JP2004350445A - 回路体および該回路体を収容した自動車用電気接続箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】バスバー本体および絶縁樹脂板を有する回路体の軽量化を図る。
【解決手段】絶縁樹脂板の表裏両面に、板厚の薄いバスバーが上下に固定され、この固定された絶縁樹脂板と上下バスバーの所要位置に貫通孔が連通して設けられ、これら連通した貫通孔に圧入して上下バスバーと電気接続させると共に上記バスバーの板厚以上の厚肉なプレスフィット端子が設けられ、該プレスフィット端子の上記貫通孔への圧入部の幅寸法は上記バスバーの貫通孔の内径よりも大とされ、かつ、該圧入部の長さは上下バスバーおよび絶縁樹脂板の貫通孔の合計長に対して同等以上とされている。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁樹脂板の表裏両面に、板厚の薄いバスバーが上下に固定され、この固定された絶縁樹脂板と上下バスバーの所要位置に貫通孔が連通して設けられ、これら連通した貫通孔に圧入して上下バスバーと電気接続させると共に上記バスバーの板厚以上の厚肉なプレスフィット端子が設けられ、該プレスフィット端子の上記貫通孔への圧入部の幅寸法は上記バスバーの貫通孔の内径よりも大とされ、かつ、該圧入部の長さは上下バスバーおよび絶縁樹脂板の貫通孔の合計長に対して同等以上とされている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バスバーと絶縁樹脂板からなる回路体および該回路体を収容した自動車用電気接続箱に関し、詳しくは、バスバー本体の薄肉化を図り、該バスバー本体からなる回路体を収容する電気接続箱の重量軽減を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気接続箱内に収容される回路体としては、バスバーと絶縁樹脂板を積層したものが使用されている。該バスバーは導電性金属板を展開形状で回路パターンに沿って打ち抜き加工し、その後、所要位置を折り曲げ加工してタブを突設させている。通常、タブの板厚は規格化された所定板厚としているため、導電性金属板の板厚をタブの板厚に合わせる必要があり、バスバー本体の板厚はタブの厚みと同じ板厚になる。このように、タブの板厚は規格厚さとする必要があるため、バスバー本体の板厚を薄くすることができず、バスバーの軽量化を図ることが困難であった。
【0003】
また、上記バスバーを上下に積層して電気接続させる場合には、上下両方のバスバーから突出したタブをメスーメス中継端子を介して接続している。よって、部品点数が多くなる問題があった。
【0004】
一方、近時、 上下に配置される基板の回路をプレスフィット端子を用いて接続する技術が提案されている。 例えば、特許文献1(特開2000−187542号)では、図5(A)に示す上記二ヶ所に広幅の圧入部(プレスフィット部)1a,1bが形成されたプレスフィット端子1を、図5(B)に示すスペース部材4を介して所定間隔をあけて積層された二枚の基板2、3の貫通孔2a,3aに圧入させることで、上下基板2、3と電気的に接続されたタブを形成している。プレスフィット端子1の二箇所の圧入部1a,1bは、上部の圧入部1aの幅寸法が下部の圧入部1bの幅寸法より幅広に形成される一方、上部の基板2の貫通孔2aの径d1は下部の基板3の貫通孔3aの径d2よりも大きく形成され、プレスフィット端子1は貫通孔2a,3aの内周面にそれぞれ圧入部1a,1bが当接した状態で立設され、両基板2,3と接続される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−260513号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1のプレスフィット端子1を用いると、上下に配置されるバスバーを、該バスバーから折り曲げ形成したタブ同士を中継端子を介することなく電気接続することは可能となる。
しかしながら、上記プレスフィット端子1は上下二箇所に圧入部1a,1bを設ける必要があり、かつ、下方の圧入部1bは上方の圧入部より幅を狭くして、圧入部の幅を変えなけらばならないと共に、これら圧入部1aと1bとの間に間隔を明ける必要がある。従って、プレスフィット端子の形状が複雑になると共に長尺となり、かつ、接続される回路材の間隔をあけなけらばならず、小型化を図ることが困難であった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、タブの板厚よりバスバー本体の板厚を薄くして、バスバー本体の軽量化を図ると共に、上下に回路接続するバスバーを1本のプレスフィット端子で接続する場合に、プレスフィット端子の形状を簡単とすると共に、上下バスバーの間隔を密にできるようにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、絶縁樹脂板の表裏両面に、板厚の薄いバスバーが上下に固定され、これら固定された絶縁樹脂板と上下バスバーの所要位置に貫通孔が連通して設けられ、この連通した貫通孔に圧入して上下バスバーと電気接続させると共に上記バスバーの板厚以上のプレスフィット端子が設けられ、該プレスフィット端子の一部に拡幅させて設けた圧入部の幅寸法は上記バスバーの貫通孔の内径よりも大とされ、かつ、該圧入部の長さは上下バスバーおよび絶縁樹脂板の貫通孔の合計長に対して同等以上とされていることを特徴とする回路体を提供している。
【0009】
上記絶縁樹脂板の貫通孔の内径は上記上下バスバーの貫通孔の内径と同等以上とされることが好ましい。
【0010】
上記回路体は、まず、バスバーと一体的にタブを設けて中継端子を介して上下バスバーを接続している場合と比較して、バスバーにはタブを設ける必要がないため、バスバーの板厚はタブの板厚に規定されることなく薄くすることができる。 また、上下導通させるバスバーは1枚の絶縁樹脂板の上下面に固定し、連通させた貫通孔にプレスフィット端子に設けた1つの圧入部(プレスフィット部)を挿入し、該圧入部の上下部を上下バスバーと接触させて電気接続している。
よって、プレスフィット端子に設ける圧入部は1つだけでよくなると共に、上下バスバー間の寸法を小さくでき、密に配置することができる。
かつ、バスバーの板厚が薄くとも、プレスフィット端子の圧入部の長さは上下バスバーおよび絶縁樹脂板の貫通孔の合計長に対して同等以上とているため、確実にプレスフィット端子を立設保持することができる。
【0011】
上記プレスフィット端子の板厚は0.6mm〜1.2mmに設定している。該プレスフィット端子の一部を拡幅して薄肉化して形成した上記圧入部は圧入時に圧縮変形可としている一方、上記プレスフィット端子の板厚以下とした上下バスバーの板厚は、大電流回路用と小電流回路用とで板厚を変えていることが好ましい。該プレスフィット端子は細幅平板形状で、その下端近傍に上記圧入部(プレスフィット部)を設けている。
なお、大電流回路用は許容電流値によっては、プレスフィット端子の板厚より若干厚くしてもよい。
【0012】
プレスフィット端子の先端をタブとし、コネクタ収容部等に突出させてコネクタ内のメス端子と嵌合接続させる等においては、タブの板厚の規格は通常0.6mm〜1.2mmの範囲(詳細には、0.64mm、0.8mm、1.2mm)であるため、プレスフィット端子の板厚はタブの規格厚さに対応させて設定している。
【0013】
一方、バスバーの板厚は、プレスフィット端子で形成されるタブの厚さに対応させる必要がないため、プレスフィット端子の板厚(タブの板厚)以下で、該バスバーを流れる電流量に応じて設定することができる。例えば、大電流回路用であれば、0.3mm〜0.8mm、小電流回路用であれば0.1mm〜0.3mmとしている。
絶縁樹脂板の下面に固定するバスバーの貫通孔は上面に固定するバスバーの貫通孔より若干小さくすることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、上記回路体を収容した自動車用電気接続箱を提供している。上記回路体は上下バスバーは絶縁板の上下面に固定して、プレスフィット端子の1つの圧入部で接続する構成としているため、上下間隔が狭くなり、電気接続箱内に密に配置でき電気接続箱の小型化がはかれる。さらに、バスバーの薄肉化を図っているため、軽量化も図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図3を参照して説明する。
図1に示すように、回路体10はバスバー11、12、絶縁板13およびプレスフィット端子15からなる。
【0016】
上記バスバー11とバスバー12とを絶縁板13の上下面にかしめ固定し、これらバスバー11、12、絶縁樹脂板13に連通した貫通孔11a、12a、13aを設けている。
図1、2に示すように、バスバー11、12の板厚t1は絶縁樹脂板13の板厚t2よりも薄くしている。また、バスバー11、12の貫通孔11a、12aの内径d1は絶縁樹脂板13の貫通孔13aの内径d2よりも小さくしている。
かつ、上方のバスバー11の貫通孔11aより下方のバスバー12の貫通孔12aを若干小さくしている。
【0017】
上記一体化したバスバー11、絶縁樹脂板13、バスバー12の貫通孔11a、13a、12aにはプレスフィット端子15に形成した圧入部(プレスフィット部)15aを挿入し、該圧入部15aの上下両側をバスバー11、12の貫通孔11a、12aに接触させて電気接続している。
【0018】
図3(A)(B)に示すように、プレスフィット端子15は薄板からなる棒状で、その下側部に上記圧入部15aを設けていると共に、突出させた上端にタブ15bを形成している。このタブ15bは規格化された板厚t4とする必要があるため、プレスフィット端子15の板厚はt4とし、バスバー11、12の板厚t1より厚くしている。
【0019】
プレスフィット端子15の圧入部15aは中央部を叩きだして広幅d3とすると同時に中央部に薄肉部15a−1を設け、圧縮変形可能としている。上記広幅d3はバスバー11、12の貫通孔11a、12aの内径d1より僅かに大きくしている。
また、圧入部15aの長さL1はバスバー11、12および絶縁樹脂板13の合計厚さL2よりも長く設定している。
【0020】
上記したプレスフィット端子15は、一体化させたバスバー11、絶縁樹脂板13、バスバー12の連通した貫通孔11a、13a、12aに真上より挿入し、圧入部15aを挿入している。其の際、上下バスバー11、12の貫通孔11a、12aの内径d1は圧入部15aの幅d3より若干小さくしているため、圧入部15aの左右両側面は貫通孔11a、12aの内周面と確実に接触できる。
【0021】
上記バスバー11、12、絶縁樹脂板13およびプレスフィット端子15とを一体的に組みつけて構成した回路体10では、プレスフィット端子15に設けた1つの圧入部15aで上下バスバー11、12と接触して電気接続され、上下バスバー11と12とを回路接続する。かつ、該プレスフィット端子15の先端のタブ15bは回路体10を電気接続箱(図示せず)の収容した状態で、電気接続箱のケースに設けたコネクタ収容部に突出させ、コネクタ内のメス端子と嵌合接続している。該タブ15aは規格厚さとしているが、バスバー11、12から突出させたタブではないため、バスバー11、12を上記規格厚さとする必要はなく、薄肉としている。
【0022】
このように、上下バスバー11と12とを接続するプレスフィット端子15に1つの圧入部15aを形成すれば良いだけであるため、形状を簡単にできると共に、その長さを短くすることができる。また、上下バスバー11と12とはタブを形成するプレスフィット端子15の板厚よりも薄くできるために、軽量化を図ることができる。かつ、上下バスバー11と12とはプレスフィット端子15の1つの圧入部15aで電気接続しているため、1つの絶縁樹脂板13を介在させて近接配置され、回路体10の上下高さを短くでき全体として小型化、高密度化を図ることができる。
【0023】
図4は第2実施形態を示し、絶縁樹脂板13の上下に固定するバスバーの肉厚を変えている。上バスバー11’は0.3mmとし、下バスバー12’は0.6mmとし、上バスバー11’を小電流回路用とし、下バスバー12’は大電流回路用としている。なお、介在させる絶縁樹脂板13の板厚は0.8mmとし、プレスフィット端子15の板厚は0.8mmとしている。
他の構成および作用効果は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明の回路体では、絶縁樹脂板の上下面に固定したバスバーと該絶縁樹脂板に連通して設けた貫通孔に、別体のプレスフィット端子に形成した1つの圧入部を挿入し、該圧入部の上下部を上下バスバーに接触させているため、上下バスバーの回路接続を図ることが出来ると共に、圧入するだけでの作業でプレスフィット端子を固定保持することができる。
【0025】
また、バスバーからタブを突出させず、プレスフィット端子でタブを形成しているため、バスバーの板厚はタブの板厚に規定されず、薄肉化を図ることできるため、バスバーは軽量化できると共に、電流量に応じて所要の肉厚とすることもできる。即ち、プレスフィット端子の板厚以下の範囲で大電流用では厚く、小電流用ではより薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の回路体を示す断面図である。
【図2】バスバーと絶縁板とを示す断面図である。
【図3】プレスフィット端子を示し、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
【図4】第2実施形態の回路体を示す断面図である。
【図5】(A)(B)は従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 回路体
11、12 バスバー
11a、12a 貫通穴
13 絶縁樹脂板
13a 貫通穴
15 プレスフィット端子
15a 圧入部
15b タブ
15c リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、バスバーと絶縁樹脂板からなる回路体および該回路体を収容した自動車用電気接続箱に関し、詳しくは、バスバー本体の薄肉化を図り、該バスバー本体からなる回路体を収容する電気接続箱の重量軽減を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気接続箱内に収容される回路体としては、バスバーと絶縁樹脂板を積層したものが使用されている。該バスバーは導電性金属板を展開形状で回路パターンに沿って打ち抜き加工し、その後、所要位置を折り曲げ加工してタブを突設させている。通常、タブの板厚は規格化された所定板厚としているため、導電性金属板の板厚をタブの板厚に合わせる必要があり、バスバー本体の板厚はタブの厚みと同じ板厚になる。このように、タブの板厚は規格厚さとする必要があるため、バスバー本体の板厚を薄くすることができず、バスバーの軽量化を図ることが困難であった。
【0003】
また、上記バスバーを上下に積層して電気接続させる場合には、上下両方のバスバーから突出したタブをメスーメス中継端子を介して接続している。よって、部品点数が多くなる問題があった。
【0004】
一方、近時、 上下に配置される基板の回路をプレスフィット端子を用いて接続する技術が提案されている。 例えば、特許文献1(特開2000−187542号)では、図5(A)に示す上記二ヶ所に広幅の圧入部(プレスフィット部)1a,1bが形成されたプレスフィット端子1を、図5(B)に示すスペース部材4を介して所定間隔をあけて積層された二枚の基板2、3の貫通孔2a,3aに圧入させることで、上下基板2、3と電気的に接続されたタブを形成している。プレスフィット端子1の二箇所の圧入部1a,1bは、上部の圧入部1aの幅寸法が下部の圧入部1bの幅寸法より幅広に形成される一方、上部の基板2の貫通孔2aの径d1は下部の基板3の貫通孔3aの径d2よりも大きく形成され、プレスフィット端子1は貫通孔2a,3aの内周面にそれぞれ圧入部1a,1bが当接した状態で立設され、両基板2,3と接続される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−260513号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1のプレスフィット端子1を用いると、上下に配置されるバスバーを、該バスバーから折り曲げ形成したタブ同士を中継端子を介することなく電気接続することは可能となる。
しかしながら、上記プレスフィット端子1は上下二箇所に圧入部1a,1bを設ける必要があり、かつ、下方の圧入部1bは上方の圧入部より幅を狭くして、圧入部の幅を変えなけらばならないと共に、これら圧入部1aと1bとの間に間隔を明ける必要がある。従って、プレスフィット端子の形状が複雑になると共に長尺となり、かつ、接続される回路材の間隔をあけなけらばならず、小型化を図ることが困難であった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、タブの板厚よりバスバー本体の板厚を薄くして、バスバー本体の軽量化を図ると共に、上下に回路接続するバスバーを1本のプレスフィット端子で接続する場合に、プレスフィット端子の形状を簡単とすると共に、上下バスバーの間隔を密にできるようにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、絶縁樹脂板の表裏両面に、板厚の薄いバスバーが上下に固定され、これら固定された絶縁樹脂板と上下バスバーの所要位置に貫通孔が連通して設けられ、この連通した貫通孔に圧入して上下バスバーと電気接続させると共に上記バスバーの板厚以上のプレスフィット端子が設けられ、該プレスフィット端子の一部に拡幅させて設けた圧入部の幅寸法は上記バスバーの貫通孔の内径よりも大とされ、かつ、該圧入部の長さは上下バスバーおよび絶縁樹脂板の貫通孔の合計長に対して同等以上とされていることを特徴とする回路体を提供している。
【0009】
上記絶縁樹脂板の貫通孔の内径は上記上下バスバーの貫通孔の内径と同等以上とされることが好ましい。
【0010】
上記回路体は、まず、バスバーと一体的にタブを設けて中継端子を介して上下バスバーを接続している場合と比較して、バスバーにはタブを設ける必要がないため、バスバーの板厚はタブの板厚に規定されることなく薄くすることができる。 また、上下導通させるバスバーは1枚の絶縁樹脂板の上下面に固定し、連通させた貫通孔にプレスフィット端子に設けた1つの圧入部(プレスフィット部)を挿入し、該圧入部の上下部を上下バスバーと接触させて電気接続している。
よって、プレスフィット端子に設ける圧入部は1つだけでよくなると共に、上下バスバー間の寸法を小さくでき、密に配置することができる。
かつ、バスバーの板厚が薄くとも、プレスフィット端子の圧入部の長さは上下バスバーおよび絶縁樹脂板の貫通孔の合計長に対して同等以上とているため、確実にプレスフィット端子を立設保持することができる。
【0011】
上記プレスフィット端子の板厚は0.6mm〜1.2mmに設定している。該プレスフィット端子の一部を拡幅して薄肉化して形成した上記圧入部は圧入時に圧縮変形可としている一方、上記プレスフィット端子の板厚以下とした上下バスバーの板厚は、大電流回路用と小電流回路用とで板厚を変えていることが好ましい。該プレスフィット端子は細幅平板形状で、その下端近傍に上記圧入部(プレスフィット部)を設けている。
なお、大電流回路用は許容電流値によっては、プレスフィット端子の板厚より若干厚くしてもよい。
【0012】
プレスフィット端子の先端をタブとし、コネクタ収容部等に突出させてコネクタ内のメス端子と嵌合接続させる等においては、タブの板厚の規格は通常0.6mm〜1.2mmの範囲(詳細には、0.64mm、0.8mm、1.2mm)であるため、プレスフィット端子の板厚はタブの規格厚さに対応させて設定している。
【0013】
一方、バスバーの板厚は、プレスフィット端子で形成されるタブの厚さに対応させる必要がないため、プレスフィット端子の板厚(タブの板厚)以下で、該バスバーを流れる電流量に応じて設定することができる。例えば、大電流回路用であれば、0.3mm〜0.8mm、小電流回路用であれば0.1mm〜0.3mmとしている。
絶縁樹脂板の下面に固定するバスバーの貫通孔は上面に固定するバスバーの貫通孔より若干小さくすることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、上記回路体を収容した自動車用電気接続箱を提供している。上記回路体は上下バスバーは絶縁板の上下面に固定して、プレスフィット端子の1つの圧入部で接続する構成としているため、上下間隔が狭くなり、電気接続箱内に密に配置でき電気接続箱の小型化がはかれる。さらに、バスバーの薄肉化を図っているため、軽量化も図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図3を参照して説明する。
図1に示すように、回路体10はバスバー11、12、絶縁板13およびプレスフィット端子15からなる。
【0016】
上記バスバー11とバスバー12とを絶縁板13の上下面にかしめ固定し、これらバスバー11、12、絶縁樹脂板13に連通した貫通孔11a、12a、13aを設けている。
図1、2に示すように、バスバー11、12の板厚t1は絶縁樹脂板13の板厚t2よりも薄くしている。また、バスバー11、12の貫通孔11a、12aの内径d1は絶縁樹脂板13の貫通孔13aの内径d2よりも小さくしている。
かつ、上方のバスバー11の貫通孔11aより下方のバスバー12の貫通孔12aを若干小さくしている。
【0017】
上記一体化したバスバー11、絶縁樹脂板13、バスバー12の貫通孔11a、13a、12aにはプレスフィット端子15に形成した圧入部(プレスフィット部)15aを挿入し、該圧入部15aの上下両側をバスバー11、12の貫通孔11a、12aに接触させて電気接続している。
【0018】
図3(A)(B)に示すように、プレスフィット端子15は薄板からなる棒状で、その下側部に上記圧入部15aを設けていると共に、突出させた上端にタブ15bを形成している。このタブ15bは規格化された板厚t4とする必要があるため、プレスフィット端子15の板厚はt4とし、バスバー11、12の板厚t1より厚くしている。
【0019】
プレスフィット端子15の圧入部15aは中央部を叩きだして広幅d3とすると同時に中央部に薄肉部15a−1を設け、圧縮変形可能としている。上記広幅d3はバスバー11、12の貫通孔11a、12aの内径d1より僅かに大きくしている。
また、圧入部15aの長さL1はバスバー11、12および絶縁樹脂板13の合計厚さL2よりも長く設定している。
【0020】
上記したプレスフィット端子15は、一体化させたバスバー11、絶縁樹脂板13、バスバー12の連通した貫通孔11a、13a、12aに真上より挿入し、圧入部15aを挿入している。其の際、上下バスバー11、12の貫通孔11a、12aの内径d1は圧入部15aの幅d3より若干小さくしているため、圧入部15aの左右両側面は貫通孔11a、12aの内周面と確実に接触できる。
【0021】
上記バスバー11、12、絶縁樹脂板13およびプレスフィット端子15とを一体的に組みつけて構成した回路体10では、プレスフィット端子15に設けた1つの圧入部15aで上下バスバー11、12と接触して電気接続され、上下バスバー11と12とを回路接続する。かつ、該プレスフィット端子15の先端のタブ15bは回路体10を電気接続箱(図示せず)の収容した状態で、電気接続箱のケースに設けたコネクタ収容部に突出させ、コネクタ内のメス端子と嵌合接続している。該タブ15aは規格厚さとしているが、バスバー11、12から突出させたタブではないため、バスバー11、12を上記規格厚さとする必要はなく、薄肉としている。
【0022】
このように、上下バスバー11と12とを接続するプレスフィット端子15に1つの圧入部15aを形成すれば良いだけであるため、形状を簡単にできると共に、その長さを短くすることができる。また、上下バスバー11と12とはタブを形成するプレスフィット端子15の板厚よりも薄くできるために、軽量化を図ることができる。かつ、上下バスバー11と12とはプレスフィット端子15の1つの圧入部15aで電気接続しているため、1つの絶縁樹脂板13を介在させて近接配置され、回路体10の上下高さを短くでき全体として小型化、高密度化を図ることができる。
【0023】
図4は第2実施形態を示し、絶縁樹脂板13の上下に固定するバスバーの肉厚を変えている。上バスバー11’は0.3mmとし、下バスバー12’は0.6mmとし、上バスバー11’を小電流回路用とし、下バスバー12’は大電流回路用としている。なお、介在させる絶縁樹脂板13の板厚は0.8mmとし、プレスフィット端子15の板厚は0.8mmとしている。
他の構成および作用効果は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明の回路体では、絶縁樹脂板の上下面に固定したバスバーと該絶縁樹脂板に連通して設けた貫通孔に、別体のプレスフィット端子に形成した1つの圧入部を挿入し、該圧入部の上下部を上下バスバーに接触させているため、上下バスバーの回路接続を図ることが出来ると共に、圧入するだけでの作業でプレスフィット端子を固定保持することができる。
【0025】
また、バスバーからタブを突出させず、プレスフィット端子でタブを形成しているため、バスバーの板厚はタブの板厚に規定されず、薄肉化を図ることできるため、バスバーは軽量化できると共に、電流量に応じて所要の肉厚とすることもできる。即ち、プレスフィット端子の板厚以下の範囲で大電流用では厚く、小電流用ではより薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の回路体を示す断面図である。
【図2】バスバーと絶縁板とを示す断面図である。
【図3】プレスフィット端子を示し、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
【図4】第2実施形態の回路体を示す断面図である。
【図5】(A)(B)は従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 回路体
11、12 バスバー
11a、12a 貫通穴
13 絶縁樹脂板
13a 貫通穴
15 プレスフィット端子
15a 圧入部
15b タブ
15c リブ
Claims (4)
- 絶縁樹脂板の表裏両面に、板厚の薄いバスバーが上下に固定され、これら固定された絶縁樹脂板と上下バスバーの所要位置に貫通孔が連通して設けられ、この連通した貫通孔に圧入して上下バスバーと電気接続させると共に上記バスバーの板厚以上のプレスフィット端子が設けられ、該プレスフィット端子の一部に拡幅させて設けた圧入部の幅寸法は上記バスバーの貫通孔の内径よりも大とされ、かつ、該圧入部の長さは上下バスバーおよび絶縁樹脂板の貫通孔の合計長に対して同等以上とされていることを特徴とする回路体。
- 上記絶縁樹脂板の貫通孔の内径は上記上下バスバーの貫通孔の内径と同等以上とされている請求項1に記載の回路体。
- 上記プレスフィット端子の板厚は0.6mm〜1.2mmに設定していると共に、上記プレスフィット端子の板厚以下とした上下バスバーの板厚は、大電流回路用と小電流回路用とで板厚を変えている請求項1または請求項2に記載の回路体。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回路体を収容した自動車用電気接続箱。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003146114A JP2004350445A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 回路体および該回路体を収容した自動車用電気接続箱 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003146114A JP2004350445A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 回路体および該回路体を収容した自動車用電気接続箱 |
Publications (1)
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ID=33533063
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JP2003146114A Withdrawn JP2004350445A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 回路体および該回路体を収容した自動車用電気接続箱 |
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JP (1) | JP2004350445A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100700051B1 (ko) | 2006-01-31 | 2007-03-28 | 경신공업 주식회사 | 차량용 정션박스의 인쇄회로기판 연결장치 |
JP2010103369A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Keihin Corp | 電子制御装置 |
WO2021200753A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | コネクタ装置の組立部品、及びコネクタ装置 |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003146114A patent/JP2004350445A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100700051B1 (ko) | 2006-01-31 | 2007-03-28 | 경신공업 주식회사 | 차량용 정션박스의 인쇄회로기판 연결장치 |
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JP2021163641A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | コネクタ装置の組立部品、及びコネクタ装置 |
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