JP2004350887A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】ボーナス当選のストックの有無に関する演出を行うことで、ストック機ならではの期待感を遊技者に与え、遊技の興趣を向上させる。
【解決手段】内部抽選でボーナスに当選したときは、その当選が一旦ストックされ、既にボーナス当選フラグが設定されていなければ、ストックからシフトされてボーナス当選フラグが設定されると共に、遊技状態がボーナス入賞の不可能なRT(所定ゲーム数で解除)に制御される。スタートレバーの操作時に送信される当選状況通知コマンド(ストック数やRT残りゲーム数を含む)に基づいて、ストック状況の報知演出を行うか否か、行う場合には報知演出の態様も決定される。報知演出は、決定された態様に従って順に段階が変化していき、第3リール停止時においてストックがどの程度の確率であるかの結論が示される(e−1)〜(e−3)。次ゲームの賭け数設定時に、一旦示された結論が逆転される場合もある(f)。
【選択図】 図11
【解決手段】内部抽選でボーナスに当選したときは、その当選が一旦ストックされ、既にボーナス当選フラグが設定されていなければ、ストックからシフトされてボーナス当選フラグが設定されると共に、遊技状態がボーナス入賞の不可能なRT(所定ゲーム数で解除)に制御される。スタートレバーの操作時に送信される当選状況通知コマンド(ストック数やRT残りゲーム数を含む)に基づいて、ストック状況の報知演出を行うか否か、行う場合には報知演出の態様も決定される。報知演出は、決定された態様に従って順に段階が変化していき、第3リール停止時においてストックがどの程度の確率であるかの結論が示される(e−1)〜(e−3)。次ゲームの賭け数設定時に、一旦示された結論が逆転される場合もある(f)。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関し、特にストック機能を備えるスロットマシンにおけるストックの有無の報知に関する。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは、一般に、外周部に複数種類の図柄が描かれた複数のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールの回転を停止したときにおける表示態様に従って入賞が発生するものである。そして、発生した入賞の種類によっては、有価価値としてのメダルの払い出しが行われるだけでなく、ビッグボーナスやレギュラーボーナス(以下、これらをまとめて単にボーナスという)と呼ばれる特別遊技状態に移行し、遊技者にとって有利な状態で遊技が進行するようになっている。
【0003】
ボーナスを含む各役の入賞が発生するためには、事前(通常は、スタートレバー操作時)に行われる内部抽選において当該役に当選し、対応する当選フラグが設定されている必要がある。最近のスロットマシンには、各ゲームにおいて行った内部抽選におけるボーナス当選を複数持ち越す機能(以下、ストック機能)を持つものがある。このストック機能を実現するためには、ボーナス当選をしても所定の条件が成立するまではボーナス入賞させないように制御する必要がある。
【0004】
ここで、ボーナス当選フラグが設定されているときに、ボーナス入賞を可能な状態とするか不可能な状態とするかが内部的に区別されなければならない。この区別は、遊技状態を変更した方がされやすくなる。このようにボーナス当選フラグが設定されていてもボーナス入賞させないための方法として、遊技状態をRT(Replay Time)に制御し、この間にボーナス入賞が不可能なリール制御テーブルを選択するようにしたものがある(例えば、特許文献1乃至4参照)。ストック機能を有するスロットマシンでは、このような制御を行うことで短い間隔でボーナスが発生し得るようにしたものである。
【0005】
ボーナス当選フラグが設定されていて、遊技状態がRTに設定されているストックありのときは、ボーナス入賞が不可能なことではストックがないときと変わりがない。もっとも、既にストックがある状態からボーナス入賞するためには、RTの解除条件の成立という条件だけが成立すればよいので、短期間のうちに次のボーナス入賞が発生することを期待できるようになる。一方、ストックがない状態からボーナス入賞するためには、まずボーナスに当選し、そこからRTの解除条件が成立するという2段階の条件が必要となるので、却って短期間で次のボーナス入賞することは期待できなくなってしまう。
【0006】
ところで、ストック機でないスロットマシンにおいては、ボーナス当選フラグが設定されれば、そこでボーナス入賞を期待できるようになる。従来のスロットマシンにおいて、ボーナス当選フラグの設定状況の報知(予告及び告知)を様々な演出を用いて行い、遊技者の期待感を高めさせて遊技の興趣を向上させることが一般的に行われていた(例えば、特許文献5参照)。もっとも、ボーナスの終了から次のボーナス入賞までの期間の期待値を、ボーナス当選の確率以上には高くすることはできなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−219212号公報
【特許文献2】
特開2002−219213号公報
【特許文献3】
特開2002−219214号公報
【特許文献4】
特開2002−272913号公報
【特許文献5】
特開平11−164934号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献5に示すスロットマシンのような演出は、ストック機能を有するスロットマシンにおいても行われていた。つまり、ボーナス当選フラグが設定された後、RTが解除されてボーナス入賞が可能となると、これと同じような演出を行うものとしていたが、その演出は、ボーナス当選がストックされているかどうかに関わらず行われるものであった。
【0009】
しかしながら、ストック機能を有するスロットマシンでは、ボーナス当選がストックされているときに、ボーナス当選確率に従って求められるよりも短い間隔でボーナス入賞を発生させたり、逆に長い期間に亘ってボーナス入賞を発生させなかったりすることが可能となるという、ストック機能を有しないスロットマシンにはない特徴がある。にもかかわらず、ボーナス入賞の可能性を報知するための演出として、ストック機能を有しないスロットマシンと同様の演出(ストックの解除に対しての演出)しか行っていなかった。このため、ボーナス当選がストックされているか否かが遊技者にとって分からず、ストック機能を有するスロットマシンに特有の期待感を遊技者に与えることができなかった。
【0010】
本発明は、特別入賞の決定情報の持ち越し状況(いわゆるボーナス当選のストックの有無に関する状況)に関する演出を行うことで、いわゆるストック機ならではの期待感を遊技者に与え、遊技の興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかるスロットマシンは、
1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(可変表示装置2)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定し、その結果を示す決定情報を設定する事前決定手段(ステップS102〜S113)と、
前記事前決定手段により特別入賞(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)の発生が許容された旨を示す決定情報が設定され、該決定情報により許容された特別入賞が発生しないときに、当該決定情報を次ゲーム以降に持ち越すと共に、前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報を複数個持ち越すことが可能な決定情報持越手段(ステップS107、S109)と、
前記特別入賞が発生したときに、所定の終了条件が成立するまで(ステップS205)、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御する遊技状態制御手段(ステップS6、S206)と、
前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定されているときに、前記特別入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御する不可状態制御手段(ステップS111、S209)と、
前記不可状態制御手段により制御された前記不可状態を解除し、前記特別入賞の発生が可能または容易な可状態とする不可状態解除手段(ステップS101)と、
前記決定情報持越手段における前記特別入賞の決定情報の持ち越し状況に応じて、複数種類の演出態様からいずれかの演出態様を選択し(ステップS305)、該選択した演出態様で前記決定情報の持ち越し状況に関する演出を演出手段(液晶表示器4)に実行させる(ステップS308、S310、S314)演出制御手段(演出制御基板102)と
を備えることを特徴とする。
【0012】
なお、特別入賞の発生が不可能な不可状態とは、その発生が完全に不可能な状態であり、これが解除された状態が特別入賞の発生が可能な可状態ということである。一方、特別入賞の発生が困難な不可状態とは、特別入賞の発生が完全に不可能という訳ではないが、かなり低い確率でしか発生し得ない状態であり、これが解除された状態が特別入賞の発生が容易な可状態ということである。
【0013】
上記スロットマシンでは、特別入賞の決定情報の持ち越し状況に応じた演出態様で演出が行われるものとなる。この演出で特別入賞の決定情報が持ち越されているか否かについての情報を遊技者が得ることができるので、特別入賞の決定情報を持ち越す機能を有するスロットマシン(いわゆるストック機)ならではの期待感を遊技者に与えることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0014】
上記スロットマシンにおいて、
前記不可状態は、解除されるまでの期待ゲーム数が所定ゲーム数よりも大きい第1の段階(RT残りゲーム数が11以上、RT解除抽選の当選前)と、該期待ゲーム数が所定ゲーム数以下の第2の段階(RT残りゲーム数が10以下、演出用RT)とに順番に制御されるものであってもよい。この場合において、
前記演出制御手段は、前記不可状態として第1の段階にあるときよりも第2の段階にあるときに高い確率で、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す演出態様を選択することができる(ステップS305、図11(e−3)及び(f))。
【0015】
ここで、報知手段から特別入賞の決定情報が持ち越されている旨が確定的に報知されたときには、単に特別入賞の決定情報が持ち越されていることだけでなく、第1の段階よりも第2の段階に制御されている可能性が高いことを示すことができる。これにより、不可状態の解除が近いことまで遊技者に期待させることができる。なお、特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す演出態様を選択する確率は、第1の段階にあるときには0%としてもよい。また、第2の段階にあるときは、100%としてもよい。
【0016】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記決定情報持越手段に前記特別入賞の決定情報が持ち越されている数に応じて、前記複数種類の演出態様から前記演出手段に実行させる演出の演出態様を選択することができる(ステップS305、図11(e−1)及び(e−2))。
【0017】
この場合には、どのような演出態様で演出が行われたかにより、単に特別入賞の決定情報が持ち越されているだけでなく、その持ち越されている数の多いことも遊技者に期待させることもできるようになる。これにより、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0018】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記決定情報持越手段に前記特別入賞の決定情報が持ち越されている数が多いほど高い確率で、前記決定情報の持ち越し状況に関する演出を前記演出手段に実行させることができる(ステップS305、図11(e−1)及び(e−2))。
【0019】
この場合には、演出手段において演出が実行される頻度が高くなれば、単に特別入賞の決定情報が持ち越されているだけでなく、その持ち越されている数の多いことも遊技者に期待させることができる。これにより、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0020】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記特別遊技状態の終了後に消化したゲーム数に応じて、前記複数種類の演出態様から前記演出手段に実行させる演出の演出態様を選択することができる(ステップS305、図11(e−1)及び(e−2))。
【0021】
例えば、特別遊技状態の終了後に消化したゲーム数が所定ゲーム数以下であるときには、特定の種類の演出態様(特に特別入賞の決定情報が持ち越されている確率が高いことを示す演出態様)が選択されやすいものとすることができる。これによって、特別遊技状態が終了した後に直ぐに次の特別入賞が発生することを遊技者に期待させることができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0022】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、選択した演出態様として予め設定された複数段階の態様を順次切り替えて示す(ステップS308、S310、S314)と共に、該複数段階の最終態様を示すことにより前記持ち越し状況を報知する(ステップS310、S314)ものとすることができる。
【0023】
この場合において、
前記演出制御手段は、ゲームの進行上の段階の変化(スタートレバーの操作、停止ボタンの操作)に従って、前記複数の段階を順次切り替えて示すものとすることができる。
【0024】
この場合には、演出の段階が進むにつれて、遊技者の期待感を徐々に高めさせて行くことができ、遊技の興趣を向上させることができる。特にゲームの進行上の段階の変化に合わせて段階の切り替えを行うことで、遊技者の期待感の高まりがゲームの進行上の段階の変化につれて生じるようにでき、遊技の興趣を向上させることができる。
【0025】
この場合において、前記演出制御手段が選択する演出態様は、前記複数段階の最終態様を当該ゲームにおいて示す第1の演出態様と、前記複数段階の最終態様を次のゲームに関して所定の条件が成立したときに示す第2の演出態様とを含んでいてもよい(ステップS314、図11(f))。
【0026】
この場合には、次のゲームに移行してから最終態様が示されることも生じるので、次のゲームに移行してまで遊技者の期待感を持続させることができる。
【0027】
ここで、 前記第2の演出態様において当該ゲームにおいて示される前記最終態様よりも前の段階の態様は、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示さない前記第1の演出態様における最終態様と同様の態様(ステップS310、図11(e−2))であってもよく、
前記第2の演出態様において次のゲームに関して所定の条件が成立したときに示される最終態様は、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す態様(ステップS314、図11(f))であってもよい。
【0028】
ここでは、演出の開始した当該ゲーム中で最終的に示された段階の態様では、遊技者にとって、特別入賞の決定情報が持ち越されているとは限らないものと考えられて、遊技者の期待感が最大限に高まることはない。そして、次のゲームに移行してから特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す最終態様が示されて、遊技者の期待感が最大限に高まることとなる。このように遊技者の期待感の変化の高低差を大きなものとすることで、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。図2は、図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。図3は、図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19(図1)にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。
【0031】
図1〜図3を参照して説明すると、このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MRの駆動によって回転/停止させられる。
【0032】
リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「色なし7」、「色つき7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SRと、背面から光を照射するリールランプ3LPとが設けられている。
【0033】
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51によって構成され、後述するビッグボーナスやレギュラーボーナス時にゲーム数、入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。
【0034】
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
【0035】
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、賭け数に応じて有効化されたライン(以下、有効ラインという)に対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
【0036】
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
【0037】
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。演出用の画像としては、後述するボーナス当選がストックされているか否かを予告または告知するための画像が含まれる。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
【0038】
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図4参照)が内部に配されている。
【0039】
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図4参照)またはMAXBETスイッチ46(図4参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図4参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
【0040】
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図4参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。。
【0041】
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図4参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図4参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。
【0042】
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図4参照)が点灯状態となることで、後述するビッグボーナス当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが100%の確率で設定されていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
【0043】
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。ホッパー80は、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されている。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図4参照)が発した光が照射される。ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク95の内部には、貯留するメダルが満タンになったことを検知する満タンセンサ90が設けられている。
【0044】
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時及びビッグボーナス、レギュラーボーナス突入時の効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
【0045】
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75Mの発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
【0046】
また、スロットマシン1の内部には、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112(図5参照))をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94を備える電源ユニット9が設けられている。
【0047】
上記の各部を制御する制御基板として、内部下側に配された電源基板100、内部上側にそれぞれ配された遊技制御基板101、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105、並びに前面扉裏側に配された演出制御基板102が設けられている。図4は、各制御基板100〜105を含む、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図5は、遊技制御基板101及び演出制御基板102に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【0048】
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。なお、図4では、遊技制御基板101及びホッパー80にのみ接続されているが、他の各部への電力の供給も行っている。また、電源基板100には、設定スイッチ91、設定キースイッチ92、第2リセットスイッチ93、メインスイッチ94が接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。
【0049】
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、バッファ回路117、スイッチ回路118、モータ回路119その他の回路を搭載している。
【0050】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0051】
乱数発生回路115は、例えばシステムクロックが所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。
【0052】
CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
【0053】
CPU111は、I/Oポート114及びバッファ回路117を介して演出制御基板102に、後述する当選状況通知コマンドなどを含む各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報が送られることはない。
【0054】
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
【0055】
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
【0056】
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、ROM113内の遊技状態に対応したリール制御テーブルを参照して、モータ回路119及びリール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MLを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。なお、遊技状態が後述するRT(Replay Time)にあるときに参照されるリール制御テーブルによっては、ボーナス入賞がされないようになっている。
【0057】
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
【0058】
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、バッファ回路127及びI/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンド(特に当選状況通知コマンド)に基づいて行われる。演出には、後述するボーナス当選のストックの予告または告知も含まれる。
【0059】
RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0060】
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されており、これらを駆動するため、スピーカ駆動回路131、表示駆動回路132、ランプ駆動回路133等を備えている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
【0061】
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。
【0062】
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞が発生するためには、当該役の内部当選フラグが設定されている必要があるが、その詳細については後述する。入賞の際には、メダルの払い出しが行われ、また、入賞に伴って遊技状態が変化させられる(但し、RT及びATへの制御は、入賞の発生に伴って行われるものではない)。以下、これらの入賞と判定される“役”について説明する。
【0063】
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に、例えば「BAR」が3つ揃った場合、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、レギュラーボーナスゲーム(JACゲーム)と称されるゲームを所定回(例えば、12回)だけ行うこと、または所定回(例えば、8回)だけ入賞する(有効ライン上に「JAC」が揃う:JAC入賞)ことにより終了する。レギュラーボーナスが終了したときは、レギュラーボーナス終了コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0064】
遊技制御基板101には、レギュラーボーナスゲームの回数及びその入賞回数をカウントするカウンタが設けられている。なお、このレギュラーボーナスに移行した状態、すなわちレギュラーボーナスゲームが提供されている遊技状態を第1の特別遊技状態といい、遊技制御基板101内のRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定される。
【0065】
賭け数に応じた有効ライン上に、例えば「色つき7」が3つ、または「色なし7」が3つ揃った場合には、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを最大30ゲーム行うことができる。この小役ゲームでは、比較的高い確率で有効ライン上に「JAC」が揃い(JACIN)、JACINすると、前述したレギュラーボーナスが提供される(最大3回)。ビッグボーナスは、30回の小役ゲームが終了するか、3回目のJACINに基づいたレギュラーボーナスが終了することにより終了する。
【0066】
ビッグボーナスが終了したときには、ビッグボーナス終了コマンドが演出制御基板102に送信される。遊技制御基板101には、小役ゲーム回数、JACINの回数、レギュラーボーナスゲームのゲーム数及びその入賞数、並びにビッグボーナス中におけるメダルの純増枚数をカウントするカウンタが設けられている。なお、このビッグボーナスに移行した状態を第2の特別遊技状態といい、遊技制御基板101内のRAM112にビッグボーナス中フラグが設定される。
【0067】
また、レギュラーボーナスゲームまたはJACゲーム以外のゲームで、有効ライン上に「スイカ」または「ベル」が揃った場合、或いは左のリール3Lについて「チェリー」が現れた場合には、小役入賞となる。ビッグボーナス期間中において提供される小役ゲーム及びJACゲーム、並びにレギュラーボーナスゲームを除き、有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。それ以外の表示態様が可変表示装置2に導出表示された場合には、いずれの役にも入賞しなかったこと、すなわちハズレとなる。
【0068】
なお、リプレイ入賞は、厳密な意味での小役入賞ではないが、遊技状態の移行を伴わない点では他の小役入賞と変わりがないので、特に断りがない限り、この実施の形態において「小役」といった場合には、リプレイを含むものとする。また、ビッグボーナス時におけるJACINや、JACゲーム中及びレギュラーボーナスゲーム中の役についても、「小役」に含まれるものとする。また、単に「ボーナス」といった場合は、ビッグボーナスとレギュラーボーナスの両方を含むものとする。ビッグボーナスやレギュラーボーナスにおけるメダルの純増枚数の期待値は、通常の遊技状態及びRTにおける同じゲーム数での期待値よりも高い。
【0069】
以上説明した役への入賞があった場合には、リプレイ入賞であった場合を除いて、それぞれの役に応じた枚数のメダルが払い出される(但し、クレジット数が50に達するまでは、役に応じた数のクレジットがデータとして蓄積され、この場合もメダルと同様に有価価値を払い出したこととなる)。また、メダルの払い出しの枚数は、ベルの小役が8枚、チェリーの小役が2枚である他は、全て15枚である。なお、入賞の有無及び入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドが、各ゲームの終了時において遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
【0070】
次に、内部抽選とボーナス当選のストック及びその放出について、さらに詳細に説明する。内部抽選は、後述する各役への入賞を許容するかどうかを事前に決定するものであり、ゲーム毎にハードウェア乱数機能を用いて取得した内部抽選用の乱数、設定スイッチ91による設定、遊技者が設定した賭け数、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照し、CPU111が行うことで、このような事前決定のための手段が構成される。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。
【0071】
小役(リプレイ等を含む)に当選した場合は、当該ゲームにおいて当選役に対応した当選フラグがRAM112に設定される。RAM112に小役当選フラグが設定されていると、該当する小役に入賞可能となる。なお、小役当選フラグは、各ゲームの終了時において消去され、次ゲーム移行に持ち越されることはない。ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選した場合は、RAM112のストック数記憶部にその当選が一旦ストックされる。ここで、いずれの種類のボーナス当選フラグも設定されていない初当たりの状態であれば、ストックされたボーナス当選がシフトされ、該当するボーナス当選フラグが設定されると共に、当該ボーナス当選のストック数が1だけマイナスされる。
【0072】
ボーナス入賞によりボーナス当選フラグが消去されても、その時点でストックされたボーナス当選がボーナス当選フラグとしてシフトされるのではなく、当該ボーナス入賞に基づくボーナス終了時においてさらにボーナス当選がストックされていれば、その時点でストックされたボーナス当選がボーナス当選フラグとしてシフトされる。ボーナス当選のストックから当選フラグへシフトする場合、当選がストックされているのがビッグボーナスとレギュラーボーナスの一方だけであれば、必然的にストックされている種類のものが選ばれてシフトされるが、両方がストックされている場合には、抽選によりいずれかが選択されてシフトされる。
【0073】
もっとも、ボーナス当選フラグが設定されたからといって、ボーナス入賞が可能になるというものではない。ボーナス当選フラグが設定されるときには、RAM112のRTカウンタにRT残りゲーム数を示す値がセットされて遊技状態がRTに制御され、ボーナス入賞が不可能となるリール制御テーブルが選ばれてリール3L、3C、3Rの停止制御が行われるからである。このRTへの制御によりボーナス当選フラグが設定されていてボーナス入賞が不可能となっている状態は、さらなるボーナス当選のストックがない場合であっても、ボーナス当選がストックされている状態として扱われる。
【0074】
RTの遊技状態が解除され、ストックされたボーナス当選が放出される、すなわち設定されたボーナス当選フラグに基づいてボーナス入賞が可能となるのは、RTカウンタの値がゲーム毎に1ずつ減算されていき、その値が0となったときである。RTカウンタは、マイナスの値をとることはなく、既にその値が0となっているときのゲームでは、0の状態が維持される。RTカウンタの値の初期値としては、120(ゲーム数小)と720(ゲーム数大)とがある。
【0075】
RTカウンタの値の初期値は、初当たりのときには必ず120となる。ボーナス終了時にさらにボーナス当選がストックされていて、そのストックに基づいてボーナス当選フラグが設定されるときのRTカウンタの値の初期値としては、120または720のいずれかが抽選により所定の確率で選ばれることとなる。RTカウンタの値が0でなくて遊技状態がRTに制御され、ボーナス入賞が不可能となっている間のゲームでも内部抽選においてボーナス入賞をすることは可能であり、ボーナス当選がストックされることとなるものである。
【0076】
RTカウンタの値が0となり、通常の遊技状態に戻ると、ボーナス入賞が可能なリール制御テーブルが選ばれることとなるので、RAM112に設定されたボーナス当選フラグに基づいてボーナス入賞することが可能となる。ここで、RTは、リプレイ当選の確率を高くするというよりも、通常の遊技状態とは異なるリール制御テーブルを使用してボーナス入賞させないようにし、これによりボーナス当選のストックが可能となるように便宜的に用いている遊技状態に過ぎない。通常の遊技状態とRTにおける同じゲーム数でのメダルの純増枚数の期待値は、ほぼ同じである。
【0077】
上記した内部抽選の結果等に基づいて設定される各種当選フラグ、及びボーナス当選のストックの状況に関する情報は、当選状況通知コマンドとしてゲーム毎に遊技制御基板101から演出制御基板102へと送信される。図6は、ゲーム毎に遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される当選状況通知コマンドのフォーマットを示す図である。当選状況通知コマンドは、図6(a)に示すコマンド301と、図6(b)に示すコマンド302とから構成される。
【0078】
コマンド301は、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、スイカ、ベル、チェリー、リプレイ(またはJACIN、JAC入賞)のそれぞれの役に対応した当選フラグの設定状況を情報として含む。一方、コマンド302は、ビッグボーナス当選のストック数、レギュラーボーナスの当選のストック数、RT残りゲーム数を情報として含む。コマンド302内において、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスの当選のストック数は、3以上であればいくつであっても3となり、RT残りゲーム数は、RTカウンタの値が11以上であればいくつであっても7、RTカウンタの値が6〜10であれば6、RTカウンタの値が5以下であればその値となる。
【0079】
演出制御基板102のCPU121は、この当選状況通知コマンド301、302に基づいて、ボーナス当選のストックの状況(以下、ストック状況という)に関する報知演出を実行する。なお、内部抽選の結果を外部に完全に出さないようにするため、この報知演出に影響を及ぼさない範囲で所定の確率で当選状況通知コマンドの内容を変換して、演出制御基板102へと送信するものとしてもよい。
【0080】
次に、ストック状況の報知演出について説明する。ストック状況の報知演出は、液晶表示器4上において、4段階または5段階に画像の態様を切り替えて行きながら最終段階の画像で結論を示すものであり、全体としての態様として4種類のものがある。ストック状況の報知演出を行うか否か、行う場合にはその態様を、スタートレバー11の操作時に遊技制御基板101から送信された当選状況通知コマンド301、302に従って決定し、第1段階を行うものとなる。また、停止ボタン12L、12C、12Rの操作等によりリール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止する度に、次の段階を行うものとなる。
【0081】
第1の態様は、4段階で構成されるもので、スタートレバー11の操作後に行われる第2段階では、これからストック状況の報知演出を行うことを示す画像が液晶表示器4に表示される。リール3L、3C、3Rの1つ目が停止したときに行われる第1段階では、ストックがあるのかの問いに対して返答を待たせることを示す画像が液晶表示器4に表示される。リール3L、3C、3Rの2つ目が停止したときに行われる第3段階では、ストックがないのかの問いに対して返答を待たせることを示す画像が液晶表示器4に表示される。
【0082】
リール3L、3C、3Rの3つ目が停止したときに行われる第4段階では、返答をお願いしても答えないことを示す画像が液晶表示器4に表示される。この第4段階の画像が、第1の態様における最終結論であり、ボーナス終了から11ゲーム目以降であれば、ボーナス当選のストックがある(ストック数が1以上)可能性が10%以下であることを示す。つまり、ボーナス当選のストックがないときに選択され易く、あるときに選択されにくい態様となっている。一方、ボーナス終了から10ゲーム以内であれば、ボーナス当選のストックがある(ストック数が1以上)可能性が50%程度であることを示す。つまり、ボーナス当選のストックがないときに比較的選択されにくく、あるときに比較的選択され易い態様となっている。
【0083】
第2の態様も、4段階で構成されるもので、第1段階から第3段階までは第1の態様と同じである。ここでの第4段階では、返答をお願いしてもさらに待たせることを示す画像が液晶表示器4に表示される。この第4段階の画像が、第2の態様における最終結論であり、ボーナス終了から11ゲーム目以降であれば、ボーナス当選のストックがある(ストック数が1以上)可能性が60%程度であることを示す。つまり、ボーナス当選のストックがないときに選択されにくく、あるときに選択され易い態様となっている。一方、ボーナス終了から10ゲーム以内であれば、ボーナス当選のストックがある(ストック数が1以上)可能性が10%以下であることを示す。つまり、ボーナス当選のストックがないときに比較的選択され易く、あるときに比較的選択されにくい態様となっている。
【0084】
第3の態様も、4段階で構成されるもので、第1段階から第3段階までは第1、第2の態様と同じである。ここでの第4段階では、返答をお願いするとボーナス当選がストックされていることを示す画像が液晶表示器4に表示される。この第4段階の画像が、第3の態様における最終結論である。この第3の態様は、ボーナス当選がストックされていて、且つRT残りゲーム数が10以下(RT残りゲーム数が0、すなわち通常の遊技状態となっている場合を含む)となっているときにのみ所定の確率で選択されるものである。
【0085】
第4の態様は、5段階で構成されるものであるが、第1段階から第4段階までは、第2の態様と同じである。第2の態様が決定されていた場合には、当該ゲームでリール3L、3C、3Rの全てが停止したときを最終段階として結論を示し、次のゲームで遊技者が賭け数の設定操作をしたときには通常画面に戻ってしまう。これに対して、第4の態様が決定されていた場合には、一旦示された結論(第2の態様の第4段階)から逆転して、ストックがある旨を示す画像が液晶表示器4に表示される。この第4の態様も、ボーナス当選がストックされていて、且つRT残りゲーム数が10以下となっているときにのみ所定の確率で選択されるものである。
【0086】
なお、ビッグボーナスとレギュラーボーナスのストック数の合計が3以上となっているときには、ストック数の合計が2以下のときよりもストック状況の報知演出が行われることが決定される確率が高くなっている。但し、第1〜第4の態様のうちのいずれの態様が選択されるかの確率は、ストック数の合計が0であるか1であるかの違いにより変わるだけで、ストック数の合計が3以上のときと1または2のときとで変わるものではない。
【0087】
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
【0088】
図7は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
【0089】
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。もっとも、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイフラグが消去される)ので、そのままスタートレバー11を操作してゲームの開始を指示すればよい。BET処理において遊技者の操作により賭け数の設定されたとき、或いはリプレイ入賞に基づいて賭け数が自動設定されたときに、BETコマンドが演出制御基板102に送信される。
【0090】
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて小役当選フラグが設定され、ボーナス当選がストックされる。前回のゲーム以前にボーナス当選フラグが設定されていないでボーナス当選がストックされると、ボーナス当選フラグが設定されると共に、RTへ遊技状態が制御される。また、図6に示した当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。RTカウンタの減算も、この抽選処理の中で行われる。なお、抽選処理の詳細については後述する。
【0091】
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が可変表示される。前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。なお、リール3L、3C、3Rを回転開始させる順序は、RAM112に設定されている各種フラグの状態に従って変化させてもよい。また、回転開始時にリール停止タイマ及び次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
【0092】
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。また、リール停止タイマが計時する時間が所定時間(例えば、30秒)を経過すると、リール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。
【0093】
このとき、RAM112に設定している遊技状態に応じたリール制御テーブルを参照して、RAM112の各役の当選フラグの設定状況に応じてリール3L、3C、3Rの駆動停止を制御する。RTの遊技状態において参照されるリール制御テーブルでは、ボーナス当選フラグが設定されていても、ボーナス入賞が発生しないようになっている。また、リール3L、3C、3Rの回転が停止されたときには、それぞれリール停止コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0094】
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が揃ったかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。このような処理としては、リプレイ入賞した場合のリプレイフラグの設定、リプレイ以外に入賞した場合の払い出し予定数の設定、ボーナス入賞した場合のボーナス当選フラグの消去及びボーナス中フラグの設定が含まれる。また、入賞の有無及び入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドが、演出制御基板102に送られる。
【0095】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけだけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の設定も行われ、ボーナス終了時にはボーナス終了コマンドを演出制御基板102に送信する。さらにボーナス当選がストックされているときには、ボーナス当選フラグの設定及びRTへの制御も行う。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
【0096】
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図8は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、最初にRAM112のRTカウンタの値が0でなければ、その値を1だけ減算する(ステップS101)。この結果としてRTカウンタの値が0となれば、通常の遊技状態となる。
【0097】
次に、ハードウェア乱数機能を利用して内部抽選用の乱数を取得し、当該取得した乱数の値をRAM112に一時格納する(ステップS102)。さらに、RAM112に一時格納した乱数の値を、設定スイッチ91による確率設定、ステップS2のBET処理で設定した賭け数、並びに現在の遊技状態(通常中、RT中、ビッグボーナス中及びレギュラーボーナス中)に応じた当選判定用テーブルと比較する(ステップS103)。
【0098】
次に、乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、何らかの種類の小役(リプレイ等を含む)に当選しているかどうかを判定する(ステップS104)。いずれかの種類に当選している場合は、当選した役に対応した当選フラグをRAM112に設定する(ステップS105)。そして、ステップS114の処理に進む。
【0099】
いずれの種類の小役にも当選していなければ、ステップS103で乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、ビッグボーナスに当選していたかどうかを判定する(ステップS106)。ビッグボーナスに当選していた場合には、ビッグボーナスストック数を1だけ加算させる(ステップS107)。そして、ステップS110の処理に進む。
【0100】
ステップS103で乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、ビッグボーナスに当選していなければ、今度はレギュラーボーナスに当選していたかどうかを判定する(ステップS108)。レギュラーボーナスに当選していた場合には、レギュラーボーナスストック数を1だけ加算させる(ステップS109)。そして、ステップS110の処理に進む。レギュラーボーナスにも当選していなかった場合には、ステップS114の処理に進む。
【0101】
ステップS110では、前回以前のゲームにおいて既にRAM112にボーナス当選フラグが設定されているかどうかを判定する。ボーナス当選フラグが既に設定されていれば、そのままステップS114の処理に進む。ボーナス当選フラグが設定されていない場合には、ボーナス当選のストックがない状態から今回のゲームで初めてボーナス当選した、いわゆる初当たりの場合となっている。
【0102】
この場合には、RAM112のRTカウンタの初期値として120(ゲーム数小)をセットする(ステップS111)。また、ビッグボーナス当選フラグとレギュラーボーナス当選フラグのうちの今回当選したボーナス当選フラグを、RAM112に設定する(ステップS112)。さらに今回当選したボーナスについてストックされている数を1だけマイナスする(ステップS113)。そして、ステップS114の処理に進む。
【0103】
ステップS114では、RAM112に設定されている当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンド301と、ボーナス当選のストック数及びRT残りゲーム数を示す当選状況通知コマンド302とをそれぞれ生成し、これらを演出制御基板102に送信する。ここで、当選状況通知コマンド301、302は、ボーナス当選のストック数の告知などに影響しない範囲で、所定の確率で内容を変換するものとしてもよい。そして、抽選処理を終了し、図7のフローチャートに復帰する。
【0104】
次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図9は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS201)。
【0105】
また、RAM112に設定された小役当選フラグ(リプレイ等を含む)を消去する(ステップS202)。次に、RAM112のビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグの状態を参照し、現在の遊技状態がボーナス中となっているかどうかを判定する(ステップS203)。現在の遊技状態がボーナス中となっていなければ、そのまま払出処理を終了して、図7のフローチャートに復帰する。
【0106】
現在の遊技状態がボーナス中となっていれば、RAM112の各種カウンタを用い、当該ボーナスに遊技状態が移行されてからの消化ゲーム数(ビッグボーナスでは、小役ゲーム数とJACゲーム数を別々に)をカウントする(ステップS204)。このカウント結果として、ボーナスの終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS205)。ボーナスの終了条件が成立していなければ、そのまま払出処理を終了し、図7のフローチャートに復帰する。
【0107】
ボーナスの終了条件が成立していれば、RAM112のボーナス中フラグを消去し(ステップS206)、さらにボーナス終了コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS207)。次に、ビッグボーナスかレギュラーボーナスの当選のストック数がいずれも0となっているかどうか、すなわちボーナス当選がストックされていないかどうかを判定する(ステップS208)。ボーナス当選がストックされていなければ、そのまま払出処理を終了し、図7のフローチャートに復帰する。
【0108】
ボーナス当選がストックされていれば、RTパンクゲーム数の決定抽選を行い、RTカウンタの初期値として120(ゲーム数小)と720(ゲーム数大)のいずれかを所定の確率で選択し(ステップS209)、選択した値をRAM112のRTカウンタの初期値としてセットする(ステップS210)。次に、ストックされているボーナスのうちでRT終了後に放出することとなるボーナスの種類を、ビッグボーナスかレギュラーボーナスのいずれかから選択する。ここで、ビッグボーナスかレギュラーボーナスのいずれか一方しかストックされていなければ、ストックされている種類のボーナスが放出することとなる種類として選択される。いずれもストックされていれば、ソフトウェア乱数機能による乱数の取得による抽選でボーナスの種類を選択する(ステップS211)。
【0109】
RT終了後に放出することとなるボーナスの種類が決定されると、ビッグボーナス当選フラグとレギュラーボーナス当選フラグのうちの決定種類に対応したボーナス当選フラグを、RAM112に設定する(ステップS212)。さらに選択した種類のボーナスについてストックされている数を1だけマイナスする(ステップS213)。そして、払出処理を終了し、図7のフローチャートに復帰する。
【0110】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、レギュラーボーナス及びビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、リールランプ3LPの点灯制御を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102のCPU121が各種の演出(特にストック状況の報知演出)を行うために実行する処理について説明する。
【0111】
図10は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS301)。コマンドを受信するまでは、ステップS301の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS302)。
【0112】
受信したコマンドの種類がステップS114で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、コマンド301、302の両方が揃ってから、RAM122にビッグボーナス中フラグまたはレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がボーナス中であるかどうかを判定する(ステップS303)。現在の遊技状態がボーナス中であれば、そのままステップS301の処理に戻る。
【0113】
現在の遊技状態がボーナス中でなければ、まず、ボーナス後ゲーム数カウンタの値を1だけ加算する(ステップS304)。受信した当選状況通知コマンド301、302が示すボーナス当選フラグのストックの有無に関する状況(ボーナス当選フラグが設定されていてRT残りゲーム数が0でないときは、ボーナス当選のストックを示す)とRT残りゲーム数、さらにはボーナス後ゲーム数カウンタの値に従って、ストック状況の報知演出を行うか否か、行う場合には報知の態様の種類も決定する(ステップS305)。
【0114】
ここで、ストック状況の報知演出を行う旨を決定する確率は、ビッグボーナスとレギュラーボーナスを合わせたボーナス当選のストック数が3以上であるときには、2以下であるときよりも高くなっている。第3の態様または第4の態様を決定するのは、ボーナス当選がストックされていて、しかもRT残りゲーム数が10以下(RT残りゲーム数が0、すなわち通常の遊技状態となっている場合を含む)となっているときだけである。
【0115】
ボーナス後ゲーム数が11以上であれば、ストックがないときに第1の態様を選択する確率を高くし、ストックがあるときに第2の態様が選択される確率を高くする。こうして第1の態様が選択されたときにストックがある確率が10%以下で、第2の態様が選択されたときにストックがない確率が50%程度となるようにする。一方、ボーナス後ゲーム数が11以下であれば、ストックがないときに第2の態様を選択する確率を高くし、ストックがあるときに第1の態様が選択される確率を高くする。こうして第1の態様が選択されたときにストックがある確率が50%程度で、第2の態様が選択されたときにストックがある確率が10%以下となるようにする。
【0116】
次に、ステップS305でストック状況の報知演出を行うことが決定されたかどうかを判定する(ステップS306)。ストック状況の報知演出を行わないことが決定された場合には、そのままステップS301の処理に戻る。ストック状況の報知演出を行うことが決定された場合には、さらに決定された報知の態様の種類を示す報知態様情報をRAM122に保存する(ステップS307)。そして、複数段階を含む報知の態様のうちの第1段階(報知の態様の種類によらずに同一)を実行し、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS308)。そして、ステップS301の処理に戻る。
【0117】
受信したコマンドの種類がステップS5のリール変動停止処理で送信されたリール停止コマンドであった場合には、RAM122に報知態様情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS309)。報知態様情報が記憶されていなければ、そのままステップS301の処理に戻る。報知態様情報が記憶されていれば、その報知態様情報が示すストック状況の報知演出の次の段階を行って、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS310)。
【0118】
次に、ここで行われたストック状況の報知演出が最終段階であって、その最終段階によりストック状況の報知が終了したかどうかを判定する(ステップS311)。ストック状況の報知が終了していなければ、そのままステップS301の処理に戻る。ストック状況の報知が終了した場合には、記憶されていた報知態様情報を削除し(ステップS312)、ステップS301の処理に戻る。
【0119】
受信したコマンドの種類がステップS2のBET処理で送信されたBETコマンドであった場合には、前回のゲームでRAM122に報知態様情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS313)。報知態様情報が記憶されていなければ、そのままステップS301の処理に戻る。報知態様情報が記憶されていれば、当該報知態様情報が示すストック状況の報知演出の最終段階を行い、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS314)。そして、記憶されていた報知態様情報を削除し(ステップS315)、ステップS301の処理に戻る。
【0120】
受信したコマンドの種類がステップS6の入賞判定処理で送信された入賞情報コマンドであった場合には、その入賞情報コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS316)。ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を示していれば、RAM122にビッグボーナス中フラグまたはレギュラーボーナス中フラグを設定して(ステップS317)、ステップS301の処理に戻る。いずれのボーナスの入賞も示していなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
【0121】
受信したコマンドの種類がステップS207で送信された(ビッグまたはレギュラー)ボーナス終了コマンドであった場合には、RAM122に設定されたビッグボーナス中フラグまたはレギュラーボーナス中フラグを消去する(ステップS318)。また、ボーナス後ゲーム数カウンタの値を0に初期化する(ステップS319)。そして、ステップS301の処理に戻る。
【0122】
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS320)。その後、ステップS301の処理に戻る。
【0123】
次に、ストック状況の報知演出の態様について、具体的な例に基づいて説明する。図11(a)〜(f)は、液晶表示器4に表示されるストック状況の報知演出の態様の例を示す図である。通常の遊技が行われている間、液晶表示器4には、図11(a)に示すように、通常画面として建物の前に遊技者側のキャラクタが立っている画像が表示されている。
【0124】
遊技者がスタートレバー11を操作したときには、当選状況通知コマンド301、302が遊技制御基板101から演出制御基板102に送られ、これらの当選状況通知コマンドに従って、ストック状況の報知演出を行うか否か、及びその態様が決定される。ここで、ストック状況の報知演出を行うことが決定されたときには、図11(b)に示すように、通常画面から、報知の第1段階の画像として遊技者側のキャラクタが建物の中に入っていく画像に切り替えられる。
【0125】
スタートレバー11の操作によりリール3L、3C、3Rが回転することとなるが、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを操作することによりリール3L、3C、3Rのうちの1つ目を停止させると、報知の2番目の段階が実行される。ここでは、図11(c)に示すように、遊技者側のキャラクタが建物の中にいた機械側のキャラクタに「ストックはあるの?」と問い合わせる画像が最初に表示される。この後、機械側のキャラクタが問い合わせに対して「ちょっと待って」と答える画像に切り替えられる。
【0126】
さらに遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rの残りのいずれかを操作することによりリール3L、3C、3Rのうちの2つ目を停止させると、報知の3番目の段階が実行される。ここでは、図11(d)に示すように、遊技者側のキャラクタが機械側のキャラクタに「ないの?」と問い合わせる画像が最初に表示される。この後も、機械側のキャラクタが問い合わせに対して「ちょっと待って」と答える画像に切り替えられる。
【0127】
さらに遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rの残りを操作することによりリール3L、3C、3Rのうちの3つ目を停止させると、報知の4番目の段階(最終段階のときとそうでないときとがあり)が実行される。ここでは、図11(e−1)〜(e−3)に示すように、遊技者側のキャラクタが機械側のキャラクタに「教えて!」と問い合わせる画像が最初に表示される。この後は、決定されていた報知態様に従って、次の3種類のいずれかの画像に切り替えられる。
【0128】
第1の報知態様が決定されていた場合、図11(e−1)に示すように、機械側のキャラクタが「教えないよ」と返答する画像が表示される。この画像が表示された場合には、ボーナス終了から11ゲーム目以降であれば、ボーナス当選がストックされている確率が10%以下であり、ボーナス終了から10ゲーム以内であれば、ボーナス当選がストックされている確率が50%程度であることが分かる。
【0129】
第2または第4の報知態様が決定されていた場合、図11(e−2)に示すように、機械側のキャラクタが「そのまま待ってて」と返答する画像が表示される。この画像が表示された場合には、ボーナス終了から11ゲーム以降であれば、ボーナス当選がストックされている確率が50%程度であり、ボーナス終了から10ゲーム以内であれば、ボーナス当選がストックされている確率が10%以下であることが分かる。但し、この画像が表示されたときは、さらに次のゲームの賭け数設定操作時に図11(f)に示す画像が表示される場合もあるので、図11(e−2)の画像に基づいてボーナス当選のストック状況が実際に分かるのは、次のゲームの賭け数設定操作時に通常画面に戻った場合である。
【0130】
第3の報知態様が決定されていた場合、図11(e−3)に示すように、機械側のキャラクタが「あるよ」と返答する画像が表示される。この画像が表示された場合には、ボーナス当選がストックされていて、しかもRT残りゲーム数が10ゲーム以下となっていることが分かる。
【0131】
図11(e−2)に示す画像が表示された場合は、これが最終段階となる態様に決定されていたか、次のゲームの賭け数設定時にさらに最終段階が表示される態様に決定されていたかのいずれかである。図11(e−2)に示す画像がストック状況の報知演出の最終態様として決定されていた場合は、次のゲームにおいて遊技者が賭け数の設定操作をすると、図11(a)に示した通常画面に切り替えられるか(ストック状況の報知を行わないことが決定された場合)、図11(b)に示したように通常画面から遊技者側のキャラクタが建物の中に入っていく画像に切り替えられる(ストック状況の報知を行うことが決定された場合)ものとなる。
【0132】
次のゲームの賭け数設定時にさらに最終段階が表示される態様に決定されていた場合には、図11(f)に示すように、次のゲームにおいて遊技者が賭け数の設定操作を行うと、機械側のキャラクタが「あるよ」と答える画像が表示される。この場合においても、ボーナス当選がストックされていて、しかもRT残りゲーム数が10ゲーム以下となっていることが分かる。さらにスタートレバー11が操作されることによって、再びストック状況の報知演出を行うか否か、及びその態様の種類についての決定が行われるものとなる。
【0133】
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信した当選状況通知コマンド301、302に基づいてストック状況の報知演出を行うものとしている。この報知演出によりボーナス当選のストック状況が報知されることによって、遊技者の期待感を効果的に高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、ボーナス当選がストックされているか否かは、遊技者が遊技を続けるか否かを決めるための重要な要素となっているが、報知演出によりその判断材料が与えられることで、遊技者自らの判断でいわゆるハマリに陥ってしまうのを回避できるようになる。
【0134】
ストック状況の報知演出において、決定された態様によってはボーナス当選がストックされている旨が告知される場合がある。この告知は、RT残りゲーム数が10以下となっているときにしか行われない。つまり、ボーナス当選がストックされている旨が告知されたときには、RTの解除が近いことも分かるので、遊技者の期待感をより高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0135】
また、ストック状況の報知演出は、いずれの態様においても液晶表示器4に表示される画像が段階的に変化していく。しかも表示される画像の変化は、ゲームの進行における段階(スタートレバー11の操作、リール3L、3C、3Rの回転停止)に応じて行われる。このため、ゲームの進行の段階が進むにつれて、遊技者の期待感を徐々に高めさせていくことが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0136】
さらに、ストック状況の報知演出の態様として第4の態様が選ばれた場合には、リール3L、3C、3Rが3つとも停止したときの画像が最終段階の結論とはならず、さらに次のゲームで賭け数の設定操作を行ったときに、最終段階の結論が示される。このため、次のゲームに移行してまで遊技者の期待感を持続させることができるようになる。
【0137】
ここで、第4の態様が選ばれた場合に、リール3L、3C、3Rが3つとも停止したときの最終段階の1つ前の画像(第2の態様と同じ)では、いずれにしてもボーナス当選のストックがある確率は、10%以下か50%程度であり、いずれにしても遊技者の期待感が非常に大きなものとなることはない。これに対して、次のゲームで賭け数の設定操作をしたときの最終段階の画像では、ボーナス当選のストックがある確率は、100%ということになり、遊技者の期待感が最大限に高まることとなる。このように遊技者の期待感の高低差を大きくすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0138】
また、ストック状況の報知演出の態様として第1または第2の態様が選ばれた場合、リール3L、3C、3Rが3つとも停止したときの最終段階の画像が示す結論は、ボーナス終了後ゲーム数が10以下であるか11以上であるかによって異なっている。つまり、ボーナス終了後ゲーム数に応じて、報知演出の態様として第1の態様が選ばれるか第2の態様が選ばれるかが逆になる。これによって、ストック状況の報知演出の態様が豊富なものとなり、演出としての興趣を向上させることができる。
【0139】
また、ボーナス終了後ゲーム数が10以下であるか11以上であるかで見方は異なるが、第1または第2の態様の最終段階の画像が表示されたときには、表示された画像に応じてストックがある(すなわち、ストック数が1以上)か、ストックがない(すなわち、ストック数が0)かが異なるものとなっている。このようにストックの有無に応じて異なる画像が表示されるものとなることで、遊技者は、ボーナス当選のストックの有無についてある程度の判断が可能となる。
【0140】
さらに、ストック状況の報知演出を行うか否かは、遊技制御基板101から送られた当選状況通知コマンド301、302に基づいて決定されるが、ビッグボーナス当選のストックとレギュラーボーナス当選のストックとが合わせて3以上あれば、この報知演出が行われると決定される確率が高くなっている。つまり、遊技者は、ストック状況の報知演出が行われる頻度に応じて、ボーナス当選のストック数についてもある程度の判断が可能となる。これにより、遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0141】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0142】
上記の実施の形態では、ボーナス当選のストック数が合わせて3以上ある時には、ストック状況の報知演出が行われる確率が高くなっていたが、報知演出の態様としてどの態様が選ばれるかの確率は、ストック数が合わせて1または2のときと変わらないものとなっていた。これに対して、ストック数が合わせて3以上あるときには、ストック数が合わせて1または2のときから報知演出の態様の選択確率も変化させるものとしてもよい。この場合には、遊技者は、ストック状況の報知演出の態様に応じて、ボーナス当選のストック数についてもある程度の判断が可能となる。これにより、遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0143】
上記の実施の形態では、ストック状況の報知演出の態様として4つのものがあり、第4の態様では、次のゲームで賭け数の設定操作が行われたときに、逆転してストックありが告知されるものとなっていた。この第4の態様以外にも、次のゲームで賭け数の設定操作が行われたときに最終段階の画像が表示される第5の態様が合ってもよい。例えば、第5の態様としては、リール3L、3C、3Rの全てが停止したときの画像でボーナス当選がストックされている確率が10%以下であることを示し、さらに次のゲームで賭け数の設定操作がされたときの画像でストックされている確率が50%程度であることを示すものとすることができる。この第5の態様によっても、遊技者の期待感を次のゲームまで継続させることができる。
【0144】
上記の実施の形態では、ストック状況の報知演出を行うかどうかは、当選状況通知コマンド301、302に基づいて、1ゲーム毎に決定されるものとしていた。ここで、RT残りゲーム数が9以下となっているときには、既にボーナス当選がストックされている旨が告知されている場合もある。そこで、ボーナス当選がストックされている旨を告知したときには、RAM122に告知済みフラグを設定し、告知済みフラグが設定されているときには、RT中であってもストック状況の報知演出を行わないようにしてもよい。
【0145】
上記の実施の形態では、ボーナス終了後の消化ゲーム数が10以下であるか11以上であるかによって、ストック状況の報知演出の態様の選択方法を異なるものとしていた。このようなボーナス終了後の消化ゲーム数が比較的少ないときに演出の態様の選択方法を変化させることで、ボーナス終了後にすぐに次のボーナス入賞が発生するいわゆるストック連チャンが期待できるという効果も得ることができる。これに対して、ボーナス終了後の消化ゲーム数がかなり多くなったとき(例えば、1000以上となったとき)にも、演出の態様の選択方法を変化させることができる。ボーナス終了からの消化ゲーム数が多くなり過ぎると、遊技者の期待感も低下させられていくこととなるが、このような演出の態様の選択方法の変化により、遊技者の期待感をあまり低下させないようにさせることができる。
【0146】
上記の実施の形態では、ボーナス当選がストックされていることを確定的に示す第3の態様または第4の態様が選択されるのは、RT残りゲーム数が10以下(RT残りゲーム数が0、すなわち通常の遊技状態を含む)であるときだけであった。しかしながら、RT残りゲーム数が11以上のときであっても、第3の態様または第4の態様を選択することがあってもよい。もっとも、その確率は、RT残りゲーム数が10以下のときに第3の態様または第4の態様が選択される確率よりも低くすることが好ましい。また、RT残りゲーム数が11以上であるときにおいて、ストック状況の報知演出を行う場合には、第3の態様または第4の態様を100%の確率で選択するものとしてもよい。
【0147】
上記の実施の形態では、ボーナス当選フラグが設定されていてもボーナス入賞を不可能とする遊技状態であるRTは、所定のゲーム数(120ゲームまたは720ゲーム)を消化したことを条件として解除されるものとしていた。しかしながら、RTの解除条件は、これに限るものではなく、例えば、遊技状態がRTにあるときに1ゲーム毎に抽選を行って、その抽選に当選したときに解除するものとしてもよい。
【0148】
さらに、RT解除抽選に当選した後に、所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)の演出用RT(遊技状態としてRTであることには変わりない)に移行させるものとし、演出用RTで所定ゲーム数を消化したときに、通常の遊技状態に戻るものとしてもよい。ここで、RT解除抽選の当選確率としては、高確率(110分の1程度:ゲーム数小に対応)と低確率(710分の1程度:ゲーム数大に対応)の2種類を定めることができ、RTカウンタの初期値を決めるのと同様の方法により、いずれかの確率に設定するものとすればよい。演出用RTは、所定ゲーム数の消化で解除されるのではなく、RT解除抽選よりも当選確率が低い所定の当選確率(例えば、10分の1程度)での抽選に当選したときに、解除されるものであってもよい。
【0149】
RT解除抽選が行われているゲームでは、RT残りゲーム数が11以上であるときと同様にしてストック状況の報知演出の態様を決定するものとし、演出用RTに移行した後のゲームでは、RT残りゲーム数が10以下であるときと同様にしてストック状況の報知演出の態様を決定するものとすることができる。このような決定方法によることで、ボーナス当選がストックされている旨の告知は、演出用RTにあるときだけ行われるため、RTが解除されるのが近づいていることが分かる。
【0150】
上記の実施の形態では、ボーナス当選フラグが設定されていても、遊技状態がRTにある場合には、このときに選択されるリール制御テーブルによりボーナス入賞することは完全に不可能となっていた。しかしながら、例えば、RT時に選択するリール制御テーブルとして、完全に正しい手順による場合10分の1の確率でボーナス入賞させられるものを考えると、停止ボタン12L、12C、12Rの押し順として6通り、図柄の組み合わせとして12通りのものがあると、(1/10)×(1/6)×(1/12)=1/720というようにボーナス入賞が困難となるものであってもよい。このようにRT時にボーナス入賞を完全に不可能としなくても、RT時にはボーナス入賞がボーナス当選確率よりも低い確率でしか発生しないほど困難なものとすることで、ボーナス当選のストック機能を実現することもできる。
【0151】
上記の実施の形態では、ボーナス当選フラグの設定と、さらなるボーナス当選のストックとをRAM112において分けていたが、ストック数のトータルを示す複数ビットのボーナス当選フラグを設けるものとしてもよい。ビッグボーナスとレギュラーボーナスのストックを当選順に記憶しておき、当選した順番でビッグボーナスとレギュラーボーナスのいずれかを放出するようにしてもよい。また、ボーナス当選フラグが設定されている場合に、遊技状態をRTとしてボーナス入賞させないことだけでなく、所定の条件が成立するまでボーナス入賞を不可能とするような制御をすれば、他の方法によりボーナス当選のストックを実現することもできる。
【0152】
上記の実施の形態では、ビッグボーナスであるかレギュラーボーナスであるかに関わらず、ボーナス当選のストック状況をまとめて報知するものとしていたが、ビッグボーナス当選のストック状況の報知とレギュラーボーナス当選のストック状況の報知とを別々に行うものとしてもよい。ビッグボーナス当選のストック状況とレギュラーボーナスのストック状況のいずれか一方のみを報知対象とするものとしてもよい。
【0153】
上記の実施の形態では、ストック状況の報知演出は、液晶表示器4に画像を表示させることによって行うものとしていたが、これに限るものではない。リールランプ3LPや遊技効果LED75の点灯制御や、スピーカ7からの音声の出力、或いは演出用の第4リールを備えるスロットマシンでは第4リールの回転制御など、液晶表示器4以外の他の演出装置を用いてストック状況の報知演出を行うものとしてもよい。
【0154】
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
【0155】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、演出により特別入賞の決定情報が持ち越されているか否かについての情報を遊技者が得ることができるので、特別入賞の決定情報を持ち越す機能を有するスロットマシン(いわゆるストック機)ならではの期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0156】
請求項2の発明によれば、単に特別入賞の決定情報が持ち越されていることだけでなく、第2の段階に制御されていて不可状態の解除が近いことまで遊遊技者に期待させることができる。
【0157】
請求項3の発明によれば、どのような演出態様で演出が行われたかにより、単に特別入賞の決定情報が持ち越されているだけでなく、その持ち越されている数の多いことも遊技者に期待させることもできるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0158】
請求項4の発明によれば、演出手段において演出が実行される頻度が高くなれば、単に特別入賞の決定情報が持ち越されているだけでなく、その持ち越されている数の多いことも遊技者に期待させることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0159】
請求項5の発明によれば、例えば特別遊技状態が終了した後に直ぐに次の特別入賞が発生することを遊技者に期待させることができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0160】
請求項6の発明によれば、演出の段階が進むにつれて、遊技者の期待感を徐々に高めさせて行くことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0161】
請求項7の発明によれば、遊技者の期待感の高まりがゲームの進行上の段階の変化につれて生じるようにでき、遊技の興趣を向上させることができる。
【0162】
請求項8の発明によれば、次のゲームに移行してから最終態様が示されることも生じるので、次のゲームに移行してまで遊技者の期待感を持続させることができる。
【0163】
請求項9の発明によれば、遊技者の期待感の変化の高低差を大きなものとして、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。
【図3】図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。
【図4】図1のスロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図5】遊技制御基板及び演出制御基板に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【図6】当選状況通知コマンドのフォーマットを示す図である。
【図7】遊技制御基板内の制御部が、1ゲーム毎に実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】図7の抽選処理を詳細に示すフローチャートである。
【図9】図7の払出処理を詳細に示すフローチャートである。
【図10】演出制御基板内の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図11】ストック状況の報知演出の態様の例を示す図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
2 可変表示装置
4 液晶表示器
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関し、特にストック機能を備えるスロットマシンにおけるストックの有無の報知に関する。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは、一般に、外周部に複数種類の図柄が描かれた複数のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールの回転を停止したときにおける表示態様に従って入賞が発生するものである。そして、発生した入賞の種類によっては、有価価値としてのメダルの払い出しが行われるだけでなく、ビッグボーナスやレギュラーボーナス(以下、これらをまとめて単にボーナスという)と呼ばれる特別遊技状態に移行し、遊技者にとって有利な状態で遊技が進行するようになっている。
【0003】
ボーナスを含む各役の入賞が発生するためには、事前(通常は、スタートレバー操作時)に行われる内部抽選において当該役に当選し、対応する当選フラグが設定されている必要がある。最近のスロットマシンには、各ゲームにおいて行った内部抽選におけるボーナス当選を複数持ち越す機能(以下、ストック機能)を持つものがある。このストック機能を実現するためには、ボーナス当選をしても所定の条件が成立するまではボーナス入賞させないように制御する必要がある。
【0004】
ここで、ボーナス当選フラグが設定されているときに、ボーナス入賞を可能な状態とするか不可能な状態とするかが内部的に区別されなければならない。この区別は、遊技状態を変更した方がされやすくなる。このようにボーナス当選フラグが設定されていてもボーナス入賞させないための方法として、遊技状態をRT(Replay Time)に制御し、この間にボーナス入賞が不可能なリール制御テーブルを選択するようにしたものがある(例えば、特許文献1乃至4参照)。ストック機能を有するスロットマシンでは、このような制御を行うことで短い間隔でボーナスが発生し得るようにしたものである。
【0005】
ボーナス当選フラグが設定されていて、遊技状態がRTに設定されているストックありのときは、ボーナス入賞が不可能なことではストックがないときと変わりがない。もっとも、既にストックがある状態からボーナス入賞するためには、RTの解除条件の成立という条件だけが成立すればよいので、短期間のうちに次のボーナス入賞が発生することを期待できるようになる。一方、ストックがない状態からボーナス入賞するためには、まずボーナスに当選し、そこからRTの解除条件が成立するという2段階の条件が必要となるので、却って短期間で次のボーナス入賞することは期待できなくなってしまう。
【0006】
ところで、ストック機でないスロットマシンにおいては、ボーナス当選フラグが設定されれば、そこでボーナス入賞を期待できるようになる。従来のスロットマシンにおいて、ボーナス当選フラグの設定状況の報知(予告及び告知)を様々な演出を用いて行い、遊技者の期待感を高めさせて遊技の興趣を向上させることが一般的に行われていた(例えば、特許文献5参照)。もっとも、ボーナスの終了から次のボーナス入賞までの期間の期待値を、ボーナス当選の確率以上には高くすることはできなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−219212号公報
【特許文献2】
特開2002−219213号公報
【特許文献3】
特開2002−219214号公報
【特許文献4】
特開2002−272913号公報
【特許文献5】
特開平11−164934号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献5に示すスロットマシンのような演出は、ストック機能を有するスロットマシンにおいても行われていた。つまり、ボーナス当選フラグが設定された後、RTが解除されてボーナス入賞が可能となると、これと同じような演出を行うものとしていたが、その演出は、ボーナス当選がストックされているかどうかに関わらず行われるものであった。
【0009】
しかしながら、ストック機能を有するスロットマシンでは、ボーナス当選がストックされているときに、ボーナス当選確率に従って求められるよりも短い間隔でボーナス入賞を発生させたり、逆に長い期間に亘ってボーナス入賞を発生させなかったりすることが可能となるという、ストック機能を有しないスロットマシンにはない特徴がある。にもかかわらず、ボーナス入賞の可能性を報知するための演出として、ストック機能を有しないスロットマシンと同様の演出(ストックの解除に対しての演出)しか行っていなかった。このため、ボーナス当選がストックされているか否かが遊技者にとって分からず、ストック機能を有するスロットマシンに特有の期待感を遊技者に与えることができなかった。
【0010】
本発明は、特別入賞の決定情報の持ち越し状況(いわゆるボーナス当選のストックの有無に関する状況)に関する演出を行うことで、いわゆるストック機ならではの期待感を遊技者に与え、遊技の興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかるスロットマシンは、
1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(可変表示装置2)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定し、その結果を示す決定情報を設定する事前決定手段(ステップS102〜S113)と、
前記事前決定手段により特別入賞(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)の発生が許容された旨を示す決定情報が設定され、該決定情報により許容された特別入賞が発生しないときに、当該決定情報を次ゲーム以降に持ち越すと共に、前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報を複数個持ち越すことが可能な決定情報持越手段(ステップS107、S109)と、
前記特別入賞が発生したときに、所定の終了条件が成立するまで(ステップS205)、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御する遊技状態制御手段(ステップS6、S206)と、
前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定されているときに、前記特別入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御する不可状態制御手段(ステップS111、S209)と、
前記不可状態制御手段により制御された前記不可状態を解除し、前記特別入賞の発生が可能または容易な可状態とする不可状態解除手段(ステップS101)と、
前記決定情報持越手段における前記特別入賞の決定情報の持ち越し状況に応じて、複数種類の演出態様からいずれかの演出態様を選択し(ステップS305)、該選択した演出態様で前記決定情報の持ち越し状況に関する演出を演出手段(液晶表示器4)に実行させる(ステップS308、S310、S314)演出制御手段(演出制御基板102)と
を備えることを特徴とする。
【0012】
なお、特別入賞の発生が不可能な不可状態とは、その発生が完全に不可能な状態であり、これが解除された状態が特別入賞の発生が可能な可状態ということである。一方、特別入賞の発生が困難な不可状態とは、特別入賞の発生が完全に不可能という訳ではないが、かなり低い確率でしか発生し得ない状態であり、これが解除された状態が特別入賞の発生が容易な可状態ということである。
【0013】
上記スロットマシンでは、特別入賞の決定情報の持ち越し状況に応じた演出態様で演出が行われるものとなる。この演出で特別入賞の決定情報が持ち越されているか否かについての情報を遊技者が得ることができるので、特別入賞の決定情報を持ち越す機能を有するスロットマシン(いわゆるストック機)ならではの期待感を遊技者に与えることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0014】
上記スロットマシンにおいて、
前記不可状態は、解除されるまでの期待ゲーム数が所定ゲーム数よりも大きい第1の段階(RT残りゲーム数が11以上、RT解除抽選の当選前)と、該期待ゲーム数が所定ゲーム数以下の第2の段階(RT残りゲーム数が10以下、演出用RT)とに順番に制御されるものであってもよい。この場合において、
前記演出制御手段は、前記不可状態として第1の段階にあるときよりも第2の段階にあるときに高い確率で、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す演出態様を選択することができる(ステップS305、図11(e−3)及び(f))。
【0015】
ここで、報知手段から特別入賞の決定情報が持ち越されている旨が確定的に報知されたときには、単に特別入賞の決定情報が持ち越されていることだけでなく、第1の段階よりも第2の段階に制御されている可能性が高いことを示すことができる。これにより、不可状態の解除が近いことまで遊技者に期待させることができる。なお、特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す演出態様を選択する確率は、第1の段階にあるときには0%としてもよい。また、第2の段階にあるときは、100%としてもよい。
【0016】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記決定情報持越手段に前記特別入賞の決定情報が持ち越されている数に応じて、前記複数種類の演出態様から前記演出手段に実行させる演出の演出態様を選択することができる(ステップS305、図11(e−1)及び(e−2))。
【0017】
この場合には、どのような演出態様で演出が行われたかにより、単に特別入賞の決定情報が持ち越されているだけでなく、その持ち越されている数の多いことも遊技者に期待させることもできるようになる。これにより、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0018】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記決定情報持越手段に前記特別入賞の決定情報が持ち越されている数が多いほど高い確率で、前記決定情報の持ち越し状況に関する演出を前記演出手段に実行させることができる(ステップS305、図11(e−1)及び(e−2))。
【0019】
この場合には、演出手段において演出が実行される頻度が高くなれば、単に特別入賞の決定情報が持ち越されているだけでなく、その持ち越されている数の多いことも遊技者に期待させることができる。これにより、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0020】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記特別遊技状態の終了後に消化したゲーム数に応じて、前記複数種類の演出態様から前記演出手段に実行させる演出の演出態様を選択することができる(ステップS305、図11(e−1)及び(e−2))。
【0021】
例えば、特別遊技状態の終了後に消化したゲーム数が所定ゲーム数以下であるときには、特定の種類の演出態様(特に特別入賞の決定情報が持ち越されている確率が高いことを示す演出態様)が選択されやすいものとすることができる。これによって、特別遊技状態が終了した後に直ぐに次の特別入賞が発生することを遊技者に期待させることができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0022】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、選択した演出態様として予め設定された複数段階の態様を順次切り替えて示す(ステップS308、S310、S314)と共に、該複数段階の最終態様を示すことにより前記持ち越し状況を報知する(ステップS310、S314)ものとすることができる。
【0023】
この場合において、
前記演出制御手段は、ゲームの進行上の段階の変化(スタートレバーの操作、停止ボタンの操作)に従って、前記複数の段階を順次切り替えて示すものとすることができる。
【0024】
この場合には、演出の段階が進むにつれて、遊技者の期待感を徐々に高めさせて行くことができ、遊技の興趣を向上させることができる。特にゲームの進行上の段階の変化に合わせて段階の切り替えを行うことで、遊技者の期待感の高まりがゲームの進行上の段階の変化につれて生じるようにでき、遊技の興趣を向上させることができる。
【0025】
この場合において、前記演出制御手段が選択する演出態様は、前記複数段階の最終態様を当該ゲームにおいて示す第1の演出態様と、前記複数段階の最終態様を次のゲームに関して所定の条件が成立したときに示す第2の演出態様とを含んでいてもよい(ステップS314、図11(f))。
【0026】
この場合には、次のゲームに移行してから最終態様が示されることも生じるので、次のゲームに移行してまで遊技者の期待感を持続させることができる。
【0027】
ここで、 前記第2の演出態様において当該ゲームにおいて示される前記最終態様よりも前の段階の態様は、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示さない前記第1の演出態様における最終態様と同様の態様(ステップS310、図11(e−2))であってもよく、
前記第2の演出態様において次のゲームに関して所定の条件が成立したときに示される最終態様は、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す態様(ステップS314、図11(f))であってもよい。
【0028】
ここでは、演出の開始した当該ゲーム中で最終的に示された段階の態様では、遊技者にとって、特別入賞の決定情報が持ち越されているとは限らないものと考えられて、遊技者の期待感が最大限に高まることはない。そして、次のゲームに移行してから特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す最終態様が示されて、遊技者の期待感が最大限に高まることとなる。このように遊技者の期待感の変化の高低差を大きなものとすることで、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。図2は、図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。図3は、図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19(図1)にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。
【0031】
図1〜図3を参照して説明すると、このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MRの駆動によって回転/停止させられる。
【0032】
リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「色なし7」、「色つき7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SRと、背面から光を照射するリールランプ3LPとが設けられている。
【0033】
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51によって構成され、後述するビッグボーナスやレギュラーボーナス時にゲーム数、入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。
【0034】
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
【0035】
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、賭け数に応じて有効化されたライン(以下、有効ラインという)に対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
【0036】
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
【0037】
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。演出用の画像としては、後述するボーナス当選がストックされているか否かを予告または告知するための画像が含まれる。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
【0038】
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図4参照)が内部に配されている。
【0039】
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図4参照)またはMAXBETスイッチ46(図4参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図4参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
【0040】
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図4参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。。
【0041】
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図4参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図4参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。
【0042】
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図4参照)が点灯状態となることで、後述するビッグボーナス当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが100%の確率で設定されていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
【0043】
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。ホッパー80は、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されている。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図4参照)が発した光が照射される。ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク95の内部には、貯留するメダルが満タンになったことを検知する満タンセンサ90が設けられている。
【0044】
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時及びビッグボーナス、レギュラーボーナス突入時の効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
【0045】
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75Mの発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
【0046】
また、スロットマシン1の内部には、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112(図5参照))をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94を備える電源ユニット9が設けられている。
【0047】
上記の各部を制御する制御基板として、内部下側に配された電源基板100、内部上側にそれぞれ配された遊技制御基板101、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105、並びに前面扉裏側に配された演出制御基板102が設けられている。図4は、各制御基板100〜105を含む、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図5は、遊技制御基板101及び演出制御基板102に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【0048】
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。なお、図4では、遊技制御基板101及びホッパー80にのみ接続されているが、他の各部への電力の供給も行っている。また、電源基板100には、設定スイッチ91、設定キースイッチ92、第2リセットスイッチ93、メインスイッチ94が接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。
【0049】
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、バッファ回路117、スイッチ回路118、モータ回路119その他の回路を搭載している。
【0050】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0051】
乱数発生回路115は、例えばシステムクロックが所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。
【0052】
CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
【0053】
CPU111は、I/Oポート114及びバッファ回路117を介して演出制御基板102に、後述する当選状況通知コマンドなどを含む各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報が送られることはない。
【0054】
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
【0055】
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
【0056】
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、ROM113内の遊技状態に対応したリール制御テーブルを参照して、モータ回路119及びリール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MLを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。なお、遊技状態が後述するRT(Replay Time)にあるときに参照されるリール制御テーブルによっては、ボーナス入賞がされないようになっている。
【0057】
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
【0058】
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、バッファ回路127及びI/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンド(特に当選状況通知コマンド)に基づいて行われる。演出には、後述するボーナス当選のストックの予告または告知も含まれる。
【0059】
RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0060】
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されており、これらを駆動するため、スピーカ駆動回路131、表示駆動回路132、ランプ駆動回路133等を備えている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
【0061】
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。
【0062】
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞が発生するためには、当該役の内部当選フラグが設定されている必要があるが、その詳細については後述する。入賞の際には、メダルの払い出しが行われ、また、入賞に伴って遊技状態が変化させられる(但し、RT及びATへの制御は、入賞の発生に伴って行われるものではない)。以下、これらの入賞と判定される“役”について説明する。
【0063】
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に、例えば「BAR」が3つ揃った場合、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、レギュラーボーナスゲーム(JACゲーム)と称されるゲームを所定回(例えば、12回)だけ行うこと、または所定回(例えば、8回)だけ入賞する(有効ライン上に「JAC」が揃う:JAC入賞)ことにより終了する。レギュラーボーナスが終了したときは、レギュラーボーナス終了コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0064】
遊技制御基板101には、レギュラーボーナスゲームの回数及びその入賞回数をカウントするカウンタが設けられている。なお、このレギュラーボーナスに移行した状態、すなわちレギュラーボーナスゲームが提供されている遊技状態を第1の特別遊技状態といい、遊技制御基板101内のRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定される。
【0065】
賭け数に応じた有効ライン上に、例えば「色つき7」が3つ、または「色なし7」が3つ揃った場合には、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを最大30ゲーム行うことができる。この小役ゲームでは、比較的高い確率で有効ライン上に「JAC」が揃い(JACIN)、JACINすると、前述したレギュラーボーナスが提供される(最大3回)。ビッグボーナスは、30回の小役ゲームが終了するか、3回目のJACINに基づいたレギュラーボーナスが終了することにより終了する。
【0066】
ビッグボーナスが終了したときには、ビッグボーナス終了コマンドが演出制御基板102に送信される。遊技制御基板101には、小役ゲーム回数、JACINの回数、レギュラーボーナスゲームのゲーム数及びその入賞数、並びにビッグボーナス中におけるメダルの純増枚数をカウントするカウンタが設けられている。なお、このビッグボーナスに移行した状態を第2の特別遊技状態といい、遊技制御基板101内のRAM112にビッグボーナス中フラグが設定される。
【0067】
また、レギュラーボーナスゲームまたはJACゲーム以外のゲームで、有効ライン上に「スイカ」または「ベル」が揃った場合、或いは左のリール3Lについて「チェリー」が現れた場合には、小役入賞となる。ビッグボーナス期間中において提供される小役ゲーム及びJACゲーム、並びにレギュラーボーナスゲームを除き、有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。それ以外の表示態様が可変表示装置2に導出表示された場合には、いずれの役にも入賞しなかったこと、すなわちハズレとなる。
【0068】
なお、リプレイ入賞は、厳密な意味での小役入賞ではないが、遊技状態の移行を伴わない点では他の小役入賞と変わりがないので、特に断りがない限り、この実施の形態において「小役」といった場合には、リプレイを含むものとする。また、ビッグボーナス時におけるJACINや、JACゲーム中及びレギュラーボーナスゲーム中の役についても、「小役」に含まれるものとする。また、単に「ボーナス」といった場合は、ビッグボーナスとレギュラーボーナスの両方を含むものとする。ビッグボーナスやレギュラーボーナスにおけるメダルの純増枚数の期待値は、通常の遊技状態及びRTにおける同じゲーム数での期待値よりも高い。
【0069】
以上説明した役への入賞があった場合には、リプレイ入賞であった場合を除いて、それぞれの役に応じた枚数のメダルが払い出される(但し、クレジット数が50に達するまでは、役に応じた数のクレジットがデータとして蓄積され、この場合もメダルと同様に有価価値を払い出したこととなる)。また、メダルの払い出しの枚数は、ベルの小役が8枚、チェリーの小役が2枚である他は、全て15枚である。なお、入賞の有無及び入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドが、各ゲームの終了時において遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
【0070】
次に、内部抽選とボーナス当選のストック及びその放出について、さらに詳細に説明する。内部抽選は、後述する各役への入賞を許容するかどうかを事前に決定するものであり、ゲーム毎にハードウェア乱数機能を用いて取得した内部抽選用の乱数、設定スイッチ91による設定、遊技者が設定した賭け数、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照し、CPU111が行うことで、このような事前決定のための手段が構成される。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。
【0071】
小役(リプレイ等を含む)に当選した場合は、当該ゲームにおいて当選役に対応した当選フラグがRAM112に設定される。RAM112に小役当選フラグが設定されていると、該当する小役に入賞可能となる。なお、小役当選フラグは、各ゲームの終了時において消去され、次ゲーム移行に持ち越されることはない。ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選した場合は、RAM112のストック数記憶部にその当選が一旦ストックされる。ここで、いずれの種類のボーナス当選フラグも設定されていない初当たりの状態であれば、ストックされたボーナス当選がシフトされ、該当するボーナス当選フラグが設定されると共に、当該ボーナス当選のストック数が1だけマイナスされる。
【0072】
ボーナス入賞によりボーナス当選フラグが消去されても、その時点でストックされたボーナス当選がボーナス当選フラグとしてシフトされるのではなく、当該ボーナス入賞に基づくボーナス終了時においてさらにボーナス当選がストックされていれば、その時点でストックされたボーナス当選がボーナス当選フラグとしてシフトされる。ボーナス当選のストックから当選フラグへシフトする場合、当選がストックされているのがビッグボーナスとレギュラーボーナスの一方だけであれば、必然的にストックされている種類のものが選ばれてシフトされるが、両方がストックされている場合には、抽選によりいずれかが選択されてシフトされる。
【0073】
もっとも、ボーナス当選フラグが設定されたからといって、ボーナス入賞が可能になるというものではない。ボーナス当選フラグが設定されるときには、RAM112のRTカウンタにRT残りゲーム数を示す値がセットされて遊技状態がRTに制御され、ボーナス入賞が不可能となるリール制御テーブルが選ばれてリール3L、3C、3Rの停止制御が行われるからである。このRTへの制御によりボーナス当選フラグが設定されていてボーナス入賞が不可能となっている状態は、さらなるボーナス当選のストックがない場合であっても、ボーナス当選がストックされている状態として扱われる。
【0074】
RTの遊技状態が解除され、ストックされたボーナス当選が放出される、すなわち設定されたボーナス当選フラグに基づいてボーナス入賞が可能となるのは、RTカウンタの値がゲーム毎に1ずつ減算されていき、その値が0となったときである。RTカウンタは、マイナスの値をとることはなく、既にその値が0となっているときのゲームでは、0の状態が維持される。RTカウンタの値の初期値としては、120(ゲーム数小)と720(ゲーム数大)とがある。
【0075】
RTカウンタの値の初期値は、初当たりのときには必ず120となる。ボーナス終了時にさらにボーナス当選がストックされていて、そのストックに基づいてボーナス当選フラグが設定されるときのRTカウンタの値の初期値としては、120または720のいずれかが抽選により所定の確率で選ばれることとなる。RTカウンタの値が0でなくて遊技状態がRTに制御され、ボーナス入賞が不可能となっている間のゲームでも内部抽選においてボーナス入賞をすることは可能であり、ボーナス当選がストックされることとなるものである。
【0076】
RTカウンタの値が0となり、通常の遊技状態に戻ると、ボーナス入賞が可能なリール制御テーブルが選ばれることとなるので、RAM112に設定されたボーナス当選フラグに基づいてボーナス入賞することが可能となる。ここで、RTは、リプレイ当選の確率を高くするというよりも、通常の遊技状態とは異なるリール制御テーブルを使用してボーナス入賞させないようにし、これによりボーナス当選のストックが可能となるように便宜的に用いている遊技状態に過ぎない。通常の遊技状態とRTにおける同じゲーム数でのメダルの純増枚数の期待値は、ほぼ同じである。
【0077】
上記した内部抽選の結果等に基づいて設定される各種当選フラグ、及びボーナス当選のストックの状況に関する情報は、当選状況通知コマンドとしてゲーム毎に遊技制御基板101から演出制御基板102へと送信される。図6は、ゲーム毎に遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される当選状況通知コマンドのフォーマットを示す図である。当選状況通知コマンドは、図6(a)に示すコマンド301と、図6(b)に示すコマンド302とから構成される。
【0078】
コマンド301は、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、スイカ、ベル、チェリー、リプレイ(またはJACIN、JAC入賞)のそれぞれの役に対応した当選フラグの設定状況を情報として含む。一方、コマンド302は、ビッグボーナス当選のストック数、レギュラーボーナスの当選のストック数、RT残りゲーム数を情報として含む。コマンド302内において、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスの当選のストック数は、3以上であればいくつであっても3となり、RT残りゲーム数は、RTカウンタの値が11以上であればいくつであっても7、RTカウンタの値が6〜10であれば6、RTカウンタの値が5以下であればその値となる。
【0079】
演出制御基板102のCPU121は、この当選状況通知コマンド301、302に基づいて、ボーナス当選のストックの状況(以下、ストック状況という)に関する報知演出を実行する。なお、内部抽選の結果を外部に完全に出さないようにするため、この報知演出に影響を及ぼさない範囲で所定の確率で当選状況通知コマンドの内容を変換して、演出制御基板102へと送信するものとしてもよい。
【0080】
次に、ストック状況の報知演出について説明する。ストック状況の報知演出は、液晶表示器4上において、4段階または5段階に画像の態様を切り替えて行きながら最終段階の画像で結論を示すものであり、全体としての態様として4種類のものがある。ストック状況の報知演出を行うか否か、行う場合にはその態様を、スタートレバー11の操作時に遊技制御基板101から送信された当選状況通知コマンド301、302に従って決定し、第1段階を行うものとなる。また、停止ボタン12L、12C、12Rの操作等によりリール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止する度に、次の段階を行うものとなる。
【0081】
第1の態様は、4段階で構成されるもので、スタートレバー11の操作後に行われる第2段階では、これからストック状況の報知演出を行うことを示す画像が液晶表示器4に表示される。リール3L、3C、3Rの1つ目が停止したときに行われる第1段階では、ストックがあるのかの問いに対して返答を待たせることを示す画像が液晶表示器4に表示される。リール3L、3C、3Rの2つ目が停止したときに行われる第3段階では、ストックがないのかの問いに対して返答を待たせることを示す画像が液晶表示器4に表示される。
【0082】
リール3L、3C、3Rの3つ目が停止したときに行われる第4段階では、返答をお願いしても答えないことを示す画像が液晶表示器4に表示される。この第4段階の画像が、第1の態様における最終結論であり、ボーナス終了から11ゲーム目以降であれば、ボーナス当選のストックがある(ストック数が1以上)可能性が10%以下であることを示す。つまり、ボーナス当選のストックがないときに選択され易く、あるときに選択されにくい態様となっている。一方、ボーナス終了から10ゲーム以内であれば、ボーナス当選のストックがある(ストック数が1以上)可能性が50%程度であることを示す。つまり、ボーナス当選のストックがないときに比較的選択されにくく、あるときに比較的選択され易い態様となっている。
【0083】
第2の態様も、4段階で構成されるもので、第1段階から第3段階までは第1の態様と同じである。ここでの第4段階では、返答をお願いしてもさらに待たせることを示す画像が液晶表示器4に表示される。この第4段階の画像が、第2の態様における最終結論であり、ボーナス終了から11ゲーム目以降であれば、ボーナス当選のストックがある(ストック数が1以上)可能性が60%程度であることを示す。つまり、ボーナス当選のストックがないときに選択されにくく、あるときに選択され易い態様となっている。一方、ボーナス終了から10ゲーム以内であれば、ボーナス当選のストックがある(ストック数が1以上)可能性が10%以下であることを示す。つまり、ボーナス当選のストックがないときに比較的選択され易く、あるときに比較的選択されにくい態様となっている。
【0084】
第3の態様も、4段階で構成されるもので、第1段階から第3段階までは第1、第2の態様と同じである。ここでの第4段階では、返答をお願いするとボーナス当選がストックされていることを示す画像が液晶表示器4に表示される。この第4段階の画像が、第3の態様における最終結論である。この第3の態様は、ボーナス当選がストックされていて、且つRT残りゲーム数が10以下(RT残りゲーム数が0、すなわち通常の遊技状態となっている場合を含む)となっているときにのみ所定の確率で選択されるものである。
【0085】
第4の態様は、5段階で構成されるものであるが、第1段階から第4段階までは、第2の態様と同じである。第2の態様が決定されていた場合には、当該ゲームでリール3L、3C、3Rの全てが停止したときを最終段階として結論を示し、次のゲームで遊技者が賭け数の設定操作をしたときには通常画面に戻ってしまう。これに対して、第4の態様が決定されていた場合には、一旦示された結論(第2の態様の第4段階)から逆転して、ストックがある旨を示す画像が液晶表示器4に表示される。この第4の態様も、ボーナス当選がストックされていて、且つRT残りゲーム数が10以下となっているときにのみ所定の確率で選択されるものである。
【0086】
なお、ビッグボーナスとレギュラーボーナスのストック数の合計が3以上となっているときには、ストック数の合計が2以下のときよりもストック状況の報知演出が行われることが決定される確率が高くなっている。但し、第1〜第4の態様のうちのいずれの態様が選択されるかの確率は、ストック数の合計が0であるか1であるかの違いにより変わるだけで、ストック数の合計が3以上のときと1または2のときとで変わるものではない。
【0087】
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
【0088】
図7は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
【0089】
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。もっとも、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイフラグが消去される)ので、そのままスタートレバー11を操作してゲームの開始を指示すればよい。BET処理において遊技者の操作により賭け数の設定されたとき、或いはリプレイ入賞に基づいて賭け数が自動設定されたときに、BETコマンドが演出制御基板102に送信される。
【0090】
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて小役当選フラグが設定され、ボーナス当選がストックされる。前回のゲーム以前にボーナス当選フラグが設定されていないでボーナス当選がストックされると、ボーナス当選フラグが設定されると共に、RTへ遊技状態が制御される。また、図6に示した当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。RTカウンタの減算も、この抽選処理の中で行われる。なお、抽選処理の詳細については後述する。
【0091】
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が可変表示される。前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。なお、リール3L、3C、3Rを回転開始させる順序は、RAM112に設定されている各種フラグの状態に従って変化させてもよい。また、回転開始時にリール停止タイマ及び次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
【0092】
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。また、リール停止タイマが計時する時間が所定時間(例えば、30秒)を経過すると、リール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。
【0093】
このとき、RAM112に設定している遊技状態に応じたリール制御テーブルを参照して、RAM112の各役の当選フラグの設定状況に応じてリール3L、3C、3Rの駆動停止を制御する。RTの遊技状態において参照されるリール制御テーブルでは、ボーナス当選フラグが設定されていても、ボーナス入賞が発生しないようになっている。また、リール3L、3C、3Rの回転が停止されたときには、それぞれリール停止コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0094】
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が揃ったかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。このような処理としては、リプレイ入賞した場合のリプレイフラグの設定、リプレイ以外に入賞した場合の払い出し予定数の設定、ボーナス入賞した場合のボーナス当選フラグの消去及びボーナス中フラグの設定が含まれる。また、入賞の有無及び入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドが、演出制御基板102に送られる。
【0095】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけだけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の設定も行われ、ボーナス終了時にはボーナス終了コマンドを演出制御基板102に送信する。さらにボーナス当選がストックされているときには、ボーナス当選フラグの設定及びRTへの制御も行う。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
【0096】
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図8は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、最初にRAM112のRTカウンタの値が0でなければ、その値を1だけ減算する(ステップS101)。この結果としてRTカウンタの値が0となれば、通常の遊技状態となる。
【0097】
次に、ハードウェア乱数機能を利用して内部抽選用の乱数を取得し、当該取得した乱数の値をRAM112に一時格納する(ステップS102)。さらに、RAM112に一時格納した乱数の値を、設定スイッチ91による確率設定、ステップS2のBET処理で設定した賭け数、並びに現在の遊技状態(通常中、RT中、ビッグボーナス中及びレギュラーボーナス中)に応じた当選判定用テーブルと比較する(ステップS103)。
【0098】
次に、乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、何らかの種類の小役(リプレイ等を含む)に当選しているかどうかを判定する(ステップS104)。いずれかの種類に当選している場合は、当選した役に対応した当選フラグをRAM112に設定する(ステップS105)。そして、ステップS114の処理に進む。
【0099】
いずれの種類の小役にも当選していなければ、ステップS103で乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、ビッグボーナスに当選していたかどうかを判定する(ステップS106)。ビッグボーナスに当選していた場合には、ビッグボーナスストック数を1だけ加算させる(ステップS107)。そして、ステップS110の処理に進む。
【0100】
ステップS103で乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、ビッグボーナスに当選していなければ、今度はレギュラーボーナスに当選していたかどうかを判定する(ステップS108)。レギュラーボーナスに当選していた場合には、レギュラーボーナスストック数を1だけ加算させる(ステップS109)。そして、ステップS110の処理に進む。レギュラーボーナスにも当選していなかった場合には、ステップS114の処理に進む。
【0101】
ステップS110では、前回以前のゲームにおいて既にRAM112にボーナス当選フラグが設定されているかどうかを判定する。ボーナス当選フラグが既に設定されていれば、そのままステップS114の処理に進む。ボーナス当選フラグが設定されていない場合には、ボーナス当選のストックがない状態から今回のゲームで初めてボーナス当選した、いわゆる初当たりの場合となっている。
【0102】
この場合には、RAM112のRTカウンタの初期値として120(ゲーム数小)をセットする(ステップS111)。また、ビッグボーナス当選フラグとレギュラーボーナス当選フラグのうちの今回当選したボーナス当選フラグを、RAM112に設定する(ステップS112)。さらに今回当選したボーナスについてストックされている数を1だけマイナスする(ステップS113)。そして、ステップS114の処理に進む。
【0103】
ステップS114では、RAM112に設定されている当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンド301と、ボーナス当選のストック数及びRT残りゲーム数を示す当選状況通知コマンド302とをそれぞれ生成し、これらを演出制御基板102に送信する。ここで、当選状況通知コマンド301、302は、ボーナス当選のストック数の告知などに影響しない範囲で、所定の確率で内容を変換するものとしてもよい。そして、抽選処理を終了し、図7のフローチャートに復帰する。
【0104】
次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図9は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS201)。
【0105】
また、RAM112に設定された小役当選フラグ(リプレイ等を含む)を消去する(ステップS202)。次に、RAM112のビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグの状態を参照し、現在の遊技状態がボーナス中となっているかどうかを判定する(ステップS203)。現在の遊技状態がボーナス中となっていなければ、そのまま払出処理を終了して、図7のフローチャートに復帰する。
【0106】
現在の遊技状態がボーナス中となっていれば、RAM112の各種カウンタを用い、当該ボーナスに遊技状態が移行されてからの消化ゲーム数(ビッグボーナスでは、小役ゲーム数とJACゲーム数を別々に)をカウントする(ステップS204)。このカウント結果として、ボーナスの終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS205)。ボーナスの終了条件が成立していなければ、そのまま払出処理を終了し、図7のフローチャートに復帰する。
【0107】
ボーナスの終了条件が成立していれば、RAM112のボーナス中フラグを消去し(ステップS206)、さらにボーナス終了コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS207)。次に、ビッグボーナスかレギュラーボーナスの当選のストック数がいずれも0となっているかどうか、すなわちボーナス当選がストックされていないかどうかを判定する(ステップS208)。ボーナス当選がストックされていなければ、そのまま払出処理を終了し、図7のフローチャートに復帰する。
【0108】
ボーナス当選がストックされていれば、RTパンクゲーム数の決定抽選を行い、RTカウンタの初期値として120(ゲーム数小)と720(ゲーム数大)のいずれかを所定の確率で選択し(ステップS209)、選択した値をRAM112のRTカウンタの初期値としてセットする(ステップS210)。次に、ストックされているボーナスのうちでRT終了後に放出することとなるボーナスの種類を、ビッグボーナスかレギュラーボーナスのいずれかから選択する。ここで、ビッグボーナスかレギュラーボーナスのいずれか一方しかストックされていなければ、ストックされている種類のボーナスが放出することとなる種類として選択される。いずれもストックされていれば、ソフトウェア乱数機能による乱数の取得による抽選でボーナスの種類を選択する(ステップS211)。
【0109】
RT終了後に放出することとなるボーナスの種類が決定されると、ビッグボーナス当選フラグとレギュラーボーナス当選フラグのうちの決定種類に対応したボーナス当選フラグを、RAM112に設定する(ステップS212)。さらに選択した種類のボーナスについてストックされている数を1だけマイナスする(ステップS213)。そして、払出処理を終了し、図7のフローチャートに復帰する。
【0110】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、レギュラーボーナス及びビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、リールランプ3LPの点灯制御を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102のCPU121が各種の演出(特にストック状況の報知演出)を行うために実行する処理について説明する。
【0111】
図10は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS301)。コマンドを受信するまでは、ステップS301の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS302)。
【0112】
受信したコマンドの種類がステップS114で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、コマンド301、302の両方が揃ってから、RAM122にビッグボーナス中フラグまたはレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がボーナス中であるかどうかを判定する(ステップS303)。現在の遊技状態がボーナス中であれば、そのままステップS301の処理に戻る。
【0113】
現在の遊技状態がボーナス中でなければ、まず、ボーナス後ゲーム数カウンタの値を1だけ加算する(ステップS304)。受信した当選状況通知コマンド301、302が示すボーナス当選フラグのストックの有無に関する状況(ボーナス当選フラグが設定されていてRT残りゲーム数が0でないときは、ボーナス当選のストックを示す)とRT残りゲーム数、さらにはボーナス後ゲーム数カウンタの値に従って、ストック状況の報知演出を行うか否か、行う場合には報知の態様の種類も決定する(ステップS305)。
【0114】
ここで、ストック状況の報知演出を行う旨を決定する確率は、ビッグボーナスとレギュラーボーナスを合わせたボーナス当選のストック数が3以上であるときには、2以下であるときよりも高くなっている。第3の態様または第4の態様を決定するのは、ボーナス当選がストックされていて、しかもRT残りゲーム数が10以下(RT残りゲーム数が0、すなわち通常の遊技状態となっている場合を含む)となっているときだけである。
【0115】
ボーナス後ゲーム数が11以上であれば、ストックがないときに第1の態様を選択する確率を高くし、ストックがあるときに第2の態様が選択される確率を高くする。こうして第1の態様が選択されたときにストックがある確率が10%以下で、第2の態様が選択されたときにストックがない確率が50%程度となるようにする。一方、ボーナス後ゲーム数が11以下であれば、ストックがないときに第2の態様を選択する確率を高くし、ストックがあるときに第1の態様が選択される確率を高くする。こうして第1の態様が選択されたときにストックがある確率が50%程度で、第2の態様が選択されたときにストックがある確率が10%以下となるようにする。
【0116】
次に、ステップS305でストック状況の報知演出を行うことが決定されたかどうかを判定する(ステップS306)。ストック状況の報知演出を行わないことが決定された場合には、そのままステップS301の処理に戻る。ストック状況の報知演出を行うことが決定された場合には、さらに決定された報知の態様の種類を示す報知態様情報をRAM122に保存する(ステップS307)。そして、複数段階を含む報知の態様のうちの第1段階(報知の態様の種類によらずに同一)を実行し、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS308)。そして、ステップS301の処理に戻る。
【0117】
受信したコマンドの種類がステップS5のリール変動停止処理で送信されたリール停止コマンドであった場合には、RAM122に報知態様情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS309)。報知態様情報が記憶されていなければ、そのままステップS301の処理に戻る。報知態様情報が記憶されていれば、その報知態様情報が示すストック状況の報知演出の次の段階を行って、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS310)。
【0118】
次に、ここで行われたストック状況の報知演出が最終段階であって、その最終段階によりストック状況の報知が終了したかどうかを判定する(ステップS311)。ストック状況の報知が終了していなければ、そのままステップS301の処理に戻る。ストック状況の報知が終了した場合には、記憶されていた報知態様情報を削除し(ステップS312)、ステップS301の処理に戻る。
【0119】
受信したコマンドの種類がステップS2のBET処理で送信されたBETコマンドであった場合には、前回のゲームでRAM122に報知態様情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS313)。報知態様情報が記憶されていなければ、そのままステップS301の処理に戻る。報知態様情報が記憶されていれば、当該報知態様情報が示すストック状況の報知演出の最終段階を行い、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS314)。そして、記憶されていた報知態様情報を削除し(ステップS315)、ステップS301の処理に戻る。
【0120】
受信したコマンドの種類がステップS6の入賞判定処理で送信された入賞情報コマンドであった場合には、その入賞情報コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS316)。ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を示していれば、RAM122にビッグボーナス中フラグまたはレギュラーボーナス中フラグを設定して(ステップS317)、ステップS301の処理に戻る。いずれのボーナスの入賞も示していなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
【0121】
受信したコマンドの種類がステップS207で送信された(ビッグまたはレギュラー)ボーナス終了コマンドであった場合には、RAM122に設定されたビッグボーナス中フラグまたはレギュラーボーナス中フラグを消去する(ステップS318)。また、ボーナス後ゲーム数カウンタの値を0に初期化する(ステップS319)。そして、ステップS301の処理に戻る。
【0122】
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS320)。その後、ステップS301の処理に戻る。
【0123】
次に、ストック状況の報知演出の態様について、具体的な例に基づいて説明する。図11(a)〜(f)は、液晶表示器4に表示されるストック状況の報知演出の態様の例を示す図である。通常の遊技が行われている間、液晶表示器4には、図11(a)に示すように、通常画面として建物の前に遊技者側のキャラクタが立っている画像が表示されている。
【0124】
遊技者がスタートレバー11を操作したときには、当選状況通知コマンド301、302が遊技制御基板101から演出制御基板102に送られ、これらの当選状況通知コマンドに従って、ストック状況の報知演出を行うか否か、及びその態様が決定される。ここで、ストック状況の報知演出を行うことが決定されたときには、図11(b)に示すように、通常画面から、報知の第1段階の画像として遊技者側のキャラクタが建物の中に入っていく画像に切り替えられる。
【0125】
スタートレバー11の操作によりリール3L、3C、3Rが回転することとなるが、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを操作することによりリール3L、3C、3Rのうちの1つ目を停止させると、報知の2番目の段階が実行される。ここでは、図11(c)に示すように、遊技者側のキャラクタが建物の中にいた機械側のキャラクタに「ストックはあるの?」と問い合わせる画像が最初に表示される。この後、機械側のキャラクタが問い合わせに対して「ちょっと待って」と答える画像に切り替えられる。
【0126】
さらに遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rの残りのいずれかを操作することによりリール3L、3C、3Rのうちの2つ目を停止させると、報知の3番目の段階が実行される。ここでは、図11(d)に示すように、遊技者側のキャラクタが機械側のキャラクタに「ないの?」と問い合わせる画像が最初に表示される。この後も、機械側のキャラクタが問い合わせに対して「ちょっと待って」と答える画像に切り替えられる。
【0127】
さらに遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rの残りを操作することによりリール3L、3C、3Rのうちの3つ目を停止させると、報知の4番目の段階(最終段階のときとそうでないときとがあり)が実行される。ここでは、図11(e−1)〜(e−3)に示すように、遊技者側のキャラクタが機械側のキャラクタに「教えて!」と問い合わせる画像が最初に表示される。この後は、決定されていた報知態様に従って、次の3種類のいずれかの画像に切り替えられる。
【0128】
第1の報知態様が決定されていた場合、図11(e−1)に示すように、機械側のキャラクタが「教えないよ」と返答する画像が表示される。この画像が表示された場合には、ボーナス終了から11ゲーム目以降であれば、ボーナス当選がストックされている確率が10%以下であり、ボーナス終了から10ゲーム以内であれば、ボーナス当選がストックされている確率が50%程度であることが分かる。
【0129】
第2または第4の報知態様が決定されていた場合、図11(e−2)に示すように、機械側のキャラクタが「そのまま待ってて」と返答する画像が表示される。この画像が表示された場合には、ボーナス終了から11ゲーム以降であれば、ボーナス当選がストックされている確率が50%程度であり、ボーナス終了から10ゲーム以内であれば、ボーナス当選がストックされている確率が10%以下であることが分かる。但し、この画像が表示されたときは、さらに次のゲームの賭け数設定操作時に図11(f)に示す画像が表示される場合もあるので、図11(e−2)の画像に基づいてボーナス当選のストック状況が実際に分かるのは、次のゲームの賭け数設定操作時に通常画面に戻った場合である。
【0130】
第3の報知態様が決定されていた場合、図11(e−3)に示すように、機械側のキャラクタが「あるよ」と返答する画像が表示される。この画像が表示された場合には、ボーナス当選がストックされていて、しかもRT残りゲーム数が10ゲーム以下となっていることが分かる。
【0131】
図11(e−2)に示す画像が表示された場合は、これが最終段階となる態様に決定されていたか、次のゲームの賭け数設定時にさらに最終段階が表示される態様に決定されていたかのいずれかである。図11(e−2)に示す画像がストック状況の報知演出の最終態様として決定されていた場合は、次のゲームにおいて遊技者が賭け数の設定操作をすると、図11(a)に示した通常画面に切り替えられるか(ストック状況の報知を行わないことが決定された場合)、図11(b)に示したように通常画面から遊技者側のキャラクタが建物の中に入っていく画像に切り替えられる(ストック状況の報知を行うことが決定された場合)ものとなる。
【0132】
次のゲームの賭け数設定時にさらに最終段階が表示される態様に決定されていた場合には、図11(f)に示すように、次のゲームにおいて遊技者が賭け数の設定操作を行うと、機械側のキャラクタが「あるよ」と答える画像が表示される。この場合においても、ボーナス当選がストックされていて、しかもRT残りゲーム数が10ゲーム以下となっていることが分かる。さらにスタートレバー11が操作されることによって、再びストック状況の報知演出を行うか否か、及びその態様の種類についての決定が行われるものとなる。
【0133】
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信した当選状況通知コマンド301、302に基づいてストック状況の報知演出を行うものとしている。この報知演出によりボーナス当選のストック状況が報知されることによって、遊技者の期待感を効果的に高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、ボーナス当選がストックされているか否かは、遊技者が遊技を続けるか否かを決めるための重要な要素となっているが、報知演出によりその判断材料が与えられることで、遊技者自らの判断でいわゆるハマリに陥ってしまうのを回避できるようになる。
【0134】
ストック状況の報知演出において、決定された態様によってはボーナス当選がストックされている旨が告知される場合がある。この告知は、RT残りゲーム数が10以下となっているときにしか行われない。つまり、ボーナス当選がストックされている旨が告知されたときには、RTの解除が近いことも分かるので、遊技者の期待感をより高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0135】
また、ストック状況の報知演出は、いずれの態様においても液晶表示器4に表示される画像が段階的に変化していく。しかも表示される画像の変化は、ゲームの進行における段階(スタートレバー11の操作、リール3L、3C、3Rの回転停止)に応じて行われる。このため、ゲームの進行の段階が進むにつれて、遊技者の期待感を徐々に高めさせていくことが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0136】
さらに、ストック状況の報知演出の態様として第4の態様が選ばれた場合には、リール3L、3C、3Rが3つとも停止したときの画像が最終段階の結論とはならず、さらに次のゲームで賭け数の設定操作を行ったときに、最終段階の結論が示される。このため、次のゲームに移行してまで遊技者の期待感を持続させることができるようになる。
【0137】
ここで、第4の態様が選ばれた場合に、リール3L、3C、3Rが3つとも停止したときの最終段階の1つ前の画像(第2の態様と同じ)では、いずれにしてもボーナス当選のストックがある確率は、10%以下か50%程度であり、いずれにしても遊技者の期待感が非常に大きなものとなることはない。これに対して、次のゲームで賭け数の設定操作をしたときの最終段階の画像では、ボーナス当選のストックがある確率は、100%ということになり、遊技者の期待感が最大限に高まることとなる。このように遊技者の期待感の高低差を大きくすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0138】
また、ストック状況の報知演出の態様として第1または第2の態様が選ばれた場合、リール3L、3C、3Rが3つとも停止したときの最終段階の画像が示す結論は、ボーナス終了後ゲーム数が10以下であるか11以上であるかによって異なっている。つまり、ボーナス終了後ゲーム数に応じて、報知演出の態様として第1の態様が選ばれるか第2の態様が選ばれるかが逆になる。これによって、ストック状況の報知演出の態様が豊富なものとなり、演出としての興趣を向上させることができる。
【0139】
また、ボーナス終了後ゲーム数が10以下であるか11以上であるかで見方は異なるが、第1または第2の態様の最終段階の画像が表示されたときには、表示された画像に応じてストックがある(すなわち、ストック数が1以上)か、ストックがない(すなわち、ストック数が0)かが異なるものとなっている。このようにストックの有無に応じて異なる画像が表示されるものとなることで、遊技者は、ボーナス当選のストックの有無についてある程度の判断が可能となる。
【0140】
さらに、ストック状況の報知演出を行うか否かは、遊技制御基板101から送られた当選状況通知コマンド301、302に基づいて決定されるが、ビッグボーナス当選のストックとレギュラーボーナス当選のストックとが合わせて3以上あれば、この報知演出が行われると決定される確率が高くなっている。つまり、遊技者は、ストック状況の報知演出が行われる頻度に応じて、ボーナス当選のストック数についてもある程度の判断が可能となる。これにより、遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0141】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0142】
上記の実施の形態では、ボーナス当選のストック数が合わせて3以上ある時には、ストック状況の報知演出が行われる確率が高くなっていたが、報知演出の態様としてどの態様が選ばれるかの確率は、ストック数が合わせて1または2のときと変わらないものとなっていた。これに対して、ストック数が合わせて3以上あるときには、ストック数が合わせて1または2のときから報知演出の態様の選択確率も変化させるものとしてもよい。この場合には、遊技者は、ストック状況の報知演出の態様に応じて、ボーナス当選のストック数についてもある程度の判断が可能となる。これにより、遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0143】
上記の実施の形態では、ストック状況の報知演出の態様として4つのものがあり、第4の態様では、次のゲームで賭け数の設定操作が行われたときに、逆転してストックありが告知されるものとなっていた。この第4の態様以外にも、次のゲームで賭け数の設定操作が行われたときに最終段階の画像が表示される第5の態様が合ってもよい。例えば、第5の態様としては、リール3L、3C、3Rの全てが停止したときの画像でボーナス当選がストックされている確率が10%以下であることを示し、さらに次のゲームで賭け数の設定操作がされたときの画像でストックされている確率が50%程度であることを示すものとすることができる。この第5の態様によっても、遊技者の期待感を次のゲームまで継続させることができる。
【0144】
上記の実施の形態では、ストック状況の報知演出を行うかどうかは、当選状況通知コマンド301、302に基づいて、1ゲーム毎に決定されるものとしていた。ここで、RT残りゲーム数が9以下となっているときには、既にボーナス当選がストックされている旨が告知されている場合もある。そこで、ボーナス当選がストックされている旨を告知したときには、RAM122に告知済みフラグを設定し、告知済みフラグが設定されているときには、RT中であってもストック状況の報知演出を行わないようにしてもよい。
【0145】
上記の実施の形態では、ボーナス終了後の消化ゲーム数が10以下であるか11以上であるかによって、ストック状況の報知演出の態様の選択方法を異なるものとしていた。このようなボーナス終了後の消化ゲーム数が比較的少ないときに演出の態様の選択方法を変化させることで、ボーナス終了後にすぐに次のボーナス入賞が発生するいわゆるストック連チャンが期待できるという効果も得ることができる。これに対して、ボーナス終了後の消化ゲーム数がかなり多くなったとき(例えば、1000以上となったとき)にも、演出の態様の選択方法を変化させることができる。ボーナス終了からの消化ゲーム数が多くなり過ぎると、遊技者の期待感も低下させられていくこととなるが、このような演出の態様の選択方法の変化により、遊技者の期待感をあまり低下させないようにさせることができる。
【0146】
上記の実施の形態では、ボーナス当選がストックされていることを確定的に示す第3の態様または第4の態様が選択されるのは、RT残りゲーム数が10以下(RT残りゲーム数が0、すなわち通常の遊技状態を含む)であるときだけであった。しかしながら、RT残りゲーム数が11以上のときであっても、第3の態様または第4の態様を選択することがあってもよい。もっとも、その確率は、RT残りゲーム数が10以下のときに第3の態様または第4の態様が選択される確率よりも低くすることが好ましい。また、RT残りゲーム数が11以上であるときにおいて、ストック状況の報知演出を行う場合には、第3の態様または第4の態様を100%の確率で選択するものとしてもよい。
【0147】
上記の実施の形態では、ボーナス当選フラグが設定されていてもボーナス入賞を不可能とする遊技状態であるRTは、所定のゲーム数(120ゲームまたは720ゲーム)を消化したことを条件として解除されるものとしていた。しかしながら、RTの解除条件は、これに限るものではなく、例えば、遊技状態がRTにあるときに1ゲーム毎に抽選を行って、その抽選に当選したときに解除するものとしてもよい。
【0148】
さらに、RT解除抽選に当選した後に、所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)の演出用RT(遊技状態としてRTであることには変わりない)に移行させるものとし、演出用RTで所定ゲーム数を消化したときに、通常の遊技状態に戻るものとしてもよい。ここで、RT解除抽選の当選確率としては、高確率(110分の1程度:ゲーム数小に対応)と低確率(710分の1程度:ゲーム数大に対応)の2種類を定めることができ、RTカウンタの初期値を決めるのと同様の方法により、いずれかの確率に設定するものとすればよい。演出用RTは、所定ゲーム数の消化で解除されるのではなく、RT解除抽選よりも当選確率が低い所定の当選確率(例えば、10分の1程度)での抽選に当選したときに、解除されるものであってもよい。
【0149】
RT解除抽選が行われているゲームでは、RT残りゲーム数が11以上であるときと同様にしてストック状況の報知演出の態様を決定するものとし、演出用RTに移行した後のゲームでは、RT残りゲーム数が10以下であるときと同様にしてストック状況の報知演出の態様を決定するものとすることができる。このような決定方法によることで、ボーナス当選がストックされている旨の告知は、演出用RTにあるときだけ行われるため、RTが解除されるのが近づいていることが分かる。
【0150】
上記の実施の形態では、ボーナス当選フラグが設定されていても、遊技状態がRTにある場合には、このときに選択されるリール制御テーブルによりボーナス入賞することは完全に不可能となっていた。しかしながら、例えば、RT時に選択するリール制御テーブルとして、完全に正しい手順による場合10分の1の確率でボーナス入賞させられるものを考えると、停止ボタン12L、12C、12Rの押し順として6通り、図柄の組み合わせとして12通りのものがあると、(1/10)×(1/6)×(1/12)=1/720というようにボーナス入賞が困難となるものであってもよい。このようにRT時にボーナス入賞を完全に不可能としなくても、RT時にはボーナス入賞がボーナス当選確率よりも低い確率でしか発生しないほど困難なものとすることで、ボーナス当選のストック機能を実現することもできる。
【0151】
上記の実施の形態では、ボーナス当選フラグの設定と、さらなるボーナス当選のストックとをRAM112において分けていたが、ストック数のトータルを示す複数ビットのボーナス当選フラグを設けるものとしてもよい。ビッグボーナスとレギュラーボーナスのストックを当選順に記憶しておき、当選した順番でビッグボーナスとレギュラーボーナスのいずれかを放出するようにしてもよい。また、ボーナス当選フラグが設定されている場合に、遊技状態をRTとしてボーナス入賞させないことだけでなく、所定の条件が成立するまでボーナス入賞を不可能とするような制御をすれば、他の方法によりボーナス当選のストックを実現することもできる。
【0152】
上記の実施の形態では、ビッグボーナスであるかレギュラーボーナスであるかに関わらず、ボーナス当選のストック状況をまとめて報知するものとしていたが、ビッグボーナス当選のストック状況の報知とレギュラーボーナス当選のストック状況の報知とを別々に行うものとしてもよい。ビッグボーナス当選のストック状況とレギュラーボーナスのストック状況のいずれか一方のみを報知対象とするものとしてもよい。
【0153】
上記の実施の形態では、ストック状況の報知演出は、液晶表示器4に画像を表示させることによって行うものとしていたが、これに限るものではない。リールランプ3LPや遊技効果LED75の点灯制御や、スピーカ7からの音声の出力、或いは演出用の第4リールを備えるスロットマシンでは第4リールの回転制御など、液晶表示器4以外の他の演出装置を用いてストック状況の報知演出を行うものとしてもよい。
【0154】
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
【0155】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、演出により特別入賞の決定情報が持ち越されているか否かについての情報を遊技者が得ることができるので、特別入賞の決定情報を持ち越す機能を有するスロットマシン(いわゆるストック機)ならではの期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0156】
請求項2の発明によれば、単に特別入賞の決定情報が持ち越されていることだけでなく、第2の段階に制御されていて不可状態の解除が近いことまで遊遊技者に期待させることができる。
【0157】
請求項3の発明によれば、どのような演出態様で演出が行われたかにより、単に特別入賞の決定情報が持ち越されているだけでなく、その持ち越されている数の多いことも遊技者に期待させることもできるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0158】
請求項4の発明によれば、演出手段において演出が実行される頻度が高くなれば、単に特別入賞の決定情報が持ち越されているだけでなく、その持ち越されている数の多いことも遊技者に期待させることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0159】
請求項5の発明によれば、例えば特別遊技状態が終了した後に直ぐに次の特別入賞が発生することを遊技者に期待させることができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0160】
請求項6の発明によれば、演出の段階が進むにつれて、遊技者の期待感を徐々に高めさせて行くことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0161】
請求項7の発明によれば、遊技者の期待感の高まりがゲームの進行上の段階の変化につれて生じるようにでき、遊技の興趣を向上させることができる。
【0162】
請求項8の発明によれば、次のゲームに移行してから最終態様が示されることも生じるので、次のゲームに移行してまで遊技者の期待感を持続させることができる。
【0163】
請求項9の発明によれば、遊技者の期待感の変化の高低差を大きなものとして、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。
【図3】図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。
【図4】図1のスロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図5】遊技制御基板及び演出制御基板に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【図6】当選状況通知コマンドのフォーマットを示す図である。
【図7】遊技制御基板内の制御部が、1ゲーム毎に実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】図7の抽選処理を詳細に示すフローチャートである。
【図9】図7の払出処理を詳細に示すフローチャートである。
【図10】演出制御基板内の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図11】ストック状況の報知演出の態様の例を示す図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
2 可変表示装置
4 液晶表示器
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
Claims (9)
- 1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定し、その結果を示す決定情報を設定する事前決定手段と、
前記事前決定手段により特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定され、該決定情報により許容された特別入賞が発生しないときに、当該決定情報を次ゲーム以降に持ち越すと共に、前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報を複数個持ち越すことが可能な決定情報持越手段と、
前記特別入賞が発生したときに、所定の終了条件が成立するまで、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、
前記特別入賞の発生が許容された旨を示す決定情報が設定されているときに、前記特別入賞の発生が不可能または困難な不可状態に制御する不可状態制御手段と、
前記不可状態制御手段により制御された前記不可状態を解除し、前記特別入賞の発生が可能または容易な可状態とする不可状態解除手段と、
前記決定情報持越手段における前記特別入賞の決定情報の持ち越し状況に応じて、複数種類の演出態様からいずれかの演出態様を選択し、該選択した演出態様で前記決定情報の持ち越し状況に関する演出を演出手段に実行させる演出制御手段と
を備えることを特徴とするスロットマシン。 - 前記不可状態は、解除されるまでの期待ゲーム数が所定ゲーム数よりも大きい第1の段階と、該期待ゲーム数が所定ゲーム数以下の第2の段階とに順番に制御され、
前記演出制御手段は、前記不可状態として第1の段階にあるときよりも第2の段階にあるときに高い確率で、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す演出態様を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。 - 前記演出制御手段は、前記決定情報持越手段に前記特別入賞の決定情報が持ち越されている数に応じて、前記複数種類の演出態様から前記演出手段に実行させる演出の演出態様を選択する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスロットマシン。 - 前記演出制御手段は、前記決定情報持越手段に前記特別入賞の決定情報が持ち越されている数が多いほど高い確率で、前記決定情報の持ち越し状況に関する演出を前記演出手段に実行させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスロットマシン。 - 前記演出制御手段は、前記特別遊技状態の終了後に消化したゲーム数に応じて、前記複数種類の演出態様から前記演出手段に実行させる演出の演出態様を選択する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスロットマシン。 - 前記演出制御手段は、選択した演出態様として予め設定された複数段階の態様を順次切り替えて示すと共に、該複数段階の最終態様を示すことにより前記持ち越し状況を報知する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスロットマシン。 - 前記演出制御手段は、ゲームの進行上の段階の変化に従って、前記複数の段階を順次切り替えて示す
ことを特徴とする請求項6に記載のスロットマシン。 - 前記演出制御手段が選択する演出態様は、前記複数段階の最終態様を当該ゲームにおいて示す第1の演出態様と、前記複数段階の最終態様を次のゲームに関して所定の条件が成立したときに示す第2の演出態様とを含む
ことを特徴とする請求項6または7に記載のスロットマシン。 - 前記第2の演出態様において当該ゲームにおいて示される前記最終態様よりも前の段階の態様は、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示さない前記第1の演出態様における最終態様と同様の態様であり、
前記第2の演出態様において次のゲームに関して所定の条件が成立したときに示される最終態様は、前記特別入賞の決定情報が持ち越されている旨を確定的に示す態様である
ことを特徴とする請求項8に記載のスロットマシン。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003151700A JP2004350887A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | スロットマシン |
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JP2003151700A Withdrawn JP2004350887A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | スロットマシン |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008188064A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-21 | Aruze Corp | 遊技機 |
JP2013252369A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Kita Denshi Corp | 遊技装置 |
JP2016032733A (ja) * | 2015-11-17 | 2016-03-10 | 株式会社三共 | スロットマシン |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151700A patent/JP2004350887A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013252369A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Kita Denshi Corp | 遊技装置 |
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