JP2004351552A - コレット - Google Patents
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Abstract
【課題】コレットの付け替え作業を回避する。
【解決手段】軸心に工具保持穴(11)を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面(12)を有したコレット本体に、テーパ面の後端部に後つなぎ部(13)が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第一のすり割り溝(14)と、テーパ面の先端部に前つなぎ部(15)が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第二のすり割り溝(16)とが形成され、前つなぎ部に第二のすり割り溝内からコレット本体の前端面(1a)へと伸びる流体噴出穴(21)が形成され、この流体噴出穴に栓体(22)が着脱自在に取り付けられる。コレットを装着したチャック内から工具内にオイルを供給する場合は、栓体で流体噴出穴を塞ぎ、工具の外側から加工部の方にオイル等の流体を供給する場合は、流体噴出穴から栓体を除去する。
【選択図】 図4
【解決手段】軸心に工具保持穴(11)を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面(12)を有したコレット本体に、テーパ面の後端部に後つなぎ部(13)が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第一のすり割り溝(14)と、テーパ面の先端部に前つなぎ部(15)が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第二のすり割り溝(16)とが形成され、前つなぎ部に第二のすり割り溝内からコレット本体の前端面(1a)へと伸びる流体噴出穴(21)が形成され、この流体噴出穴に栓体(22)が着脱自在に取り付けられる。コレットを装着したチャック内から工具内にオイルを供給する場合は、栓体で流体噴出穴を塞ぎ、工具の外側から加工部の方にオイル等の流体を供給する場合は、流体噴出穴から栓体を除去する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャックの工具を把持する箇所に設けられるコレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特許文献1が開示するコレットは、その本体の軸心に工具保持穴を有し、本体の外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面を有する。また、コレット本体には、テーパ面の後端部に後つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第一のすり割り溝と、テーパ面の先端部に前つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第二のすり割り溝とが形成される。
【0003】
このコレットはチャックのテーパ穴に挿入され、チャックの先端に取り付けられる締付け筒の操作でテーパ穴の奥のほうに押し込まれることにより縮径し、工具保持穴内の工具を締め付ける。
【0004】
また、コレットの工具保持穴の内面上にはオイルを工具に吹き付けるための噴出溝が形成される。
【0005】
上述のごとく締付け筒が操作されると、コレット本体のテーパ面がテーパ穴の内面に密着し、第二のすり割り溝が工具の外周面、前つなぎ部、テーパ穴の内周面とで回りを遮断されるので、チャックの中心穴はオイル噴出穴のみを通してコレットの前端面に通じる。これにより、チャックと共に回転する工具がワークを切削中、オイルがオイル噴出溝から前方に噴射される。
【0006】
【特許文献1】
特許第3321678号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記オイル噴出穴はコレットの工具保持穴の内面上に形成されるので、オイル噴出穴から噴出したオイルは工具に沿って付着するが、工具がワークを加工する部位には充分に届かない。また、チャックの奥から工具の内部に冷却液を供給する場合は、オイル噴出穴の無いコレットと交換する必要があり煩わしい。
【0008】
本発明はこのような従来の問題点を解決する手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、軸心に工具保持穴(11)を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面(12)を有したコレット本体に、テーパ面(12)の後端部に後つなぎ部(13)が残るように工具保持穴(11)からテーパ面(12)にわたって延びる第一のすり割り溝(14)と、テーパ面(12)の先端部に前つなぎ部(15)が残るように工具保持穴(11)からテーパ面(12)にわたって延びる第二のすり割り溝(16)とが形成され、前つなぎ部(15)に第二のすり割り溝(16)内からコレット本体の前端面(1a)へと伸びる流体噴出穴(21)が形成され、この流体噴出穴(21)に栓体(22)が着脱自在に取り付けられたコレット(1)を採用する。
【0010】
この請求項1に係る発明によれば、コレット(1)が装着されたチャック(2)内から工具(17)の内部にオイル等の流体を供給する場合は、栓体(22)で流体噴出穴(21)を塞いで流体をすべて工具(17)内へと供給することができ、工具(17)の外側から加工部(17a)の方にオイル等の流体を供給する場合は、流体噴出穴(21)から栓体(22)を除去し、流体を工具(17)の加工部(17a)の方へと噴射することができる。従って、流体噴出穴(21)の有るコレットと無いコレットとを用意しておき必要に応じて付け替えるという煩わしい作業が解消される。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のコレット(1)において、流体噴出穴(21)が流体をコレット本体の前端面(1a)の外周寄りの箇所から加工部(17a)に向けて斜めに噴射するように形成されたコレット(1)を採用する。
【0012】
この請求項2に係る発明によれば、オイル等の流体がコレット本体の前端面(1a)の外周寄りの箇所から加工部(17a)に向けて斜めに噴射されるので、加工部(17a)に集中的に流体を供給することができる。また、遠心力の作用に抗する向きに流体が噴射されるので、流体は加工部(17a)に効率的に供給される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<実施の形態1>
図1に示すように、このコレット1は例えばチャック2内に装着される。
【0015】
チャック2には、その後部から前部に向かってシャンク部2a、鍔部2b、筒部2c等が設けられる。
【0016】
シャンク部2aは図示しない工作機械の主軸等に挿入可能に形成される。鍔部2bは図示しない工作機械のクランプにより把持可能に形成される。シャンク部2a及び鍔部2bの軸心すなわちチャック2の軸心上にはオイル、冷却液等の流体を通すための流体供給孔3が筒部2cに通じるように形成される。
【0017】
筒部2cの内面にはコレット1が挿入されるテーパ穴4が形成され、筒部2cの外面には雄ネジ5が形成される。テーパ穴4はコレット1の先端に向かうにつれ拡径するように形成される。図1及び図2に示すように、筒部2cには締付け筒6が被せられ、この締付け筒6の雌ネジ7が筒部2cの雄ネジ5に螺合する。
【0018】
締付け筒6の前半分はチャック2の筒部2cの先端から突出し、その突出した内部には締付けリング8が鋼球9を介して固定される。締付けリング8の内面には、上記筒部2cの先端に向かうにつれ拡径する逆テーパ穴10が形成される。
【0019】
図3及び図4に示すように、コレット1は、軸心に工具保持穴11を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面12を有したコレット本体を備える。
【0020】
コレット本体のテーパ面12は上記筒部2cのテーパ穴4と略同じ勾配に形成される。このためコレット1が筒部1c内に挿入されると、コレット1のテーパ面12が筒部2cのテーパ穴4に密接する。
【0021】
コレット本体には、テーパ面12の後端部に後つなぎ部13が残るように工具保持穴11からテーパ面12にわたって延びる第一のすり割り溝14と、テーパ面12の先端部に前つなぎ部15が残るように工具保持穴11からテーパ面12にわたって延びる第二のすり割り溝16とが形成される。この実施の形態では、第一と第二のすり割り溝14,16はコレット本体の周りに45度間隔で交互に配置される。このようにすり割り溝14,16が形成されることから、コレット本体が筒部2cのテーパ穴4内で軸方向に微小距離スライドすると、コレット本体が半径方向に拡縮し工具保持穴11内に挿入された工具17を解放し又は締め付ける。
【0022】
コレット本体の前部には上記テーパ面12とは逆向きに傾斜する逆テーパ面18が形成される。この逆テーパ面18は上記締付けリング8の逆テーパ穴10に対向し、相互の勾配は略等しい。また、コレット本体のテーパ面12と逆テーパ面18とが交わる箇所には環状溝19が形成され、この環状溝19内に上記締付けリング8の内面に形成された突起20が嵌り込んでいる。図1において上記締付け筒6を締め付け方向に回転させると、締付け筒6が締付けリング8を保持してチャック2の筒部2c側に後退し、締付けリング8がコレット本体を筒部2cのテーパ穴4の奥の方へと押し込む。これにより、コレット本体は縮径して工具17を締め付ける。また、締付け筒6を逆方向に回転させると、締付け筒6が締付けリング8を保持して反筒部側に前進し、締付けリング8が突起20と環状溝19との係合を介してコレット1をテーパ穴4の外へと引き出そうとする。これにより、コレット1はその弾性で拡径し工具を解放する。
【0023】
図4に示すように、コレット本体の前つなぎ部15には、第二のすり割り溝16内からコレット本体の前端面1aへと伸びる流体噴出穴21が形成され、この流体噴出穴21に栓体22が着脱自在に取り付けられる。
【0024】
流体噴出穴21は前つなぎ部15の各々に設けられ、オイル等の流体をコレット本体の前端面1aの外周寄りの箇所から図1に示すように工具17の加工部17aに向けて斜めに噴射するように形成される。具体的には、流体噴出穴21はそれぞれ傾斜角度αでコレット1の軸心側に傾斜し、その延長線aが図1に示すように工具17の加工部17aに収斂するように形成される。流体噴出穴21は必ずしもその全長が傾斜している必要はなく、出口近傍のみが傾斜していることで足りる。
【0025】
栓体22は、望ましくはコレット1の前端面1a上に開口する流体噴出穴21の出口に取り付けられる。栓体22は具体的には埋め込みネジであり、流体噴出穴21の出口に形成された雌ネジに螺合することで流体噴出穴21を塞ぐようになっている。栓体22の頭はコレット1の前端面1a上に露出し、そこにはレンチ等を係止するための係止穴22aが設けられる。レンチ等の操作で栓体22である埋め込みネジを流体噴出穴21から抜き取ると、流体噴出穴21がコレット1の前端面1a上に開口する。
【0026】
上述のごとく、コレット本体の第一のすり割り溝14は、テーパ面12の後端部に後つなぎ部13が残るように形成され、第二のすり割り溝16は、テーパ面12の先端部に前つなぎ部15が残るように形成されるので、締付け筒6の締め付け操作により、コレット本体のテーパ面12が筒部2cのテーパ穴4の内面に密着すると、第二のすり割り溝16が工具17の外周面、前つなぎ部15、テーパ穴4の内周面とで回りを遮断されるので、チャック2の流体供給穴3は流体噴出穴21のみを通してコレット1の前端面1aに通じる。これにより、チャック2と共に回転する工具17が図示しないワークを切削する際、流体供給穴3に流入するオイル等の流体は大きな圧力で直線状の噴流となって流体噴出穴21からコレット1の前方に吹き出す。
【0027】
次に、上記構成のコレットの作用について説明する。
【0028】
図1において、コレット1が装着されたチャック2内から図示の工具17とは異なる中心部に貫通穴を有した工具の内部にオイル等の流体を供給する場合は、図2乃至図4に示すように、栓体22で流体噴出穴21を塞いでおく。これにより、流体は図示しない工具の貫通穴内を通って工具の先端から噴出する。
【0029】
また、図1に示す工具17の外側から加工部17aの方にオイル等の流体を供給する場合は、流体噴出穴21から栓体22を除去する。その際、栓体22はコレット1の先端に露出しており、図示しないレンチを栓体22の係止穴22aに差し込んで栓体22を回し、流体噴出穴21から抜き取る。
【0030】
このように栓体22が除去されると、チャック2の流体供給孔3内に流入する流体はコレット本体の前端面1aの外周寄りの箇所から加工部17aに向けて斜めに噴射され、従って加工部17aに集中的に供給される。また、流体はチャック2の回転に伴う遠心力に抗する向きに噴射されるので、周囲に飛散することなく加工部17aに効率的に供給される。
【0031】
<実施の形態2>
図5及び図6に示すように、この実施の形態2におけるコレット23では、実施の形態1の場合と異なり、第一と第二のすり割り溝14,16が30度間隔で六個ずつ交互に配置され、流体噴出穴21は前つなぎ部15に一つ置きに設けられている。
【0032】
また、流体噴出穴21はそれぞれ傾斜角度βでコレット23の軸心側に傾斜し、その延長線が図1に示すように工具17の加工部17aに収斂するように形成される。流体噴出穴21の出口には栓体22が着脱自在に挿入される。
【0033】
なお、この実施の形態2を示す図5及び図6において実施の形態1におけると同一の部分については同一の符号を用いて示し重複した説明を省略する。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、軸心に工具保持穴を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面を有したコレット本体に、テーパ面の後端部に後つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第一のすり割り溝と、テーパ面の先端部に前つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第二のすり割り溝とが形成され、前つなぎ部に第二のすり割り溝内からコレット本体の前端面へと伸びる流体噴出穴が形成され、この流体噴出穴に栓体が着脱自在に取り付けられたコレットであるから、コレットが装着されたチャック内から工具の内部にオイル等の流体を供給する場合は、栓体で流体噴出穴を塞いで流体をすべて工具内へと供給することができ、工具の外側から加工部の方にオイル等の流体を供給する場合は、流体噴出穴から栓体を除去し、流体を工具の加工部の方へと噴射することができる。従って、流体噴出穴の有るコレットと無いコレットとを用意しておき必要に応じて付け替えるという煩わしい作業が解消される。
【0035】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載のコレットにおいて、流体噴出穴が流体をコレット本体の前端面の外周寄りの箇所から加工部に向けて斜めに噴射するように形成されたことから、オイル等の流体を加工部に集中的に供給することができる。また、遠心力に抗する向きに流体が噴射されるので、流体が効率的に加工部に供給される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコレットを備えたチャックの半断面図である。
【図2】図1に示すチャックの正面図である。
【図3】コレットの正面図である。
【図4】図3中、IV−IV線矢視断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るコレットの正面図である。
【図6】図5中、VI−VI線矢視断面図である。
【符号の説明】
1…コレット
1a…前端面
2…チャック
11…工具保持穴
12…テーパ面
13…後つなぎ部
14…第一のすり割り溝
15…前つなぎ部
16…第二のすり割り溝
17…工具
17a…加工部
21…流体噴出穴
22…栓体
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャックの工具を把持する箇所に設けられるコレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特許文献1が開示するコレットは、その本体の軸心に工具保持穴を有し、本体の外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面を有する。また、コレット本体には、テーパ面の後端部に後つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第一のすり割り溝と、テーパ面の先端部に前つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第二のすり割り溝とが形成される。
【0003】
このコレットはチャックのテーパ穴に挿入され、チャックの先端に取り付けられる締付け筒の操作でテーパ穴の奥のほうに押し込まれることにより縮径し、工具保持穴内の工具を締め付ける。
【0004】
また、コレットの工具保持穴の内面上にはオイルを工具に吹き付けるための噴出溝が形成される。
【0005】
上述のごとく締付け筒が操作されると、コレット本体のテーパ面がテーパ穴の内面に密着し、第二のすり割り溝が工具の外周面、前つなぎ部、テーパ穴の内周面とで回りを遮断されるので、チャックの中心穴はオイル噴出穴のみを通してコレットの前端面に通じる。これにより、チャックと共に回転する工具がワークを切削中、オイルがオイル噴出溝から前方に噴射される。
【0006】
【特許文献1】
特許第3321678号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記オイル噴出穴はコレットの工具保持穴の内面上に形成されるので、オイル噴出穴から噴出したオイルは工具に沿って付着するが、工具がワークを加工する部位には充分に届かない。また、チャックの奥から工具の内部に冷却液を供給する場合は、オイル噴出穴の無いコレットと交換する必要があり煩わしい。
【0008】
本発明はこのような従来の問題点を解決する手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、軸心に工具保持穴(11)を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面(12)を有したコレット本体に、テーパ面(12)の後端部に後つなぎ部(13)が残るように工具保持穴(11)からテーパ面(12)にわたって延びる第一のすり割り溝(14)と、テーパ面(12)の先端部に前つなぎ部(15)が残るように工具保持穴(11)からテーパ面(12)にわたって延びる第二のすり割り溝(16)とが形成され、前つなぎ部(15)に第二のすり割り溝(16)内からコレット本体の前端面(1a)へと伸びる流体噴出穴(21)が形成され、この流体噴出穴(21)に栓体(22)が着脱自在に取り付けられたコレット(1)を採用する。
【0010】
この請求項1に係る発明によれば、コレット(1)が装着されたチャック(2)内から工具(17)の内部にオイル等の流体を供給する場合は、栓体(22)で流体噴出穴(21)を塞いで流体をすべて工具(17)内へと供給することができ、工具(17)の外側から加工部(17a)の方にオイル等の流体を供給する場合は、流体噴出穴(21)から栓体(22)を除去し、流体を工具(17)の加工部(17a)の方へと噴射することができる。従って、流体噴出穴(21)の有るコレットと無いコレットとを用意しておき必要に応じて付け替えるという煩わしい作業が解消される。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のコレット(1)において、流体噴出穴(21)が流体をコレット本体の前端面(1a)の外周寄りの箇所から加工部(17a)に向けて斜めに噴射するように形成されたコレット(1)を採用する。
【0012】
この請求項2に係る発明によれば、オイル等の流体がコレット本体の前端面(1a)の外周寄りの箇所から加工部(17a)に向けて斜めに噴射されるので、加工部(17a)に集中的に流体を供給することができる。また、遠心力の作用に抗する向きに流体が噴射されるので、流体は加工部(17a)に効率的に供給される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<実施の形態1>
図1に示すように、このコレット1は例えばチャック2内に装着される。
【0015】
チャック2には、その後部から前部に向かってシャンク部2a、鍔部2b、筒部2c等が設けられる。
【0016】
シャンク部2aは図示しない工作機械の主軸等に挿入可能に形成される。鍔部2bは図示しない工作機械のクランプにより把持可能に形成される。シャンク部2a及び鍔部2bの軸心すなわちチャック2の軸心上にはオイル、冷却液等の流体を通すための流体供給孔3が筒部2cに通じるように形成される。
【0017】
筒部2cの内面にはコレット1が挿入されるテーパ穴4が形成され、筒部2cの外面には雄ネジ5が形成される。テーパ穴4はコレット1の先端に向かうにつれ拡径するように形成される。図1及び図2に示すように、筒部2cには締付け筒6が被せられ、この締付け筒6の雌ネジ7が筒部2cの雄ネジ5に螺合する。
【0018】
締付け筒6の前半分はチャック2の筒部2cの先端から突出し、その突出した内部には締付けリング8が鋼球9を介して固定される。締付けリング8の内面には、上記筒部2cの先端に向かうにつれ拡径する逆テーパ穴10が形成される。
【0019】
図3及び図4に示すように、コレット1は、軸心に工具保持穴11を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面12を有したコレット本体を備える。
【0020】
コレット本体のテーパ面12は上記筒部2cのテーパ穴4と略同じ勾配に形成される。このためコレット1が筒部1c内に挿入されると、コレット1のテーパ面12が筒部2cのテーパ穴4に密接する。
【0021】
コレット本体には、テーパ面12の後端部に後つなぎ部13が残るように工具保持穴11からテーパ面12にわたって延びる第一のすり割り溝14と、テーパ面12の先端部に前つなぎ部15が残るように工具保持穴11からテーパ面12にわたって延びる第二のすり割り溝16とが形成される。この実施の形態では、第一と第二のすり割り溝14,16はコレット本体の周りに45度間隔で交互に配置される。このようにすり割り溝14,16が形成されることから、コレット本体が筒部2cのテーパ穴4内で軸方向に微小距離スライドすると、コレット本体が半径方向に拡縮し工具保持穴11内に挿入された工具17を解放し又は締め付ける。
【0022】
コレット本体の前部には上記テーパ面12とは逆向きに傾斜する逆テーパ面18が形成される。この逆テーパ面18は上記締付けリング8の逆テーパ穴10に対向し、相互の勾配は略等しい。また、コレット本体のテーパ面12と逆テーパ面18とが交わる箇所には環状溝19が形成され、この環状溝19内に上記締付けリング8の内面に形成された突起20が嵌り込んでいる。図1において上記締付け筒6を締め付け方向に回転させると、締付け筒6が締付けリング8を保持してチャック2の筒部2c側に後退し、締付けリング8がコレット本体を筒部2cのテーパ穴4の奥の方へと押し込む。これにより、コレット本体は縮径して工具17を締め付ける。また、締付け筒6を逆方向に回転させると、締付け筒6が締付けリング8を保持して反筒部側に前進し、締付けリング8が突起20と環状溝19との係合を介してコレット1をテーパ穴4の外へと引き出そうとする。これにより、コレット1はその弾性で拡径し工具を解放する。
【0023】
図4に示すように、コレット本体の前つなぎ部15には、第二のすり割り溝16内からコレット本体の前端面1aへと伸びる流体噴出穴21が形成され、この流体噴出穴21に栓体22が着脱自在に取り付けられる。
【0024】
流体噴出穴21は前つなぎ部15の各々に設けられ、オイル等の流体をコレット本体の前端面1aの外周寄りの箇所から図1に示すように工具17の加工部17aに向けて斜めに噴射するように形成される。具体的には、流体噴出穴21はそれぞれ傾斜角度αでコレット1の軸心側に傾斜し、その延長線aが図1に示すように工具17の加工部17aに収斂するように形成される。流体噴出穴21は必ずしもその全長が傾斜している必要はなく、出口近傍のみが傾斜していることで足りる。
【0025】
栓体22は、望ましくはコレット1の前端面1a上に開口する流体噴出穴21の出口に取り付けられる。栓体22は具体的には埋め込みネジであり、流体噴出穴21の出口に形成された雌ネジに螺合することで流体噴出穴21を塞ぐようになっている。栓体22の頭はコレット1の前端面1a上に露出し、そこにはレンチ等を係止するための係止穴22aが設けられる。レンチ等の操作で栓体22である埋め込みネジを流体噴出穴21から抜き取ると、流体噴出穴21がコレット1の前端面1a上に開口する。
【0026】
上述のごとく、コレット本体の第一のすり割り溝14は、テーパ面12の後端部に後つなぎ部13が残るように形成され、第二のすり割り溝16は、テーパ面12の先端部に前つなぎ部15が残るように形成されるので、締付け筒6の締め付け操作により、コレット本体のテーパ面12が筒部2cのテーパ穴4の内面に密着すると、第二のすり割り溝16が工具17の外周面、前つなぎ部15、テーパ穴4の内周面とで回りを遮断されるので、チャック2の流体供給穴3は流体噴出穴21のみを通してコレット1の前端面1aに通じる。これにより、チャック2と共に回転する工具17が図示しないワークを切削する際、流体供給穴3に流入するオイル等の流体は大きな圧力で直線状の噴流となって流体噴出穴21からコレット1の前方に吹き出す。
【0027】
次に、上記構成のコレットの作用について説明する。
【0028】
図1において、コレット1が装着されたチャック2内から図示の工具17とは異なる中心部に貫通穴を有した工具の内部にオイル等の流体を供給する場合は、図2乃至図4に示すように、栓体22で流体噴出穴21を塞いでおく。これにより、流体は図示しない工具の貫通穴内を通って工具の先端から噴出する。
【0029】
また、図1に示す工具17の外側から加工部17aの方にオイル等の流体を供給する場合は、流体噴出穴21から栓体22を除去する。その際、栓体22はコレット1の先端に露出しており、図示しないレンチを栓体22の係止穴22aに差し込んで栓体22を回し、流体噴出穴21から抜き取る。
【0030】
このように栓体22が除去されると、チャック2の流体供給孔3内に流入する流体はコレット本体の前端面1aの外周寄りの箇所から加工部17aに向けて斜めに噴射され、従って加工部17aに集中的に供給される。また、流体はチャック2の回転に伴う遠心力に抗する向きに噴射されるので、周囲に飛散することなく加工部17aに効率的に供給される。
【0031】
<実施の形態2>
図5及び図6に示すように、この実施の形態2におけるコレット23では、実施の形態1の場合と異なり、第一と第二のすり割り溝14,16が30度間隔で六個ずつ交互に配置され、流体噴出穴21は前つなぎ部15に一つ置きに設けられている。
【0032】
また、流体噴出穴21はそれぞれ傾斜角度βでコレット23の軸心側に傾斜し、その延長線が図1に示すように工具17の加工部17aに収斂するように形成される。流体噴出穴21の出口には栓体22が着脱自在に挿入される。
【0033】
なお、この実施の形態2を示す図5及び図6において実施の形態1におけると同一の部分については同一の符号を用いて示し重複した説明を省略する。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、軸心に工具保持穴を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面を有したコレット本体に、テーパ面の後端部に後つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第一のすり割り溝と、テーパ面の先端部に前つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第二のすり割り溝とが形成され、前つなぎ部に第二のすり割り溝内からコレット本体の前端面へと伸びる流体噴出穴が形成され、この流体噴出穴に栓体が着脱自在に取り付けられたコレットであるから、コレットが装着されたチャック内から工具の内部にオイル等の流体を供給する場合は、栓体で流体噴出穴を塞いで流体をすべて工具内へと供給することができ、工具の外側から加工部の方にオイル等の流体を供給する場合は、流体噴出穴から栓体を除去し、流体を工具の加工部の方へと噴射することができる。従って、流体噴出穴の有るコレットと無いコレットとを用意しておき必要に応じて付け替えるという煩わしい作業が解消される。
【0035】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載のコレットにおいて、流体噴出穴が流体をコレット本体の前端面の外周寄りの箇所から加工部に向けて斜めに噴射するように形成されたことから、オイル等の流体を加工部に集中的に供給することができる。また、遠心力に抗する向きに流体が噴射されるので、流体が効率的に加工部に供給される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコレットを備えたチャックの半断面図である。
【図2】図1に示すチャックの正面図である。
【図3】コレットの正面図である。
【図4】図3中、IV−IV線矢視断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るコレットの正面図である。
【図6】図5中、VI−VI線矢視断面図である。
【符号の説明】
1…コレット
1a…前端面
2…チャック
11…工具保持穴
12…テーパ面
13…後つなぎ部
14…第一のすり割り溝
15…前つなぎ部
16…第二のすり割り溝
17…工具
17a…加工部
21…流体噴出穴
22…栓体
Claims (2)
- 軸心に工具保持穴を有し外周に後端から先端に向かうにつれ大径化するテーパ面を有したコレット本体に、テーパ面の後端部に後つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第一のすり割り溝と、テーパ面の先端部に前つなぎ部が残るように工具保持穴からテーパ面にわたって延びる第二のすり割り溝とが形成され、前つなぎ部に第二のすり割り溝内からコレット本体の前端面へと伸びる流体噴出穴が形成され、この流体噴出穴に栓体が着脱自在に取り付けられたことを特徴とするコレット。
- 請求項1に記載のコレットにおいて、流体噴出穴が流体をコレット本体の前端面の外周寄りの箇所から加工部に向けて斜めに噴射するように形成されたことを特徴とするコレット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151477A JP2004351552A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | コレット |
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JP2003151477A JP2004351552A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | コレット |
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JP2004351552A true JP2004351552A (ja) | 2004-12-16 |
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ID=34046991
Family Applications (1)
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JP2003151477A Pending JP2004351552A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | コレット |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004351552A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012056057A (ja) * | 2010-09-11 | 2012-03-22 | Sakamoto Giken:Kk | 回転切削刃具ホルダ |
US11420271B2 (en) * | 2017-06-22 | 2022-08-23 | Kennametal Inc. | Adapter sleeve and cutting device |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151477A patent/JP2004351552A/ja active Pending
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JP2012056057A (ja) * | 2010-09-11 | 2012-03-22 | Sakamoto Giken:Kk | 回転切削刃具ホルダ |
US11420271B2 (en) * | 2017-06-22 | 2022-08-23 | Kennametal Inc. | Adapter sleeve and cutting device |
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