JP2004350691A - グラム陽性菌中の商業的に重要な菌体外タンパク質の高められた生産のための方法及び系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この方法及び系は、少なくとも1つの目的の細胞外タンパク質を過剰生産することができるグラム陽性細菌宿主中でPrsAタンパク質を過剰生産することを含む。本発明の方法及び系を用いることにより、合成された細胞外タンパク質の増殖培地中への分泌が大幅に高められる。これらの細胞外タンパク質は一旦増殖培地中に分泌されると、容易に回収、精製できる。
【選択図】 なし
Description
グラム陽性細菌の分泌機構に関する知識はより少ない。バチルス属のモデル生物として遺伝学的及び生理学的によく特徴づけられている枯草菌についてのデータによると、全体的に大腸菌と似ていることが示唆される。しかしながら、おそらく非常に異なる個々の細胞エンベロープの組成及び構造に基づく要求を反映して、個々の成分の構造及び特異性は異なっている。
本発明の更なる目的は、種々の商業的に重要な細胞外タンパク質の生産を高めるために用いることができる細菌宿主及びプラスミドを記述することである。
概要 本発明は、目的の同種又は異種タンパク質の発現量が、修飾されていない野生型の生物により通常生産される量よりも高められている場合に、バチルスのようなグラム陽性細菌から通常分泌されるタンパク質の量が増大される方法及び系を提供する。
一局面において、本発明は、PrsAタンパク質又はその機能的類似体を野生型よりも多く発現することができ、かつ、少なくとも1つの目的の細胞外タンパク質を野生型よりも多く発現することができるグラム陽性細菌を含む、グラム陽性細菌中の細胞外タンパク質の分泌を高めるための発現系を包含する。
さらに他の局面において、本発明は、少なくとも1つの目的の細胞外タンパク質を野生型よりも多く発現することができ、かつ、枯草菌からの少なくとも2コピーのprsA遺伝子若しくはその類似体、又は枯草菌からのprsA遺伝子又はその類似体が強力な調節配列に機能的に連結され、その結果prsA遺伝子又はその類似体が過剰発現されるグラム陽性細菌を包含する。
さらに他の局面において、本発明は、細胞外タンパク質を野生型よりも多く発現することができるグラム陽性細菌中で、枯草菌からのPrsAタンパク質又はその類似体を野生型よりも多く発現させることを含む、グラム陽性細菌における目的の細胞外タンパク質の分泌を高める方法を包含する。
本発明はまた、サザンブロット法により、枯草菌のprsA遺伝子からのDNAプローブとハイブリダイズするDNAを同定し、過剰発現された場合に目的の細胞外タンパク質の分泌に関してグラム陽性細菌の分泌能を高めることができるタンパク質を該遺伝子がコードすることを示すことを含む、枯草菌からのPrsAの機能的類似体をコードする遺伝子を同定する方法を包含する。
説明 バチルス属細菌のようなグラム陽性細菌において、輸出されるタンパク質の発現レベル(合成)が高い場合には、タンパク質の分泌及び分泌型のタンパク質の生産において律速となるのは分泌装置の能力である。本発明は、この限定すなわちネックを克服するための系及び方法を提供する。
従って、本発明の方法及び系は、現在産業的に用いられている種々の過剰生産商業菌株を改良するために用いることができる。
より詳細には、目的の酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、ガラクトシダーゼ、プルラナーゼ、セルラーゼ、グルコースイソメラーゼ、タンパクジスフィド(disuphide)イソメラーゼ、CGT’ase(シクロデキストリングルコノトランスフェラーゼ)、フィターゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、ラッカーゼ、ビリルビンオキシダーゼ又はキシラナーゼであり得る。
本発明の教示では、目的の細胞外タンパク質は必ずしもネイティブな細胞外タンパク質である必要はなく、遺伝子工学技術を用いて細胞外タンパク質に設計され、創製された新規なタンパク質でもよい。例えば、1つの種からの普通は非分泌性のタンパク質(又は操作された非ネイティブタンパク質)は、構造タンパク質をコードする配列にシグナル配列を付加することにより「細胞外」タンパク質に作り替えることができる。この操作された細胞外タンパク質は、PrsAタンパク質又はその機能的類似体を過剰発現するバチルス属のようなグラム陽性細菌中で発現させることができる。このように、本発明の方法は、これらの目的の非ネイティブ及び遺伝子操作されたタンパク質の分泌を高めるために用いることができる。
prsA遺伝子類似体が一旦同定されると、それの配列を決定してさらに同一性を確認することができる。
本願発明者らは基礎研究者でもあり、設計及び必要のために我々の仕事の多くは実験室内、すなわち工業的な条件を模倣した環境下で行った。しかしながら、産業分野での協働研究者の助けを借りて、本発明の方法及び系は、商業的に有用な細菌菌株を用いた工業的な発酵条件下でも非常によく働くことが示された。
当業者が本発明の方法及び系を実施することを助けるために、我々の研究で用いた方法及び材料並びに本発明の実施例を以下に記載する。
細菌菌株及びプラスミド 枯草菌Marburg 168のprs突然変異体及びその親株を表1に示す。また、PrsAタンパク質を過剰発現している枯草菌及び大腸菌菌株並びにPrsAタンパク質の細胞内の量が多いために細胞外酵素の分泌が高められている枯草菌菌株並びにそれらの適当な対照菌株もリストされている。プラスミドベクターを有するクローニング宿主として用いられた大腸菌菌株はHB101、TG1及びDHScc(Sambrook J.,et al,(1989)Molecular cloning.A laboratorymanual.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NewYork)並びにラムダファージを有するKw25 1(プロメガ社、ウィスコンシン州マジソン)であった。
細菌は、修飾L−肉汁(1%トリプトン、0.5%酵母抽出物、0.5%NaCl)中で37℃で振盪培養するか又は1.5%寒天(ミシガン州デトロイトのディフコ社製)及び適当な抗生物質を含むL−プレート上で37℃で培養した(Kontinen,V.P.,et al.,(1991)Mol.Microbiol.5:1273-1283)。プレートはアルファアミラーゼ過剰発現菌株(5%デンプン及び2.5%寒天)及びズブチリシン過剰発現菌株(0.2%キシロース及び1%ミルク粉)のために修飾した。L−肉汁には、細胞外酵素の生産のために、2%可溶性デンプン(ドイツ国ダーマシュタッドのメルク社製)を加えるか又は2倍濃度の培地を用いた。ズブチシリンを産生する菌株は1%ミルク粉を含むL−プレート上で増殖させた。細胞外酵素の産生は、2倍濃度のL−肉汁を激しく撹拌しながら調べた。増殖は、クレットスマーソン色度計(ニューヨーク州クレットマニュファクチャリング社製)を用いて測定される濁度により示された。
アルファアミラーゼは、フェイドバス(Phadebas)タブレット(ファルマシア社製)を用い、Kontinen,V.p.and Sarvas,M.,(1988)J.Gen.Microbiol.,134:2333-2344)に記載された方法により分析した。プレートアッセイのために、5%のデンプンを含むL−プレート上に細菌を画線培養し、4℃でプレートを培養後、コロニーのまわりのハローを測定した。典型的には、内発性アルファアミラーゼを産生する野生型コロニーのまわりには領域はなかったが、pKTH10を担持する菌株では、プレートの培養時間に依存して2mmを超えるハローが観察された。
実施例1.PrsAタンパク質の量が増大している場合における枯草菌によるアルファアミラーゼ分泌の促進
宿主グラム陽性細菌がまたPrsAタンパク質を過剰発現している場合の種々の条件下における枯草菌によるα−アミラーゼの分泌の促進を次の表(表4)に示す。
この実施例は、宿主のグラム陽性細菌がまたPrsAタンパク質を過剰発現している場合における、バチルス・アミロリクエファシエンス中での枯草菌のPrsAの過剰生産の効果を示すものである。
prsA遺伝子を担持するプラスミドpKTH277はKontinen et al.(1991)に記載されている。
先ず、ALK02732及びALK02732(pKTH277)をルリアプレート上で一夜増殖させた。プレートから細菌を取り、10mlのルリア培地に加え、対数期(クレット100)まで増殖させた。次いで1mlのグリセロール(培養体積の1/10)を加え、細胞懸濁液を冷凍し、−70℃で貯蔵した。クレット100まで増殖した細胞を2xルリア+2%デンプンで100倍又は200倍に希釈して増殖実験を開始した。増殖実験に用いたルリア培地は塩を含んでいなかった。培地の体積は20mlであり、増殖は37℃で、ビン中で激しく振盪しながら行った。
培養上清中のα−アミラーゼはフェイドバスタブレット(ファルマシア社製)を用いて測定した。1/4の分散フェイドバスタブレットを含む1mlの緩衝液(50mM MES、pH6.8、50mM NaCl、100μM CaCl2)中で試料をインキュベートし、次いで50μlの5M NaOHを加えて反応を停止させた。ワットマンNo.1ろ紙を通してろ過した後、616〜624nmを分析波長域とし、800〜804nmを標準波長域として用いてろ液の吸光度を測定した。バチルス・アミロリクエファシエンスの市販のα−アミラーゼ(シグマ社製)を標準として用い、結果は1リットル当りの酵素のmg数で示した。
Microbiol.5:1273-2383.Vermaanpera,J.(1989):Transformation of Bacillus Amyloliquefaciens by electroporation.FEMS Microbiol.Lett.61:165-170.Vehmaanpera J.,Steinborn G.and Hofemeister J.(1991):Genetic manipulation of Bacillus amyloliquefaciens.J.Biotechnol.19:221-240.
この実施例は、宿主のグラム陽性細菌がまたPrsAタンパク質を過剰発現している場合における、バチルス・レンタス中で過剰発現された細胞外タンパク質の分泌促進における本発明の方法及び系を例示するものである。
Experase(登録商標)として市販され、WO89/06279(出願人:ノボ・ノルディスクA/S)に記載されている、バチルス・レンタスのズブチシリンの分泌に対するPrsAの過剰発現の効果を試験した。
用いたBPX培地は以下の組成を有していた。
BPX: ポテトデンプン 100 g/l
大麦粉 50 g/l BAN5000SKB 0.1 g/l
カゼイン酸ナトリウム 10 g/l
大豆ミール 20 g/l Na2HPO4・12H2O 9 g/l
プルロニック 0.1 g/l
バチルス・アミロリクエファシエンスの2つの菌株ALK089及びALK02100中におけるPrsAタンパク質の存在が示された。ALK089菌株はα−アミラーゼの生産に用いられている工業的菌株である。ALK089菌株は、Bailey,M.J.and Markkanen P.H.J.Appl.Chem.Biotechnol.1975,25,73-79)に記載されている過剰発現菌株である。ALK02100菌株はATCC23843(J.Vehmaanpera,FEMS Microbiology Letters 49(1988)101-105)の誘導体である。
菌株:バチルス・アミロリクエファシエンスRH2078=ALK0B9=BTT197=E18。これはα−アミラーゼの過剰生産菌株である。J.Vehmaanpera,ALKOからのギフト。バチルス・アミロリクエファシエンスRH2079=ALK02100、ALK02099(pE194/pC194)から誘導。J.Vehmaanpera,ALKOからのギフト。バチルス・リケニホルミスRH2080=BRA5=ATCC14580。これは耐熱性α−アミラーゼの生産株である。P.Saris,BI,H:kiからのギフト。バチルス・リケニホルミスRH305=749/c。これはもともとJ.O.Lampenから誘導され、ペニシリナーゼを構成する菌株である。枯草菌IH6074。これはmetB5 sacA321.Ref.M.Sibakov et al.,1983。枯草菌IH6744。これはIH6064から誘導され、プラスミドpKTH10(α−アミラーゼ遺伝子を担持)及びプラスミドpKTH277(PrsAをコードする遺伝子を担持)を含む。
精製PrsAタンパク質:PrsAはM.Lauraeusにより、pKTH277含む枯草菌から精製された。
免疫血清:SDS−ゲルにかけ、ここから切り出された、大腸菌により生産された枯草菌のPrsA。
細菌はL−プレート上で37℃で一夜増殖させた。コロニーはガラス棒でピックアップし、予め重量を測定してあるエッペンドルフチューブに入れ、重量を測定した。試料緩衝液は細胞濃度が10又は100mg細胞(ww)/mlになるように加えた。試料は100℃で10分間加熱した。
細菌は2xL肉汁中で37℃で撹拌しながら増殖させた。プロテアーゼの効果を最小化するために、細菌は先ず−20℃からクレット100(1〜2mg細胞ww/ml又は約109細胞/mlに対応)まで増殖させた。これを100倍に希釈したものを接種物として用いた。20mlの細菌をクレットフラスコ中で増殖させ、4mlずつの試料をクレット100、クレット100+2時間(クレット約400)、及びクレット100+4時間(クレット約550)で採取した。
試料は12%のSDS−PAゲル中で泳動し、クマシーブリリアントブルーRで染色するか又はバイオラドに従いPVDFフィルター上にブロットした。
PrsAは特異的抗PrsAウサギ抗血清KH1283で検出した。
pKTH277中のPrsA遺伝子を用い、米国カリフォルニア州サウスサンフランシスコのジェネンコールインターナショナルの科学者たちは、枯草菌がPrsAタンパク質及びリパーゼ(グラム陰性細菌であるシュードモナス・メンドシナのリパーゼ)の両者を過剰発現する場合には、培地に分泌されるリパーゼの量はPrsA遺伝子を過剰発現しない対照に比べて約3.5倍になったことを示した。ジェネンコールインターナショナルの科学者たちはバチルスの工業的な菌株を用い、工業的な発酵条件を用いた(データ示さず)。
このように、本発明は、グラム陽性細菌の工業的及び医学的に重要な細胞外タンパク質の生産を高めるための方法及び系を開示するものであることがわかる。
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者は本発明に種々の変更及び修飾を加えて種々の用途及び条件に適合するようにできる。このような変更及び修飾は、以下の請求の範囲の均等の全範囲内に、適正に、公正に、そして意図的に含められる。本発明の種々の特徴はまた以下の請求の範囲から明らかである。
Claims (23)
- 野生型よりも多くのPrsAタンパク質又はその機能的類似体を発現することができ、かつ野生型よりも多くの少なくとも1つの目的の細胞外タンパク質を発現することができるグラム陽性細菌を含む、グラム陽性細菌における細胞外タンパク質の分泌を促進するための発現系。
- 前記PrsAタンパク質は前記グラム陽性細菌と同種のものである請求項1記載の発現系。
- 前記PrsAタンパク質は前記グラム陽性細菌と異種のものである請求項1記載の発現系。
- 前記PrsAタンパク質は、バチルス属の種のPrsAタンパク質である請求項1記載の発現系。
- 前記PrsAタンパク質は枯草菌、バチルス・アミロリクエファシエンス又はバチルス・リケニホルミスのPrsAタンパク質である請求項4記載の発現系。
- 前記PrsAタンパク質は、枯草菌、バチルス・アミロリクエファシエンス又はバチルス・リケニホルミスのPrsAタンパク質に対する抗体と免疫学的に反応し、かつ、過剰発現された場合には、前記グラム陽性細菌からの前記目的の細胞外タンパク質の分泌を促進することができる請求項1記載の発現系。
- 前記PrsAタンパク質又はその機能的類似体は、前記グラム陽性細菌細胞中に、野生型の2倍ないし約10倍量存在する請求項1記載の発現系。
- 前記目的の細胞外タンパク質はプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、ガラクトシダーゼ、プルラナーゼ、セルラーゼ、グルコースイソメラーゼ、タンパクジスフィドイソメラーゼ、CGT’ase(シクロデキストリングルコノトランスフェラーゼ)、フィターゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、ラッカーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、キシラナーゼ、抗原性微生物又は原生動物タンパク質、細菌性タンパク質毒素、微生物表面タンパク質、ウイルスタンパク質又は医薬である請求項1記載の発現系。
- 前記目的の細胞外タンパク質は、該タンパク質をコードする構造遺伝子にシグナル配列を付加することによって創製された非ネイティブ細胞外タンパク質である請求項8記載の発現系。
- 前記グラム陽性細菌はバチルス属の種である請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発現系。
- 前記バチルスは枯草菌、バチルス・リケニホルミス、バチルス・レンタス、バチルス・ブレビス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・アルカリフィルス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・コーギュランス、バチルス・サーキュランス、バチルス・ロータス又はバチルス・スリンジエンシスである請求項10記載の発現系。
- 少なくとも1つの目的の細胞外タンパク質を野生型よりも多く発現することができ、かつpKTH277を含むグラム陽性細菌。
- 少なくとも1つの目的の細胞外タンパク質を野生型よりも多く発現することができ、かつ、少なくとも2コピーの枯草菌のPrsA遺伝子、又はprsA遺伝子若しくはその機能的類似体の過剰発現をもたらす強力な調節配列に機能的に連結された枯草菌のprsA遺伝子若しくはその機能的類似体を含むグラム陽性細菌。
- 前記グラム陽性細菌はバチルス属に属する請求項12又は13項記載のグラム陽性細菌。
- 前記バチルスは枯草菌、バチルス・リケニホルミス、バチルス・レンタス、バチルス・ブレビス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・アルカリフィルス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・コーギュランス、バチルス・サーキュランス、バチルス・ロータス又はバチルス・スリンジエンシスである請求項14記載のグラム陽性細菌。
- 枯草菌のprsA遺伝子又はその機能的類似体の過剰発現を引き起こす発現シグナルの制御下に枯草菌のprsA遺伝子又はその機能的類似体を含むDNA構築物。
- 枯草菌のprsA遺伝子又はその機能的類似体の過剰発現を引き起こす発現シグナルの制御下に枯草菌のprsA遺伝子又はその機能的類似体をさらに含むベクター。
- 目的の細胞外タンパク質を野生型よりも多く発現することができるグラム陽性細菌中で、枯草菌のPrsAタンパク質又はその機能的類似体を野生型よりも多く発現させることを含む、グラム陽性細菌による目的の細胞外タンパク質の分泌を促進する方法。
- 前記グラム陽性細菌はバチルス属に属する請求項18記載の方法。
- 前記バチルスは枯草菌、バチルス・リケニホルミス、バチルス・レンタス、バチルス・ブレビス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・アルカリフィルス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・コーギュランス、バチルス・サーキュランス、バチルス・ロータス又はバチルス・スリンジエンシスである請求項19記載の方法。
- (a)枯草菌のPrsAタンパク質の機能的類似体をコードする、非枯草菌グラム陽性細菌宿主の遺伝子を同定し、(b)該遺伝子のコピーを少なくとも1つさらに前記宿主生物に導入するか又は該遺伝子の過剰発現をもたらす発現配列に機能的に連結された前記遺伝子を前記宿主生物に導入することにより、(a)工程で同定された前記遺伝子の発現を高めることを含む、宿主生物中で過剰発現される目的の細胞外タンパク質の高められた分泌のために有用な非枯草菌グラム陽性細菌宿主生物の創製方法。
- サザンブロット法により、枯草菌のprsA遺伝子からのDNAプローブとハイブリダイズするDNAを同定し、該遺伝子が、過剰発現されると目的の細胞外タンパク質の分泌についてグラム陽性細菌の分泌能力が高められるタンパク質をコードすることを示すことを含む、枯草菌のPrsAの機能的類似体をコードする遺伝子を同定する方法。
- 高力価の抗PrsA抗体と反応するタンパク質を同定し、該タンパク質がグラム陽性細菌中に野生型よりも多く存在すると、目的の細胞外タンパク質の分泌について該グラム陽性細菌の分泌能を高めることができることを示すことを含む、枯草菌のPrsAの機能的類似体をコードする遺伝子を同定する方法。
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