JP2021163641A - コネクタ装置の組立部品、及びコネクタ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
スルーホールを有する基板と、
前記スルーホールに圧入される棒状のプレスフィット端子と、を備え、
前記プレスフィット端子は、先端側から順に、先端部、プレスフィット部、及び基端部を有し、
前記プレスフィット部は、
前記プレスフィット端子を貫通するアイホールと、
前記アイホールを隔てて並列する二つの接触片を有する並行部と、
前記並行部と前記先端部とをつなぐテーパー部と、を有し、
前記プレスフィット端子の最も幅の広い位置で切断した縦断面において、
前記アイホールは、前記アイホールの先端側を構成する曲線を有し、
前記テーパー部を構成する線は、接触点と基準点とを有し、
前記接触点は、前記プレスフィット端子の前記スルーホールへの挿入時に前記スルーホールの開口縁に最初に接触する点であり、
前記基準点は、前記テーパー部を構成する線と特定垂線との交点であり、
前記特定垂線は、前記テーパー部を構成する線に対する垂線のうち前記曲線の端点を通る垂線であり、
前記接触点が、前記基準点よりも前記先端部側に位置する。
スルーホールを有する基板と、
前記スルーホールに圧入された棒状のプレスフィット端子とを備え、
前記基板は、本開示に係るコネクタ装置の組立部品に備わる基板であり、
前記プレスフィット端子は、本開示に係るコネクタ装置の組立部品に備わるプレスフィット端子である。
本発明者らは、基板のスルーホールへの圧入に伴ってプレスフィット端子に割れなどの損傷が生じる原因を鋭意検討した。その結果、原因の一つとしては、後述する試験例で示すように、接触点が基準点よりも基端側に位置することにあることがわかった。接触点とは、プレスフィット端子を基板のスルーホールに差し込んだ際、最初にスルーホールの開口縁に接触する箇所である。基準点とは、後述するプレスフィット端子の縦断面において、テーパー部を構成する線と特定垂線との交点である。テーパー部は、プレスフィット部における先端部側の部分で、並行部と先端部とをつないでいる。特定垂線は、テーパー部を構成する線に対する垂線のうちアイホールの先端側を構成する曲線の端点を通る垂線である。この基準点は、プレスフィット部のスルーホール内への圧入に伴って作用する応力によって最大主ひずみが最も大きくなる箇所である。
スルーホールを有する基板と、
前記スルーホールに圧入される棒状のプレスフィット端子と、を備え、
前記プレスフィット端子は、先端側から順に、先端部、プレスフィット部、及び基端部を有し、
前記プレスフィット部は、
前記プレスフィット端子を貫通するアイホールと、
前記アイホールを隔てて並列する二つの接触片を有する並行部と、
前記並行部と前記先端部とをつなぐテーパー部と、を有し、
前記プレスフィット端子の最も幅の広い位置で切断した縦断面において、
前記アイホールは、前記アイホールの先端側を構成する曲線を有し、
前記テーパー部を構成する線は、接触点と基準点とを有し、
前記接触点は、前記プレスフィット端子の前記スルーホールへの挿入時に前記スルーホールの開口縁に最初に接触する点であり、
前記基準点は、前記テーパー部を構成する線と特定垂線との交点であり、
前記特定垂線は、前記テーパー部を構成する線に対する垂線のうち前記曲線の端点を通る垂線であり、
前記接触点が、前記基準点よりも前記先端部側に位置する。
前記アイホールの幅は、前記並行部の外幅に対して0.1倍以上であることが挙げられる。
前記プレスフィット端子の厚みは、0.2mm以上0.8mm以下であることが挙げられる。
前記プレスフィット端子の数は、8以上であることが挙げられる。
前記プレスフィット端子と前記基板とは、コントロールモジュールを構成することが挙げられる。
スルーホールを有する基板と、
前記スルーホールに圧入された棒状のプレスフィット端子とを備え、
前記基板は、上記(1)から上記(5)のいずれか1つに記載のコネクタ装置の組立部品に備わる基板であり、
前記プレスフィット端子は、上記(1)から上記(5)のいずれか1つに記載のコネクタ装置の組立部品に備わるプレスフィット端子である。
本開示の実施形態の詳細を、以下に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
〔コネクタ装置の組立部品〕
図1、図2を参照して、実施形態1に係るコネクタ装置の組立部品1を説明する。本形態のコネクタ装置の組立部品1は、基板2とプレスフィット端子3とを備える。基板2は、スルーホール25を有する。プレスフィット端子3は、スルーホール25に圧入される棒状の部材である。プレスフィット端子3は、先端側から順に、先端部31、プレスフィット部32、及び基端部36を有する。プレスフィット部32は、アイホール33と、並行部34と、テーパー部35とを有する。アイホール33は、プレスフィット端子3に貫通する。並行部34は、アイホール33を隔てて並列する二つの接触片341を有する。接触片341は、スルーホール25に挿通される際、スルーホール25の内周面に接触する。テーパー部35は、並行部34と先端部31とをつなぐ。本形態のコネクタ装置の組立部品1の特徴の一つは、プレスフィット端子3の縦断面において、テーパー部35を構成する線が特定の位置関係を満たす接触点351と基準点352とを備える点にある。以下、各構成を詳細に説明する。
基板2は、半導体リレー等の電子部品やコネクタなどが実装される。電子部品やコネクタなど基板2に実装される部材の図示は省略する。基板2は、プリント基板を用いることができる。
プレスフィット端子3は、基板2と相手側コネクタとを電気的に接続する棒状の部材である。相手側コネクタの図示は省略する。
先端部31は、スルーホール25に最初に挿通される部分である。先端部31の幅及び厚みは、スルーホール25の内寸よりも小さい。先端部31は、上記縦断面において、プレスフィット端子3の長手方向に一様な幅を有する部分と、先端に向かって先細る部分とを有する。
プレスフィット部32は、スルーホール25に圧入される部分である。プレスフィット部32がスルーホール25に圧入されると、プレスフィット部32がスルーホール25の内周面を押圧する。この押圧によって、プレスフィット部32がスルーホール25から抜け難くなる。そのため、半田などの金属からなる接続材料を用いることなくプレスフィット端子3と基板2とが接続される。プレスフィット部32は、アイホール33と、並行部34と、テーパー部35とを有する。
アイホール33は、プレスフィット部32を基板2のスルーホール25に圧入する際、後述する並行部34の二つの接触片341を変形させてプレスフィット部32を圧入し易くすると共に、圧入により二つの接触片341がスルーホール25の内周面を押圧し易くする。アイホール33は、プレスフィット端子3を貫通する。
並行部34は、アイホール33と二つの接触片341とが並列する。この並行部34は、プレスフィット部32において、スルーホール25の内寸よりも外幅W2の大きい部分を有する。並行部34は、アイホール33を隔てて並列する二つの接触片341を有する。並行部34の外幅W2とは、二つの接触片341の外側辺間におけるプレスフィット端子3の幅方向に沿った長さをいう。二つの接触片341は、プレスフィット部32のスルーホール25への圧入によって変形する。この変形によって、プレスフィット部32がスルーホール25内に挿入される。スルーホール25内では、二つの接触片341がスルーホール25の内周面を押圧する。この押圧によって、プレスフィット部32のスルーホール25からの抜けが規制される。そのため、プレスフィット端子3と基板2との接続に半田などの金属からなる接続材料が不要である。二つの接触片341は、プレスフィット端子3の長手方向に直線状に延びる。
テーパー部35は、並行部34と先端部31とをつないでいる。本例のテーパー部35は、上記縦断面において、並行部34から先端部31に向かって幅が狭くなる。以下、上記縦断面においてテーパー部35を構成する線をテーパー線350という。このテーパー線350は、接触点351と基準点352とを有する。図1は、テーパー部35において、紙面左側のテーパー線350の接触点351と基準点352とを示し、説明の便宜上、紙面右側のテーパー線の接触点と基準点との図示を省略している。紙面右側の接触点と基準点とは、紙面左側の接触点と基準点と、プレスフィット端子3の長手方向の中心線に対して線対称の位置にある。幅方向の一方側は、図1の紙面左側であり、幅方向の他方側は、図1の紙面右側である。テーパー線350は、直線であってもよいし、曲線であってもよい。
接触点351は、プレスフィット端子3を基板2のスルーホール25に差し込んだ際、最初にスルーホール25の開口縁に接触する箇所である。即ち、接触点351は、テーパー部35のうちスルーホール25の内寸と同一幅を有する箇所に設けられる。接触点351は、テーパー線350における基準点352よりも先端側に位置する。
基端部36は、プレスフィット部32よりも先端部31側とは反対側に延びる。基端部36は、相手側コネクタに電気的に接続される接続部を有する。相手側コネクタは、コネクタのハウジング内に挿通される。コネクタのハウジングの図示は省略する。コネクタハウジングの形状は、筒状である。コネクタハウジングは、相手側コネクタをコネクタハウジング内に差し込む開口と、開口側とは反対側に設けられる奥壁とを有する。基端部36の接続部は、コネクタハウジングの奥壁を貫通し、コネクタハウジング内に配置される。基端部36の接続部は、ハウジング内で相手側コネクタ部に電気的に接続される。
プレスフィット端子3の厚みは、コネクタ装置の組立部品1の用途に応じて適宜選択できる。プレスフィット端子3の厚みは、例えば、0.2mm以上0.8mm以下が挙げられる。プレスフィット端子3の厚みが0.8mm以下であれば、プレスフィット端子3の厚みが薄いため、多極のコネクタであってもコネクタの小型化が図れる。プレスフィット端子3の厚みが0.2mm以上であれば、プレスフィット端子3の厚みが過度に薄すぎないため、プレスフィット端子3の強度が比較的高い。プレスフィット端子3の厚みは、更に、0.4mm以上0.6mm以下が挙げられ、特に、0.4mm以上0.5mm以下が挙げられる。特に、プレスフィット端子3の厚みは、0.4mmが好適に利用できる。
プレスフィット端子3の数は、コネクタ装置の組立部品1の用途に応じて適宜選択できる。プレスフィット端子3の数は、例えば、8以上が挙げられる。プレスフィット端子3の厚みが小さくプレスフィット端子3が小型である。そのため、プレスフィット端子3の数が8以上であっても、プレスフィット端子3が設けられるコネクタの小型化が図れる。その上、省スペースでコネクタの導電経路が確保できる。プレスフィット端子3の数は、更に20以上が挙げられ、特に50以上が挙げられる。プレスフィット端子3の数は、100以上でもよい。
本形態のコネクタ装置の組立部品1は、コントロールモジュールを構築できる。コントロールモジュールとしては、例えば、自動車のボディーコントロールモジュールやエアバッグのコントロールモジュールなどが挙げられる。
本形態のコネクタ装置の組立部品1は、プレスフィット部32の基板2のスルーホール25への圧入に伴うプレスフィット端子3の損傷が生じ難い。プレスフィット端子3の接触点351が基準点352よりも先端側に位置することで、基準点352に引張応力が作用する期間が短くなり易いからである。そのため、コネクタ装置の組立部品1は、スルーホール25への圧入に伴うプレスフィット端子3の損傷が生じることなく、基板2とプレスフィット端子3とが接続されたコネクタ装置を構築できる。
〔コネクタ装置〕
図3を参照して、実施形態2に係るコネクタ装置10を説明する。本形態のコネクタ装置10は、スルーホール25を有する基板2と、スルーホール25に圧入された棒状のプレスフィット端子3とを備える。本形態のコネクタ装置10は、実施形態1に係るコネクタ装置の組立部品1を組み立てて構成される。基板2は、実施形態1に係るコネクタ装置の組立部品1に備わる基板2である。プレスフィット端子3は、実施形態1に係るコネクタ装置の組立部品1に備わるプレスフィット端子3である。プレスフィット端子3のプレスフィット部32は、スルーホール25に圧入されている。プレスフィット部32の並行部34に備わる二つの接触片341は、接触片341の長手方向の両端がスルーホール25の内周面を押圧している。二つの接触片341は、接触片341の長手方向の中央部が互いに近づく方向に変形している。
本形態のコネクタ装置10は、長期にわたって使用可能である。その理由は、次のことが考えられる。コネクタ装置10は、基板2のスルーホール25への圧入に伴う損傷が生じ難いプレスフィット端子3がスルーホール25内に圧入されている。即ち、スルーホール25に圧入されたプレスフィット端子3には損傷が生じていない。そのため、コネクタ装置10の使用中に伴ってプレスフィット端子3の損傷が拡大することが実質的にない。
本試験例では、基板のスルーホールへの圧入に伴うプレスフィット端子の損傷の有無を評価した。この評価は、実験及びCAE(Computer Aided Engineering)解析により行った。
試料No.1のプレスフィット端子は、図1を参照して説明した実施形態1に係るコネクタ装置の組立部品1に備わるプレスフィット端子3と同様である。即ち、試料No.1のプレスフィット端子は、図1に示すように、プレスフィット端子3の縦断面において、テーパー部35を構成するテーパー線350が接触点351と基準点352とを有する。試料No.1のプレスフィット端子の接触点351は、基準点352よりも先端側に位置する。
試料No.101のプレスフィット端子は、図4を参照して説明した従来のプレスフィット端子300と同様である。即ち、試料No.101のプレスフィット端子は、図4を参照して上述したように、主として、アイホール330の長さが長い点と、接触点351が基準点352よりも基端側に位置する点とを除き、試料No.1のプレスフィット端子と同様とした。
実際のプレスフィット端子を基板のスルーホールに挿入する実験を行い、各試料のプレスフィット端子の損傷の有無を調べた。また、CAE上で各試料のプレスフィット端子のプレスフィット部を基板のスルーホール内に圧入し、各試料のプレスフィット端子の最大主ひずみが最も大きくなる箇所を調べると共に、最大主ひずみの大きさと基準点に発生する応力とを算出した。
10 コネクタ装置
2 基板
21 表面
22 裏面
25 スルーホール
3、300 プレスフィット端子
31 先端部
32 プレスフィット部
33、330 アイホール
331 第一曲線
331a 端点
332 第二曲線
333 中間線
34 並行部
341 接触片
35 テーパー部
350 テーパー線
351 接触点
352 基準点
36 基端部
W1 アイホールの幅
W2 外幅
Claims (6)
- スルーホールを有する基板と、
前記スルーホールに圧入される棒状のプレスフィット端子と、を備え、
前記プレスフィット端子は、先端側から順に、先端部、プレスフィット部、及び基端部を有し、
前記プレスフィット部は、
前記プレスフィット端子を貫通するアイホールと、
前記アイホールを隔てて並列する二つの接触片を有する並行部と、
前記並行部と前記先端部とをつなぐテーパー部と、を有し、
前記プレスフィット端子の最も幅の広い位置で切断した縦断面において、
前記アイホールは、前記アイホールの先端側を構成する曲線を有し、
前記テーパー部を構成する線は、接触点と基準点とを有し、
前記接触点は、前記プレスフィット端子の前記スルーホールへの挿入時に前記スルーホールの開口縁に最初に接触する点であり、
前記基準点は、前記テーパー部を構成する線と特定垂線との交点であり、
前記特定垂線は、前記テーパー部を構成する線に対する垂線のうち前記曲線の端点を通る垂線であり、
前記接触点が、前記基準点よりも前記先端部側に位置する、
コネクタ装置の組立部品。 - 前記アイホールの幅は、前記並行部の外幅に対して0.1倍以上である請求項1に記載のコネクタ装置の組立部品。
- 前記プレスフィット端子の厚みは、0.2mm以上0.8mm以下である請求項1又は請求項2に記載のコネクタ装置の組立部品。
- 前記プレスフィット端子の数は、8以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ装置の組立部品。
- 前記プレスフィット端子と前記基板とは、コントロールモジュールを構成する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ装置の組立部品。
- スルーホールを有する基板と、
前記スルーホールに圧入された棒状のプレスフィット端子とを備え、
前記基板は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ装置の組立部品に備わる基板であり、
前記プレスフィット端子は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタ装置の組立部品に備わるプレスフィット端子である、
コネクタ装置。
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