JP2004350469A - インバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷と電源の間の絶縁性を確保しているトランスにランプの状態を検出する巻き線を設けることなく、ランプ等の短絡時の過負荷の保護と断線を検出するインバータを提供する。
【解決手段】商用交流電源を直流に変換する直流変換回路3の出力に直列に接続した第1のコンデンサ4及び第2のコンデンサ5と、直流変換回路3の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子6及び第2のスイッチ素子7と、第1のスイッチ素子6と第2のスイッチ素子7間と、トランス8と、第1のスイッチ素子6と第2のスイッチ素子7とを交互にオンオフし、トランス8に交番電流を付与する駆動回路10とを備える。第2のコンデンサ5のリップル電圧を検出する検出回路11を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】商用交流電源を直流に変換する直流変換回路3の出力に直列に接続した第1のコンデンサ4及び第2のコンデンサ5と、直流変換回路3の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子6及び第2のスイッチ素子7と、第1のスイッチ素子6と第2のスイッチ素子7間と、トランス8と、第1のスイッチ素子6と第2のスイッチ素子7とを交互にオンオフし、トランス8に交番電流を付与する駆動回路10とを備える。第2のコンデンサ5のリップル電圧を検出する検出回路11を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用の電源電圧よりも低い電圧で動作するハロゲンランプ等の電球を駆動するためのインバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲンランプ等の白熱灯はフィラメントを高温に加熱し、この時に発する光を照明に利用している。白熱灯の中には商用交流電源電圧より低い定格電圧を持つランプが市販されている。こうした定格電圧の低いランプを商用電源で利用する場合、ランプに合わせた電圧を供給するダウントランスが必要となり、インバータ回路を利用して、小型化、軽量化された電子トランスが普及している。
【0003】
ランプの振る舞いとして、寿命末期にはほとんどの場合断線し、まれに電極間放電が生じて短絡することがある。このようなランプの異常状態に対し、インバータ回路の故障を防止するために、トランスに巻き線を追加し、この電圧を利用した検出回路が提案されている(例えば、特許文献1並びに特許文献2参照)。
【0004】
図4は、上記従来の回路の共通点を模式化して示す回路ブロック図である。商用交流電源2をダイオードブリッジ3で整流し、インバータ回路41で高周波に変換し、トランス42で電圧を下げ、白熱灯9に適した電圧を供給する。この時の電圧は、二次巻き線43で検出し、検出回路44を通してインバータ回路41を制御している。これによれば、ランプ側の回路は独立した回路となり、構造的に絶縁型で構成できる。また、検出回路44もランプ側の回路トランスで絶縁され、負荷側での短絡が生じても電源短絡とならないため、安全性の高い電子トランスを構成できる。しかしながら、負荷の状態を検出するためにトランスに二次巻き線43が必要であり、トランスの構造が複雑となって製品コストが高価となる問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平08−279397号公報(段落0001−段落0006、図2)
【特許文献2】
特開平06−030566号公報(段落0023−段落0025、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、負荷と電源の間の絶縁性を確保しているトランスにランプの状態を検出する巻き線を設けることなく、ランプ等の負荷の短絡或いは断線の異常を検出することのできるインバータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のインバータは、上記課題を解決するために、商用交流電源を直流に変換する直流変換回路と、前記直流変換回路の出力に直列に接続した第1のコンデンサ及び第2のコンデンサと、前記直流変換回路の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子及び第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子間と、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサ間とに接続したトランスと、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子とを交互にオンオフし、前記トランスに交番電流を付与するための駆動回路とからなり、前記第2のコンデンサのリップル電圧を検出する検出回路を設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインバータを用いた白熱灯の点灯回路を示す図である。図1において、インバータ1は、商用交流電源を直流に変換する直流変換回路としてのダイオードブリッジ3、ダイオードブリッジ3の出力に直列に接続した第1のコンデンサ4及び第2のコンデンサ5と、ダイオードブリッジ3の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子6及び第2のスイッチ素子7と、第1のスイッチ素子6と第2のスイッチ素子7間と、第1のコンデンサ4と第2のコンデンサ5間とに接続したトランス8と、第1のスイッチ素子6と第2のスイッチ素子7とを交互にオンオフし、トランス8に交番電流を付与するための駆動回路10と、第2のコンデンサ5のリップル電圧を検出する検出回路11とからなる。なお、この実施形態では、第1のスイッチ素子6及び第2のスイッチ素子7は、NチャンネルMOSFETで構成してある。
【0009】
商用交流電源2は、ダイオードブリッジ3で整流され、ダイオードブリッジ3で整流された直流電源電圧は、第1のコンデンサ4及び第2のコンデンサ5に充電されると同時に、駆動回路10にも電源が供給される。駆動回路10は、第1のスイッチ素子6及び第2のスイッチ素子7を交互にオンオフし、トランス8を通じて白熱灯9に電力を供給する。この時に流れる電流により、第2のコンデンサ5には動作周波数のリップル電圧が発生する。このリップル電圧は、白熱灯9が短絡した場合には増加し、白熱灯9が断線すると減少する。したがって、リップル電圧の大きさによって白熱灯9が正常に動作しているか、断線しているか、或いは短絡しているかを検出回路11で検出し、駆動回路10の動作を制御する。これにより、トランス8に二次巻き線を設けなくても、白熱灯9(ランプ)の状態が検出でき、簡単なトランス構造で安価なインバータを構成できる。また、ランプの状態を検出する検出回路11と駆動回路10の電源回路との基準電位が共通になり、駆動回路10を制御しやすい特徴もある。白熱灯9の電圧又は電流を直接検出していないので、負荷と電源との間は絶縁構造になり、感電防止構造を取りやすい。
【0010】
図2は、図1の実施形態のインバータ1のより詳細な回路図である。なお、図1に示す各要素と図2における対応関係を説明すると、図1の第1のコンデンサ4はコンデンサC2に対応し、図1の第2のコンデンサ5はコンデンサC3に対応する。また、図1の第1のスイッチ素子6はスイッチ素子(NチャンネルMOSFET)U1に対応し、図1の第2のスイッチ素子7はスイッチ素子(NチャンネルMOSFET)U2に対応する。さらに、図1のトランス8は図2のトランスTR2に対応する。なお、図2において、商用交流電源は端子T1,T2間に印加し、白熱灯は端子T3,T4間に接続する。
【0011】
駆動回路10の動作を図2に付した回路記号を用いて説明する。T1,T2間に商用交流電源が印加されると、FUSE1を通してD1,D2,D3,D4からなるダイオードブリッジで整流され、前記ダイオードブリッジで整流された直流電源電圧は、コンデンサC4に充電される。コンデンサC4の電圧は、抵抗R1及び抵抗R2で分割されてコンデンサC2,C3にそれぞれ供給されると同時に、ダイオードD10及び抵抗R28を通してコンデンサC8に充電される。なお、コンデンサC8の電圧はツェナーダイオードD9で安定化される。さらに、コンデンサC4の電圧がダイオードD10及び抵抗R27を通してトランジスタQ7のベースに印加され、ベース電流が供給されてトランジスタQ7がオンすると、コンデンサC8に充電された電圧がトランジスタQ9のベースに印加されてトランジスタQ9がオンし、コンデンサC4からダイオードD10、抵抗R29、トランジスタQ9のコレクタ、エミッタ、トランジスタQ7のコレクタ、エミッタを通じてコンデンサC6が充電される。なお、コンデンサC6に充電される電圧は、トランジスタQ9のコレクタ、エミッタ間の電圧降下及びトランジスタQ7のコレクタ、エミッタ間の電圧降下分だけコンデンサC8より低い電圧で安定化される。なお、コンデンサC6に充電された電圧は、スイッチ素子U2をオンする駆動電源となる。
【0012】
さて、コンデンサC6の電圧が上昇すると、抵抗R25及び抵抗R24に電流が流れることによって、抵抗R25を通じてトランジスタQ6にべース電流が供給され、トランジスタQ6がオンし、コンデンサC7への充電が開始される。従って、抵抗R19及び抵抗R20を通じてトランジスタQ6にコレクタ電流が流れる結果、トランジスタQ12にベース電流が供給されてトランジスタQ12がオンする。トランジスタQ12に流れるコレクタ電流は、抵抗R17及び抵抗R18と、これらに並列接続された抵抗R21及び抵抗R22と、さらにこれらに並列に接続された抵抗23及び抵抗R24に流れると共に、抵抗R21を通る電流の一部によりコンデンサC7の充電が促進される。これによって、コンデンサC7の電圧が上昇してトランジスタQ6のエミッタの電位が上昇する結果、トランジスタQ6のコレクタ電流が減少してトランジスタQ6がオフする。これに伴い、トランジスタQ12のベース電流も減少する結果、トランジスタQ12がオフする。
【0013】
トランジスタQ6及びトランジスタQ12がオフすると、コンデンサC7に蓄えられていた電荷が抵抗R22を通じて放電し、トランジスタQ6のエミッタの電位がコンデンサC7が充電される前の電位に下がる結果、トランジスタQ6がオンできる状態に復帰し、トランジスタQ6が再びオンし、トランジスタQ12もオンする。以上のようにして、トランジスタQ6及びトランジスタQ12はオンオフを繰り返す。
【0014】
ところで、トランジスタQ12がオンオフを繰り返すと、これに従って抵抗R17を通じてトランジスタQ4に供給されるべース電流もオンオフを繰り返すことになる。抵抗R17を通じる電流がトランジスタQ4のベースに供給される時には、トランジスタQ4がオンし、コンデンサC6から抵抗R16を通じて電流が流れる。これにより、抵抗R16に電流が流れることによって生じる電圧降下で、トランジスタQ4のコレクタ電圧が低くなる。一方、抵抗R17を通じる電流がトランジスタQ4のベースに供給されない時には、トランジスタQ4がオフし、コンデンサC6から抵抗R16を通じる電流は流れず、抵抗R16による電圧降下もなくなってトランジスタQ4のコレクタ電圧が高くなる。
【0015】
給電後、まず、トランジスタQ6及びトランジスタQ12がオンし、トランジスタQ4がオンすることでトランジスタQ4のコレクタ電圧が低くなる。トランジスタQ4のコレクタ電圧が低い場合、トランジスタQ11のエミッタ−ベース−抵抗R14を通じてベース電流が流れてトランジスタQ11がオンする。トランジスタQ11がオンする結果、トランジスタQ11にコレクタ電流が流れ、抵抗R9を通じてスイッチ素子U2のゲートに電荷が供給され、スイッチ素子U2がオンすることになる。スイッチ素子U2がオンすると、コンデンサC3に蓄えられていた電荷が放電され、コンデンサC3−トランスTR2−スイッチ素子U2−コンデンサC3の経路で電流が流れる。なお、回路図では、電流の流れは、トランスTR2の下から上への向きになる。また、スイッチ素子U2がオンすると、コンデンサC6−ダイオードD5−コンデンサC5−スイッチ素子U2の経路で電流が流れ、コンデンサC5を充電し、スイッチ素子U1をオンする駆動電源が蓄えられる。
【0016】
次に、トランジスタQ6及びトランジスタQ12がオフすると、トランジスタQ4がオフすることでトランジスタQ4のコレクタ電圧が高くなる。トランジスタQ4のコレクタ電圧が高くなると、トランジスタQ4のベース電圧も高くなり、トランジスタQ11がオフする。また、抵抗R13、抵抗R12、抵抗R10、抵抗R11に電流が流れることによってトランジスタQ8及びトランジスタQ2が両方オンし、スイッチ素子U2のゲート−トランジスタQ2のコレクタ−エミッタの経路で電流が流れ、スイッチ素子U2のゲートの電荷が引き抜かれ、スイッチ素子U2がオフする。
【0017】
さらに、トランジスタQ8がオンすることで、コンデンサC5に貯まっていた電荷が放電し、抵抗R7、抵抗R8を経由してトランジスタQ8に電流が流れ、抵抗R8を通してトランジスタQ10にベース電流が供給されてトランジスタQ10がオンする。トランジスタQ10がオンすると、コンデンサC5−トランジスタQ15−トランジスタQ16経由でトランジスタQ10のエミッタ−コレクタに電流が流れ、さらに、抵抗R6−抵抗R5に電流が流れ、トランジスタQ3がオンする。トランジスタQ3がオンすることにより、抵抗R4を通じてトランジスタQ3にコレクタ電流が流れ、トランジスタQ1のベースから電荷を引き抜くことから、トランジスタQ1をオフに維持する。また、トランジスタQ10がオンすると、ダイオードD6−抵抗R3を通じてスイッチ素子U1のゲートに電荷が供給されるため、スイッチ素子U1がオンする。
【0018】
スイッチ素子U1がオンすると、コンデンサC2に蓄えられていた電荷が放電され、コンデンサC2−スイッチ素子U1−トランスTR2−コンデンサC2の経路で電流が流れる。なお、回路図では、電流の流れは、トランスTR2の上から下への向きになる。
【0019】
次に、再びトランジスタQ6及びトランジスタQ12がオンし、トランジスタQ4がオンすることでトランジスタQ4のコレクタ電圧が低くなる。これに応じて、トランジスタQ11がオンする。また、トランジスタQ12がオンすることで、抵抗R13及び抵抗R10に流れる電流が減少するためトランジスタQ8及びトランジスタQ2がオフする。トランジスタQ11がオンする結果、トランジスタQ11にコレクタ電流が流れ、抵抗R9を通じてスイッチ素子U2のゲートに電荷が供給され、再びスイッチ素子U2がオンする。また、トランジスタQ8がオフすると、応じてトランジスタQ10がオフし、トランジスタQ10がオフすると、コンデンサC5−トランジスタQ15−トランジスタQ16を経由した電荷が抵抗R4を通じてトランジスタQ1に供給され、トランジスタQ1がオンとなる。トランジスタQ1がオンすることで、スイッチ素子U1のゲート−トランジスタQ1のコレクタ−エミッタの経路で電流が流れ、スイッチ素子U1のゲートの電荷が引き抜かれる結果、スイッチ素子U1がオフする。
【0020】
以上に説明したように、スイッチ素子U2をオンし、かつスイッチ素子U1をオフし、次に、スイッチ素子U2をオフし、かつスイッチ素子U1をオンする動作、即ち、スイッチ素子U2とスイッチ素子U1とを交互にオンオフすることで、トランスTR2に交番電流を流し、端子T3,T4間に接続された白熱灯を点灯する。
【0021】
なお、トランジスタQ10のエミッタに対して接続されている2段のトランジスタQ15,Q16は、トランジスタQ8がターンオフした時に、トランジスタQ8の漏れ電流によって誤ってトランジスタQ10がオンしないように、2段のトランジスタQ15,Q16の降下電圧を利用してベース電圧に対するエミッタ電圧が低くなるようにしたものである。また、コンデンサC5の放電により、コンデンサC5の電荷がなくなると、2段のトランジスタQ15,Q16もオフとなる。
【0022】
また、スイッチ素子U1がオンすると、コンデンサC2からスイッチ素子U1−トランスTR2を経由して電流が流れ、コンデンサC2の電圧は低下することになる。一方、電源側からスイッチ素子U1,トランスTR2を経由してコンデンサC3にも充電電流が流れ、コンデンサC3の電圧は上昇する。また、スイッチ素子U1がオフすると共にスイッチ素子U2がオンすると、コンデンサC3の電圧が低下することになる。一方、電源側からコンデンサC2に充電電流が流れ、コンデンサC2の電圧が上昇する。こうしてコンデンサC2,コンデンサC3にはスイッチ素子U1とスイッチ素子U2の交互のオンオフに同期したリップル電圧を生じる。以上が、端子T3,T4間に接続された負荷(例えば、白熱灯)が正常である定格の負荷動作を行っている場合の動作である。なお、図3にトランジスタQ6,Q12,Q4,Q8,Q11,Q2,Q10,Q3,Q1並びにスイッチ素子U2,U1のオンオフ状態を表形式で示す。
【0023】
次に、第2のコンデンサC3のリップル電圧を検出する検出回路11について説明する。図1の検出回路11は、図2の回路ではコンデンサC10、抵抗R31、抵抗R30、ダイオードD11、コンデンサC9、トランジスタQ5、抵抗R26、抵抗R32、抵抗R33、抵抗R34、トランジスタQ13、トランジスタQ14、コンデンサC11で構成されている。
【0024】
スイッチ素子U2がオンした時にトランスTR2に電流を流す電源を充電するコンデンサC3に接続されたプラスラインとマイナスラインとの間には、コンデンサC10、抵抗R31、抵抗R30が直列に接続され、これと並列に、コンデンサC3のプラスラインに対して逆向きにダイオードD11が接続され、ダイオードD11にコンデンサC9の一端が直列に接続され、コンデンサC9の他端はコンデンサC3のマイナスラインに接続されている。また、トランジスタQ5のベースはコンデンサC3のマイナスラインに接続され、トランジスタQ5のコレクタは駆動回路10のトランジスタQ4のコレクタに接続され、トランジスタQ5のエミッタは抵抗R26を介してダイオードD11とコンデンサC9との間に接続されている。
【0025】
また、トランジスタQ13のベースは、抵抗R32及び抵抗R33を通じ、スイッチ素子U2のスイッチング動作を行わせるための駆動電源を充電するコンデンサC6のプラス側に対して接続されている。このトランジスタQ13のコレクタは、駆動回路10のトランジスタQ4のコレクタに接続され、トランジスタQ13のエミッタは、コンデンサC3のマイナスラインに接続されている。また、トランジスタQ14のベースは、抵抗R31と抵抗R30との間に接続され、トランジスタQ14のコレクタは、抵抗R32と抵抗R33との間に接続され、トランジスタQ14のエミッタはコンデンサC3のマイナスラインに接続されている。さらに、トランジスタQ14のコレクタとエミッタとの間にコンデンサC11が接続され、抵抗R33とトランジスタQ13との間に抵抗R34の一端が接続され、該抵抗R14の他端はコンデンサC3のマイナスラインに接続されている。
【0026】
以上のように構成された検出回路11の動作を説明をする。端子T3,T4間に接続された負荷が動作しているときには、負荷電流分だけコンデンサC3に流れる電流も増加する。従って、コンデンサC3のリップル電圧も増加する。このコンデンサC3のリップル電圧分をコンデンサC10を通して取り出すと共に、抵抗R31と抵抗R30で分圧し、トランジスタQ14のベース電流として供給する。正常である定格の負荷動作では、コンデンサC10を通じて流れる電流でトランジスタQ14はオンオフを繰り返す。従って、トランジスタQ14がオンした時にコンデンサC11の電荷をコンデンサC3のマイナスラインに放電している。
【0027】
次に、端子T3,T4間に接続された負荷(例えば、白熱灯)が異常である場合について説明する。端子T3,T4間に接続された負荷が短絡すると、電流が増加し、コンデンサC2,コンデンサC3に流れる電流も増加する。また、端子T3,T4間に接続された負荷が断線した場合には、トランスTR2に流れる電流は励磁電流程度に減少し、コンデンサC2並びにコンデンサC3のリップル電圧も減少する。
【0028】
負荷が短絡してC3のリップル電圧が増加した場合、トランスTR2の励磁電流でコンデンサC3の両端の電圧極性が反転し、コンデンサC3のプラスラインの電圧よりもコンデンサC3のマイナスラインの電圧が高くなる。この場合、ダイオードD11を通じてコンデンサC9が充電され、コンデンサC9に充電された電圧がトランジスタQ5のベースに印加されることで、トランジスタQ5がオンする。トランジスタQ5がオンすると、抵抗R16−トランジスタQ5のコレクタ−トランジスタQ5のエミッタ−抵抗R26−ダイオードD11を通って電流が流れ、抵抗R16での電圧降下が発生し、トランジスタQ4のコレクタ電圧が低い状態に維持されることになる。従って、スイッチ素子U2がオンでスイッチ素子U1がオフの状態のままとなって交互導通は停止し、コンデンサC2の充電及びコンデンサC3の放電が促進し、コンデンサC3の電荷がなくなると、スイッチ素子U2に流れる電流もやがてなくなり、スイッチ素子U2の電力損失が減少し、トランスTR2の交流出力が停止する。
【0029】
コンデンサC9が放電すると、トランジスタQ5がオフし、再びスイッチ素子U1,U2が交互にオンオフを始めるが、継続して負荷が短絡している場合には再びコンデンサC3の両端の電圧極性が反転してコンデンサC9が充電されるため、駆動回路の動作は間欠動作となり、負荷の短絡による過負荷を防止する。
【0030】
次に、負荷が断線した場合について説明する。負荷が断線した場合はリップル電圧が減少し、コンデンサC10,抵抗R31を通して流れる電流が減少し、トランジスタQ4のベース・エミッタ間に十分な電圧がかからなくなり、トランジスタQ4がオフのままとなる。このことで、コンデンサC11は抵抗R32を通る電流により充電され、コンデンサC11に充電された電圧が抵抗R33を通じてトランジスタQ13のベースに印加されることで、トランジスタQ13がオンする。トランジスタQ13がオンすると、抵抗R16−トランジスタQ13のコレクタ−トランジスタQ13のエミッタを通って電流が流れ、抵抗R16での電圧降下が発生し、トランジスタQ4のオンオフに関係なくトランジスタQ4のコレクタ電圧が低い状態に維持されることになる。従って、スイッチ素子U2がオンでスイッチ素子U1がオフの状態のままとなって交互導通は停止し、コンデンサC2の充電及びコンデンサC3の放電が促進し、コンデンサC3の電荷がなくなると、スイッチ素子U2に流れる電流もやがてなくなり、スイッチ素子U2の電力損失が減少し、トランスTR2の交流出力が停止する。
【0031】
なお、スイッチ素子U2がオンでスイッチ素子U1がオフの状態のままとなって交互導通が停止することで、コンデンサC6への充電動作が行われなくなるため、トランジスタQ13のオン状態はコンデンサC6の電荷が減少して電圧が下がるまで続き、コンデンサC6の電圧がトランジスタQ13をオンできる電圧以下に下がると、トランジスタQ13がオフする。従って、回路の電力損失は低減し、また、電源を切らずにランプを交換しても、電源を入れ直さなければランプに通電されないので、装着時のランプの熱による火傷の事故を防止できる。
【0032】
以上に説明したように、トランスに負荷(例えば、ランプ或いは白熱灯)の状態を検出する巻き線を設けることなく、負荷の短絡或いは断線の異常を検出することができ、異常の検出に応じて駆動回路を制御するので、短絡時の過負荷の保謹と断線時の電力損失の低減を実現することができる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に記載の構成によれば、商用交流電源を直流に変換する直流変換回路の出力に直列に接続した第1のコンデンサ及び第2のコンデンサと、直流変換回路の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子及び第2のスイッチ素子と、第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子間と、第1のコンデンサと第2のコンデンサ間とに接続したトランスと、第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子とを交互にオンオフし、トランスに交番電流を付与するための駆動回路とからなり、第2のコンデンサのリップル電圧を検出する検出回路を設けたので、負荷と電源の間の絶縁性を確保しているトランスにランプの状態を検出する巻き線を設けることなく、ランプ等の負荷の短絡或いは断線の異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインバータを用いた白熱灯の点灯回路を示す回路ブロック図
【図2】図1の実施形態のインバータの回路図
【図3】図2の回路におけるトランジスタQ6,Q12,Q4,Q8,Q11,Q2,Q10,Q3,Q1並びにスイッチ素子U2,U1のオンオフ状態を表形式で示す図
【図4】従来のランプの点灯回路を模式化して示す回路ブロック図
【符号の説明】
1 インバータ
2 商用交流電源
3 直流変換回路(ダイオードブリッジ)
4 第1のコンデンサ
5 第2のコンデンサ
6 第1のスイッチ素子
7 第2のスイッチ素子
8 トランス
9 白熱灯
10 駆動回路
11 検出回路
41 インバータ回路(従来)
42 トランス(従来)
43 二次巻き線(従来)
44 検出回路(従来)
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用の電源電圧よりも低い電圧で動作するハロゲンランプ等の電球を駆動するためのインバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲンランプ等の白熱灯はフィラメントを高温に加熱し、この時に発する光を照明に利用している。白熱灯の中には商用交流電源電圧より低い定格電圧を持つランプが市販されている。こうした定格電圧の低いランプを商用電源で利用する場合、ランプに合わせた電圧を供給するダウントランスが必要となり、インバータ回路を利用して、小型化、軽量化された電子トランスが普及している。
【0003】
ランプの振る舞いとして、寿命末期にはほとんどの場合断線し、まれに電極間放電が生じて短絡することがある。このようなランプの異常状態に対し、インバータ回路の故障を防止するために、トランスに巻き線を追加し、この電圧を利用した検出回路が提案されている(例えば、特許文献1並びに特許文献2参照)。
【0004】
図4は、上記従来の回路の共通点を模式化して示す回路ブロック図である。商用交流電源2をダイオードブリッジ3で整流し、インバータ回路41で高周波に変換し、トランス42で電圧を下げ、白熱灯9に適した電圧を供給する。この時の電圧は、二次巻き線43で検出し、検出回路44を通してインバータ回路41を制御している。これによれば、ランプ側の回路は独立した回路となり、構造的に絶縁型で構成できる。また、検出回路44もランプ側の回路トランスで絶縁され、負荷側での短絡が生じても電源短絡とならないため、安全性の高い電子トランスを構成できる。しかしながら、負荷の状態を検出するためにトランスに二次巻き線43が必要であり、トランスの構造が複雑となって製品コストが高価となる問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平08−279397号公報(段落0001−段落0006、図2)
【特許文献2】
特開平06−030566号公報(段落0023−段落0025、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、負荷と電源の間の絶縁性を確保しているトランスにランプの状態を検出する巻き線を設けることなく、ランプ等の負荷の短絡或いは断線の異常を検出することのできるインバータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のインバータは、上記課題を解決するために、商用交流電源を直流に変換する直流変換回路と、前記直流変換回路の出力に直列に接続した第1のコンデンサ及び第2のコンデンサと、前記直流変換回路の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子及び第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子間と、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサ間とに接続したトランスと、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子とを交互にオンオフし、前記トランスに交番電流を付与するための駆動回路とからなり、前記第2のコンデンサのリップル電圧を検出する検出回路を設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインバータを用いた白熱灯の点灯回路を示す図である。図1において、インバータ1は、商用交流電源を直流に変換する直流変換回路としてのダイオードブリッジ3、ダイオードブリッジ3の出力に直列に接続した第1のコンデンサ4及び第2のコンデンサ5と、ダイオードブリッジ3の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子6及び第2のスイッチ素子7と、第1のスイッチ素子6と第2のスイッチ素子7間と、第1のコンデンサ4と第2のコンデンサ5間とに接続したトランス8と、第1のスイッチ素子6と第2のスイッチ素子7とを交互にオンオフし、トランス8に交番電流を付与するための駆動回路10と、第2のコンデンサ5のリップル電圧を検出する検出回路11とからなる。なお、この実施形態では、第1のスイッチ素子6及び第2のスイッチ素子7は、NチャンネルMOSFETで構成してある。
【0009】
商用交流電源2は、ダイオードブリッジ3で整流され、ダイオードブリッジ3で整流された直流電源電圧は、第1のコンデンサ4及び第2のコンデンサ5に充電されると同時に、駆動回路10にも電源が供給される。駆動回路10は、第1のスイッチ素子6及び第2のスイッチ素子7を交互にオンオフし、トランス8を通じて白熱灯9に電力を供給する。この時に流れる電流により、第2のコンデンサ5には動作周波数のリップル電圧が発生する。このリップル電圧は、白熱灯9が短絡した場合には増加し、白熱灯9が断線すると減少する。したがって、リップル電圧の大きさによって白熱灯9が正常に動作しているか、断線しているか、或いは短絡しているかを検出回路11で検出し、駆動回路10の動作を制御する。これにより、トランス8に二次巻き線を設けなくても、白熱灯9(ランプ)の状態が検出でき、簡単なトランス構造で安価なインバータを構成できる。また、ランプの状態を検出する検出回路11と駆動回路10の電源回路との基準電位が共通になり、駆動回路10を制御しやすい特徴もある。白熱灯9の電圧又は電流を直接検出していないので、負荷と電源との間は絶縁構造になり、感電防止構造を取りやすい。
【0010】
図2は、図1の実施形態のインバータ1のより詳細な回路図である。なお、図1に示す各要素と図2における対応関係を説明すると、図1の第1のコンデンサ4はコンデンサC2に対応し、図1の第2のコンデンサ5はコンデンサC3に対応する。また、図1の第1のスイッチ素子6はスイッチ素子(NチャンネルMOSFET)U1に対応し、図1の第2のスイッチ素子7はスイッチ素子(NチャンネルMOSFET)U2に対応する。さらに、図1のトランス8は図2のトランスTR2に対応する。なお、図2において、商用交流電源は端子T1,T2間に印加し、白熱灯は端子T3,T4間に接続する。
【0011】
駆動回路10の動作を図2に付した回路記号を用いて説明する。T1,T2間に商用交流電源が印加されると、FUSE1を通してD1,D2,D3,D4からなるダイオードブリッジで整流され、前記ダイオードブリッジで整流された直流電源電圧は、コンデンサC4に充電される。コンデンサC4の電圧は、抵抗R1及び抵抗R2で分割されてコンデンサC2,C3にそれぞれ供給されると同時に、ダイオードD10及び抵抗R28を通してコンデンサC8に充電される。なお、コンデンサC8の電圧はツェナーダイオードD9で安定化される。さらに、コンデンサC4の電圧がダイオードD10及び抵抗R27を通してトランジスタQ7のベースに印加され、ベース電流が供給されてトランジスタQ7がオンすると、コンデンサC8に充電された電圧がトランジスタQ9のベースに印加されてトランジスタQ9がオンし、コンデンサC4からダイオードD10、抵抗R29、トランジスタQ9のコレクタ、エミッタ、トランジスタQ7のコレクタ、エミッタを通じてコンデンサC6が充電される。なお、コンデンサC6に充電される電圧は、トランジスタQ9のコレクタ、エミッタ間の電圧降下及びトランジスタQ7のコレクタ、エミッタ間の電圧降下分だけコンデンサC8より低い電圧で安定化される。なお、コンデンサC6に充電された電圧は、スイッチ素子U2をオンする駆動電源となる。
【0012】
さて、コンデンサC6の電圧が上昇すると、抵抗R25及び抵抗R24に電流が流れることによって、抵抗R25を通じてトランジスタQ6にべース電流が供給され、トランジスタQ6がオンし、コンデンサC7への充電が開始される。従って、抵抗R19及び抵抗R20を通じてトランジスタQ6にコレクタ電流が流れる結果、トランジスタQ12にベース電流が供給されてトランジスタQ12がオンする。トランジスタQ12に流れるコレクタ電流は、抵抗R17及び抵抗R18と、これらに並列接続された抵抗R21及び抵抗R22と、さらにこれらに並列に接続された抵抗23及び抵抗R24に流れると共に、抵抗R21を通る電流の一部によりコンデンサC7の充電が促進される。これによって、コンデンサC7の電圧が上昇してトランジスタQ6のエミッタの電位が上昇する結果、トランジスタQ6のコレクタ電流が減少してトランジスタQ6がオフする。これに伴い、トランジスタQ12のベース電流も減少する結果、トランジスタQ12がオフする。
【0013】
トランジスタQ6及びトランジスタQ12がオフすると、コンデンサC7に蓄えられていた電荷が抵抗R22を通じて放電し、トランジスタQ6のエミッタの電位がコンデンサC7が充電される前の電位に下がる結果、トランジスタQ6がオンできる状態に復帰し、トランジスタQ6が再びオンし、トランジスタQ12もオンする。以上のようにして、トランジスタQ6及びトランジスタQ12はオンオフを繰り返す。
【0014】
ところで、トランジスタQ12がオンオフを繰り返すと、これに従って抵抗R17を通じてトランジスタQ4に供給されるべース電流もオンオフを繰り返すことになる。抵抗R17を通じる電流がトランジスタQ4のベースに供給される時には、トランジスタQ4がオンし、コンデンサC6から抵抗R16を通じて電流が流れる。これにより、抵抗R16に電流が流れることによって生じる電圧降下で、トランジスタQ4のコレクタ電圧が低くなる。一方、抵抗R17を通じる電流がトランジスタQ4のベースに供給されない時には、トランジスタQ4がオフし、コンデンサC6から抵抗R16を通じる電流は流れず、抵抗R16による電圧降下もなくなってトランジスタQ4のコレクタ電圧が高くなる。
【0015】
給電後、まず、トランジスタQ6及びトランジスタQ12がオンし、トランジスタQ4がオンすることでトランジスタQ4のコレクタ電圧が低くなる。トランジスタQ4のコレクタ電圧が低い場合、トランジスタQ11のエミッタ−ベース−抵抗R14を通じてベース電流が流れてトランジスタQ11がオンする。トランジスタQ11がオンする結果、トランジスタQ11にコレクタ電流が流れ、抵抗R9を通じてスイッチ素子U2のゲートに電荷が供給され、スイッチ素子U2がオンすることになる。スイッチ素子U2がオンすると、コンデンサC3に蓄えられていた電荷が放電され、コンデンサC3−トランスTR2−スイッチ素子U2−コンデンサC3の経路で電流が流れる。なお、回路図では、電流の流れは、トランスTR2の下から上への向きになる。また、スイッチ素子U2がオンすると、コンデンサC6−ダイオードD5−コンデンサC5−スイッチ素子U2の経路で電流が流れ、コンデンサC5を充電し、スイッチ素子U1をオンする駆動電源が蓄えられる。
【0016】
次に、トランジスタQ6及びトランジスタQ12がオフすると、トランジスタQ4がオフすることでトランジスタQ4のコレクタ電圧が高くなる。トランジスタQ4のコレクタ電圧が高くなると、トランジスタQ4のベース電圧も高くなり、トランジスタQ11がオフする。また、抵抗R13、抵抗R12、抵抗R10、抵抗R11に電流が流れることによってトランジスタQ8及びトランジスタQ2が両方オンし、スイッチ素子U2のゲート−トランジスタQ2のコレクタ−エミッタの経路で電流が流れ、スイッチ素子U2のゲートの電荷が引き抜かれ、スイッチ素子U2がオフする。
【0017】
さらに、トランジスタQ8がオンすることで、コンデンサC5に貯まっていた電荷が放電し、抵抗R7、抵抗R8を経由してトランジスタQ8に電流が流れ、抵抗R8を通してトランジスタQ10にベース電流が供給されてトランジスタQ10がオンする。トランジスタQ10がオンすると、コンデンサC5−トランジスタQ15−トランジスタQ16経由でトランジスタQ10のエミッタ−コレクタに電流が流れ、さらに、抵抗R6−抵抗R5に電流が流れ、トランジスタQ3がオンする。トランジスタQ3がオンすることにより、抵抗R4を通じてトランジスタQ3にコレクタ電流が流れ、トランジスタQ1のベースから電荷を引き抜くことから、トランジスタQ1をオフに維持する。また、トランジスタQ10がオンすると、ダイオードD6−抵抗R3を通じてスイッチ素子U1のゲートに電荷が供給されるため、スイッチ素子U1がオンする。
【0018】
スイッチ素子U1がオンすると、コンデンサC2に蓄えられていた電荷が放電され、コンデンサC2−スイッチ素子U1−トランスTR2−コンデンサC2の経路で電流が流れる。なお、回路図では、電流の流れは、トランスTR2の上から下への向きになる。
【0019】
次に、再びトランジスタQ6及びトランジスタQ12がオンし、トランジスタQ4がオンすることでトランジスタQ4のコレクタ電圧が低くなる。これに応じて、トランジスタQ11がオンする。また、トランジスタQ12がオンすることで、抵抗R13及び抵抗R10に流れる電流が減少するためトランジスタQ8及びトランジスタQ2がオフする。トランジスタQ11がオンする結果、トランジスタQ11にコレクタ電流が流れ、抵抗R9を通じてスイッチ素子U2のゲートに電荷が供給され、再びスイッチ素子U2がオンする。また、トランジスタQ8がオフすると、応じてトランジスタQ10がオフし、トランジスタQ10がオフすると、コンデンサC5−トランジスタQ15−トランジスタQ16を経由した電荷が抵抗R4を通じてトランジスタQ1に供給され、トランジスタQ1がオンとなる。トランジスタQ1がオンすることで、スイッチ素子U1のゲート−トランジスタQ1のコレクタ−エミッタの経路で電流が流れ、スイッチ素子U1のゲートの電荷が引き抜かれる結果、スイッチ素子U1がオフする。
【0020】
以上に説明したように、スイッチ素子U2をオンし、かつスイッチ素子U1をオフし、次に、スイッチ素子U2をオフし、かつスイッチ素子U1をオンする動作、即ち、スイッチ素子U2とスイッチ素子U1とを交互にオンオフすることで、トランスTR2に交番電流を流し、端子T3,T4間に接続された白熱灯を点灯する。
【0021】
なお、トランジスタQ10のエミッタに対して接続されている2段のトランジスタQ15,Q16は、トランジスタQ8がターンオフした時に、トランジスタQ8の漏れ電流によって誤ってトランジスタQ10がオンしないように、2段のトランジスタQ15,Q16の降下電圧を利用してベース電圧に対するエミッタ電圧が低くなるようにしたものである。また、コンデンサC5の放電により、コンデンサC5の電荷がなくなると、2段のトランジスタQ15,Q16もオフとなる。
【0022】
また、スイッチ素子U1がオンすると、コンデンサC2からスイッチ素子U1−トランスTR2を経由して電流が流れ、コンデンサC2の電圧は低下することになる。一方、電源側からスイッチ素子U1,トランスTR2を経由してコンデンサC3にも充電電流が流れ、コンデンサC3の電圧は上昇する。また、スイッチ素子U1がオフすると共にスイッチ素子U2がオンすると、コンデンサC3の電圧が低下することになる。一方、電源側からコンデンサC2に充電電流が流れ、コンデンサC2の電圧が上昇する。こうしてコンデンサC2,コンデンサC3にはスイッチ素子U1とスイッチ素子U2の交互のオンオフに同期したリップル電圧を生じる。以上が、端子T3,T4間に接続された負荷(例えば、白熱灯)が正常である定格の負荷動作を行っている場合の動作である。なお、図3にトランジスタQ6,Q12,Q4,Q8,Q11,Q2,Q10,Q3,Q1並びにスイッチ素子U2,U1のオンオフ状態を表形式で示す。
【0023】
次に、第2のコンデンサC3のリップル電圧を検出する検出回路11について説明する。図1の検出回路11は、図2の回路ではコンデンサC10、抵抗R31、抵抗R30、ダイオードD11、コンデンサC9、トランジスタQ5、抵抗R26、抵抗R32、抵抗R33、抵抗R34、トランジスタQ13、トランジスタQ14、コンデンサC11で構成されている。
【0024】
スイッチ素子U2がオンした時にトランスTR2に電流を流す電源を充電するコンデンサC3に接続されたプラスラインとマイナスラインとの間には、コンデンサC10、抵抗R31、抵抗R30が直列に接続され、これと並列に、コンデンサC3のプラスラインに対して逆向きにダイオードD11が接続され、ダイオードD11にコンデンサC9の一端が直列に接続され、コンデンサC9の他端はコンデンサC3のマイナスラインに接続されている。また、トランジスタQ5のベースはコンデンサC3のマイナスラインに接続され、トランジスタQ5のコレクタは駆動回路10のトランジスタQ4のコレクタに接続され、トランジスタQ5のエミッタは抵抗R26を介してダイオードD11とコンデンサC9との間に接続されている。
【0025】
また、トランジスタQ13のベースは、抵抗R32及び抵抗R33を通じ、スイッチ素子U2のスイッチング動作を行わせるための駆動電源を充電するコンデンサC6のプラス側に対して接続されている。このトランジスタQ13のコレクタは、駆動回路10のトランジスタQ4のコレクタに接続され、トランジスタQ13のエミッタは、コンデンサC3のマイナスラインに接続されている。また、トランジスタQ14のベースは、抵抗R31と抵抗R30との間に接続され、トランジスタQ14のコレクタは、抵抗R32と抵抗R33との間に接続され、トランジスタQ14のエミッタはコンデンサC3のマイナスラインに接続されている。さらに、トランジスタQ14のコレクタとエミッタとの間にコンデンサC11が接続され、抵抗R33とトランジスタQ13との間に抵抗R34の一端が接続され、該抵抗R14の他端はコンデンサC3のマイナスラインに接続されている。
【0026】
以上のように構成された検出回路11の動作を説明をする。端子T3,T4間に接続された負荷が動作しているときには、負荷電流分だけコンデンサC3に流れる電流も増加する。従って、コンデンサC3のリップル電圧も増加する。このコンデンサC3のリップル電圧分をコンデンサC10を通して取り出すと共に、抵抗R31と抵抗R30で分圧し、トランジスタQ14のベース電流として供給する。正常である定格の負荷動作では、コンデンサC10を通じて流れる電流でトランジスタQ14はオンオフを繰り返す。従って、トランジスタQ14がオンした時にコンデンサC11の電荷をコンデンサC3のマイナスラインに放電している。
【0027】
次に、端子T3,T4間に接続された負荷(例えば、白熱灯)が異常である場合について説明する。端子T3,T4間に接続された負荷が短絡すると、電流が増加し、コンデンサC2,コンデンサC3に流れる電流も増加する。また、端子T3,T4間に接続された負荷が断線した場合には、トランスTR2に流れる電流は励磁電流程度に減少し、コンデンサC2並びにコンデンサC3のリップル電圧も減少する。
【0028】
負荷が短絡してC3のリップル電圧が増加した場合、トランスTR2の励磁電流でコンデンサC3の両端の電圧極性が反転し、コンデンサC3のプラスラインの電圧よりもコンデンサC3のマイナスラインの電圧が高くなる。この場合、ダイオードD11を通じてコンデンサC9が充電され、コンデンサC9に充電された電圧がトランジスタQ5のベースに印加されることで、トランジスタQ5がオンする。トランジスタQ5がオンすると、抵抗R16−トランジスタQ5のコレクタ−トランジスタQ5のエミッタ−抵抗R26−ダイオードD11を通って電流が流れ、抵抗R16での電圧降下が発生し、トランジスタQ4のコレクタ電圧が低い状態に維持されることになる。従って、スイッチ素子U2がオンでスイッチ素子U1がオフの状態のままとなって交互導通は停止し、コンデンサC2の充電及びコンデンサC3の放電が促進し、コンデンサC3の電荷がなくなると、スイッチ素子U2に流れる電流もやがてなくなり、スイッチ素子U2の電力損失が減少し、トランスTR2の交流出力が停止する。
【0029】
コンデンサC9が放電すると、トランジスタQ5がオフし、再びスイッチ素子U1,U2が交互にオンオフを始めるが、継続して負荷が短絡している場合には再びコンデンサC3の両端の電圧極性が反転してコンデンサC9が充電されるため、駆動回路の動作は間欠動作となり、負荷の短絡による過負荷を防止する。
【0030】
次に、負荷が断線した場合について説明する。負荷が断線した場合はリップル電圧が減少し、コンデンサC10,抵抗R31を通して流れる電流が減少し、トランジスタQ4のベース・エミッタ間に十分な電圧がかからなくなり、トランジスタQ4がオフのままとなる。このことで、コンデンサC11は抵抗R32を通る電流により充電され、コンデンサC11に充電された電圧が抵抗R33を通じてトランジスタQ13のベースに印加されることで、トランジスタQ13がオンする。トランジスタQ13がオンすると、抵抗R16−トランジスタQ13のコレクタ−トランジスタQ13のエミッタを通って電流が流れ、抵抗R16での電圧降下が発生し、トランジスタQ4のオンオフに関係なくトランジスタQ4のコレクタ電圧が低い状態に維持されることになる。従って、スイッチ素子U2がオンでスイッチ素子U1がオフの状態のままとなって交互導通は停止し、コンデンサC2の充電及びコンデンサC3の放電が促進し、コンデンサC3の電荷がなくなると、スイッチ素子U2に流れる電流もやがてなくなり、スイッチ素子U2の電力損失が減少し、トランスTR2の交流出力が停止する。
【0031】
なお、スイッチ素子U2がオンでスイッチ素子U1がオフの状態のままとなって交互導通が停止することで、コンデンサC6への充電動作が行われなくなるため、トランジスタQ13のオン状態はコンデンサC6の電荷が減少して電圧が下がるまで続き、コンデンサC6の電圧がトランジスタQ13をオンできる電圧以下に下がると、トランジスタQ13がオフする。従って、回路の電力損失は低減し、また、電源を切らずにランプを交換しても、電源を入れ直さなければランプに通電されないので、装着時のランプの熱による火傷の事故を防止できる。
【0032】
以上に説明したように、トランスに負荷(例えば、ランプ或いは白熱灯)の状態を検出する巻き線を設けることなく、負荷の短絡或いは断線の異常を検出することができ、異常の検出に応じて駆動回路を制御するので、短絡時の過負荷の保謹と断線時の電力損失の低減を実現することができる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に記載の構成によれば、商用交流電源を直流に変換する直流変換回路の出力に直列に接続した第1のコンデンサ及び第2のコンデンサと、直流変換回路の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子及び第2のスイッチ素子と、第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子間と、第1のコンデンサと第2のコンデンサ間とに接続したトランスと、第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子とを交互にオンオフし、トランスに交番電流を付与するための駆動回路とからなり、第2のコンデンサのリップル電圧を検出する検出回路を設けたので、負荷と電源の間の絶縁性を確保しているトランスにランプの状態を検出する巻き線を設けることなく、ランプ等の負荷の短絡或いは断線の異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインバータを用いた白熱灯の点灯回路を示す回路ブロック図
【図2】図1の実施形態のインバータの回路図
【図3】図2の回路におけるトランジスタQ6,Q12,Q4,Q8,Q11,Q2,Q10,Q3,Q1並びにスイッチ素子U2,U1のオンオフ状態を表形式で示す図
【図4】従来のランプの点灯回路を模式化して示す回路ブロック図
【符号の説明】
1 インバータ
2 商用交流電源
3 直流変換回路(ダイオードブリッジ)
4 第1のコンデンサ
5 第2のコンデンサ
6 第1のスイッチ素子
7 第2のスイッチ素子
8 トランス
9 白熱灯
10 駆動回路
11 検出回路
41 インバータ回路(従来)
42 トランス(従来)
43 二次巻き線(従来)
44 検出回路(従来)
Claims (1)
- 商用交流電源を直流に変換する直流変換回路と、前記直流変換回路の出力に直列に接続した第1のコンデンサ及び第2のコンデンサと、前記直流変換回路の出力に直列に接続した第1のスイッチ素子及び第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子間と、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサ間とに接続したトランスと、前記第1のスイッチ素子と前記第2のスイッチ素子とを交互にオンオフし、前記トランスに交番電流を付与するための駆動回路とからなり、前記第2のコンデンサのリップル電圧を検出する検出回路を設けたことを特徴とするインバータ。
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Cited By (3)
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JP2006231951A (ja) * | 2005-02-22 | 2006-09-07 | Japan Agengy For Marine-Earth Science & Technology | 潜水機の電源装置 |
JP2009033098A (ja) * | 2007-06-26 | 2009-02-12 | Panasonic Electric Works Co Ltd | Led点灯装置およびそれを備えた照明器具 |
JP2013127881A (ja) * | 2011-12-17 | 2013-06-27 | Mitsubishi Electric Corp | 光源点灯装置及び照明器具 |
-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003147641A patent/JP2004350469A/ja active Pending
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