JP2004351335A - Dna複合酸化物およびその製造方法、さらにdna複合酸化物を用いた環境浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】DNAを効率的に担持体に担持し、且つ、担持された状態のDNAの露出度が高いDNA複合酸化物およびその製造方法、さらにそのDNA複合酸化物を用いた環境浄化システムを提供すること。
【解決手段】酸化物を含む担持体にDNAを担持させて不溶化したDNA複合酸化物を調製する際に、酸化物として、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の縮重合物を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】酸化物を含む担持体にDNAを担持させて不溶化したDNA複合酸化物を調製する際に、酸化物として、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の縮重合物を用いる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNA複合酸化物およびその製造方法に関する。特に、DNAを酸化物マトリックスに強力に担持し、耐水性を発現させ、且つDNAの選択的な認識機能や二重らせんへのインターカレート能力を保持させることのできるDNA複合酸化物およびその製造方法に関する。また、このDNA複合酸化物を用いた環境浄化システム及び環境浄化方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
DNA(デオキシリボ核酸)は生体内で遺伝情報を担う役割を果しており、生命現象にとって最も重要な物質の一つでる。DNAでは、1本鎖のDNAが相補的な1本鎖DNAに対して塩基対が多数形成されるために、きわめて精巧な分子認識能を持つ。この原理に基づくDNAチップを用いた遺伝子診断技術が開発されている。また、バイオセンサー・分子デバイスへの応用が期待されている。更に、DNAの二重らせんが平面的な化学構造をもつ芳香族系化合物を選択的にインターカレーションするため、発ガン性の芳香族系化合物を除去する上で有用であり、空気中又は水中の有害物質を除去する環境浄化材料として期待されている(非特許文献1参照)。
【0003】
前者の用途において、スライドグラスなどの基材の表面に多数のDNA断片(DNAプローブ)等の遺伝子を載せたチップが開発されている。DNAは本来水溶性であり、これらの応用には基材担体に固定化させる技術が必要とされている。生体物質を基板に固定するには、従来より、有機架橋反応が利用されている。例えば、炭素系物質層の表面層を形成した粗面化されたスライドガラスにDNAグループ等の遺伝子、蛋白質、ペプチドなどの生体物質を担持する方法が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、固定化法として、まず、カーボン表面をカルボキシル化した後、カルボジイミド及びN−ヒドロキシスクシンイミドと脱水縮重合することにより、アミド結合を介して炭化水素の末端にN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基等の活性エステル基を設け、表面を活性化させる。このように活性化した後、生体物質を担持させる手法が使われている。また、核酸の定量的検出法及び核酸の定量的検出キットが開示されている(特許文献2参照)。
【0004】
さらに、基板上に核酸を固定化する核酸固定化方法として、基板を原子状酸素プラズマで処理して活性化し、担持する技術が開示されている(特許文献3参照)。これらの技術は何れも担持が基材表面に限定されており、担時プロセスも複雑であるという問題がある。
【0005】
有機架橋反応の他に、金属イオンによる架橋反応なども提案されている。デオキシリボ核酸の固定化方法として、デオキシリボ核酸のアルカリ金属塩とアルギン酸のアルカリ金属塩を2価の金属含有化合物で凝固させることによりデオキシリボ核酸を固定化する方法が開示されている(特許文献4参照)。
【0006】
一方、DNAの環境浄化材料としての用途に関しては、支持体上の水溶液もしくはその液膜、又は支持体上の水溶性DNAの薄層に、波長が250〜270nmの範囲の紫外線を照射することによってDNAを硬化させ、支持体に固定化させた材料が提案されている(特許文献5参照)。さらに、DNAが固定化されている複合体として、無機質固体への固定化担体が開示されている(特許文献6参照)。これらの方法より、DNA間の架橋をもたらし、耐水性を発現させているが、DNAの露出面積が小さく、DNAの機能が完全に引き出されていないという問題がある。
【0007】
【非特許文献1】
「機能材料」、1999年、Vol.19
【特許文献1】
特開2002−211954号公報
【特許文献2】
特開平11−148935号公報
【特許文献3】
特開2002−218976号公報
【特許文献4】
特開平7−41494号公報
【特許文献5】
特開2001−81098号公報
【特許文献6】
特開平10−175994号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した担持法で得られたDNA担持体はDNAの担持強度が強く、且つ効率的に選択吸収や環境浄化などに適用できるDNA複合材料としては十分でない場合が多い。本発明は、このような従来技術における問題を解消するためになされたものであり、DNAを効率的に担持体に担持し、且つ、担持された状態のDNAの露出度が高いDNA複合酸化物およびその製造方法、さらにそのDNA複合酸化物を用いた環境浄化システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明には、次に記載する各態様が含まれる。
(1) 酸化物を含む担持体にDNAを担持させて不溶化してなるDNA複合酸化物であって、
前記酸化物が、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の縮重合物であることを特徴とするDNA複合酸化物。
(2) 前記酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアの少なくとも1種を含む上記(1)記載のDNA複合酸化物。
(3) 前記縮重合物が200℃以上の温度での加熱処理がなされているものである上記(1)項又は(2)項記載のDNA複合酸化物。
(4) 前記DNA複合酸化物に、DNAが0.01%〜15質量%含まれている上記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載のDNA複合酸化物。
(5) 酸化物を含む担持体に不溶化したDNAを担持させてなるDNA複合酸化物の製造方法であって、
アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種を縮重合させて、縮重合物としての酸化物を得る工程と、
該酸化物を担持体とし、該担持体の前記酸化物にDNAを不溶化状態で担持させる工程と、
を有することを特徴とするDNA複合酸化物の製造方法。
(6) 前記酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアの少なくとも1種を含む上記(5)項に記載の製造方法。
(7) 前記縮重合物を更に200℃以上の温度で加熱処理する上記(5)項又は(6)項記載の製造方法。
(8) 前記DNA複合酸化物に、DNAが0.01%〜15質量%含まれている上記(5)項乃至(7)項のいずれかに記載の製造方法。
(9) 水中の有害物質を除去するための環境浄化システムにおいて、請求項(1)項乃至(4)項のいずれかに記載のDNA複合酸化物と、該DNA複合酸化物を有害物質を含む水と接触させるための手段と、を有することを特徴とする環境浄化システム。
(10) 水中の有害物質を除去することによる環境浄化方法において、上記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載のDNA複合酸化物と有害物質を含む水と接触させて、有害物質を該DNA複合酸化物に吸着させる工程を有することを特徴とする環境浄化方法。
【0010】
本発明に係わるDNA複合酸化物は、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種を加水分解・縮重合させ、酸化物担持体を形成させた後、DNAをその酸化物担持体表面に強固に担持させることにより得られたものであり、担持されたDNAは水に対して不溶化する。これによって、DNAの耐水性が発現され、且つDNAが溶け出さない担持能に優れた材料の提供が可能となった。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のDNA複合酸化物は、DNAを担持する担持体としての酸化物と、該酸化物に水不溶化の状態で担持されたDNAとを有する。この酸化物は、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群から選択された少なくとも1種を、加水分解・縮重合させて得られるものである。そして、この酸化物にDNAを担持・不溶化させたことを特徴としている。
【0012】
アルコキシド化合物はM(OR)nの一般式(1)で表され、ここではMは珪素元素または金属元素、Rはアルキル基、アリール基またはアシル基、nは金属元素の酸化数である。
【0013】
Mの例としては、Al、Si、Ti、Zr、Zn、Fe、Mn、Cu、Sn及びMgなどの金属元素が挙げられるが、より好ましくはAl、Si、Ti及びZrである。Rがアルキル基の場合には、好ましいアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基などが挙げられる。同様に、好ましいアリール基として、フェニル基、ベンジル基及びナフチル基などが挙げられる。また、好ましいアシル基として、ホルミル基、アセチル基及びプロピオニル基などが挙げられる。
【0014】
なお、金属がSi、TiまたはZrの場合には、上記一般式(1)における金属元素の酸化数nは4であり、Alの場合には、3となる。
【0015】
金属錯塩には、一例として金属アルコキシドをアセチルアセトンで安定化した金属アセチルアセトナートがある。金属アセチルアセトナートの代表例として、Al、Ti、ZrまたはZnのアセチルアセトナートが挙げられる。
【0016】
金属有機酸塩には、酢酸スズ、オキシ酢酸ジルコニウム及びナフテン酸ジルコニウムなどに代表される金属元素の、酢酸塩、オキシ酢酸塩、ナフテン酸塩及びステアリン酸塩がある。
【0017】
金属ハロゲン化合物としては、金属の塩化物やオキシ塩化物が挙げられ、具体的には、塩化亜鉛、四塩化チタン、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化アルミニウム、塩化ジルコニウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化クロム、塩化鉛、六塩化タングステン、塩化タンタル、五塩化ニオブ、塩化カルシウム、塩化バリウム及び塩化マンガンなどがある。
【0018】
中でも、担持体としての酸化物を形成させる上で、アルコキシド化合物を用いることが好ましい。これは、アルコキシド化合物が反応性に富み、加水分解・縮重合を受けて、金属−酸素の結合からできた重合体を生成しやすいからである。
【0019】
本発明に使用するDNAとしては、担持体に担持させた状態での使用目的を達成できるものであれば、DNAの大きさおよびその種類は特に制限されない。一本鎖のDNA又は二本鎖DNA、例えば魚類の精巣又は動物の胸腺から得られるDNAが挙げられる。例えば、サケ、ニシン又はタラの白子(精巣)から得られるものが好ましい。又、哺乳動物もしくは鳥類、例えば、ウシ、ブタ及びニワトリ等の胸腺から得られるものが好ましい。
【0020】
他の水溶性DNAの例としては、合成DNA、特に(dA)−(dT)の塩基対を持つDNA配列、特に、例えばpoly(dA)−poly(dT)型の配列を持つDNAであってもよい。DNAの分子量として、好ましくは10万以上、より好ましくは50万である。
【0021】
担持体を構成する酸化物にDNAを担持・不溶化させる方法として、DNA水溶液に酸化物を含む担持体を分散させ、酸化物の多孔質構造内にDNA水溶液を含浸させる方法が好ましい。
【0022】
担持体を構成する酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアから選択された少なくとも1種の金属の酸化物であることが好ましい。
【0023】
これらの酸化物は、各々のアルコキシド化合物を加水分解・縮重合させ形成させることが好ましい。
【0024】
アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、アルミニウム−tert−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナートなどが挙げられる。また、これらのオリゴマーを用いても良い。
【0025】
シリコンアルコキシドの具体例として、一般式(2):Si(OR)4で表される各種のものを使用し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等の同一または別異の低級アルキル基が挙げられる。チタニウムアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン等が挙げられる。ジルコニウムアルコキシドとしては、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド等が挙げられる。
【0026】
アルミニウム、シリコン、チタニウムまたはジルコニウムのアルコキシドについては、有機溶媒に溶解させて、アルミニウム、シリコン、チタニウムまたはジルコニウムの溶液をまず調製する。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール及びエチレングリコール−モノ−n−プロピルエーテルなどのアルコール類;n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン及びシクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン及びエチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類;ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの各種のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンなどの各種のケトン類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びジイソプロピルエーテルのような各種のエーテル類;クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素及びテトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド及びエチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。上記のアルコキシド化合物の溶液を調製する場合には、これらの中では、溶液の安定性の点からアルコール類を使用することが好ましい。
【0027】
また、上記のアルコキシド化合物の溶液を調製する際、必要に応じて、アルコキシル基の加水分解を促進したり、縮重合反応を促進するための触媒と、水を添加してもよい。触媒としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸及びアンモニア等を例示することができる。
【0028】
アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド及びジルコニウムアルコキシドは水に対する反応性が高いため、空気中の水分や水の添加により急激に加水分解され溶液の白濁、沈殿を生じる。これらのアルコキシド溶液を後述の酸化物のコーティング膜を形成するための溶液として用いる場合、白濁、沈殿を防止するために、必要に応じて安定化剤を添加し、溶液の安定化を図ることが好ましい。安定化剤としては、例えば、アセチルアセトン、ジピロバイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン化合物類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸−tert−ブチル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル及び3−ケト−n−バレリック酸メチルなどの、β−ケトエステル化合物類;さらには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどの、アルカノールアミン類等を挙げることができる。安定化剤の添加量は、アルコキシドに対しモル比で、0.5〜1.5の範囲内、好ましくは1程度にすることが望ましい。
【0029】
アルコキシド化合物から酸化物を得る場合に、2種以上の金属を酸化物中に含有させる場合は、各アルコキシド化合物の溶液をそれぞれ個々に調製してから混合し、溶媒を蒸発させて乾燥させることで金属酸化物とする方法を用いるのが好ましい。
【0030】
担持体の形態は、必要に応じて、粉末及びバルクの他に、板、管状体、繊維、織布及び不織布などの基体へのコーティング膜として用いることができる。よって、本発明のDNA複合酸化物も、これらの形態として用いることができる。例えば、酸化物担持体の形態がコーティング膜の場合、前記のアルコキシド化合物の溶液をそのままコーティング溶液として用い、板、管状体、繊維、織布及び不織布へコーティング(塗布)し、溶媒を蒸発させて乾燥させることで酸化物のコーティング膜を形成させることができる。また、担持体の形態が粉末やバルクの場合は、調製したアルコキシド化合物のゾル溶液を50℃程度で乾燥させることにより、粉末やバルク形態の酸化物を得ることができる。
【0031】
また、ゾル溶液を噴霧乾燥することによって、粉末状の酸化物を得ることもできる。DNA複合酸化物のバルクを形成させた後、得られたバルク体を粉砕して粉末を得ることもできる。
【0032】
酸化物ゲルネットワークの形成を更に強固とするには、得られた酸化物に、さらに熱処理、水蒸気処理、温水処理、光照射などを行うことが望ましい。中でも、200℃以上800℃以下で熱処理することが特に好ましい。200℃未満の温度での熱処理では、ゲルネットワークを強固にする効果が十分に得られない場合がある。例えば、原料として金属塩化物を用いた場合、熱処理温度が低いとゲルネットワークの形成が十分でなく耐水性に劣る場合がある。また、800℃を超える熱処理では酸化物ゲル表面のシラノール基の数が減少するため、酸化物表面の活性が失われる恐れがある。従って、200℃以上800℃以下の熱処理を行うことにより、酸化物ゲルのネットワークが強固に形成されさらに酸化物表面が活性を保持しているため、酸化物ゲルは耐水性に優れ、かつDNAを強力に担持させることができる。これにより、DNAが水に対して不溶になる。
【0033】
本発明のDNA複合酸化物中におけるDNAの含有量(質量基準)は、0.01%〜15%、より好ましくは0.1%〜10%とすることが望ましい。DNAの含有量が0.01%以上であると、DNA由来の性質の発現効率をより良好とすることができる。一方、含有量が15%以下であると、経済性の問題も無くなり、更に、DNA複合酸化物中に細孔が形成される。これによって、DNAハイブリッド中へのガスや水溶液の移動が速く、表面層のDNAの他に、細孔内部のDNAにおいてもDNA本来の性質が発現することが可能となる。
【0034】
更に、上記したDNA複合酸化物、DNA複合酸化物を担持した板、管状体、繊維、織布及び不織布などを用い、モジュール化することできる。例えば、DNA複合酸化物粉末をカラムに充填し、気体又は液体中の特殊の物質を抽出するという形態を採ることができる。また、牛乳や母乳の濾過材として、DNA複合酸化物担持繊維、織布をフィルタとしたモジュール化への応用も可能である。
【0035】
このモジュールは、各種の排水や廃水、河川、湖沼などの水から有害物質を除去するための環境浄化システムに応用することもできる。例えば、上記のように、DNA複合酸化物、DNA複合酸化物を担持した板、管状体、繊維、織布及び不織布を充填したカラムを、有害物質を含む水とDNA複合酸化物との接触手段として用い、カラム中に水を通してこれを浄化処理することができる。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
アルミニウム−sec−ブトキシド〔Al(O−sec−Bu)3〕を2−プロパノール〔IPA〕中に溶解させ、安定化剤として、アセト酢酸エチル〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。その後、この溶液に0.01M希塩酸〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、Al2O3ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、Al(O−secBu)3:IPA:EAcAc:HClaq.=1:10:1:3の割合とした。次いで、Al2O3ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。
【0037】
一方、サケの白子から得られた二本鎖DNA(分子量、6×106)1質量部を10000質量部のイオン交換水に1日間かけて溶かし、DNAの水溶液を得た。前記Al2O3粉末0.1質量部をDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、Al2O3分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02以下であった。遠心分離により沈降したDNA含有Al2O3を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物1を得た。
【0038】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.01以下であった。97質量%以上のDNAが担持されていることがわかった。このDNA複合酸化物0.5質量部を60ppmの臭化エチジウム水溶液に浸漬し、3時間経過したところ、上澄み液中の臭化エチジウムによる赤着色が低下し、DNA複合酸化物が赤くなった。このことから、DNA複合酸化物中のDNAは、平面構造を有する有害化合物に対するインターカレーション機能を保持していることがわかった。更に、このDNA複合酸化物を窒素吸着法で比表面積を測定したところ、比表面積が160m2/gであった。
【0039】
(実施例2)
テトラエトキシシラン〔TEOS〕、エタノール〔EtOH〕、0.01M〔HClaq.〕を混合し、約3時間室温で攪拌することにより、SiO2ゾル溶液を調製した。溶液のモル比は、TEOS:EtOH:HClaq.=1:10:4の割合とした。次いで、SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたSiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.07であった。遠心分離により沈降したDNA含有SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物2を得た。
【0040】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0041】
(実施例3)
チタニウム−n−ブトキシド〔Ti(O−n−Bu)4〕を〔IPA〕中に溶解させ、安定化剤として、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。その後、この溶液に0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、TiO2ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、Ti(O−n−Bu)4:IPA:EAcAc:HClaq.=1:10:1:3の割合とした。次いで、TiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたTiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、TiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.05であった。遠心分離により沈降したDNA含有TiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物3を得た。
【0042】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0043】
(実施例4)
ジルコニウム−iso−プロポキシド〔Zr(O−iso−Pr)4〕を〔IPA〕中に溶解させ、安定化剤として、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。その後、この溶液に0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、ZrO2ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、Zr(O−iso−Pr)4:IPA:EAcAc:HClaq.=1:10:1:3の割合とした。次いで、ZrO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたZrO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、ZrO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。遠心分離により沈降したDNA含有ZrO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物4を得た。
【0044】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0045】
(実施例5)
〔Al(O−sec−Bu)3〕を〔IPA〕中に溶解させ、安定化剤として、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、Al2O3ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、Al(O−secBu)3:IPA:EAcAc=1:20:1の割合とした。一方、〔Zr(O−iso−Pr)4〕も〔IPA〕中に溶解させ、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、ZrO2ゾル溶液を調製した。溶液のモル比は、Zr(O−iso−Pr)4:IPA:EAcAc=1:20:1の割合とした。このZrO2ゾル溶液を前記Al2O3ゾル溶液中に、質量比で、Al2O3:ZrO2=0.7:0.3となるように添加し、約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、Al2O3−ZrO2ゾルである溶液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Al(O−sec−Bu)3〕と〔Zr(O−iso−Pr)4〕の各々2倍量の合計量とした。次いで、Al2O3−ZrO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたAl2O3−ZrO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、Al2O3−ZrO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。遠心分離により沈降したDNA含有Al2O3−ZrO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物5を得た。
【0046】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。97質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0047】
(実施例6)
Al2O3ゾルは、実施例5と同様の方法で調製した。一方、〔TEOS〕、〔IPA〕、0.01M〔HClaq.〕を混合し、約3時間室温で攪拌することにより、SiO2ゾル溶液を調製した。溶液のモル比は、TEOS:IPA=1:20とし、また〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Al(O−sec−Bu)3〕の等倍量と〔TEOS〕の2倍量の合計量とした。このSiO2ゾル溶液を前記Al2O3ゾル溶液中に、質量比で、Al2O3:SiO2=0.7:0.3となるように添加し、Al2O3−SiO2ゾルである溶液を調製した。次いで、Al2O3−SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたAl2O3−SiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、Al2O3−SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.05であった。遠心分離により沈降したDNA含有Al2O3−SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物6を得た。
【0048】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0049】
(実施例7)
Al2O3ゾルは、実施例5と同様の方法で調製した。一方、〔Ti(O−n−Bu)4〕も〔IPA〕中に溶解させ、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、TiO2ゾル溶液を調製した。溶液のモル比は、Ti(O−n−Bu)4:IPA:EAcAc=1:20:1の割合とした。このTiO2ゾル溶液を前記Al2O3ゾル溶液中に、質量比で、Al2O3:TiO2=0.7:0.3となるように添加し約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、Al2O3−TiO2ゾルである溶液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Al(O−sec−Bu)3〕と〔Ti(O−n−Bu)4〕の各々2倍量の合計量とした。次いで、Al2O3−TiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたAl2O3−TiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、Al2O3−TiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。遠心分離により沈降したDNA含有Al2O3−TiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物7を得た。
【0050】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20重量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0051】
(実施例8)
ZrO2ゾルは実施例5と、TiO2ゾルは実施例7と同様の方法で調製した。このTiO2ゾル溶液を前記ZrO2ゾル溶液中に、質量比で、ZrO2:TiO2=0.7:0.3となるように添加し約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、ZrO2−TiO2ゾルである塗布液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Zr(O−iso−Pr)4〕と〔Ti(O−n−Bu)4〕の各々2倍量の合計量とした。次いで、ZrO2−TiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたZrO2−TiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20重量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、ZrO2−TiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.04であった。遠心分離により沈降したDNA含有ZrO2−TiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物8を得た。
【0052】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0053】
(実施例9)
ZrO2ゾルは実施例5と、SiO2ゾルは実施例6と同様の方法で調製した。このSiO2ゾル溶液を前記ZrO2ゾル溶液中に、重量比で、ZrO2:SiO2=0.7:0.3となるように添加し約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、ZrO2−SiO2ゾルである塗布液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Zr(O−iso−Pr)4〕の等倍量と〔TEOS〕の2倍量の合計量とした。次いで、ZrO2−SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたZrO2−SiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、ZrO2−SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.06であった。遠心分離により沈降したDNA含有ZrO2−SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物9を得た。
【0054】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0055】
(実施例10)
TiO2ゾルは実施例7と、SiO2ゾルは実施例6と同様の方法で調製した。このSiO2ゾル溶液を前記TiO2ゾル溶液中に、質量比で、TiO2:SiO2=0.7:0.3となるように添加し約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、TiO2−SiO2ゾルである塗布液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Ti(O−n−Bu)4〕の等倍量と〔TEOS〕の2倍量の合計量とした。次いで、TiO2−SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたTiO2−SiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、TiO2−SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.05であった。遠心分離により沈降したDNA含有TiO2−SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物10を得た。
【0056】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.04であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0057】
(実施例11)
四塩化チタン〔TiCl4〕に水〔H2O〕を添加し、約1時間室温で攪拌した。その後、この溶液に少量の0.01Mアンモニア水〔NH3aq.〕を添加し、TiO2ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、TiCl4:H2O:NH3aq.=1:5:1の割合とした。次いで、TiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、700℃で熱処理した。得られたTiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、TiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.04であった。遠心分離により沈降したDNA含有TiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物11を得た。
【0058】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.01であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0059】
(実施例12)
塩化カルシウム〔CaCl2〕に〔H2O〕を添加し、約1時間室温で攪拌した。その後、この水溶液を〔TEOS〕と〔EtOH〕の混合溶液中に、CaO:SiO2=0.2:0.8となるように添加し、CaO−SiO2ゾルである溶液を調製した。次いで、CaO−SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、700℃で熱処理した。得られたCaO−SiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、CaO−SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.05であった。遠心分離により沈降したDNA含有CaO−SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物12を得た。
【0060】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0061】
(実施例13)
Al2O3ゾルは、実施例5と同様の方法で調製した。一方、〔CaCl2〕に〔H2O〕を添加し、約1時間室温で攪拌した。その後、この水溶液を前記Al2O3ゾル溶液中に、質量比で、CaO:Al2O3=0.2:0.8となるように添加し、CaO−Al2O3ゾルである溶液を調製した。次いで、CaO−Al2O3ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、700℃で熱処理した。得られたCaO−Al2O3粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、CaO−Al2O3分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。遠心分離により沈降したDNA含有CaO−Al2O3を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物13を得た。
【0062】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、DNAを強固に酸化物マトリックスに担持させたDNA複合酸化物を得ることができる。これにより、DNAが水に対して不溶になる。また、得られたDNA複合酸化物のネットワークは十分に発達しているため、耐水性に優れている。このようなDNA複合酸化物を環境浄化材料とし、環境浄化システムが可能となり、従来技術を上回る効果を達成することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNA複合酸化物およびその製造方法に関する。特に、DNAを酸化物マトリックスに強力に担持し、耐水性を発現させ、且つDNAの選択的な認識機能や二重らせんへのインターカレート能力を保持させることのできるDNA複合酸化物およびその製造方法に関する。また、このDNA複合酸化物を用いた環境浄化システム及び環境浄化方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
DNA(デオキシリボ核酸)は生体内で遺伝情報を担う役割を果しており、生命現象にとって最も重要な物質の一つでる。DNAでは、1本鎖のDNAが相補的な1本鎖DNAに対して塩基対が多数形成されるために、きわめて精巧な分子認識能を持つ。この原理に基づくDNAチップを用いた遺伝子診断技術が開発されている。また、バイオセンサー・分子デバイスへの応用が期待されている。更に、DNAの二重らせんが平面的な化学構造をもつ芳香族系化合物を選択的にインターカレーションするため、発ガン性の芳香族系化合物を除去する上で有用であり、空気中又は水中の有害物質を除去する環境浄化材料として期待されている(非特許文献1参照)。
【0003】
前者の用途において、スライドグラスなどの基材の表面に多数のDNA断片(DNAプローブ)等の遺伝子を載せたチップが開発されている。DNAは本来水溶性であり、これらの応用には基材担体に固定化させる技術が必要とされている。生体物質を基板に固定するには、従来より、有機架橋反応が利用されている。例えば、炭素系物質層の表面層を形成した粗面化されたスライドガラスにDNAグループ等の遺伝子、蛋白質、ペプチドなどの生体物質を担持する方法が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、固定化法として、まず、カーボン表面をカルボキシル化した後、カルボジイミド及びN−ヒドロキシスクシンイミドと脱水縮重合することにより、アミド結合を介して炭化水素の末端にN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基等の活性エステル基を設け、表面を活性化させる。このように活性化した後、生体物質を担持させる手法が使われている。また、核酸の定量的検出法及び核酸の定量的検出キットが開示されている(特許文献2参照)。
【0004】
さらに、基板上に核酸を固定化する核酸固定化方法として、基板を原子状酸素プラズマで処理して活性化し、担持する技術が開示されている(特許文献3参照)。これらの技術は何れも担持が基材表面に限定されており、担時プロセスも複雑であるという問題がある。
【0005】
有機架橋反応の他に、金属イオンによる架橋反応なども提案されている。デオキシリボ核酸の固定化方法として、デオキシリボ核酸のアルカリ金属塩とアルギン酸のアルカリ金属塩を2価の金属含有化合物で凝固させることによりデオキシリボ核酸を固定化する方法が開示されている(特許文献4参照)。
【0006】
一方、DNAの環境浄化材料としての用途に関しては、支持体上の水溶液もしくはその液膜、又は支持体上の水溶性DNAの薄層に、波長が250〜270nmの範囲の紫外線を照射することによってDNAを硬化させ、支持体に固定化させた材料が提案されている(特許文献5参照)。さらに、DNAが固定化されている複合体として、無機質固体への固定化担体が開示されている(特許文献6参照)。これらの方法より、DNA間の架橋をもたらし、耐水性を発現させているが、DNAの露出面積が小さく、DNAの機能が完全に引き出されていないという問題がある。
【0007】
【非特許文献1】
「機能材料」、1999年、Vol.19
【特許文献1】
特開2002−211954号公報
【特許文献2】
特開平11−148935号公報
【特許文献3】
特開2002−218976号公報
【特許文献4】
特開平7−41494号公報
【特許文献5】
特開2001−81098号公報
【特許文献6】
特開平10−175994号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した担持法で得られたDNA担持体はDNAの担持強度が強く、且つ効率的に選択吸収や環境浄化などに適用できるDNA複合材料としては十分でない場合が多い。本発明は、このような従来技術における問題を解消するためになされたものであり、DNAを効率的に担持体に担持し、且つ、担持された状態のDNAの露出度が高いDNA複合酸化物およびその製造方法、さらにそのDNA複合酸化物を用いた環境浄化システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明には、次に記載する各態様が含まれる。
(1) 酸化物を含む担持体にDNAを担持させて不溶化してなるDNA複合酸化物であって、
前記酸化物が、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の縮重合物であることを特徴とするDNA複合酸化物。
(2) 前記酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアの少なくとも1種を含む上記(1)記載のDNA複合酸化物。
(3) 前記縮重合物が200℃以上の温度での加熱処理がなされているものである上記(1)項又は(2)項記載のDNA複合酸化物。
(4) 前記DNA複合酸化物に、DNAが0.01%〜15質量%含まれている上記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載のDNA複合酸化物。
(5) 酸化物を含む担持体に不溶化したDNAを担持させてなるDNA複合酸化物の製造方法であって、
アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種を縮重合させて、縮重合物としての酸化物を得る工程と、
該酸化物を担持体とし、該担持体の前記酸化物にDNAを不溶化状態で担持させる工程と、
を有することを特徴とするDNA複合酸化物の製造方法。
(6) 前記酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアの少なくとも1種を含む上記(5)項に記載の製造方法。
(7) 前記縮重合物を更に200℃以上の温度で加熱処理する上記(5)項又は(6)項記載の製造方法。
(8) 前記DNA複合酸化物に、DNAが0.01%〜15質量%含まれている上記(5)項乃至(7)項のいずれかに記載の製造方法。
(9) 水中の有害物質を除去するための環境浄化システムにおいて、請求項(1)項乃至(4)項のいずれかに記載のDNA複合酸化物と、該DNA複合酸化物を有害物質を含む水と接触させるための手段と、を有することを特徴とする環境浄化システム。
(10) 水中の有害物質を除去することによる環境浄化方法において、上記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載のDNA複合酸化物と有害物質を含む水と接触させて、有害物質を該DNA複合酸化物に吸着させる工程を有することを特徴とする環境浄化方法。
【0010】
本発明に係わるDNA複合酸化物は、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種を加水分解・縮重合させ、酸化物担持体を形成させた後、DNAをその酸化物担持体表面に強固に担持させることにより得られたものであり、担持されたDNAは水に対して不溶化する。これによって、DNAの耐水性が発現され、且つDNAが溶け出さない担持能に優れた材料の提供が可能となった。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のDNA複合酸化物は、DNAを担持する担持体としての酸化物と、該酸化物に水不溶化の状態で担持されたDNAとを有する。この酸化物は、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群から選択された少なくとも1種を、加水分解・縮重合させて得られるものである。そして、この酸化物にDNAを担持・不溶化させたことを特徴としている。
【0012】
アルコキシド化合物はM(OR)nの一般式(1)で表され、ここではMは珪素元素または金属元素、Rはアルキル基、アリール基またはアシル基、nは金属元素の酸化数である。
【0013】
Mの例としては、Al、Si、Ti、Zr、Zn、Fe、Mn、Cu、Sn及びMgなどの金属元素が挙げられるが、より好ましくはAl、Si、Ti及びZrである。Rがアルキル基の場合には、好ましいアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基などが挙げられる。同様に、好ましいアリール基として、フェニル基、ベンジル基及びナフチル基などが挙げられる。また、好ましいアシル基として、ホルミル基、アセチル基及びプロピオニル基などが挙げられる。
【0014】
なお、金属がSi、TiまたはZrの場合には、上記一般式(1)における金属元素の酸化数nは4であり、Alの場合には、3となる。
【0015】
金属錯塩には、一例として金属アルコキシドをアセチルアセトンで安定化した金属アセチルアセトナートがある。金属アセチルアセトナートの代表例として、Al、Ti、ZrまたはZnのアセチルアセトナートが挙げられる。
【0016】
金属有機酸塩には、酢酸スズ、オキシ酢酸ジルコニウム及びナフテン酸ジルコニウムなどに代表される金属元素の、酢酸塩、オキシ酢酸塩、ナフテン酸塩及びステアリン酸塩がある。
【0017】
金属ハロゲン化合物としては、金属の塩化物やオキシ塩化物が挙げられ、具体的には、塩化亜鉛、四塩化チタン、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化アルミニウム、塩化ジルコニウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化クロム、塩化鉛、六塩化タングステン、塩化タンタル、五塩化ニオブ、塩化カルシウム、塩化バリウム及び塩化マンガンなどがある。
【0018】
中でも、担持体としての酸化物を形成させる上で、アルコキシド化合物を用いることが好ましい。これは、アルコキシド化合物が反応性に富み、加水分解・縮重合を受けて、金属−酸素の結合からできた重合体を生成しやすいからである。
【0019】
本発明に使用するDNAとしては、担持体に担持させた状態での使用目的を達成できるものであれば、DNAの大きさおよびその種類は特に制限されない。一本鎖のDNA又は二本鎖DNA、例えば魚類の精巣又は動物の胸腺から得られるDNAが挙げられる。例えば、サケ、ニシン又はタラの白子(精巣)から得られるものが好ましい。又、哺乳動物もしくは鳥類、例えば、ウシ、ブタ及びニワトリ等の胸腺から得られるものが好ましい。
【0020】
他の水溶性DNAの例としては、合成DNA、特に(dA)−(dT)の塩基対を持つDNA配列、特に、例えばpoly(dA)−poly(dT)型の配列を持つDNAであってもよい。DNAの分子量として、好ましくは10万以上、より好ましくは50万である。
【0021】
担持体を構成する酸化物にDNAを担持・不溶化させる方法として、DNA水溶液に酸化物を含む担持体を分散させ、酸化物の多孔質構造内にDNA水溶液を含浸させる方法が好ましい。
【0022】
担持体を構成する酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアから選択された少なくとも1種の金属の酸化物であることが好ましい。
【0023】
これらの酸化物は、各々のアルコキシド化合物を加水分解・縮重合させ形成させることが好ましい。
【0024】
アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、アルミニウム−tert−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナートなどが挙げられる。また、これらのオリゴマーを用いても良い。
【0025】
シリコンアルコキシドの具体例として、一般式(2):Si(OR)4で表される各種のものを使用し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等の同一または別異の低級アルキル基が挙げられる。チタニウムアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン等が挙げられる。ジルコニウムアルコキシドとしては、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド等が挙げられる。
【0026】
アルミニウム、シリコン、チタニウムまたはジルコニウムのアルコキシドについては、有機溶媒に溶解させて、アルミニウム、シリコン、チタニウムまたはジルコニウムの溶液をまず調製する。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール及びエチレングリコール−モノ−n−プロピルエーテルなどのアルコール類;n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン及びシクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン及びエチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類;ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの各種のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンなどの各種のケトン類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びジイソプロピルエーテルのような各種のエーテル類;クロロホルム、メチレンクロライド、四塩化炭素及びテトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド及びエチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。上記のアルコキシド化合物の溶液を調製する場合には、これらの中では、溶液の安定性の点からアルコール類を使用することが好ましい。
【0027】
また、上記のアルコキシド化合物の溶液を調製する際、必要に応じて、アルコキシル基の加水分解を促進したり、縮重合反応を促進するための触媒と、水を添加してもよい。触媒としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸及びアンモニア等を例示することができる。
【0028】
アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド及びジルコニウムアルコキシドは水に対する反応性が高いため、空気中の水分や水の添加により急激に加水分解され溶液の白濁、沈殿を生じる。これらのアルコキシド溶液を後述の酸化物のコーティング膜を形成するための溶液として用いる場合、白濁、沈殿を防止するために、必要に応じて安定化剤を添加し、溶液の安定化を図ることが好ましい。安定化剤としては、例えば、アセチルアセトン、ジピロバイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン及びジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン化合物類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸−tert−ブチル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル及び3−ケト−n−バレリック酸メチルなどの、β−ケトエステル化合物類;さらには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどの、アルカノールアミン類等を挙げることができる。安定化剤の添加量は、アルコキシドに対しモル比で、0.5〜1.5の範囲内、好ましくは1程度にすることが望ましい。
【0029】
アルコキシド化合物から酸化物を得る場合に、2種以上の金属を酸化物中に含有させる場合は、各アルコキシド化合物の溶液をそれぞれ個々に調製してから混合し、溶媒を蒸発させて乾燥させることで金属酸化物とする方法を用いるのが好ましい。
【0030】
担持体の形態は、必要に応じて、粉末及びバルクの他に、板、管状体、繊維、織布及び不織布などの基体へのコーティング膜として用いることができる。よって、本発明のDNA複合酸化物も、これらの形態として用いることができる。例えば、酸化物担持体の形態がコーティング膜の場合、前記のアルコキシド化合物の溶液をそのままコーティング溶液として用い、板、管状体、繊維、織布及び不織布へコーティング(塗布)し、溶媒を蒸発させて乾燥させることで酸化物のコーティング膜を形成させることができる。また、担持体の形態が粉末やバルクの場合は、調製したアルコキシド化合物のゾル溶液を50℃程度で乾燥させることにより、粉末やバルク形態の酸化物を得ることができる。
【0031】
また、ゾル溶液を噴霧乾燥することによって、粉末状の酸化物を得ることもできる。DNA複合酸化物のバルクを形成させた後、得られたバルク体を粉砕して粉末を得ることもできる。
【0032】
酸化物ゲルネットワークの形成を更に強固とするには、得られた酸化物に、さらに熱処理、水蒸気処理、温水処理、光照射などを行うことが望ましい。中でも、200℃以上800℃以下で熱処理することが特に好ましい。200℃未満の温度での熱処理では、ゲルネットワークを強固にする効果が十分に得られない場合がある。例えば、原料として金属塩化物を用いた場合、熱処理温度が低いとゲルネットワークの形成が十分でなく耐水性に劣る場合がある。また、800℃を超える熱処理では酸化物ゲル表面のシラノール基の数が減少するため、酸化物表面の活性が失われる恐れがある。従って、200℃以上800℃以下の熱処理を行うことにより、酸化物ゲルのネットワークが強固に形成されさらに酸化物表面が活性を保持しているため、酸化物ゲルは耐水性に優れ、かつDNAを強力に担持させることができる。これにより、DNAが水に対して不溶になる。
【0033】
本発明のDNA複合酸化物中におけるDNAの含有量(質量基準)は、0.01%〜15%、より好ましくは0.1%〜10%とすることが望ましい。DNAの含有量が0.01%以上であると、DNA由来の性質の発現効率をより良好とすることができる。一方、含有量が15%以下であると、経済性の問題も無くなり、更に、DNA複合酸化物中に細孔が形成される。これによって、DNAハイブリッド中へのガスや水溶液の移動が速く、表面層のDNAの他に、細孔内部のDNAにおいてもDNA本来の性質が発現することが可能となる。
【0034】
更に、上記したDNA複合酸化物、DNA複合酸化物を担持した板、管状体、繊維、織布及び不織布などを用い、モジュール化することできる。例えば、DNA複合酸化物粉末をカラムに充填し、気体又は液体中の特殊の物質を抽出するという形態を採ることができる。また、牛乳や母乳の濾過材として、DNA複合酸化物担持繊維、織布をフィルタとしたモジュール化への応用も可能である。
【0035】
このモジュールは、各種の排水や廃水、河川、湖沼などの水から有害物質を除去するための環境浄化システムに応用することもできる。例えば、上記のように、DNA複合酸化物、DNA複合酸化物を担持した板、管状体、繊維、織布及び不織布を充填したカラムを、有害物質を含む水とDNA複合酸化物との接触手段として用い、カラム中に水を通してこれを浄化処理することができる。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
アルミニウム−sec−ブトキシド〔Al(O−sec−Bu)3〕を2−プロパノール〔IPA〕中に溶解させ、安定化剤として、アセト酢酸エチル〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。その後、この溶液に0.01M希塩酸〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、Al2O3ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、Al(O−secBu)3:IPA:EAcAc:HClaq.=1:10:1:3の割合とした。次いで、Al2O3ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。
【0037】
一方、サケの白子から得られた二本鎖DNA(分子量、6×106)1質量部を10000質量部のイオン交換水に1日間かけて溶かし、DNAの水溶液を得た。前記Al2O3粉末0.1質量部をDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、Al2O3分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02以下であった。遠心分離により沈降したDNA含有Al2O3を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物1を得た。
【0038】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.01以下であった。97質量%以上のDNAが担持されていることがわかった。このDNA複合酸化物0.5質量部を60ppmの臭化エチジウム水溶液に浸漬し、3時間経過したところ、上澄み液中の臭化エチジウムによる赤着色が低下し、DNA複合酸化物が赤くなった。このことから、DNA複合酸化物中のDNAは、平面構造を有する有害化合物に対するインターカレーション機能を保持していることがわかった。更に、このDNA複合酸化物を窒素吸着法で比表面積を測定したところ、比表面積が160m2/gであった。
【0039】
(実施例2)
テトラエトキシシラン〔TEOS〕、エタノール〔EtOH〕、0.01M〔HClaq.〕を混合し、約3時間室温で攪拌することにより、SiO2ゾル溶液を調製した。溶液のモル比は、TEOS:EtOH:HClaq.=1:10:4の割合とした。次いで、SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたSiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.07であった。遠心分離により沈降したDNA含有SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物2を得た。
【0040】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0041】
(実施例3)
チタニウム−n−ブトキシド〔Ti(O−n−Bu)4〕を〔IPA〕中に溶解させ、安定化剤として、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。その後、この溶液に0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、TiO2ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、Ti(O−n−Bu)4:IPA:EAcAc:HClaq.=1:10:1:3の割合とした。次いで、TiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたTiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、TiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.05であった。遠心分離により沈降したDNA含有TiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物3を得た。
【0042】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0043】
(実施例4)
ジルコニウム−iso−プロポキシド〔Zr(O−iso−Pr)4〕を〔IPA〕中に溶解させ、安定化剤として、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。その後、この溶液に0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、ZrO2ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、Zr(O−iso−Pr)4:IPA:EAcAc:HClaq.=1:10:1:3の割合とした。次いで、ZrO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたZrO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、ZrO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。遠心分離により沈降したDNA含有ZrO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物4を得た。
【0044】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0045】
(実施例5)
〔Al(O−sec−Bu)3〕を〔IPA〕中に溶解させ、安定化剤として、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、Al2O3ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、Al(O−secBu)3:IPA:EAcAc=1:20:1の割合とした。一方、〔Zr(O−iso−Pr)4〕も〔IPA〕中に溶解させ、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、ZrO2ゾル溶液を調製した。溶液のモル比は、Zr(O−iso−Pr)4:IPA:EAcAc=1:20:1の割合とした。このZrO2ゾル溶液を前記Al2O3ゾル溶液中に、質量比で、Al2O3:ZrO2=0.7:0.3となるように添加し、約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、Al2O3−ZrO2ゾルである溶液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Al(O−sec−Bu)3〕と〔Zr(O−iso−Pr)4〕の各々2倍量の合計量とした。次いで、Al2O3−ZrO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたAl2O3−ZrO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、Al2O3−ZrO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。遠心分離により沈降したDNA含有Al2O3−ZrO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物5を得た。
【0046】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。97質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0047】
(実施例6)
Al2O3ゾルは、実施例5と同様の方法で調製した。一方、〔TEOS〕、〔IPA〕、0.01M〔HClaq.〕を混合し、約3時間室温で攪拌することにより、SiO2ゾル溶液を調製した。溶液のモル比は、TEOS:IPA=1:20とし、また〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Al(O−sec−Bu)3〕の等倍量と〔TEOS〕の2倍量の合計量とした。このSiO2ゾル溶液を前記Al2O3ゾル溶液中に、質量比で、Al2O3:SiO2=0.7:0.3となるように添加し、Al2O3−SiO2ゾルである溶液を調製した。次いで、Al2O3−SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたAl2O3−SiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、Al2O3−SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.05であった。遠心分離により沈降したDNA含有Al2O3−SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物6を得た。
【0048】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0049】
(実施例7)
Al2O3ゾルは、実施例5と同様の方法で調製した。一方、〔Ti(O−n−Bu)4〕も〔IPA〕中に溶解させ、〔EAcAc〕を添加し、約3時間室温で攪拌することにより、TiO2ゾル溶液を調製した。溶液のモル比は、Ti(O−n−Bu)4:IPA:EAcAc=1:20:1の割合とした。このTiO2ゾル溶液を前記Al2O3ゾル溶液中に、質量比で、Al2O3:TiO2=0.7:0.3となるように添加し約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、Al2O3−TiO2ゾルである溶液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Al(O−sec−Bu)3〕と〔Ti(O−n−Bu)4〕の各々2倍量の合計量とした。次いで、Al2O3−TiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたAl2O3−TiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、Al2O3−TiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。遠心分離により沈降したDNA含有Al2O3−TiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物7を得た。
【0050】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20重量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0051】
(実施例8)
ZrO2ゾルは実施例5と、TiO2ゾルは実施例7と同様の方法で調製した。このTiO2ゾル溶液を前記ZrO2ゾル溶液中に、質量比で、ZrO2:TiO2=0.7:0.3となるように添加し約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、ZrO2−TiO2ゾルである塗布液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Zr(O−iso−Pr)4〕と〔Ti(O−n−Bu)4〕の各々2倍量の合計量とした。次いで、ZrO2−TiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたZrO2−TiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20重量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、ZrO2−TiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.04であった。遠心分離により沈降したDNA含有ZrO2−TiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物8を得た。
【0052】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0053】
(実施例9)
ZrO2ゾルは実施例5と、SiO2ゾルは実施例6と同様の方法で調製した。このSiO2ゾル溶液を前記ZrO2ゾル溶液中に、重量比で、ZrO2:SiO2=0.7:0.3となるように添加し約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、ZrO2−SiO2ゾルである塗布液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Zr(O−iso−Pr)4〕の等倍量と〔TEOS〕の2倍量の合計量とした。次いで、ZrO2−SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたZrO2−SiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、ZrO2−SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.06であった。遠心分離により沈降したDNA含有ZrO2−SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物9を得た。
【0054】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0055】
(実施例10)
TiO2ゾルは実施例7と、SiO2ゾルは実施例6と同様の方法で調製した。このSiO2ゾル溶液を前記TiO2ゾル溶液中に、質量比で、TiO2:SiO2=0.7:0.3となるように添加し約30分間攪拌した後、0.01M〔HClaq.〕を添加し、約3時間室温で攪拌した。以上のようにして、TiO2−SiO2ゾルである塗布液を調製した。ここで、〔HClaq.〕の添加量はモル比で〔Ti(O−n−Bu)4〕の等倍量と〔TEOS〕の2倍量の合計量とした。次いで、TiO2−SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、600℃で熱処理した。得られたTiO2−SiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、TiO2−SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.05であった。遠心分離により沈降したDNA含有TiO2−SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物10を得た。
【0056】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.04であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0057】
(実施例11)
四塩化チタン〔TiCl4〕に水〔H2O〕を添加し、約1時間室温で攪拌した。その後、この溶液に少量の0.01Mアンモニア水〔NH3aq.〕を添加し、TiO2ゾル溶液を調製した。ここで溶液のモル比は、TiCl4:H2O:NH3aq.=1:5:1の割合とした。次いで、TiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、700℃で熱処理した。得られたTiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、TiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.04であった。遠心分離により沈降したDNA含有TiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物11を得た。
【0058】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.01であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0059】
(実施例12)
塩化カルシウム〔CaCl2〕に〔H2O〕を添加し、約1時間室温で攪拌した。その後、この水溶液を〔TEOS〕と〔EtOH〕の混合溶液中に、CaO:SiO2=0.2:0.8となるように添加し、CaO−SiO2ゾルである溶液を調製した。次いで、CaO−SiO2ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、700℃で熱処理した。得られたCaO−SiO2粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、CaO−SiO2分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.05であった。遠心分離により沈降したDNA含有CaO−SiO2を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物12を得た。
【0060】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。95質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0061】
(実施例13)
Al2O3ゾルは、実施例5と同様の方法で調製した。一方、〔CaCl2〕に〔H2O〕を添加し、約1時間室温で攪拌した。その後、この水溶液を前記Al2O3ゾル溶液中に、質量比で、CaO:Al2O3=0.2:0.8となるように添加し、CaO−Al2O3ゾルである溶液を調製した。次いで、CaO−Al2O3ゾル溶液を50℃で乾燥させることにより乾燥ゲルを得、それをメノウ乳鉢で粉砕後、700℃で熱処理した。得られたCaO−Al2O3粉末0.1質量部を実施例1で用いたDNA水溶液20質量部に加え、5時間ゆっくり攪拌した。その後、CaO−Al2O3分散DNA水溶液を遠心分離し、その上澄み液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.03であった。遠心分離により沈降したDNA含有CaO−Al2O3を50℃で24時間乾燥し、DNAの含有量が約2質量%のDNA複合酸化物13を得た。
【0062】
このDNA複合酸化物の溶出実験を行った。20質量部のイオン交換水に0.1質量部のDNA複合酸化物の粉末を加えた。密閉条件下、室温で48時間静置し、その上澄みの液を分光光度計(日立、U−3310)を用いて、260nmにおけるDNAによる吸光度を測定したところ、吸光度が0.02であった。96質量%のDNAが担持されていることがわかった。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、DNAを強固に酸化物マトリックスに担持させたDNA複合酸化物を得ることができる。これにより、DNAが水に対して不溶になる。また、得られたDNA複合酸化物のネットワークは十分に発達しているため、耐水性に優れている。このようなDNA複合酸化物を環境浄化材料とし、環境浄化システムが可能となり、従来技術を上回る効果を達成することができる。
Claims (10)
- 酸化物を含む担持体にDNAを担持させて不溶化してなるDNA複合酸化物であって、
前記酸化物が、アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種の縮重合物であることを特徴とするDNA複合酸化物。 - 前記酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアの少なくとも1種を含む請求項1記載のDNA複合酸化物。
- 前記縮重合物が200℃以上の温度での加熱処理がなされているものである請求項1又は2記載のDNA複合酸化物。
- 前記DNA複合酸化物に、DNAが0.01%〜15質量%含まれている請求項1乃至3のいずれかに記載のDNA複合酸化物。
- 酸化物を含む担持体に不溶化したDNAを担持させてなるDNA複合酸化物の製造方法であって、
アルコキシド化合物、金属錯塩、金属有機酸塩及び金属ハロゲン化合物からなる群より選択された少なくとも1種を縮重合させて、縮重合物としての酸化物を得る工程と、
該酸化物を担持体とし、該担持体の前記酸化物にDNAを不溶化状態で担持させる工程と、
を有することを特徴とするDNA複合酸化物の製造方法。 - 前記酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア及びジルコニアの少なくとも1種を含む請求項5記載の製造方法。
- 前記縮重合物を更に200℃以上の温度で加熱処理する請求項5又は6記載の製造方法。
- 前記DNA複合酸化物に、DNAが0.01%〜15質量%含まれている請求項5乃至7のいずれかに記載の製造方法。
- 水中の有害物質を除去するための環境浄化システムにおいて、請求項1乃至4のいずれかに記載のDNA複合酸化物と、該DNA複合酸化物を有害物質を含む水と接触させるための手段と、を有することを特徴とする環境浄化システム。
- 水中の有害物質を除去することによる環境浄化方法において、請求項1乃至4のいずれかに記載のDNA複合酸化物と有害物質を含む水と接触させて、有害物質を該DNA複合酸化物に吸着させる工程を有することを特徴とする環境浄化方法。
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