JP2004350126A - パワーオンリセット回路装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電流経路制御回路37は、定常電流カット信号がアクティブになると、抵抗1を介して流れる電流経路を遮断してFET3をオフ状態にし、NANDゲート16によりパワーオンリセット(POR)の解除状態を維持させ、前記信号がインアクティブとなるPOR回路装置38の通常動作時には前記電流経路を確保する。そして、POR信号がハイレベルとなりリセット解除状態になると、コンデンサ32に抵抗31を介して充電が行われ、コンデンサ32の端子電圧が所定のしきい値レベルを超えるとORゲート36がハイレベル信号を出力し、電流経路制御回路37により前記電流経路を遮断する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCPUに動作用電源が投入された場合に、所定の時間が経過し、電源電圧が安定した状態になった時点で当該CPUに出力されているリセット信号を解除するためのパワーオンリセット回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のパワーオンリセット回路装置を用いてなるシステム構成の一例を示すものである。パワーオンリセット回路100は、CPU102のパワーオンリセットを行うものであり、電源VCCが投入されるとロウレベルのリセット信号を出力し、例えば数10m〜数100m秒後にリセット信号をハイレベルにすることでCPU102のリセットを解除する。
【0003】
クロック同期回路101は、パワーオンリセット回路100より出力されるリセット信号を、クロック信号に同期させてCPU102に出力するための回路である。また、パワーオンリセット回路100は、CPU102に対してリセット信号を直接出力するようにもなっているが、これは、クロック同期でリセット解除をする必要がない機能部分に使用される。
【0004】
図6は、パワーオンリセット回路100の一構成例を示すものである。電源端子VCCとグランドとの間には、抵抗1及びNチャネルMOSFET2の直列回路と、PチャネルMOSFET3及び抵抗4の直列回路と、PチャネルMOSFET5及びコンデンサ6の直列回路とが接続されている。FET5のソース−ドレイン間には、ダイオード7が逆方向接続されている。
【0005】
FET3のゲートは、FET2のドレイン(E点)に接続されている。また、FET3のゲートには、PチャネルMOSFET8のソース及びNチャネルMOSFET9のドレインが接続されており、FET8のドレイン及びNチャネルMOSFET9のソース(D点)は、NチャネルMOSFET10のドレインに接続されている。そのFET10のソースは、グランドに接続されている。
【0006】
FET3のドレイン(A点)は、2個のインバータ(INV)ゲート11,12を介してNANDゲート13の一方の入力端子に接続されており、FET5のドレイン(B点)は、2個のINVゲート14,15を介してNANDゲート13の他方の入力端子に接続されている。そして、NANDゲート13の出力端子は、3入力NANDゲート16の1つの入力端子に接続されており、3入力NANDゲート16の出力端子からは2つのINVゲート17,18を介してパワーオンリセット信号が出力されるようになっている。
【0007】
ここで、図7に示すように、パワーオンリセット回路100には、外部より定常電流カット信号が与えられるようになっている。即ち、クロック同期回路101及びCPU102はデジタル回路であるから、定常的な消費電流はきわめて低い。しかし、パワーオンリセット回路100は、後述するように、リセットを解除している定常的な状態においてもある程度の電流が流れるような構成となっている。
【0008】
そこで、定常電流カット信号は、製品出荷前の段階で、パワーオンリセット回路100がリセット解除状態で流す電流を遮断し、システム全体について過剰なリーク電流が流れていないかどうかをチェックするために使用される。
【0009】
再び図6を参照する。定常電流カット信号(C点)は、INVゲート19を介してFET9のゲート,INVゲート20及び21並びに3入力NANDゲート16の入力端子に与えられている。INVゲート21の出力端子は、INVゲート22を介して3入力NANDゲート16の入力端子に接続されている共に、コンデンサ23を介してグランドに接続されている。そして、INVゲート20の出力端子は、FET8及び10のゲートに接続されている。
【0010】
次に、パワーオンリセット回路100の動作について説明する。尚、定常電流カット信号は、リーク電流テストを行なう場合以外はロウレベルに設定される。電源VCCが投入された直後は、各FETは何れもオンオフ不定の状態となっており(定常電流カット信号のレベルも不定)、FET2,3は、夫々ドレイン,ソース側に電源電流を流す。また、FET5も同様の状態であり、コンデンサ6に充電が行われる。
【0011】
その後、極めて短時間内に定常電流カット信号のレベルがロウに確定し、FET8,9はオン、FET10はオフとなる。そして、NANDゲート13の入力端子は何れもロウレベルであるから、3入力NANDゲート16の入力端子は全てハイレベルとなり、ロウレベルのリセット信号が出力されてCPU102はリセット状態となる。
【0012】
また、この時、FET10がオフとなることでFET8,9を介して電流は流れなくなるが、FET2のゲート電位がハイレベルとなってFET2がオンする。これにより、抵抗1を介して流れる電流経路が確保されるので、E点及びD点の電位は抵抗1で降圧された中間電位となり、その結果、FET2,3,5はオンオフ不定の状態で電流を流し続ける。
【0013】
FET3,5を介して電流が流れることで、図7に示すように、電源電圧の上昇に伴ってA点の電位は上昇し、B点の電位も、コンデンサ6の端子電圧が上昇することで上昇する。そして、A点,B点の電位が、夫々INVゲート11,14の反転しきい値を超えると、NANDゲート13の入力端子が何れもハイレベルとなり、その出力端子はロウレベルとなる。従って、次段のNANDゲート16の出力端子はハイレベルとなり、CPU102のリセットは解除される。
【0014】
また、何らかの原因によって電源電圧が低下した場合には、コンデンサ6の充電電荷がダイオード7を介して電源VCC側に抜けるので、A点,B点の電位が夫々INVゲート11,14の反転しきい値を下回ると、NANDゲート13の出力端子はハイレベルとなる。従って、次段のNANDゲート16の出力端子はロウレベルとなり、CPU102はリセットされる。
【0015】
そして、リーク電流の有無をテストする場合は、定常電流カット信号をハイレベルにする。すると、FET8,9はオフ、FET10はオンとなるので、FET2のゲートはロウレベルとなってオフ、FET3のゲートはハイレベルとなってオフとなる。尚、FET5のゲートレベルはロウとなるのでFET5はオンとなるが、コンデンサ6を充電した状態にあるので電流は殆ど流れない。
【0016】
従って、オンオフ不定の状態であったFET2,3,5は夫々オフ、オフ、オンに確定し、FET2,3を介して流れる電流を遮断することができ、パワーオンリセット回路100における消費電流は極めて小さくなるはずである。この状態で流れる電源電流を測定することで、パワーオンリセット回路100若しくはシステム全体についてのリーク電流の有無を検出することができる。尚、出願人は、この従来技術に対応する先行技術文献を特定することはできなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、パワーオンリセット回路100は、リセット信号を解除した後の定常状態においても、FET2,3を介して電流(暗電流)が流れ続ける構成であるため、消費電流が大きくなってしまうという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電流をより低減することができるパワーオンリセット回路装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパワーオンリセット回路装置によれば、電流経路制御手段は、電流カット信号がアクティブ(例えば、ハイとする)になると、降圧用抵抗機能素子を介して流れる電流経路を遮断して第1FETをオフ状態にすると共に、パワーオンリセットの解除状態を維持する。また、電流経路制御手段は、電流カット信号がインアクティブである場合、即ち、パワーオンリセット回路装置の通常動作時においては、降圧用抵抗機能素子を介して流れる電流経路を確保することで、通常のパワーオンリセット制御が可能となるようにする。
【0019】
そして、ロウアクティブのパワーオンリセット信号がハイレベル、即ちリセット解除状態になると、直列回路の第2コンデンサに抵抗機能素子を介して充電が行われてその端子電圧が上昇し、所定のしきい値レベルを超えると論理回路はハイレベル信号を出力する(この場合、論理回路は実質的に論理和回路となっている)。
【0020】
即ち、電流経路制御手段の機能は、電流カット信号がアクティブである場合に降圧用抵抗機能素子を介して流れる電流経路を遮断することにある。従って、その機能を通常の動作時についても利用し、外部より与えられる電流カット信号がインアクティブである場合でも、パワーオンリセット信号がハイレベルになることで、論理回路を介して電流経路制御手段を動作させるための信号を付与すれば、リセット解除状態におけるパワーオンリセット回路装置の消費電流を低減することが容易に可能となる。
【0021】
請求項2又は3記載のパワーオンリセット回路装置によれば、抵抗機能素子を、ゲートがグランドに接続されるPチャネルMOSFETで構成し(請求項2)、又はゲートが電源端子に接続されるNチャネルMOSFETで構成するので(請求項3)、請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1及び図2を参照して説明する。尚、図5及び図6と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図1に示す構成では、INVゲート18の出力端子と回路グランドとの間に抵抗(抵抗機能素子)31とコンデンサ(第2コンデンサ)32との直列回路が接続されており、両者の共通接続点は、ダイオード33(第2ダイオード)を介して電源VCCに接続されていると共に、NORゲート34の一方の入力端子に接続されている。
【0023】
NORゲート34の他方の入力端子には定常電流カット信号が与えられており、NORゲート34の出力端子は、INVゲート35を介してINVゲート19の入力端子に接続されている。尚、NORゲート34とINVゲート35とがORゲート(論理回路)36を構成している。
【0024】
また、FET2,8〜10,NANDゲート16,INVゲート19〜22,コンデンサ23は、電流経路制御回路(電流経路制御手段)37を構成している。即ち、パワーオンリセット回路100にこれらを加えたものが、パワーオンリセット回路(パワーオンリセット回路装置)38を構成している。
【0025】
次に、本実施例の作用について図2も参照して説明する。電源VCCが投入された時点からリセットが解除されるまでのシーケンスと、定常電流カット信号がハイレベルとなるリーク電流検出時のシーケンスは、ORゲート36により図6に示すものと同様である。
【0026】
そして、リセット信号がハイレベルになりパワーオンリセットが解除されると、抵抗31を介してコンデンサ32に充電が行われるため、コンデンサ32の端子電圧(F点の電位)は上昇する。その端子電圧レベルがNORゲート34のしきい値を越えると、NORゲート34の出力端子はロウレベルとなり、定常電流カット信号がハイレベルになった場合と同様の回路動作が行なわれる。即ち、抵抗1(降圧用抵抗機能素子)を介して流れる電流経路が遮断され、FET8,9はオフ、FET10はオンとなり、FET2,FET3(第1FET)は何れもオフ、FET5(第2FET)はオンとなり、FET2,3を介して流れる電流を遮断することができる。
【0027】
また、何らかの原因によって電源電圧が低下した場合には、コンデンサ(第1コンデンサ)6の充電電荷がダイオード7(第1ダイオード)を介して電源VCC側に抜けると共に、コンデンサ32の充電電荷がダイオード33を介して電源VCC側に抜けるので、コンデンサ32の端子電圧は低下して、NORゲート34の入力端子はロウレベルとなる。従って、電源VCCの復帰時における回路動作は(リセット信号がハイレベルになるまで)、図6の構成と同様になる。
【0028】
以上のように本実施例によれば、電流経路制御回路37は、定常電流カット信号がアクティブになると、抵抗1を介して流れる電流経路を遮断してFET3をオフ状態にすると共にNANDゲート16によってパワーオンリセットの解除状態を維持させ、定常電流カット信号がインアクティブであるパワーオンリセット回路装置38の通常動作時には、前記電流経路を確保する。
【0029】
そして、パワーオンリセット信号がハイレベルとなりリセット解除状態になると、コンデンサ32に抵抗31を介して充電が行われ、コンデンサ32の端子電圧が所定のしきい値レベルを超えるとORゲート36を介してハイレベル信号を出力し、電流経路制御回路37により前記電流経路を遮断するようにした。
【0030】
即ち、電流経路制御回路37の機能は、本来パワーオンリセットの解除状態を維持したままで抵抗1を介して流れる電流経路を遮断することにあるので、その機能を利用し、定常電流カット信号がインアクティブである場合でも、パワーオンリセット信号がハイレベルになればORゲートを36介して電流経路制御回路37を動作させることができ、リセット解除状態におけるパワーオンリセット回路装置38の消費電流を容易に低減することが可能となる。
【0031】
(第2実施例)
図3は、本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例では、第1実施例で用いた抵抗1,4,31に代えて、ゲートがグランドに接続されるPチャネルMOSFET(抵抗機能素子)39,40,41を使用したものである。パワーオンリセット回路装置38aを斯様に構成した場合も、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0032】
(第3実施例)
図4は、本発明の第4実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。第3実施例では、第1実施例で用いた抵抗1,4,31に代えて、ゲートが電源端子に接続されるNチャネルMOSFET(抵抗機能素子)42,43,44を使用したものである。パワーオンリセット回路装置38bを斯様に構成した場合も、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0033】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
FET8,9は、何れか一方のみを設けても良い。
電流カット信号はロウアクティブであっても良く、それに応じて、論理回路の入出力論理を適宜変更すれば良い。
クロック同期回路101は、必要に応じて設ければ良い。
また、パワーオンリセット回路装置の構成は実施例に示すものに限らず、請求項1において述べた機能を実現するものであれば、個別の設計に応じて適宜変更して実施すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であり、パワーオンリセット回路装置の電気的構成を示す図
【図2】各信号の電圧波形等を示すタイミングチャート
【図3】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図4】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図5】従来のパワーオンリセット回路装置を用いたシステム構成の一例を示す図
【図6】図1相当図
【図7】図2相当図
【符号の説明】
1は抵抗(降圧用抵抗機能素子)、2はNチャネルMOSFET、3はPチャネルMOSFET(第1FET)、4は抵抗(抵抗機能素子)、5はPチャネルMOSFET(第2FET)、6はコンデンサ(第1コンデンサ)、7はダイオード(第1ダイオード)、31は抵抗(抵抗機能素子)、32はコンデンサ(第2コンデンサ)、33はダイオード(第2ダイオード)、36はORゲート(論理回路)、37は電流経路制御回路(電流経路制御手段)、38,38a,38bはパワーオンリセット回路(パワーオンリセット回路装置)、39,40,41はPチャネルMOSFET(抵抗機能素子)、42,43,44はNチャネルMOSFET(抵抗機能素子)を示す。
Claims (3)
- 電源が投入されるとその電源電圧が降圧用抵抗機能素子を介してゲートに印加されることで、グランド側に接続されている抵抗機能素子に電源電流を供給して第1基準点の電位を上昇させる第1FET、及びグランド側に接続されている第1コンデンサに電源電流を供給して第2基準点の電位を上昇させる第2FETと、電源端子と前記第1コンデンサとの間に逆方向接続される第1ダイオードとを備え、前記第1及び第2基準点の電位が双方とも所定のレベルを超えた場合に、パワーオンリセットを解除するように信号を出力するパワーオンリセット回路装置において、
外部より与えられる電流カット信号がアクティブになると、前記降圧用抵抗機能素子を介して流れる電流経路を遮断することで前記第1FETをオフ状態にすると共に前記パワーオンリセットの解除状態を維持するように動作し、前記電流カット信号がインアクティブである場合は、前記電流経路を確保することで前記第1及び第2基準点の電位に基づくパワーオンリセットの制御を可能とするように動作する電流経路制御手段と、
前記パワーオンリセット信号の出力端子とグランドとの間に接続される、抵抗機能素子及び第2コンデンサよりなる直列回路と、
前記電源端子と前記抵抗機能素子及びコンデンサの共通接続点との間に逆方向接続される第2ダイオードと、
前記電流経路制御手段における電流カット信号の入力点に出力端子が接続され、一方の入力端子に前記電流カット信号が与えられ、他方の入力端子が前記共通接続点に接続されており、何れかの入力端子に与えられる信号がアクティブになると、前記入力点を前記電流カット信号のアクティブレベルにする論理回路とを備えたことを特徴とするパワーオンリセット回路装置。 - 前記抵抗機能素子は、ゲートがグランドに接続されるPチャネルMOSFETで構成されていることを特徴とする請求項1記載のパワーオンリセット回路装置。
- 前記抵抗機能素子は、ゲートが電源端子に接続されるNチャネルMOSFETで構成されていることを特徴とする請求項1記載のパワーオンリセット回路装置。
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