JP2004349849A - 受信機 - Google Patents

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Masashi Naito
昌志 内藤
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Abstract

【課題】複数のアンテナを用いて信号を受信し、これら複数のアンテナ全体としての指向性を制御してこれら複数のアンテナにより受信される信号を合成する受信機で、構成を簡易化する。
【解決手段】受信信号周波数変換手段B1〜BN、C1〜CN、D1〜DNがそれぞれのアンテナA1〜ANにより受信される信号の周波数を複数のアンテナについて互いに異なる周波数へ変換し、受信信号総和手段11が周波数が変換されたそれぞれのアンテナによる受信信号を総和し、受信信号総和結果レベル制御手段12が総和結果のレベルを制御し、受信信号総和結果A/D変換手段3がレベル制御結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換し、受信信号処理手段4が変換結果に基づいてそれぞれのアンテナによる受信信号について処理を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナを用いて信号を受信してこれら複数のアンテナ全体としての指向性を制御する受信機に関し、特に、構成を簡易化した受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、アダプティブアレイアンテナ(AAA)では、複数のアンテナを用いて信号を受信し、これら複数のアンテナ全体としての指向性を制御してこれら複数のアンテナにより受信される信号を合成することが行われている。
一例として、従来では、受信機において、複数のアンテナのそれぞれに対して個別に無線周波数(RF:Radio Frequency)受信機の機能を備えた構成が検討されていた(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来では、受信機において、複数のアンテナのそれぞれにより受信される信号に対して個別に自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)を行う構成が検討されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−135185号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の受信機において、複数のアンテナのそれぞれに対して個別に受信系の機能を備えた構成では、例えば、回路規模が増大してしまい、信号バスの数が増加してしまい、装置が大型化してしまうといった不具合があった。
また、従来の受信機において、複数のアンテナのそれぞれにより受信される信号に対して個別に自動利得制御(AGC)を行う構成では、例えばAGC回路の個体差を補償して全てのアンテナについて同一のAGCを行わなければ、それぞれのアンテナによる受信信号のレベルの比が保たれなくなり得るため、当該比が保たれることが必要な方式を簡易に使用することができないといった不具合があった。
【0005】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、複数のアンテナを用いて信号を受信し、これら複数のアンテナ全体としての指向性を制御してこれら複数のアンテナにより受信される信号を合成することを、簡易な構成で実現することが可能な受信機を提供することを目的とする。
また、本発明は、複数のアンテナのそれぞれにより受信される信号のレベルの比が保たれることが必要な方式を簡易に使用することが可能な受信機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る受信機では、複数のアンテナを用いて信号を受信し、これら複数のアンテナ全体としての指向性を制御してこれら複数のアンテナにより受信される信号を合成するに際して、次のような処理を行う。
すなわち、複数のアンテナを備えており、受信信号周波数変換手段がそれぞれのアンテナにより受信される信号の周波数を複数のアンテナについて互いに異なる周波数へ変換し、受信信号総和手段が受信信号周波数変換手段により周波数が変換されたそれぞれのアンテナによる受信信号を総和し、受信信号総和結果レベル制御手段が受信信号総和手段による総和結果のレベルを制御し、受信信号総和結果A/D(A nalog to Digital)変換手段が受信信号総和結果レベル制御手段によるレベル制御結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換(A/D変換)し、受信信号処理手段が受信信号総和結果A/D変換手段による変換結果に基づいてそれぞれのアンテナによる受信信号について処理を行う。
【0007】
従って、複数のアンテナのそれぞれによる受信信号の総和結果に対してレベル制御やA/D変換が行われる構成であるため、例えば、それぞれのアンテナによる受信信号に対して個別にレベル制御やA/D変換が行われるような構成と比べて、構成を簡易化することができ、例えば、回路規模を小さくすることや、信号バスの数を少なくすることや、装置を小型化することが可能となる。
【0008】
また、複数のアンテナのそれぞれによる受信信号の総和結果に対してレベル制御が行われる構成であるため、例えば、複数のアンテナのそれぞれにより受信される信号のレベルの比が保たれ、これにより、複数のアンテナのそれぞれにより受信される信号のレベルの比が保たれることが必要な方式を、例えば簡易な構成により、使用することが可能となる。
【0009】
ここで、複数のアンテナの数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、アンテナとしては、種々なものが用いられてもよい。
また、アンテナの配置としては、種々なものが用いられてもよい。
また、信号としては、種々なものが用いられてもよい。
【0010】
また、それぞれのアンテナにより受信される信号の周波数を複数のアンテナについて互いに異なる周波数へ変換する態様としては、種々な態様が用いられてもよい。
例えば、受信信号周波数変換手段による変換前や変換後におけるそれぞれのアンテナにより受信される信号の周波数としては、それぞれ種々な周波数が用いられてもよい。
【0011】
また、受信信号総和手段は、例えば、アンテナ毎の重み付けを行うことなく、それぞれのアンテナによる受信信号を総和する。
また、信号(受信信号総和手段による総和結果の信号)のレベルとしては、種々なレベルが用いられてもよく、例えば、振幅のレベルや、電力のレベルを用いることができる。
また、受信信号総和手段による総和結果のレベルを制御する態様としては、種々な態様が用いられてもよい。
【0012】
また、受信信号総和結果A/D変換手段によるA/D変換の対象となる受信信号総和結果レベル制御手段によるレベル制御結果としては、アナログ信号が用いられる。
一構成例として、本発明に係る受信機では、アンテナにより受信されてから受信信号総和結果A/D変換手段によりA/D変換されるまでの受信信号はアナログ信号として処理され、当該A/D変換後における受信信号はデジタル信号として処理される。
【0013】
また、受信信号処理手段により行われるそれぞれのアンテナによる受信信号についての処理としては、種々な処理が用いられてもよい。
なお、受信信号の総和結果ではそれぞれのアンテナによる受信信号の周波数が互いに異なる周波数とされて総和されているため、受信信号の総和結果からそれぞれのアンテナによる受信信号或いはそれに対応する信号を抽出することが可能である。
【0014】
本発明に係る受信機では、一構成例として、次のような構成とした。
なお、本構成は、例えば、上記のような受信機の構成を複数組み合わせたような構成に相当する。
すなわち、複数のアンテナと受信信号周波数変換手段と受信信号総和手段と受信信号総和結果レベル制御手段と受信信号総和結果A/D変換手段の組み合わせを複数設け、これら複数の組み合わせに対する受信信号処理手段を共通に或いは個別に設けた。そして、受信信号処理手段は、これら複数の組み合わせに備えられる全てのアンテナの全体としての指向性を制御してこれら全てのアンテナにより受信される信号を合成する。
【0015】
従って、例えば、アンテナの総数が多いような場合においても、これら全てのアンテナを2以上の群(組み合わせ)に分割し、それぞれの群毎に受信信号周波数変換手段と受信信号総和手段と受信信号総和結果レベル制御手段と受信信号総和結果A/D変換手段を備えることにより、それぞれの群毎に構成を簡易化して、多数のアンテナに対応することができる。
【0016】
また、例えば、それぞれの群毎に備えられるそれぞれのアンテナにより受信される信号のレベルの比を保つことが可能であり、更に、複数の群について例えばレベル制御による受信信号のレベル変化を同一の倍率とすることにより、全てのアンテナのそれぞれにより受信される信号のレベルの比を保つことが可能である。
【0017】
ここで、複数の群(組み合わせ)の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、複数の群(組み合わせ)に対して受信信号処理手段を設ける態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、複数の群に対して共通な受信信号処理手段が設けられてもよく、或いは、それぞれの群に対して個別な受信信号処理手段が設けられてもよく、或いは、複数の群の一部に対して共通な受信信号処理手段が設けられてもよい。
【0018】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
本発明に係る受信機では、一構成例として、受信信号総和結果レベル制御手段は、自動利得制御(AGC)回路を用いて構成される。
本発明に係る受信機では、一構成例として、受信信号処理手段は、受信信号総和結果A/D変換手段による変換結果に基づいてそれぞれのアンテナによる受信信号について検波を行う受信信号検波手段と、複数のアンテナ全体としての指向性を制御して受信信号検波手段により得られるそれぞれのアンテナによる受信信号の検波結果を合成する受信信号検波結果合成手段と、を用いて構成される。
【0019】
本発明に係る受信機では、一構成例として、受信信号検波結果合成手段は、それぞれのアンテナによる受信信号の検波結果をアンテナ毎に重み付けして合成する。一例として、受信信号検波結果合成手段は、それぞれのアンテナによる受信信号の検波結果に対してアンテナ毎の重み係数(ウエイト)を乗算して、当該乗算結果を複数のアンテナについて総和し、当該総和結果を合成結果とする。
ここで、アンテナ毎に重み付けを行う態様としては、種々な態様が用いられてもよい。
【0020】
また、本発明に係る受信機では、一構成例として、受信信号検波結果合成手段は、合成対象となるそれぞれのアンテナによる受信信号のレベルの比が保たれることが必要な方式により、それぞれのアンテナによる受信信号の検波結果を合成する。
また、本発明に係る受信機では、一構成例として、複数のアンテナによりアダプティブアレイアンテナが構成される。
【0021】
また、本発明に係る受信機は、例えば、デジタルの無線通信に適用される。
また、本発明に係る受信機は、例えば、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの移動通信システムの基地局装置や中継局装置や移動局装置などに設けられる。また、本発明に係る受信機は、例えば、FWA(Fixed Wireless Access)などと称せられる加入者無線アクセスシステムなどの固定無線通信システムの基地局装置や固定局装置などに設けられてもよい。
また、本発明に係る受信機は、例えば、符号分割多重アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)方式や、空間分割多重アクセス(SDMA:Space Division Multiple Access)方式などに適用される。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、デジタル無線通信を行う移動通信システムの送受信装置に設けられるアダプティブアレイアンテナ装置に本発明を適用した場合を示す。ここで、送受信装置としては、例えば、基地局装置や、中継局装置や、移動局装置などが用いられる。
【0023】
本実施例に係るアダプティブアレイアンテナ装置は、複数のアンテナから構成されるアダプティブアレイアンテナを備え、アダプティブアレイアンテナを用いて信号を受信する受信機の機能や、アダプティブアレイアンテナを用いて信号を送信する送信機の機能を備えている。
なお、本実施例では、特に、本実施例に係るアダプティブアレイアンテナ装置に備えられた受信機の機能について、説明する。
【0024】
第1実施例に係るアダプティブアレイアンテナ装置を説明する。
図1には、本例のアダプティブアレイアンテナ装置の構成例を示してある。
本例のアダプティブアレイアンテナ装置には、複数であるN(Nは2以上の整数)個のアンテナA1〜ANと、発振器1と、周波数オフセット合成部2と、A/D変換器3と、デジタル復調部4と、データ復調部5が備えられている。
【0025】
周波数オフセット合成部2には、N個のシンセサイザB1〜BNと、N個のダウンコンバータC1〜CNと、N個の帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)D1〜DNと、合成器11と、自動利得制御(AGC)回路12が備えられている。
デジタル復調部4には、N個の直交検波器E1〜ENと、N個の帯域フィルタF1〜FNと、アダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部13が備えられている。
【0026】
ここで、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、周波数オフセット合成部2においてはアナログの信号を処理し、A/D変換器3によりA/D変換を行って、デジタル復調部4においてはデジタルの信号を処理する。
【0027】
本例のアダプティブアレイアンテナ装置により行われる動作の一例を示す。
それぞれのアンテナA1〜ANは、無線信号を受信し、受信した無線周波数(RF:Radio Frequency)の信号をそれぞれに対応した1個のダウンコンバータC1〜CNへ出力する。
ここで、それぞれのアンテナA1〜ANとしては、例えば、信号を受信するために専用に備えられる受信アンテナが用いられてもよく、或いは、信号を送信及び受信するために共用に備えられる送受信アンテナが用いられてもよい。
また、本例では、受信される信号は、例えば送信側で、直交変調されている。
【0028】
発振器1は、基準となる所定の周波数(基準周波数)の信号を発振してN個のシンセサイザB1〜BNへ出力する。
それぞれのシンセサイザB1〜BNは、発振器1から入力される基準周波数の信号を用いて、任意の周波数のローカル信号を発生してそれぞれに対応した1個のダウンコンバータC1〜CNへ出力する。本例では、それぞれのシンセサイザB1〜BNは、発振器1から入力される基準周波数信号の分周や逓倍などにより所望の周波数のローカル信号を得るものであり、各々異なる周波数のローカル信号を発生する。
【0029】
それぞれのダウンコンバータC1〜CNは、それぞれに対応するシンセサイザB1〜BNから入力されるローカル信号と、それぞれに対応するアンテナA1〜ANから入力される受信信号とを混合することにより、当該受信信号をダウンコンバートし、当該混合結果をそれぞれに対応した1個の帯域通過フィルタD1〜DNへ出力する。これにより、それぞれのダウンコンバータC1〜CNは、それぞれのアンテナA1〜ANから入力される受信信号を個別に中間周波数(IF:Intermediate Frequency)の信号へ変換する。
【0030】
それぞれの帯域通過フィルタD1〜DNは、それぞれに対応したダウンコンバータC1〜CNから入力される混合結果から中間周波数の帯域の信号を抽出し、抽出した信号を合成器11へ出力する。このように、それぞれのダウンコンバータC1〜CNによりダウンコンバートを行って、それぞれの帯域通過フィルタD1〜DNにより中間周波数の帯域の信号を抽出することにより、受信信号の周波数が無線周波数から中間周波数へ変換される。
【0031】
ここで、N個のシンセサイザB1〜BNのそれぞれから出力されるローカル信号の周波数としては、それぞれのダウンコンバータD1〜DN及びそれぞれの帯域通過フィルタD1〜DNにより得られる各々の中間周波数信号の帯域が重ならないように設定することが望ましい。
【0032】
本例では、アンテナA1〜ANにより受信されるときにおける受信信号のRF周波数がfRFであるとし、第1のアンテナA1に対応した第1のシンセサイザB1から出力されるローカル信号の周波数(ローカル周波数)がfLO1=(fRF−fIF)であるとし、当該第1のアンテナA1に対応した第1のダウンコンバータC1では受信信号が中間周波数であるfIFの周波数成分とイメージ周波数である(2・fRF−fIF)の周波数成分へ変換される。そして、当該第1のアンテナA1に対応した第1の帯域通過フィルタD1では、中間周波数fIFの帯域の信号成分が抽出される。
【0033】
また、本例では、f0が所定の値であるとして、第2のアンテナA2に対応した第2のシンセサイザB2ではローカル周波数がfLO2=(fRF−fIF−f0)のローカル信号を発生し、当該第2のアンテナA2に対応した第2の帯域通過フィルタD2では中間周波数(fIF+f0)の帯域の信号成分が抽出される。
【0034】
同様に、以降のアンテナA3、A4、・・・、ANについても順にローカル周波数の周波数ずれを2f0、3f0、・・・、(N−1)f0と大きくしていき、以降の帯域通過フィルタD3、D4、・・・、DNにおいても順に抽出する中間周波数を(fIF+2・f0)、(fIF+3・f0)、・・・、{fIF+(N−1)・f0}と大きくしていく。
なお、f0としては、後段の処理部で周波数分離することが可能なように、信号帯域と比べて大きな値とすることが望ましい。
【0035】
合成器11は、N個の帯域通過フィルタD1〜DNから入力されるN個の信号成分を合成(総和)して、当該合成結果(当該総和結果)をAGC回路12へ出力する。本例では、当該合成結果は、周波数がf0ずつずれたN個のキャリアを合成したものとなる。
【0036】
AGC回路12は、自動利得制御(AGC)により、合成器11から入力される合成結果の電力レベルを適正なレベルに調整してA/D変換器3へ出力する。
A/D変換器3は、AGC回路12から入力されるレベル調整後の合成結果をアナログ信号からデジタル信号(デジタル値)へ変換してN個の直交検波器E1〜ENへ出力する。
【0037】
ここで、A/D変換器3のサンプリングレート(サンプリング周波数)としては、合成されたfIF、(fIF+f0)、(fIF+2・f0)、・・・、{fIF+(N−1)・f0}の帯域についてサンプリングによる折り返しの信号成分が所望の帯域と重ならないように選ぶことが望ましく、例えば、帯域の2倍以上の値を設定する。一例として、合成結果の信号の帯域が1MHz〜2MHz未満である1MHz幅である場合には、通常のオーバーサンプリング法では4MHzのサンプリングが必要となるが、例えばアンダーサンプリング技術を使用すれば2MHzでも理論上は可能となる。
【0038】
それぞれの直交検波器E1〜ENは、それぞれのキャリア周波数fIF、(fIF+f0)、(fIF+2・f0)、・・・、{fIF+(N−1)・f0}と対応付けられており、つまり、それぞれのアンテナA1〜ANと対応付けられている。
【0039】
それぞれの直交検波器E1〜ENには、それぞれに対応付けられたキャリア周波数に対応したローカル周波数を有するローカル信号が与えられ、本例では、それぞれのキャリア周波数と同一の周波数fIF、(fIF+f0)、(fIF+2・f0)、・・・、{fIF+(N−1)・f0}をローカル周波数とするローカル信号が与えられる。
【0040】
そして、それぞれの直交検波器E1〜ENは、与えられるローカル信号を用いて、A/D変換器3から入力されるデジタル値の合成結果から、それぞれに対応したアンテナA1〜ANによる受信信号を直交検波(直交復調)し、当該直交検波結果であるI成分及びQ成分を含む信号をそれぞれに対応した1個の帯域フィルタF1〜FNへ出力する。
【0041】
それぞれの帯域フィルタF1〜FNは、それぞれに対応した直交検波器E1〜ENから入力されるI成分及びQ成分を含む信号からフィルタリングにより各キャリア毎のI成分及びQ成分を抽出し、つまり、各アンテナA1〜AN毎のI成分及びQ成分を抽出し、当該抽出したI成分及びQ成分をアダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部13へ出力する。
【0042】
ここで、本例では、全ての帯域フィルタF1〜FNのフィルタ特性として同一の特性が用いられており、つまり、全ての帯域フィルタF1〜FNにおいて同一の帯域を抽出する。
【0043】
このように、本例では、それぞれの直交検波器E1〜ENに対して与えるローカル信号のローカル周波数をそれぞれに対応した互いに異なるキャリア周波数fIF、(fIF+f0)、(fIF+2・f0)、・・・、{fIF+(N−1)・f0}に応じてf0ずつずらして変えることにより、アンテナA1〜AN毎に受信信号を分離して検波することができ、更に、それぞれの帯域フィルタF1〜FNにより同一の帯域を抽出することでアンテナA1〜AN毎に受信信号を抽出することができる。
【0044】
アダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部13は、N個の帯域フィルタF1〜FNから入力されるI成分及びQ成分のそれぞれの成分について、アンテナA1〜AN毎の重み係数(ウエイト)を複素乗算して合成し、I成分の重み付け合成結果及びQ成分の重み付け合成結果をデータ復調部5へ出力する。
データ復調部5は、アダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部13から入力されるI成分の重み付け合成結果及びQ成分の重み付け合成結果に基づいて受信されたデータを復調する。
【0045】
図2(a)〜(e)を参照して、本例のアダプティブアレイアンテナ装置により行われる周波数オフセット合成の処理の一例を示す。
同図(a)に示されるように、それぞれのアンテナA1〜ANでは、同一の周波数fRFを有する信号が無線により受信される。ここで、信号の到来方向などに応じて、同一の信号について、それぞれのアンテナA1〜ANにより受信される信号のレベルが異なり得る。
【0046】
同図(b)に示されるように、それぞれのダウンコンバータC1〜CN及びそれぞれの帯域通過フィルタD1〜DNを通過することにより、それぞれのアンテナA1〜ANによる受信信号の周波数fIF、(fIF+f0)、(fIF+2・f0)、・・・、{fIF+(N−1)・f0}は、f0ずつずれたものとなる。
【0047】
同図(c)に示されるように、合成器11からは、周波数がf0ずつずれたN個の受信信号が合成された結果が出力される。AGC回路12では、当該合成結果がまとめてレベル制御されるため、それぞれのアンテナA1〜ANによる受信信号のレベルの比がレベル制御の前後で保たれる。
同図(d)に示されるように、レベル制御後の受信信号合成結果がA/D変換器3によりアナログ信号からデジタル信号へ変換される。
【0048】
同図(e)に示されるように、A/D変換後の受信信号合成結果がそれぞれの直交検波器E1〜EN及びそれぞれの帯域フィルタF1〜FNを通過することにより、それぞれのキャリア毎に分離された直交I、Q信号が得られ、つまり、それぞれのアンテナA1〜ANによる受信信号毎に直交I、Q信号が得られる。
【0049】
図3(a)〜(d)を参照して、本例のアダプティブアレイアンテナ装置により行われる受信信号のベクトルを加算する処理の一例を示す。
本例では、説明を簡易にするため、アダプティブアレイアンテナ(AAA)のアルゴリズムとして、共相等振幅合成のアルゴリズムを用いた場合を示す。
【0050】
また、図3(a)〜(d)では、等間隔に並べられた3個のアンテナ(アンテナ1、2、3)を具体的に示して説明するが、アンテナの数としては種々な数が用いられても同様である。
また、図3(a)〜(d)では、アンテナにより受信される信号として、2つの並行波P1、P2を具体的に示して説明するが、受信される並行波の数としては種々な数が用いられても同様である。
【0051】
同図(a)に示されるように、各アンテナでは、複数の並行波P1、P2がマルチパス合成されてアンテナ端で受信される。
ここで、第1の並行波P1については、アンテナ1を基準として、アンテナ2では受信波の位相がθ1だけずれ、アンテナ3では受信波の位相が(2・θ1)だけずれる。
同様に、第2の並行波P2については、アンテナ1を基準として、アンテナ2では受信波の位相がθ2だけずれ、アンテナ3では受信波の位相が(2・θ2)だけずれる。
【0052】
同図(b)に示されるように、それぞれのアンテナ1、2、3による受信信号のベクトル(受信ベクトル)としては、上記した位相差が反映されたベクトルが得られる。
ここで、それぞれのアンテナ端におけるマルチパス合成においては、上記した位相の状態により合成レベルが異なる。このため、本例のアダプティブアレイアンテナのアルゴリズムでは、アンテナ間における受信レベルの比を保存して自動利得制御(AGC)を行うことが必要であり、当該受信レベルの比が保存されないと、同図(c)、(d)に示すようなアダプティブアレイアンテナの合成処理において指向性の制御が崩れてしまう。
【0053】
同図(c)に示されるように、第1の並行波P1については、当該並行波P1の受信ベクトル成分の位相が全てのアンテナ1、2、3について同一の値(例えば、ゼロ)となるように、必要に応じてベクトルの回転を行って、当該並行波P1の受信ベクトル成分を全てのアンテナ1、2、3について同相化加算(同相合成)するアダプティブアレイアンテナの合成処理を行う。これにより、第1の並行波P1の受信ベクトル成分の合成結果が最大化され、一方、他の並行波P2の受信ベクトル成分については例えば大幅に減衰される。
【0054】
同図(d)に示されるように、第2の並行波P2については、当該並行波P2の受信ベクトル成分の位相が全てのアンテナ1、2、3について同一の値(例えば、ゼロ)となるように、必要に応じてベクトルの回転を行って、当該並行波P2の受信ベクトル成分を全てのアンテナ1、2、3について同相化加算(同相合成)するアダプティブアレイアンテナの合成処理を行う。これにより、第2の並行波P2の受信ベクトル成分の合成結果が最大化され、一方、他の並行波P1の受信ベクトル成分については例えば大幅に減衰される。
【0055】
以上のように、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、N個の受信アンテナA1〜ANと、基準周波数の信号を発生する基準周波数信号発生機能1と、基準周波数信号発生機能1による基準周波数信号から任意の周波数のローカル信号を発生するN個のローカル周波数信号発生機能B1〜BNと、N個の受信アンテナA1〜ANからの受信信号を個別に中間周波数信号へ変換するN個の中間周波数変換機能C1〜CN、D1〜DNと、N個の中間周波数変換機能C1〜CN、D1〜DNからの出力信号を合成して出力する合成機能11と、合成機能11からの合成出力の電力を適正なレベルに調整するAGC機能12と、AGC機能12からの出力をデジタル値へ変換するA/D変換機能3を備え、N個のローカル周波数信号発生機能B1〜BNからのN個のローカル信号の周波数を、各々の中間周波数信号の帯域が重ならないように設定した。
【0056】
また、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、A/D変換機能3からの出力に対して上記した異なる周波数帯の各々を分離検波するN個の直交検波機能E1〜EN、F1〜FNと、N個の直交検波機能E1〜EN、F1〜FNからの出力に対してウエイトを乗じて合成を行うアダプティブアレイアンテナ合成機能13と、アダプティブアレイアンテナ合成機能13による合成結果からデータを復調するデータ復調機能5を備えた。
【0057】
従って、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、周波数にずれ(オフセット)を与えたN個のローカル信号を用いてダウンコンバートしたN個のアダプティブアレイアンテナ受信信号を合成する構成として、例えばAGC回路12やA/D変換器3に関してアダプティブアレイアンテナの回路構成を共通化することにより、回路数を削減することや、信号バス数を削減することができ、これにより、装置の小型化を実現することができる。
【0058】
具体的には、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、例えば、複数のアンテナA1〜ANに対して1個のAGC回路12が備えられればよく、また、複数のアンテナA1〜ANに対して1個のA/D変換器3が備えられればよい。これにより、AGC回路12及びA/D変換器3の両回路の個数削減や、膨大なバスの削減が可能となり、回路規模の縮小が可能となる。一例として、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、AGC回路12用のD/A(Digital to Analog)変換器に8ビット(bit)のみのバス数を設ければよく、A/D変換器3とのインタフェース用に14ビット(bit)のみのバス数を設ければよく、例えば従来と比べて、信号バスの数を少なくすることができる。
【0059】
更に、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、ダウンコンバートした受信信号を合成した後に自動利得制御(AGC)を行う構成として、各アンテナA1〜ANにより受信した信号を共通にゲイン調整することにより、各アンテナA1〜ANにより受信した信号のレベルの比がそのまま保持された状態で合成ベクトルの計算を行うことができる。このように、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、アンテナ毎の受信レベル差を保持したままゲインの適正化を容易に行うことができ、これにより、正確な指向性制御を行うことが容易に実現される。
【0060】
なお、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、N個のシンセサイザB1〜BNやN個のダウンコンバータC1〜CNやN個の帯域通過フィルタD1〜DNの機能により受信信号周波数変換手段が構成されており、合成器11の機能により受信信号総和手段が構成されており、AGC回路12の機能により受信信号総和結果レベル制御手段が構成されており、A/D変換器3の機能により受信信号総和結果A/D変換手段が構成されており、N個の直交検波器E1〜ENやN個の帯域フィルタF1〜FNやアダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部13の機能により受信信号処理手段が構成されている。
【0061】
また、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、N個の直交検波器E1〜ENの機能により受信信号検波手段が構成されており、アダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部13の機能により受信信号検波結果合成手段が構成されている。
また、例えば、発振器1の機能が受信信号周波数変換手段に含まれてもよい。
また、本例では、好ましい態様例として、複数であるN個のシンセサイザB1〜BNの全てについて共通な発振器1を設けたが、他の構成が用いられてもよい。
【0062】
第2実施例に係るアダプティブアレイアンテナ装置を説明する。
図4には、本例のアダプティブアレイアンテナ装置の構成例を示してある。
本例のアダプティブアレイアンテナ装置には、複数であるM(Mは2以上の整数)個のアンテナ群G1〜GMと、発振器21と、M個の周波数オフセット合成部H1〜HMと、M個のA/D変換器J1〜JMと、デジタル復調部22が備えられている。
また、デジタル復調部22には、M個の処理部群K1〜KMと、アダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部31と、データ復調部32が備えられている。
【0063】
ここで、それぞれの周波数オフセット合成部H1〜HMには、それぞれのアンテナ群G1〜GMが有するアンテナの数と同数のシンセサイザ及びダウンコンバータ及び帯域通過フィルタ(BPF)が備えられており、また、共通の合成器及びAGC回路が備えられている。
また、それぞれの処理部群K1〜KMには、それぞれのアンテナ群G1〜GMが有するアンテナの数と同数の処理部が備えられている。それぞれの処理部には、直交検波器と、帯域フィルタが備えられている。
【0064】
このように、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、上記第1実施例の図1に示したような構成から成る処理系統をM個設けたような構成となっており、発振器21とアダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部31とデータ復調部32のそれぞれについては共通な1個が設けられている。
【0065】
本例では、それぞれのアンテナ群G1〜GMはアダプティブアレイアンテナの一部であり、M個のアンテナ群G1〜GMが有する全てのアンテナからアダプティブアレイアンテナが構成されている。
具体的には、本例では、それぞれのアンテナ群G1〜GMがN個のアンテナを有しており、これら(M・N)個のアンテナからアダプティブアレイアンテナが構成されている。また、本例では、それぞれの周波数オフセット合成部H1〜HMはシンセサイザとダウンコンバータと帯域通過フィルタの組をN個有しており、それぞれの処理部群K1〜KMは直交検波器と帯域フィルタの組をN個有している。
【0066】
なお、それぞれのアンテナ群G1〜GMが有するアンテナの数としては、種々な数が用いられてもよく、例えば、1個のアンテナのみを有するアンテナ群が含まれるような構成が用いられてもよい。
また、例えば、M個の周波数オフセット合成部H1〜HMに備えられたM個のAGC回路において同一のレベル制御が行われるように制御することにより、これらM個の周波数オフセット合成部H1〜HMにより処理される全てのアンテナによる受信信号について同一のレベル制御が為されるようにすることが可能である。
【0067】
以上のように、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、1又は2以上であるL(Lは1又は2以上の整数)個のアンテナ、L個のローカル周波数信号発生機能、L個の中間周波数変換機能、合成機能、AGC機能及びA/D変換機能から構成される周波数オフセット合成処理系統(組み合わせ)を複数であるM個設け、また、基準周波数信号発生機能21については共通の1個設けた。
【0068】
従って、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、上記のような周波数オフセット合成処理系統を複数設けることにより、それぞれの周波数オフセット合成処理系統において合成するキャリアの数(つまり、各アンテナによる受信信号の数)を分散させて、1つの周波数オフセット合成処理系統において合成するキャリアの数をアンテナの総数と比較して少なくすることができ、これにより、装置の実現を容易化することができる。
【0069】
本例では、アダプティブアレイアンテナを構成する(M・N)個のアンテナをM分割して、それぞれの周波数オフセット合成処理系統において合成するキャリアの数をNとした。
このように、本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、多くのアンテナの数に容易に対応することが可能となり、アンテナ数の増大に容易に対応することが可能となる。
【0070】
具体的には、例えば、1つの周波数オフセット合成処理系統に備えられるアンテナの総数Zが増えると、Z個のキャリアの帯域をカバーするためのA/D変換器のサンプリングレートが高速化されることや、Z個のキャリアの合成による信号ピークが伸びることに起因して、A/D変換器の量子化ビット(bit)が多く必要になる。本例のようなアダプティブアレイアンテナ装置では、このような問題に対処することが可能である。
なお、本例では、好ましい態様例として、複数であるM個の周波数オフセット合成処理系統の全てについて共通な発振器21を設けたが、他の構成が用いられてもよい。
【0071】
次に、本発明に関する技術の背景を示す。なお、ここで記載する事項は、必ずしも従来技術であるとは限らない。
無線通信を行う場合、複数の送信アンテナや複数の受信アンテナを用いて空間的に送信や受信に係る通信方向を分離するアダプティブアレイアンテナ(AAA)の技術は有効である。特に、符号分割多重アクセス(CDMA)方式や空間分割多重アクセス(SDMA)方式のように、同一周波数で同時刻に複数のユーザ(通信局)と通信を行うようなシステムでは、AAA技術が有効であることが知られている。
【0072】
図5には、アダプティブアレイアンテナ装置の構成例を示してある。
本例のアダプティブアレイアンテナ装置には、N個のアンテナL1〜LNと、基準周波数の信号を発生する発振器41と、当該基準周波数信号を分周や逓倍することにより所望の周波数の信号を得るシンセサイザ42と、各アンテナL1〜LNにより無線周波数(RF)で受信された受信信号を中間周波数(IF)信号へ変換するN個のダウンコンバータO1〜ONと、各アンテナL1〜LNの系毎に所望の受信帯域の信号を通過させるように帯域制限をかけるN個の帯域通過フィルタ(BPF)R1〜RNと、各アンテナL1〜LNの系毎に受信信号のレベルを適正レベルに調整するN個の自動利得制御(AGC)回路T1〜TNと、各アンテナL1〜LNの系毎に中間周波数信号をA/D変換するN個のA/D変換器U1〜UNと、各アンテナL1〜LNによる受信信号から得られる中間周波数信号を復調するデジタル復調部43が備えられている。
【0073】
デジタル復調部43には、各アンテナL1〜LNによる受信信号から得られる中間周波数信号を直交I、Q信号へ変換するN個の直交検波器(直交復調器)V1〜VNと、各アンテナL1〜LNの系毎に所望の帯域を抽出するN個の帯域フィルタW1〜WNと、複素信号である直交I、Q信号に重み係数(ウエイト)を複素乗算して合成することにより各アンテナ端での受信指向性を制御して受信信号の適正化を実現するアダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部51と、データを復調するデータ復調部52が備えられている。
【0074】
ここで、各AGC回路T1〜TNでは、各A/D変換器U1〜UNのダイナミックレンジから量子化有効ビット(bit)数を多く取るような態様で、AGCを行う。
また、各帯域フィルタW1〜WNとしては、一般のPDC(Personal Digital Cellular)やCDMAなどのセルラー方式では、ロールオフフィルタが用いられる。
【0075】
本例のアダプティブアレイアンテナ装置では、所望の周波数信号を共通のローカル周波数信号として各ダウンコンバータO1〜ONに入力することにより、各アンテナL1〜LN間の相対的な位相関係を一致させて時間的に変化しないようにすることにより、後段のアダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部51によるウエイト乗算の制御を安定に動作させることを可能とする。
【0076】
また、アダプティブアレイアンテナのアルゴリズムとしては、例えば、希望信号の方向の受信レベルを最大化する等相振幅合成方式や、干渉方向に受信のヌルが向くように制御(干渉抑圧)するヌル制御方式など、多くの方式が提案されている。
データ復調部52では、アダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部51により指向性制御が行われて得られるAAA合成信号を復調し、これにより、復調されたデータの再生が行われる。
【0077】
しかしながら、アダプティブアレイアンテナでは、複数のアンテナで受信を行うため、アンテナ本数分の受信系が必要となり、回路規模が大きくなってしまうといった問題がある。
ここで、デジタル復調部43はデジタル回路であるため集積化により小型化が可能であるが、アンテナL1〜LNからA/D変換器U1〜UNまでの回路は集積化が困難であり小型化が難しい。
【0078】
また、A/D変換器U1〜UNとデジタル復調部43とのインタフェースでは、{アンテナの数(アンテナ素子数)×A/D変換器のビット(bit)数}に相当するバスが必要となる。一例として、16アンテナ×14ビット=224ビットのバスが必要となる。
【0079】
また、AGC回路T1〜TNについても、例えばゲイン制御をD/A変換器(図示せず)から行うような場合には、同様に、多くのバスが必要となる。具体的には、アダプティブアレイアンテナでは、アンテナ受信端でのアンテナ毎のレベル差を保存するように各AGC回路T1〜TNに共通なゲインを与える必要があり、そして、制御電圧を同一にしても個体差によりゲインが異なることから、AGC回路T1〜TNの個体差を補正するようにD/A変換器への設定値をテーブルなどにより設定する。
このため、D/A変換器とのインタフェースにおいても、多量のバスが必要である。AGC用のバス数の一例として、16アンテナ×8ビット=128ビットのバスが更に必要となる。
【0080】
上記のように、アダプティブアレイアンテナ装置では、アンテナ素子数の複数化によるデジタル回路周辺のバス数の増大が生じてしまい、装置の構成上で小型化に対する大きな問題となる。
これに対して、本実施例に係るアダプティブアレイアンテナ装置では、複数のアンテナ系の一部の回路を共通化することにより、回路を削減することが可能であり、且つバス数の増大の問題を軽減することが可能であり、装置の小型化を実現することが可能な装置構成方法を提供することができる。
【0081】
ここで、本発明に係る受信機などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0082】
また、本発明に係る受信機などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る受信機によると、複数のアンテナを用いて信号を受信し、これら複数のアンテナ全体としての指向性を制御してこれら複数のアンテナにより受信される信号を合成するに際して、それぞれのアンテナにより受信される信号の周波数を複数のアンテナについて互いに異なる周波数へ変換し、周波数が変換されたそれぞれのアンテナによる受信信号を総和し、当該総和結果のレベルを制御し、当該レベル制御結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換し、当該変換結果に基づいてそれぞれのアンテナによる受信信号について処理を行うようにしたため、構成を簡易化することができ、また、複数のアンテナのそれぞれにより受信される信号のレベルの比を簡易に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るアダプティブアレイアンテナ装置の構成例を示す図である。
【図2】周波数オフセット合成の処理の一例を示す図である。
【図3】アダプティブアレイアンテナによる受信信号ベクトルの加算処理の一例を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るアダプティブアレイアンテナ装置の構成例を示す図である。
【図5】アダプティブアレイアンテナ装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1、21、41・・発振器、 2・・周波数オフセット合成部、
3、J1〜JM、U1〜UN・・A/D変換器、
4、22、43・・デジタル復調部、 5、32、52・・データ復調部、
11・・合成器、 12、T1〜TN・・AGC回路、
13、31、51・・アダプティブアレイアンテナウエイト乗算合成部、
A1〜AN、L1〜LN・・アンテナ、 42、B1〜BN・・シンセサイザ、
C1〜CN、O1〜ON・・ダウンコンバータ、
D1〜DN、R1〜RN・・バンドパスフィルタ(BPF)、
E1〜EN、V1〜VN・・直交検波器、
F1〜FN、W1〜WN・・帯域フィルタ、 G1〜GM・・アンテナ群、
H1〜HM・・周波数オフセット合成部、 K1〜KM・・処理部群、

Claims (2)

  1. 複数のアンテナを用いて信号を受信し、これら複数のアンテナ全体としての指向性を制御してこれら複数のアンテナにより受信される信号を合成する受信機において、
    複数のアンテナと、
    それぞれのアンテナにより受信される信号の周波数を複数のアンテナについて互いに異なる周波数へ変換する受信信号周波数変換手段と、
    受信信号周波数変換手段により周波数が変換されたそれぞれのアンテナによる受信信号を総和する受信信号総和手段と、
    受信信号総和手段による総和結果のレベルを制御する受信信号総和結果レベル制御手段と、
    受信信号総和結果レベル制御手段によるレベル制御結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換する受信信号総和結果A/D変換手段と、
    受信信号総和結果A/D変換手段による変換結果に基づいてそれぞれのアンテナによる受信信号について処理を行う受信信号処理手段と、
    を備えたことを特徴とする受信機。
  2. 請求項1に記載の受信機において、
    複数のアンテナと受信信号周波数変換手段と受信信号総和手段と受信信号総和結果レベル制御手段と受信信号総和結果A/D変換手段の組み合わせを複数設け、
    これら複数の組み合わせに対する受信信号処理手段を共通に或いは個別に設け、
    受信信号処理手段は、これら複数の組み合わせに備えられる全てのアンテナの全体としての指向性を制御してこれら全てのアンテナにより受信される信号を合成する、
    ことを特徴とする受信機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007318505A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Advantest Corp 試験装置および試験方法
JP2012161070A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Raytheon Co 多帯域の電気的に走査されるアレイアンテナ
JP2015173463A (ja) * 2011-04-19 2015-10-01 パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブアメリカPanasonic Intellectual Property Corporation of America 信号生成方法及び信号生成装置
JP2016152584A (ja) * 2015-02-19 2016-08-22 三菱電機株式会社 受信機

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