアルミ押し出しフレームの交換作業を容易化させる目的で、溶接等による冶金的接合から固定用ボルト50を用いた機械的接合に変更されている。すなわち、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40とは、アルミ押し出しフレーム30及びアダプタ40を貫通し、アダプタ40の内周面側に結合固定されたウェルディングナット51に螺合される固定用ボルト50(図6中にあっては、車体内側に配置された2つの固定用ボルト50のみが図示されている)によって締結されている。なお、固定用ボルト50の代わりにリベットを用いてアルミ押し出しフレーム30とアダプタ40とを結合しても良い。
【0035】
これにより、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40とは、重量を大幅に増加させることなく、組み付け精度及び結合強度が確保された状態で脱着可能に結合される。従って、スチールフレーム20及びアルミ押し出しフレーム30の変形量が損なわれることはなく、且つ衝突時に損傷を受けたアルミ押し出しフレーム30の交換作業が容易化される。
【0036】
次に、第3の実施形態について図7,8を用いて説明する。
この第3の実施形態にあっては、上述した第1の実施形態における対衝突性能の向上を図るものである。図7は、第3の実施形態における要部を説明するための側面図、図8は、同例における要部を説明するための平面図である。
【0037】
図7,8に示されるように、スチールフレーム20とアダプタ40とは、スチールフレーム20の左右側部に形成されたフランジ部25,25とアダプタ40の左右側面部に形成された縦溝部41,41とのスライド嵌合に加えて、スチールフレーム20(インナフレーム22)の上面部に形成された下向きのフランジ部26とアダプタ40の上面部に形成された横溝部46とが嵌合するように構成されている。
【0038】
すなわち、フランジ部26は、インナフレーム22の上面部が前方に向かって延ばされたのち、その先端部がスチールフレーム20の長手方向に直交するように下向きに折り曲げられることによって形成されている。そして、このフランジ部26は、アダプタ40の上面側に凹み形成された横溝に嵌合するように構成されている。そのため、スチールフレーム20とアダプタ40とを締結する固定用ボルト50が挿通される突出部42は、アダプタ40の上面側から下面側に変更されている。これと同様の態様により、スチールフレーム20のボルト孔23及びウェルディングナット24の取り付け位置もインナフレーム22の下面側に変更されている。
【0039】
これにより、スチールフレーム20の前方から加わる衝撃荷重は、フランジ部26の追加によって受圧面積が最大限確保されるので、各フランジ部25,25,26によって確実、且つ分散して受容されるようになる。その結果、対衝突性能がより向上して乗員の保護強化がなされる。
【0040】
なお、この第3の実施形態にあっては、フランジ部26をスチールフレーム20の下面側に形成し、このフランジ部26が嵌合される横溝部46をアダプタ40の下面側に形成しても良い。この場合、スチールフレーム20とアダプタ40とを締結する固定用ボルト50が挿通される突出部42、及び、スチールフレーム20のボルト孔23及びウェルディングナット24の取り付け位置は、第1の実施形態と同様の態様とし、それぞれの上面側に設けるようにする。
【0041】
また、この第3の実施形態に第2の実施形態を適用しても良い。これによれば、第3の実施形態において、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40との結合強度を確保しながらも、前方からの衝撃荷重によってアルミ押し出しフレーム30が損傷を受けた場合の交換作業が容易化される。
【0042】
次に、第4の実施形態について図9を用いて説明する。
この第4の実施形態にあっては、上述した第1の実施形態におけるフロントサイドフレーム10における捻りや曲げ応力等に対するフレーム剛性の増強を図るものである。図9は、第4の実施形態における要部を説明するための側面図である。
【0043】
図9に示されるように、スチールフレーム20とアダプタ40とは、スチールフレーム20の左右側部に形成されたフランジ部25,25とアダプタ40の左右側面部に形成された縦溝部41,41とのスライド嵌合及び固定用ボルト50によるボルト締結に加えて、それらの下面側に補剛部材としての板状の第2のアダプタ60が跨った状態で固定用ボルト50によってボルト締結されるものである。
【0044】
このため、アダプタ40の下面側には、第2のアダプタ60を上向きに挿通した固定用ボルト50が螺合されるナット孔47が形成されている。また、スチールフレーム20の下面側には、第2のアダプタ60を上向きに挿通した固定用ボルト50が挿通したのち螺合するためのボルト孔27及びウェルディングナット28が設けられている。
【0045】
これにより、重量を大幅に増加させることなく、スチールフレーム20とアダプタ40との結合強度が増加する。従って、アダプタ40を介してスチールフレーム20とアダプタ40とを結合させる場合の捻りや曲げ応力等に対するフレーム剛性が増強される結果、車両の操縦安定性がより向上する。
【0046】
なお、この第4の実施形態に第2の実施形態を適用しても良い。これによれば、第4の実施形態において、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40との結合強度を確保しながらも、前方からの衝撃荷重によってアルミ押し出しフレーム30が損傷を受けた場合の交換作業が容易化される。
【0047】
なお、本フレーム構造は、車体前部に配置されるフロントサイドフレーム10,10のみに適用されるものではなく、車体後部に配置されるリヤサイドフレーム等の車体フレームにも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、第1及び第2の発明によれば、スチールフレーム20には、その長手方向にほぼ直交するフランジ部25,25が形成されている。そして、このフランジ部25,25を前後両面から挟み込むようにスライド嵌合することによって、スチールフレーム20とアダプタ40とを結合する縦溝部41,41がアダプタ40の左右側面部に形成されている。このため、アダプタ40の縦溝部41,41にスチールフレーム20のフランジ部25,25をスライド嵌合させることによって、従来のように多数の固定用ボルト50を用いることなく、スチールフレーム20とアダプタ40とが確実、且つ強固に結合される。従って、重量の軽減化、組み付け作業時間の短縮化を図ること、及び組み付け精度を容易に確保することが可能になる。
【0049】
また、アダプタ40を介してスチールフレーム20の長手方向に加わる衝撃荷重は、スチールフレーム20のフランジ部25,25によって充分に受容される。従って、スチールフレーム20に加わる衝撃荷重の吸収緩和が適切に行われるようになる。また、フランジ部25はその両面を拘束されていることから、片面拘束のものに対してその挙動をより確実に制御できる。従って、スチールフレーム20は予め設定されていたように変形する。これにより、衝突時におけるスチールフレーム20の適切な変形量が確保され乗員の安全性をより向上させることができる。
【0050】
また、第3の発明によれば、スチールフレーム20とアダプタ40とは、フランジ部25,25と縦溝部41,41とのスライド嵌合に加えて、固定用ボルト50による機械的接合が用いられた状態で結合される。これにより、重量を大幅に増加させることなく、スチールフレーム20とアダプタ40との結合強度が強化される。従って、スチールフレーム20及びアルミ押し出しフレーム30をアダプタ40を介して結合しても、捻りや曲げ応力等に対するフレーム剛性が確保される結果、車両の操縦安定性を向上させることが可能になる。
【0051】
また、第4の発明によれば、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40とは、少なくとも、融接、ろう接、摩擦攪拌接等による冶金的接合、或いは固定ボルト50やリベットを用いた機械的接合のうち何れか1つによって結合される。これにより、アルミ押し出しフレーム30とアダプタ40とが、重量を大幅に増加させることなく、組み付け精度及び結合強度が確保された状態で結合される。従って、アルミ押し出しフレーム30の前方から加わった衝撃荷重は、アダプタ40を介してスチールフレーム20に確実に伝達されるので、スチールフレーム20及びアルミ押し出しフレーム30は予め設定していたように変形する。これにより、衝突時における車体ボディの適切な変形量が確保され乗員の安全性をより向上させることができる。
【0052】
これらの結果、スチールフレーム20及びアルミ押し出しフレーム30を結合させるアダプタ40を用いても、重量の増加が抑制され、艤装性及び組み付け精度の向上が図られると共に、衝撃受容時にこれらのフレーム部材20,30を設定通りに変形させることが可能な車体のフレーム構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された右フロントサイドフレームを説明するための側面図である。
【図2】同例におけるフレーム構造を説明するための分解斜視図である。
【図3】同例における要部を説明するための側面図である。
【図4】同例における要部を説明するための平面図である。
【図5】同例における要部の内部構造を説明するための平断面図である。
【図6】第2の実施形態における要部を説明するための側面図である。
【図7】第3の実施形態における要部を説明するための側面図である。
【図8】同例における要部を説明するための平面図である。
【図9】第4の実施形態における要部を説明するための側面図である。
【図10】従来のフレーム構造を説明するための斜視図である。
【図11】従来のフレーム構造を説明するための平断面図である。
【符号の説明】
10 フロントサイドフレーム
20 スチールフレーム(第1のフレーム部材)
24 ウェルディングナット
25,26 フランジ部
30 アルミ押し出しフレーム(第2のフレーム部材)
40 アダプタ
41 縦溝部(嵌合部)
46 横溝部
50 固定用ボルト

Claims (4)

  1. 第1及び第2のフレーム部材をアダプタを介して結合する車体のフレーム構造において、
    前記第1のフレーム部材に、この第1のフレーム部材の長手方向にほぼ直交するフランジ部を形成し、前記アダプタに、前記フランジ部を嵌合することによって前記第1のフレーム部材と前記アダプタとを結合する嵌合部を形成したことを特徴とする車体のフレーム構造。
  2. 前記アダプタの嵌合部は、前記第1のフレーム部材のフランジ部の両面を挟み込むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体のフレーム構造。
  3. 前記第1のフレーム部材と前記アダプタとは、前記フランジ部と前記嵌合部との嵌合に加えて機械的接合が用いられた状態で結合していることを特徴とする請求項1に記載の車体のフレーム構造。
  4. 前記第2のフレーム部材と前記アダプタとは、少なくとも冶金的接合或いは機械的接合のうち何れか1つが用いられた状態で結合していることを特徴とする請求項1に記載の車体のフレーム構造。
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