JP2004349131A - 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 - Google Patents

非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電効率が高く、容量維持特性に優れ、広い温度範囲における電池特性及び安全性に優れた高エネルギー密度の非水系電解液二次電池及びこれに用いる非水系電解液を提供する。
【解決手段】リチウム塩が非水溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、非水溶媒が下記(I)式で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液。
Figure 2004349131

(R1,R2は、それぞれ独立して、置換基を有してもよいアルキル基か、または、R1,R2が互いに結合して置換基を有しても良い炭化水素環を形成する。環Aは置換基を有していてもよく、R1,R2CH−が結合する炭素原子に隣接している炭素原子の少なくとも一方は、置換基を有する。)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池に関する。詳しくは、電池特性を低下させることなく、過充電の進行を停止する機能の付与された、安全性に優れた高エネルギー密度のリチウム二次電池、及びそれを与える非水系電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電気製品の軽量化、小型化に伴い、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池の開発が以前にもまして望まれており、また、リチウム二次電池の適用分野の拡大に伴い電池特性の改善も要望されている。
代表的な非水系電解液二次電池であるリチウム二次電池用の非水系電解液としては、例えば、炭酸エステル、カルボン酸エステル、エーテル、ラクトン等を主体とする非水系溶媒にリチウム塩を溶解した電解液が用いられている。これらの非水系溶媒は、誘電率が高く、酸化電位が高い為に、電池使用時の安定性にも優れる等の電池特性上優れた溶媒である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの非水系溶媒を用いた電解液は、非水系溶媒の高い安定性の為に高い電圧での使用が可能であるので、逆に充電時に所定の上限電圧以上の電圧になる、いわゆる過充電現象が問題となりやすい。過充電になると、電池の変形や発熱だけでなく、甚だしい場合には、発火、破裂等の現象をも招くので、過充電時の二次電池の安全性を向上させることは重要なことである。
【0004】
特に、リチウム二次電池の正極活物質として、重量当たりの容量が大きいことから、層状構造を有する、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられているが、これらの化合物は過充電状態において、リチウムイオンが殆ど脱離した状態になり、不安定になって、電解液と急激に反応して発熱したり、負極上にリチウム金属を析出させたりすることがあるので、過充電時の安全性は非常に重要である。
【0005】
過充電時の安全性を向上させる試みとして、電解液中に電池の上限電圧値以上の酸化電位を有する化合物を過充電防止剤として添加しておき、過充電時に電流を遮断する方法が知られている。過充電防止剤として電池の上限電圧値未満で高い反応性を示す化合物を用いると、通常の電池作動時にも反応が進行して電池の劣化を加速し、また、電池の上限電圧を大きく上回る電圧でのみ著しく反応を起こす化合物を用いると、過充電防止効果が発現しないので、適切な電圧で反応する化合物を選択する事が重要である。
【0006】
一般的に、芳香族化合物は、酸化反応によって重合する化合物が多いことが知られている。中でも、ビフェニル等の多環式芳香族化合物を電解液中に添加すると、過充電状態となった際にこれらの化合物が酸化重合し、活物質表面に高抵抗の皮膜を形成して過充電電流を抑制し、その結果として電池が危険な状態に至る前に過充電の進行を阻止し得る事が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、これらの化合物は、通常の充放電時や、高温保存時等においても、わずかづつ酸化反応が進行して活物質の表面に高抵抗の被膜を形成する為、電池の性能を低下させるという問題があった。
また、3級炭素原子を持つアルキル基、とりわけシクロヘキシルベンゼン等のシクロアルキル基で置換された芳香族化合物が、一般に酸化によって二重結合を生成し水素ガスを発生するという性質を利用し、これを電解液中に添加しておくことにより、過充電時に発生する水素ガスにより電池内部の圧力安全弁を作動させるという方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、例えばシクロヘキシルベンゼンは、水素ガスの発生によりビフェニルに変化し、このビフェニルは活物質表面に重合皮膜を形成する。また、水素ガス発生の過程でも直接活物質表面に重合皮膜が形成される。この為、水素ガスにより電池内部の圧力安全弁を作動させ、電池を安全に停止させたい場合、これらの重合皮膜形成反応が電流を消費して水素ガスの発生を妨害することがある。またこれらの化合物も、通常の充放電時や、高温保存時にわずかずつ反応して、電池の性能を低下させるという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−106835号公報
【非特許文献1】
S.Tobishima, et.al., Electrochemistry, 2002年, 70巻, p.875
【特許文献2】
特開2001−15155号公報
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、3級炭素原子を持つアルキル基を有する芳香族化合物は、芳香環上の3級炭素原子が結合する炭素原子とそれが隣接する炭素原子間で重合すること、従ってこの隣接している炭素原子に水素原子以外の置換基を導入することで、この重合反応を防止し得る事を見出した。このような芳香族化合物を非水系電解液中に含有させておくと、過充電時に水素ガスの発生が妨害されないので、圧力安全弁を順調に作動させて過充電の進行を止めることができる。また、このような芳香族化合物は、通常の充放電時や高温保存時における電池の性能低下が小さい。
【0010】
本発明はこのような知見に基づいて達成されたもので、その要旨は、リチウム塩が非水溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、非水溶媒が下記(I)式で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液に存する。
【0011】
【化3】
Figure 2004349131
【0012】
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、またはRとRとが互いに結合して置換基を有していてもよい炭化水素環を形成する。環Aは置換基を有していてもよく、RCH−が結合する炭素原子に隣接している炭素原子の少なくとも一方は置換基を有するものとする。)
【0013】
また本発明の他の要旨は、金属リチウム、リチウム合金又はリチウムを吸蔵及び放出することが可能な材料を含む負極と、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な材料を含む正極と、リチウム塩が非水溶媒に溶解されてなる非水系電解液とを備えたリチウム二次電池において、非水系電解液が(I)式で表される化合物を含有するものであることを特徴とするリチウム二次電池に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
本発明に係る非水系電解液は、下記(I)式で表される化合物を含む非水溶媒に、リチウム塩が溶解されているものである。
【0015】
【化4】
Figure 2004349131
【0016】
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、またはRとRとが互いに結合して置換基を有していてもよい炭化水素環を形成する。環Aは置換基を有していてもよく、RCH−が結合する炭素原子に隣接している炭素原子(以下、オルト位の炭素原子と略す)の少なくとも一方は置換基を有するものとする。)
【0017】
非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、ラクトン化合物(環状カルボン酸エステル)、鎖状カルボン酸エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、含硫黄有機溶媒等が挙げられる。
これらの溶媒は単独で用いても、二種類以上混合して用いても良い。
これらの中で、総炭素数がそれぞれ3〜9の環状カーボネート、ラクトン化合物、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルから選ばれる溶媒が好ましく、特に総炭素数がそれぞれ3〜9の環状カーボネート及び鎖状カーボネートから選ばれる溶媒をそれぞれ一種以上含むことが望ましい。
【0018】
総炭素数がそれぞれ3〜9である環状カーボネート、ラクトン化合物、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル及び鎖状エーテルの具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
総炭素数が3〜9の環状カーボネート:エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中で、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートがより好ましい。
【0019】
総炭素数が3〜9のラクトン化合物:γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等を挙げることができ、これらの中で、γ−ブチロラクトンがより好ましい。
総炭素数が3〜9の鎖状カーボネート:ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n−プロピルイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、n−ブチルイソブチルカーボネート、n−ブチル−t−ブチルカーボネート、イソブチル−t−ブチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、イソブチルメチルカーボネート、t−ブチルメチルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、イソブチルエチルカーボネート、t−ブチルエチルカーボネート、n−ブチル−n−プロピルカーボネート、イソブチル−n−プロピルカーボネート、t−ブチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルイソプロピルカーボネート、イソブチルイソプロピルカーボネート、t−ブチルイソプロピルカーボネート等を挙げることができる。これらの中で、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート又はエチルメチルカーボネートがより好ましい。
【0020】
総炭素数3〜9の鎖状カルボン酸エステル:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸−イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸−イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−t−ブチルを挙げることができる。これらの中で、酢酸エチル、プロピオン酸メチル又はプロピオン酸エチルがより好ましい。
【0021】
総炭素数3〜6の鎖状エーテル:ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシメタン、エトキシメトキシエタン等を挙げることができる。これらの中で、ジメトキシエタン又はジエトキシエタンがより好ましい。
これらの溶媒は、好ましくは非水溶媒の50〜95重量%をしめるように用いられる。
【0022】
本発明においては、非水溶媒の70容量%以上が総炭素数3〜9のラクトン化合物、総炭素数3〜9の環状カーボネート、総炭素数3〜9の鎖状カーボネート、総炭素数3〜9の鎖状エーテル及び総炭素数3〜9の鎖状カルボン酸エステルからなる群から選ばれる溶媒であり、かつ非水溶媒の20容量%以上が総炭素数3〜9のラクトン化合物及び総炭素数3〜9の環状カーボネートからなる群から選ばれる溶媒であることが望ましい。
【0023】
本発明に係る非水系電解液の溶質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩は、電解質として使用し得るものであれば、任意のものが用いられる。例えば、次のようなものが挙げられる。
(1)無機リチウム塩:LiPF、LiAsF、LiBF、LiAlF等の無機フッ化物塩、LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩。(2)有機リチウム塩:LiCFSO等の有機スルホン酸塩、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルキルスルホン酸イミド塩、LiC(CFSO等のパーフルオロアルキルスルホン酸メチド塩、Li、LiPF(C、LiBF(CF、LiBF(CF)、LiBF(C、LiBF(C)等の、フッ素原子の一部をパーフルオロアルキル基で置換した無機フッ化物塩等の、含フッ素有機リチウム塩が挙げられる。
【0024】
これらのリチウム塩は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中、LiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiPF(CF、LiPF(C又はLiBF(Cがより好ましい。
特に、LiBF及びLiPFよりなる群から選ばれる化合物を、電解液中のリチウム塩の5mol%以上、好ましくは30mol%以上の割合で含有することが望ましい。最も好ましい電解質の一つは、リチウム塩の全量がこれらの化合物であるものである。リチウム塩としてLiBF及びLiPFよりなる群から選ばれる化合物を用いると、電気化学的安定性が高く、広い温度範囲で高い電気伝導率をしめす優れた電解液となる。
【0025】
非水系電解液中のリチウム塩の濃度は、0.5モル/リットル以上、3モル/リットル以下であることが望ましい。濃度が低すぎると、濃度不足により電解液の電気伝導率が不十分となる。逆に濃度が高すぎると、粘度上昇の為電気伝導率が低下し、また低温でリチウム塩が析出しやすくなる為、電池の性能が低下する傾向がある。好ましいリチウム塩の濃度は、0.6モル/リットル以上、特に好ましくは0.7モル/リットル以上であり、上限は2モル/リットル以下が好ましく、特に好ましくは1.5モル/リットル以下である。
【0026】
本発明に係る非水系電解液は、非水溶媒中に下記(I)式で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする。
【0027】
【化5】
Figure 2004349131
【0028】
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、またはRとRとが互いに結合して置換基を有していてもよい炭化水素環を形成する。環Aは置換基を有していてもよく、オルト位の炭素原子の少なくとも一方は置換基を有するものとする。)
【0029】
(I)式で表される芳香族化合物は、通常の電池作動電圧領域で実質的に反応しないものであればよく、この条件を満足する限り、環Aには任意の置換基が結合していてもよい。このような置換基として最も一般的なのは、ハロゲン原子又はハロゲン原子もしくは酸素原子を有していてもよい炭化水素基である。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の鎖状アルキル基;メトキシカカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等の鎖状アルコキシカルボニル基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、i−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基等の鎖状アルコキシカルボニルオキシ基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の鎖状アルコキシ基;フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、α−フルオロエチル基、β−フルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等の鎖状フルオロアルキル基等の、ハロゲン原子及びハロゲン原子もしくは酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基が挙げられる。
【0030】
これらの中でも、塩素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、β−フルオロエチル基又はトリフルオロエチル基がより好ましい。即ち、(I)式で表される芳香族化合物としては、オルト位の炭素原子の少なくとも一方がこれらの置換基で置換された化合物が好ましく、中でもオルト位以外の炭素原子が無置換である化合物が特に好ましい。
【0031】
及びRで表されるアルキル基は、鎖状及び環状のいずれでもよい。鎖状のアルキル基の炭素数は、通常10以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。一般的にアルキル基の炭素数が大きくなると、溶解性や反応性が低下したり、同一重量あたりの分子数が減少し、同一重量あたりの効果が低下する。このような鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、より好ましいのはメチル基又はエチル基である。
【0032】
環状のアルキル基の炭素数は、好ましくは5以上であり、上限は通常10以下、好ましくは8以下である。炭素数が大きくなると、鎖状アルキル基の場合と同様に溶解性や反応性が低下したり、同一重量あたりの分子数が減少し、同一重量あたりの効果が低下する。
環状のアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、より好ましいのはシクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基である。
【0033】
及びRは、互いに結合して炭化水素環構造を形成することもできる。この場合には、芳香族化合物は下記(II)式で表され、R、R及びこれらが結合している3級炭素原子で形成される炭化水素環の炭素数は5以上であるのが好ましい。また上限は、通常13以下であり、好ましくは8以下、特に7以下である。環を構成する炭素数が大きくなると、鎖状アルキル基の場合と同様に溶解性や反応性が低下したり、同一重量あたりの分子数が減少し、同一重量あたりの効果が低下する。
【0034】
【化6】
Figure 2004349131
【0035】
(式中、環Aは前記と同義であり、nは1〜10、好ましくは2〜4の整数を表す。但し、シクロアルカン環には置換基が結合していてもよい。)
【0036】
なお、R及びRが表す鎖状アルキル基や環状アルキル基、並びにR及びRで形成される環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、i−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの中で好ましい置換基は、塩素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニルオキシ基又はエトキシカルボニルオキシ基であるが、通常はR及びRが表す鎖状アルキル基や環状アルキル基、並びにR及びRで形成される環に置換基の存在しない芳香族化合物が用いられる。
【0037】
本発明で非水溶媒に含有させる(I)式で表される芳香族化合物は、過充電防止効果の点で、前記の(II)式で表される炭化水素環を有するものであるのが好ましい。
本発明で非水溶媒中に含有させるのに好ましい芳香族化合物のいくつかを、次に例示する。
及びRが互いに結合していない化合物の例:
1−i−プロピル−2−フルオロベンゼン、1−i−プロピル−2−クロロベンゼン、1−i−プロピル−2−メチルベンゼン、1−i−プロピル−2−エチルベンゼン、1−i−プロピル−2−メトキシカルボニルオキシベンゼン、1−i−プロピル−2−エトキシカルボニルオキシベンゼン、2−i−プロピル−安息香酸メチル、2−i−プロピル−安息香酸エチル、1−i−プロピル−2−メトキシベンゼン、1−i−プロピル−2−エトキシベンゼン、1−i−ブチル−2−メチルベンゼン、1−(2’−エチルプロピル)−2−メチルベンゼン、1−(2’−メチルブチル)−2−メチルベンゼン、1−(2’−メチルペンチル)−2−メチルベンゼン、1−(2’,3’−ジメチルブチル)−2−メチルベンゼン、1−(2’−エチルブチル)−2−メチルベンゼン、1−(2’−メチルヘキシル)−2−メチルベンゼン、1−(2’,3’−ジメチルペンチル)−2−メチルベンゼン、1−(2’,4’−ジメチルペンチル)−2−メチルベンゼン、1−(2’−エチルペンチル)−2−メチルベンゼン、1−(2’−エチル−3’−メチルブチル)−2−メチルベンゼン、1−(3’−エチル−2’−メチルブチル)−2−メチルベンゼン。
【0038】
及びRが互いに結合している化合物の例:
1−クロロ−2−シクロペンチルベンゼン、1−シクロペンチル−2−フルオロベンゼン、1−シクロペンチル−2−メチルベンゼン、1−シクロペンチル−2−エチルベンゼン、1−シクロペンチル−2−メトキシカルボニルオキシベンゼン、1−シクロペンチル−2−エトキシカルボニルオキシベンゼン、2−シクロペンチル−安息香酸メチル、2−シクロペンチル−安息香酸エチル、1−シクロペンチル−2−メトキシベンゼン、1−シクロペンチル−2−エトキシベンゼン、1−クロロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼン、1−シクロヘキシル−2−メチルベンゼン、1−シクロヘキシル−2−エチルベンゼン、1−シクロヘキシル−2−メトキシカルボニルオキシベンゼン、1−シクロヘキシル−2−エトキシカルボニルオキシベンゼン、2−シクロヘキシル−安息香酸メチル、2−シクロヘキシル−安息香酸エチル、1−シクロヘキシル−2−メトキシベンゼン、1−シクロヘキシル−2−エトキシベンゼン、1−クロロ−2−シクロヘプチルベンゼン、1−シクロヘプチル−2−フルオロベンゼン、1−シクロヘプチル−2−メチルベンゼン、1−シクロヘプチル−2−エチルベンゼン、1−シクロヘプチル−2−メトキシカルボキニルオシベンゼン、1−シクロヘプチル−2−エトキシカルボニルオキシベンゼン、2−シクロヘプチル−安息香酸メチル、2−シクロヘプチル−安息香酸エチル、1−シクロヘプチル−2−メトキシベンゼン、1−シクロヘプチル−2−エトキシベンゼン等が挙げられる。
【0039】
これらの中でも、1−クロロ−2−シクロペンチルベンゼン、1−クロロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−クロロ−2−シクロヘプチルベンゼン、1−シクロペンチル−2−フルオロベンゼン、1−シクロペンチル−2−メチルベンゼン、1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼン、1−シクロヘキシル−2−メチルベンゼン、1−シクロヘプチル−2−フルオロベンゼン、1−シクロヘプチル−2−メチルベンゼンがさらに好ましい。
【0040】
芳香族化合物は、単独でも、2種類以上を併用してもよい。これらの化合物は、非水系電解液中の存在量が少なすぎると、過充電防止効果が十分に発現しないが、逆に余りに多すぎると電池特性に悪影響を及ぼすことがある。従って非水溶媒中の合計存在量は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であり、上限は通常10重量%、好ましくは5重量%である。
【0041】
なお、本発明で用いられる芳香族化合物は、例えばJ.Organometallic Chem.,118, 349(1976)、J.Organometallic Chem., 469(2), 221(1994)、Org.Synth., II, 295(1943)等に記載の方法、又はこれに準じた方法により合成することができる。
本発明に係る非水系電解液には、更に、公知の皮膜生成剤、過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤等を添加することができる。皮膜生成剤としては、環にオレフィン性二重結合を有するビニレンカーボネート等の不飽和環状カーボネート;ビニルエチレンカーボネート等のアルケニル基を有する飽和環状カーボネート;フェニルエチレンカーボネート等のアリール基を有する飽和環状カーボネート;エチレンサルファイト等の環状サルファイト;プロパンスルトン等の環状スルトン;無水コハク酸、無水マロン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等の環状カルボン酸無水物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の化合物を用いることができる。このような皮膜生成剤を含有していると、容量維持特性及びサイクル特性がより良好となる。皮膜生成剤は、非水溶媒中に、0.1〜5重量%となるように添加されるのが好ましい。
【0042】
また、例えば特開平8−203560号、特開平7−302614号、特開平9−50822号、特開平8−273700号、特開平9−17447号の各公報等に記載されているベンゼン誘導体;特開平9−106835号、特開平9−171840号、特開平10−321258号、特開平7−302614号、特開平7−302614号、特開平11−162512号、特許第2939469号、特許第2963898号の各公報等に記載されているビフェニル及びその誘導体;特開平9−45369号、特開平10−321258号の各公報等に記載されているピロール誘導体;特開平7−320778号、特開平7−302614号の各公報等に記載されているアニリン誘導体等の芳香族化合物;特許第2983205号公報等に記載されているエーテル系化合物;特開2001−15158号公報等に記載されている化合物などの過充電防止剤との組み合わせにより、電池の設計上より好ましい過充電防止効果が期待できる場合もある。
【0043】
これら過充電防止剤や過充電効果の調整剤は、その合計含有量が非水溶媒中に0.1〜10重量%となるように添加されるのが好ましく、0.1〜5重量%となるように添加されるのがより好ましい。
本発明に係るリチウム二次電池を構成する負極の材料としては、金属リチウム、種々のリチウム合金または、リチウムを吸蔵及び放出し得るリチウム以外の異種元素を含むものであれば特に限定されないが、リチウムを吸蔵及び放出し得るリチウム以外の異種元素を含むものが好ましい。その具体例としては、例えば様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料;金属酸化物材料;リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物が挙げられる。
【0044】
これらの内、好ましい炭素材料は、種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛及び精製天然黒鉛、又はこれらの黒鉛にピッチを含む種々の表面処理を施したものである。これらの炭素材料は、学振法によるX線回折で求めた格子面(002)面のd値(層間距離)が0.335〜0.34nmであるものが好ましく、より好ましくは0.335〜0.337nmである。これら炭素材料は、灰分が1重量%以下であるものが好ましく、より好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下のものである。また学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)が30nm以上であることが好ましい。結晶子サイズ(Lc)は、50nm以上の方がより好ましく、100nm以上であるものが最も好ましい。また、メジアン径は、レーザー回折・散乱法によるメジアン径で、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは7μm以上であり、上限は通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下である。また、BET法比表面積は、0.5m/g以上、好ましくは0.6m/g以上であり、通常25.0m/g以下であり、好ましくは20.0m/g以下、より好ましくは15.0m/g以下、更に好ましくは10.0m/g以下である。また、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1580〜1620cm−1の範囲にピークP(ピーク強度I)及び1350〜1370cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)の強度比R=I/Iが0〜0.5であるものが好ましい。1580〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅は26cm−1以下であるものが好ましく、更には25cm−1以下がより好ましい。
【0045】
またこれらの炭素材料に、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物を混合して用いることもできる。
リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物としては、Ag、Zn、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Cu、Ni、Sr、Ba等の金属を含有する化合物が挙げられ、これら金属は単体、酸化物、リチウムとの合金などとして用いられる。本発明においては、Si、Sn、Ge及びAlから選ばれる元素を含有するものが好ましく、Si、Sn、Ge及びAlから選ばれる金属の酸化物、リチウム合金又はこれらと炭素材料との複合材料がより好ましい。
【0046】
これらの負極材料は、単独で使用しても、2種類以上混合して用いても良い。これらの負極材料を用いて負極を製造する方法は特に限定されない。例えば、負極材料に、必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥することにより負極を製造することができる。また、該負極材料に結着剤や導電材などを加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたり、蒸着・スパッタ・メッキ等の手法で集電体上に負極材料の薄膜形成をすることもできる。
【0047】
電極製造の際に結着剤、増粘剤、導電材としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液などに対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としては、結着剤としてはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙げることができる。また増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が挙げられる。導電材としては、銅やニッケル等の金属材料、グラファイト、カーボンブラック等のような炭素材料が挙げられる。
【0048】
負極用集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス等の金属が使用され、これらの中で薄膜に加工しやすいという点と価格の点から銅箔が好ましい。
本発明に係るリチウム二次電池を構成する正極の材料としては、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物等のリチウムとニッケル、コバルト及びマンガンから選ばれた遷移金属との複合酸化物、及びこれらの複合酸化物の遷移金属の一部を他の金属で置換した材料等のリチウムを吸蔵及び放出可能な材料を使用することができる。
【0049】
正極の製造方法については、特に限定されず、上記の負極の製造方法に準じて製造することができる。また、その形状については、負極と同じく正極材料に必要に応じて結着剤、導電材、溶媒等を加えて混合後、集電体の基板に塗布してシート電極としたり、プレス成形を施してペレット電極とすることができる。
正極用集電体としては、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属またはその合金が用いられる。これらの中で、特にアルミニウムまたはその合金が軽量であるためエネルギー密度の点で望ましい。
【0050】
本発明に係る非水系電解液二次電池に使用するセパレーターの材質や形状については、特に限定されない。但し、電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シートまたは不織布等を用いるのが好ましい。
上述の負極、正極及び非水系電解液を用いて本発明に係る非水系電解液二次電池を製造する方法については、特に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
【0051】
また、電池の形状については特に限定されず、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が使用可能である。
【0052】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。[1−シクロヘキシル−2−メチルベンゼンの製造例]
ヨードベンゼンの代わりに、1−ヨード−2−メチルベンゼンを用いた以外は、J.Organometallic., 118, 349(1976)に記載のシクロヘキシルベンゼンの製造法に準じて行い、1−シクロヘキシル−2−メチルベンゼンを得た。また、同様に、シクロペンチルブロミド、シクロヘプチルブロミドを用いて、1−シクロペンチル−2−メチルベンゼン、1−シクロヘプチル−2−メチルベンゼンを得た。
【0053】
[1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼンの製造例]
ノルボルネンの代わりにシクロヘキセンを用いた以外は、J.Organometallic Chem., 469(2), 221(1994)に記載の方法に準じて、1−アミノ−2−シクロヘキシルベンゼンを製造した。これを塩酸を用いて塩酸塩とし、Org.Synth., II, 295(1943)に記載の方法に準じてアミノ基をフッ素に変換した。また、ジアゾニウム塩を塩化物のままとすることにより、1−シクロヘキシル−2−クロロベンゼンを製造した。
【0054】
(正極の作製)
正極活物質としてLiCoO(日本化学工業社製、C5)85重量%にカーボンブラック(電気化学工業社製、商品名デンカブラック)6重量%、ポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製、商品名KF−1000)9重量%を加え混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリー状としたものを正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて正極とした。
【0055】
(負極の作成)
X線回折における格子面(002)面のd値が0.336nm、晶子サイズ(Lc)が、264nm、灰分が0.04重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が17μm、BET法比表面積が8.9m/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析における1580〜1620cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)及び1350〜1370cm−1の範囲のピークP(ピーク強度I)の強度比R=I/Iが0.15、1580〜1620cm−1の範囲のピークの半値幅が22.2cm−1である人造黒鉛粉末(ティムカル社製、商品名KS−44)94重量%に蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴム(SBR)(日本ゼオン社製、商品名BM400B)を固形分で6重量%となるように加え、ディスパーザーで混合し、スラリー状としたものを負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて電極を作製し負極として用いた。
【0056】
(コイン型セルの作製)
上記の正極および負極、各実施例および各比較例に記載の電解液を用いて、正極導電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容し、その上に電解液を含浸させたポリエチレン製のセパレーターを二枚介して負極を載置した。この缶体と負極導電体を兼ねる封口板とを、絶縁用のガスケットを介してかしめて密封し、コイン型セルを作製した。
【0057】
(コイン型セルの評価・観察)
25℃において、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0V、0.5mA定電流で4サイクル充放電試験を行い、5mAで5サイクル目の充放電を行った後、再度充電状態とした。
このコイン型セルを85℃で72時間保存し、その後、放電させ(6サイクル目)、次いで5mAで7サイクル目の充電及び放電を行なった。この7サイクル目の放電容量を5サイクル目の放電容量で割った値を保存特性とした。また、測定後のコイン型セルの封口板を外して、内部の電極を取り出し、二枚のセパレーターの間から、正極−セパレーター・負極−セパレーターに分離し、その後正極とセパレーターを剥離し、正極活物質表面上の芳香族化合物由来の黒色の皮膜の有無を確認した。
【0058】
また、再度、別のコイン型セルを同様に作製し、25℃において、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vで0.5mA定電流で4サイクル充放電試験を行い、5mAで5サイクル目の充放電を行った後、再度充電状態とし、さらに5mAの充電電流を流して、通常の満充電時の容量を100%として、合計で170%分の電気量が流れた所(充電深度170%)まで過充電を行い、その時の電圧を測定した。4.2V以上でより4.2Vに近い方が好ましいことから、4.50V未満をA、4.50V以上4.60V未満をB、4.60V以上4.70V未満をC、4.70V以上をDと判定した。
【0059】
実施例1
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを重量比で1:1に混合した溶媒に乾燥アルゴン雰囲気下で十分に乾燥を行ったヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶質として1モル/リットルの割合で溶解し、更に1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼンを2重量%の割合で溶解し、さらに負極皮膜生成剤としてビニレンカーボネート(VC)を2重量%の割合で溶解して電解液を調製し、上記の方法にてコイン型セルを作製し、上記コイン型セルの評価・観察を行なった。
【0060】
実施例2
1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼンの代わりに1−シクロヘキシル−2−メチルベンゼンを2重量%の割合で溶解したこと以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、評価を行なった。
実施例3
1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼンの代わりに1−シクロヘキシル−2−クロロベンゼンを2重量%の割合で溶解したこと以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、評価を行なった。
【0061】
実施例4
1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼンの代わりに1−シクロペンチル−2−フルオロベンゼンを2重量%の割合で溶解したこと以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、評価を行なった。
【0062】
比較例1
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを重量比で1:1に混合した溶媒に、LiPFを1モル/リットルの割合で溶解し、更にビニレンカーボネートを電解液に対し2重量%の割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、評価を行なった。
【0063】
比較例2
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを重量比で1:1に混合した溶媒に、LiPFを1モル/リットルの割合で溶解し、更にビフェニルとビニレンカーボネートを電解液に対しそれぞれ2重量%の割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、評価を行なった。
【0064】
比較例3
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを重量比で1:1に混合した溶媒に、LiPFを1モル/リットルの割合で溶解し、更にシクロヘキシルベンゼンとビニレンカーボネートを電解液に対しそれぞれ2重量%の割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、評価を行なった。
【0065】
実施例5
γ−ブチロラクトン(GBL)を溶媒として、LiPFとテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)をそれぞれ0.5モル/リットルの割合で溶解し、更に1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼンとビニレンカーボネートとをそれぞれ電解液に対し2重量%の割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、評価を行なった。
【0066】
比較例4
γ−ブチロラクトンを溶媒として、LiPFとLiBFをそれぞれ0.5モル/リットルの割合で溶解し、更にビフェニルとビニレンカーボネートを電解液に対し2重量%の割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型セルを作製し、評価を行なった。
これらの評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
Figure 2004349131
【0068】
【発明の効果】
本発明に係る非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池は、充放電効率が高く、容量維持特性に優れ、広い温度範囲における電池特性及び安全性に優れ、かつ高エネルギー密度である。

Claims (13)

  1. リチウム塩が非水溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、非水溶媒が下記(I)式で表される芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液。
    Figure 2004349131
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、またはRとRが互いに結合して置換基を有していてもよい炭化水素環を形成する。環Aは置換基を有していてもよく、RCH−が結合する炭素原子に隣接している炭素原子の少なくとも一方は置換基を有するものとする。)
  2. 芳香族化合物が、下記(II)式で表されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の非水系電解液。
    Figure 2004349131
    (式中、環Aは前記と同義であり、nは1〜10の整数を表す。但し、シクロアルカン環には置換基が結合していてもよい。)
  3. 環Aに置換し得る置換基が、ハロゲン原子及びハロゲン原子もしくは酸素原子を有していてもよい炭化水素基から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の非水系電解液。
  4. 環Aに置換し得る置換基が、塩素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、β−フルオロエチル基及びトリフルオロメチル基よりなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  5. 非水溶媒が、芳香族化合物を0.1〜10重量%含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  6. 非水溶媒の70容量%以上が、総炭素数3〜9のラクトン化合物、総炭素数3〜9の環状カーボネート、総炭素数3〜9の鎖状カーボネート、総炭素数3〜9の鎖状エーテル及び総炭素数3〜9の鎖状カルボン酸エステルからなる群から選ばれる溶媒であり、かつ、非水溶媒の20容量%以上が総炭素数3〜9のラクトン化合物及び総炭素数3〜9の環状カーボネートからなる群から選ばれる溶媒であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  7. ラクトン化合物が、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びδ−バレロラクトンからなる群から選ばれ、環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートからなる群から選ばれ、かつ、鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートからなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項6に記載の非水系電解液。
  8. 非水溶媒が、不飽和環状カーボネート、アルケニル基含有飽和環状カーボネート、アリール基含有飽和環状カーボネート、環状サルファイト、環状スルトン及び環状カルボン酸無水物からなる群より選ばれる化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  9. 電解液中のリチウム塩の5〜100mol%が、LiBF及びLiPFよりなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  10. 金属リチウム、リチウム合金又はリチウムを吸蔵及び放出することが可能な材料を含む負極と、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な材料を含む正極と、リチウム塩が非水溶媒に溶解されてなる非水系電解液とを備えた非水系二次電池において、非水系電解液が請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水系電解液であることを特徴とする、非水系電解液非水系電解液を用いた二次電池。
  11. 負極が、X線回折における格子面(002)面のd値が0.335〜0.34nmの炭素材料を含有するものであることを特徴とする、請求項10に記載の非水系電解液二次電池。
  12. 負極が、
    1)Si、Sn、Ge及びAlからなる群から選ばれる元素の化合物、又は
    2)Si、Sn、Ge及びAlからなる群から選ばれる元素の化合物と炭素材料との混合物
    を含有することを特徴とする、請求項10又は11に記載の非水系電解液二次電池。
  13. 正極が、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムニッケル系複合酸化物及びリチウムマンガン系複合酸化物から選ばれるリチウム遷移金属系複合酸化物を含むものであることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の非水系電解液二次電池。
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